JP3681869B2 - 電圧形インバータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はPWM制御方式の電圧形インバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、可変速制御される誘導電動機等の交流モータの制御装置としては、図12に示すようなPWM制御方式の電圧形多重インバータ装置が知られている。
図12に示すインバータ装置は、2組の3相インバータをリアクトルで結合した2重形インバータであり、直流電源10a,10b、単位インバータ11a,11b、結合リアクトル12a,12bで構成され、交流モータ13に可変周波数、可変電圧の交流電力を供給する。
【0003】
単位インバータ11a,1bは、ゲートターンオフサイリスタやトランジスタ等の自己消弧能力を持つ半導体スイッチング素子で構成され、搬送波シフト回路14、パルス幅変調回路(以下単にPWM回路と呼ぶ)15a,15bで構成される制御回路により制御される。
【0004】
ここで、上記電圧形多重インバータ装置の動作を簡単に説明すると、3相出力電圧基準信号Eu,Ev,EwをPWM回路15a,15bにそれぞれ入力し、また搬送波信号CYを一方の組のPWM回路15aに入力すると共に、搬送波シフト回路14で180度シフトした搬送波信号CY2を他方の組のPWM回路15bに入力し、その変調信号で単位インバータ11a,11bを駆動制御している。
【0005】
このときのデッドタイムについては、検討を簡単にするためここではその説明を省略する。
ところで、多重形インバータにおいて、そのPWM信号は搬送波信号の位相をずらすことが一般的に行われている(電気学会発行:オーム社発売:「半導体電力変換回路」P.125 〜126 )。
【0006】
図12に示すインバータ装置の作用を図13に示すタイムチャートを用いて説明する。
図13において、U,VはU相、V相の電圧基準信号であり、CYは単位インバータ11a側の搬送波信号、CY2は単位インバータ11b側の搬送波信号である。従って、PWM回路15a,15bでパルス幅変調された信号により単位インバータ11a,11bを制御することにより、1相の出力波形は直流電圧の半分の大きさの方形波として等価的に示されるので、単位インバータ11aのU相出力電圧Vuaと、単位インバータ11bのU相出力電圧Vubは図13に示すようになる。
【0007】
ここで、VuaとVubの波形を見ると、相互のスイッチングタイミングが交互になっている。U相の合成出力電圧VuはVuaとVubを加算したものであり、+と−に交互に振れる波形ではなく、電圧基準が+の領域では+と0を交互に振れる波形となり、単位インバータの波形よりも正弦波に近いきれいな波形になる。また、このVuの波形はスイッチング回数が単位インバータの2倍となることが分かる。同様にV相の合成出力電圧VvはVvaとVvbを加算したものとなる。
【0008】
このように多重化することは、単純な容量アップだけでなく、出力電圧に含まれる高調波の次数を高い方へ移動させ、合成出力電圧波形をより正弦波に近付けることを目的としている。
【0009】
このような2重化の方法として、単相インバータを3つ使用して3相インバータとしたり、出力トランスで直列に結合したものや、直流電源側を絶縁して単位インバータの出力を直列接続したもの等が知られているが、それらについても合成される波形は全く同一である。さらに、3重化以上の多重化を行った場合も考え方は同一である。
【0010】
一方、制御方法としてヒステリシスコンパレータを用いた電流追従制御回路によってPWM信号を得る方式(電気学会発行:オーム社発売:「半導体電力変換回路」P.143 〜144 )もある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図13の線間電圧波形を細かく見ると、U相とV相の合成出力電圧波形において、U相とV相のスイッチングタイミングが同時に逆方向に重なる部分があるため、W相の合成出力電圧Vw 波形の図示A点での電圧ステップが他に比べて2倍の大きさになっている。
【0012】
インバータ装置の負荷としてモータを考えた場合、モータまでのケーブルのインダクタンスとモータ内の浮遊容量により振動でスイッチング電圧の最大2倍の電圧がモータ端子に加わる。
