JP4862126B2 - モータ駆動装置及びモータ駆動方法 - Google Patents

モータ駆動装置及びモータ駆動方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータを制御して駆動するモータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の医療用ポンプ、例えば、シリンジポンプは、薬液を送り出すための動力源としてステッピングモータ、ブラシレスモータ等のモータが使われている。このモータは、消費電力の低減のためにパルス幅変調制御(PWM)方式で駆動されるものが多い。
【0003】
従来のモータ駆動装置100は、図10に示すように、コイル101とコイル102とを備え、二相ステッピングモータを駆動するものである。モータ駆動装置100は、マイコンからの信号によってコイル101の励磁の切り替えを行う第一励磁切替回路103と、マイコンからの信号によってコイル102の励磁の切り替えを行う第二励磁切替回路104と、マイコンからの信号に応じてPWM制御を行って駆動用電圧を出力する電圧切替部105と、第一励磁切替回路103及び第二励磁切替回路104と電圧切替部105との間に介在するとともに電圧切替部105から出力される駆動用電圧を平滑してパルス電圧を第一励磁切替回路103及び第二切替回路104に印加する平滑回路106と、を備える。
【0004】
電圧切替部105は、マイコンからの信号に応じてPWM振動信号を出力するDC−DCコンバータ集積回路107(以下、単にIC107という。)と、IC107から出力されるPWM振動信号を増幅する抵抗内蔵トランジスタ108と、抵抗内蔵トランジスタ108で増幅されたPWM振動信号に基づいて直流電源をスイッチングするFET109と、を備える。IC107は、マイコンから制御信号が入力されると、ステッピングモータの一パルスより非常に小さい周期のPWM振動信号を出力するものである。抵抗内蔵トランジスタ108は、IC107から出力されるPWM振動信号を増幅して、FET109のゲート電極に出力するものである。FET109はPチャネル型の電界効果トランジスタである。FET109は、抵抗内蔵トランジスタ108から出力されるPWM振動信号がハイレベルである場合にオフ動作し電源電流をオフにし、PWM振動信号がローレベルである場合にオン動作し電源電流をオンにする。FET109がオン・オフすることによって、PWM振動信号と同期して振動する駆動用電圧が電圧切替部105から平滑回路106に出力される。電圧切替部105によるPWM制御によって、電圧切替部105から出力される駆動用電圧の平均的な値は、電源電圧より低い値となる。
【0005】
平滑回路106はインダクタ110を備えており、インダクタ110によって駆動用電圧を平滑化するものである。平滑回路106は、駆動用電圧を平滑化することで、駆動用電圧が整形されてなるパルス電圧を出力する。第一励磁切替回路103及び第二切替回路104は、平滑回路106を通してパルス電圧が印加される。
【0006】
パルス電圧によってコイル101,102に電流が流れるが、第一励磁切替回路103及び第二励磁切替回路104は、それぞれのコイル101,102に電流の通電向きを切り替えるものである。即ち、第一励磁切替回路103は、平滑回路106に並列接続された一対の線路に、パルス電圧をスイッチングするためのスイッチング素子として線路ごとに二個のFET111,114及びFET113,112を接続し、FET111,114の接続点とFET113,112の接続点どうしをコイル101にて橋絡した構成をなす。また、フライホイール電流の通電路を考慮してどのFET111〜114にもパルス電圧による電流の通電方向とは逆向きにフライホイールダイオード121〜124が並列接続されている。
【0007】
第二励磁切替回路104も第一励磁切替回路103とほぼ同様に、平滑回路106に直列接続された一対の線路に、パルス電圧をスイッチングするためのスイッチング素子として線路ごとに二個のFET131,134とFET133,132を接続し、FET131,134の接続点及びFET133,132の接続点どうしをコイル102にて橋絡した構成をなす。また、フライホイール電流の通電路を考慮してどのFET131〜134にもパルス電圧による電流の通電方向とは逆向きにフライホイールダイオード141〜144が並列接続されている。
【0008】
そして、マイコンに接続されている端子151は、FET112のゲート電極に接続されているとともに、インバータを介してFET111のゲート電極に接続されている。マイコンに接続されている端子152は、FET114のゲート電極に接続されているとともに、インバータを介して113のゲート電極に接続されている。マイコンに接続されている端子153は、FET132のゲート電極に接続されているとともに、インバータを介してFET131のゲート電極に接続されている。マイコンに接続されている端子154は、FET134に接続されているとともに、インバータを介してFET133に接続されている。
【0009】
そして、マイコンが電圧切替部105に信号を出力することによって、電圧切替部105から平滑回路106に駆動用電圧を出力し、駆動用電圧が平滑回路106で平滑化されて、コイル101,102にパルス電圧が印加される。更に、マイコンが、端子151から端子154の順に繰り返して、ステッピングモータの四分の一周期ごとにコイル通電電流を切り替えることによって、コイル101,102の励磁が切り替わる。これにより、ステッピングモータが回転する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の高齢化社会においては、携帯用の医療機器が注目されており、医療用ポンプにおいても携帯用の医療用ポンプの開発が要請されている。このため、医療用ポンプの小型化に応じて従来のモータ駆動装置100についても小型化する必要がある。
【0011】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、携帯用の医療用ポンプに搭載される小型化されたモータ駆動装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、モータ駆動装置100に備えられる電圧切替部105及び平滑回路106は、種々の汎用機器のいずれにも使用されることを目的として設計されていることに着目し、以下のような着想を得た。
【0013】
即ち、従来のモータ駆動装置100に備えられる電圧切替部105は、PWM制御することで電源電圧を降圧して駆動用電圧を出力するものであり、平滑回路106はその駆動用電圧を平滑化してパルス電圧を印加するものである。従って、モータ駆動装置100に備えられる電圧切替部105及び平滑回路106は、振動した(即ち、整形されていない)駆動用電圧が印加されると誤動作を起こすような汎用機器に対して電源電圧より低い駆動用電圧を印加するものであり、種々の汎用機器のいずれにも使用されることを目的として設計されている。このように、電圧切替部105及び平滑回路106は、モータ専用に駆動電圧を印加することを目的として設計されていないため、モータ駆動装置として使用する場合、電圧切替部105及び平滑回路106の中には無駄な素子が存在する。このため、電圧切替部105及び平滑回路106を構成する無駄な素子を省くことによってモータ駆動装置の小型化が図れるという着想に至り、この着想に基づいて以下のように本発明を完成した。
【0014】
