JP4862505B2 - 鍛造装置及び鍛造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置及び鍛造方法に関する。
一般的な鍛造は、生産性及び材料歩留まりが高いことから種々の部品の加工手段として広く活用されている。しかしながら、鍛造は大荷重を必要とするので、金型や装置の大型化によって初期投資が大きくなり、また、騒音や振動に対する対策費も必要となる。そのため、実際に鍛造を用いて製造されるものは、大量生産品に限られてしまう。
一方、金型や装置を小型化し、多品種少量生産に対応できる技術として、いわゆる揺動鍛造がある。この揺動鍛造は、1929年に英国のMasseyが考案した技術に端を発するといわれている。しかし、揺動鍛造は、未だ十分に普及しているとはいえず、研究開発の事例もそれほど多くない。
特許文献としては、後述する特許文献1、2等がある。
特開昭62−77145号公報 特開平2−175040号公報
従来の揺動鍛造では、必ずしも適切な加工状態が得られない場合があった。その原因を探るべく発明者らが検討を重ねた結果、次のことが一つの原因であるという結論を得た。すなわち、工具である上型を揺動させると共に全体的に旋回させる際に、上型自体はその軸心に対して自由回転するよう構成されているので、加工時において、ワークとの接触によって上型を回そうとするトルクが生じた場合には、そのトルクに応じて上型が従動して常に自由回転することが原因の一つであると考えられた。また、上型を揺動させない場合にもこの考察が応用できると考えられた。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、少なくとも、上型を全体的に旋回させる際に、上型自身の軸心(工具軸)に対する軸回転状態を、加工に最適な状態に制御可能な鍛造装置及び鍛造方法を提供しようとするものである。
第1の発明は、下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な位置を揺動させながら両者の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置において、
上記下型に対向配置され、工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型と、
該上型の上記工具軸を圧縮加工方向の基準軸に対して傾斜揺動させる揺動手段と、
該揺動手段及び上記上型を上記基準軸を中心に旋回させる旋回手段と、
該旋回手段によって旋回する際の上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な軸回転制御手段とを有し、
上記軸回転制御手段は、上記上型の上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることを特徴とする鍛造装置にある(請求項1)。
本発明の鍛造装置は、上記のごとく、上記旋回手段によって旋回する際の上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記フリー状態と異なる状態に制御可能な軸回転制御手段を有している。上記フリー状態においては、通常、上記上型を旋回させても、ワークとの摩擦によって、ワークに対する相対的な回転が生じず、工具軸に対して上記の旋回分だけ相対的に自由に回転する状態、つまり、ワークとの接触状態に応じて従動する状態となる。
上記軸回転制御手段を備え、上記のようなフリー状態ではない、異なる軸回転状態に上型を制御することによって、ワークに対する上記上型からの応力の付与され方を変化させることができる。そして、上型が常にフリー状態にある場合と比べて異なる加工状態を実現することができ、例えば、素材の内部的な材料流動状態を最適な状態に制御する等の、一般的な鍛造では不可能な制御をも可能とすることができる。
それ故、本発明によれば、従来よりも多様な加工を実現でき、より少量多品種生産に適した鍛造装置を提供することができる。
第2の発明は、下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置において、
上記下型に対向配置され、工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型と、
圧縮加工方向の基準軸を中心に上記上型を旋回させる旋回手段と、
該旋回手段によって旋回する際の上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な軸回転制御手段とを有し、
上記軸回転制御手段は、上記上型の上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることを特徴とする鍛造装置にある(請求項2)。
本発明の鍛造装置は、特に上型を傾斜揺動させることなく、上記旋回手段によって旋回可能であると共に上記軸回転制御手段によって上記上型の軸回転状態をフリー状態と異なる状態に制御可能である。これによって、一般的な鍛造では不可能な制御をも可能とすることができる。
それ故、本発明によっても、従来よりも多様な加工を実現でき、より少量多品種生産に適した鍛造装置を提供することができる。
第3の発明は、下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置において、
上記下型に対向配置され、工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態に設けられた上記上型と、
圧縮加工方向の基準軸を中心に上記上型を旋回させる旋回手段とを有し、
上記下型は、第2工具軸を中心に回転可能に設けられており、該下型の上記第2工具軸を上記基準軸に対して傾斜揺動させる第2揺動手段と、
該第2揺動手段及び上記下型を上記基準軸を中心に旋回させる第2旋回手段と、
該第2旋回手段によって旋回する際の上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な第2軸回転制御手段とを有し、
上記第2軸回転制御手段は、上記下型の上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることを特徴とする鍛造装置にある(請求項9)
本発明の鍛造装置は、特に上型を傾斜揺動させることなく、上記旋回手段によって旋回可能であると共に上記上型の軸回転状態を上記ロック状態とする。これによって、上記旋回手段による旋回を実施して工具軸が旋回した場合に、上記上型が、その工具軸に対してロック状態にあるので旋回分だけワークに対して相対的に回転する。それ故、一般的な鍛造では不可能な制御をも可能とすることができる。
それ故、本発明によっても、従来よりも多様な加工を実現でき、より少量多品種生産に適した鍛造装置を提供することができる。
第4の発明は、下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な位置を揺動させながら両者の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行う鍛造方法において、
上記下型に対向配置され工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型の上記工具軸を、圧縮加工方向の基準軸に対して傾斜揺動させながら、上記基準軸を中心に旋回させ、かつ、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御し、
