JP4864723B2 - 無限調整可能ギア - Google Patents

Description

本発明は少なくとも２つのギア連結部材ならびに該ギア連結部材が相互に外因操作的に接続されるとともに、その位置がギア連結部材に関して無限に変位可能であるように設置される少なくとも１本の接続連接棒を伴った無限に調整可能なギアに関する。

２つのギア連結部材を一体に接続する接続連接棒の位置がこれらのギア連結部材に関して無限に調整可能である無限調整可能ギアは既に複数が存在する。例えば、摩擦ベベルリングギアが英国特許PS 298,676に公開されている。そこに説明された実施例では、誘導要素が誘導軸棒上の摩擦ベベルホイールの軸と平行に誘導されて、該要素により摩擦ベベルホイールに沿って摩擦リングが誘導される。これにより摩擦ベベルリングギアの減速比の無限調整が確保される。しかしながら、摩擦リングの調整用に特殊な作動が必要とされ、これによりギアの設計が極めて高価なものになっている。

この発明の目的は無限調整可能ギアができるだけ小さく保たれると同時に、その結果、特に、車両ギアとしても有利に利用可能であるという程度にまで摩擦リングの制御が改善されることにある。本発明の目的は少なくとも２つのギア連結部材ならびにギア連結部材を一体に外因操作的に接続するとともに、その位置がギア連結部材に関して無限に変位可能であるよう設置される少なくとも１本の接続連接棒を伴う無限調整可能ギアによって達成され、該接続連接棒は、軸方向に、ギア連結部材の両軸を通る固定面と平行に設置される構成部品が含まれる回転軸棒に関して回転自由に接合される誘導装置に設置される。これは、結局、回転軸棒がこの面と平行に、あるいはこの面内に設置されるかあるいは、回転軸棒がこの面と鋭角に交叉することを意味する。該接続連接棒は、例えば、誘導装置が回転軸棒に関して回転自由に接続される時に、ギア連結部材に関連して変位可能な持出し部によって平行に変位するのが有利である。該接続連接棒は、誘導装置が回転軸棒に関して回転する方向に応じて第１方向にあるいは第１方向と反対の第２方向に平行に変位する。

特に、平行移動変位は、この場合には、２つのギア連結部材の回転のみによることが可能であるので、力は回転軸棒廻りの自在回転変位向けに別々に加えられることが必要なだけである一方、変位あるいは平行移動変位向けの任意の場合に必要とされる力は、ギア列自身によってあるいは２つのギア連結部材および接続連接棒の回転によって与えられる。

「誘導装置」という用語は、この場合には、接続連接棒が一方で回転可能に取付けられると同時に、他方ではギア連結部材に関連する誘導装置によって平行に変位して変位可能でもある構造が言及されるものと理解される。

接続連接棒の平行移動変位は誘導装置の回転運動によって実質的に生じるので、ギア連結部材に関する接続連接棒の位置を極端に単純な構造の中で無限に変位させることが可能である。この無限調整可能ギアは、従って、極端に小さな大きさで設計される。

このようなさらに信頼性がありかつ干渉のより少ない接続連接棒の位置が実現されるために、無限調整可能ギアには、この発明のその他の特徴とは関係なく、仕切壁を通じて自動位置信号が伝達される自動位置記録装置があっても良い。

ここで、自動位置記録あるいは自動位置信号により正確なデータが測定されると同時に伝達されることが、たとえ作動条件が構造上難しい場合でも特に有利である。例えば、自動位置信号の用意のおかげで、ギア連結部材あるいは接続連接棒の直近の電気部品および／または光学部品は無くて済ますことが可能である。特に、ギア連結部材直近の電気あるいは光学部品が、本発明により、無くて済ますことが可能であるので、そこを支配する高温かつ粘着摩擦性流体の存在がここで説明される位置記録装置に逆効果を及ぼすことはない。位置測定装置は、従って、故障に高度に耐えるように設計されて、究極の信頼性のある位置測定が保証される。

