JP4862416B2 - 伸縮ブーム - Google Patents

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Description

本発明は、ホイールクレーン等の上部旋回体に起伏可能に装着される伸縮ブームの改善に係り、より詳しくは横断断面形状が異形断面、つまり腹面側が多角形状に折り曲げ形成されてなる伸縮ブームに関するものである。
ホイールクレーン等の上部旋回体に起伏可能に装着される伸縮ブームの隙間は、軽量化やコンパクト化のために、できるだけ小さく構成しなければならない。一方、伸縮ブームを伸縮させるために、外側ブームの内面側に摺動部材(スライドパッド)を設ける必要があり、また前記摺動部材(スライドパッド)を外側ブームの内面側に固定する手段(例えば、ストッパ)が必要である。ところが、このようなストッパを外側ブームの内面に設けると、ブーム組立て挿入時に内側ブームの外面に設けられたパッドキャリヤ(ブーム基端側のパッド位置決め部材)と干渉する。この場合、ブーム間の隙間を大きくするか、スライドパッドを薄くすることにより、干渉しないように対応していた。
しかしながら、前者の場合には伸縮ブームの軽量化やコンパクト化を犠牲にせざるを得ないし、また後者の場合には面圧の増大によるスライドパッドの異常摩耗や異常振動が発生するというような問題が発生していた。このような問題を解決するようにした伸縮ブームとしては、例えば下記のようなものがある。以下、ホイールクレーン等の典型的な従来例に係る伸縮ブームを、添付図面を参照しながら説明する。
先ず、従来例1に係る伸縮ブームを、その摺動部材装置(先端下部スライドパッドに相当する。)の平面断面図の図11を参照しながら説明する。この従来例1に係る伸縮ブームは、伸縮ブームの摺動部材装置に関するものであって、伸縮ブームの最大伸長時のブーム長に対して最小短縮時のブーム長を短くして重量軽減をし、走行時の安全性を向上させると共に、ブームの変形や亀裂発生の恐れがない伸縮ブームの摺動部材装置の提供を目的としたものである。より詳しくは、アウタブーム(以下、外側ブームという。)52の先端部内側に端部側が開口したUの字形状のパッド収納部材を溶着し、パッド62とシム63を収納する。インナブーム(以下、内側ブームという)53とパッド62との隙間mはシム63で調整する。外側ブーム52の先端部にはパッド62およびシム63の抜け出しを防止するカバー66をボルト67で締着する。これにより外側ブーム52と内側ブーム53の先端部の長手方向の段差Xが小さくなり、最大伸長時のブーム長に比して最小短縮時のブーム長を短くすることができる(例えば、特許文献1参照。)。
また、従来例2に係る伸縮ブームは、軽量化やコンパクト化のために横断断面形状を多角形にして剛性を向上させるようにしたものである。以下、この従来例2に係る伸縮ブームを、添付図面を順次参照しながら説明する。図12は従来例2に係る伸縮ブームのベースブーム(以下、外側ブームという)とセカンドブーム(以下、内側ブームという)のみの半分示横断断面図、図13は従来例2に係る伸縮ブームのパッド(先端下部スライドパッド)の平面図、図14は図13のC−C線断面図である即ち、伸縮ブーム70の外側ブーム71および内側ブーム72の背面側は、いずれも矩形状(図示省略)で、かつ腹面側が逆台形状の六角形状に形成されている。前記外側ブーム71の腹面側の図12における左右の垂直板部内側(片側のみ図示)、斜面板部と最下位置の水平板部とからなる外側ブーム下方板78の上側面に、図13,14に示めされてなる構成のスライドプレート装置77が設けられている。
前記スライドプレート装置77は、その全体がブーム軸に沿って平面視長方形状をしている。符号80はブーム軸に沿ってその長辺を有する平面視長方形状をしているスライドプレートである。スライドプレート長手方向一端80a側下面に当該長手方向端面80bからその一部を突出して装着可能な係止爪82と、外側ブーム下方板上面78aに固設され、前記スライドプレート長手方向端面80bとの係合面を有すると共に、係止爪82との係止部92を有し、前記スライドプレート長手方向一端80aの外側ブーム下方板78からの離間を規制する規制部材90と、前記スライドプレート長手方向端面80bを外側ブーム下方板78に固定する固定手段100と、を備え、前記スライドプレート80と係止爪82との重合面に挿入可能な係止爪部シム110と、前記スライドプレート80と外側ブーム下方板78との重合面に挿入可能で係止爪部分を除いた平面形状を持つスライドプレート部シム112と、により隙間調整を行う(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−208186号公報 特開2004―51353号公報
上記従来例1,2に係る伸縮ブームは、それなりに有用であると考えられる。しかしながら、何れも組立て時の干渉という問題は依然解決されていない。また、大型の伸縮ブームでは、伸長時の各ブームの重合部の下面側に大きな力が作用するため、下面側を多角形形状とすることにより、座屈強度向上させる構成(従来例2)を提案しているが、折り曲げ部を支持することができず、伸縮ブームの強度に関する問題が残されている。
