JP4862942B2 - 画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムに関し、特に、埋め込み情報を複数の情報ブロックに分割して埋め込み、複数の情報ブロックに分割して埋め込まれた情報を読み取る画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムに関する。
情報のデジタル化の進展とともに、電子透かしなどに代表されるデータ埋め込みの技術が一般化し、近年では、印刷物や複写物などのアナログ画像媒体にも適用されるようになってきている。
印刷物に対するデータ埋め込みの代表的な方法としては、プリント時に、文書画像などの背景に、例えば情報を複数のブロック(以下、情報ブロックと言う)に分割し、情報ブロックにブロック番号を付加して情報を埋め込む方法がある(特許文献1参照)。
しかし、特許文献1の方法では、埋め込まれた情報を読み出す際に、ブロック番号が特定できないと、取り出せるはずのデータもしくはデータの一部が欠落してしまうという課題があり、全面に文字が配置された文書のような、狭い範囲でしか背景の読み取りができない読み取りの難しい画像では、充分な情報検出性能が得られない。
そこで、ブロック番号が特定できない情報ブロックのデータを、他のブロック番号の特定できている情報ブロックのデータと比較し、一致度の高い情報ブロックと同じ情報ブロックであると推定する読み取り方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−112607号公報 特開2004−228739号公報
しかし、特許文献2のように一致度を用いてブロック番号を推定すると、複数の情報ブロック間でよく似たデータが存在した場合には、他の情報ブロックと誤って推測したり、ブロック番号の推測が不可能となり、やはり課題の解決にはならない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、情報ブロックの位置は特定できているがブロック番号が特定できないといったような、情報ブロックを特定するための情報を全て抽出しきれないという状況自体が発生しないような埋め込み画像を生成することのできる画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムを提供することを目的とする。
本発明の目的は、下記構成により達成することができる。
本発明の或る局面に従った画像処理装置は、埋め込み情報を複数の情報ブロックに分割し、複数の情報ブロックから埋め込み画像を生成する埋め込み画像生成部を備えた画像処理装置であって、埋め込み画像生成部は、埋め込み情報を分割することにより複数の情報ブロックを生成する情報ブロック生成部と、情報ブロックが分割されることによって生成された埋め込み単位データに対応する単位ドットパターンを生成する単位ドットパターン生成部とを含み、単位ドットパターン生成部は、情報ブロックを識別するための情報と各情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンをさらに生成し、埋め込み画像生成部は、特殊パターンの単位ドットパターンを、所定の方法に従って配置するパターン配置部をさらに含む。
本発明の他の局面に従った画像処理装置は、埋め込み情報が複数の情報ブロックに分割された状態で埋め込まれた埋め込み画像から埋め込み情報を復元する情報復元部を備えた画像処理装置であって、情報復元部は、埋め込み画像から、情報ブロックを識別するための情報と各情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンを抽出するパターン抽出部と、抽出された単位ドットパターンの特殊パターンから情報ブロックを特定する特定部と、特定された情報ブロックを用いて埋め込み画像に埋め込まれた埋め込み情報を復元する復元部とを含む。
好ましくは、情報ブロックを識別するための情報は、情報ブロックのブロック番号である。
好ましくは、情報ブロックを識別するための情報は、情報ブロックを表す情報パターンが占める領域の大きさである。
好ましくは、情報ブロックを識別するための情報は、情報ブロックを表す情報パターンが占める領域の形状である。
好ましくは、情報ブロックを識別するための情報は、情報ブロックの誤り訂正情報である。
本発明の或る局面に従った画像処理方法は、埋め込み情報を複数の情報ブロックに分割し、複数の情報ブロックから埋め込み画像を生成する埋め込み画像生成工程を備えた画像処理方法であって、埋め込み画像生成工程は、埋め込み情報を分割することにより複数の情報ブロックを生成する情報ブロック生成工程と、情報ブロックが分割されることによって生成された埋め込み単位データに対応する単位ドットパターンを生成する単位ドットパターン生成工程とを含み、単位ドットパターン生成工程は、情報ブロックを識別するための情報と各情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンをさらに生成し、埋め込み画像生成工程は、特殊パターンの単位ドットパターンを、所定の方法に従って配置するパターン配置工程をさらに含む。
本発明の他の局面に従った画像処理方法は、埋め込み情報が複数の情報ブロックに分割された状態で埋め込まれた埋め込み画像から埋め込み情報を復元する情報復元工程を備えた画像処理方法であって、情報復元工程は、埋め込み画像から、情報ブロックを識別するための情報と各情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンを抽出するパターン抽出工程と、抽出された単位ドットパターンの特殊パターンから情報ブロックを特定する特定工程と、特定された情報ブロックを用いて埋め込み画像に埋め込まれた埋め込み情報を復元する復元工程とを含む。
本発明の或る局面に従ったプログラムは、埋め込み情報を複数の情報ブロックに分割し、複数の情報ブロックから埋め込み画像を生成する埋め込み画像生成工程を備えた画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、埋め込み画像生成工程は、埋め込み情報を分割することにより複数の情報ブロックを生成する情報ブロック生成工程と、情報ブロックが分割されることによって生成された埋め込み単位データに対応する単位ドットパターンを生成する単位ドットパターン生成工程とをコンピュータに実行させ、単位ドットパターン生成工程は、情報ブロックを識別するための情報と各情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンをさらに生成し、埋め込み画像生成工程は、特殊パターンの単位ドットパターンを、所定の方法に従って配置するパターン配置工程をさらにコンピュータに実行させる。
