図1に示すこの実施例の弾球遊技機1は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ遊技機であって、遊技盤3の縁に遊技球の外側ガイドレール4及び内側ガイドレール5が略円形に立設されている。前記遊技盤3の盤面(遊技盤の表面)には前記内側ガイドレール5によって囲まれた遊技領域6の中心線上にその上部から下部に向かって順に図柄表示装置7、普通図柄変動開始用中ゲート70、始動入賞装置11、大入賞装置21、アウト口71が配設され、また上方左側には普通図柄変動開始用左ゲート72、その下方に風車77が配設されている。前記始動入賞装置11の左右には左袖入球口73と右袖入球口74、その下方に左落とし入球口75、右落とし入球口76が配設されている。
前記図柄表示装置7は、本発明における電気的装置に相当し、特別図柄表示部8と、前記特別図柄表示部8の左下に組み込まれた普通図柄表示部9とよりなる。前記特別図柄表示部8は、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成される。前記普通図柄表示部9は、前記特別図柄表示部8を構成する液晶表示器の一部を普通図柄表示部の表示領域としている。
前記特別図柄表示部8は、図柄を可変表示可能なものとされ、大当たり判定結果用の特別図柄が所定時間変動表示された後に停止表示可能とされ、停止表示された図柄組合せによって当否判定結果が表示される。本実施例の特別図柄表示部8には、左側表示領域、中央表示領域、右側表示領域の3つの表示領域が設けられ、それぞれの表示領域に『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11』の12種類の特別図柄が表示可能とされている。
前記普通図柄表示部9は、小当たり判定結果用の図柄として記号或いは絵等からなる普通図柄が変動表示及び停止表示可能とされている。本実施例における前記普通図柄表示部9に変動及び停止表示される普通図柄(小当たり判定図柄)は、『0,1,2,3,4,5,6,7,8,9』の10通りの図柄とされており、所定条件に起因して変動及び停止表示される。
前記始動入賞装置11は、上向きに開口して上方から遊技球の入球が可能とされた始動入球口12とその両側に設けられた2つの始動入賞装置用可動片13,14とを備え、背面の始動入賞装置用ソレノイドにより略垂直な平行状態と、略V字形(逆ハの字形)をした拡開状態間を変動可能とされている。前記始動入賞装置用可動片13,14が略垂直な平行状態になると、遊技球が前記始動入球口12に入球し難くなり、それに対し、前記始動入賞装置用可動片13,14が拡開状態になると、遊技球が前記始動入球口12へ入球しやすくなる。本実施例では、前記始動入賞装置用可動片13,14は、通常時に略垂直状態とされ、前記普通図柄表示部9で普通図柄(小当たり判定図柄)が変動した後、予め決められた小当たりの普通図柄で確定停止表示されて小当たり(普通図柄当たり)が表示されることによって、前記拡開状態となる。また、前記始動入賞装置11の背面側には前記始動入球口12に遊技球が入球(入賞)したことを検出する始動入賞検出スイッチが設けられている。
前記大入賞装置21は、両側側部に横方向からの遊技球の入球が可能な大入賞入球口23,24を左右対称に備え、前記大入賞入球口23,24が開閉部材33,34によって開放及び閉鎖(塞ぐこと)が可能とされている。前記開閉部材33,34は、遊技盤背面に設けられた大入賞口用ソレノイドにより可動する。また、前記大入賞入球口23,24への遊技球の入球を検出する大入賞検出スイッチが、前記大入賞入球口23,24にそれぞれ設けられている。なお、前記遊技領域6には遊技球の自由な流下を規制する釘Kが複数設けられている。
前記普通図柄変動開始用中ゲート70及び普通図柄変動開始用左ゲート72の背面には遊技球が前記両ゲート70,72に入球したことを検出する普通図柄変動開始スイッチを備えている。また、前記左袖入球口73と前記右袖入球口74の背面には遊技球が前記左袖入球口73と前記右袖入球口74に入球したことを検出する左袖入球口検出スイッチと右袖入球口検出スイッチを備え、一方、前記左落とし入球口75と前記右落とし入球口76の背面には左落とし入球口検出スイッチと右落とし入球口検出スイッチを備えている。