【0013】
上記のように電圧ステップが他の2倍となるA点部分の電圧がモータ端子に加わるとモータ端子にさらにこの2倍の電圧が印加することがあるため、巻線の絶縁破壊につながることがある。特に高圧モータの場合には、巻線の絶縁耐量に余裕が少ないため、問題となっていた。
【0014】
また、線間電圧としてそのピーク値を1とした場合、0.5以上を出力する領域では0まで下がる必要はなく、0.5と1の間を交互に繰返せば良いはずである。つまり、従来のPWM方式のインバータの出力電圧波形としては、搬送波信号をシフトさせてスイッチングが重ならないようにするという本来の目的が十分に達成できないという問題があった。
【0015】
一方、ヒステリシスコンパレータを用いた電流追従制御回路によってPWM信号を得る方式にあっては、基準となる搬送波が存在しないので、3相のスイッチングタイミングは独立であり、逆方向のスイッチングタイミングがあり得る。したがって、上述した多重化の例と同様に線間電圧でのジャンプ電圧が2倍になることがあり、同様の問題があった。
【0016】
本発明は上記のような問題点を解決するためなされたもので、スイッチングサージ電圧を低減でき、単位インバータの定格容量を最大に使用することができるインバータ装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するため、次のような手段により電圧形インバータ装置を構成するものである。
請求項1に対応する発明は、搬送波と基準電圧とを比較して得られるスイッチング信号により複数の単相インバータにより構成された多相インバータをスイッチング制御して可変周波数、可変電圧の交流電力を負荷に供給する電圧形インバータ装置において、多相インバータの多重化数に応じた数でかつ同一タイミングで同一方向に変化する搬送波を生成する搬送波処理手段と、この搬送波処理手段より得られる各搬送波を多相インバータの各相の電圧基準と比較し、各相に対応する単相インバータのスイッチング信号により制御する制御手段と、この制御手段より得られる単相インバータのスイッチング信号を各相の単相インバータに振分けて順次出力する振分手段とを備える。
【0020】
請求項2に対応する発明は、搬送波と基準電圧とを比較して得られるスイッチング信号により複数の単相インバータを組合せて1相とする多相インバータをスイッチング制御して可変周波数、可変電圧の交流電力を負荷に供給する電圧形インバータ装置において、多相インバータの多重化数に応じた数でかつ同一タイミングで同一方向に変化する搬送波を生成する搬送波処理手段と、この搬送波処理手段より得られる各搬送波を多相インバータの各相の電圧基準と比較し、各相に対応するスイッチング信号を得る制御手段と、この制御手段より出力される各相に対応するスイッチング信号を各相の単相インバータに対応するスイッチング信号に分配する分配手段と、この分配手段により各相に分配されたスイッチング信号を特定のスイッチング素子に集中しないように再分配する再分配手段とを備える。
【0021】
請求項3に対応する発明は、搬送波と基準電圧とを比較して得られるスイッチング信号により多相インバータをスイッチング制御して可変周波数、可変電圧の交流電力を負荷に供給する電圧形インバータ装置において、各相に対応する電流基準と前記多相インバータの各相の出力電流との偏差値とが入力され、この偏差値をもとにヒステリシスコンパレータを用いてスイッチング信号を得る電流追従制御手段と、この電流追従制御手段により生成されたスイッチング信号のスイッチング方向を検出する検出手段と、この検出手段の出力信号を基に所定時間逆方向のスイッチング信号の出力を禁止することで前記多相インバータの各相の出力電圧が相間で逆方向に重ならないスイッチング信号により制御する制御手段を備える。
【0022】
従って、上記のような構成の電圧形インバータ装置にあっては、インバータの出力に含まれるスイッチングサージ電圧を下げることができ、誘導負荷にダメージを与えるサージ電圧を低減することができる。
【0023】