上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することを特徴とする鍛造方法にある(請求項12)。
本発明の鍛造方法においては、上記下型に対向配置された上記上型の工具軸を基準軸に対して傾斜揺動させながら、上記基準軸を中心に旋回させる際に、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記フリー状態と異なる状態に制御する。これにより、ワークに対する上記上型からの応力の付与され方を、上記上型の工具軸に対する軸回転状態の制御によって変化させることができる。そして、上型が常にフリー状態にある場合と比べて異なる加工状態を実現することができ、例えば、素材の内部的な材料流動状態を最適な状態に制御する等の、一般的な鍛造では不可能な制御をも可能とすることができる。
それ故、本発明によれば、従来よりも多様な加工を実現でき、より少量多品種生産に適した鍛造方法を提供することができる。
第5の発明は、下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行う鍛造方法において、
上記下型に対向配置され工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型の上記工具軸を、圧縮加工方向の基準軸を中心に旋回させ、かつ、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御し、
上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することを特徴とする鍛造方法にある(請求項13)。
本発明の鍛造方法では、特に上型を傾斜揺動させることなく、上型を旋回させ、かつ、上記上型の軸回転状態をフリー状態と異なる状態に制御可能である。これによって、一般的な鍛造では不可能な制御をも可能とすることができる。
それ故、本発明によっても、従来よりも多様な加工を実現でき、より少量多品種生産に適した鍛造方法を提供することができる。
第6の発明は、下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行う鍛造方法において、
上記下型に対向配置され工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態に設けられた上記上型を、圧縮加工方向の基準軸を中心に旋回させ
さらに、第2工具軸を中心に回転可能に設けられた上記下型の上記第2工具軸を、上記基準軸に対して傾斜揺動させながら上記基準軸を中心に旋回させ、かつ、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御し、
上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することを特徴とする鍛造方法にある(請求項19)。
本発明の鍛造方法では、特に上型を傾斜揺動させることなく、上記上型を旋回させると共に、上型の軸回転状態を上記ロック状態とする。これによって、上記工具軸が旋回した場合に、上記上型が、その工具軸に対してロック状態にあるので旋回分だけワークに対して相対的に回転する。それ故、一般的な鍛造では不可能な制御をも可能とすることができる。
それ故、本発明によっても、従来よりも多様な加工を実現でき、より少量多品種生産に適した鍛造方法を提供することができる。
上記第1、第2の発明の鍛造装置において、上記軸回転制御手段は、上記上型の上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有している。これにより、必要に応じて上記上型のフリー状態を停止させてロック状態とすることができる。このロック状態を適宜取り入れることにより、ワークに対して単なる圧縮応力だけでなく、上記上型を旋回させる際にワークに対する上型の相対的な回転によるねじりのような応力をワークに付与することができ、ワーク内部の材料流動の制御を行うことが可能となる。
上記オン−オフ切換機能としては、後述する実施例に示すような様々な具体的構成によって実現できる。なお、実施例に示す構造に限らず、少なくとも、上記上型の上記工具軸に対する回転を停止させる構造を実現することによって、上記オン−オフ切換機能を得ることができる。
また、上記軸回転制御手段は、上記上型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするトルク制御機能を有していることも好ましい(請求項3)。この場合には、上記のロック状態とフリー状態との間の中間の速度で上記上型をワークに対して相対回転させることができ、きめ細かい加工状態を得ることができる。
上記トルク制御機能としては、公知の様々なトルク制御装置を適用することができ、例えば後述する摩擦板等を用いて構成することが可能である。
また、上記軸回転制御手段は、駆動手段を用いて上記上型を上記工具軸に対して積極的に回転させる自己回転機能を有していることも好ましい(請求項4)。この場合には、上記のロック状態とフリー状態との間の中間の速度で上記上型をワークに対して相対回転させる、あるいは、上記フリー状態以上の速度で上記上型を工具軸に対して相対回転させる(上記ロック状態以下の速度で上記上型をワークに対して相対回転させる)、さらには、上記フリー状態の場合と逆方向に上型を工具軸に対して相対回転させることができ、更にきめ細かい加工状態を得ることができる。
上記駆動手段としては、例えば電気モータ等の公知の様々な駆動手段を採用することができる。
また、上記第1〜第3の発明において、上記上型は、上記ワークに当接する加工面が、先端角度αが170°〜180°の範囲にある円錐状(α=180°の場合は平面状)であることが好ましい(請求項5)。このような平面状あるいは平面状に近い加工面を設けることによって、加工時におけるワークとの接触面積を広くすることができ、より均一な応力付与が可能となり、均一な成形が可能となる。上記先端角度αが170°未満の場合には、上記のような効果が乏しく、180°を超える場合には、加工面としての機能を果たすことが困難となる。
また、上記下型は、上記ワークを支持した状態で回転しないように設けることができる。すなわち、上記下型は、該下型の第2工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態に設けられている構成とすることができる(請求項6)。この場合には、下型を固定された基準面とすることができ、上記上型の相対的な動きの制御の容易化を図ることができる。
また、上記下型は、上記ワークを支持した状態で上記基準軸を中心に回動可能に設けることも可能である。
また、上記下型の構造を上述した種々の上型の構成と同様にすることもできる。すなわち、上記下型は、第2工具軸を中心に回転可能に設けられており、該下型の上記第2工具軸を上記基準軸に対して傾斜揺動させる第2揺動手段と、
該第2揺動手段及び上記下型を上記基準軸を中心に旋回させる第2旋回手段と、
該第2旋回手段によって旋回する際の上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な第2軸回転制御手段とを有することも好ましい(請求項7)。
