JP4862476B2 - 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法 - Google Patents

交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4862476B2
JP4862476B2 JP2006131037A JP2006131037A JP4862476B2 JP 4862476 B2 JP4862476 B2 JP 4862476B2 JP 2006131037 A JP2006131037 A JP 2006131037A JP 2006131037 A JP2006131037 A JP 2006131037A JP 4862476 B2 JP4862476 B2 JP 4862476B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switching
virtual
vectors
switching pattern
zero
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006131037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007306677A (ja
Inventor
裕吾 只野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Meidensha Corp
Original Assignee
Meidensha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Meidensha Corp filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP2006131037A priority Critical patent/JP4862476B2/ja
Priority to CN2007800169215A priority patent/CN101443992B/zh
Priority to RU2008141503/09A priority patent/RU2387069C1/ru
Priority to PCT/JP2007/059688 priority patent/WO2007129755A1/ja
Priority to EP07743123.7A priority patent/EP2034598A4/en
Publication of JP2007306677A publication Critical patent/JP2007306677A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4862476B2 publication Critical patent/JP4862476B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Ac-Ac Conversion (AREA)

Description

本発明は、単相または多相の交流電源から入力する電圧または周波数を、任意の電圧または周波数に変換して出力する交流−交流直接変換装置(マトリックスコンバータ)に係り、特に仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトル(空間ベクトル)でスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するためのスイッチングパターン生成方法に関するものである。
従来から存在するこの種の交流−交流直接変換装置は、自己消弧形の半導体素子を用いた双方向スイッチを高速に切換え、単相または多相の交流入力を任意の電圧または周波数の電力に変換する変換装置であり、図15に基本構成を示す。三相交流電源1のR、S、Tの各相に入力フィルタ(InputFilter)2と双方向スイッチS1〜S9構成の交流−交流直接変換回路3を介挿し、制御装置(コントローラ)4によって各双方向スイッチを電源周波数よりも十分高い周波数でPWM制御することにより、入力電圧をモータなどの負荷Loadに直接に印加しながら任意の電圧または周波数に制御したU、V、Wの交流出力を得る。
交流−交流直接変換装置における双方向スイッチのスイッチングパターンは、例えばキャリア振幅による変調方式の場合には、入力電圧と同期した信号となるPWMコンバータパターンと、出力周波数と電圧に従って作成されるPWMインバータパターンとのAND条件で決まる。これにより、交流−交流直接変換装置の入力電流はPWMコンバータパターンで制限され、出力電圧と周波数はPWMインバータパターンで制御され、入力力率を「1」に保ちながら入力電流の正弦波化、出力波形の正弦波化、周波数変換動作を同時に実現する。なお、双方向スイッチは、図示のように単方向スイッチを複数用いて構成する場合もある。