本発明の他の局面に従ったプログラムは、埋め込み情報が複数の情報ブロックに分割された状態で埋め込まれた埋め込み画像から埋め込み情報を復元する情報復元工程を備えた画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、情報復元工程は、埋め込み画像から、情報ブロックを識別するための情報と各情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンを抽出するパターン抽出工程と、抽出された単位ドットパターンの特殊パターンから情報ブロックを特定する特定工程と、特定された情報ブロックを用いて埋め込み画像に埋め込まれた埋め込み情報を復元する復元工程ととをコンピュータに実行させる。
本発明によれば、情報パターンの位置決めパターンを情報ブロックに関するブロック情報に応じて生成するので、情報ブロックを特定するための情報を抽出しきれないという状況自体が発生せず、情報パターンが特定できれば必ず抽出した情報を無駄なく利用することができる画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムを提供することができる。また、情報パターンの位置決めパターンをブロック情報に応じて生成するので、埋め込み情報の埋め込み効率の高い画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムを提供することができる。
本発明の実施形態における画像処理装置のシステム構成の一例を示す模式図である。 画像処理装置の機能を説明するための模式図である。 本発明の実施形態における画像処理装置のシステム構成の他の例を示す模式図である。 画像処理装置で実行される画像処理の方法の一例を示すフローチャートである。 原稿画像と埋め込み画像とがプリントアウトされた印刷物の一例を示す模式図である。 ステップS100「埋め込み画像生成サブルーチン」の詳細を示すフローチャートである。 埋め込み情報の複数の情報ブロックへの分割方法の一例を示す図である。 情報ブロックの埋め込み単位データへの分割方法の一例を示すテーブルである。 ドットパターン図の例を示す模式図である。 ドットパターンテーブルの一例を示すテーブルである。 情報パターンを、ドットパターン図を用いて表した例である。 パターン配置図の一例を示す模式図である。 第2ブロック画像の一例を示す図である。 ブロック配置図の一例を示す図である。 埋め込み画像から埋め込まれた情報を抽出する方法を示すフローチャートである。 スキャン画像の一例である。 ヒストグラムメモリの例を示す図である。 特殊パターンにブロック番号以外の意味を持たせる例を示す図である。 第4の実施の形態におけるパターン配置図の例を示す模式図である。 第4の実施の形態におけるドットパターンテーブルの例を示す図である。
符号の説明
10 画像処理装置
11 マウス
12 キーボード
13 モニタ
14 外部記憶装置
15 プリンタ
16 パーソナルコンピュータ(PC)
17 画像処理プログラム
18 スキャナ
19 記録媒体駆動装置
191 記録媒体
21 ユーザ指示
22 画像データ表示
23 プリント画像
24 入出力インタフェース
25 CPU/メモリ
26 記憶装置
27 OS(Operating System)
28 画像処理部
29 スキャン画像
31 操作パネル部
32 スキャナ部
33 プリンタ部
34 MFP(Multi Functional Peripheral)本体
35 画像処理回路
INF 埋め込み情報
BD 埋め込み画像
IM 原稿画像
PD プリント画像
PM 印刷物
IB 情報ブロック
EU 埋め込み単位データ
IP 情報パターン
DP ドットパターン図
TB ドットパターンテーブル
SP 特殊パターン
LO パターン配置図
BI ブロック画像
BL ブロック配置図
SI スキャン画像
HM ヒストグラムメモリ
RD 復元データ
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明するが、本発明は該実施の形態に限定されない。なお、図中、同一あるいは同等の部分には同一の番号を付与し、重複する説明は省略する。
(画像処理装置の概略構成)
最初に、本実施形態における画像処理装置のシステム構成の一例について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態における画像処理装置のシステム構成の一例を示す模式図であり、パーソナルコンピュータ(以下、PCと言う)を用いて画像処理装置を構成する場合を示している。
図1において、画像処理装置10は、マウス11、キーボード12、モニタ13、外部記憶装置14、プリンタ15、PC16、スキャナ18および記録媒体駆動装置19等で構成される。
PC16は、一般的なコンピュータのハードウェアと同様の構成を有しており、CPU(Central Processing Unit)(図2参照)が画像処理プログラム17を実行することによって、画像処理装置10の機能が実現される。
マウス11およびキーボード12は、それぞれ入力デバイスとして用いられ、ユーザが画像処理プログラム17の起動、画像処理プログラム17の実行時における各種指示等を行う際に用いられる。
モニタ13は、文書原稿や画像ファイル等を表示するのに用いられ、ユーザはモニタ13に表示された内容を参照しながら、画像処理プログラム17に指示を与えることによって画像処理が進められる。
外部記憶装置14は、例えばハードディスク等で構成され、文書原稿や画像ファイル等を記憶するのに用いられる。画像処理プログラム17がこの外部記憶装置14に記憶され、PC16が外部記憶装置14から内部のRAM(Random Access Memory)に画像処理プログラム17をロードして実行するようにしてもよい。
プリンタ15は、PC16から情報が埋め込まれた画像のデータを受信し、情報が埋め込まれた画像をプリントアウトする。PC16が画像処理プログラム17による処理を行ったプリント画像をプリンタ15に送信することによって、画像処理が終了される。