前記弾球遊技機1の前面側には、枠飾り左ランプ79、枠飾り右ランプ80及び枠飾りランプ81,82、払い出された遊技球を受けるための上側球受け皿84、該上側球受け皿84の飽和時に遊技球を受けるための下側球受け皿85、効果音等を発するスピーカ87、遊技者の発射操作に応じて遊技球を遊技領域6に向けて弾発発射する発射装置91、操作装置101等がそれぞれ組み付けられている。前記発射装置91は、操作ハンドル92の操作により駆動する発射モータを裏側に有し、該発射モータの駆動により遊技球を弾発発射するようになっている。前記発射装置91により発射された遊技球は、前記外側誘導レール4と内側誘導レール5間で構成される発射球誘導路を介して遊技領域6に誘導され、前記遊技領域6を転動しつつ下方へ落下する。
前記操作装置101は、図2にも示すように、本実施例では前記下側球受け皿85の左側に配設されている。前記操作装置101は、本発明における操作手段に相当し、図3〜図5に示すように、操作ボックス103に、押下部材115と、前記押下部材115に一体的に設けられた表示装置125と、前記表示装置125の表示部127の全体または一部の上方に配設されたタッチパネル135と、押下検出手段141とを備える。
前記操作ボックス103は箱状のケースからなり、上面104の中央に略円形の開口部105が形成され、前記開口部105に表装板106が装着されている。
前記表装板106は中央に円形の開口部107を備え、前記操作ボックス103の開口部105の内周縁上面に外周縁側が重なる環状のものであり、裏面には係合爪108が形成されている。前記係合爪108には、筒状部材110の係合爪111が係合して前記表装板106に取り外し可能に取り付けられ、前記押下部材115内の部材が故障した場合などに、前記表装板106と前記筒状部110を分離させて故障部分の交換や再取り付けが容易にされている。前記筒状部材110は、側面上部に前記表装板106の係合爪108と係合する係合爪111が形成され、また、底面112の上側には、略中央部に前記押下検出手段141としてのフォトセンサが配設され、前記押下検出手段141を包囲するように環状リブからなる第2ストッパー113が上向きに立設されている。前記第2ストッパー113は、前記押下部材115が所定量押下された際に前記押下部材115の対向する部位と当接して、それ以上押下されるのを防止する。前記第2ストッパー113の外周にはコイルスプリングSが装着される。また、前記底面112には前記第2ストッパー113の内方位置に、ストッパー挿入孔114が形成されている。
前記筒状部材110の下方にはロック機構が設けられている。前記ロック機構は、ロック部材151と、ロック部材用昇降部材161と、ロック解除ソレノイド171とを備える。
前記ロック部材151は、円盤状の基板152の上側に第1ストッパー153が所要数立設され、また前記基板152の下側に係合突部155が左右に突設されている。前記第1ストッパー153は、ピン状からなり、前記筒状部材110の底面112のストッパー挿入孔114と対応して形成され、前記ストッパー挿入孔114に上下動可能に挿入される。
前記ロック部材用昇降部材161は平面視略コの字状の部材からなり、前記ロック部材151の係合突部155が内側から挿入係合される係合部移動孔165が側面に形成されている。前記係合部移動孔165は、前記係合突部155がスライド可能な長孔からなり、前記ロック部材用昇降部材161の先端側162から基部側163へかけて上方へ傾斜すると共に、前記先端側162及び前記基部側163が略水平な昇降ロック部166,167となっている。前記ロック部材用昇降部材161の基部側163には前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172が先端173で係止され、前記ロック解除ソレノイド171の作動により、前記ロック部材用昇降部材161が前記作動部材172と共に前進後退するようにされている。前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172が最後退位置では、図4や図6の6−A(ロック解除状態、押下可能状態)に示すように、前記ロック部材用昇降部材161の先端側162における前記昇降ロック部166に前記ロック部材151の係合突部155が係合してロック部材151が最低位置となり、前記筒状部材110内への第1ストッパー153の突出量が最も少となって前記第1ストッパー153が最低位置となる。