ここで、交流−交流直接変換装置の制御法には、大きく分けて仮想DCリンク形とAC−AC直接形との2つの方式がある。仮想DCリンク方式では、仮想的に直流リンクを考えて仮想入力コンバータと仮想出力インバータを独立に制御できるように工夫したもので、従来の電流形PWMコンバータ+電圧形PWMインバータの構成に似ており、制御の考え方が容易になる。一方で、入力側と出力側の各相が1:1で全て異なる相に結線するような6つのスイッチングパターンが発生しないという制約条件がある。AC−AC直接形では、上記のスイッチングパターンに制約条件がないが、一般的にアルゴリズムが複雑となる嫌いがある。
また、PWMパターンを生成する方式としては、主にキャリア比較方式と空間ベクトル変調方式がある。キャリア比較方式は三角波キャリアと正弦波との大小比較によりPWMパターンを生成するもので、仮想DCリンク方式に適用したキャリア比較方式としては、仮想コンバータのキャリア及び仮想PWMパルスから仮想インバータキャリアを生成することで、PWM制御のスイッチング回数を少なくかつ同数にしてスイッチング損失やノイズを低減し、出力電圧の制御精度を向上させるものが提案されている(例えば特許文献1参照)。
空間ベクトル変調方式は、マトリクスコンバータの各スイッチのスイッチング状態に応じて瞬時空間電流ベクトルを選択する方式であり、この選択によりスイッチングパターンが決定される。この空間ベクトル変調方式を採用した方法も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この空間ベクトル変調方式においては、適切なスイッチングパターンを選ぶことにより、スイッチの切り替え回数を減らし、スイッチング損失を減らしたり、負荷電流変化を小さくして出力電圧の歪みを低減することができる。
また、仮想DCリンク方式で空間ベクトル変調方式を採用した手法も発表されている(例えば非特許文献2参照)。
特開2005−168198号公報 AC−AC直接変換回路の解析法、電気学会論文誌、SPC97−53 Space Vector Modulated Three−Phase to Three−Phase Matrix Converter with Input Power Factor Correction L.Huver 他 IEEE trans. On Industry Applications、 vol.31、No.6、1995
仮想DCリンク方式の交流−交流直接変換装置の制御法は、図1に示すように、本来9組のスイッチS1〜S9構成である変換回路を仮想電流形PWMコンバータと仮想電圧形PWMインバータの12組のスイッチS1〜S12の組み合わせとして考える。
これらスイッチS1〜S12のスイッチングパターンは、図2の表で示すように、仮想電流形PWMコンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する6パターン(BaseVector:基本ベクトルi1〜i6)、およびP側とN側に同相が接続される零ベクトル状態が3パターン(i0r、i0s、i0t)存在する。一方、仮想電圧形PWMインバータは、零ベクトル状態2つを含む8種類の基本ベクトル(v0~v7)がある。ここで、入出力の空間ベクトルセクターと基本ベクトルを図3のように定義する。図3における仮想コンバータは入力相電流ベクトルIsを基準とし、仮想インバータは出力線間電圧ベクトルVrefを基準とし、どちらも反時計回りに回転するベクトルとして表現する。
次に、定義した入力側および出力側の基本ベクトルの組み合わせにおいて、仮想直流リンクのP、Nを通して接続される入力RST相と出力UVW相の関係から、本来の交流−交流直接変換装置のスイッチS1〜S9に照らし合わせると、図4の表に示すように合成されたスイッチングパターンが求められる。
交流−交流直接変換装置は、入力電圧源を短絡させてはならないこと、出力誘導性負荷の電流経路を確保することから、スイッチS1、S2、S3と、スイッチS4、S5、S6と、スイッチS7、S8、S9の出力相ごとにまとめた3つの組み合わせで考え、それぞれの組でON状態となるスイッチは1つのみに限られるという制約条件がある。したがって、3相/3相直接変換の全スイッチングパターンは図5の表で示すように27パターンに限られ、それらをmode1〜27として定義する。ただし、仮想DCリンク方式では、mode6、8、12、16、20、22は発生しない。
図4の表で示す合成結果より、各基本ベクトルのデューティに従ってPWM制御を行い、電流・電圧空間ベクトルをスイッチング周期毎に平均的に表現するが、このスイッチング周期内におけるデューティパルスの配置法について説明する。図6は、入力および出力のベクトルとデューティの関係図である。入力の第1基本ベクトルのデューティをA、入力の第2基本ベクトルのデューティをB、出力の第1基本ベクトルのデューティをX、出力の第2基本ベクトルのデューティをYとしている。仮想DCリンク方式ではこれら入出力のデューティ指令を合成して最終的なデューティ指令を生成する。すなわち、それぞれのデューティを掛け合わせて、AX、AY、BX、BYの4つのデューティ指令値を生成する。また、零ベクトルデューティをZとし、Z=1−(AX+AY+BX+BY)で求めておく。これら5つの合成デューティ指令を、デューティ演算周期T(キャリア比較方式におけるキャリア周波数に相当)の期間で、任意の順序でパルスを配置し、PWM制御を行う。