スキャナ18は、原稿の読み取り装置で、例えば印刷物や写真、フィルム等の画像を読み込んで画像データを生成したり、印刷物に埋め込まれた埋め込み画像を読み取り、PC16に送付する際に用いられる。
記録媒体駆動装置19は、例えばCD−ROMやDVD−ROM等の情報記録用ディスクやメモリカード等の記録媒体191の駆動装置で、PC16によって行われた画像処理によって得られた画像のデータを記録媒体に記録する際に用いられる。また、記録媒体191に記録された画像処理プログラム17を、記録媒体駆動装置19を介して、PC16の内部のRAMにロードして実行するようにしてもよい。
その他に、画像処理装置10は、図示しないネットワークインタフェースを介して他のPCやインターネットとの間で文書原稿や画像ファイル等を送受信する機能を備えていてもよい。
次に、図1に示した画像処理装置10の機能を、図2を用いて説明する。図2は、画像処理装置10の機能を説明するための模式図である。
図2において、PC16は、入出力インタフェース24、CPU/メモリ25および記憶装置26等を含む。また、記憶装置26は、OS(Operating System)27と、画像処理プログラム17によって実現される画像処理部28とを含む。画像処理プログラム17はOS27上で動作し、画像処理部28の機能を実現する。ここに、PC16は、埋め込み画像生成部、情報パターン生成部、位置決めパターン生成部およびパターン配置部として機能するとともに、情報復元部、パターン抽出部、ブロック情報抽出部および埋め込み情報抽出部としても機能する。また、画像処理プログラム17は、それらの機能をコンピュータに実現させるプログラムとして機能する。
画像処理部28は、OS27および入出力インタフェース24を介してデータを入出力することによって、キーボード12、マウス11、モニタ13、プリンタ15およびスキャナ18を制御する。画像処理部28は、キーボード12またはマウス11によるユーザ指示21を受け、モニタ13に画像データ表示22を行ったり、プリンタ15に処理済みの画像データをプリント画像23として送信したり、スキャナ18からスキャン画像29を受信したりして、画像処理を行う。
続いて、本実施形態における画像処理装置10のシステム構成の他の例について、図3を用いて説明する。図3は、画像処理装置10のシステム構成の他の例を示す模式図であり、MFP(Multi Functional Peripheral)を用いて画像処理装置10を構成する場合を示している。
図3において、画像処理装置10は、操作パネル部31、スキャナ部32、プリンタ部33、MFP本体34および外部記憶装置36等を含む。
MFP本体34は、画像処理回路35等で構成される。画像処理回路35は、操作パネル部31から入力されるユーザの指示を受け、スキャナ部32およびプリンタ部33を制御しながら画像処理を行う。画像処理回路35は、図1における画像処理プログラム17で実現される機能と同様の機能を実現する。形成された画像は、例えば外部記憶装置36等に保存され、必要に応じて読み出されてプリントされる。MFP本体34についても、図1と同様に、図示しないネットワークインタフェースを介して他のPCやインターネットとの間で文書原稿や画像ファイル等を送受信する機能を備えていてもよい。
次に、画像処理装置10で実行される画像処理の方法について、図4および図5を用いて説明する。図4は、画像処理装置10で実行される画像処理の方法の一例を示すフローチャートである。
図4において、ステップS100「埋め込み画像(BD)生成サブルーチン」で、入力された埋め込み情報INFから埋め込み画像BDが生成される(埋め込み画像生成工程)。埋め込み画像BDの生成方法については、図6以降で詳述する。
続いて、ステップS121で、外部記憶装置14に記憶されている文書原稿や画像ファイル等が読み出されたり、スキャナ18で印刷物や写真等が読み取られたり、あるいはネットワーク等を介して文書や画像等が送信されてきたりして、原稿画像IMが生成される(原稿画像生成工程)。ステップS131で、ステップS100で生成された埋め込み画像BDとステップS121で生成された原稿画像IMとが合成されて、プリント画像PDが生成される(画像合成工程)。ステップS141で、例えばプリンタ15にプリント画像PDが送信されて印刷物PMがプリントアウトされ、一連の動作が終了される。
図5は、原稿画像IMと情報を埋め込んだ埋め込み画像BDとがプリントアウトされたときの印刷物PMの一例を示す模式図である。
図5において、例えば「文書画像の例」という文字の原稿画像IMとともに、図4で説明した方法で生成された埋め込み画像BDが紙一面に配置されて、ほぼ均一な濃度のグレーバックとしてプリントアウトされる。
(第1の実施の形態)
次に、本発明の第1の実施の形態について、図6乃至図14を用いて説明する。
(埋め込み情報INFから埋め込み画像BDを得る方法)
ここでは、図4のステップS100「埋め込み画像(BD)生成サブルーチン」で述べた「埋め込み情報INFから埋め込み画像BDを生成する」方法について、図6乃至図14を用いて説明する。図6は、図4のステップS100「埋め込み画像(BD)生成サブルーチン」の詳細を示すフローチャートである。
図6において、ステップS101(埋め込み情報入力工程)で埋め込みたい埋め込み情報INFが入力されると、ステップS103(情報ブロック生成工程)で埋め込み情報INFが複数の情報ブロックIBに分割される。埋め込み情報INFの複数の情報ブロックIBへの分割については、図7で後述する。次に、ステップS105(埋め込み単位データ生成工程)で、ステップS103で分割された各情報ブロックIBが埋め込み単位データEUに分割される。情報ブロックIBの埋め込み単位データEUへの分割については、図8で後述する。
ステップS107(情報パターン生成工程および特殊パターン生成工程)で、ドットパターン図DPとドットパターンテーブルTBとに従って、ステップS105で分割された各埋め込み単位データEUが、各情報ブロックIB毎にドットパターン化される。また、情報ブロックIBのブロック番号に従って、情報ブロックIBの位置の基準となる特殊パターンSPもドットパターン化される。埋め込み単位データEUおよび特殊パターンSPのドットパターン化については、図9乃至図11で後述する。ここで、特殊パターンSPは位置決めパターンに相当し、特殊パターン生成工程は位置決めパターン生成工程に相当する。