また、多重化を構成する場合には、単位インバータのパワーバランスを取ることができ、各インバータを構成するスイッチング半導体素子のロスを平均化できるので、バランスがとれない場合の定格の低減が必要なく、単位インバータの定格容量を最大に使用することが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明による電圧形多重インバータ装置の第1の実施の形態を示す回路図であり、図12と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0025】
第1の実施の形態では、図1に示すように搬送波信号CYを搬送波処理回路 (以下搬送波段積み回路と呼ぶ)16に入力して第1の搬送波信号C1、第2の搬送波信号C2とし、これをPWM回路15a,15bにそれぞれ加えるようにしたものである。
【0026】
この搬送波段積み回路16は、一方が搬送波CYと基準設定回路16−1に設定された規準値+1とを加算器16−2により加算し、他方が搬送波CYと基準設定回路16−3に設定された規準値−1とを加算器16−4により加算し、これら加算器16−2,16−4で加算された信号を分割回路16a,16bにそれぞれ入力して1/2に分割し第1の搬送波C1、第2の搬送波C2とするもので、これをカスケード方式と呼ぶ。
【0027】
従って、この搬送波段積み回路16に搬送波CYを入力することで、搬送波の正のピーク値を+1、負のピーク値を−1としたとき、0を波形の最小値として+1との間で変化する第1の搬送波と、−1を波形の最小値として0との間で第1の搬送波と同一タイミングで同一方向に変化する第2の搬送波が得られる。
【0028】
次に上記第1の実施の形態の作用を図2により説明する。
図2において、U,VはU相、V相の電圧基準信号であり、C1は単位インバータ11a側の搬送波信号、C2は単位インバータ11b側の搬送波信号である。
【0029】
ここで、搬送波信号CYが搬送波段積み回路16に入力されると、この搬送波信号CYは、一方が(CY−1)/2=C2,他方が(CY+1)/2=C1となってPWM回路15a,15bに入力される。
【0030】
従って、PWM回路15a,15bでU相の電圧基準信号と搬送波信号C1,C2とを比較して得られるスイッチング信号により単位インバータ11a,11bを制御すると、単位インバータ11aのU相出力電圧Vuaと、単位インバータ11bのU相出力電圧Vubは図2に示すようになり、U相の合成出力電圧VuはVuaとVubを加算したものとなる。同様にV相の合成出力電圧VvはVvaとVvbを加算したものとなる。
【0031】
図2を見ると、このようにして得られた相電圧の合成出力波形は図13と殆ど変わらないが、合成出力の線間電圧波形は図13に比べて大幅に改善されていることが分かる。即ち、図2に示す合成出力の線間電圧波形は図13に示すA点のような2倍のスイッチングがなく、線間電圧としてそのピーク値を1とした場合、0.5以上を出力する領域では線間電圧が0まで下がることのないきれいな波形となる。
【0032】
ここで、図2と図13について比較してみるに、図2と図13の差異は各相のスイッチングの元となる搬送波の位相が関係している。即ち、図13の位相シフト方式はどの時点で見ても2つの搬送波は増加方向と減少方向になっているが、図2のカスケード方式ではどの時点においても搬送波の増減方向は同じである。従って、PWM回路15a,15bでは、電圧基準と搬送波を比較してスィッチング信号を作成しているため、搬送波が増加方向か、減少方向かでスイッチングのジャンプ方向が変わる。
【0033】
その結果、図13ではU相とV相が同時に逆方向にジャンプするため、2倍のジャンプ電圧が発生する。
これに対して、図2ではどの区間でもU相とV相のジャンプ方向は同じなので、2倍のジャンプ電圧が発生することがなく、また線間電圧としてそのピーク値1に対して0.5以上を出力する領域では0まで下がることもない。
【0034】
このように第1の実施の形態では、3相の単位インバータ11a,11bを多重化したインバータ装置において、各単位インバータに対応するPWM回路15a,15bに電圧基準と共に加えられる搬送波を搬送波段積回路16に入力し、この搬送波段積回路16により搬送波の正のピーク値を+1、負のピーク値を−1としたとき、0を波形の最小値として+1との間で変化する第1の搬送波と、−1を波形の最小値として0との間で第1の搬送波と同一タイミングで同一方向に変化する第2の搬送波を得て各相の基準電圧と比較してスイッチング方向が同時に逆方向にならないスイッチングタイミングを作成したので、単位インバータ11a,11bのスイッチングが相間で重なって相間電圧に2倍のスイッチング電圧の発生を防止することができ、また搬送波半周期毎に相間でのスイッチング方向を揃えることができ、線間電圧波形を改善することができる。