この5つのオンデューティパルスの演算周期内の配置順序は、PWM制御自体にとってはどのような順序でもかまわないが、配置したデューティパルスの切り替わりに着目し、スイッチング回数低減・高調波低減・コモンモード電圧低減を考慮して順序を決めることが望ましい。そのようなことから、種々の文献でスイッチング回数を低減できるスイッチングテーブルが提案されている。
例えば、前記の特許文献1では、交流−交流直接変換回路の仮想DCリンク方式による三角波キャリア変調による制御法で、PWM制御のスイッチング回数を少なくして損失とノイズの低減を行っている。また、本願出願人は、図7の表および図8の表のような2相以上が同時にスイッチングをせずに必ず1相ずつ切り替わるスイッチングテーブルも提案している。図7の表および図8表中、各相の数字(1〜9)は図1の左側マトリックスコンバータのスイッチS1〜S9のON状態を示す。また、入出力のそれぞれのセクター判別は図3に従う。また、合成デューティとスイッチ状態の組み合わせは、仮想変換器で合成すると導くことができる。また、各入出力セクター組み合わせにおいて、合成デューティのパルス配置順序を示している。例として、入力セクターIで出力セクターIのとき、スイッチ順序は…→AY→AX→BX→BY→Z→Z→BY→BX→AX→AY→AX→…の順序で対照的に折り返してスイッチングを行う。デューティ指令の更新は折り返すポイントで行う。また、スイッチング順序および零電圧時のスイッチの選択は、その制御周期内でスイッチング回数が最も少なくなるように選んでいる。デューティパルスの切り替わり時は、2相以上が同時にスイッチングしないようにしている。
しかしながら、図3で示した空間ベクトルにおいて、入力指令ベクトルが存在する入力セクター、もしくは出力指令ベクトルが存在する出力セクターの状態が移行する瞬間においては、図7の表および図8の表のような固定テーブルであると、2相以上の同時スイッチングを引き起こす可能性がある。また、コモンモード電圧の低減についても明確に考慮されていない。
本発明の目的は、上述の定常的な状態におけるスイッチングテーブルの最適化に加え、セクター間の移行時のスイッチング回数を低減し、またコモンモード電圧を低減するスイッチングパターン生成方法を提供することにある。
前記の課題を解決するための本発明は、以下の構成を特徴とする。
(1)仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
交流−交流直接変換回路の入力相電圧(電源相電圧)の中間電圧相を基準にして零電圧ベクトルを構成し、コモンモード電圧を低減するように入力基本ベクトルを12分割して零電圧ベクトルを選び出す零相スイッチングパターンを決定することを特徴とする。
(2)仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
入力電流指令ベクトルが入力側の基本ベクトルのセクター間を移行するとき、もしくは出力電圧指令ベクトルが出力側の基本ベクトルのセクター間を移行するとき、双方向スイッチの切り替わりは1相ごとに行って2相以上同時切り替えを防止することを特徴とする。
(3)仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
零電圧ベクトルの組み合わせの自由度を用いて、スイッチング状態に合わせてスイッチングテーブルを変更し、セクター間移行時の2相以上同時切り替えを防止することを特徴とする。
(4)仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
定常運転状態で、予め次に移行する基本ベクトルのセクターを5パターンに限定して予測しておき、その5パターンに移行する際に双方向スイッチが2相以上同時切り替わることを防止できるようなスイッチの切り替え状態に現在のパターンを変更しておくことを特徴とする。
(5)仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
任意のデューティにおけるセクター間の更新するタイミングで双方向スイッチが2相以上同時に切り替わる状態にあるとき、その瞬間でのデューティの更新を延期し、次の更新タイミングで2相以上同時に切り替わることのない双方向スイッチの状態でデューティの更新を行って同時にスイッチの切り替えを行わないことを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、定常的な状態におけるスイッチングテーブルの最適化に加え、セクター間の移行時のスイッチング回数を低減し、またコモンモード電圧を低減するスイッチングパターンを生成できる。
(実施形態1)
スイッチングテーブルを図7の表および図8の表のように固定して制御すると、同一セクター内の1演算周期におけるスイッチング回数は最小化することができる。図7の表および図8の表で示す例では、任意入出力セクターの組み合わせにおいて、零相Zのスイッチングパターンを固定しているが、零ベクトルのスイッチ切り替えの組み合わせには「1、4、7」「2、5、8」「3、6、9」の3組が自由度として存在する(数字は図1の交流−交流直接変換回路のスイッチS1〜S9のオン状態を意味する)。したがって、実際は必ずしも図7の表および図8の表のように固定しなくてよい。そこで、本実施形態では、この零ベクトルの組み合わせの自由度を用いて、コモンモード電圧を低減するものである。