続いて、ステップS109(パターン配置工程)で、パターン配置図LOに従って、ステップS107でドットパターン化された各埋め込み単位データEUと特殊パターンSPとが配置され、各情報ブロックIB毎のブロック画像BIが生成される。ブロック画像BIの生成方法については、図12および図13で説明する。
次に、ステップS111(ブロック画像配置工程)で、ブロック配置図BLに従って、ステップS109で生成された各情報ブロックIBのブロック画像BIが配置されて埋め込み画像BDが生成され、図4のステップS100に戻る。埋め込み画像BDの生成方法については、図14で後述する。
次に、埋め込み情報INFの複数の情報ブロックIBへの分割について、図7を用いて説明する。図7は、埋め込み情報INFの複数の情報ブロックIBへの分割方法の一例を示す図である。
図7において、埋め込み情報INFは、例えば600ビットのデータで構成されているとする。これを、例えば120ビット毎の5つの情報ブロックIB(第1情報ブロックIB1〜第5情報ブロックIB5)に分割する。図7の各情報ブロックIBに記載してある0(ゼロ)と1との数字の列は、120ビットのデータである。
続いて、情報ブロックIBの埋め込み単位データEUへの分割について、図8を用いて説明する。図8は、情報ブロックIBの埋め込み単位データEUへの分割方法の一例を示すテーブルである。ここでは、図7の第2情報ブロックIB2を例にとって説明する。
図8において、上述した第2情報ブロックIB2の120ビットのデータを、例えば5ビット単位で24パターンの埋め込み単位データEUに分割するものとする。最初の5ビットは例えば「01110」であり、10進数で表現すると「14」である。これが第1パターンの埋め込み単位データEUである。次の第2パターンの5ビットは例えば「10100」で、10進数では「20」である。このようにして、120ビットのデータが5ビット×24パターンの埋め込み単位データEUに分割される。他の情報ブロックIBについても同様に、120ビットのデータが、5ビット単位で24パターンの埋め込み単位データEUに分割される。
次に、各埋め込み単位データEUおよび特殊パターンSPのドットパターン化について、図9乃至図11を用いて説明する。図9は、図6で述べたドットパターン図DPの例を示す模式図である。ここでは、図8に示した5ビットの埋め込み単位データEUに対応づけられるドットパターンを桝目構造で示す。
図9において、ドットパターン図DPの1つの桝目は1つのドットに対応する位置を示し、1つのドットは印刷時の3画素×3画素の大きさである。つまり、1ドットは3画素×3画素の印刷で形成される。1つの埋め込み単位データEUに対応するドットパターンは、水平、垂直とも16桝目、つまり48画素×48画素で構成される。
図9に示した中央の黒いドット(ドットX)は位置表現ドットで、全てのドットパターンにおいて常にうたれるドットであり、ドットパターンの位置決めの基準となるドットであり、読み取り時の基準位置となるドットである。また、上辺中央(ドットY)と左辺中央(ドットZ)とのハッチングされたドットは位置表現補助ドットで、全てのドットパターンにおいて常にうたれるドットであり、読み取り時に位置表現ドット(ドットX)を検出する場合の目安となる補助ドットである。
図9においてグレイで表わされたドットは、埋め込み単位データEUの値によってオンであったりオフであったりする、すなわち、情報ドットであり、このオン/オフにより、データの値が表現される。図8の例では、情報ドットがaからhまでの8ヶ所存在し、最大8ビットの情報を表現することができる。以下、ドットがうたれた桝目をオンドットと言い、ドットがうたれていない桝目をオフドットと言う。
図10は、上述したドットパターンテーブルTBの一例を示すテーブルである。ここでは、図8に示した5ビットの埋め込み単位データEUと、後述するパターン配置図LOでの基準となる特殊パターンSPとを、図9で示した8ヶ所の情報ドットa〜hの内の3ヶ所、すなわち、8ビットの内の3ビットを用いて表現する。
ここでは、特殊パターンSPを情報ブロックIBの数だけ用意して、情報ブロックIBを表すブロック画像BIの位置基準としての役割だけでなく、ブロック番号の意味も持たせておく。すなわち、特殊パターンSPとして、第1特殊パターン(SP1)から第5特殊パターン(SP5)の5種類を準備し、それぞれを図7に示した第1情報ブロックIB1から第5情報ブロックIB5を示す特殊パターンとする。以下、図10に示した埋め込み単位データEUと特殊パターンSPとを、図9の1ヶ所の位置表現ドット(ドットX)と、2ヶ所の位置表現補助ドット(ドットY、Z)と、8ヶ所中の3ヶ所の情報ドットとを用いてドットパターンとして表現したものを、情報パターンIPと言う。
図10において、情報ドットは8ビットの0と1で表現されているが、これは、情報ドットの位置abcdefghの順と対応するように0と1を並べたものであり、1がオンドット、0がオフドットを示している。例えば、埋め込み単位データEUの10進数でのデータ“10”に対応する情報ドットは10000101となっているので、8ヶ所の情報ドットの内のa、fおよびhの3ヶ所がオンドット、他の位置はすべてオフドットであるということになる。位置表現ドット(ドットX)と位置表現補助ドット(ドットY、Z)については、常にオンドットであるので、図10には記載していない。
この10進数のデータ“10”に対応する情報パターンIPを図9のドットパターン図DPを用いて表した例を、図11に示す。図11から分かるように、位置表現ドット(ドットX)と位置表現補助ドット(ドットY、Z)と、8ヶ所の情報ドットの内のa、fおよびhの3ヶ所がオンドット、他の位置はすべてオフドットとなっている。同様にして、図8に示した24個の埋め込み単位データEUが全て情報パターンIPに変換される。
図10の例では、情報ドットのオンドットの数は常に3ヶ所である。これは、上述した位置表現ドット(ドットX)および位置表現補助ドット(ドットY、Z)と合わせて常に6ヶ所のドットで1つの情報パターンIPを表現することで、全ての情報パターンIPの濃度を均一にして、均一な濃度の埋め込み画像BDを得るためである。
続いて、ブロック画像BIの生成方法について、図12および図13で説明する。図12は、前述したパターン配置図LOの一例を示す模式図である。ここでも、図7および図8に示した第2情報ブロックIB2を例にとって説明する。