前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172が前記最後退位置から前進すると、前記ロック部材151の係合突部155が前記係合移動孔165の傾斜部を上昇しながら移動し、前記作動部材172が最前進位置になると、図6の6−B(ロック状態、押下不可能状態)に示すように、前記ロック部材用昇降部材161の基部側163における前記昇降ロック部167に前記ロック部材151の係合突部155が係合して、前記ロック部材151が最高位置となり、前記筒状部材110内への第1ストッパー153の突出量が最も大、すなわち第1ストッパー153が最高位置となる。また、前記係合部移動孔165における先端側及び基部側の昇降ロック部166,167は略水平とされているため、前記昇降ロック部166,167の位置では前記ロック部材151の係合突部155の上下動が阻止され、前記ロック部材151が位置固定される。
前記表装板106の中央の開口部107には、前記押下部材115が上下動可能に挿入されている。前記押下部材115は、上側部材116と下側部材119とがネジで螺合された中空円盤状からなり、前記下側部材119の上面に前記表示装置125が固定部材134で固定されている。前記上側部材116は上面117と側面118で構成される蓋形状よりなり、透明材料で構成されている。一方、前記下側部材119は下面において、前記筒状部材110の第2ストッパー113より内方となる位置に、かつ前記第1ストッパー153の真上となる位置に環状リブ120が下向きに形成され、また、前記環状リブ120で包囲された略中央には、前記押下部材115の押下を前記押下検出手段141としてのフォトセンサで検出するための押下検出用突部121が形成されている。前記押下検出用突部121は、前記押下部材115が押下されて所定量下降した際に、前記押下検出手段141としてのフォトセンサの部分に到達して検出可能となり、一方、前記押下部材115が押下されていない通常時あるいは押下不可能状態時には、前記押下検出手段141としてのフォトセンサの上方に位置して前記フォトセンサで検出されない非検出状態となるように、長さが設定されている。前記押下検出突部121が前記押下検出手段141としてのフォトセンサで検出されることによって前記押下が検出されると、後述の制御手段に少なくとも第一の電気信号(制御信号)が送信されるように構成されている。前記押下部材115は、前記下側部材119の下面に前記コイルスプリングSの上端が当接して前記コイルスプリングSによって上方へ付勢されている。さらに、図4に示すように、前記押下部材115がコイルスプリングSで上方へ付勢されて上方位置にあり、かつ前記第一ストッパー153が最低位置にあるときには、前記第1ストッパー153の上端と前記環状リブ120の下端が離れているように設定され、前記押下部材119の押下が可能にされている。一方、図6の6−B(押下不可能状態、ロック状態)に示すように、前記第1ストッパー153が最高位置にあるときは、常に前記第1ストッパー153の上端と前記環状リブ120の下端が当接するように設定され、前記押下部材119が押下不可能にされている。
前記表示装置125は、操作指示表示装置と称することができるものであり、液晶,ドットマトリックス若しくはLED表示装置等の表示装置からなる。本実施例では、液晶表示器(TFT−LCDモジュール)で構成され、上面の表示部127に、前記押下部材115の押下やタッチパネル135の接触に対する指示などが表示される。前記表示装置125は、図示の例では平面視略長方形からなり、その周縁端部が前記固定部材134で固定されている。前記固定部材134は、不透明材料で形成されて前記固定部材134を通して押下部材115内を外部から透視できないようにされると共に、前記表示装置125の周縁端部を前記押下部材115の下側部材119との間で挟持することのできる挟持部126を有し、かつ前記押下部材115の上側部材116と下側部材119の側面間で挟持可能な環状体からなる。