この場合には、上記第2揺動手段、第2旋回手段、及び第2軸回転制御手段を設けることによって、上述した上型の場合と同様な回転制御を上記下型に対して行うことができる。そのため、上記上型の軸回転状態のみを制御する場合と比べて、さらに、上記下型の軸回転状態を制御することによるきめ細かい加工状態の設定をを行うことができるので、よりいっそう少量多品種生産に適した鍛造装置を提供することができる。具体的な下型の軸回転状態制御は、上型の場合と同様に下記のような機能によって行うよう構成することができる。
例えば、上記第2軸回転制御手段は、上記下型の上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることが好ましい(請求項8)。
また、上記第2軸回転制御手段は、上記下型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするトルク制御機能を有していることも好ましい(請求項10)。
また、上記第2軸回転制御手段は、駆動手段を用いて上記下型を上記第2工具軸に対して積極的に回転させる自己回転機能を有していることも好ましい(請求項11)。
次に、上記第4、5の発明の鍛造方法において、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御する。これにより、必要に応じて上記上型のフリー状態を停止させることができ、ワークに対して単なる圧縮応力だけでなく、上記上型を旋回させる際にねじりのような応力をワークに付与することができ、ワーク内部の材料流動の制御を行うことが可能となる。
また、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、上記上型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするよう制御することも好ましい(請求項14)。この場合には、上記のロック状態とフリー状態との間の中間の速度で上記上型を回転させることができ、きめ細かい加工状態を得ることができる。
また、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、駆動手段を用いて上記上型を上記工具軸に対して積極的に回転させるよう制御することも好ましい(請求項15)。この場合には、上記のロック状態とフリー状態との間の中間の速度で上記上型をワークに対して相対回転させる、あるいは、上記フリー状態以上の速度で上記上型を工具軸に対して相対回転させる(上記ロック状態以下の速度で上記上型をワークに対して相対回転させる)、さらには、上記フリー状態の場合と逆方向に上型を工具軸に対して相対回転させることができ、更にきめ細かい加工状態を得ることができる。
また、上記と同様に、上記下型は、上記ワークを支持した状態で回転しないようにすることができる。すなわち、上記下型は、該下型の第2工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態とすることができる。この場合には、下型を固定された基準面とすることができ、上記上型の相対的な動きの制御の容易化を図ることができる。
また、上記下型は、上記ワークを支持した状態で上記基準軸を中心に回動可能に設けることも可能である。すなわち、上記下型の第2工具軸を上記基準軸に対して傾斜揺動させながら上記基準軸を中心に旋回させ、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御することも好ましい(請求項17)。
また、より具体的には、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することも好ましい(請求項18)。
また、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、上記下型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするよう制御することも好ましい(請求項20)。
また、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、駆動手段を用いて上記下型を上記第2工具軸に対して積極的に回転させるよう制御することも好ましい(請求項21)。
(実施例1)
本発明の実施例に係る鍛造装置及び鍛造方法につき、図1〜図5を用いて説明する。
本例の鍛造装置1は、図1〜図3に示すごとく、下型4と上型2に挟持したワーク9に対して、下型4と上型2の相対的な位置を揺動させながら両者の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置である。
鍛造装置1は、下型4に対向配置され、工具軸Gを中心に回転可能に設けられた上型2と、上型2の工具軸Gを基準軸Cに対して傾斜揺動させる揺動手段5と、揺動手段5及び上型2を基準軸Gを中心に旋回させる旋回手段6と、旋回手段6によって旋回する際の上型2の工具軸Gに対する軸回転状態を、ワーク9との接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な軸回転制御手段7とを有する。
上記軸回転制御手段7は、上型2の工具軸Gに対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有している。
以下、さらに詳説する。
鍛造装置1は、図1に示すごとく、ベース板101上に立設された架台部102を有し、該架台部102上に本体部分が設置されている。本体部分は、底板部103と天板部104とを4本のガイドポスト11により繋いだ構成を有している。
ガイドポスト11には、該ガイドポスト11を挿通させたガイドパイプ411を四隅に設けたホルダプレート41が昇降可能に配設されている。ホルダプレート41の上面には、下型4を保持するホルダ部42が配設されており、該ホルダ部42に円柱状の下型4が保持されている。
上記ホルダプレート41の下方には、送りシリンダ43によって昇降する送りロッド435が底板部103を貫通して連結されており、送りシリンダ43が駆動することによってホルダプレート41及びその上方に保持された下型4が昇降するよう構成されている。
天板部104には、上記旋回手段6を構成する旋回ホルダ61と、その旋回駆動源となる旋回駆動モータ62とを備えている。旋回ホルダ61は断面コ字状を呈し、その上方に立設した旋回軸部612を有し、この旋回軸部612を天板部104に係合するベアリング631によって回転可能に保持してある。
旋回駆動モータ62は、上記天板部104の上面に配置された円筒状のスリーブカバー64の上端に固定されており、そのモータ軸621がトルク計622、連結ロッド623、及びスリップリング624を介して上記旋回ホルダ61の旋回軸部612に連結されている。このような構成により、上記旋回ホルダ61は、旋回駆動モータ62の回転駆動によって、上記旋回軸部612の中心を通る基準軸Cを中心に旋回(回転)するようになっている。
上記旋回ホルダ61には、上述した揺動手段5が配設されている。揺動手段5は、揺動用ホルダ51と、該揺動用ホルダ51を傾斜揺動させる揺動駆動モータ52とを有している。揺動用ホルダ51は、断面コ字状を有し、その両端の側板部511を上記旋回ホルダ61の両端の側板部611の内面側に対面させ、側板部511に設けた揺動軸部512を上記側板部611に貫通させることにより、旋回ホルダ61に対して傾斜揺動可能に配置されている。