【0035】
図3は本発明による電圧形多重インバータ装置の第2の実施の形態を示す回路図であり、図1と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0036】
第2の実施の形態において、第1の実施の形態と異なる点は3つの単相インバータ19a,19b,19cを用いて3相インバータとしたこと、B相側のスイッチング信号を反転して使用したこと、結合リアクトルが不要なこと以外は図1の構成と同様である。
【0037】
このような構成のインバータ装置において、B相側の波形は図1に対して逆極性になっているが、U相の出力電圧は単相インバータのA相側からB相側の電位を引いたものであるため、図1のU相合成出力と全く同一となる。
【0038】
従って、線間電圧も図1と同様にきれいな波形になることは明らかであり、第1の実施の形態と全く同様にインバータの出力に含まれるスイッチングサージ電圧を下げることができ、モータ巻線にダメージ与えるサージ電圧を低減することができる。
【0039】
図4は本発明による電圧形多重インバータ装置の第3の実施の形態を示す回路図であり、図3と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0040】
第3の実施の形態において、第2の実施の形態と異なる点はPWM回路15a,15bの出力側にスイッチング単相振分回路20a,20b,20cを設け、このスイッチング単相振分回路20a,20b,20cにより振分けられた各相のスイッチング信号により単相インバータ19a,19b,19cを制御するようにしたものである。
【0041】
この場合、PWM回路15a,15bより出力されるスイッチング信号は次のような減算処理が行われてスイッチング単相振分回路20a,20b,20cに入力される。即ち、PWM回路15a,15bより出力されるU相に対応するスイッチング信号はSuaからSubを減算し、V相に対応するスイッチング信号はSvaからSvbを減算し、W相に対応するスイッチング信号はSwaからSwbを減算して得られる各相の信号Su,Sv,Swがスイッチング単相振分回路20a,20b,20cにそれぞれ入力される。
【0042】
次に第3の実施の形態の作用を図5により例えばU相の場合について簡単に説明する。
図5では図2のようなインバータ出力電圧波形(+/−波形)ではなく、スイッチング信号(1/0波形)で示している。従って、図2のVua,Vubと図5のSua,Subは同一タイミングである。
【0043】
次にSua−Subの計算をすることによって、1,0,−1の3値を変化範囲とする信号Suを得る。この信号Suは図のVuの波形と全く同一であり、スイッチングパターンを示している。
【0044】
このようにして得られた信号Suがスイッチング単相振分回路20aに入力すると、スイッチング単相振分回路20aでは図6に示すような形態に信号を振分けてインバータのスイッチング信号u1a,u1bを得る。
【0045】
即ち、図6は単相インバータの出力の取り得る値を状態遷移として示したものである。ここで、単相インバータの出力で+または−を出力するには1通りしかないが、0を出力するのはVuaとVubの両方を+電位とするか、−電位とするかの2つの選択があり得る。スイッチング単相振分回路20aは、この2通りの状態を交互に使用することによって、図5に示す信号波形u1a,u1bを得る。
【0046】
このようにして得られるスイッチング信号は、図2の波形と比べると、U相出力波形としては同一であるが、個別のスイッチング素子のオン、オフ波形は異なっており、図2に比べてスイッチング素子毎のスイッチングロスのバランスを取ることができる。
【0047】
上記ではU相の場合について述べたが、V相、W相の場合についても同様である。