前記タッチパネル135は、表面への接触を検出する接触検出手段を有する公知のものからなり、前記押下部材115の上側部材116の表面において、前記表示装置125の表示部127の全体または一部の上方位置に配設されている。前記タッチパネル135が接触を検出すると、前記第一の電気信号(制御信号)とは異なる第二の電気信号(制御信号)が少なくとも後述の制御手段に送信されるように構成されている。なお、前記タッチパネル135は、前記押下部材115の上側部材116の表面周縁を押下専用部位118として露出させて、前記上側部材116の表面に設けられている。前記押下専用部位118は、前記タッチパネル135に接触することなく前記押下部材115を押下可能にする部分であり、一方、前記タッチパネル135の部分は、前記タッチパネル135への接触と前記押下部材115の押下との両方を行うことが可能な部分である。前記タッチパネル135は、複数の接触検出部(接触検出部)を異なる位置に備え、接触した接触検出部の位置に応じて異なる電気信号(制御信号)を、後述の制御信号に送信可能とされている。また、前記タッチパネル135は、図7に示すように前記表示装置125の表示部127の表示を外部から透視可能な透明あるいは半透明からなる。
また、この例の弾球遊技機1には、プリペイドカードユニット95が接続されている。
なお、図1における符号F1は外枠、F2は外枠F1に取り付けられた前面枠、Gは前面枠F2に開閉可能にヒンジで取り付けられたガラス枠である。前記弾球遊技機1の背面側には、種々の制御基板が遊技の制御のために設けられている。
図9に主な制御基板の電気的接続を簡略に示す。主な制御基板としては、主制御基板201、サブ制御基板202、サブ演出制御基板203、演出制御基板204、音声制御基板205、ランプ制御基板206が挙げられる。各制御基板には制御回路が設けられている。
前記主制御基板201は、CPU、RAM、ROM及び複数のカウンタを有するワンチップマイクロコンピュータを備えており、前記サブ制御基板202と接続されて遊技の当否判定や各制御基板に対する制御等、遊技の主な制御を行う。前記CPUは、制御部、演算部、各種カウンタ、各種レジスタ、各種フラグ等を備え、演算制御を行う他、大当たりや小あたりに関する乱数等を生成し、また前記サブ制御基板202や前記サブ演出制御基板203に制御信号を出力(送信)可能に構成されている。前記RAMは、CPUで生成される各種乱数値用の記憶領域、各種データを一時的に記憶する記憶領域やフラグ、CPUの作業領域を備える。また、前記ROMには、遊技上の制御プログラムや制御データが書き込まれている他、大当たり、小当たりの判定値等が書き込まれている。
前記サブ制御基板202は、ワンチップマイクロコンピュータを備え、前記主制御基板201から送信される制御信号にしたがって前記サブ演出制御基板203や前記演出制御基板204を制御すると共に、前記サブ演出制御基板203からの制御信号にしたがって前記演出制御基板204を制御する。前記サブ制御基板202は前記演出制御基板204と共に、請求項1における「操作手段の操作に応じて電気的装置の作動を開始または作動状態を変化させる制御手段」を構成する。また、前記サブ制御基板202は、前記操作部101の操作により前記図柄表示装置7の作動を変化可能とする作動可能時期において、前記押下検出手段141による検出と前記タッチパネル135による検出の何れか一方または両方を有効とし、一方、前記操作部101の操作による前記図柄表示装置7の作動変化を不可能とする作動不可能時期においては、前記押下検出手段141による検出及び前記タッチパネル135による検出の何れにも無効にする検出制御手段に相当する。
前記サブ演出制御基板203は、ワンチップマイクロコンピュータを備え、前記表示装置125、前記タッチパネル135、前記押下部材の押下検出手段141、前記ロック解除ソレノイド171と接続され、押下検出信号及びタッチパネル接触信号の受信や、前記表示装置125及び前記ロック解除ソレノイド171に対する制御を行う。
前記演出制御基板204は、ワンチップマイクロコンピュータを備え、前記図柄表示装置(本発明の電気的装置)7と接続されて前記図柄表示装置7の作動の制御を行うと共に、前記音声制御基板205及び前記ランプ制御基板206と接続されて前記スピーカ87及びランプ79〜82の制御を行う。
ここで、前記押下部材115による押下と前記タッチパネル135の接触について制御信号の流れについて説明する。