本発明の目的は、また、少なくとも２つのギア連結部材ならびに少なくとも１本の接続連接棒を伴った無限調整可能ギアによっても達成され、この連結装置によりギア連結部材が相互に外因操作的に接続されると同時に、その位置がギア連結部材に関連して無限に変位可能であるようにこれが設置されて、該無限調整可能ギアは、ギアが静止位置にある場合に少なくとも１つのギア連結部材に関連する接続連接棒の位置が測定可能である位置記録装置を有する。このような位置記録の結果として、任意の時点、たとえギアあるいはエンジンが静止している場合でも、接続連接棒の位置に関する情報が入手可能となる。これにより、いかなる無限調整可能ギアの運転条件にも関係なく接続連接棒の位置測定が有利に可能となる。この自動位置記録装置あるいはこの自動位置信号は速度の測定とは独立した位置の記録と伝達が可能であるので、たとえ、個別の連結部材間にすべりがある時でさえ、少なくとも１つのギア連結に関連する接続連接棒の測定が極めて正確に可能ともなる。

本発明は、特に、トルクが、例えば、入力円錐から回転摩擦リングを経由して出力円錐まであるいはこの逆方向に伝達される先行技術のベベルリングギアに関する利用に適する。

「自動位置信号」という用語により、本発明の意味の範囲では、接続連接棒の位置が第１領域から第２領域まで自動で伝達可能である任意の構成部品が意味される。この場合において、「第１領域」という用語によりギア連結部材があるいは接続連接棒が直接的に設置される無限調整可能なギアの領域が好んで言及される。「第２領域」という用語には、本発明の意味の範囲内では、第１領域とは異なる無限調整可能ギアの１領域かあるいは、無限調整可能ギアの完全に外部に設置される１領域が含まれる。いずれの場合も、第１および第２領域は支配的な条件に関して本質的に異なり、これらの条件は無限調整可能ギアの運転の間、第１あるいは第２の領域において相当に変動する。

ある実施例によると自動位置信号はデータ記録および／またはデータ処理手段に伝達されることになる。これにより摩擦リングの位置に応じて自動位置信号が提供される情報が記録されると同時に、安全かつ効率的にも処理が確実に行われる。このデータ記録および／またはデータ処理手段は経済的に、かつ、特に、標準化された光学および／または電気部品によって有利に実施可能であることが示されてきた。

ある実施例によると、仕切壁は無限調整可能ギアのハウジングの壁である。従って、ギアデータがデータ記録および／またはデータ処理手段に極めて確実に伝達可能である。

この接続では、仕切壁が無限調整可能なギアの流体空間の壁であるのが特に有利である。この点により、自動位置信号は、例えば、粘性摩擦流体で満たされた流体空間で確実に測定可能であると同時に、この流体空間から確実に伝達可能であることが保証される。

このような仕切壁を通じて自動位置信号が誘導されることによって、無限調整可能ギアの高温領域から十分遠く離れたデータ記録および／またはデータ処理手段の設置が可能であり、標準光学部品および標準電気部品がデータ記録および／またはデータ処理手段として利用可能となる。

このような壁を通じた自動位置信号の生成は現状の技術状態に基づいて既に容易に実現可能であるので、自動位置信号は究極的に単純な構造手段によって無限調整可能ギアの流体空間の壁あるいはハウジングの壁のどちらかの仕切壁によって設置されることが特に有利である。このような自動位置信号により、特に、シーリングの問題点に照らした無限調整可能ギアに関係する設計上の問題解決策に関しては通常の要求が課されるだけである。

特に好ましい典型的実施例では、平行移動変位位置信号が回転位置信号に変換されることとなる。その結果、自動位置信号は無限調整可能ギアに統合可能となり相当な空間が節約される。この変換機構は現状の技術状態から十分に知られているので、このような自動位置信号の構造により極めて確実な伝達が可能である。

この接続においては、無限変位可能接続連接棒に回転軸棒に取付けられる誘導装置があるとともに、回転軸棒には回転位置信号があることが特に有利となった。その結果、無限変位可能接続連接棒の任意の場合に設置される誘導装置、例えば、摩擦リングの誘導装置の回転軸棒が自動位置信号として利用されるので、この自動位置記録ならびに自動位置信号が利用された無限調整可能ギアにより、その構造に関して極めて大きな空間が節約される。特に、回転可能に移動される仕切壁を貫通する回転軸に関するシーリングは比較的容易かつ低コストで実施可能であるので、シーリング作業は、それ故、極めて容易に実施可能である。

図１に示される誘導装置１により摩擦リング２が誘導される。該摩擦リング２は両矢印４の方向の誘導ローラー３（ここでは一例としてのみ図によって示される）によって軸棒５廻りに回転可能に取付けられる。その結果、摩擦リング２は両矢印４の方向の回転移動だけでなく両矢印６の方向の平行移動変位を行うことも可能であり、誘導装置１には２本の誘導軸棒７（ここで数は単に一例として挙げられる）があり、該軸棒上の誘導滑動装置８は両矢印６の方向に平行運動で移動可能である。