このような構成の第3の実施の形態としても、第1の実施の形態と全く同様にインバータの出力に含まれるスイッチングサージ電圧を下げることができ、モータ巻線にダメージを与えるサージ電圧を低減することができる。
【0048】
図7は本発明による電圧形多重インバータ装置の第4の実施の形態を示す回路図であり、図4と同一部分には同一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる点について述べる。
【0049】
第4の実施の形態において、第3の実施の形態と異なる点は図7に示すように2つの単相インバータ17a,17bを用いて1相として3相インバータを構成し、これに伴い4つのPWM回路15a,15b,15c,15dを設け、これらPWM回路15a,15b,15c,15dに3相各相に対応する基準電圧と次のような構成の搬送波段積回路16より搬送波とを入力し、また各PWM回路15a,15b,15c,15dより出力されるスイッチング信号を単相インバータに対応するスイッチング信号に分配する分配回路21およびこの分配回路21により各相に分配されたスイッチング信号を特定のスイッチング素子に集中しないように振分ける再分配回路18a,18bを設けるものである。
【0050】
上記搬送波段積回路16は、搬送波CYと基準設定回路16−1に設定された規準値+3とを加算器16−2により加算して分割回路16aに、搬送波CYと基準設定回路16−3に設定された規準値+1とを加算器16−4により加算して分割回路回路16bに、搬送波CYと基準設定回路16−5に設定された規準値−1とを加算器16−6により加算して分割回路16cに、搬送波CYと基準設定回路16−7に設定された規準値−3とを加算器16−8により加算して分割回路16dにそれぞれ入力してそれぞれ1/4に分割し第1の搬送波C1、第2の搬送波C2、第3の搬送波C3、第4の搬送波C4として出力するものである。
【0051】
従って、搬送波段積回路16に搬送波CYを入力することで、搬送波の正のピーク値を+1、負のピーク値を−1としたとき、+0.5を波形の最小値として+1との間で変化する第1の搬送波と、0を波形の最小値として+0.5との間で変化する第2の搬送波と、−0.5を波形の最小値として0との間で変化する第3の搬送波と、−1を波形の最小値として−0.5との間で変化する第4の搬送波とを得るもので、これら第1の搬送波乃至第4の搬送波はそれぞれ同一タイミングで同一方向に変化することになる。
【0052】
また、分配回路21aはPWM回路15a,15bより出力される例えばU相のスイッチング信号SuaとSubとを加算した信号から、PWM回路15a,15bより出力されるスイッチング信号SucとSudとを加算した信号を減算して得られる信号Suを入力して各単相インバータ用の信号u1,u2を得るものであり、再分配回路18a,18bは信号u1,u2より個々のスイッチング信号u1a,u1b,u2a,u2bを得るものである。
【0053】
ここで、分配回路21aと再分配回路18a,18bをまとめた回路を22aとし、U相と同様に構成されたV相とW相に対応する回路を22b,22cとして示すもので、これらの回路22b,22cはV相とW相に対してもU相と同じ処理を行う。
【0054】
次に第4の実施の形態の作用を図8と図9により簡単に説明する。
搬送波信号CYが搬送波段積回路16に入力されると、この搬送波信号は第1段目が(CY+3)/4=C1,第2段目が(CY+1)/4=C2,第3段目が(CY−1)/4=C3,第4段目が(CY−3)/4=C4となってPWM回路15a,15b,15c,15dに入力される。
【0055】
各PWM回路15a,15b,15c,15dでは、例えばU相の基準電圧信号Euと第1乃至第4の搬送波C1〜C4とを比較し、スイッチング信号Sua,Sub,Suc,Sudを出力し、これらは次のような加減算されて分配回路21aに入力される。
【0056】
即ち、(Sua+Sub)−(Suc+Sud)の演算によりSuを得る。この信号Suは図のVuと同一波形であり、U相のスイッチングパターンを示している。
【0057】
この信号Suを分配回路21aに入力されると各単相インバータ用の信号u1,u2に分配され、信号u1,u2を再分配回路18a,18bに加えて単相インバータ17aに対応するスイッチング素子のスイッチング信号u1a,u1bと、単相インバータ17bに対応するスイッチング素子のスイッチング信号u2a,u2bを得る。