前記弾球遊技機1において、前記押下部材115を、図4あるいは図6の6−Aに示す押下可能状態(ロック解除状態)にする場合、前記サブ演出制御基板203から前記ロック解除ソレノイド171へロック解除信号(ロック解除コマンド)が送られて前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172が最前進位置へ移動し、それにより前記ロック部材151が下降して前記ストッパー部153が、前記押下部材115の環状リブ120の下端から離れる。一方、図6の6−Bに示す押下不可能状態(ロック状態)にする場合、前記サブ演出制御基板203からロック解除信号(ロック解除コマンド)は送信されない。また、前記ロック解除信号が送信されない前記押下不可能状態時には、前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172が最後退位置へ移動し、それにより前記ロック部材151が上昇して前記ストッパー部153が、前記押下部材115の環状リブ120の下端と当接した状態となる。
また、遊技者が前記押下部材115を押下すると、前記押下検出手段141により押下が検出され、その押下検出信号が前記サブ演出制御基板203に送信され、前記サブ制御基板202から押下による演出制御信号(第一の電気信号)が前記演出制御基板204に送信され、前記図柄表示装置7の作動が変化する。前記図柄表示装置7における作動の変化例として、前記図柄表示装置7の特別図柄表示部8において飛行機が表示されている場合に、前記押下部材115が押下されると、飛行機がミサイルを発射したり、あるいは、前記特別図柄表示部8において特別図柄がリーチ状態、すなわち変動中の特別図柄が、大当たり図柄組み合わせで停止すると遊技者に思わせる表示状態となった場合などに、前記押下部材115が押下されると、前記特別図柄表示部8における表示状態(特別図柄変動の仕方、キャラクターの種類、背景の種類)が変化したりする例を挙げる。
一方、遊技者が前記タッチパネル135に接触してその接触が検出されると、接触検出信号が前記サブ演出制御基板203に送信され、前記サブ制御基板202から接触による演出制御信号(第二の電気信号)が前記演出制御基板204に送信され、前記図柄表示装置7の作動が変化する。前記図柄表示装置7における作動の変化例として、前記図柄表示装置7の特別図柄表示部8においてUFOが表示されている場合に、前記タッチパネル135に設けられている上、下、左、右側の各接触検出部に接触することにより、UFOを上、下、左、右へ移動する例を挙げることができる。
また、前記押下部材115の押下と前記タッチパネル135の接触が同時に行われて、前記押下検出手段141により押下が検出されると同時に前記タッチパネル135により接触が検出されると、押下検出信号及び接触検出信号が前記サブ演出制御基板に送信され、二種類の演出制御信号(第一の電気信号と第二の電気信号)が前記演出制御基板204に送信され、前記押下と接触操作に対応して前記図柄表示装置7の作動が変化する。この場合における前記図柄表示装置7における作動の変化例として、前記図柄表示装置7の特別図柄表示部8において飛行機とUFOが表示され、UFOへ向けて飛行機からミサイルを発射する場合に、前記タッチパネル135における上、下、左、右側の各接触検出部に接触することにより、ミサイルの発射方向を上、下、左、右に定めると共に、前記タッチパネル135への接触と同時に行われる前記押下部材115の押下によってミサイルを発射させる例を挙げることができる。
さらに、遊技の進行に応じて遊技者に前記押下操作や前記タッチパネルへの接触操作を指示する場合(例えば図7及び図8に示した例の場合)には、前記サブ演出制御基板203から前記操作装置101の表示装置125に制御信号が送信される。
ここで、前記弾球遊技機1が行う遊技及び遊技球の流れについて一例を簡単に説明する。前記弾球遊技機1では、前記発射装置91により遊技領域6へ向けて発射された遊技球が、前記普通図柄変動開始用中ゲート70及び普通図柄変動開始用左ゲート72を通過すると、小当たり判定・普通図柄決定用乱数値が取得され、その取得乱数値に基づいて普通図柄の当たり(小当たり)判定が行われ、前記普通図柄表示部9で普通図柄が変動を開始し、所定時間変動後に停止する。その際、普通図柄の当たり判定結果が小当たりの場合には、小当たり普通図柄、この例では奇数で停止し、前記始動入賞装置11の2つの可動片13,14が背面の始動入賞装置用ソレノイドによって略垂直で入賞し難い狭小開放状態(通常状態)から略V字形(逆ハの字形)の入賞し易い拡開開放状態に変化し、遊技球が始動入球口12に入賞(入球)し易くなる。そして、前記始動入球口12に遊技球が入賞すると、所定数の遊技球が賞球として払い出される。