交流−交流直接変換回路の入力相電圧(電源相電圧)の三相瞬時値に着目し、その瞬時値の大中小の関係を検出する。コモンモード電圧を低減するには、出力線間電圧をPWMで生成する際に、電圧落差を低減できる中間電圧相(瞬時値大中小の関係が「中」の相)を基準にして零電圧ベクトルを構成することが望ましい。つまり、入力中間電圧相がR相ならば「1、4、7」、S相ならば「2、5、8」、T相ならば「3、6、9」の組み合わせを用いればよい。ここで、図3で示される6つのセクターおよび各中間電圧相によって区別される領域毎に入力空間ベクトルを分割し、再定義すると図9のような12分割されたセクターとなり、そのときのスイッチングテーブルを図10の表および図11の表に示す。なお、図9における入力セクター12分割の添え字は、中間相を意味し、例えば1sならばセクター1でS相が中間相である。
したがって、本実施形態によれば、各セクターで中間電圧相を用いて零電圧ベクトルを構成するため、コモンモード電圧低減による低ノイズ化、誤作動防止等を実現できるとともに、セクター内におけるスイッチング回数を最小化することができる。
(実施形態2)
零電圧を出力するデューティ期間Zの双方向スイッチを切り替える遷移状態には自由度があり、出力UVW相をすべてR相に接続する「1、4、7」、S相に接続する「2、5、8」、T相に接続する「3、6、9」の3組がある。この自由度の例を、図12の表を用いて説明する。例えば、図3における入力セクター1かつ出力セクター1の状態「1−1」に基本ベクトルが存在したとする。そのとき、上述の3つの零電圧ベクトルを用いてスイッチング回数が最小化する順序を考えると、図12の表で示す6パターンが可能性として残る。
なお、図12の表は、5つの合成デューティパルスが5行で記述しており、上段から順にスイッチングすることを意味する。パターンによって、各行のデューティパルスの意味が異なる。パターンP1〜P6は、通常(P1、P2)、(P3、P4)、(P5、P6)の3組の組み合わせのうち、どれか1組を用いて折り返し対称スイッチングを行う。つまり、(P1、P2)の組み合わせが選択されたならば「1、5、8」→「1、5、7」→「1、4、7」→「1、6、7」→「1、6、9」→(更新)→「1、6、9」→「1、6、7」→「1、4、7」→「1、5、7」→「1、5、8」→(更新)…といった順序でスイッチングとオンデューティパルス指令の更新が行われる。どのパターンを見てもわかるように、スイッチングの切り替わりは必ず1相ごとに行われているため、同時スイッチングを引き起こさない(双方向スイッチを2個以上同時に切り替えを行わない)。なお、(P1、P2)は零電圧にR相「1、4、7」を利用するパターン、(P3、P4)はS相「2、5、8」のパターン、(P5、P6)T相「3、6、9」のパターンである。
ここで、セクター間を移行する瞬間を考える。入力側の空間ベクトルは電源電圧に同期して動作するため、セクターも1→2→3→4→5→6→1→…と移行する。一方、出力側の空間ベクトルは線間電圧指令に依存するので、逆回転や高速回転することも考えられる。セクター状態「1−1」から移行する可能性があるのは入出力セクター同時移行や逆回転も考慮して、「1−2」「1−6」「2−1」「2−2」「2−6」の5つと考えてよい。逆に、「1−1」に移行してくる可能性があるのは、「6−1」「6−6」「6−2」「1−6」「1−2」の5つである。このことに基づいて、図13の表および図14の表は、「1−1」の移行前後に関連するセクター状態のスイッチングパターンを抜粋して示している。セクターを更新するタイミングでのスイッチ状態はそれぞれ4つずつ(図13の表および図14の表の外最右列)考えられるが、他のセクターに移行するとき、同時に2相以上がスイッチングしないように移行することが望ましい。そこで、セクター移行前のスイッチ状態(パターン前P1〜前P6)を把握しておき、移行後の状態(パターン後P1〜後P6)のどれに移行したらよいかを判別する。移行後のパターン決定条件としては、2相以上が同時に切り替わらないものを選択すればよい。選択できるパターンが複数ある場合は、コモンモード電圧低減を目的として入力中間電圧相が結線された零電圧パターンを優先的に用いる等の条件を与える。ただし、より細かいセクター判別が必要であり、例えばセクター「1−1」でθ>0の領域はR>S>Tの関係となるので、中間電圧相はS相となり、「2、5、8」の零電圧ベクトルを含むパターンを選択する。
他のセクター間の移行条件においても同様の処理を行うことで、交流−交流直接変換装置が定常的な運転をしている限り、セクター間移行の可能性のある条件において、セクター間移行過渡時の2相以上の同時スイッチングを基本的に防止することができる。
本実施形態によれば、同一セクター内におけるスイッチング回数最小化に加え、セクターが移行する瞬間のスイッチングにおいても2相以上が同時に切り替わらないため、更なる高調波抑制や損失低減が実現できる。