誘導装置１は調整軸棒１０にその横領域９で外因操作的に接続されて、該誘導装置全体が回転軸棒１１２廻りに回転可能であることが確保される。摩擦リング２が設置された誘導滑動装置８は、誘導装置１の回転軸棒１１廻りの調整軸棒１０による位置決め具合に応じて両矢印６の２方向のいずれかに軸棒５に沿って移動する。

接続橋渡し部１２の領域では（ここで数字は一例としてのみ挙げられる）、誘導滑動装置８に誘導滑動装置８が自動位置決め棒１４に外因操作的に接続される接続具１３がある。この典型的実施例では、自動位置決め棒１４は自在継手支承装置１５の部品であり、誘導装置１上の回転軸棒１１廻りに回転可能に設置される。自在継手支承装置１５には位置決め棒１４ならびにここでは明確に説明されない追加の部品群だけでなくさらに位置決めギアリング１６も含まれる。

ここに示される位置決めギアリング１６を伴う誘導装置１ならびに特に位置決め棒１４と自在継手支承装置１５のおかげで、誘導装置１の領域の摩擦リング２の位置がデータ記録および／または処理装置（ここでは示されない）に自動かつ正確に伝達されることが可能となる。軸棒５に沿って摩擦リング２の線形移動ならびにそれ故また摩擦リング２の位置の変動もまた位置決め棒１４によって回転位置信号に変換され、この信号は位置決めギアリング１６によってこの典型的実施例に組込まれる。

摩擦リング２は、図１の典型的実施例によると、前面位置１７の誘導装置１に関連して位置決めされる。前面位置１７と異なる摩擦リング２の位置が、誘導滑動装置８、ならびにそれ故、摩擦リング２もそこに変位可能である後面位置１８が参照された例によって示されている。

誘導装置１が様々な透視図と断面により図２から図６に示される。

図６によると、位置決め棒１４は後面位置１８に示され、この場合、誘導滑動装置８は後面位置１８まで軸棒５に沿って移動する。位置決め棒１４が接続具１３によって誘導滑動装置１８に接続されているので、位置決め棒１４により、従って、矢印の方向１９に応じた回転軸棒１１廻りの回転動作が実行された。両矢印６による平行移動は、従って、回転方向１９に応じた回転運動に変換される。

図７による典型的実施例１００には自在継手支承位置決め装置１１５が本質的に示され、この装置は位置決め棒１１４および接続具１１３によって誘導滑動装置１０８に外因操作的に接続される。この場合には、誘導滑動装置１０８は誘導軸棒１０７上の複数の軸棒１０５（ここで数は例としてのみ挙げられる）に沿って移動し、この間に、自在継手支承位置決め装置１１５により、このような両矢印１０６のどちらかの方向の平行移動の場合の回転軸棒１１１廻りの回転が実行される。

図１から図６に示された実施例によると、誘導滑動装置１０８には、この典型実施例１０８における誘導摩擦リング１０２を回転させる誘導ローラー１０３（ここで数は例としてだけ挙げられる）もあるので、摩擦リング１０３は軸棒１０５に沿って平行移動可能である一方で、他方では、軸棒１０５廻りの回転移動も実行可能である。

図８から図１０までに示される摩擦ベベルギア２３０は、本質的に半径の距離だけ離れた平行な軸棒２３１および２３２上に設置される２つの摩擦ベベルホイール２３３および２３４から構成され、これらの車輪は相互に反対方向に設置されるとともに、同一の傾斜角２３５および２３６をそれぞれ有する（図１０参照）。摩擦リング２０２は摩擦ベベルホイール２３３を取り囲むと同時に誘導滑動装置２０８の中に保持され、摩擦ベベルホイール２３３と２３４の間に設置される。この典型的実施例では、誘導滑動装置２０８は２ヶ所の接続橋渡し部２１２（ここで数は例としてのみ挙げられる）から形成される骨組により構成される。誘導滑動装置２０８は誘導軸棒２０７上に取付けられ、軸棒２３１および２３２と平行である。誘導滑動装置２０８には複数の誘導ロール２０３があり、これらは摩擦リング２０２の両側で噛合されて、これに所要の軸方向誘導が与えられる。