また、旋回ホルダ61の内部には、揺動駆動モータ52が配設されており、その駆動軸521が旋回ホルダ61の側板部611の外方に貫通突出している。揺動駆動モータ52の駆動軸521と、上記揺動軸部512の一方には、互いに係合する揺動駆動ギア531、532が設けられている。そして、揺動用ホルダ51は、揺動駆動モータ52の回動によって、上記揺動軸部512の中心を通る揺動軸Kを中心に傾斜揺動するように構成されている。
揺動用ホルダ51には、工具軸Gを中心に回転可能に上型2が保持されている。図2、図3に示すごとく、本例の上型2は、ワーク9に当接する加工面22が、先端角度αが170°である円錐状である。また、上型2は、工具軸Gを通る支持棒20にベアリング23を介して配設され、上記支持棒20に対して自由回転可能に配設されている。上記支持棒20は、揺動用ホルダ51天板部510の中央に設けられた貫通穴519を貫通し、この貫通穴519を覆うように固定された蓋体518に上端が固定されている。
また、支持棒20には、クラッチ板71が、キー板201と係合すると共に軸方向に移動可能に外挿されている。このクラッチ板71には、上記蓋体518に固定されたアクチュエータ711が接続されている。さらに、クラッチ板71には、蓋体518に固定されたスプリング712が接続されている。そして、クラッチ板71は、上記アクチュエータ711の伸張駆動によって、支持棒20の軸方向に前進して上型2の後端面29に当接し、アクチュエータ711の駆動力を解除することによって、上記スプリング712の付勢力により後退して上型2との当接状態が解除されるように構成されている。
また、クラッチ板71には、図2、図4に示すごとく、上型2の後端面29に対面する側の下端面710に、放射状に配置された複数の突起部715を設けてある。一方、上記上型2の後端面29には、上記突起部715に対応する位置に、該突起部715と係合可能な溝部295を放射状に配置してある。これらの構成により、上記アクチュエータ711の駆動によってクラッチ板71が上型2の後端面29に当接した際には、上記突起部715と溝部295との係合により上型2の工具軸Gに関する回転を不能とすることができる。
すなわち、上記クラッチ板71を含む構成が本例における軸回転制御手段7であり、上型2の工具軸Gに対する相対的な回転を停止するロック状態と、フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有したものである。
次に、上記構成の鍛造装置1を用いて揺動鍛造を行う方法について説明する。
まず、上型2と下型4との間隔が十分に開くように送りシリンダ43を操作して、下型4を下降させておく。そして、ワーク9を下型4上に載置した後、下型4を上記送りシリンダ43の操作によって上昇させてワーク9と上型2とを当接させる。以降、送りシリンダ43によって、常時所定の圧縮力をワークに付与する。
次に、上記旋回手段6の旋回駆動モータ62を駆動して、基準軸Cを中心に旋回ホルダ61を一定速度で回転させる。これと同時に、上記揺動手段5の揺動駆動モータ52を駆動させて揺動用ホルダ51を揺動軸Kを中心に傾斜揺動させる。このときの揺動用ホルダ51の揺動周期と旋回ホルダ61の回転速度の関係により、上型2の加工面22の動きは様々な形態に設定できる。例えば、揺動角度を一定にした場合には、単純な円モーションとなり、揺動角度を変化させる場合に、その変化のさせ方を調整することにより、いわゆるシーソーモーション、スパイラルモーション、デージーモーションといった動きを実現することができる。
そして、上記旋回手段6と揺動手段5の操作による上記上型2の加工面22のワーク9に対する接触位置の変化によって、徐々に揺動鍛造が進められる。
ここで、本例では、上記軸回転制御手段7を備えており、上型2の工具軸Gに対する相対的な回転を停止するロック状態と、フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有している。この軸回転制御手段7を利用することにより、ワーク9の特性、加工目的等に応じて、上記ロック状態かフリー状態を選択することができ、より適切な加工状態を得ることができる。
それ故、本例の鍛造装置1は、従来よりも多様な加工を実現でき、より少量多品種生産に適したものとなる。なお、上記軸回転制御手段7の利用による具体的な効果を示す実験結果については後述する。
また、本例における上記旋回手段6及び揺動手段5の構成は一例であり、その機能が果たせる限り、例えば前述した従来技術等に示されたような構成に変更できることはいうまでもない。
(実施例2)
本例の鍛造装置は、実施例1における鍛造装置1の軸回転制御手段7を変更したものである。
すなわち、本例における軸回転制御手段702は、図6、図7に示すごとく、上型2に付与されるトルクが基準値以上となった場合にワーク9との接触状態に応じた従動回転を可能とするトルク制御機能を有するものである。
すなわち、同図に示すごとく、揺動用ホルダ51には、実施例1の場合と同様に、上型2が、工具軸Gを通る支持棒20にベアリング23を介して配設され、上記支持棒20に対して自由回転可能に配設されている。また、支持棒20には、摩擦円板72が、キー板201と係合すると共に軸方向に移動可能に外挿されている。この摩擦円板72には、、上記蓋体518に固定された2つのアクチュエータ721、722が接続されている。そして、摩擦円板72は、上記アクチュエータ721、722の伸張駆動によって、支持棒20の軸方向に沿って前進して、その摩擦面720を上型2の後端面29に当接させ、両者の間に摩擦力が発生するように構成されている。なお、摩擦円板72の表面と上型2の後端面29には、実施例1のような突起部や溝部は設けていない。その他の構成は、実施例1と同様である。
本例では、上記構成の軸回転制御手段702を有しているので、上記摩擦円板72と上型2との間の摩擦力を上記アクチュエータ721、722によって調整し、上型2に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上型2が工具軸Gを中心に回転するように制御することができる。そのため、例えば、上型2のロック状態とフリー状態との間の中間の速度で上型2を回転させることができ、きめ細かい加工状態を得ることができる。なお、摩擦円板72による摩擦力を全く無くす、あるいは非常に強くすることによって、実施例1と同様にオン−オフ切換機能を実行することも可能である。
(実施例3)
本例の鍛造装置も、実施例1における鍛造装置1の軸回転制御手段7を変更したものである。
すなわち、本例における軸回転制御手段703は、図8、図9に示すごとく、上型2に付与されるトルクが基準値以上となった場合にワーク9との接触状態に応じた従動回転を可能とするトルク制御機能を有するものである。
すなわち、同図に示すごとく、揺動用ホルダ51には、実施例1の場合と同様に、上型2が、工具軸Gを通る支持棒20にベアリング23を介して配設され、上記支持棒20に対して自由回転可能に配設されている。そして、本例では、この上型2の外周部に複数の永久磁石731を配設してある。また、揺動用ホルダ51には、上記永久磁石731と間隙をあけて配置された複数の電磁コイル732を配設してある。この電磁コイル732の制御によって、永久磁石731との間に電磁的な力を作用することができるので、この電磁的力によって上型2の軸回転状態を制御することができる。その他の構成は、実施例1と同様である。