請求項1記載の発明は、例えば図1又は図3等に示すように、制御部(例えば、制御回路3)からの信号に基づいてモータ(例えば、ステッピングモータ5)を駆動するドライブパルスを出力するモータ駆動装置(例えば、モータ駆動装置1)であって、モータの駆動コイル(例えば、コイル21及びコイル22)に接続されて、モータの駆動コイルの励磁の切り替えを行う励磁切替部(例えば、励磁切替部16)と、前記制御部から信号(例えば、低電圧用のパルス信号)が入力されるDC−DCコンバータ集積回路(例えば、IC33)と、該DC−DCコンバータ集積回路からの出力信号(例えば、PWM振動信号)に基づいて電源電流をスイッチングするスイッチング素子(例えば、FET31)とを備えてドライブパルスを前記励磁切替部に出力するパルス出力部(例えば、電圧切替部15)とを備え、前記パルス出力部に、前記励磁切替部と並列で、かつ、該励磁切替部と電流の流れる方向が逆となるようにダイオード(例えば、ダイオードD1)が配置され、前記パルス出力部に前記ドライブパルスの波形を整形するためのインダクタを有する平滑回路を設けることなく、平滑回路により波形が整形されていない前記ドライブパルスを前記モータのインダクタである前記駆動コイルに印加し、前記パルス出力部のスイッチング素子をオフとして前記駆動コイルへの電圧の印加を止めた際に、駆動コイルから生じる誘導電流を前記ダイオードに流すことを特徴とする。
【0015】
請求項1記載の発明によれば、モータの駆動コイルに励磁切替部が接続されているため、励磁切替部を介してパルス出力部から駆動コイルにドライブパルスが印加される。ここで、パルス出力部のスイッチング素子がオフとしてパルス電圧の印加が止まった場合に、駆動コイルから誘導電流が生じる。そして、励磁切替部に流れる電流と方向が逆となるようにダイオードが励磁切替部に並列で配置されているため、この誘導電流がダイオードに流れることで、誘導電流が励磁切替部を介して駆動コイルに回帰する。従って、誘導電流がパルス出力部(即ち、スイッチング素子及びDC−DCコンバータ集積回路)に流れず、パルス出力部の破損が防止される。このように、励磁切替部と並列にただ一つのダイオードが配置されているだけで、誘導電流が駆動コイルに回帰するため、励磁切替部には従来のようの第一励磁切替回路103及び第二励磁切替回路104のように四つのフライホイールダイオードを必要としない。従って、本発明に係るモータ駆動装置では、従来と比較してもダイオードの数が少ない。そのため、安価でありかつ小型なモータ駆動装置が提供される。
【0016】
また、パルス出力部から出力されるパルス電圧はインダクタで整形されないが、そのパルス電圧はモータの駆動コイルに印加されるため、駆動コイルにて整形される。従って、従来のようにインダクタ110を具備する平滑回路106がなくとも、モータは正常に動作する。即ち、本発明に係るモータ駆動装置は、モータ専用の装置として設計されたものであり、従来と比較しても平滑回路106の分だけ装置の小型化が図れるとともに、装置が安価になる。
【0017】
請求項2記載の発明は、例えば図3に示すように、請求項1記載のモータ駆動装置であって、前記励磁切替部には、モータの駆動コイルへの電流の切替を行うための複数のスイッチング素子(FET41〜FET44及びFET51〜FET54)が備えられ、前記励磁切替部の各スイッチング素子に対応してフライホイールダイオードを設けることなく、前記パルス出力部のスイッチング素子がオフの状態の際に、前記励磁切替部のスイッチング素子のオンオフの切替を行うことにより、前記パルス出力部のスイッチング素子のオフ時に駆動コイルから生じる誘導電流が流れる前記ダイオードを前記励磁切替部のスイッチング素子のフライホイールダイオードに代えて機能させることを特徴とする。
【0018】
請求項2記載の発明によれば、パルス出力部のスイッチング素子がオフ状態であるため、励磁切替部にはパルス電圧が出力されておらず、駆動コイルにも電圧が印加されていない。従って、励磁切替部のスイッチング素子がオンオフの切替を行っても、駆動コイルに電圧が印加されていないからコイルから誘導電流が生じない。ところで、従来では、コイル101又はコイル102に電圧が印加されている際に励磁切替部(即ち、第一励磁切替回路103及び第二励磁切替回路104)がコイル101又はコイル102の励磁を切り替えることにより誘導電流が生じ、その誘導電流がフライホイールダイオード(即ち、ダイオード121〜ダイオード124又はダイオード141〜ダイオード144)を流れることで励磁切替部のスイッチング素子(即ち、FET111〜FET114又はFET131〜FET134)の破損を抑えていた。しかしながら、本発明では、駆動コイルに電圧が印加されていない際に励磁切替部のスイッチング素子のオンオフを切り替えることで、駆動コイルの誘導電流の発生が抑えられ、励磁切替部のスイッチング素子の破損が抑えられる。そのため、本発明では、駆動コイルに電圧が印加されていない際に励磁切替部のスイッチング素子のオンオフを切り替えることが、フライホイールダイオードに代えて機能し、フライホイールダイオードを必要としない。従って、本発明に係るモータ駆動装置は、従来と比較しても小型であり、安価なものとなる。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のモータ駆動装置であって、前記パルス出力部のスイッチング素子は、前記DC−DCコンバータ集積回路からの信号線と、前記制御部からの信号線とが論理回路を介して両方接続され、前記DC−DCコンバータ集積回路からの信号と、前記制御部からの信号との二つの信号のうちの一方の信号に基づいて波高が低い低電圧のパルスを出力し、他方の信号に基づいて前記低電圧のパルスよりも波高が高い高電圧のパルスを出力することを特徴とする。
【0020】
請求項3記載の発明によれば、スイッチング素子にはDC−DCコンバータ集積回路からの信号線が論理回路を介して接続されているため、従来のようにIC107から出力される信号を増幅するための抵抗内蔵トランジスタ108を設けずとも良い。従って、抵抗内蔵トランジスタ108の分だけ、小型でかつ安価なモータ駆動装置が提供される。更に、論理回路がスイッチング素子に接続されることで、DC−DCコンバータ集積回路或いは制御部からの信号によって、スイッチング素子がオンオフし、パルス出力部から低電圧のパルス及び高電圧のパルスの出力が可能となる。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項2記載のモータ駆動装置を用いたモータ駆動方法であって、一ステップ角毎にモータを回転させるためにモータの駆動コイルの励磁を切り替える際に、前記パルス出力部のスイッチング素子がオフされて、前記励磁切替部に電圧が印加されていない状態で、前記励磁切替部の各スイッチング素子のオンオフの切り替えを行うことを特徴とする。
【0022】
請求項4記載の発明によれば、パルス出力部のスイッチング素子がオフ状態であるため、励磁切替部にはパルス電圧が出力されておらず、駆動コイルにも電圧が印加されていない。従って、励磁切替部のスイッチング素子がオンオフの切替を行っても、駆動コイルに電圧が印加されていないからコイルから誘導電流が生じない。従って、請求項2記載の発明と同様に、本発明では、従来のようにフライホイールダイオードを必要としない。従って、安価でありかつ小型なモータ駆動装置が提供される。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項3記載のモータ駆動装置を用いたモータ駆動方法であって、前記モータの回転状態に対応して、前記低電圧のパルス電圧と、前記高電圧のパルス電圧とを切り替えてモータの駆動コイルに印加することを特徴とする。
【0024】
請求項5記載の発明によれば、モータの回転状態に応じて、低電圧のパルス電圧と、高電圧のパルス電圧とを切り替えるため、消費電力の低下が図られる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るモータ駆動装置について、図面を用いて具体的な態様を説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
【0026】
モータ駆動装置1は、図1に示すように、本発明に係るモータ駆動装置が適用されたものであり、ステッピングモータ5を制御するものである。
【0027】
モータ駆動装置1は、ステッピングモータ5に取り付けられたホール素子2a,2bと、モータ駆動装置1全体を制御するための制御回路3と、制御回路3に電気的に接続された駆動回路4とを備えており、ステッピングモータ5を90度毎に駆動するようになっている。
【0028】
図2に示すように、ステッピングモータ5は、外装ケースとなるハウジング6と、N/S二極で円柱状に形成されるとともに回転自在となってハウジング6に収納されたロータ8と、ロータ8の回転軸心と一直線上になってロータ8に固定されているとともに回転出力軸となるシャフト9と、ロータ8の周囲に配設された二相のコイル21,22とを備え、ステップ角90度づつ回転するようなコイル配置となっている。