また、前記始動入球口12に遊技球が入賞すると、大当たり当否判定用乱数値が取得され、前記取得された大当たり当否判定用乱数値に基づいて大当たりの当否判定が行われ、前記特別図柄表示部8で特別図柄が変動を開始すると共にキャラクターの登場等による演出が行われ、また所定時間変動後に停止する。
前記大当たりの当否判定結果が大当たりの場合には、前記図柄表示部7の特別図柄表示部8に大当たり確定特別図柄組合せ、この例では『1,1,1』(いわゆる‘1’のぞろ目)や『2,2,2』(いわゆる‘2’のぞろ目)等、同一数字の組合せ)で停止表示され、遊技者に有利な特別遊技(大当たり遊技)に移行する。前記特別遊技になると、前記大入賞装置21における前記開閉部材33,34が、遊技球が前記大入賞入球口23,24へ入球し難い、あるいは入球不可能な状態から、前記遊技球が前記大入賞入球口23,24へ入球し易い状態へ略扇形形状に回動して前記大入賞入球口23,24が開放される。
前記大入賞入球口23,24が開放状態のときに前記遊技領域6を流下する遊技球が前記大入賞入球口23,24に入賞(入球)すると、その入賞(入球)を前記大入賞検出スイッチにより検出し、入球数をカウントする。そして前記開閉部材33,34は、所定時間(例えば29.5秒)経過後、或いは大入賞検出スイッチのカウント数が所定個数(例えば10個)となった時点で閉じる。なお、前記大入賞入球口23,24への入賞が検出されると、所定数の遊技球が賞球として遊技者に払い出される。
また、前記図柄表示部7の特別図柄表示部8において、例えばリーチ状態、すなわち前記変動中の特別図柄が最後に停止する特別図柄を除いて大当たり停止図柄の組み合わせとなる表示状態や大当たりになると思わせる表示状態となった場合などに、前記表示装置125に、例えば図7に示すように「PUSH」の文字が表示されると、その表示にしたがって前記押下部材115(タッチパネル135の部分あるいは押下専用部位118の何れの部位でも可)を押下すると、前記特別図柄表示部8における表示状態(特別図柄変動の仕方、キャラクターの種類、キャラクターの作動、背景の種類等)を変化させることができる。このとき、前記押下部材115は、前記ロック機構により押下可能状態とされ、また前記サブ演出制御基板203において前記タッチパネル135による接触検出が無効とされている。
一方、前記特別図柄表示部8において、例えばキャラクターの選択画面の遊技状態となった場合やキャラクターの移動方向を定める遊技状態となった場合などに、前記表示装置125に、例えば図8のように上下左右を示す矢印が表示されると、何れかの矢印の位置で前記タッチパネル135に接触すると、その接触位置に応じてキャラクターを選択したり、キャラクターの移動方向を定めたりすることができる。なお、このとき、前記ロック機構により前記押下部材115が押下不可能状態とされると共に、前記サブ制御基板202における押下検出無効手段により、前記押下検出手段141での押下検出が無効とされている。なお、前記操作装置(操作手段)101により前記図柄表示装置7の作動を変化可能とする作動可能時期と、変化不可能とする作動不可能時期は、それぞれ異なる時期として設定され、前記のように、作動可能時期においては前記押下検出手段141による検出と前記タッチパネル135による検出の何れか一方または両方(本実施例では一方のみ)が有効とされ、それに対し、作動不可能時期においては前記押下検出手段141による検出及び前記タッチパネル135による検出の何れにも無効となるように制御されている。
また、前記作動可能時期においては、前記ロック機構により押下可能状態(図6の6−A)から押下不可能状態(図6の6−B)に移行することに起因して、前記タッチパネル135による検出が可能となるように、前記サブ制御基板202により制御されている。
前記操作装置(操作手段)101の制御に関し、前記サブ制御基板203により行われるサブ処理の一例について説明する。
サブ処理では、図10のフローに示すように、ロック解除ソレノイド処理(S100)と、押下部材・タッチパネル制御処理(S200)が行われる。