本例では、上記構成の軸回転制御手段703を有しているので、上記電磁コイル732の制御によって、上型2に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上型2が工具軸Gを中心に回転するように制御することができる。そのため、例えば、上型2のロック状態とフリー状態との間の中間の速度で上型2を回転させることができ、きめ細かい加工状態を得ることができる。なお、電磁コイル732による電磁力を無くす、あるいは非常に強くすることによって、実施例1と同様にオン−オフ切換機能を実行することも可能である。
(実施例4)
本例の鍛造装置も、実施例1における鍛造装置1の軸回転制御手段7を変更したものである。
すなわち、本例における軸回転制御手段704は、図10、図11に示すごとく、駆動手段740を用いて上記上型2を工具軸Gに対して積極的に回転させる自己回転機能を有するものである。
すなわち、同図に示すごとく、揺動用ホルダ51には、実施例1の場合と同様に、上型2が、工具軸Gを通る支持棒20にベアリング23を介して配設され、上記支持棒20に対して自由回転可能に配設されている。そして、本例では、この上型2の上端外周に従動ギア743が設けられている。
また、揺動用ホルダ51には、駆動手段740としての軸回転駆動モータが配設されており、その駆動軸741の先端には上記従動ギア743に係合する駆動ギア742が設けられている。上記駆動手段740の軸回転状態を制御することによって、上型2の軸回転状態を積極的に制御することができる。その他の構成は、実施例1と同様である。
本例では、上記構成の軸回転制御手段704を有しているので、上記駆動手段740の制御によって、上型2を、そのロック状態とフリー状態との間の中間の速度で上記上型2をワーク8に対して相対回転させることもできるし、上記フリー状態以上の速度で上記上型2を工具軸Gに対して相対回転させる(上記ロック状態以下の速度で上記上型をワークに対して相対回転させる)、さらには、上記フリー状態の場合と逆方向に上型2を工具軸Gに対して相対回転させることができ、更にきめ細かい加工状態を得ることができる。もちろん、実施例1と同様にオン−オフ切換機能を実行することも可能である。
(実施例5)
本例の鍛造装置は、実施例1における鍛造装置1の軸回転制御手段7を変更したものである。
すなわち、本例における軸回転制御手段705は、図12〜図14に示すごとく、上型2の工具軸Gに対する相対的な回転を停止するロック状態と、フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有するものである。
すなわち、同図に示すごとく、揺動用ホルダ51には、実施例1の場合と同様に、上型2が、工具軸Gを通る支持棒20にベアリング23を介して配設され、上記支持棒20に対して自由回転可能に配設されている。また、上型2の上端には、上型2よりも大径のブレーキディスク751が固定されている。また、揺動用ホルダ51には、上記ブレーキディスク751を挟持可能なブレーキシュー752を備えたブレーキ装置753が配設されている。つまり、上記ブレーキディスク751と、上記ブレーキシュー752を備えたブレーキ装置753とによって構成されるディスクブレーキが設けられている。その他の構成は、実施例1と同様である。
本例では、上記構成の軸回転制御手段705を有しているので、上記ブレーキ装置753の操作によって、上型2のロック状態とフリー状態とを切り替えることができ、実施例1と同様のオン−オフ切換機能を実行することができる。その他は実施例1と同様の作用効果が得られる。
上記実施例1〜5においては、上記上型2に対する上記揺動手段5を設けたが、この揺動手段5の配設を省略すれば、上述した第2発明の鍛造装置が実現できる。さらに、軸回転制御手段705を設けずに、ロック状態に固定すれば、上述した第3発明の鍛造装置が実現可能である。
(実施例6)
本例の鍛造装置106は、図15に示すごとく、実施例4の例を基本として、上型2だけでなく、下型4の回転制御も積極的に行うようにした例である。
すなわち、鍛造装置106は、同図に示すごとく、下型4は、第2工具軸G2を中心に回転可能に設けられており、下型4の上記第2工具軸G2を上記基準軸Cに対して傾斜揺動させる第2揺動手段56と、第2揺動手段56及び下型4を基準軸Cを中心に旋回させる第2旋回手段66と、第2旋回手段66によって旋回する際の下型4の第2工具軸G2に対する軸回転状態を、ワーク9との接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な第2軸回転制御手段76とを有する。
同図に示すごとく、鍛造装置106のガイドポスト11には、該ガイドポスト11を挿通させたガイドパイプ461を四隅に設けた第1ホルダプレート46と、その上方において同じくガイドポスト11を挿通させたガイドパイプ471を四隅に設けた第2ホルダプレート47とが昇降可能に配設され、両者は支柱部465を介して連結されている。
上記第1ホルダプレート46の下方には、送りシリンダ43によって昇降する送りロッド435が底板部103を貫通して連結されており、送りシリンダ43が駆動することによって第1ホルダプレート46及びその上方の第2ホルダープレート47、並びに第2ホルダープレート47に保持された下型4が昇降するよう構成されている。
第2ホルダープレート47には、上記第2旋回手段66を構成する第2旋回ホルダ67と、その旋回駆動源となる第2旋回駆動モータ68とを備えている。第2旋回ホルダ67は断面コ字状を呈し、その下方に立設した旋回軸部672を有し、この旋回軸部672を第2ホルダープレート47に係合するベアリング632によって回転可能に保持してある。
第2旋回駆動モータ68は、上記第2ホルダープレート47の下面に配置された円筒状のスリーブカバー69の下端に固定されており、そのモータ軸691がトルク計682、連結ロッド683、及びスリップリング684を介して上記第2旋回ホルダ67の旋回軸部672に連結されている。このような構成により、上記第2旋回ホルダ67は、旋回駆動モータ68の回転駆動によって、上記旋回軸部672の中心を通る基準軸Cを中心に旋回(回転)するようになっている。したがって、上述した上型2用の旋回ホルダ61と下型4用の旋回中心は同一線上にある。
上記第2旋回ホルダ67には、上述した第2揺動手段56が配設されている。第2揺動手段56は、第2揺動用ホルダ57と、該第2揺動用ホルダ57を傾斜揺動させる第2揺動駆動モータ58とを有している。第2揺動用ホルダ57は、断面コ字状を有し、その両端の側板部571を上記旋回ホルダ67の両端の側板部671の内面側に対面させ、側板部571に設けた揺動軸部572を上記側板部671に貫通させることにより、第2旋回ホルダ67に対して傾斜揺動可能に配置されている。
また、第2旋回ホルダ67の内部には、第2揺動駆動モータ58が配設されており、その駆動軸581が第2旋回ホルダ67の側板部611の外方に貫通突出している。第2揺動駆動モータ58の駆動軸581と、上記揺動軸部572の一方には、互いに係合する揺動駆動ギア591、592が設けられている。そして、第2揺動用ホルダ57は、揺動駆動モータ58の回動によって、上記揺動軸部572の中心を通る揺動軸K2を中心に傾斜揺動するように構成されている。
図16、図17に示すごとく、第2揺動用ホルダ57には、第2工具軸G2を中心に回転可能に下型4が保持されている。本例の下型4は、ワーク9に当接する加工面42が、先端角度βが170°である円錐状であり、上述した上型2と同様の形状を有している。また、下型4は、第2工具軸G2を通る支持棒40にベアリング43を介して配設され、上記支持棒40に対して自由回転可能に配設されている。