図12において、図8に示した第2情報ブロックIB2の24パターンの情報パターンIPと図10に示した第2情報ブロックを示す第2特殊パターンSP2とが、5パターン×5パターンの25の位置に配置される。図8に示した最初の5ビット、つまり10進数で“14”に対応する第1パターンの情報パターンIPは、左上の位置101に配置される。次の5ビット、つまり10進数で“20”に対応する第2パターンの情報パターンIPは、第1パターンの右隣の位置102に配置される。以下、同様にして各情報パターンIPが順次配置される。
5パターン×5パターンの中央の位置125には、第2情報ブロックIB2を示す第2特殊パターンSP2が配置される。以上のようにして生成された5パターン×5パターンの画像が第2情報ブロックIB2の埋め込み画像である第2ブロック画像BI2である。他の各情報ブロックIB(IB1〜IB5)についても、同様にして各ブロック画像BI(BI1〜BI5)が生成される。
図13に、上述した第2ブロック画像BI2の一例を示す。ここでは、25個の各情報パターンIP相互の配置や、各情報パターンIPの内部のドット位置が理解しやすいように、情報パターンIP内部の桝目と各情報パターンIPの境界線とを表示してあるが、実際に埋め込み画像BDとして表されるのは、各オンドットのみである。
図9で示したように、本例では1つの情報パターンIPは48画素×48画素の領域に対応している。従って、各ブロック画像BIの領域は240画素×240画素となる。
例えば1画素を600dpiで印刷する場合、1ドットの大きさは約130μm角であり、1つの情報パターンIPの大きさは約2mm角となり、図13に示したブロック画像BIの大きさは約10mm角となる。
次に、埋め込み画像BDの生成方法について、図14を用いて説明する。図14は、図6で説明したブロック配置図BLの一例を示す図である。
図14において、上述した各情報ブロック(IB1〜IB5)のブロック画像(BI1〜BI5)を、ブロック配置ルールに従って順に配置する。この例では、ブロック配置ルールを以下のルールとしているが、もちろんこれ以外のルールでもよい。
(水平方向のルール)左から右に、ブロック画像BIのブロック番号(1〜5)に1を加算して5で除算した余りのブロック番号のブロック画像BIを右隣に置く。
(垂直方向のルール)上から下に、ブロック画像BIのブロック番号(1〜5)に2を加算して5で除算した余りのブロック番号のブロック画像BIを下隣に置く。
なお、水平方向、垂直方向とも、除算した余りが「0(ゼロ)」の場合には、ブロック番号を「5」とする。
以上のようにして、第1ブロック画像BI1から第5ブロック画像BI5を順次配置していくことで、埋め込み画像BDを得ることができる。なお、本第1の実施の形態においては、各情報ブロックIBを複数の情報パターンIPで表現した例を示したが、これに限るものではなく、各情報ブロックIBを各々1つの情報パターンIPで表現してもよい。この場合、ブロック画像BIと情報パターンIPとは同一となる。
以上に述べたように、本第1の実施の形態では、各情報ブロックIBのブロック画像BIの中心に位置し、ブロック画像BI内の各情報パターンIPの配置の位置基準となる特殊パターンSPは、情報ブロックIBの数だけ用意されており、ブロック画像BIの位置基準として用いられるだけでなく、ブロック番号を示すものとしても用いられる。それによって、埋め込み画像BDの読み取り時に、特殊パターンSPさえ抽出できれば、その特殊パターンSPの属するブロック画像BIの範囲だけでなく、情報ブロックIBのブロック番号までもが検出できることになる。従って、情報ブロックの位置は特定できているがブロック番号が特定できないといったような、情報ブロックを特定するための情報を全て抽出しきれないという状況自体が発生しないような埋め込み画像を生成することができる。
さらに、例えば上述した「特許文献2」の図3に示された例では、1ブロック中の256個(16×16)の画像パターン中に、周囲部に60個、アドレスコード部(ブロック番号部分)に16個の計76個分の画像パターンがエリア情報として用いられている。従って、エリア情報がブロックに占める割合は76/256=約30%となり、非常に大きな面積を占めている。
一方、本第1の実施の形態では、上述したエリア情報に相当する特殊パターンSPがブロック画像BIに占める割合は、1/25=4%であり、「特許文献2」の1/7以下の小さな面積しか使用していない。従って、狭い埋め込み画像BD部分からも特殊パターンSPを抽出することができる可能性が高く、情報検出能力の高い埋め込み方法である。さらに、特殊パターンSPの占める割合が低いということは、その分、ブロック画像BIに多くの情報を埋め込むことができているということであり、情報の埋め込み効率の高い埋め込み方法であるとも言える。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図15乃至図17を用いて説明する。ここでは、第1の実施の形態で述べた方法によって生成され、印刷物PMに印刷された埋め込み画像BDから、埋め込まれた情報を抽出する方法について説明する。図15は、埋め込み画像BDから埋め込まれた情報を抽出する方法を示すフローチャートで、情報復元工程を示す。
図15において、ステップS201(スキャン画像取り込み工程)で、例えば埋め込み画像BDが印刷された印刷物PMがスキャナで走査されて、スキャン画像SIが画像処理装置10に取り込まれる。例えば、印刷物PMが600dpiで印刷されたとして、1つのドット(3画素×3画素)が1画素となるように、200dpiの解像度で走査されるものとする。印刷物PMが傾いている場合には、例えば本件出願人が「特開2006−222878号公報」で提案した方法で傾き補正すればよい。
ステップS203で、スキャン画像SIから情報パターンIPが抽出される。より詳細には、まず、図9に示した各情報パターンの基準となる位置表現ドット(ドットX)が、例えば本件出願人が「特開2006−324909号公報」で提案した方法で、同公報の図34に示したフィルタを用いて検出される。次に検出された位置表現ドット(ドットX)の位置から8ヶ所の情報ドット(a〜h)の位置を割り出して、どの位置に情報ドットがうたれているかが検出されて、情報パターンIPが抽出される。この動作をスキャン画像SI全体に施して、抽出可能な全ての情報パターンが抽出される。