前記ロック解除ソレノイド処理(S100)では、図11に示すように、前記操作部101の操作による演出を行うか否か判断され(S101)、前記操作部101の操作による演出を行うと判断された場合には、さらに前記タッチパネル135の接触及び押下部材115の押下の両方による演出か(S102)、前記タッチパネル135の接触操作のみによる演出あるいは前記押下部材115の押下操作のみによる演出であるか(S103)判断される。
前記操作部101の操作による演出を行わないと判断された場合、すなわち前記タッチパネル135の接触操作及び前記押下部材115の押下操作による何れによる演出も行わないと判断された場合には、前記ロック解除ソレノイドOFF信号、すなわち本実施例では前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172を、図6の6−Bに示すように前進位置として前記押下部材115を押下不可能状態にする制御信号が、前記サブ演出制御基板203へ出力される(S104)。
それに対して、前記タッチパネル135の接触操作及び前記押下部材115の押下操作の両方による演出を行うと判断された場合、あるいは押下部材115の押下操作のみによる演出を行うと判断された場合、前記ロック解除ソレノイドON信号、すなわち本実施例では前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172を、図4及び図6の6−Aに示すように後退位置として前記押下部材115を押下不可能状態にする制御信号が、前記サブ演出制御基板203へ出力される(S105)。
また、前記タッチパネル135の接触操作のみによる演出と判断された場合、前記ロック解除ソレノイドOFF信号、すなわち本実施例では前記ロック解除ソレノイド171の作動部材172を、図6の6−Bに示すように前進位置として前記押下部材115を押下不可能状態にする制御信号が、前記サブ演出制御基板203へ出力される(S106)。
前記押下部材・タッチパネル制御処理(S200)では、図12のフローに示すように、前記操作部101の操作による演出を行うか否か判断され(S201)、前記操作部101の操作による演出を行うと判断された場合には、さらに前記タッチパネル135の接触操作及び前記押下部材115の押下操作の両方による演出(S202)か、あるいは前記タッチパネル135の接触操作のみによる演出あるいは前記押下部材115の押下操作のみによる演出(S203)であるか判断される。
前記操作部101の操作による演出を行わないと判断された場合、すなわち前記タッチパネル135の接触操作及び前記押下部材115の押下操作の何れによる演出も行わないと判断された場合には、後述のタッチパネル操作無効処理(タッチ検出無効手段に相当)(S204)に次いで、押下部材操作無効処理(押下検出無効手段に相当)(S205)が行われる。
一方、前記押下部材115の押下操作のみによる演出と判断された場合には、後述のタッチパネル操作無効処理(タッチ検出無効手段に相当)(S206)に次いで押下部材操作検出処理(押下検出処理に相当)(S207)が行われる。
それに対し、前記タッチパネル135の接触操作のみによる演出と判断された場合には、後述の押下部材操作無効処理(押下検出無効手段に相当)(S208)に次いでタッチパネル操作検出処理(タッチ検出処理に相当)(S209)が行われる。
また、前記タッチパネル135の接触操作及び前記押下部材151の押下操作の両方による演出と判断された場合、後述の押下部材操作検出処理(押下検出処理に相当)(S210)に次いでタッチパネル操作検出処理(タッチ検出処理に相当)(S211)が行われる。
前記操作部101の操作による演出を行わないと判断された場合に行われる前記タッチパネル操作無効処理(S204)では、図13のフローに示すように、前記タッチパネル135の接触検出信号有無が判断され(S204−1)、接触検出信号が有る(タッチパネル135の接触が検出された)場合には接触検出信号が破棄された(S204−2)後、前記タッチパネル操作無効処理(S204)が終了し、一方前記接触信号が無い場合には、そのまま前記タッチパネル操作無効処理(S204)が終了する。
前記タッチパネル操作無効処理(S204)に次いで行われる前記押下部材操作無効処理(S205)では、図14のフローに示すように、前記押下部材115の押下検出信号有無が判断され(S205−1)、押下検出信号が有る(押下部材115の押下が検出された)場合には押下検出信号が破棄された(S205−2)後、前記押下部材操作無効理(S205)が終了し、一方前記押下検出信号が無い場合には、そのまま前記押下部材操作無効処理(S205)が終了する。
前記押下部材115の押下操作のみによる演出と判断された場合に行われる前記タッチパネル操作無効処理(S206)は、図13のフローに示した前記タッチパネル操作無効処理(S204)と同様である。
前記タッチパネル操作無効処理(S206)に次いで行われる前記押下部材操作検出処理(S207)では、図15のフローに示すように、前記押下部材115の押下による押下検出信号有無が判断され(S207−1)、押下検出信号が無い場合には、そのまま前記押下部材操作検出処理(S207)が終了し、一方、押下検出信号がある場合には前記特別図柄表示部8における表示の変化を行わせる制御信号(電気信号)が前記演出制御基板204に送信された(S207−2)後に、前記押下部材操作検出処理(S207)が終了する。
前記タッチパネル135の接触操作のみによる演出と判断された場合に行われる前記押下部材操作無効処理(S208)は、図14のフローに示した、前記押下部材操作無効処理(S205)と同様である。
前記押下部材操作無効処理(S208)に次いで行われる前記タッチパネル操作検出処理(S209)では、図16のフローに示すように、前記タッチパネル135に設けられている右、左、上、下の4カ所の接触検出部において何れの位置の検出部で接触が検出されたか、あるいは何れの位置でも接触が検出されなかったか判断される(S209−1〜S209−4)。前記タッチパネル135において右接触検出部で接触が検出された場合には、例えば前記特別図柄表示部8でキャラクターを右へ移動させる制御信号(電気信号)が前記演出制御基板204へ送信され(S209−5)、左接触検出部で接触が検出された場合には、例えば前記特別図柄表示部8でキャラクターを左へ移動させる制御信号(電気信号)が前記演出制御基板204へ送信され(S209−6)、上接触検出部で接触が検出された場合には、例えば前記特別図柄表示部8でキャラクターを上へ移動させる制御信号(電気信号)が前記演出制御基板204へ送信され(S209−7)、下接触検出部で接触が検出された場合には、例えば前記特別図柄表示部8でキャラクターを下へ移動させる制御信号(電気信号)が前記演出制御基板204へ送信される(S209−8)。それに対し、前記タッチパネル135において、何れの位置の接触検出部でも接触が検出されなかった場合には、そのまま前記タッチパネル操作検出処理(S209)が終了する。
前記タッチパネル135の接触操作及び前記押下部材115の押下操作の両方による演出を行うと判断された場合に行われる前記押下部材操作検出処理(S210)は、図15のフローに示した前記押下部材操作検出処理(S207)と同様であり、また、前記押下部材操作検出処理(S210)に次いで行われる前記タッチパネル操作検出処理(S211)は、図16に示した前記タッチパネル操作検出処理(S209)と同様である。
本実施例では、前記構成としたことにより、一つの操作手段により複数の電気信号(制御信号)を送信して電気的装置を異なる態様で作動させることが可能であり、制限ある遊技機の場所を効率よく複数の操作が可能な操作手段を設けることが可能となったのである。
なお、本発明は、前記実施例に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、前記押下部材の押下を、時間内に1回の押下のみに限定したり、あるいは時間内であれば複数回押下可能にしたりしてもよい。1回のみの押下可能の場合には、遊技者が複数回押下したとしても最初の押下検出のみ有効として、2回目以降の押下検出については無効にし、一方、複数回押下可能の場合には、時間内であれば遊技の演出に応じて押下を繰り返し行うのを可能にする等である。
また、前記実施例では電気的装置を図柄表示装置としたが、前記電気的装置はモータやソレノイド等により作動する駆動物であってもよい。さらに、操作手段の操作により電気的装置の作動を開始または作動状態変化させる態様は、電気的装置が駆動物の場合には、作動(駆動)を開始したり、動く態様を変化させたりしてもよい。