(実施形態3)
上記の実施形態2の手法を利用すれば、同時スイッチングを防止するテーブルを状態に合わせてアクティブに選択することができる。しかしながら、セクター間の移行の仕方によっては同時スイッチング防止が可能なテーブルを選択することができない場合も存在する。例えば、図13の表および図14の表の中で、セクター「1−1」からセクター「1−2」「1−6」「2−1」「2−2」「2−6」の5つの状態に移行する場合について、更新時のスイッチ状態が「3、6、9」であり、かつセクター「2−1」「2−2」「2−6」に移行するとき、同時スイッチングを防止できるスイッチングパターンが移行後に存在しない。したがって、同時スイッチングの可能性を消すためにはスイッチ状態「3、6、9」でデューティの更新をしてはならないことになる(定常的な運転状態に限る)。
交流−交流直接変換装置が定常的な運転をしている場合は、実施形態2でも述べたようにセクター間の移行順序がある程度予測できるため、次のセクター間の移行のパターンも限られる(定常運転であるとすれば、移行先は5つのセクター状態に限定される)。このことを用いて、上述した同時スイッチングの可能性のあるパターンで運転しないような処理を与える。図13の表および図14の表の例では、「1−1」で「3、6、9」を含むモード(パターンP6)でスイッチング動作をした場合、次のセクターを更新するタイミングで(すなわち「1、5、8」の状態になったとき)ただちに、「3、6、9」を含まず、かつスイッチングを伴わないパターン(この例ではパターンP1)にセクター内で移行する処理を与える。他のセクター状態から「3、6、9」を含むモードにスイッチング移行してきた場合でも次のデューティ更新周期では禁止モードを脱するため、同時スイッチングを防止するテーブルが常に選択できる(定常的な運転状態に限る)。
実施形態2は、セクター移行後のテーブル6種の中から同時スイッチングを防止するものを選択するが、移行の仕方によっては選択できるテーブルが存在しない場合がある。本実施形態では、定常運転時に予めセクター間を移行することが予測されるセクターに絞って、移行前の禁止すべきスイッチングパターン(すなわち移行するとテーブルが選択できなくなるようなスイッチ状態)を割り出して、その禁止パターンを回避する。これにより、定常運転に限ってはどのようなセクター移行パターンでも同時スイッチングを防止することができる。
(実施形態4)
前記の実施形態2、3は、スイッチング回数最小化のみを考慮して、セクター間の移行過渡時における同時スイッチングについても防止する手法であるが、コモンモード電圧低減に関しては明確に考慮していない。
例えば、セクター「1−1」でθ<0°のとき(図9における入力1t、出力1のとき)、入力相電圧はR>T>Sの関係となっている。したがって、コモンモード電圧低減の観点からすると、中間相であるT相「3、6、9」の零電圧を選択することが望ましいが、実施形態3の禁止モード回避手法だと、セクター「1−1」において「3、6、9」を含んではならないため、矛盾を生じる。これらを両立する手法として、本実施形態では、実施形態2の手法をベースとし、図13の表および図14の表中の「1−1」における「3、6、9」を含むパターン(P5、P6)のモードでは、スイッチが「3、6、9」の状態では更新を行わずにスルーして、折り返し対称法で「1、5、8」に戻ったときにデューティを更新するような処理を追加する。すなわち、双方向スイッチが2相以上同時に切り替わる状態にあるとき、その瞬間でのデューティの更新を延期し、次の更新タイミングで2相以上同時に切り替わることのない双方向スイッチの状態でデューティの更新を行って同時にスイッチの切り替えを行わない。
本実施形態によれば、スイッチの状態によっては1演算周期スルーする可能性があるため、実施形態2の手法と比較してデューティを変更するタイミングが1演算周期以上で2更新周期未満の遅れを伴うこともあるが、実施形態1のコモンモード電圧低減効果と、実施形態2のセクター移行過渡時の同時スイッチング防止を両立することができる。
仮想DCリンク方式の交流−交流直接変換装置の等価回路図。 仮想変換器のスイッチングパターンの表。 空間ベクトルセクターと基本ベクトル図。 仮想スイッチングパターンの合成結果の表。 スイッチングモード27パターンの表。 入力および出力のベクトルとデューティの関係図。 1スイッチング周期でのパルス発生期間の図(その1)。 1スイッチング周期でのパルス発生期間の図(その2)。 空間ベクトルセクターの12分割と基本ベクトル図。 12分割における仮想スイッチングパターンの合成結果の表(その1)。 12分割における仮想スイッチングパターンの合成結果の表(その2)。 セクター状態「I−I」におけるパルスパターン。 セクター状態「I−I」に関連するパルスパターン(その1)。 セクター状態「I−I」に関連するパルスパターン(その2)。 交流−交流直接変換装置の基本構成図。
符号の説明
1 交流電源
2 入力LCフィルタ
3 交流−交流直接変換回路
4 制御装置

Claims (5)

  1. 仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