ステップS205(パターン抽出工程)で、ステップS203で抽出された全ての情報パターンIPの中から、特殊パターンSP(SP1〜SP5)が抽出され、ステップS207(ブロック情報特定工程)で、ステップS205で抽出された特殊パターンSPから、情報ブロックIBを表すブロック画像BIのエリアとブロック番号とが特定される。例えば、第2情報ブロックIB2の特殊パターンである第2特殊パターンSP2が抽出されたとすると、抽出された第2特殊パターンSP2を中心とする5パターン×5パターンの範囲が第2情報ブロックIB2であると判断される。
スキャン画像SIの例を図16に示す。図16は、スキャン画像SIの一例である。図中のドット131は、ステップS203で検出された位置表現ドット(ドットX)である。よって、ドット131を中心に図の破線の四角で囲まれた16ドット×16ドットの範囲133が1つの情報パターンIPであることが分かる。さらに、範囲133の内部の情報ドットの位置と図9の情報ドットの位置とを照合することで、埋め込まれた情報は(01100010)であることが分かるので、図10から、範囲133は第2特殊パターンSP2であることが分かる。
従って、範囲133すなわち第2特殊パターンSP2を中心とする5パターン×5パターンの範囲(図16に実線の四角で示された範囲)は第2情報ブロックIB2を表す第2ブロック画像BI2であることが特定される。続いて、特定された第2ブロック画像BI2内の各情報パターンに埋め込まれた情報が順次抽出される。例えば、図中に一点鎖線で囲まれた第2特殊パターンSP2の2つ上の情報パターン135は第3パターンであり、その情報ドットは(00110010)、すなわち、図10から、10進数で「30」である。
図15に戻って、ステップS209で、ステップS207で特定されたブロック画像BI内の各情報パターンIPが示す埋め込み単位データEUが抽出され、図17で詳述するヒストグラムメモリHMの抽出された埋め込み単位データEUに該当するデータ値に「1」が加算される。同様の動作が、ステップS203で抽出された全ての情報パターンIPが示す埋め込み単位データEUに対して行われて、ブロック画像BI毎に24パターンの情報パターンIPの埋め込み単位データEUのヒストグラムが抽出される。
ステップS211で、ステップS209で抽出されたヒストグラムから、各ブロック画像BIの情報パターンIPの示す埋め込み単位データEUが多数決により決定され、第1パターンから第24パターンまでの埋め込み単位データEUが順次つなぎ合わされて、各情報ブロックIBの120ビットのデータが復元される。ステップS209およびS211は、埋め込み情報抽出工程を示す。
最後に、ステップS213(埋め込み情報復元工程)で、第1〜第5情報ブロックのデータがつなぎ合わされて、埋め込み情報INFの復元データRDが生成される。
ヒストグラムメモリHMの例を図17に示す。図17は、ヒストグラムメモリHMの例を示す図で、図17(a)はステップS209の動作の初期段階での、図17(b)はステップS209の動作の終了段階でのヒストグラムメモリHMの状態を示す。
図17(a)において、ヒストグラムメモリHMは各情報ブロックIB毎に作成され、情報パターンIPの第1パターンから第24パターンの各々に対して、埋め込み単位データに対応する0(ゼロ)から31までのカウンタ領域が設けられている。例えば第2情報ブロックIB2の第3パターンの埋め込み単位データが抽出され、それが(00110010)、すなわち、図10から、10進数で「30」であると判断されたとする。その場合、ヒストグラムメモリHMの第3パターンのカウンタ領域30に「1」が加算される。同様に第4パターンの埋め込み単位データの抽出結果が(10000011)即ち10進数で「5」であると判断されると、ヒストグラムメモリHMの第4パターンのカウンタ領域5に「1」が加算される。
以上のようにして、スキャン画像SI全体から抽出された全ての情報パターンIPに埋め込まれた情報から、各情報ブロックIBを表すブロック画像BI毎に各情報パターンIPの埋め込み単位データEUのヒストグラムが作成され、ヒストグラムから各情報ブロックIBの情報パターンIPが決定される。
図17(b)は、作成された第2情報ブロックIB2のヒストグラムを示す図である。例えば、第3パターンの抽出結果が、10進数で「3」が1回、「30」が86回であったとする。この結果から、多数決により、第3パターンは10進数で「30」であると決定される。同様に、多数決により、第4パターンは10進数で「5」であると決定される。このようにして、各情報ブロックIB毎の各情報パターンIPの値が決定され、それがつなぎ合わされて、各情報ブロックIBが復元される。
以上に述べたように、本第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態で述べた方法によって生成された埋め込み画像BDが印刷された原稿画像IMを、スキャナで走査してスキャン画像SIを取得し、スキャン画像SIから特殊パターンSPを抽出する。特殊パターンSPは、第1の実施の形態に示したように、情報ブロックIBを表すブロック画像BIの位置基準とブロック番号の意味を合わせ持っているので、特殊パターンSPさえ抽出できれば、その特殊パターンSPの属するブロック画像BIの範囲とブロック番号が共に検出できる。
従って、本第2の実施形態によれば、情報ブロックの位置は特定できているがブロック番号が特定できないといったことはなく、埋め込まれた情報を精度よく復元することができる。
さらに、特殊パターンSPがブロック画像BIに占める割合は、1/25=4%であり、小さな面積しか使用していない。従って、狭い埋め込み画像BD部分からも特殊パターンSPを抽出することができる可能性が高く、情報検出能力が高い。特殊パターンSPさえ検出できれば、ブロック画像BIが原稿画像IMに隠れて部分的にしか検出できなくても、検出できた部分は確実に情報ブロックIBの復元に利用することができ、埋め込まれた情報を精度よく復元することができる。また、情報の埋め込み効率も高い。
(第3の実施の形態)
次に、本発明の第3の実施の形態について、図18を用いて説明する。第1および第2の実施の形態では、複数の特殊パターンに情報ブロックIBを表すブロック画像BIの位置基準とブロック番号の意味を合わせ持たせたが、ブロック番号の代わりに、他の意味を持たせてもよい。図18は、特殊パターンにブロック番号以外の意味を持たせる例を示す図であり、図18(a)はブロックサイズの、図18(b)は誤り訂正の使用の可否の、図18(c)はブロックサイズと誤り訂正の使用の可否の両方の意味を持たせる例を示す。