【0058】
ここで、分配回路21aの作用を図9により説明する。
図9は単相インバータ2段の合成出力を取り得る値を状態遷移として示したものである。即ち、合成出力+2を得るには、両方のインバータが+を出力する必要があり、これを(++)として示す。合成出力+1を得るには(+0)と(0+)の2通りが存在する。合成出力0を得るには,(00)と(+−)と(−+)の3通りが存在するが、+と−の組合せは無駄なので取り得る状態として禁止する。合成出力の−側は+側と同様なので省略する。
【0059】
従って、分配回路21aは、まずSuで示される波形から図9の状態遷移図で2通りある状態を交互に使用するように信号を分配する。
その結果得られたu1,u2という信号は単相1段の構成図で説明した単相振分回路と同様の再分配回路18a,18bでスイッチング信号がA相とB相とが交互になるように振分ける。図8のチャートではu1a,u1bの2つを示している。この波形を見ると個別のスイッチング素子毎のスイッチングロスのバランスを取ることができる。
【0060】
図10は本発明による電圧形多重インバータ装置の第5の実施の形態を示す回路図である。
図10において、11はゲートターンオフサイリスタやトランジスタ等の自己消弧能力を持つ半導体スイッチング素子で構成された3相のインバータで、このインバータ11はスイッチング制御により直流電源10より供給される直流を交流に変換して交流モータ13に可変周波数、可変電圧の交流電力を供給するものである。
【0061】
一方、3相インバータ11の制御系は、電流基準iu(ref),iv(ref),iw(ref)とインバータ11の出力回路に設けられた図示しない変流器により検出された電流iu,iv,iwとを比較し、その偏差値が入力されるヒステリシスコンパレータを用いた電流追従制御回路23a,23b,23cと、これら電流追従制御回路23a,23b,23cにより生成されたスイッチング信号u1,v1,w1が入力され、これらの信号のスイッチング方向を検出する検出回路24と、この検出回路24の出力信号を基に所定時間逆方向のスイッチング信号の出力を禁止し、所定の信号u2,v2,w2を出力する制御回路25とを備えて多相インバータの各相の出力電圧が相間で逆方向に重ならないスイッチング信号よりインバータ11のスイッチング素子を制御するものである。
【0062】
次に上記第5の実施の形態の作用を図11により説明する。
図11において、iu(ref),iv(ref),iw(ref)は電流基準、iu,iv,iwはフィードバック電流、u1,v1,w1はヒステリシスコンパレータが生成するスイッチング信号である。
【0063】
ここで、電流追従制御回路23a,23b,23cより出力されるスイッチング信号u1,v1,w1が検出回路24にそれぞれ入力されている状態で、いま検出回路24により例えばスイッチング信号u1がt1時点で0から1に変化したことを検出すると、制御回路25ではt2時点までtd時間の間、禁止信号 (インヒビット)INH−が1となり、スイッチング信号u1の1から0方向の変化を禁止する。
【0064】
その結果、制御回路25において、スイッチング信号v1がt1時点とt2時点の間で1から0に変化するが、信号v2の変化はt2時点まで待たされる。また、t3時点でw1が1から0になるが、この時には1から0方向の禁止信号INHは出ていないため、そのままw2が変化できる。
【0065】
また、制御回路25において、t2時点から今度は0から1方向の変化を禁止する禁止信号INH+が1になり、t3時点でw1およびw2が変化すると、t4時点まで延長される。
【0066】
このようにすれば、一所定時間逆方向のスイッチング信号の出力を禁止することで多相インバータの各相の出力電圧が相間で逆方向に重ならないスイッチング信号より多相インバータが制御されるので、線間電圧に2倍のスイッチング電圧が現れることを防止できる。
【0067】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、スイッチングサージ電圧を低減でき、単位インバータの定格容量を最大に使用することができるインバータ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインバータ装置の第1の実施の形態を示す回路構成図。