【0029】
ホール素子2a,2bは、ハウジング6の内周面に90度ずらして設けられており、ロータ8の回転位置を検知できるようになっている。具体的には、図2(a)に示すN−Sパターン、(b)に示すN−Nパターン、(c)に示すS−Nパターン、(d)に示すS−Sパターンの四つの位置を検知するようになっている。
【0030】
ホール素子2a,2bはそれぞれ、図1に示すように、ホール素子2a,2bから出力される信号を増幅するアンプ10a,10bに接続されている。アンプ10a,10bはそれぞれ、A/D変換器11a,11bに接続されている。
【0031】
制御回路3は、CPU12と、このCPU12にシステムバスを介して接続されたROM13及びRAM14とを備える。A/D変換器11a,11bは、信号の入出力を行うインターフェースを介してシステムバスに接続されている。ホール素子2a,2bにて検出されたロータ8の回転位置に関する信号が、アンプ10a,10b、A/D変換器11a,11b及びインターフェースを介してCPU12に出力され、CPU12の演算処理に用いられる。CPU12は、RAM14を作業領域としてROM13に格納されたプログラムに従い演算を行うとともに、ホール素子2a,2bから入力される信号に基づいて種々の演算処理を行う。そして、CPU12は、演算結果に応じた信号をインターフェースを介して駆動回路4に出力するようになっている。
【0032】
駆動回路4は、CPU12からの信号に従ってコイル21,22の励磁(即ち、極)の切り替えを行う励磁切替部16と、CPU12からの信号に従って励磁切替部16に印加する電圧を切り替える電圧切替部15とを備えている。駆動回路4について図3に基づいて詳細に説明する。
【0033】
電圧切替部15は、図3に示すように、ダイオードD1と、ダイオードD2と、FET31と、NOR回路32と、DC−DCコンバータ集積回路33(以下、IC33と述べる。)と、抵抗R1〜抵抗R4と、コンデンサC1〜コンデンサC3とを備えている。
【0034】
ダイオードD2のアノードは、直流電源DCinに接続されており、直流電源DCinからの電流を整流する機能を有する。ダイオードD2のカソードは、IC33のVcc端子に接続されている。更に、IC33のCTL端子は、CPU12に接続されており、CPU12から信号が入力されるようになっている。IC33のIB端子は抵抗R4の一方の端子に接続されており、抵抗R4の他方の端子は接地された配線34に接続されている。IC33のGND端子は配線34に接続されている。IC33のOSC端子は、抵抗R3の一方の端子に接続されているとともに、コンデンサC3の一方の端子に接続されている。抵抗R3及びコンデンサC3の他方の端子は、配線34に接続されている。IC33のFB端子は、コンデンサC2の一方の端子に接続されており、コンデンサC2の他方の端子は、配線34に接続されている。IC33の−IN端子は、抵抗R2の一方の端子及び抵抗R1の一方の端子に接続されている。抵抗R2の他方の端子は、配線34に接続されている。抵抗R1の他方の端子は、FET31のソース電極に接続された配線35に接続されている。
【0035】
IC33のOUT端子は、信号線を介してNOR回路32の一方の入力端子に接続されている。NOR回路32の他方の入力端子は、信号線を介してCPU12に接続されており、CPU12から信号がNOR回路32に入力されるようになっている。
【0036】
NOR回路32の出力端子は、FET31のゲート電極に接続されている。FET31のソース電極は、ダイオードD2のカソードに接続されている。FET31のドレイン電極は、配線35に接続されている。FET31は、Pチャネル型の電界効果トランジスタであり、電源電流のオン・オフを切り替えるスイッチング素子として機能する。
【0037】
更に、配線35には、コンデンサC1の一方の端子及びダイオードD1のカソードが接続されており、配線34には、コンデンサC1の他方の端子及びダイオードD1のアノードが接続されている。コンデンサC1及びダイオードD1は、配線35と配線34との間を並列に接続されている。
【0038】
励磁切替部16は、コイル21の励磁の切り替えを行う第一励磁切替回路16Aと、コイル22の励磁の切り替えを行う第二励磁切替回路16Bとを備えている。第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bは、四つの電界効果トランジスタを基本構成としたH型ブリッジ回路であり、ダイオードD1と並列になるように配線35と配線34との間に接続されている。
【0039】
即ち、第一励磁切替回路16Aは、FET41〜FET44と、インバータ45,46とを備えており、第二励磁切替回路16Bは、FET51〜FET54と、インバータ55,56とを備えている。FET41,42,51,52は、Pチャネル型の電界効果トランジスタであり、FET43,44,53,54は、Nチャネル型の電界効果トランジスタである。
【0040】
第一励磁切替回路16Aにおいては、FET41,42のソース電極は、配線35に接続されている。FET41のドレイン電極はFET43のドレイン電極に接続されている。FET42のドレイン電極はFET44のドレイン電極に接続されている。FET43,44のソース電極は配線34に接続されている。そして、FET41とFET43との接続点にコイル21の一方が接続され、FET42とFET44との接続点にコイル21の他方が接続されて、コイル21がこれら接続点に橋絡している。また、FET41のゲート電極は、インバータ45を介して入力端子61に接続されており、FET44のゲート電極は入力端子61に接続されている。FET42のゲート電極は、インバータ46を介して入力端子62に接続されており、FET43のゲート電極は入力端子62に接続されている。
【0041】
第二励磁切替回路16Bにおいては、FET51,52のソース電極は、配線35に接続されている。FET51のドレイン電極は、FET53のドレイン電極に接続されている。FET52のドレイン電極はFET54のドレイン電極に接続されている。FET53,54のソース電極は配線34に接続されている。FET51とFET53との接続点にコイル22の一方が接続され、FET52とFET54との接続点にコイル22の他方が接続されて、コイル22がこれら接続点に橋絡している。FET51のゲート電極は、インバータ55を介して入力端子63に接続されており、FET54のゲート電極は入力端子63に接続されている。FET52のゲート電極は、インバータ56を介して入力端子64に接続されており、FET53のゲート電極は入力端子64に接続されている。
【0042】
入力端子61,62,63,64にはCPU12が接続されており、それぞれの端子にはCPU12から信号が入力されるようになっている。
【0043】
以上のような構成にあっては、各素子及び各回路は以下のような機能を有する。IC33は、CPU12からCTL端子に低電圧用パルス信号(ハイレベルの信号)が入力されると、PWM振動信号をOUT端子からNOR回路32に出力するようになっている。NOR回路32は、CPU12から高電圧用パルス信号(ハイレベルの信号)が入力されているか、または、入力されたPWM振動信号がハイレベルの場合にはローレベルの信号をFET31のゲート電極に出力するようになっている。FET31は、直流電源DCinのスイッチングを行うものであり、NOR回路32からローレベルの信号が入力されるとオン動作し、直流電源DCinと配線35を通電し、一方、NOR回路32からハイレベルの信号が入力されるとオフ動作し、直流電源DCinから配線35を遮断する。
【0044】
詳細に説明すると、CPU12から高電圧用パルス信号が出力されており、かつ、CPU12から低電圧用パルス信号が出力されていない場合には、FET31はオン動作し、直流電源DCinのレベルの電圧(高電圧)が第一励磁切替回路16A(即ち、FET41,42のソース電極)及びに第二励磁切替回路16B(即ち、FET51,52のソース電極)に印加されることになる。即ち、図4(a)に示すように、CPU12から高電圧用パルス信号が出力されており、かつ、CPU12から低電圧用パルス信号が出力されていない場合には、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bへ波高が高い高電圧のドライブパルスが出力される。