図18(a)において、3種類の特殊パターンSP(第1特殊パターンSP1、第2特殊パターンSP2、第3特殊パターンSP3)を準備し、それぞれに情報ブロックIBを表すブロック画像BIの異なるブロックサイズ(例えば、5×5、7×7、9×9の3種類)の意味を割り付ける。このようにすることで、埋め込み情報のデータ長に応じて情報ブロックIBのブロックサイズを選択することができるようになり、ブロックサイズ固定(5×5)であった第1および第2の実施の形態よりもフレキシブルな情報ブロックIBを構成することができる。
なお、ブロックサイズの代わりに、例えば四角形と六角形等のブロック画像BIの形状に応じた特殊パターンSPを準備してもよいのは言うまでもない。
図18(b)には、2種類の特殊パターンSP(第1特殊パターンSP1、第2特殊パターンSP2)を準備し、それぞれに、情報を埋め込む際に誤り訂正を使用しないか、するかの意味を割り付ける場合を示す。ここで、情報を埋め込む際に用いられる誤り訂正としては、例えばハミング符号等を用いた誤り訂正等があげられ、埋め込む情報に必要とされる検出精度に応じて使い分ければよい。
図18(c)には、上述したブロックサイズと誤り訂正の使用の可否の組み合わせを6種類の特殊パターンSP(第1特殊パターンSP1、第2特殊パターンSP2、第3特殊パターンSP3、第4特殊パターンSP4、第5特殊パターンSP5、第6特殊パターンSP6)に割り付ける例を示す。このように、特殊パターンSPに複数の項目を割り付けることも可能である。
(第4の実施の形態)
次に、本発明の第4の実施の形態について、図19および図20を用いて説明する。第1および第2の実施の形態では、情報ブロックIBを表す1つのブロック画像BI毎に1つの特殊パターンSPを配置する例を示したが、1つのブロック画像BIに複数の特殊パターンSPを配置してもよい。ここでは、1つのブロック画像BIに2つの特殊パターンSPを配置する方法を例にとって複数の特殊パターンSPを配置する方法を説明する。
まず、本第4の実施の形態における埋め込み情報INFについて説明する。本第4の実施の形態では、図7とは異なり、埋め込み情報INFは例えば575ビットのデータで構成されているとし、これを、例えば115ビット毎の5つの情報ブロックIB(第1情報ブロックIB1〜第5情報ブロックIB5)に分割する。1つの情報ブロックは、5ビット毎の23の情報パターン(第1パターン〜第23パターン)に分割されるとする。
図19は、本第4の実施の形態におけるパターン配置図LOの例を示す模式図である。図19において、第1パターンから第6パターンまでは、図12と同様に配置され、図12で第7パターンが配置された位置に、特殊パターン左上SPLが配置される。第7パターンから第11パターンまでは図12の配置の第8パターンから第12パターンの位置に配置され、第12パターンは図12の特殊パターンSPの位置に配置される。
第13パターンから第17パターンまでは、図12と同様に配置され、図12で第18パターンが配置された位置に、特殊パターン右下SPRが配置される。第18パターンから第23パターンまでは図12の配置の第19パターンから第24パターンの位置に配置される。このようにして、情報ブロックIBを表すブロック画像BIが生成される。
図20は、本第4の実施の形態におけるドットパターンテーブルTBの例を示す図である。図20において、5ビットの埋め込み単位データEUを表す32通りの情報ドットは、図10の例と同じである。
それ以外に、第1情報ブロックIB1を表す第1ブロック画像BI1の位置基準とブロック番号とを兼ねる第1特殊パターン左上SPL1と第1特殊パターン右下SPR1、第2情報ブロックIB2を表す第2ブロック画像BI2の位置基準とブロック番号とを兼ねる第2特殊パターン左上SPL2と第2特殊パターン右下SPR2、第3情報ブロックIB3を表す第3ブロック画像BI3の位置基準とブロック番号とを兼ねる第3特殊パターン左上SPL3と第3特殊パターン右下SPR3、第4情報ブロックIB4を表す第4ブロック画像BI4の位置基準とブロック番号とを兼ねる第4特殊パターン左上SPL4と第4特殊パターン右下SPR4、第5情報ブロックIB5を表す第5ブロック画像BI5の位置基準とブロック番号とを兼ねる第5特殊パターン左上SPL5と第5特殊パターン右下SPR5とが準備されている。
これらの情報ドットは全て8ヶ所の情報ドット位置の内の3ヶ所の位置を用いて表され、ドットパターンの濃度が同じになるように設定されている。
図20に示したドットパターンテーブルTBを用いて生成された情報パターンIPを、図19に示したパターン配置図LOに従って配置することで、1つの情報ブロックIBを表すブロック画像BIに2つの特殊パターンSPを配置した埋め込み画像BDを生成することができる。
以上に述べたように、本第4の実施の形態によれば、1つの情報ブロックIBを表すブロック画像BI毎に2つの特殊パターンSPが配置されている。そのため、埋め込み画像BDから情報パターンIPを抽出する際に、2つの特殊パターンSPの内の一方さえ検出できれば情報ブロックIBを表すブロック画像BIの範囲とブロック番号とを決定できる。
よって、第1および第2の実施の形態のように1つの情報ブロックIBを表すブロック画像BI毎に1つの特殊パターンSPを配置するよりも、原稿画像IMによってブロック画像BIの一部が欠けていても、欠けていない部分に埋め込まれた情報を取り出せる確率がさらに高くなり、埋め込まれた情報がさらに精度よく抽出できるようになる。さらに、この場合でも、特殊パターンSPがブロック画像BIに占める割合は、2/25=8%であり、小さな面積しか使用しておらず、情報の埋め込み効率の高い埋め込み方法であると言える。
以上に述べたように、本実施形態によれば、情報パターンの位置決めパターンを情報ブロックに関するブロック情報に応じて生成するので、情報ブロックを特定するための情報を抽出しきれないという状況自体が発生せず、情報パターンが特定できれば必ず抽出した情報を無駄なく利用することができる画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムを提供することができる。また、情報パターンの位置決めパターンをブロック情報に応じて生成するので、埋め込み情報の埋め込み効率の高い画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムを提供することができる。
なお、本発明に係る画像処理装置、画像処理方法およびそのプログラムを構成する各構成の細部構成および細部動作に関しては、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。