    交流−交流直接変換回路の入力相電圧(電源相電圧)の中間電圧相を基準にして零電圧ベクトルを構成し、コモンモード電圧を低減するように入力基本ベクトルを12分割して零電圧ベクトルを選び出す零相スイッチングパターンを決定することを特徴とするスイッチングパターン生成方法。
  2. 仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
    入力電流指令ベクトルが入力側の基本ベクトルのセクター間を移行するとき、もしくは出力電圧指令ベクトルが出力側の基本ベクトルのセクター間を移行するとき、双方向スイッチの切り替わりは1相ごとに行って2相以上同時切り替えを防止することを特徴とするスイッチングパターン生成方法。
  3. 仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
    零電圧ベクトルの組み合わせの自由度を用いて、スイッチング状態に合わせてスイッチングテーブルを変更し、セクター間移行時の2相以上同時切り替えを防止することを特徴とするスイッチングパターン生成方法。
  4. 仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
    定常運転状態で、予め次に移行する基本ベクトルのセクターを5パターンに限定して予測しておき、その5パターンに移行する際に双方向スイッチが2相以上同時切り替わることを防止できるようなスイッチの切り替え状態に現在のパターンを変更しておくことを特徴とするスイッチングパターン生成方法。
  5. 仮想入力コンバータは仮想直流リンクのP側とN側にそれぞれ異なる任意の入力相を接続する2n個の基本ベクトルおよびP側とN側に同相が接続されるn個の零ベクトルを組み合わせてスイッチングパターンを生成し、仮想出力インバータは2つの零ベクトルを含む2+2n種類の基本ベクトルでスイッチングパターンを生成し、これらパターンを合成したスイッチングパターンで各双方向スイッチを制御するn相の交流−交流直接変換装置において、
    任意のデューティにおけるセクター間の更新するタイミングで双方向スイッチが2相以上同時に切り替わる状態にあるとき、その瞬間でのデューティの更新を延期し、次の更新タイミングで2相以上同時に切り替わることのない双方向スイッチの状態でデューティの更新を行って同時にスイッチの切り替えを行わないことを特徴とするスイッチングパターン生成方法。
JP2006131037A 2006-05-10 2006-05-10 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法 Expired - Fee Related JP4862476B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006131037A JP4862476B2 (ja) 2006-05-10 2006-05-10 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
CN2007800169215A CN101443992B (zh) 2006-05-10 2007-05-10 用于交流-交流直接变换装置的切换图案创建方法
RU2008141503/09A RU2387069C1 (ru) 2006-05-10 2007-05-10 Способ создания конфигурации переключения для устройства прямого преобразования переменного тока в переменный ток
PCT/JP2007/059688 WO2007129755A1 (ja) 2006-05-10 2007-05-10 交流-交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
EP07743123.7A EP2034598A4 (en) 2006-05-10 2007-05-10 Switching pattern creating method for ac-ac direct conversion device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006131037A JP4862476B2 (ja) 2006-05-10 2006-05-10 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007306677A JP2007306677A (ja) 2007-11-22
JP4862476B2 true JP4862476B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=38840150