【0045】
一方、CPU12から低電圧用パルス信号が出力されており、かつ、CPU12から高電圧用パルス信号が出力されていない場合、IC33からNOR回路32を介してFET31へPWM振動信号が出力される。FET31は、PWM振動信号によってオン・オフを繰り返し(即ち、IC33から出力されるPWM振動信号がハイレベルの場合オン動作し、PWM振動信号がローレベルの場合オフ動作する)、直流電源DCinから配線35の通電・遮断を繰り返す。従って、FET31から配線35にはPWM振動信号と同期して振動した振動電圧が印加されるが、振動電圧の平均的な値は直流電源DCinより低いものとなり、振動電圧はひとかたまりのドライブパルスとして、第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに印加される。即ち、図4(b)に示すように、CPU12から低電圧用パルス信号が出力されており、かつ、CPU12から高電圧用パルス信号が出力されていない場合、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bへ波高が低い低電圧のドライブパルスが出力される。
【0046】
以上のように、電圧切替部15は、CPU12からの信号に基づいて、第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに印加する電圧のレベルを切り替えるものである。即ち、電圧切替部15は、CPU12から高電圧用パルス信号が入力されている場合には、高電圧のドライブパルスを第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに出力し、CPU12から低電圧用パルス信号が入力されている場合には、PWM制御によって低電圧のドライブパルスを第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに出力する。更に、電圧切替部15は、CPU12から高電圧用パルス信号及び低電圧用パルス信号がともに入力されていない場合には、電源電圧を遮断する。
【0047】
従って、CPU12の指令に従って、電圧切替部15は、ステッピングモータ5の四分の一回転時間の間に第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに印加する電圧を、例えば図5に示されるように切り替えることができる。即ち、図5(a)に示される第一パターンにおいては、一つ目のドライブパルスは、1.7[V]の電圧(即ち、低電圧)を12.8[msec]間印加する波形であり、二つ目のドライブパルスは、1.7[V]の電圧を12.4[msec]間印加する波形であり、三つ目及び四つ目のドライブパルスは、4.2[V]の電圧(即ち、高電圧)を12.4[msec]印加する波形である。図5(b)に示される第二パターンおいては、一つ目のドライブパルスは、始めに4.2[V]の電圧を印加する部分と、1.7[V]の電圧を印加する部分とで構成されており、その総印加時間は12.8[msec]である。二つ目、三つ目及び四つ目のドライブパルスは、4.2[V]の電圧を12.4[msec]間印加する波形になっている。図5(c)に示される第三パターンにおいては、一つ目のドライブパルスは、4.2[V]の電圧を6.4[msec]間印加する波形となっており、他のドライブパルスは、4.2[V]の電圧を6.0[msec]間印加する波形となっている。
【0048】
なお、低電圧のドライブパルスは、PWM制御によって直流電源DCinの電圧を降下しているものであるため、図4(b)に示すように低電圧のドライブパルスは整形されておらず、振動波形が生じている。ところが、低電圧のドライブパルスは、ステッピングモータ5を駆動するためにコイル21或いはコイル22に入力されるから、コイル21或いはコイル22にて平滑化されて、整形される。
【0049】
第一励磁切替回路16Aは、CPU12から入力される信号に基づいて、コイル21の励磁を切り替えるものである。即ち、CPU12から入力端子61にハイレベルの信号が入力されるとともに、CPU12から入力端子62にローレベルの信号が入力されると、FET41,44がオン状態となり、FET42,43がオフ状態となる。この際に、FET41のソース電極にドライブパルスが入力される(電圧が印加される)と、電流がFET41、コイル21次いでFET44へと流れて、コイル21が励磁する。また、CPU12から入力端子61にローレベルの信号が入力され、CPU12から入力端子62にハイレベルの信号が入力されると、FET41,44がオフ状態となり、FET42,43がオン状態となる。この際に、FET42のソース電極にドライブパルスが入力されている(電圧が印加される)と、電流がFET42,コイル21次いでFET43へと流れて、コイル21は逆の極性で励磁する。また、CPU12から入力端子61,62共にローレベルの信号が入力されると、FET41〜FET44がオフ状態となり、コイル21には電流が通電せず、コイル21は励磁しない。
【0050】
第二励磁切替回路16Bは、CPU12から入力される信号に基づいて、コイル22の励磁を切り替えるものである。即ち、CPU12から入力端子63にハイレベルの信号が入力されるとともに、CPU12から入力端子64にローレベルの信号が入力されると、FET51,54がオン状態となり、FET52,53がオフ状態となる。この際に、FET51のソース電極にドライブパルスが入力される(電圧が印可される)と、電流がFET51、コイル22次いでFET54へと流れて、コイル22が励磁する。また、CPU12から入力端子63にローレベルの信号が入力されるとともに、CPU12から入力端子64にハイレベルの信号が入力されると、FET51,54がオフ状態になり、FET52,53がオン状態になる。この際に、FET52のソース電極にドライブパルスが入力される(電圧が印加される)と、電流がFET52、コイル22次いでFET53へと流れて、コイル22が逆の極性で励磁する。また、CPU12から入力端子61,62共にローレベルの信号が入力されると、FET51〜FET54がオフ状態となり、コイル22には電流が通電せず、コイル22は励磁しない。
【0051】
なお、例えば、CPU12が、入力端子61、入力端子63、入力端子62、入力端子64の順に、ステッピングモータ5の四分の一回転時間の間ハイレベルの信号を入力することによって、第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bによってコイル21或いはコイル22の励磁が切り替わり、ステッピングモータ5が一回転する。ところで、FET31がオフ状態の時に、即ち、CPU12が高電圧用パルス信号及び低電圧用パルス信号ともに電圧切替部15に出力していない時に、CPU12は第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bによる励磁の切り替えを行うようにしている。即ち、ドライブパルスによる電圧が第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに印加されていない時に、ハイレベルの信号を入力する入力端子(入力端子61〜入力端子64)を切り替えている。従って、コイル21及びコイル22に通電していない際に、FET41〜FET44及びFET51〜FET54のオン・オフが切り替わる。そのため、コイル21及びコイル22から突入電流が発生しないため、FET41〜FET44及びFET51〜FET54にスパイク状の電圧が印加されない。従って、FET41〜FET44及びFET51〜FET54の破損が抑えられる。
【0052】