そして、上記下型4に対する第2軸回転制御手段76は、駆動手段760を用いて上記下型4を第2工具軸G2に対して積極的に回転させる自己回転機能を有するものである。
すなわち、同図に示すごとく、上記のごとく第2揺動用ホルダ57に自由回転可能に配設された下型4には、その下端外周に従動ギア763が設けられている。
また、第2揺動用ホルダ57には、駆動手段760としての第2軸回転駆動モータが配設されており、その駆動軸761の先端には上記従動ギア763に係合する駆動ギア762が設けられている。上記駆動手段760の軸回転状態を制御することによって、下型4の軸回転状態を積極的に制御することができる。
また、図15に示すごとく、上記上型2用の旋回ホルダ61及び揺動用ホルダ51に対して、下型4用の第2旋回ホルダ67及び第2揺動用ホルダ57の大きさを大きくしてあり、互いの揺動、旋回が干渉しないように構成してある。その他の構成は、実施例4と同様である。
この場合には、第2揺動手段56、第2旋回手段66、及び第2軸回転制御手段76を設けることによって、上述した上型2の場合と同様な回転制御を上記下型4に対して行うことができる。そのため、上記上型2の軸回転状態のみを制御する場合と比べて、さらに、上記下型4の軸回転状態を制御することによるきめ細かい加工状態の設定をを行うことができるので、よりいっそう少量多品種生産に適した鍛造装置とすることができる。
(実施例7)
本例では、実施例1の構成の鍛造装置1を用いて、鋼の熱間加工を模擬するといわれている粘土モデルよりなる円柱状のワークを実際に加工し、その成形状態を観察した。
ワーク(素材)は、上記のごとく円柱状であり、サイズは直径φ25mmとして、高さh0が37.5mmのもの(第1素材)と25mmのもの(第2素材)の2種類を準備した。全てのワークには、素材流動状態がわかるように、縦横に黒い筋目を均等に入れてある。
下型4は、円板状とし、その加工面は平坦であり、回転しないよう固定されたものを採用した。
上型2は、その加工面22の先端角度αが180°、175°、160°の3種類を採用した。
また、上型2の揺動角度(工具軸Gと基準軸Cとがなす角度)は、上記先端角度αが180°及び175°の場合には±2.5°、上記先端角度αが160°の場合には±10°とした。
また、上型2の揺動速度は、上記先端角度αが180°及び175°の場合には5°/秒、上記先端角度αが160°の場合には10°/秒とした。
旋回ホルダ61の回転速度(旋回速度)は、上記先端角度αが180°及び175°の場合には0.0833回転/秒、上記先端角度αが160°の場合には0.0417回転/秒とした。
また、下型4の上昇速度、つまり、圧縮速度は、上記先端角度αが180°及び175°の場合には0.4mm/秒、上記先端角度αが160°の場合には0.2mm/秒とした。
また、上型2及び下型4の加工面と素材との間の潤滑材としては、炭酸カルシウム(摩擦係数μが約0.3となるもの)を用いた。
これらの条件は、まとめて表1に示す。
また、上記上型2の軸回転状態は、上記軸回転制御手段7のオン−オフ切換機能を用いて、ロック状態と、フリー状態とを切り替えた。上記第1素材に対してはフリー状態のみを、第2素材に対しては、フリー状態と、ロック状態の両方を実施した。
加工した結果を図18に示す。いずれも高さが50%減少するまで圧縮した。
同図の第1欄には、上型2の加工面22の先端角度αを示す。
同図の第2欄には、各条件における上型とワークとの接触域S及びその運動順を示す説明図を示した。説明図における接触域Sは、同図右側に上型2が傾斜した状態の第1番目のワークと上型との接触領域Sを示してある。この接触領域Sは、上述した条件の傾斜揺動と旋回とを行うことによって、番号1〜6の順に傾斜方向を移しながら移動することを示してある。
同図の第3欄には、上記第1素材を上記フリー状態で加工した結果の写真を示してある。
同図の第4欄には、上記第2素材を上記フリー状態で加工した結果の写真を示してある。
同図の第5欄には、上記第2素材を上記ロック状態で加工した結果の写真を示してある。
上記第3欄〜第5欄から知られるように、いずれの条件の場合も、上型2の加工面22の先端角度αが180°に近いほど、高さ方向における外径寸法のばらつきが少ない安定した成形が可能であることがわかる。また、160°の場合には成形安定性があまり高くないように見られることから、先端角度αはs少なくとも170°以上とすることが好ましいと思われる。
また、上記第4欄と第5欄との比較から知られるように、上記軸回転制御手段7を利用して、上型2の工具軸Gに対する軸回転状態をロック状態にすることが、より安定した成形に有効であることがわかる。
(実施例8)
本例では、実施例7と同様に、さらに実施例1の構成の鍛造装置1を用いて、粘土モデルよりなる円柱状のワークを実際に加工し、その成形状態を観察した。
ワーク(素材)は、実施例7における第2素材と同じ直径φ25mm、高さ25mmの円柱状のものである。そして、本例では、揺動鍛造の場合だけでなく、通常のプレスを用いた圧縮加工を含む合計3種類の実験を実施して成形状態を比較した。
第1の実験(実験8−1)は、いわゆる通常のプレス装置を用いて単純に圧縮加工する通常圧縮である。
第2の実験(実験8−2)は、揺動鍛造において、上型の軸回転状態をフリー状態としたものである。
第3の実験(実験8−3)は、揺動鍛造において、上型の軸回転状態をロック状態としたものである。
いずれの加工も、素材の高さが12.5mmに半減するまで実施した。
揺動鍛造の実験(実験8−1、8−2)は、実施例7と同様に実施例1に記載の装置を用いて行い、下型4は、円板状とし、その加工面が平坦で回転しないものを採用し、上型2は、その加工面22の先端角度αが175°のものを採用した。
また、上型2の揺動角度(工具軸Gと基準軸Cとがなす角度)は、±2.5°、上型2の揺動速度は、5°/秒とした。
旋回ホルダ61の回転速度(旋回速度)は、0.0833回転/秒とした。
下型4の上昇速度、つまり、圧縮速度は、0.4mm/秒とした。
また、上型2及び下型4の加工面と素材との間の潤滑材としては、炭酸カルシウム(摩擦係数μが約0.3となるもの)を用いた。
加工した結果を図19に示す。
同図(a)には、左から順に、素材、通常圧縮(実験8−1)、揺動鍛造の上型フリー状態(実験8−2)、揺動鍛造の上型ロック状態(実験8−3)という条件のものにつき、外観の写真を示した。
同図(b)には、上記と同様の順序で、縦断面の写真を示した。
また、図20には、図19(b)を基にして測定した、中心部の内部歪み測定結果を示す。図20は、横軸に上面からの距離、縦軸にひずみεyを示したものである。このひずみεyは、εy=ln(l/l0)、ここでln:自然対数、l0:圧縮前の高さ寸法、l:圧縮後の高さ寸法、という定義に基づいて求めたものである。
図19、図20から知られるように、通常圧縮の場合よりも揺動鍛造の場合の方が、軸方向における外径の差が少なく、また、揺動鍛造でも上型の軸回転状態をロック状態とした方がさらに軸方向における外径の差が小さい安定した成形が可能であることがわかる。また、内部ひずみについても、通常圧縮の場合よりも揺動鍛造の場合の方がばらつきが小さく、さらに、揺動鍛造でも上型をロック状態とした方がよりいっそうばらつきが小さくなることがわかる。
(実施例9)
本例でも、実施例7と同様に、実施例1の構成の鍛造装置1を用いて、粘土モデルよりなる円柱状のワークを実際に加工し、その成形状態を観察した。
ワーク(素材)は、実施例7における第1素材と同じ直径φ25mm、高さ37.5mmの円柱状のものである。そして、本例では、揺動鍛造と通常のプレスを用いた通常圧縮加工も含め、表2に示すごとく、4種類の条件で加工を行った。素材の高さが18.75mmに半減するまで実施した。
第1加工条件(実験9−1)は、通常のプレスを用いた通常圧縮加工であって、型と素材との間の潤滑を、摩擦係数μが約0.3となるよう炭酸カルシウムを用いて行ったものである。圧縮速度は1mm/秒とした。
第2加工条件(実験9−2)は、通常のプレスを用いた通常圧縮加工であって、型と素材との間の潤滑を、摩擦係数μが約0.03となるようワセリンを用いて行ったものである。圧縮速度は1mm/秒とした。
第3加工条件(実験9−3)は、実施例1に記載の装置を用いて行い、下型4は、円板状とし、その加工面は平坦なものを採用し、上型2は、その加工面22の先端角度αが180°のものを採用し、旋回ホルダ61の回転速度(旋回速度)は、0.125回転/秒とした。圧縮速度は1mm/秒とした。この条件では、上型2を傾斜揺動させず、軸回転制御手段7によってロック状態とした。すなわち、上述した第2発明及び第3発明の例である(適宜、回転圧縮という)。
第4加工条件(実験9−4)は、上記第3の加工条件を基本として、上型2の揺動角度を±2.5°とし、その揺動速度を5°/秒とした揺動鍛造である。その他は第3の加工条件と同じである。
加工した結果を図21に示す。また、加工時に測定した荷重の変化を図22に示す。
図21には、右側から順に、素材、第1加工条件(実験9−1)によるもの、第3加工条件(実験9−3)によるもの、第4加工条件(実験9−4)によるものにつき、外観の写真を示した。
図22には、横軸に圧縮ストローク(mm)、縦軸に荷重(N)およびトルク(N・cm)を取り、上記第1〜第4の加工条件(実験9−1〜4)における荷重(a1〜a4)と、上記第3、第4加工条件(実験9−3、4)におけるトルク(b3、b4)を示したものである。
図21から知られるように、通常圧縮の場合(実験9−1)よりも、上型をロック状態にして旋回させる場合(実験9−3)、及び傾斜揺動と旋回とを行いかつ上型をロック状態とする場合(実験9−4)の方が、軸方向における外径の差が少なく、安定した加工が実現できることがわかる。
また、図22から知られるように、通常圧縮の場合(実験9−1)よりも他の鍛造の場合(実験9−3、4)の方が、荷重が小さく、加工が容易であることがわかる。
実施例1における、鍛造装置の構成を示す説明図。 実施例1における、軸回転制御手段により上型がフリー状態にある際の構成を示す説明図。 実施例1における、軸回転制御手段により上型がロック状態にある際の構成を示す説明図。 実施例1における、軸回転制御手段を構成するクラッチ板の下端面における突起部を、(a)下から見た配置状態を説明する説明図、(b)A−A線矢視断面図。 実施例1における、軸回転制御手段を構成する上型の後端面における溝部を、(a)上方から見た配置状態を説明する説明図、(b)B−B線矢視断面図。 実施例2における、軸回転制御手段により上型がフリー状態にある際の構成を示す説明図。 実施例2における、軸回転制御手段により上型の回転がトルク制御されている状態にある際の構成を示す説明図。 実施例3における、軸回転制御手段を縦断面から見た構成を示す説明図。 実施例3における、軸回転制御手段を上方から見た構成を示す説明図。 実施例4における、軸回転制御手段を縦断面から見た構成を示す説明図。 実施例4における、軸回転制御手段を上方から見た構成を示す説明図。 実施例5における、軸回転制御手段により上型がフリー状態にある際の構成を示す説明図。 実施例5における、軸回転制御手段により上型がロック状態にある際の構成を示す説明図。 実施例5における、軸回転制御手段を上方から見た構成を示す説明図。 実施例6における、鍛造装置の構成を示す説明図。 実施例6における、第2軸回転制御手段を縦断面から見た構成を示す説明図。 実施例6における、第2軸回転制御手段を下方から見た構成を示す説明図。 実施例7における、実験結果を示す説明図。 実施例8における、実験結果として、(a)外観を示す図面代用写真、(b)断面を示す図面代用写真。 実施例8における、各実験におけるひずみεyの測定結果を示す説明図。 実施例9における、実験結果として外観を示す図面代用写真。 実施例9における、各実験における荷重およびトルクの測定結果を示す説明図。
符号の説明
1 鍛造装置
2 上型
22 加工面
4 下型
5 揺動手段
6 旋回手段
7 軸回転制御手段

Claims (21)

  1. 下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な位置を揺動させながら両者の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置において、
    上記下型に対向配置され、工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型と、
    該上型の上記工具軸を圧縮加工方向の基準軸に対して傾斜揺動させる揺動手段と、
    該揺動手段及び上記上型を上記基準軸を中心に旋回させる旋回手段と、
    該旋回手段によって旋回する際の上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な軸回転制御手段とを有し、
    上記軸回転制御手段は、上記上型の上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  2. 下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置において、
    上記下型に対向配置され、工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型と、
    圧縮加工方向の基準軸を中心に上記上型を旋回させる旋回手段と、
    該旋回手段によって旋回する際の上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な軸回転制御手段とを有し、
    上記軸回転制御手段は、上記上型の上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  3. 請求項1又は2において、上記軸回転制御手段は、上記上型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするトルク制御機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記軸回転制御手段は、駆動手段を用いて上記上型を上記工具軸に対して積極的に回転させる自己回転機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、上記上型は、上記ワークに当接する加工面が、先端角度αが170°〜180°の範囲にある円錐状(α=180°の場合は平面状)であることを特徴とする鍛造装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記下型は、該下型の第2工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態に設けられていることを特徴とする鍛造装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項において、上記下型は、第2工具軸を中心に回転可能に設けられており、該下型の上記第2工具軸を上記基準軸に対して傾斜揺動させる第2揺動手段と、
    該第2揺動手段及び上記下型を上記基準軸を中心に旋回させる第2旋回手段と、
    該第2旋回手段によって旋回する際の上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な第2軸回転制御手段とを有することを特徴とする鍛造装置。
  8. 請求項7において、上記第2軸回転制御手段は、上記下型の上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  9. 下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行うための鍛造装置において、
    上記下型に対向配置され、工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態に設けられた上記上型と、
    圧縮加工方向の基準軸を中心に上記上型を旋回させる旋回手段とを有し、
    上記下型は、第2工具軸を中心に回転可能に設けられており、該下型の上記第2工具軸を上記基準軸に対して傾斜揺動させる第2揺動手段と、
    該第2揺動手段及び上記下型を上記基準軸を中心に旋回させる第2旋回手段と、
    該第2旋回手段によって旋回する際の上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御可能な第2軸回転制御手段とを有し、
    上記第2軸回転制御手段は、上記下型の上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるオン−オフ切換機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  10. 請求項7〜9のいずれか1項において、上記第2軸回転制御手段は、上記下型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするトルク制御機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項において、上記第2軸回転制御手段は、駆動手段を用いて上記下型を上記第2工具軸に対して積極的に回転させる自己回転機能を有していることを特徴とする鍛造装置。
  12. 下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の相対的な位置を揺動させながら両者の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行う鍛造方法において、
    上記下型に対向配置され工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型の上記工具軸を、圧縮加工方向の基準軸に対して傾斜揺動させながら、上記基準軸を中心に旋回させ、かつ、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御し、
    上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することを特徴とする鍛造方法。
  13. 下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行う鍛造方法において、
    上記下型に対向配置され工具軸を中心に軸回転可能に設けられた上記上型の上記工具軸を、圧縮加工方向の基準軸を中心に旋回させ、かつ、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御し、
    上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、上記工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することを特徴とする鍛造方法。
  14. 請求項12又は13において、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、上記上型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするよう制御することを特徴とする鍛造方法。
  15. 請求項12〜14のいずれか1項において、上記上型の上記工具軸に対する軸回転状態は、駆動手段を用いて上記上型を上記工具軸に対して積極的に回転させるよう制御することを特徴とする鍛造方法。
  16. 請求項12〜15のいずれか1項において、上記下型は、該下型の第2工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態とすることを特徴とする鍛造方法。
  17. 請求項12〜15のいずれか1項において、さらに、第2工具軸を中心に回転可能に設けられた上記下型の上記第2工具軸を、上記基準軸に対して傾斜揺動させながら上記基準軸を中心に旋回させ、かつ、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御することを特徴とする鍛造方法。
  18. 請求項17において、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することを特徴とする鍛造方法。
  19. 下型と上型に挟持したワークに対して、上記下型と上記上型の間隔を徐々に縮めて所望の圧縮加工を行う鍛造方法において、
    上記下型に対向配置され工具軸に対する相対的な回転を停止したロック状態に設けられた上記上型を、圧縮加工方向の基準軸を中心に旋回させ、
    さらに、第2工具軸を中心に回転可能に設けられた上記下型の上記第2工具軸を、上記基準軸に対して傾斜揺動させながら上記基準軸を中心に旋回させ、かつ、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態を、上記ワークとの接触状態に応じて従動するフリー状態と異なる状態に制御し、
    上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、上記第2工具軸に対する相対的な回転を停止するロック状態と、上記フリー状態とを切り替えるよう制御することを特徴とする鍛造方法。
  20. 請求項17〜19のいずれか1項において、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、上記下型に付与されるトルクが基準値以上となった場合に上記ワークとの接触状態に応じた従動回転を可能とするよう制御することを特徴とする鍛造方法。
  21. 請求項17〜20のいずれか1項において、上記下型の上記第2工具軸に対する軸回転状態は、駆動手段を用いて上記下型を上記第2工具軸に対して積極的に回転させるよう制御することを特徴とする鍛造方法。
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