Claims (10)

  1. 埋め込み情報を複数の情報ブロックに分割し、複数の前記情報ブロックから埋め込み画像を生成する埋め込み画像生成部を備えた画像処理装置において、
    前記埋め込み画像生成部は、
    前記埋め込み情報を分割することにより複数の情報ブロックを生成する情報ブロック生成部と、
    前記情報ブロックが分割されることによって生成された埋め込み単位データに対応する単位ドットパターンを生成する単位ドットパターン生成部とを含み、
    前記単位ドットパターン生成部は、前記情報ブロックを識別するための情報と各前記情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンをさらに生成し、
    前記埋め込み画像生成部は、前記特殊パターンの単位ドットパターンを、所定の方法に従って配置するパターン配置部をさらに含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 埋め込み情報が複数の情報ブロックに分割された状態で埋め込まれた埋め込み画像から前記埋め込み情報を復元する情報復元部を備えた画像処理装置において、
    前記情報復元部は、
    前記埋め込み画像から、前記情報ブロックを識別するための情報と各前記情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンを抽出するパターン抽出部と、
    抽出された単位ドットパターンの前記特殊パターンから情報ブロックを特定する特定部と、
    前記特定された情報ブロックを用いて前記埋め込み画像に埋め込まれた前記埋め込み情報を復元する復元部とを含むことを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記情報ブロックを識別するための情報は、前記情報ブロックのブロック番号であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記情報ブロックを識別するための情報は、前記情報ブロックを表す情報パターンが占める領域の大きさであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  5. 前記情報ブロックを識別するための情報は、前記情報ブロックを表す情報パターンが占める領域の形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  6. 前記情報ブロックを識別するための情報は、前記情報ブロックの誤り訂正情報であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  7. 埋め込み情報を複数の情報ブロックに分割し、複数の前記情報ブロックから埋め込み画像を生成する埋め込み画像生成工程を備えた画像処理方法において、
    前記埋め込み画像生成工程は、
    前記埋め込み情報を分割することにより複数の情報ブロックを生成する情報ブロック生成工程と、
    前記情報ブロックが分割されることによって生成された埋め込み単位データに対応する単位ドットパターンを生成する単位ドットパターン生成工程とを含み、
    前記単位ドットパターン生成工程は、前記情報ブロックを識別するための情報と各前記情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンをさらに生成し、
    前記埋め込み画像生成工程は、前記特殊パターンの単位ドットパターンを、所定の方法に従って配置するパターン配置工程をさらに含むことを特徴とする画像処理方法。
  8. 埋め込み情報が複数の情報ブロックに分割された状態で埋め込まれた埋め込み画像から前記埋め込み情報を復元する情報復元工程を備えた画像処理方法において、
    前記情報復元工程は、
    前記埋め込み画像から、前記情報ブロックを識別するための情報と各前記情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンを抽出するパターン抽出工程と、
    抽出された単位ドットパターンの前記特殊パターンから情報ブロックを特定する特定工程と、
    前記特定された情報ブロックを用いて前記埋め込み画像に埋め込まれた前記埋め込み情報を復元する復元工程とを含むことを特徴とする画像処理方法。
  9. 埋め込み情報を複数の情報ブロックに分割し、複数の前記情報ブロックから埋め込み画像を生成する埋め込み画像生成工程を備えた画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記埋め込み画像生成工程は、
    前記埋め込み情報を分割することにより複数の情報ブロックを生成する情報ブロック生成工程と、
    前記情報ブロックが分割されることによって生成された埋め込み単位データに対応する単位ドットパターンを生成する単位ドットパターン生成工程とをコンピュータに実行させ、
    前記単位ドットパターン生成工程は、前記情報ブロックを識別するための情報と各前記情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンをさらに生成し、
    前記埋め込み画像生成工程は、前記特殊パターンの単位ドットパターンを、所定の方法に従って配置するパターン配置工程をさらにコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
  10. 埋め込み情報が複数の情報ブロックに分割された状態で埋め込まれた埋め込み画像から前記埋め込み情報を復元する情報復元工程を備えた画像処理方法をコンピュータに実行させるプログラムにおいて、
    前記情報復元工程は、
    前記埋め込み画像から、前記情報ブロックを識別するための情報と各前記情報ブロックの位置決めのための情報とを含む特殊パターンのための1つの単位ドットパターンを抽出するパターン抽出工程と、
    抽出された単位ドットパターンの前記特殊パターンから情報ブロックを特定する特定工程と、
    前記特定された情報ブロックを用いて前記埋め込み画像に埋め込まれた前記埋め込み情報を復元する復元工程とをコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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