摩擦ベベルリングギア２３０の誘導装置２０１は、調整原動機２３７によって回転軸棒２１１廻りに回転自由に接合される。誘導装置２０１が回転軸棒２１１廻りにわずかな取付け角度だけ回転自由に接合される場合には、駆動部が誘導滑動装置２０８の軸方向の調整ならびに、それ故、摩擦ベベルホイール２３３および２３４の減速比の変動に影響する。この目的のためのエネルギー消費は少なくて十分である。

図１０に示された摩擦ベベルリングギア２３０には前面駆動装置２３８用の車両駆動装置が設けられているが、その駆動の運転モードはここではさらに詳細には説明されない。摩擦ベベルホイール２３３および２３４は適切な転がり支承装置類２３９（ここで数は例としてだけ挙げられる）によって軸方向にも放射方向にも両方に取付けられる。

この発明のさらなる利点類、目的類ならびに特徴は、特別に示された誘導装置と接続された自動位置信号の一例として示された以下の付属図面の記述が参照されて説明される。
誘導装置の部分図が概略示される。 図１に示された誘導装置の立面図が概略示される。 図１および図２に示された誘導装置の横側立面図が概略示される。 図１〜図３に示された誘導装置の透視図が示される。 図１〜図４の誘導装置の底面見上げ図が概略示される。 自動位置決め棒の部分図が概略示される。 誘導装置上に設置される位置決め棒を伴う代替誘導装置が概略示される。 図９に示される摩擦ベベルリングギアを通るＩ−Ｉ線に沿った横断面図が概略示される。 図８に示される摩擦ベベルリングギアの立面図が概略示される。 前面駆動装置用車両駆動装置上の摩擦ベベルリングギアを通る長手方向断面が概略示される。

Claims (7)

1. ２つのギア連結部材（２３３，２３４）と、１つのギア連結部材（２３３）を取り囲み、誘導装置（１）に保持され、２つのギア連結部材（２３３，２３４）の間に設置される前記摩擦リング（２０２）からなる無限調整可能ギアであり、
   前記誘導装置（１）は、２つのギア連結部材（２３３，２３４）の軸方向に対して垂直な回転軸棒（２１１）の廻りに前記摩擦リング（２０２）を回転させて移動させ、前記摩擦リング（２０２）の位置がギア連結部材に対して無限に変位可能であり、
   摩擦リング（２０２）の位置が自動的に伝達される自動位置記録装置を備え、
   前記誘導装置（１）には、前記摩擦リング（２０２）を変位可能な誘導滑動装置（８）が含まれ、
   前記自動位置記録装置は、前記回転軸棒（２１１）を中心に回転可能な位置決め棒を有し、前記位置決め棒の先端は接続具によって前記誘導滑動装置（８）と接続され、前記誘導滑動装置（８）の、少なくとも１つのギア連結部材（２３３，２３４）の軸方向に平行な移動が、前記位置決め棒によって回転位置信号に変換されて、前記摩擦リング（２０２）の位置が記録されることを特徴とする無限調整可能ギア。
2. 摩擦リング（２０２）の移動あるいは平行運動に必要とされる力が、２つのギア連結部材（２３３，２３４）の回転あるいは摩擦リングの回転によって生み出されることを特徴とする請求項１に記載の無限調整可能ギア。
3. 前記摩擦リング（２０２）の位置を伝達する位置信号が、無限調整可能ギア（２３０）のハウジングの壁を介して伝達されることを特徴とする請求項１または２に記載の無限調整可能ギア（２３０）。
4. 前記摩擦リング（２０２）の位置を伝達する位置信号が、無限調整可能ギア（２３０）の流体空間の仕切壁を介して伝達されることを特徴とする請求項１または２に記載の無限調整可能ギア（２３０）。
5. 前記位置記録装置が、少なくとも１つのギア連結部材に対する前記摩擦リング（２０２）の位置を、ギア連結部材が静止している時に測定可能であることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の無限調整可能ギア。
6. 前記摩擦リング（２０２）の位置を示す自動位置信号がデータ記録および／またはデータ処理手段に伝達されることを特徴とする請求項１から５のいずれか１項に記載の無限調整可能ギア（２３０）。
7. 前記誘導装置（１）は回転軸棒（１１，２１１）上に取付けられ、該回転軸棒（１１，２１１）に回転位置信号が伝達されることを特徴とする請求項１〜６のいずれか１項に記載の無限調整可能ギア（２３０）。

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