ところで、第一励磁切替回路16A或いは第二励磁切替回路16Bにドライブパルスが入力されて電圧が印加された後、ドライブパルスの入力を終了して電圧が降下する(即ち、電圧の印加が終了する)と、即ち、FET31がオン状態からオフ状態になると、コイル21或いはコイル22から誘導電流が生じる。この誘導電流が電圧切替部15に流れると、電圧切替部15が誤動作を生じたり、電圧切替部15が破損してしまうことがある。しかしながら、第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに並列してダイオードD1が接続されているため、誘導電流は第一励磁切替回路16A或いは第二励磁切替回路16Bへ回帰して流れる。従って、電圧切替部15に誘導電流が流れず、電圧切替部15の誤動作及び破損が抑えられる。
【0053】
次に、CPU12による制御回路3の処理の流れ、モータ駆動装置1の動作、及び、モータ駆動装置1を用いたステッピングモータ駆動方法について、図6〜図9を参照して説明する。図6に示すフローチャートは、ステップ角あたりのロータ移動時間(即ち、ロータ8(或いはステッピングモータ5)が四分の一回転する時間)内に行われる処理を表している。即ち、四分の一回転時間内に図6に示す処理が終了し、次の四分の一回転時間の開始から再度、図6に示すフローチャートのスタートから処理が開始される。このように、図6に示す処理が繰り返されることによって、ステッピングモータ5は四分の一回転(即ち、90度)毎にステッピング動作をする。なお、ここでは、ステッピングモータ5がステッピング動作をしており、図2(a)に示すN−Sパターンから図2(b)に示すN−Nパターンにステッピングモータ5を回転させる場合の制御回路3の処理を図6に基づいて説明する。
【0054】
図6に示すように、まず、制御回路3は、ホール素子2a,2bから入力される検知信号に基づいて、ロータ8が前回の四分の一回転時間内に図2(d)に示すS−Sパターンから図2(a)に示すN−Sパターンに90度回転したか否かを判断する(ステップS1)。ここで、ロータ8が90度回転したと制御回路3が判断した場合には(ステップS1:Yes)、制御処理3の処理はステップS2に進み、ロータ8が90度回転しないと制御回路3が判断した場合には(ステップS1:No)、制御回路3の処理はステップS11に進む。この例では、現状のロータ8の位置が、図2(a)に示すN−Sパターンであるため、制御回路3の処理はステップS2に進む。
【0055】
ステップS2において、制御回路3は、次の目標ロータパーンを図2(b)に示すN−Nパターンに設定し、コイル21或いはコイル22の励磁を切り替える。例えば、前回の四分の一回転時間内に制御回路3が入力端子64にハイレベルの信号、入力端子61〜入力端子63にローレベルの信号を入力していた場合に、ステップS2において制御回路3は入力端61にハイレベルの信号を入力するとともに入力端子62〜入力端子64にローレベルの信号を入力する。これにより、第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bによってコイル21及びコイル22の励磁が切り替わる。なお、ステップS2において、制御回路3がハイレベルの信号を入力する入力端子を切り替える時に、制御回路3はIC33に低電圧用パルス信号を出力していないとともに、NOR回路32に高電圧用パルス信号を出力していない。従って、制御回路3がハイレベルの信号を入力する入力端子を切り替える時には、FET31はオフ状態となっており、第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bには電圧が印加されていない。
【0056】
ステップS2後、制御回路3は、エラーカウント値が「n=0」であるか否か、即ち、現状のロータ位置が、前回の目標ロータパターンに対して遅れているか否かを判断する(ステップS3)。エラーカウント値が「n=0」であると制御回路3が判断した場合には、制御回路3の処理はステップS4に進み、エラーカウント値が「n=0」でないと制御回路3が判断した場合には、制御回路3の処理はステップS13に進む。この例では、現状のロータ位置が、図2(a)に示すN−Sパターンであり、前回の目標ロータパターンである図2(a)に示すN−Sパターンと一致しているので、エラーカウント値は「n=0」であり、制御回路3の処理はステップS4に進む。
【0057】
ステップS4において、制御回路3は、ステッピングモータ5の単位時間当たりの回転数(以下、単に「回転数」と述べる。)が所定のしきい値(例えば、1136〔rpm〕)より小さいか否かを判断する。ここで、ステッピングモータ5の回転数が上記所定のしきい値より小さい場合、制御回路3の処理はステップS5に進み、その回転数が上記所定のしきい値以上の場合、制御回路3の処理はステップS27に進む。
【0058】
ステップS5においては、制御回路3では第一パターンの通電処理が実行される。第一パターンの通電処理とは、電圧切替部15から励磁切替部16に出力される通電パターンが図5(a)に示すような場合である処理をいう。
【0059】
図7は、第一パターンの通電処理の流れを示すフローチャートである。図7に示すように、制御回路3は、ドライブパルスの入力数(以下、パルスカウント値と述べる。)をカウントして(ステップS6)、パルスカウント値をRAM14に格納する(この場合、最初のドライブパルスを入力するので、パルスカウント値を「m=1」としてRAM14に格納する)。また、制御回路3は、ホール素子2a,2bからの信号に従って、ドライブパルス入力前のロータ8の現状の位置(以下、入力前のロータ位置という。この場合、図2(a)に示すN−Sパターンである。)をRAM14にて格納する。
【0060】
次に、制御回路3は、低電圧用パルス信号をIC33に出力する。これにより、IC33はPWM振動信号をFET31に出力し、FET31がオン・オフを繰り返すことで、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに低電圧(即ち、1.7〔V〕)のドライブパルスが12.8〔msec〕間出力される。これにより、コイル21に電流が通電し、コイル21が励磁する(ステップS7)。なお、12.8〔msec〕間経過すると制御回路3から出力される低電圧パルス信号が止まり、コイル21への電圧の印加も停止する。
【0061】
次に、制御回路3は、ステッピングモータ5が90度回転したか否かを判断する(ステップS8)。即ち、制御回路3は、RAM14に格納される入力前のロータ位置と、ホール素子2a,2bにより検知したドライブパルス入力後のロータ8の現状の位置(以下、入力後のロータ位置という。)と、を比較する。ここで、入力後のロータ位置が、RAM14に格納された入力前のロータ位置と一致している場合には(ステップS8:No)、制御回路3の処理はステップS9に進み、一致していない場合には(ステップS8:Yes)、制御回路3の処理はステップS10に進む。
【0062】
ステップS9においては、制御回路3は、ドライブパルスが4回出力されたか否か、すなわち、RAM14に格納されているパルスカウント値が「m=4」であるか否かを判断する。パルスカウント値が「m<4」である場合(ステップS9:No)、制御回路3の処理はステップS6に戻る。制御回路3の処理がステップS6に戻った場合には、制御回路3はパルスカウント値をカウントし(即ち、パルスカウント値に1を加算し)、当該パルスカウント値をRAM14に格納する。
【0063】
そして、再びのステップS7においては、制御回路3が低電圧用パルス信号をIC33に出力することにより、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに低電圧(即ち、1.7〔V〕)のドライブパルスが12.4〔msec〕間出力される。更に、制御回路3の処理がステップS8、ステップS9、次いでステップS6へと繰り返された(即ち、ステッピングモータ5が90度回転しなかった)場合には、三度目のステップS7の処理がなされる。この場合、制御回路3は、高電圧用パルス信号をNOR回路32に出力する。これにより、高電圧用パルス信号がNOR回路32に入力されている間、FET31はオン状態を維持し、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに高電圧(即ち、4.2〔v〕)のドライブパルスが12.4〔msec〕間出力される。これにより、コイル21に電流が通電し、コイル21が励磁するが、コイル21の磁力は1回目及び2回目の通電の際より大きいものとなる。