従って、本発明の目的は、軽量化、コンパクト化のために板厚が薄い鋼板を使用するにもかかわらず、強度的に優れると共に、ブーム組立て挿入が容易な伸縮ブームを提供することである。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであって、従って、上記課題を解決するために、第1の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、横断断面形状が異形断面に形成された複数のブームがテレスコープ状に嵌合され、相隣り合うブームのうち、外側ブームそれぞれの先端部付近の背面側に、外側ブームに嵌挿されるそれぞれの内側ブームが摺動する先端上部スライドパッドが設けられると共に、内側ブームそれぞれの基端側に、この内側ブームが嵌挿される外側ブームの内周面が摺動する基端部スライドパッドが設けられてなる伸縮ブームにおいて、前記相隣り合うブームのうち、外側ブームそれぞれの先端部付近の腹面側の内側に個別に嵌挿され、幅方向の端部同士が互いに接触して前記外側ブームに嵌挿されるそれぞれの内側ブームの腹面側の外面に沿う形状を実現する平面形状が矩形状の複数の先端下部スライドパッドが設けられてなることを特徴とする。
第2の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、横断断面形状が異形断面に形成された複数のブームがテレスコープ状に嵌合され、相隣り合うブームのうち、外側ブームそれぞれの先端部付近の背面側に、外側ブームに嵌挿されるそれぞれの内側ブームが摺動する先端上部スライドパッドが設けられると共に、内側ブームそれぞれの基端側に、この内側ブームが嵌挿される外側ブームの内周面が摺動する基端部スライドパッドが設けられてなる伸縮ブームにおいて、前記相隣り合うブームのうち、外側ブームそれぞれの先端部付近であって、かつブームの長手方向に沿って外側ブームそれぞれの幅方向の両内側側面に設けられる第1パッド位置決め部材および前記両内側側面と内側腹面の間の内周方向に所定の間隔を隔てて設けられる第2パッド位置決め部材と、ブームの先端側から個別に嵌挿されて前記第1パッド位置決め部材と第2パッド位置決め部材とにより全体形状が保持され、幅方向の端部同士が互いに接触して前記外側ブームに嵌挿されるそれぞれの内側ブームの腹面側の外面に沿う形状を実現する平面形状が矩形状の複数の先端下部スライドパッドと、外側ブームそれぞれの先端部に着脱自在に固着され、前記複数の先端下部スライドパッドのブームの先端側の端面を押圧するパッド抜止め金具とが設けられてなることを特徴とする。
第3の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第2の発明の伸縮ブームにおいて、前記第1パッド位置決め部材と第2パッド位置決め部材との外側ブームの内側面における配設位置は、内側ブームを嵌挿するに際して、この内側ブームそれぞれの基端側に設けられる前記基端部スライドパッドおよび位置決め部材が干渉しないように配慮して設定されてなることを特徴とする。
第4の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第2または第3の発明の伸縮ブームおいて、前記複数の先端下部スライドパッドの奥側に、前記第2パッド位置決め部材のブームの先端側の端面に接する第3パッド位置決め部材が着脱自在に組込まれてなることを特徴とする。
第5の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第2または第3の発明の伸縮ブームにおいて、前記複数の先端下部スライドパッドの奥側に、前記第1パッド位置決め部材と前記第2パッド位置決め部材とにより保持された給脂装置が組込まれてなることを特徴とする。
第6の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第5の発明の伸縮ブームおいて、前記給脂装置の奥側に、第4パッド位置決め部材が、前記給脂装置の手前側に、第3パッド位置決め部材が着脱自在に組込まれてなることを特徴とする。
第7の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第2または第3の発明の伸縮ブームにおいて、前記先端下部スライドパッドは、前記相隣り合うブームのうち、外側ブームそれぞれの腹面側に配設され、奥側の端面が前記第2パッド位置決め部材のブームの先端側の端面に接し、かつ幅方向の両端部に相反する方向に突出する係止突起が設けられた第1スライドパッドと、奥側の幅方向の両端部に前記第1スライドパッドの係止突起に係合して配設位置を規制する係合切欠き部が設けられた第2スライドパッドとからなることを特徴とする。
第8の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第1乃至第7の発明のうちの何れか一つの発明の伸縮ブームにおいて、前記先端下部スライドパッドの横断断面形状は、相隣り合う先端下部スライドパッドの幅方向の端面同士が面接触するように、内側ブーム側の幅寸法が外側ブーム側の幅寸法よりも小寸の台形状に形成されてなることを特徴とする。
第9の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第1乃至第8の発明のうちの何れか一つの発明の伸縮ブームにおいて、前記先端下部スライドパッドは、幅方向の左右が同厚に形成された同厚型スライドパッドと、幅方向の左側が右側よりも厚く形成された左厚型スライドパッドと、幅方向の右側が左側よりも厚く形成された右厚型スライドパッドとからなり、前記ブームの腹面側の内側ブームの外面と外側ブームの内面との間の隙間に応じて、前記各型のスライドパッドが適宜選択されて配設されてなることを特徴とする。
第10の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第1乃至第9の発明のうちの何れか一つの発明の伸縮ブームにおいて、前記先端下部スライドパッドは、パッド厚さ調整手段により個別に厚さ調整し得るように構成されてなることを特徴とする。
第11の発明に係る伸縮ブームが採用した手段は、第10の発明の伸縮ブームにおいて、前記パッド厚さ調整手段は、先端下部スライドパッドの外側ブーム側の面に重ねられ、折り曲げにより先端下部スライドパッドの幅方向の両側に設けられた係合凹所に係合し、幅方向突出して設けられた折り曲げ自在な舌状突出片を有する第1シムと、この第1シムと前記先端下部スライドパッドの外側ブーム側の面との間に介装される第2シムとから構成されてなることを特徴とする。
第1乃至第11の発明に係る伸縮ブームでは、その相隣り合うブームのうち、外側ブームそれぞれの先端部付近の腹面側の内側に個別に嵌挿され、幅方向の端部同士が互いに接触して前記外側ブームに嵌挿されるそれぞれの内側ブームの腹面側の外面に沿う形状を実現する平面形状が矩形状の複数の先端下部スライドパッドで前記内側ブームの腹面側の外面が摺動可能に支えられている。そのため、前記複数の先端下部スライドパッドにより、前記内側ブームの構造上丈夫な腹面側の角部が支えられ、軽量化、コンパクト化のために板厚が薄い鋼板を使用しても、強度的に優れているから、腹面側の平板部の湾曲変形が抑制される。
従って、第1乃至第11の発明に係る伸縮ブームによれば、上記のとおり、内側ブームの腹面側の外面形状が保持され、内側ブームの平板部の湾曲変形が抑制されるため、下記のとおりの効果を得ることができる。
(1)先端下部スライドパッドが偏摩耗したり、伸縮時に伸縮ブームが異常振動したりするようなことがない。
(2)伸縮ブーム全体の撓み量を小さくすることができる。
(3)先端下部スライドパッドの種類を少なくすることができる。また、先端下部スライドパッドの素材も板材から切り出すことができ、歩留まりもよいから、低コストで先端下部スライドパッドを製造することができる。
(4)先端下部スライドパッドがたとえ偏摩耗したとしても、偏摩耗した先端下部スライドパッドのみを交換すればよいから、伸縮ブームのメンテナンスコスも安価である。
第2の発明に係る伸縮ブームによれば、平面形状が矩形状の複数の先端下部スライドパッドの内側ブームの腹面側の外面に沿う形状が第1パッド位置決め部材と第2パッド位置決め部材とによって保持されると共に、パッド抜止め金具によって先端下部スライドパッドの外側ブームの先端からの抜出しが防止される。
第3の発明に係る伸縮ブームでは、第1パッド位置決め部材と第2パッド位置決め部材との外側ブームの内側面における配設位置は、内側ブームを嵌挿するに際して、この内側ブームそれぞれの基端側に設けられる前記基端部スライドパッドおよび位置決め部材が干渉しないように配慮して設定されている。従って、第3の発明に係る伸縮ブームによれば、内側ブームを外側ブームに容易に嵌挿することができるから、伸縮ブームの組立が容易である。
第4の発明に係る伸縮ブームでは、複数の先端下部スライドパッドの奥側に、第2パッド位置決め部材のブームの先端側の端面に接する第3パッド位置決め部材が着脱自在に組込まれている。従って、第4の発明に係る伸縮ブームによれば、第3パッド位置決め部材により先端下部スライドパッドの端面全体が受けられるから、先端下部スライドパッドは強度的に有利になるのに加えて、第2パッド位置決め部材を小さくすることができるから、伸縮ブームの組立性の向上に寄与することができる。
第5または第6の発明に係る伸縮ブームでは、複数の先端下部スライドパッドの奥側に、第1パッド位置決め部材と前記第2パッド位置決め部材により保持されると共に、前記複数の先端下部スライドパッドに押圧される第3パッド位置決め部材を介して給脂装置が組込まれている。従って、第5または第6の発明に係る伸縮ブームによれば、伸縮ブームの伸縮性が改善され、先端下部スライドパッドの摩耗の低減や異常振動の低減に寄与することができる。さらに、第6の発明に係る伸縮ブームによれば、第4パッド位置決め部材により給脂装置の端面全体が受けられるから、給脂装置は強度的に有利になるのに加えて、第2パッド位置決め部材を小さくすることができるから、伸縮ブームの組立性の向上に寄与することができる。
第7の発明に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドは、相隣り合うブームのうち、外側ブームそれぞれの腹面側に配設され、奥側の端面が前記第2パッド位置決め部材のブームの先端側の端面に接し、かつ幅方向の両端部に相反する方向に突出する係止突起が設けられた第1スライドパッドと、奥側の幅方向の両端部に前記第1スライドパッドの係止突起に係合して配設位置を規制する係合切欠き部が設けられた第2スライドパッドとからなっている。従って、第7の発明に係る伸縮ブームによれば、第2スライドパッドの端面が第2パッド位置決め部材に当接せずにフリー状態になっていても、第1スライドパッドの係止突起に係合する係合切欠き部を介して間接的に第2パッド位置決め部材により支持されるため、第3パッド位置決め部材を設ける必要がない。
第8の発明に係る伸縮ブームでは、先端下部スライドパッドの横断断面形状は、相隣り合う先端下部スライドパッドの幅方向の端面同士が面接触するように、内側ブーム側の幅寸法が外側ブーム側の幅寸法よりも小寸の台形状に形成されている。従って、第8の発明に係る伸縮ブームによれば、先端下部スライドパッドの幅方向の端面が面接触するため、先端下部スライドパッドの幅方向の位置決めが安定し、幅方向にずれたりするようなことがない。
第9の発明に係る伸縮ブームでは、先端下部スライドパッドは、幅方向の左右が同厚に形成された同厚型スライドパッドと、幅方向の左側が右側よりも厚く形成された左厚型スライドパッドと、幅方向の右側が左側よりも厚く形成された右厚型スライドパッドとからなり、前記ブームの腹面側の内側ブームの外面と外側ブームの内面との間の隙間に応じて、前記各型のスライドパッドが適宜選択されて配設されている。従って、第9の発明に係る伸縮ブームによれば、内側ブームと外側ブームとの横断断面形状が非相似形で、内側ブームと外側ブームとの間の平板部分の幅方向に寸法差があったとしても、同厚型スライドパッドと、左厚型スライドパッドと、右厚型スライドパッドとを前記寸法差に合わせて適宜選択して組込むことにより、前記寸法差を吸収することができる。
第10の発明に係る伸縮ブームでは、先端下部スライドパッドは、パッド厚さ調整手段により、個別に厚さが調整される。また、第11の発明に係る伸縮ブームでは、先端下部スライドパッドの外側ブーム側の面に重ねられ、折り曲げにより先端下部スライドパッドの幅方向の両側に設けられた係合凹所に係合し、幅方向突出して設けられた折り曲げ自在な舌状突出片を有する第1シムと、この第1シムと前記先端下部スライドパッドの外側ブーム側の面との間に介装される第2シムにより、個別に厚さが調整される。
従って、第10または第11の発明に係る伸縮ブームによれば、先端下部スライドパッドの摩耗が均等でなく、摩耗が速い部分と摩耗が遅い部分が存在し、許容摩耗量を超えた先端下部スライドパッドの厚さをパッド厚さ調整手段またはシムにより調整すればよいため、伸縮ブームのメンテナンスコストを低減することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る伸縮ブームを説明する。先ず、本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームを、添付図面を順次参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの側面図であり、図2は図1のA矢視図で、右半部は基本ブームと第1段ブームとを示し、左半部は第1段ブームと第2段ブームとを示す図であり、図3は本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図である。また、図4は本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの第2パッド位置決め部材と内側ブーム基端側の基端下部スライドパッドとの配設位置関係説明図であり、図5は本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドを含むパッド厚さ調整手段の分解斜視図である。
ところで、図2は、上記のとおり、右半部は基本ブームと第1段ブームとを示し、左半部は第1段ブームと第2段ブームとを示す図であるが、右半部の基本ブームが外側ブーム2となり、第1段ブームが内側ブーム3となるものである。また、左半部の第1段ブームが外側ブーム2となり、第2段ブームが内側ブーム3となるものであり、外側ブームの先端部内側に配設され、この外側ブームに嵌挿される内側ブームを支える先端側の先端下部スライドパッドは全て同構成である。従って、本発明の実施の形態においては、基本ブームの先端部内側に配設され、この基本ブームに嵌挿される内側ブームである第1段ブームを支える先端下部スライドパッドを例として説明する。
図1に示す符号1は、図示しないタイヤ走行式の下部走行体の上に垂直軸心回りに旋回可能に搭載されてなる上部旋回体の前部に起伏可能に装着され、俯仰シリンダにより起伏される多段式の伸縮ブームである。この伸縮ブーム1は、複数のブームがテレスコープ状に嵌合されて構成されている。これら複数のブームそれぞれの横断断面形状は、図2に示すように異形断面になっている。
詳しくは、図2における上側の背面側では水平な上板と垂直な両側板とからなり、幅方向の両角部にRが設けられた角形状になるように形成されている。また、図2における下側の腹面側は、半円に近似した多角形状(本形態1では、10回折り曲げられ、図2における最下位置の平板部は水平になるように設定されている。)になるように折り曲げ形成(以下、これを多角形腹面という。)されている。テレスコープ状に嵌合された相隣り合うブームのうち、外側ブーム2の先端部付近の背面側には、外側ブーム2に嵌挿される内側ブーム3の幅方向の両側に設けられたR面が摺動する、後述する構成になる先端上部スライドパッド4が設けられている。
また、前記内側ブーム3の基端側には、この内側ブーム3が嵌挿される外側ブーム2の内周面が摺動する、図示しない基端上部スライドパッドが設けられると共に、基端下部スライドパッド5(図4参照)とが設けられている。この基端下部スライドパッド5は、図4に示すように、内側ブーム3の基端側の半円に近似した多角形状に形成された多角形腹面の平板部のそれぞれに取付けられている。
前記先端上部スライドパッド4の摺動面は、内側ブーム3の背面側の幅方向の角部のR面に沿って接触するように湾曲形成されている。この先端上部スライドパッド4は、外側ブーム2の背面側の幅方向の角部のR面に設けられたパッド組込穴から挿入されて組込まれている。そして、この先端上部スライドパッド4の湾曲した摺動面は、外側ブーム2の背面の上板に設けられたタップドブロック6にボルト付けされたL字型ブラケット7に螺刻された雌ネジに螺着されてなる押圧ボルト8の先端により、図2における下方と水平方向に押付けられて、内側ブーム3の背面側の幅方向の角部のR面に押圧されるように構成されている。
前記相隣り合うブームのうち、外側ブーム2の先端部付近の半円に近似した多角形状に形成された多角形腹面の平板部の内面側に個別に嵌挿され、幅方向の端部同士が互いに接触して、外側ブーム2に嵌挿される内側ブーム3の多角形腹面の外面に沿う形状を実現する複数の先端下部スライドパッド10が設けられている。これら複数の先端下部スライドパッド10の平面形状は何れも矩形状で、かつ断面形状は長方形に設定されている。そして、これら複数の先端下部スライドパッド10の内側ブーム3の多角形腹面の外面に沿う形状は、後述するパッド位置決め部材等によって保持されるように構成されている。
前記パッド位置決め部材は、後述する構成になる第1パッド位置決め部材11と、第2パッド位置決め部材12と、第3パッド位置決め部材13との3種類のパッド位置決め部材からなっている。
前記第1パッド位置決め部材11は断面形状が四角形の角棒部材からなっており、相隣り合うブームのうち、外側ブーム2の先端部付近で、かつ外側ブーム2の腹面側の多角形平板部に連なる背面側の垂直な両側板の下端付近に、ブームの長手方向に沿って設けられている。また、前記第2パッド位置決め部材12は断面形状が四角形の角ブロックからなり、外側ブーム2の先端部付近であって、かつ前記多角形腹面の内側の内周方向に所定の間隔を隔てて複数個設けられている。また、第3パッド位置決め部材13は、奥側の端面が前記第2パッド位置決め部材12に当接すると共に、手前側の端面に前記先端下部スライドパッド10の奥側の端面が当接するように構成されており、その形状は、半円に近似した多角形状、つまり外側ブーム2の多角形腹面に沿う形状に構成されている。なお、この第三パッド位置決め部材13は、着脱自在であって、前記先端下部スライドパッド10の挿入前にブームの先端側から組込まれるものである。
前記第2パッド位置決め部材12の取付け位置と間隔は、図4に示すように、前記基端下部スライドパッド5の取付け位置と幅寸法とを考慮して決定されている。つまり、基端側に基端下部スライドパッド5が取付けられてなる内側ブーム3を外側ブーム2に嵌挿するに際して、前記基端下部スライドパッド5およびこの基端下部スライドパッド5の位置を決める位置決め部材が前記第2パッド位置決め部材12に干渉することがないように設定されている。従って、この構成によれば、内側ブーム3を外側ブーム2に容易に嵌挿することができるから、伸縮ブーム1の組立が容易である。
前記第3パッド位置決め部材13の挿入後にブームの先端側から、前記第3パッド位置決め部材13のブーム先端側の端面に、先端(奥側)側の端面が当接するまで押込まれた先端下部スライドパッド10は、外側ブーム2の端面に設けられた雌ねじに螺着されるボルトにより固着されてなる一対の1/4割円状の平板からなるパッド抜止め金具16,16によって抜出しが防止されるように構成されている。つまり、複数の先端下部スライドパッド10の内側ブーム3の腹面側の多角形平板部の外面に沿う形状は、外側ブーム2の内側面と内側ブーム3の外側面の間と、一対の第1パッド位置決め部材11の間と、第3パッド位置決め部材13とパッド抜止め金具16の間で保持されるようになっている。
以下、本発明の実施の形態1に係る伸縮ブーム1の作用態様を説明する。即ち、本発明の実施の形態1に係る伸縮ブーム1の場合には、この伸縮ブーム1の相隣り合うブームのうち、外側ブーム2それぞれの先端部付近の多角形腹面の内側に個別に嵌挿され、幅方向の端部同士が互いに接触して前記外側ブーム2に嵌挿されるそれぞれの内側ブーム3の多角形腹面に沿う形状を実現する平面形状が矩形状の複数の先端下部スライドパッド10で前記内側ブーム3の多角形腹面が摺動可能に支えられている。そのため、前記複数の先端下部スライドパッド10により、前記内側ブーム3の構造上丈夫な多角形腹面の平板部と平板部との間の角部が支えられ、多角形腹面の平板部の湾曲変形が抑制される。
従って、本発明の実施の形態1に係る伸縮ブーム1によれば、内側ブーム3の多角形腹面の外面形状が保持され、内側ブーム3の平板部の湾曲変形が抑制されるため、下記のとおりの効果を得ることができる。
(1)先端下部スライドパッド10が偏摩耗したり、伸縮時に伸縮ブーム1が異常振動したりするようなことがない。
(2)伸縮ブーム1全体の撓み量を小さくすることができる。
(3)先端下部スライドパッド10の種類を少なくすることができる。また、素材も板材から切り出すことができ、歩留まりもよいから、低コストで先端下部スライドパッド10を製造することができる。
(4)先端下部スライドパッド10がたとえ偏摩耗したとしても、偏摩耗した先端下部スライドパッド10のみを交換すればよいから、伸縮ブーム1のメンテナンスコスも安価である。
また、本発明の実施の形態1に係る伸縮ブーム1では、上記のとおり、複数の先端下部スライドパッド10の奥側に、第2パッド位置決め部材12のブームの先端側の端面に圧接される第3パッド位置決め部材13が着脱自在に組込まれている。従って、本発明の実施の形態1に係る伸縮ブーム1によれば、第3パッド位置決め部材13により先端下部スライドパッド10の端面全体が受けられるから、先端下部スライドパッド10は強度的に有利になるのに加えて、第2パッド位置決め部材12を小さくすることができるから、伸縮ブーム1の組立性の向上に寄与することができるという効果を得ることができる。
ところで、以上の実施の形態1における先端下部スライドパッド10の断面形状は、上記のとおり、断面形状が長方形に設定されているが、例えば外側ブーム2側の幅寸法よりも内側ブーム3側の幅寸法が小寸の台形状にすることができる。先端下部スライドパッド10の断面形状を台形状にすることにより、先端下部スライドパッド10の幅方向の端面が面接触する。従って、先端下部スライドパッド10の幅方向の位置決めが安定し、幅方向にずれたりするようなことがないから、複数の先端下部スライドパッド10の内側ブーム3の多角形腹面の平板部の外面に沿う形状を安定的に保持する上において大いに寄与することができる。
また、以上の実施の形態1における先端下部スライドパッド10の左右(幅方向)の厚さは、同厚に形成されたもののみであるが、左右方向の厚さが同じ同厚型スライドパッド以外に、幅方向の左側が右側よりも厚く形成された左厚型スライドパッドと、幅方向の右側が左側よりも厚く形成された右厚型スライドパッドを用いることができる。この場合、腹面側の内側ブーム3の外面と外側ブーム2の内面との間の隙間に応じて、前記各型のスライドパッドが適宜選択されて配設されることとなる。
これにより、例えば内側ブーム3と外側ブーム2との横断断面形状が非相似形で、内側ブーム3と外側ブーム2との間の平板部の幅方向に寸法差があったとしても、同厚型スライドパッドと、左厚型スライドパッドと、右厚型スライドパッドとを前記寸法差に合わせて適宜選択して組込むことにより、前記寸法差を吸収することができる。つまり、複数の先端下部スライドパッドにより内側ブーム3の腹面の全体を隙間なく支えることができるから、伸縮ブーム1の伸縮時の異常振動や、伸縮ブーム1全体の撓みが大きくなるのを防止することができる。
また、先端下部スライドパッド10を、パッド厚さ調整手段により個別に厚さ調整し得るように構成することができる。以下、パッド厚さ調整手段の構成を、先端下部スライドパッドを含むパッド厚さ調整手段の分解斜視図の図5を参照しながら説明する。即ち、先端下部スライドパッド10の内側ブーム3側の面であって、幅方向の両側の前後に、後述する舌状突出片の先端部が契合する係合凹所10aが設けられている。そして、折り曲げにより前記係合凹所10aに契合する舌状突出片17aが幅方向の両側の前後に設けられた第1シム17と、必要に応じて前記先端下部スライドパッド10と第1シム17との間に介装されて、前記第1シム17と共に先端下部スライドパッド10の外側ブーム2側の面に重ねられる第2シム18とから構成されている。
従って、上記パッド厚さ調整手段によれば、先端下部スライドパッドの摩耗が均等でなく、摩耗が速い部分と摩耗が遅い部分とが存在して、先端下部スライドパッドの厚さが許容摩耗量を超えても、許容摩耗量を超えた先端下部スライドパッドのみの厚さを、第1シム17または第1シム17と第2シム18とによって調整すればよく、新品の先端下部スライドパッドを用いる必要がないため、伸縮ブーム1のメンテナンスコストを低減することができるというメンテナンスコスト低減効果を得ることができる。
本発明の実施の形態2に係る伸縮ブームを、添付図面を参照しながら説明する。図6は本発明の実施の形態2に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図、図7は図6のB−B線断面図である。なお、本発明の実施の形態2に係る伸縮ブームが上記実施の形態1に係る伸縮ブームと相違するところは、先端下部スライドパッドの構成と、第3パッド位置決め部材13が設けられていないところにあり、それ以外は同構成であるから同一のものに同一符号を付し、主としてその相違する点について説明する。
即ち、相隣り合うブームのうち、外側ブーム2の先端部付近の半円に近似する多角形状に形成された多角形腹面の平板部の内面側に個別に嵌挿され、幅方向の端部同士が互いに接触して、外側ブーム2に嵌挿される内側ブーム3の多角形腹面の外面に沿う形状を実現する複数の先端下部スライドパッド20は、後述する第1スライドパッド21と、第2スライドパッド22との2種類の先端下部スライドパッドからなっている。
第1スライドパッド21には、奥側の幅方向の両端部に相反する方向に突出する係止突起21aが設けられている。また、第2スライドパッド22には、奥側の幅方向の両端部に、前記第1スライドパッド21の係止突起21aに係合して配設位置を規制する係合切欠き部22aが設けられている。つまり、これら第1スライドパッド21と、第2スライドパッド22は交互にブームの先端側から嵌挿されるが、第1スライドパッド21が嵌挿された後に第2スライドパッド22が嵌挿され、第2スライドパッド22の係合切欠き部22aが第1スライドパッド21の係止突起21aに係合するように構成されている。
前記第1スライドパッド21と第2スライドパッド22とを、内側ブーム3の多角形腹面の外面形状に沿わせる形状に保持するパッド位置決め部材は、第1パッド位置決め部材11と第2パッド位置決め部材12とからなっている。この第2パッド位置決め部材12のブームの先端側の端面には、幅方向の端部が第1パッド位置決め部材11に接触する第2スライドパッド22と、この第2スライドパッド22の幅方向の端部に幅方向の端部が接触する第1スライドパッド21の奥側の端面が当接し、以下、一つずつの第2スライドパッド22おきに嵌挿される第1スライドパッド21の奥側の端面が当接するように構成されている。
本発明の実施の形態2に係る伸縮ブーム1によれば、第2スライドパッド22の端面が第2パッド位置決め部材12の端面に当接せずにフリー状態になっていても、第1スライドパッド21の係止突起21aに係合する係合切欠き部22aを介して間接的に第2パッド位置決め部材12により支持される。従って、上記実施の形態1に係る伸縮ブームのように第3パッド位置決め部材を設けるまでもなく、上記実施の形態1に係る伸縮ブームと同等の効果が得られる。つまり、本発明の実施の形態2に係る伸縮ブーム1によれば、第1スライドパッド21と第2スライドパッド22とにより内側ブーム3の多角形腹面の外面形状が保持され、内側ブーム3の平板部の湾曲変形が抑制されるため、上記実施の形態1に係る伸縮ブーム1と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施の形態2に係る伸縮ブーム1の第1スライドパッド21と第2スライドパッド22の断面形状は長方形に設定されているが、上記実施の形態1の場合と同様、外側ブーム2側の幅寸法よりも内側ブーム3側の幅寸法が小寸の台形状にすることができる。
また、左右方向の厚さが同じ同厚型スライドパッド以外に、幅方向の左側が右側よりも厚く形成された左厚型スライドパッドと、幅方向の右側が左側よりも厚く形成された右厚型スライドパッドを用いることができる。さらに、第1スライドパッド21と第2スライドパッド22のそれぞれを、パッド厚さ調整手段により個別に厚さ調整し得るように構成することができる。
本発明の実施の形態3に係る伸縮ブームを、添付図面を参照しながら説明する。図8は本発明の実施の形態3に係る伸縮ブームの先端部の側面図、図9は本発明の実施の形態3に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図である。なお、本実施の形態3に係る伸縮ブームが上記実施の形態1に係る伸縮ブームと相違するところは、上記実施の形態1に係る先端下部スライドパッドの奥側に給脂装置と第4パッド位置決め部材とが組込まれてなるところあり、それ以外は同構成であるから同一のものに同一符号を付し、主としてその相違する点について説明する。
本発明の実施の形態3では、図8に示すように、伸縮ブーム1の外側ブーム2である基端ブームの先端部付近であって、かつ多角形腹面の間の内周方向に所定の間隔を隔てて、後述する給脂装置に螺着されてなるグリースニップルにグリースを給脂するためにグリースガンを差し込むためのグリースガン用穴1aが複数設けられている。図示省略しているが、この外側ブーム2である基端ブームに嵌挿される内側ブーム3である第1段ブーム、この内側ブーム3である第1段ブームの嵌挿される第2段ブーム以下のブームの全てにグリースガン用穴が複数設けられている。
即ち、先端下部スライドパッド10の奥側には、図9に示すように、第3パッド位置決め部材13を介して、中方部の長穴状のニップル配設凹所9a内に配設されてなるグリースニップル15からグリースが給脂される矩形状の複数の給脂装置9が組込まれている。
そして、この給脂装置9の奥側の端面に接触する第4パッド位置決め部材14の奥側の端面が前記第2パッド位置決め部材12のブーム先端側の端面に当接している。前記給脂装置9はスポンジ状のゴムから構成されており、ブームの先端側から組込むことができるように構成されている。なお、前記グリースニップル15はブームの内面に接着材(商品名:ロックタイト)により固着されている。
前記第4パッド位置決め部材14は、前記第3パッド位置決め部材13と同形状、かつ同寸法に構成されている。そして、これら第4パッド位置決め部材14と第3パッド位置決め部材13とは、これらの間に所定の間隔で介装されてなる給脂装置9を介して一体的に形成されている。このように、第4パッド位置決め部材14と第3パッド位置決め部材13と給脂装置9とを一体的に形成したのは、これらの組立ての容易化を狙いとしたものである。
本発明の実施の形態3に係る伸縮ブーム1の場合は、上記のとおり、複数の先端下部スライドパッド10の奥側に、第1パッド位置決め部材11と第2パッド位置決め部材12とにより全体形状が保持されると共に、前記複数の先端下部スライドパッド10に押圧される第3パッド位置決め部材13を介して矩形状の複数の給脂装置9が組込まれている。
従って、本発明の実施の形態3に係る伸縮ブーム1によれば、先端下部スライドパッド10により内側ブーム3の多角形腹面の外面形状が保持され、内側ブーム3の平板部の湾曲変形が抑制されるため、上記実施の形態1に係る伸縮ブーム1と同様の効果を得ることができる。
また、本発明の実施の形態3に係る伸縮ブーム1によれば、給脂装置9が組込まれているために、伸縮ブーム1の伸縮性が改善され、さらなる先端下部スライドパッド10の摩耗の低減や異常振動の低減に寄与することができる。さらに、第4パッド位置決め部材14により給脂装置9の端面全体が受けられるから、給脂装置9は強度的に有利になるのに加えて、第2パッド位置決め部材12を小さくすることができるから、伸縮ブーム1の組立性の向上に寄与することができる。
本発明の実施の形態4に係る伸縮ブームを、添付図面を参照しながら説明する。図10は本発明の実施の形態4に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図である。なお、本実施の形態4に係る伸縮ブームが上記実施の形態3に係る伸縮ブームと相違するところは、先端下部スライドパッドの構成にあり、それ以外は同構成であるから同一のものに同一符号を付し、主としてその相違する点について説明する。
本発明の実施の形態4に係る伸縮ブームの場合は、図10と実施の形態3を示す図9との比較においてよく理解されるように、上記実施の形態3における先端下部スライドパッド10を、図5に示す構成の先端下部スライドパッドに置換した構成になるものである。
つまり、先端下部スライドパッド10の内側ブーム3側の面に設けられた係合凹所10aに舌状突出片17aを係合させて第1シム17を取付け、または先端下部スライドパッド10と第1シム17との間に第2シム18を介装して、先端下部スライドパッド10の厚さを個別に厚さ調整し得るように構成したものである。
従って、本発明の実施の形態4に係る伸縮ブームによれば、上記実施の形態3における先端下部スライドパッド10が図5に示す構成の先端下部スライドパッドに置換されただけであるから、上記実施の形態1と同等の効果を得ることができる。また、先端下部スライドパッドの摩耗が均等でなく、摩耗が速い部分と摩耗が遅い部分とが存在して、先端下部スライドパッドの厚さが許容摩耗量を超えても、許容摩耗量を超えた先端下部スライドパッドのみの厚さを、第1シム17または第1シム17と第2シム18とによって調整すればよく、新品の先端下部スライドパッドを用いる必要がないため、伸縮ブーム1のメンテナンスコストを低減することができるというメンテナンスコスト低減効果がある。
なお、以上の実施の形態1乃至4に係る伸縮ブームは何れも具体例に過ぎないから、上記実施の形態1乃至4に係る伸縮ブームの構成に限定されるものではなく、また本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在である。
本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの側面図である。 図1のA矢視図で、右半部は基本ブームと第1段ブームとを示し、左半部は第1段ブームと第2段ブームとを示す図である。 本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの第2パッド位置決め部材と内側ブームの基端側の基端下部スライドパッドとの配設位置関係説明図である。 本発明の実施の形態1に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドを含むパッド厚さ調整手段の分解斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図である。 図6のB−B線断面図である。 本発明の実施の形態3に係る伸縮ブームの先端部の側面図である。 本発明の実施の形態3に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図である。 本発明の実施の形態4に係る伸縮ブームの先端下部スライドパッドの配設状態を示す側面図である。 従来例1に係る伸縮ブームの摺動部材装置(先端下部スライドパッドに相当する)の平面断面図である。 従来例2に係る伸縮ブームのベースブーム(以下、外側ブームという)とセカンドブーム(以下、内側ブームという)のみの半分示横断断面図である。 従来例2に係る伸縮ブームのパッド(先端下部スライドパッドに相当する)の平面図である。 図13のC−C線断面図である。
符号の説明
1…伸縮ブーム,1a…グリースガン用穴
2…外側ブーム
3…内側ブーム
4…先端上部スライドパッド
5…基端下部スライドパッド
6…タップドブロック
7…L字型ブラケット
8…押圧ボルト
9…給脂装置,9a…ニップル配設凹所
10…先端下部スライドパッド,10a…係合凹所
11…第1パッド位置決め部材
12…第2パッド位置決め部材
13…第3パッド位置決め部材
14…第4パッド位置決め部材
15…グリースニップル
16…パッド抜止め金具
17…第1シム,17a…舌状突出片
18…第2シム
20…先端下部スライドパッド
21…第1スライドパッド,21a…係止突起
22…第2スライドパッド,22a…係合切欠き部

Claims (5)

  1. 数のブームがテレスコープ状に嵌合される伸縮ブームであって
    前記ブームの腹面は、横断断面形状が半円に近似する多角形状に形成され、
    相隣り合う前記ブームのうち、外側ブームそれぞれの先端部付近の背面側に設けられ前記外側ブームに嵌挿されるそれぞれの内側ブームが摺動する先端上部スライドパッドと、
    前記内側ブームそれぞれの基端側に設けられ前記外側ブームの内周面が摺動する基端部スライドパッドと、
    記外側ブームそれぞれの先端部付近の内側面に設けられ、かつ前記ブームの長手方向に沿って前記外側ブームそれぞれの幅方向の両内側側面に設けられる第1パッド位置決め部材と、
    前記外側ブームそれぞれの先端部付近の内側面に設けられ、かつ前記両内側側面と内側腹面の間の内周方向に所定の間隔を隔てて設けられる第2パッド位置決め部材と、
    前記ブームの先端側から個別に嵌挿されて前記第1パッド位置決め部材と前記第2パッド位置決め部材とにより全体形状が保持され、パッド幅方向の端部同士が互いに接触して前記内側ブームの腹面側の外面に沿う全体形状を形成し、平面形状がそれぞれ矩形状の複数の先端下部スライドパッドと、
    前記外側ブームそれぞれの先端部に着脱自在に固着され、前記複数の先端下部スライドパッドのブーム先端側の端面を押圧するパッド抜止め金具と、を備え、
    前記先端下部スライドパッドは、
    ブーム奥側の端面が前記第2パッド位置決め部材のブーム先端側の端面に接し、かつパッド幅方向の両端部に相反する方向に突出する係止突起が設けられた第1スライドパッドと、
    ブーム奥側のパッド幅方向の両端部に前記第1スライドパッドの前記係止突起に係合して配設位置を規制する係合切欠き部が設けられた第2スライドパッドと、を備えることを特徴とする伸縮ブーム。
  2. 前記先端下部スライドパッドは、パッド幅方向の両側に設けられた係合凹所を備えるとともに、パッド厚さ調整手段により個別に厚さ調整し得るように構成され、
    前記パッド厚さ調整手段は、
    前記先端下部スライドパッドの前記外側ブーム側の面に重ねられ、折り曲げにより前記係合凹所に係合するようにパッド幅方向突出して設けられた折り曲げ自在な舌状突出片を有する第1シムと、
    前記第1シムと前記先端下部スライドパッドの前記外側ブーム側の面との間に介装される第2シムと、を備えることを特徴とする請求項に記載の伸縮ブーム。
  3. 前記第1パッド位置決め部材と前記第2パッド位置決め部材との配設位置は、前記内側ブームを前記外側ブームに嵌挿するに際して、前記第1パッド位置決め部材及び前記第2パッド位置決め部材と前記基端部スライドパッドが干渉しないように設定されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の伸縮ブーム。
  4. 前記先端下部スライドパッドの横断断面形状は、相隣り合う前記先端下部スライドパッドのパッド幅方向の端面同士が面接触するように、前記内側ブーム側のパッド幅寸法が前記外側ブーム側のパッド幅寸法よりも小寸の台形状に形成されてなることを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか一つの項に記載の伸縮ブーム。
  5. 前記先端下部スライドパッドは、パッド幅方向の左右が同厚に形成された同厚型スライドパッドと、パッド幅方向の左側が右側よりも厚く形成された左厚型スライドパッドと、パッド幅方向の右側が左側よりも厚く形成された右厚型スライドパッドとからなり、前記ブームの腹面側の前記内側ブームの外面と前記外側ブームの内面との間の隙間に応じて、各型の前記先端下部スライドパッドが適宜選択されて配設されてなることを特徴とする請求項1乃至のうちの何れか一つの項に記載の伸縮ブーム。
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