【図2】同実施の形態の作用を説明するためのタイムチャート。
【図3】本発明によるインバータ装置の第2の実施の形態を示す回路構成図。
【図4】本発明によるインバータ装置の第3の実施の形態を示す回路構成図。
【図5】同実施の形態の作用を説明するためのタイムチャート。
【図6】同実施の形態における単相振分回路の作用を説明するための図。
【図7】本発明によるインバータ装置の第4の実施の形態を示す回路構成図。
【図8】同実施の形態の作用を説明するためのタイムチャート。
【図9】同実施の形態における再分配回路の作用を説明するための図。
【図10】本発明によるインバータ装置の第5の実施の形態を示す回路構成図。
【図11】同実施の形態の作用を説明するためのタイムチャート。
【図12】従来のインバータ装置の構成例を示す回路図。
【図13】同装置の作用を説明するためのタイムチャート。
【符号の説明】
10,10a,10b……直流電源
11,11a,11b……3相の単位インバータ
12a,12b……結合リアクトル
13……交流モータ、
15a,15b……PWM回路
16……搬送波段積み回路
16−1,16−3,16−5,16−7……基準設定回路
16−2,16−4,16−6,16−8……加算器
16a,16b,16c,16d……分割回路
17a,17b,19a,19b,19c,19d……単相インバータ
18a,18b……再分配回路
20a,20b,20c……振分回路
21a……分配回路
23a,23b,23c……電流追従制御回路
24a,24b,24c……検出回路
25……制御回路

Claims (3)

  1. 搬送波と基準電圧とを比較して得られるスイッチング信号により複数の単相インバータにより構成された多相インバータをスイッチング制御して可変周波数、可変電圧の交流電力を負荷に供給する電圧形インバータ装置において、
    多相インバータの多重化数に応じた数でかつ同一タイミングで同一方向に変化する搬送波を生成する搬送波処理手段と、この搬送波処理手段より得られる各搬送波を多相インバータの各相の電圧基準と比較し、各相に対応する単相インバータのスイッチング信号により制御する制御手段と、この制御手段より得られる単相インバータのスイッチング信号を各相の単相インバータに振分けて順次出力する振分手段とを備えたことを特徴とする電圧形インバータ装置。
  2. 搬送波と基準電圧とを比較して得られるスイッチング信号により複数の単相インバータを組合せて1相とする多相インバータをスイッチング制御して可変周波数、可変電圧の交流電力を負荷に供給する電圧形インバータ装置において、
    多相インバータの多重化数に応じた数でかつ同一タイミングで同一方向に変化する搬送波を生成する搬送波処理手段と、この搬送波処理手段より得られる各搬送波を多相インバータの各相の電圧基準と比較し、各相に対応するスイッチング信号を得る制御手段と、この制御手段より出力される各相に対応するスイッチング信号を各相の単相インバータに対応するスイッチング信号に分配する分配手段と、この分配手段により各相に分配されたスイッチング信号を特定のスイッチング素子に集中しないように再分配する再分配手段とを備えたことを特徴とする電圧形インバータ装置。
  3. 搬送波と基準電圧とを比較して得られるスイッチング信号により多相インバータをスイッチング制御して可変周波数、可変電圧の交流電力を負荷に供給する電圧形インバータ装置において、
    各相に対応する電流基準と前記多相インバータの各相の出力電流との偏差値とが入力され、この偏差値をもとにヒステリシスコンパレータを用いてスイッチング信号を得る電流追従制御手段と、この電流追従制御手段により生成されたスイッチング信号のスイッチング方向を検出する検出手段と、この検出手段の出力信号を基に所定時間逆方向のスイッチング信号の出力を禁止することで前記多相インバータの各相の出力電圧が相間で逆方向に重ならないスイッチング信号により制御する制御手段を備えたことを特徴とする電圧形インバータ装置。
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