【0064】
更に、制御回路3の処理がステップS8、ステップS9次いでステップS6へと繰り返された場合には、四度目のステップS7の処理がなされる。四度目のステップS7においても、制御回路3が三度目のステップS7の処理と同様の処理を行うことで、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに高電圧のドライブパルスが12.4〔msec〕間出力される。そして、ステップS7の処理が4回繰り返されると、ステッピングモータ5が90度回転しなかった場合(ステップS8:No)でも、パルスカウント値が「m=4」であると制御回路3が判断するので(ステップS9:Yes)、制御回路3の処理はステップS10に進む。ステップS10においては、制御回路3は、第一パターンの通電処理が終了するように、高電圧用のパルス信号及び低電圧用のパルス信号を出力することを終了する。なお、ステップS10の処理において、制御回路3はパルスカウント値をリセットする。
【0065】
ステップS10後、制御回路3は、四分の一回転時間経過するまで処理を待機する。そして、四分の一回転時間が経過すると、制御回路3は、図6に示すスタートから処理を再開する。
【0066】
ところで、ステップS9においてパルスカウント値が「m=4」であると制御回路3が判断した場合に、即ち、電圧切替部15から励磁切替部16へドライブパルスが4回入力されてもロータ8が回転しなかった場合に、図6に示すスタートから処理が再開されると、ステップS1において制御回路3はロータ8が90度回転しないと判断する。(ステップS1:No)。
【0067】
そして、制御回路3の処理はステップS11に進み、制御回路3は、RAM14のエラーカウント値を加算し、エラーカウント値が「n=1」となる。なお、エラーカウント値が「n=1」の場合、ロータ8は目標ロータパターンに対して90度遅れていることを示す。
【0068】
次に、制御回路3は、エラーカウント値が「n=8」であるか否かを判断し(ステップS12)、エラーカウント値が「n=8」である場合には制御回路3の処理はステップS33に進み、エラーカウント値が「n=8」でない場合には制御回路3の処理はステップS13に進む。
【0069】
次に、ステップS13では、目標ロータパターンに対して90度の遅れを取り戻すために、第三パターンの通電処理が制御回路3によって実行される。第三パターンの通電処理とは、電圧切替部15から励磁切替部16に出力される通電パターンが図5(c)に示すような場合である処理をいう。
【0070】
図8は、第三パターンの通電処理の流れを示すフローチャートである。図8に示すように、制御回路3は、ドライブパルスの入力数をカウントして(ステップS14)、RAM14に格納する。この場合、RAM14に格納されるパルスカウント値は、「m=1」となる。次に、制御回路3はNOR回路32へ高電圧用のパルス信号を出力することにより、図5に示すように、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bへ一つ目の高電圧ドライブパルスが出力される。ここで、制御回路3は、入力端子61にハイレベルの信号を出力した状態を維持し、かつ、入力端子62〜入力端子63にローレベルの信号を出力した状態を維持しており、FET41,44がオン状態であり、他のFETはオフ状態である。従って、高電圧ドライブパルスの入力により、コイル21に6.4〔msec」の間、4.2〔V〕の電圧が印加され、コイル21が励磁する(ステップS15)。
【0071】
次いで、制御回路3は、RAM14に格納された入力前のロータ位置と入力後のロータ位置とを比較することにより、ステッピングモータ5が90度回転したか否かを判断する(ステップS16)。ここで、入力後のロータ位置が図2(b)に示すN−Nパターンである場合、入力前のロータ位置である図2(a)に示すN−Sパターンに対してステッピングモータ5が90度回転したと制御回路3が判断し(ステップS16:Yes)、制御回路3の処理はステップS17に進む。一方、ステッピングモータ5が90度回転していないと制御回路3が判断した場合には、制御回路3の処理はステップS26に進む。
【0072】
ステップS26において、制御回路3は、電圧切替部15から高電圧のドライブパルスが8回出力されたか否か、つまり通電8回目であるか否かをRAM14のパルスカウント値から判断する。ここで、パルスカウント値が「m=1」であるため(ステップS26:No)、制御回路3の処理はステップS14に戻る。なお、ステップS14〜ステップS16、ステップS26が繰り返されて、ドライブパルスが8回出力されてもロータ8が回転しない場合には、パルスカウント値は「m=8」となり(ステップS26:Yes)、制御回路3は、第三パターンの通電処理が終了するように、高電圧用のパルス信号及を出力することを終了し、パルスカウント値をリセットする(ステップS24)。ステップS24後、制御回路3は、四分の一回転時間経過するまで処理を待機する。そして、四分の一回転時間が経過すると、制御回路3は、図6に示すスタートから処理を再開する。この場合、第一パターンの通電処理で発生した90度の回転遅れが取り戻せず、この第三パターンの通電処理において、更に90度の回転遅れを生じることになるため、180度の回転遅れが生じることになる。従って、図6に示す処理が再開されると、制御回路3の処理は、ステップS1からステップS11へと移り、エラーカウント値は「n=2」となる。
【0073】
一方、ステップS17において、制御回路3は、エラーカウント値を一つ減算し、RAM14に格納されるエラーカウント値は「n=0」となる(この場合、ステップS13に移った時点での、回転遅れが90度の場合である)。このように、ロータ8が図2(a)に示すN−Sパターンから図2(b)に示すN−Nパターンに90度回転すると、第一パターンの通電処理において発生した90度の回転遅れが取り戻され、現状のロータ位置が、前回の四分の一回転時間で設定された目標ロータパターンに追いつく。
【0074】
次に、制御回路3は、RAM14に次の目標ロータパターンである図2(c)に示すS−Nパターンを格納する(ステップS18)。また、ステップS18において、制御回路3は、高電圧用のパルス信号及び低電圧用のパルス信号を出力していない状態で、第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16BのFETのオン・オフを切り替える(即ち、ハイレベルの信号を入力する入力端子を(ハイレベルの信号を入力する端子を入力端子61から入力端子62へと)切り替える)。
【0075】
次に、制御回路3は、ドライブパルスの入力数をカウントして(ステップS19)、RAM14に格納する。この場合、RAM14に格納されるパルスカウント値は、「m=2」となる。次に、制御回路3はNOR回路32へ高電圧用のパルス信号を出力することにより、図5に示すように、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bへ二つ目の高電圧ドライブパルスが出力される。ここで、制御回路3は、入力端子62にハイレベルの信号を出力した状態を維持し、かつ、入力端子61,63,64にローレベルの信号を出力した状態を維持しており、FET51,54がオン状態であり、他のFETはオフ状態である。従って、高電圧ドライブパルスの入力により、コイル21に6.0〔msec」の間、4.2〔V〕の電圧が印加され、コイル21が励磁する(ステップS20)。
【0076】
次いで、制御回路3は、RAM14に格納された入力前のロータ位置と入力後のロータ位置とを比較することにより、ステッピングモータ5が90度回転したか否かを判断する(ステップS21)。ここで、入力後のロータ位置が図2(c)に示すS−Nパターンである場合、入力前のロータ位置である図2(b)に示すN−Nパターンに対してステッピングモータ5が90度回転したと制御回路3が判断し(ステップS21:Yes)、制御回路3の処理はステップS22に進む。一方、ステッピングモータ5が90度回転していないと制御回路3が判断した場合には、制御回路3の処理はステップS25に進む。
【0077】
ステップS25において、制御回路3は、電圧切替部15から高電圧のドライブパルスが8回出力されたか否か、つまり通電8回目であるか否かをRAM14のパルスカウント値から判断する。ここで、パルスカウント値が「m=2」であるため(ステップS25:No)、制御回路3の処理はステップS19に戻る。なお、ステップS14〜ステップS16及びステップS26、又は、ステップS19〜ステップS21及びステップS25が繰り返されて、ドライブパルスが8回出力されてもロータ8が回転しない場合には、パルスカウント値は「m=8」となり(ステップS25:Yes)、制御回路3は、第三パターンの通電処理が終了するように、高電圧用のパルス信号及を出力することを終了し、パルスカウント値をリセットする(ステップS24)。ステップS24後、制御回路3は、四分の一回転時間経過するまで処理を待機する。そして、四分の一回転時間が経過すると、制御回路3は、図6に示すスタートから処理を再開する。この場合、第一パターンの通電処理で発生した90度の回転遅れが取り戻せたが、この第三パターンの通電処理において90度の回転遅れを生じることになる。従って、図6に示す処理が再開されると、制御回路3の処理は、ステップS1からステップS11へと移り、エラーカウント値は「n=1」となる。
【0078】
一方、ステップS22において、制御回路3は、エラーカウント値が「n=0」であるか否かを判断し、エラーカウント値が「n=0」である場合には制御回路3の処理はステップS24に進み、エラーカウント値が「n=0」でない場合には制御回路3の処理はステップS23に進む。
【0079】
ステップS24において、制御回路3は、第三パターンの通電処理が終了するように、高電圧用のパルス信号及を出力することを終了し、パルスカウント値をリセットする。ステップS24後、制御回路3は、四分の一回転時間経過するまで処理を待機する。そして、四分の一回転時間が経過すると、制御回路3は、図6に示すスタートから処理を再開する。この場合、第一パターンの通電処理で発生した90度の回転遅れが取り戻せるとともに、この第三パターンの通電処理においてロータ8が目標ロータパターンに位置することになる。従って、制御回路3の処理は、ステップS1からステップS2へと移り、通常のステッピング制御に戻る。
【0080】
なお、第三パターンの通電処理(即ち、ステップS13)が行われる前に、回転遅れが180度以上である場合は、上述したように制御回路3の処理はステップS22からステップS23に進む。この場合、ステップS23において、制御回路3は、電圧切替部15から高電圧のドライブパルスが8回出力されたか否か、つまり通電8回目であるか否かをRAM14のパルスカウント値から判断する。そして、パルスカウント値が「m=8」でない場合、制御回路3の処理はステップS17に戻る。そして、ステップS17〜ステップS23が繰り返されることで、第三パターンの通電処理において180度以上の回転遅れが取り戻せるとともに、四分の一回転時間内に回転する通常の回転分もロータ8が回転する。
【0081】
ところで、上述したように、ステッピングモータ5の回転数が上記所定のしきい値以上の場合(ステップS4:No)、制御回路3は第二パターンの通電処理を行う。第二パターンの通電処理とは、電圧切替部15から励磁切替部16に出力される通電パターンが図5(b)に示すような場合である処理をいう。
【0082】
図9は、第二パターンの通電処理の流れを示すフローチャートである。図9に示すように、制御回路3は、パルスカウント値をカウントして(ステップS28)、パルスカウント値を「m=1」としてRAM14に格納する。また、制御回路3は、ホール素子2a,2bからの信号に従って、ロータ8の前回のロータ位置をRAM14にて格納する。次いで、制御回路3は、入力端子61にハイレベルの信号を出力し、かつ、入力端子62〜入力端子64にローレベルの信号を出力する。次に、制御回路3は、高電圧用パルス信号をNOR回路32に出力し、信号の出力が途切れないように高電圧用パルス信号から低電圧用パルス信号に切り替えて低電圧パルス信号をIC33に出力する。これにより、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに、図5(b)に示す一つ目のドライブパルスが出力される。これにより、コイル21には4.2〔V〕の電圧が印加されて、電圧の印加が途切れずに1.7[V]の電圧が印加される。従って、コイル21に電流が通電し、コイル21が励磁する(ステップS29)。次いで、制御回路3は、ステッピングモータ5が90度回転したか否かを判断する(ステップS30)。ここで、ステッピングモータ5が90度回転した場合には、制御回路3の処理はステップS32に進み、ステッピングモータ5が90度回転しなかった場合には、制御回路3の処理はステップS30に進む。ステップS32においては、第二パターンの通電処理が終了するように、制御回路3は高電圧用のパルス信号及び低電圧用のパルス信号を出力することを終了する(ステップS32)。ステップS32後、制御回路3は、四分の一回転時間経過するまで処理を待機する。そして、四分の一回転時間が経過すると、制御回路3は、図6に示すスタートから処理を再開する。
【0083】
一方、ステップS31においては、制御回路3は、ドライブパルスが4回出力されたか否かを判断する。ドライブパルスが4回出力された場合(ステップS31:Yes)、制御回路3の処理はステップS32に進む。このステップS32の処理は、上述した場合と同様であるので説明を省略する、上述した通りと同様であるので一方、ドライブパルス4回出力されていない場合、制御回路3は、パルスカウント値に1を加算し(ステップS28)、NOR回路32に高電圧用パルス信号を出力する。これにより、電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bに高電圧のパルス信号が出力され、コイル21に4.2〔V〕の電圧が12.4〔msec〕間印加される(ステップS30)。その後、制御回路3の処理は、ステップS31に進む。このステップS31の処理は、上述した場合と同様であるので説明を省略する。
【0084】
以上のように、本実施の形態では、従来のようにインダクタ110を有する平滑回路106が設けられていなくとも、電圧切替部15からコイル21或いはコイル22に出力される低電圧のドライブパルスが平滑化される。従って、本実施の形態では、インダクタ110がモータ駆動装置1に設けられていなくても良いから、モータ駆動装置1は従来のモータ駆動装置100より安価であり、小型である。
【0085】
また、コイル21及びコイル22の励磁の切り替えは、ステッピングモータ5の一ステップ角毎に行われているが、励磁の切り替えの際には制御回路3から電圧切替部15に低電圧用のパルス信号又は高電圧用のパルス信号が出力されていない(例えば、ステップS2、ステップS18)。即ち、励磁の切り替えの際には電圧切替部15から第一励磁切替回路16A及び第二励磁切替回路16Bにドライブパルスが出力されていないから、コイル21及びコイル22から誘導電流が生じない。従って、従来のようにフライホイールダイオードが設けられていなくとも、FET41〜FET44及びFET51〜FET54の破損を抑えられる。従って、本実施の形態では、フライホイールダイオードの分だけモータ駆動装置1が安価になり、小型になる。
【0086】
また、低電圧又は高電圧のドライバパルスの出力が終了する段階で、コイル21又はコイル22に印加される電圧が降下する。そのため、コイル21又はコイル22に誘導電流が生じるが、その誘導電流はダイオードD1を流れてコイル21又はコイル22に回帰する。そのため、その誘電電流がIC33或いはFET31に流れなくなり、IC33或いはFET31の破損が抑えられる。
【0087】
また、本実施の形態では、図4に示すように、低電圧のドライブパルスはPWM制御により電源電圧が降圧されたものである。更に、図5に示すように、ステッピングモータ5の四分の一回転時間経過毎に、低電圧のドライブパルス及び高電圧のドライブパルスが複数出力されている。従って、電源電圧が常時印加されている状態ではないので、電力の消費が抑えられる。更に、四分の一回転時間の間に、ステッピングモータ5が回転した場合(例えば、ステップS8:Yes或いはステップS30:Yes)には、その後、低電圧又は高電圧のドライブパルスが出力されない。従って、電力の消費が抑えられる。
【0088】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。例えば、本実施の形態では、ホール素子二個を90度向かいあわせて配置した構成の小型の二相全波ステッピングモータを例にとって説明したが、モータはこれに限定されるものではない。即ち、本発明は、三相、四相或いはそれ以上の相のステッピングモータ或いはブラシレスモータにも適用できる。また、電圧切替部15から励磁切替部16に印加される電圧の波形は、図5に示すものに限定されない。
【0089】
【発明の効果】
以上のように、請求項1記載の発明では、励磁切替部と並列にただ一つのダイオードが配置されているだけで誘導電流が駆動コイルに回帰するため、励磁切替部には従来のような第一励磁切替回路103及び第二励磁切替回路104のように四つのダイオードを必要としない。従って、本発明は、安価でありかつ小型なステッピングモータ駆動装置を提供することができるという効果を奏する。更に、パルス出力部から出力されるパルス電圧は、ステッピングモータの駆動コイルに印加されるため、駆動コイルにて整形される。従って、本発明は、従来のようにインダクタ110をステッピングモータ駆動装置に設けずとも済むという効果を奏し、ステッピングモータ駆動装置が小型かつ安価になるという効果を奏する。
【0090】
請求項2記載の発明では、励磁切替部のスイッチング素子がオンオフの切り替えを行っても励磁切替部にパルス電圧が出力されていないため、駆動コイルから誘導電流が生じない。励磁切替部のスイッチング素子の破損が抑えられる。そのため、請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、フライホイールダイオードをステッピングモータ駆動装置に設ける必要がないという効果を奏し、ステッピングモータ駆動装置が小型かつ安価になるという効果を奏する。
【0091】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、論理回路が接続されているから従来のようにIC107から出力される信号を増幅するための抵抗内蔵トランジスタ108を設けずとも良いという効果を奏する。更に、本発明は、DC−DCコンバータ集積回路或いは制御部からの信号が論理回路を介してスイッチング素子に出力されうことで、パルス出力部から低電圧のパルス及び高電圧のパルスの出力が可能となるという効果を奏する。
【0092】
請求項4記載の発明は、励磁切替部のスイッチング素子がオンオフの切替を行っても、駆動コイルに電圧が印加されていないからコイルから誘導電流が生じないという効果を奏する。また、本発明は、ステッピングモータ駆動装置が小型かつ安価になるという効果を奏する。
【0093】
請求項5記載の発明は、低電圧のパルス電圧と、高電圧のパルス電圧とを切り替えるため、消費電力の低下が図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るステッピングモータ駆動装置が適用されたモータ駆動装置の具体的な構成が示されたブロック図である。
【図2】上記モータ駆動装置に駆動されるステッピングモータの内部構成が示された断面図であり、該ステッピングモータのロータの位置パターンが示されている。
【図3】上記モータ駆動装置の主要部の回路構成について具体的な態様が示された図面である。
【図4】上記モータ駆動装置から上記ステッピングモータに出力されるドライブパルスを説明するための図面である。
【図5】上記モータ駆動装置から上記ステッピングモータに出力されるドライブパルスの一例が示された図面である。
【図6】上記モータ駆動装置の動作が示されたフローチャートである。
【図7】上記モータ駆動装置の動作が示されたフローチャートである。
【図8】上記モータ駆動装置の動作が示されたフローチャートである。
【図9】上記モータ駆動装置の動作が示されたフローチャートである。
【図10】従来のモータ駆動装置の回路図例である。
【符号の説明】
1 モータ駆動装置
3 制御回路(制御部)
4 駆動回路
5 ステッピングモータ(モータ)
15 電圧切替部(パルス出力部)
16 励磁切替部
16A 第一励磁切替回路
16B 第二励磁切替回路
21 コイル(駆動コイル)
22 コイル(駆動コイル)
32 NOR回路(論理回路)
31 FET(パルス出力部のスイッチング素子)
33 IC(DC−DCコンバータ集積回路)
41〜44 FET(励磁切替部のスイッチング素子)
51〜54 FET(励磁切替部のスイッチング素子)
D1 ダイオード
106 平滑回路
110 インダクタ
111〜114 フライホイールダイオード
131〜144 フライホイールダイオード

Claims (5)

  1. 制御部からの信号に基づいてモータを駆動するドライブパルスを出力するモータ駆動装置であって、
    モータの駆動コイルに接続されて、モータの駆動コイルの励磁の切り替えを行う励磁切替部と、
    前記制御部から信号が入力されるDC−DCコンバータ集積回路と、該DC−DCコンバータ集積回路からの出力信号に基づいて電源電流をスイッチングするスイッチング素子とを備えてドライブパルスを前記励磁切替部に出力するパルス出力部とを備え、
    前記パルス出力部に、前記励磁切替部と並列で、かつ、該励磁切替部と電流の流れる方向が逆となるようにダイオードが配置され、
    前記パルス出力部に前記ドライブパルスの波形を整形するためのインダクタを有する平滑回路を設けることなく、平滑回路により波形が整形されていない前記ドライブパルスを前記モータのインダクタである前記駆動コイルに印加し、前記パルス出力部のスイッチング素子をオフとして前記駆動コイルへの電圧の印加を止めた際に、駆動コイルから生じる誘導電流を前記ダイオードに流すことを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記励磁切替部には、モータの駆動コイルへの電流の切替を行うための複数のスイッチング素子が備えられ、
    前記励磁切替部の各スイッチング素子に対応してフライホイールダイオードを設けることなく、前記パルス出力部のスイッチング素子がオフの状態の際に、前記励磁切替部のスイッチング素子のオンオフの切替を行うことにより、前記パルス出力部のスイッチング素子のオフ時に駆動コイルから生じる誘導電流が流れる前記ダイオードを前記励磁切替部のスイッチング素子のフライホイールダイオードに代えて機能させることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記パルス出力部のスイッチング素子は、前記DC−DCコンバータ集積回路からの信号線と、前記制御部からの信号線とが論理回路を介して両方接続され、
    前記DC−DCコンバータ集積回路からの信号と、前記制御部からの信号との二つの信号のうちの一方の信号に基づいて波高が低い低電圧のパルスを出力し、他方の信号に基づいて前記低電圧のパルスよりも波高が高い高電圧のパルスを出力することを特徴とする請求項1または2記載のモータ駆動装置。
  4. 請求項2記載のモータ駆動装置を用いたモータ駆動方法であって、
    一ステップ角毎にモータを回転させるためにモータの駆動コイルの励磁を切り替える際に、前記パルス出力部のスイッチング素子がオフされて、前記励磁切替部に電圧が印加されていない状態で、前記励磁切替部の各スイッチング素子のオンオフの切り替えを行うことを特徴とするモータ駆動方法。
  5. 請求項3記載のモータ駆動装置を用いたモータ駆動方法であって、
    前記モータの回転状態に対応して、前記低電圧のパルス電圧と、前記高電圧のパルス電圧とを切り替えてモータの駆動コイルに印加することを特徴とするモータ駆動方法。
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