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006131037A Expired - Fee Related JP4862476B2 (ja) 2006-05-10 2006-05-10 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4862476B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5293072B2 (ja) * 2008-10-17 2013-09-18 サンケン電気株式会社 交流−交流直接変換装置
KR101689062B1 (ko) * 2014-09-16 2016-12-22 울산대학교 산학협력단 제로 공통모드전압을 위한 매트릭스 컨버터의 스위칭 제어방법
CN109039115B (zh) * 2018-08-07 2024-01-05 北京航空航天大学 一种高频ac隔离式变换器及其统一空间矢量调制策略
CN114123908B (zh) * 2021-11-26 2023-10-17 沈阳工业大学 一种双三相电机虚拟空间电压矢量脉宽调制方法
CN116780930B (zh) * 2023-06-20 2023-12-01 南京理工大学 一种两并联变流器的开关时序优化设计及其载波调制方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007306677A (ja) 2007-11-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4862475B2 (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
JP4957303B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
US7310254B2 (en) AC-to-AC (frequency) converter with three switches per leg
Loh et al. Reduced common-mode modulation strategies for cascaded multilevel inverters
JP4957304B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
Ramkumar et al. A new series parallel switched multilevel dc-link inverter topology
JP4862477B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の入出力デューティ制御方法
US6118932A (en) Method and arrangement for a high voltage single-stage variable speed drive
JP4862476B2 (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
WO2007129755A1 (ja) 交流-交流直接変換装置のスイッチングパターン生成方法
JP4893152B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
JP5012309B2 (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法
JP4893150B2 (ja) 交流−交流直接変換装置の空間ベクトル変調方法
JP4423950B2 (ja) 交流交流直接変換器の制御装置
JP5012310B2 (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法
JP2023009353A (ja) 三相インバータのマルチパルスpwm制御法
JPH04117137A (ja) 並列多重インバータ
JP2004201360A (ja) コンバータ装置
JP5012311B2 (ja) 交流−交流直接変換装置のスイッチングパターン切替方法
JP5849632B2 (ja) 電力変換装置
JP3681869B2 (ja) 電圧形インバータ装置
WO2017034028A1 (ja) インバータの制御方法及び制御装置、並びにインバータ装置
JP4872122B2 (ja) 交流直接変換器の制御装置
JP5028940B2 (ja) 直列多重型交直変換装置の出力電圧制御装置及び方法
JP4393420B2 (ja) 三相整流装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110905

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20110905

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111011

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111024

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4862476

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees