以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態であるパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、パチンコ機1の機械的構成について、図1および図2を参照して説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は正面視略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の上部中央には、遊技者によって操作される操作ボタン9が配設されている。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、LCD(液晶ディスプレイ)等で構成される表示画面28が配設されている。表示画面28は、動画、メッセージ等の様々な映像を表示する。特に、表示画面28は、大当たり判定の結果を報知するためのデモ図柄を表示する。パチンコ機1は、複数(本実施形態では3つ)のデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せを確定表示させる演出(以下、「報知演出」という。)を実行することで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。報知演出中に表示画面28に表示される映像を、報知映像という。
表示画面28の直下には、期待度表示部10が設けられている。期待度表示部10は、大型の7セグメントを2つ横並びに備えており、2桁の数字、文字、記号等を表示することができる。詳細は後述するが、パチンコ機1は、大当たりに対する期待度を期待度表示部10で表示することができる。本実施形態では、大当たりに対する期待度は「0」が最も低く、値が上昇する程期待度は高くなる。期待度が「100」以上となると、大当たりが確定する。つまり、判定結果が大当たりである場合のみ、「100」以上の期待度が表示される。
期待度表示部10の下方には、第一特別図柄始動入賞口14が設けられている。表示画面28の右方には普通図柄始動ゲート12が設けられており、普通図柄始動ゲート12の下方には第二特別図柄始動電動役物15が配設されている。第二特別図柄始動電動役物15の左斜め下方には、Vアタッカー17と通常アタッカー16とが並べて設けられている。
第二特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備える。第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材は、下端を中心として前後方向に揺動可能である。開閉部材が前方に揺動して開放状態となると、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞が容易になる。通常アタッカー16およびVアタッカー17も、前後方向に揺動可能な開閉部材を備える。遊技球は、開閉部材が開放した状態でのみ、通常アタッカー16およびVアタッカー17に入賞できる。各開閉部材はソレノイドによって電気的に開閉される。
図示しないが、Vアタッカー17に入賞した遊技球の流路には、特定領域および非特定領域が形成されている。パチンコ機1では、大当たり遊技中に遊技球がVアタッカー17内の特定領域を通過することが、大当たり遊技終了後に確率変動状態を生起する条件となっている。本実施形態では、Vアタッカー17は1回の大当たり遊技中に1回開放される。Vアタッカー17の開放パターンには、1回の開放動作で最大13秒開放される長時間開放パターンと、最大0.3秒しか開放されない短時間開放パターンとがある。短時間開放パターンの場合には、Vアタッカー17に遊技球が入賞する確率は低い。そして、大当たり遊技の種類には、長時間開放パターンが選択される長時間開放大当たりと、短時間開放パターンが選択される短時間開放大当たりとが設けられている。よって、長時間開放大当たりとなるか否かによって、確率変動状態が生起される割合は変化する。
遊技領域4の右斜め下部には図柄表示部8が設けられている。図柄表示部8は、普通図柄表示部、第一特別図柄表示部、第二特別図柄表示部、普通図柄記憶数表示LED、第一特別図柄記憶数表示LED、および第二特別図柄記憶数表示LEDを備える。普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過すると普通当たり判定が行われて、判定結果が普通図柄表示部に表示される。第一特別図柄始動入賞口14へ遊技球が入賞すると、第一大当たり判定が行われ、判定の結果に応じて複数の特別図柄のうちの1つが第一特別図柄表示部に表示される。第二特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞すると、第二大当たり判定が行われ、その判定の結果は第二特別図柄表示部に表示される。
普通図柄記憶数表示LEDは、普通図柄作動保留球数を4つまで表示する。普通図柄作動保留球数とは、普通図柄始動ゲート12を通過し、且つ普通図柄表示部に普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第一特別図柄記憶数表示LEDは、第一特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第一特別図柄作動保留球数とは、第一特別図柄始動入賞口14に入賞し、且つ第一大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。第二特別図柄記憶数表示LEDは、第二特別図柄作動保留球数を4つまで表示する。第二特別図柄作動保留球数とは、第二特別図柄始動電動役物15に入賞し、且つ第二大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数である。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。図3に示すように、制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47等を備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演出処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。CPU51は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、第一始動スイッチ72、および第二始動スイッチ73に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。第一始動スイッチ72は、第一特別図柄始動入賞口14に入賞した遊技球を検出する。第二始動スイッチ73は、第二特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、操作ボタンスイッチ11、およびスピーカ48に接続している。操作ボタンスイッチ11は、操作ボタン9(図1参照)の操作を検出し、検出結果をサブ制御基板58に出力する。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンド、および操作ボタンスイッチ11の検出結果に従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は、期待度表示部10の表示、各種照明の動作等を制御する。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、電動役物開閉ソレノイド69、通常アタッカー開閉ソレノイド70、およびVアタッカー開閉ソレノイド71が接続されている。電動役物開閉ソレノイド69は、普通当たり遊技中に第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。通常アタッカー開閉ソレノイド70は、大当たり遊技中に通常アタッカー16の開閉部材を開閉する。Vアタッカー開閉ソレノイド71は、大当たり遊技中にVアタッカー17の開閉部材を開閉する。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ74、通常アタッカースイッチ75、特定領域スイッチ76、および非特定領域スイッチ77が接続されている。普通図柄作動スイッチ74は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。通常アタッカースイッチ75は、通常アタッカー16に入賞した遊技球を検出する。特定領域スイッチ76は、Vアタッカー17内の特定領域を通過した遊技球を検出する。非特定領域スイッチ77は、Vアタッカー17内の非特定領域を通過した遊技球を検出する。さらに、中継基板47には図柄表示部8が接続されている。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施の形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、主基板41のRAM52の記憶エリアについて説明する。RAM52には、カウンタ記憶エリア5201、入賞球フラグ記憶エリア5202、普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、第一大当たり関係情報記憶エリア5205、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、第二大当たり関係情報記憶エリア5207、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208、コマンド関係記憶エリア5209、およびフラグ関係記憶エリア5210が設けられている。
カウンタ記憶エリア5201は、各種のカウンタを記憶する。入賞球フラグ記憶エリア5202は、普通図柄始動ゲート12および各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する。普通当たり関係情報記憶エリア5203は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204は、普通図柄作動保留球数を記憶する。第一大当たり関係情報記憶エリア5205は、第一特別図柄始動入賞口14への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206は、第一特別図柄作動保留球数を記憶する。第二大当たり関係情報記憶エリア5207は、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208は、第二特別図柄作動保留球数を記憶する。コマンド関係記憶エリア5209は、主基板41から他の基板等へ出力される制御コマンドを記憶する。フラグ関係記憶エリア5210は、入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶されるフラグ以外の各種フラグを記憶する。
図5を参照して、RAM52の第一大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。第二大当たり関係情報記憶エリア5207の構成は、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の構成と同じであるため、説明を簡略化する。第一大当たり関係情報記憶エリア5205および第二大当たり関係情報記憶エリア5207は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図8および図9参照)において使用される。第一大当たり関係情報記憶エリア5205には複数の記憶エリアが設けられている。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の若い記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号が若い記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が若い記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、第一大当たり判定カウンタの値が記憶される第一大当たり乱数欄、第一特別図柄決定カウンタの値が記憶される第一特別図柄決定乱数欄、および、第一変動パターン決定カウンタの値が記憶される第一変動パターン決定乱数欄が設けられている。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。第一大当たり乱数は、第一大当たり判定のために用いられる。第一特別図柄決定乱数は第一特別図柄を決定するために用いられる。第一変動パターン決定乱数は、大当たり判定の結果を報知する報知演出の演出パターン(デモ図柄の変動パターン)を決定するために用いられる。なお、普通当たり関係情報記憶エリア5203(図4参照)も、第一大当たり関係情報記憶エリア5205および第二大当たり関係情報記憶エリア5207と同様に構成されている。
図6を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターンとは、大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられるデモ図柄の変動のパターンである。この変動パターンによって、第一特別図柄表示部および第二特別図柄表示部に表示される特別図柄の変動時間(デモ図柄の変動時間に等しい)と、特別図柄の変動に同期して表示画面28、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに基づいて報知演出を制御する。
特別図柄変動パターン決定テーブルには、大当たり判定の種類(第一大当たり判定または第二大当たり判定)、大当たり判定時の遊技状態(通常状態中または時短状態中)、および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。大当たり判定が行われると、大当たり判定の種類、遊技状態、および判定結果に応じたテーブルが参照され、大当たり乱数と共に取得されている変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが決定される。主基板41は、決定した変動パターンを指定するコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、指定された変動パターンに応じて報知演出を制御する。
本実施形態では、表示画面28で基本映像のみを表示させる変動パターンと、基本映像の途中に期待度映像等を挿入する変動パターン(以下、「期待度表示パターン」という。)とが設けられている。期待度表示パターンに従って実行される報知演出を、期待度演出という。
基本映像とは、単独で演出が完結する一連の報知映像である。パチンコ機1は、基本映像のみを表示させて大当たり判定の結果を遊技者に報知することも可能である。図6に示すテーブルでは、「ノーマルリーチ」、「リーチ演出A」、および「リーチ演出B」を実行する基本映像が例示されている。基本映像によって実行されるリーチ演出では、左および右に同一のデモ図柄が停止した状態で種々の演出が実行された後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せが確定表示される。なお、リーチ演出とは、大当たりの可能性があることを示す演出であり、左右に同一のデモ図柄が停止してリーチ状態となった後に行われる。
期待度映像とは、大当たり判定(第一大当たり判定および第二大当たり判定)の結果が大当たりであることの期待度を遊技者に通知するために表示される報知映像である。本実施形態のパチンコ機1は、期待度映像を表示している際に、操作ボタン9(図1および図3参照)の操作回数に基づいて、表示している期待度を上昇させる。詳細は後述するが、サブ制御基板58は、判定結果が大当たりである場合の方が、期待度の上昇割合として高い割合を選択し易い。よって、期待度が高い値になれば、遊技者は判定結果が大当たりであることを強く期待することができる。
期待度表示パターンには、「通常期待度パターン」、「期待度上乗せパターン」、「自動上昇パターン」、および「一撃確定パターン」の4つの変動パターンが含まれている。「通常期待度パターン」は、基本映像に通常の(つまり、後述する一撃確定パターンにおける期待度映像以外の)期待度映像のみが挿入される変動パターンである。「期待度上乗せパターン」は、期待度映像と追加期待度映像とが基本映像に挿入され得る変動パターンである。追加期待度映像とは、期待度映像の表示中に上昇された期待度を再度上昇させるための報知映像である。「自動上昇パターン」は、期待度映像と自動上昇映像とが基本映像に挿入され得る変動パターンである。自動上昇映像とは、操作ボタン9の操作に関わらず、「100」以上の値まで期待度を自動的に上昇させるための報知映像である。「一撃確定パターン」では、操作ボタン9の1回の操作のみで期待度を「100」に上昇させる期待度映像が、基本映像に挿入される。「自動上昇パターン」および「一撃確定パターン」は、判定結果が大当たりである場合にのみ選択(決定)され得る変動パターンである。各変動パターンが選択された場合に実行される具体的な演出の内容については、図面を参照して後述する。
基本映像が表示される場合、途中で他の映像(具体的には、自動上昇映像または大当たり確定映像)に差し替えられる場合を除き、期待度映像が挿入されるか否かに関わらず、同一の基本映像が同一の時間(本実施形態では60秒)だけ表示される。そして、基本映像の途中で挿入される期待度映像および追加期待度映像の各々の表示時間は、共に10秒である。従って、「通常期待度パターン」の変動時間(つまり、報知演出の演出時間)は70秒(60秒+10秒)、「期待度上乗せパターン」の変動時間は80秒(60秒+10秒+10秒)となる。
図6に示すように、判定結果が大当たりである場合には、「基本映像のみが表示される変動パターン」、「通常期待度パターン」、「期待度上乗せパターン」の順に、選択される割合が高くなる。一方で、判定結果がはずれである場合には、「基本映像のみが表示される変動パターン」、「通常期待度パターン」、「期待度上乗せパターン」の順に、選択される割合が低くなる。従って、基本映像のみが表示される場合よりも、期待度映像が挿入される場合の方が、遊技者は大当たりに対する高い期待を抱くことができる。また、期待度映像のみが挿入される場合よりも、追加期待度映像がさらに挿入される場合の方が、より高い期待を抱くことができる。
図7から図9を参照して、パチンコ機1の主基板41による動作について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12および各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に、通常アタッカー16およびVアタッカー17の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後の遊技状態に関する処理とが行われる。詳細には、大当たり遊技中に、Vアタッカー17内の特定領域を遊技球が通過していれば、大当たり遊技終了後に確率変動時短状態が生起される。特定領域を遊技球が通過していなければ、非確率変動時短状態が生起される。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、および変動パターンの決定等の処理が行われる(図8および図9参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作(第二特別図柄始動電動役物15の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く第二特別図柄始動電動役物15を開放させる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ74が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率よりも高い。普通図柄の変動時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図8および図9を参照して、特別図柄処理(S14)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリア5210(図4参照)には、大当たり遊技状態フラグ、表示状態フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。表示状態フラグは、特別図柄が変動している場合に「1」、停止表示されている場合に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
図8に示すように、特別図柄処理が開始されると、第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S21)。第一特別図柄始動入賞口14に設けられた第一始動スイッチ72が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、入賞球フラグ記憶エリア5202の第一始動スイッチ72に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S21:NO)、処理はそのままS25の判断へ移行する。第一特別図柄始動入賞口14に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かが判断される(S22)。「4」であれば(S22:YES)、保留球数は保留することができる上限に達しているため、処理はそのままS25の判断へ移行する。
第一特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。各種乱数が取得され、第一大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)のうち、番号が最も若い記憶エリアに記憶される(S24)。具体的には、第一大当たり乱数欄には第一大当たり判定カウンタの値が、第一特別図柄決定乱数欄には第一特別図柄決定カウンタの値が、第一変動パターン決定乱数欄には第一変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。
次いで、第二特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞に関する処理が行われる。まず、第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞しているか否かが判断される(S25)。第二特別図柄始動電動役物15に設けられた第二始動スイッチ73に対応するフラグが「OFF」となっており、遊技球が入賞していないと判断された場合には(S25:NO)、処理はそのままS31の判断へ移行する。第二特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していれば(S25:YES)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「4」であるか否かが判断される(S26)。「4」であれば(S26:YES)、この遊技球についての乱数は記憶できないので、処理はそのままS31の判断へ移行する。
第二特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S26:NO)、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値に「1」が加算される(S27)。各種乱数が取得されて、第二大当たり関係情報記憶エリア5207に記憶される(S28)。処理はS31の判断へ移行する。
次いで、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S31)。大当たり遊技状態フラグが「ON」となっており、大当たり遊技状態中であると判断された場合には(S31:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態中でなければ(S31:NO)、2つの特別図柄表示部のいずれかが変動中であるか否かが判断される(S32)。表示状態フラグが「1」でなく、いずれも変動中でなければ(S32:NO)、2つの特別図柄表示部のいずれかが停止表示中であるか否かが判断される(S33)。表示状態フラグが「2」でなく、いずれも停止表示中でなければ(S33:NO)、処理はS34(図9参照)へ移行し、大当たり判定が行われる。
図9に示すように、まず、第二特別図柄作動保留球の数が「1」以上であるか否かが判断される(S34)。「1」以上であり、第二特別図柄作動保留球が存在すれば(S34:YES)、第二大当たり判定が行われるが、詳細は後述する。第二特別図柄作動保留球の数が「0」であれば(S34:NO)、第一特別図柄作動保留球の数が「1」以上であるか否かが判断される(S35)。「0」であれば(S35:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
第一特別図柄作動保留球の数が「1」以上であれば(S35:YES)、第一特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算され(S36)、第一大当たり判定が行われる(S37)。第一大当たり判定は、確率変動状態中であるか否かに応じた判定テーブルが参照され、第一大当たり関係情報記憶エリア5205の第一大当たり乱数欄の値によって行われる。次いで、特別図柄変動パターン決定テーブル(図6参照)のうち、大当たり判定の種類、遊技状態、および判定結果に応じたテーブルによって変動パターンが決定される。さらに、特別図柄が決定される。具体的には、判定結果が大当たりであれば(S38:YES)、第一大当たりであることを示す変動パターンのうちの1つが第一変動パターン決定乱数欄の値によって決定される(S39)。変動パターンが決定されると、特別図柄の変動が開始される。次いで、第一大当たりであることを示す第一特別図柄のうちの1つが、第一大当たり特別図柄決定乱数欄の値によって決定される(S40)。第一大当たり判定の場合、長時間開放大当たりとなる割合は50%である。処理はS51へ移行する。判定結果がはずれであれば(S38:NO)、はずれを示す変動パターンのうちの1つが決定されて(S41)、処理はS51へ移行する。なお、はずれの場合の特別図柄は「――」の1種類である。
また、第二特別図柄作動保留球が存在する場合には(S34:YES)、第一大当たり判定と同じ流れで第二大当たり判定が行われる。まず、第二特別図柄作動保留球数記憶エリア5208の値が「1」減算され(S43)、確率変動状態中であるか否かに応じて第二大当たり判定が行われる(S44)。大当たりであれば(S45:YES)、第二大当たりであることを示す変動パターンが決定され(S46)、さらに第二大当たりであることを示す第二特別図柄が決定されて(S47)、処理はS51へ移行する。第二大当たり判定の場合、長時間開放大当たりとなる割合は100%である。判定結果がはずれであれば(S45:NO)、はずれを示す変動パターンが決定されて(S48)、処理はS51へ移行する。
大当たり判定が終了すると、決定した変動パターンを指定するための変動パターン指定コマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリア5209に記憶される(S51)。変動パターン指定コマンドは、次回実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、サブ制御基板58に送信される。決定された変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S52)。特別図柄表示部のいずれかが変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S53)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図8に示すS32の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄表示部のいずれかが変動中であると判断された場合には(S32:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S54)。S52(図9参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S54:YES)、RAM52に特別図柄停止コマンドが記憶される(S55)。このコマンドは、次のメイン処理においてサブ制御基板58および中継基板47に送信され、表示画面28のデモ図柄、および特別図柄表示部の変動停止を指示する。次いで、所定の停止表示時間(例えば、0.6秒)が特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S56)。特別図柄表示部のいずれかが停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S57)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S54の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S54:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S33の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄表示部のいずれかが停止表示中であると判断された場合には(S33:YES)、S56でセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S59)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S59:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S59:YES)、特別図柄表示部が共に変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が、表示状態フラグに記憶される(S60)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S61)、処理はメイン処理へ戻る。遊技状態移行処理(S61)では、判定結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。また、時短状態および確率変動状態の終了条件(例えば、はずれが所定回数連続すること)が満たされていれば、これらの遊技状態が終了し、非時短状態および非確率変動状態へ移行される。
図10から図20を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、期待度演出を実行する変動パターン(期待度表示パターン)が主基板41によって指定された場合には、基本映像に期待度映像が挿入されることで、大当たり判定の結果が期待度を用いて遊技者に報知される。サブ制御基板処理は、ROM583に記憶されている制御プログラムに従って、CPU581によって実行される。
図10に示すように、サブ制御基板処理が開始されると、まず、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S71)。受信した場合(S71:YES)、コマンドによって指定されている変動パターンが、期待度演出を実行する期待度表示パターンであるか否かが判断される(S72)。期待度表示パターンでなければ(S72:NO)、指定された変動パターンに応じて報知演出が制御され(S73)、処理はS71の判断へ戻る。期待度表示パターンが指定されると(S72:YES)、期待度演出を制御するための期待度演出処理が実行されて(S74)、処理はS71の判断へ戻る。期待度演出処理の詳細については後述する。
主基板41から変動パターン指定コマンドを受信していなければ(S71:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S75)。受信していなければ(S75:NO)、処理はS71の判断へ戻る。特別図柄停止コマンドを受信すると(S75:YES)、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せが確定表示されて報知演出が終了し(S76)、処理はS71の判断へ戻る。なお、サブ制御基板処理では、大当たり遊技中の演出を制御する処理、エラーを報知する処理等の他の処理も実行されるが、これらの説明は省略する。
図11を参照して、期待度演出処理について説明する。期待度演出処理が開始されると、まず、指定された変動パターンで定められている基本映像の表示が開始される(S81)。前述したように、基本映像とは、単独で演出が完結する一連の報知映像である。基本映像では、複数のデモ図柄が変動した後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せが確定表示される。従って、基本映像が表示されると、3つのデモ図柄が変動を開始する。
次いで、左のデモ図柄の停止タイミングが到来したか否かが判断される(S82)。デモ図柄の変動が開始してから左のデモ図柄を停止させるまでの時間はあらかじめ定められており、変動開始後の経過時間はタイマカウンタによって計測されている。変動開始後の経過時間が所定時間に達するまで(S82:NO)、S82の判断が繰り返される。経過時間が所定時間に達し、左のデモ図柄の停止タイミングが到来すると(S82:YES)、左のデモ図柄が停止される(S83)。次いで、右のデモ図柄の停止タイミングが到来したか否かが判断される(S84)。到来していなければ(S84:NO)、S84の判断が繰り返される。右のデモ図柄の停止タイミングが到来すると(S84:YES)、左に停止したデモ図柄と同じデモ図柄が右に停止されて、リーチ状態とされる(S85)。なお、左右のデモ図柄を同時に停止させてリーチ状態としてもよい。また、右のデモ図柄を先に停止させても本発明は実現できる。
次いで、指定された期待度表示パターンが通常期待度パターンであれば(S86:YES)、通常期待度処理が実行されて(S87、図12参照)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。通常期待度パターンでなく(S86:NO)、期待度上乗せパターンであれば(S88:YES)、期待度上乗せ処理が実行されて(S89、図15参照)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。期待度上乗せパターンでなく(S88:NO)、自動上昇パターンであれば(S90:YES)、自動上昇処理が実行されて(S91、図17参照)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。自動上昇パターンでもない場合には(S90:NO)、指定された期待度表示パターンは一撃確定パターンであるため、一撃確定処理が実行されて(S92、図19参照)、処理はサブ制御基板処理へ戻る。以下、それぞれの期待度演出を制御するための処理について、詳細に説明する。
図12から図14を参照して、通常期待度処理と、通常期待度処理によって実行される演出の態様について説明する。通常期待度処理は、通常期待度パターンに従って実行される処理であり、基本映像に期待度映像のみが1回挿入される。図12に示すように、通常期待度処理が開始されると、期待度を遊技者に通知するための期待度映像の表示タイミングが到来したか否かが判断される(S101)。本実施形態では、期待度映像の表示タイミングは、指定された変動パターン(通常期待度パターン)によってあらかじめ定められている。表示タイミングが到来していなければ(S101:NO)、S101の判断が繰り返される。期待度映像の表示タイミングが到来すると(S101:YES)、指定された変動パターンに応じて、期待度の上昇割合が抽選される(S102)。ここで、上昇させる期待度について説明する。
図13は、ROM583に記憶されている上昇期待度決定テーブルを示す。上昇期待度決定テーブルは、操作ボタン9が1回操作される毎に、上昇させる期待度を決定するために参照される。本実施形態では、サブ制御基板58のCPU581は、期待度映像を表示して操作ボタン9の操作を有効化している間、操作ボタン9が1回操作される毎に、上昇値決定乱数の値(1〜100)を取得する。上昇値決定乱数の値の各々には、上昇させる期待度があらかじめ対応付けられている。CPU581は、取得した乱数値に対応付けられている期待度を、上昇させる期待度として決定する。
具体的に、判定結果が大当たりであり、且つ表示中の期待度が「0〜24」である場合について説明する。この場合、取得された乱数が「1〜25」のいずれかであれば、期待度は「25」まで上昇される。また、取得された乱数が「26〜99」のいずれかである場合、抽選によって決定された上昇割合が「通常」であれば期待度に「1」が加算され、上昇割合が「高」であれば「2」が加算される。また、取得された乱数が「100」であれば、大当たりであることを示す「100」まで期待度が上昇される。なお、大当たり判定の結果がはずれである場合には、期待度は「99」より大きい値(大当たりであることを示す値)には上昇しないように、上昇させる期待度が定められている。また、はずれである場合には、期待度を「25」または「50」まで一度に上昇させる頻度が少なくなるように、上昇させる期待度が定められている。
S102(図12参照)の処理では、期待度の上昇割合として、「通常」(加算する期待度「1」)および「高」(加算する期待度「2」)のいずれかが、指定された変動パターンに応じて抽選される。詳細には、大当たりを示す変動パターンが指定された場合には、はずれを示す変動パターンが指定された場合に比べて、上昇割合「高」に当選する確率が高い。また、大当たり時に表示されやすい基本映像を伴う場合には、はずれ時の表示頻度が高い基本映像を伴う場合に比べて、上昇割合「高」に当選する確率が高い。
次いで、上昇割合「高」に当選したか否かが判断される(S103)。当選した場合(S103:YES)、期待度の上昇割合が「高」であることを示すために、背景色が赤の期待度映像が表示画面28に表示される(S104)。上昇割合「高」に落選した場合には(S103:NO)、上昇割合が「通常」であることを示すために、背景色が青の期待度映像が表示される(S105)。
抽選によって決定された上昇割合に応じて、期待度上昇処理が実行される(S106)。期待度上昇処理では、まず、表示画面28および期待度表示部10に、期待度の初期値として「00」が表示される。操作ボタン9の操作が有効化されて、操作ボタン9が操作される毎に上昇値決定乱数が取得される。上昇期待度決定テーブル(図13参照)のうち、判定結果および表示中の期待度に応じたテーブルが参照されて、乱数値に対応する値が期待度の上昇値として決定される。期待度映像および期待度表示部10に表示されている期待度が、決定された上昇値に上昇される。なお、通常期待度演出では、操作ボタン9が操作されなければ、表示されている期待度は上昇しない。
次いで、表示されている期待度が、大当たりであることを示す「100」に達したか否かが判断される(S107)。「100」に達していなければ(S107:NO)、期待度表示映像の表示時間(本実施形態では10秒)が経過してタイムオーバーとなったか否かが判断される(S108)。タイムオーバーとなっていなければ(S108:NO)、S106〜S108の処理が繰り返される。
タイムオーバーとなる前に、表示されている期待度が「100」に達すると(S107:YES)、報知演出終了時までの残り時間で表示する報知映像が、大当たりが確定したことを示す大当たり確定映像に差し替えられる(S109)。処理は期待度演出処理に戻る。なお、前述したように、大当たり判定の結果がはずれであれば、表示期待度が「100」に達することは無い。表示期待度が「100」に達することなくタイムオーバーとなると(S108:YES)、中断されていた基本映像の表示が再開されて(S110)、処理は期待度演出処理に戻る。
図14を参照して、通常期待度パターンに従って実行される期待度演出の態様について説明する。まず、基本映像が表示されて、演出開始から20秒後にリーチ状態となる。そして、40秒後に基本映像の表示が中断されて、期待度映像が挿入される。期待度映像の表示中に実行される演出を、期待度演出という。期待度演出では、まず、表示画面28に「限界コンボ/連打で100を目指せ!」のメッセージが表示され、操作ボタン9の連打が促される。表示画面28および期待度表示部10に、期待度の初期値「00」が表示される。遊技者が操作ボタン9を連打すると、操作ボタン9の操作回数(操作量)に応じて期待度が上昇する。
期待度映像の表示時間内に期待度が「100」に到達すると、表示画面28に「V/BONUS」が表示され、且つ、大当たりが確定したことを示す「FF」が期待度表示部10に表示される。その後、基本映像の表示は再開されずに、演出終了までの映像が大当たり確定映像に差し替えられる。つまり、大当たり確定映像において、大当たりを示すデモ図柄の組合せが確定表示される。一方で、期待度が「100」に到達することなく、期待度映像の表示時間が経過すると、その時点で表示されている期待度が期待度表示部10に残されたまま、中断されていた基本映像の表示が表示画面28で再開される。そして、基本映像においてデモ図柄が確定表示され、大当たり判定の結果が遊技者に報知される。
パチンコ機1は、期待度映像を挿入せずに基本映像のみを表示しても、大当たり判定の結果を報知することができる。図14に示す例では、基本映像の表示時間自体は60秒であるが、10秒間の期待度映像が挿入されることで、全体の演出時間は70秒となっている。
図15および図16を参照して、期待度上乗せ処理と、期待度上乗せ処理によって実行される演出の態様について説明する。期待度上乗せ処理は、期待度上乗せパターンに従って実行される処理であり、期待度映像に加えて追加期待度映像が基本映像に挿入される場合がある。図15に示すように、期待度上乗せ処理が開始されると、期待度映像の表示タイミングが到来したか否かが判断される(S111)。到来していなければ(S111:NO)、S111の判断が繰り返される。期待度映像の表示タイミングが到来すると(S111:YES)、期待度の上昇割合(「通常」または「高」)が、指定された変動パターンに応じて抽選される(S112)。上昇割合「高」に当選すると(S113:YES)、期待度の上昇割合が「高」であることを示す期待度映像が挿入される(S114)。上昇割合「高」に落選すると(S113:NO)、上昇割合が「通常」であることを示す期待度映像が挿入される(S115)。
S112で決定された上昇割合に応じて、期待度を「00」から上昇させる処理が行われる(S116)。表示期待度が「100」に到達せず(S117:NO)、且つタイムオーバーとなっていなければ(S118:NO)、S116〜S118の処理が繰り返される。タイムオーバーとなる前に、表示期待度が「100」に達すると(S117:YES)、報知演出終了時までの残り時間で表示する報知映像が、大当たり確定映像に差し替えられて(S131)、処理は期待度演出処理に戻る。この場合、追加期待度映像が表示されることはない。
表示期待度が「100」に達することなくタイムオーバーとなると(S118:YES)、その時点で表示画面28および期待度表示部10に表示されている期待度がRAM582に記憶され、中断されていた基本映像の表示が再開される(S119)。本実施形態では、基本映像の表示再開後にも、期待度表示部10には期待度が継続して表示される。しかし、基本映像の表示を再開する際に、期待度表示部10の期待度を消去してもよい。次いで、追加期待度映像の表示タイミングが到来したか否かが判断される(S121)。到来していなければ(S121:NO)、S121の判断が繰り返される。追加期待度映像の表示タイミングが到来すると(S121:YES)、指定された変動パターン(主に、大当たりの変動パターンであるか否か)に応じて、期待度の上昇割合が再び抽選される(S122)。ここで、S122の抽選では、前述した期待度映像の表示中の上昇割合の抽選時(S112参照)よりも高い確率で、上昇割合「高」が抽選される。上昇割合「高」に当選すると(S123:YES)、期待度の上昇割合が「高」であることを示すために、背景色が赤の追加期待度映像が挿入される(S124)。上昇割合「高」に落選すると(S123:NO)、上昇割合が「通常」であることを示すために、背景色が青の追加期待度映像が挿入される(S125)。
次いで、期待度映像の終了時に表示(遊技者に通知)された期待度が、上昇させる対象の期待度として再びセットされる(S127)。上昇期待度決定テーブル(図13参照)が参照され、S122で決定された上昇割合に応じて、期待度表示部10に表示されている期待度をさらに上昇させる処理が行われる(S128)。表示期待度が「100」に到達せず(S129:NO)、且つタイムオーバーとなっていなければ(S130:NO)、S128〜S130の処理が繰り返される。タイムオーバーとなる前に、表示期待度が「100」に達すると(S129:YES)、報知映像が大当たり確定映像に差し替えられて(S131)、処理は期待度演出処理に戻る。表示期待度が「100」に達することなくタイムオーバーとなると(S130:YES)、中断されていた基本映像の表示が再開されて(S132)、処理は期待度演出処理に戻る。
図16を参照して、期待度上乗せパターンに従って実行される期待度演出の態様について説明する。まず、基本映像が表示されて、演出開始から20秒後にリーチ状態となる。そして、40秒後に基本映像の表示が中断されて、期待度映像が挿入され、期待度演出が開始する。期待度演出中は、操作ボタン9の操作回数に応じて期待度が上昇する。期待度演出中に期待度が「100」に到達しなければ、その時点で表示されている期待度が期待度表示部10に残されたまま、中断されていた基本映像の表示が再開される。以上の演出態様は、前述した通常期待度処理による演出の態様(図14参照)と全く同じである。
期待度上乗せ処理では、演出開始から60秒後に基本映像が再び中断され、期待度を再度上昇させる報知映像である追加期待度映像が挿入される。追加期待度映像の表示中に実行される演出を、期待度上乗せ演出という。期待度上乗せ演出では、「上乗せ/連打!!/100に近づけるんだ!」のメッセージが表示される。遊技者が操作ボタン9を連打すると、期待度演出の終了時に表示された期待度(図16の例では「64」)が、操作回数に応じてさらに上昇する。
追加期待度映像の表示時間中に期待度が「100」に到達すると、大当たりであることを示すデモ図柄の組合せが表示画面28に表示され、且つ、大当たりが確定したことを示す「FF」が期待度表示部10に表示される。その後、基本映像の表示は再開されずに、演出終了までの映像が大当たり確定映像に差し替えられる。つまり、大当たり確定映像において、大当たりを示すデモ図柄の組合せが確定表示される。一方で、期待度が「100」に到達することなく、期待度映像の表示時間が経過すると、その時点で表示されている期待度が期待度表示部10に残されたまま、中断されていた基本映像の表示が表示画面28で再開される。そして、基本映像においてデモ図柄が確定表示され、大当たり判定の結果が遊技者に報知される。
図16に示す例では、基本映像のみの表示内容および表示時間は、図14で例示した通常期待度演出における基本映像の表示内容および表示時間(60秒)と同じである。しかし、10秒間の期待度映像と、10秒間の追加期待度映像とが挿入されることで、期待度上乗せ演出の全体の演出時間は80秒となっている。なお、図14で例示した場合と同様に、期待度映像および追加期待度映像を挿入せずに基本映像のみを表示しても、大当たり判定の結果を報知できるように、基本映像が構成されている。
図17および図18を参照して、自動上昇処理と、自動上昇処理によって実行される演出の態様について説明する。自動上昇処理は、自動上昇パターンに従って実行される処理であり、期待度を自動的に上昇させる映像である自動上昇映像が基本映像に挿入される。図17に示すように、自動上昇処理が開始されると、期待度映像の表示タイミングが到来したか否かが判断される(S141)。到来していなければ(S141:NO)、S141の判断が繰り返される。期待度映像の表示タイミングが到来すると(S141:YES)、期待度の上昇割合(「通常」または「高」)が、指定された変動パターンに応じて抽選される(S142)。上昇割合「高」に当選すると(S143:YES)、期待度の上昇割合が「高」であることを示す期待度映像が挿入される(S144)。上昇割合「高」に落選すると(S143:NO)、上昇割合が「通常」であることを示す期待度映像が挿入される(S145)。なお、本実施形態の自動上昇処理では、上昇割合「高」に当選する確率は、他の期待度パターンが指定された場合に比べて低く設定されている。
S142で決定された上昇割合に応じて、期待度を「00」から上昇させる処理が行われる(S147)。S147の処理では、他の期待度パターンが指定された場合とは異なり、期待度が「100」以上の値に上昇しないように制御される。次いで、自動上昇映像の表示タイミングが到来したか否かが判断される(S148)。本実施形態では、演出開始から所定時間(50秒)が経過したタイミング、および、期待度が「50」に到達したタイミングのうち、早く到来したタイミングが、自動上昇映像の表示タイミングとされる。しかし、自動上昇映像の表示タイミングは適宜設定できる。タイミングが到来していなければ(S148:NO)、S147およびS148の処理が繰り返される。
自動上昇映像の表示タイミングが到来すると(S148:YES)、期待度表示部10による期待度の表示が継続されたまま、自動上昇映像の表示が開始される(S149)。操作ボタン9が操作されたか否かに関わらず、表示画面28および期待度表示部10に表示されている期待度が、大当たりが確定していることを示す度数「100」以上まで自動的に上昇される(S150)。所定時間が経過すると、自動上昇映像が大当たり確定映像に差し替えられて(S151)、処理は期待度演出処理に戻る。
図18を参照して、自動上昇パターンに従って実行される期待度演出の態様について説明する。まず、基本映像が表示されて、演出開始から20秒後にリーチ状態となる。そして、40秒後に基本映像の表示が中断されて、期待度映像が挿入され、期待度演出が開始する。期待度演出中は、操作ボタン9の操作回数に応じて期待度が上昇する。期待度が「50」に上昇するか、または演出開始から50秒が経過すると、自動上昇映像が挿入される。自動上昇映像の表示中に実行される演出を、自動上昇演出という。自動上昇演出では、表示画面28に「追い撃ちコンボ」のメッセージが表示された後、表示されている期待度が「100」を超えて自動的に上昇を続ける。なお、本実施形態では、表示画面28に表示されている期待度が三桁を越えると、期待度表示部10には期待度の下二桁のみが表示される。次いで、操作ボタン9の操作が促される。操作ボタン9が操作されるか、所定時間が経過すると、大当たりであることを示すデモ図柄の組合せが確定表示される。
図19および図20を参照して、一撃確定処理と、一撃確定処理によって実行される演出の態様について説明する。一撃確定処理は、一撃確定パターンに従って実行される処理であり、操作ボタン9の1回の操作のみで期待度を「100」に上昇させる。図19に示すように、一撃確定処理が開始されると、期待度映像の表示タイミングが到来したか否かが判断される(S161)。到来していなければ(S161:NO)、S161の判断が繰り返される。期待度映像の表示タイミングが到来すると(S161:YES)、期待度映像の表示が開始される(S163)。S163では、上昇割合「高」および「通常」の期待度映像のいずれを表示してもよい。一撃確定パターンが指定された場合における期待度映像の表示中の演出を、一撃確定演出という。
一撃確定演出では、操作ボタン9が操作されたか否かが判断される(S164)。操作されていなければ(S164:NO)、期待度映像の表示時間が経過したか否か(タイムオーバーとなったか否か)が判断される(S165)。タイムオーバーとなっていなければ(S165:NO)、処理はS164の判断へ戻る。タイムオーバーとなる前に、1回でも操作ボタン9が操作されると(S164:YES)、大当たりであることを示す「V」が表示画面28に表示され、且つ、「FF」が期待度表示部10に表示される(S166)。表示画面28に表示される映像が大当たり確定映像に差し替えられて(S167)、処理は期待度演出処理に戻る。操作ボタン9が操作されずにタイムオーバーとなると(S165:YES)、中断されていた基本映像の表示が再開されて(S168)、処理は期待度演出処理に戻る。
図20を参照して、一撃確定パターンに従って実行される期待度演出の態様について説明する。まず、基本映像が表示されて、演出開始から20秒後にリーチ状態となる。そして、40秒後に基本映像の表示が中断されて、期待度映像が挿入され、一撃確定演出が開始する。一撃確定演出では、操作ボタン9の連打を促す映像が表示されるが、タイムオーバーとなる前に操作ボタン9が1回でも操作されると、大当たりであることを示す映像がその時点で表示される。その後、大当たり確定映像に差し替えられて、大当たりのデモ図柄の組合せが確定表示される。タイムオーバーとなると、基本映像の表示が再開されて、基本映像において大当たりのデモ図柄が確定表示される。一撃確定演出が実行されると、遊技者は、操作ボタン9を連打することなく1回操作するだけで、判定結果が大当たりであることを認識できる。従って、遊技者は、操作ボタン9を最初に操作する段階から演出内容に強く注目する。よって、パチンコ機1は、期待度演出の一部に一撃確定演出を含めることで、操作ボタン9を連打する最初の段階から遊技者の期待感を高めることができる。
以上説明したように、本実施形態に係るパチンコ機1は、単独で演出が完結する基本映像の途中に、操作ボタン9の操作量に応じて期待度を上昇させる演出(期待度演出)を実行することができる。従って、遊技者は、通知された期待度に応じた期待感を持ちながら、基本映像による演出を十分に楽しむことができる。さらに、パチンコ機1は、期待度演出が終了した後に、操作ボタン9の操作量に応じて期待度をさらに上昇させる演出(期待度上乗せ演出)を実行することもできる。つまり、期待度演出において低い期待度が通知された場合でも、期待度上乗せ演出が実行されれば、一旦通知された期待度に対する上乗せが行われる。よって、遊技者は、期待度演出において低い期待度が通知された場合でも、期待感を損なうことなく演出を楽しむことができる。期待度上乗せ演出では、期待度演出において表示された期待度に対する上乗せが行われる。従って、パチンコ機1は、期待度上乗せ演出を実行することで、既に表示した期待度をリセットして「00」から再度上昇させる場合とは異なり、より強い期待感を遊技者に抱かせることができる。また、期待度映像および追加期待度映像は、基本映像の前後または途中に挿入される。よって、遊技機の開発者は、期待度映像、追加期待度映像、および基本映像を組み合わせるだけで、期待度演出において表示させる映像を構成することができる。換言すると、開発者は、期待度演出における映像の全てを基本映像と別に作成する必要が無い。よって、本実施形態のパチンコ機1は開発も容易である。
パチンコ機1は、期待度の上昇割合が互いに異なる複数の期待度映像および追加期待度映像のいずれかを表示する。そして、表示した期待度映像に応じた上昇割合で期待度を上昇させる。従って、遊技者は、期待度演出および期待度上乗せ演出が実行されることを期待することに加え、期待度の上昇割合が高い期待度映像および追加期待度映像が表示されることを期待しながら遊技を楽しむことができる。よって、遊技者は、より強い期待感を持って遊技を行うことができる。
パチンコ機1は、期待度映像の表示が終了した後に自動上昇映像を表示させることができる。自動上昇映像を表示している間の演出(自動上昇演出)では、操作ボタン9の操作回数(操作量)に関わらず、大当たりが確定していることを示す期待度「100」以上の度数まで期待度が自動的に上昇する。つまり、低い期待度が期待度演出によって通知された場合でも、大当たりが確定していることを示す期待度が、操作ボタン9が操作されなくてもその後に通知される場合がある。よって、遊技者は、期待度を用いた演出に注目し続けながら遊技を楽しむことができる。
パチンコ機1は、表示している期待度が、大当たりが確定していることを示す期待度「100」以上の度数まで上昇すると、表示画面28に表示させている映像を、大当たり確定映像に差し替える。その結果、大当たりが確定している旨が期待度によって遊技者に報知された後に、大当たり確定映像でも再度報知される。従って、パチンコ機1は、大当たりが確定した旨を容易に遊技者に把握させることができ、且つ、遊技者の興趣をより強く惹き付けることができる。
なお、本実施形態における第一特別図柄始動入賞口14および第二特別図柄始動電動役物15が、本発明の「始動口」に相当する。図8のS24、S28で大当たり乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「当たり乱数取得手段」として機能する。図9のS37、S44で大当たり判定を行う主基板41のCPU51が、本発明の「判定手段」として機能する。大当たり遊技状態が本発明の「有利状態」に相当する。図8のS24、S28で変動パターン決定乱数を取得する主基板41のCPU51が、本発明の「変動パターン決定乱数取得手段」として機能する。図9のS39、S41、S46、S48で変動パターンを決定する主基板41のCPU51が、本発明の「変動パターン決定手段」として機能する。表示画面28が「演出手段」に相当する。操作ボタン9が「操作手段」に相当する。操作ボタンスイッチ11が「検出手段」に相当する。図10のS73および図11のS81で、主基板41によって指定された変動パターンに従って基本映像を表示画面28に表示させるサブ制御基板58のCPU581が、本発明の「報知演出制御手段」として機能する。図12のS104およびS105、図15のS114およびS115、図17のS144およびS145、図19のS163で期待度映像を基本映像に挿入するCPU581が「期待度演出制御手段」として機能する。図12のS106、図15のS116、図17のS147で期待度を上昇させるCPU581が「期待度制御手段」として機能する。図15のS124およびS125で追加期待度映像を基本映像に挿入するCPU581が「追加期待度演出制御手段」として機能する。図15のS128で期待度を上昇させるCPU581が「期待度上乗せ制御手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。図21を参照して、通常期待度処理(図12参照)の変形例について説明する。本変形例に係るパチンコ機1は、図21に示すS202〜S208の処理を行う点が上記実施形態と異なるのみであり、その他の処理および構成等は上記実施形態と同じである。従って、上記実施形態と同一の処理および構成については同一の番号を付し、説明を省略または簡略化する。
図21に示すように、本変形例における通常期待度処理では、上昇割合が「高」である可能性が高いことを示す背景赤色の期待度映像を表示させるか否かが、抽選によって決定される。詳細には、期待度の上昇割合が「高」に当選した場合には(S103:YES)、落選した場合よりも高い割合(例えば、80%)で、背景赤色の期待度映像を表示させることを抽選によって決定する(S201)。背景赤色の表示に当選すると(S202:YES)、上昇割合「高」である可能性が高いことを示す背景赤色の期待度映像が表示される(S203)。背景赤色の表示に落選すると(S202:NO)、背景青色の期待度映像が表示される(S204)。また、期待度の上昇割合が「通常」となった場合(S103:NO)、「高」の場合よりも低い割合(例えば、0%〜5%)で、背景赤色の期待度映像を表示させることを抽選で決定する(S205)。背景赤色の表示に当選すると(S206:YES)、背景赤色の期待度映像が表示され(S207)、落選すると(S206:NO)、背景青色の期待度映像が表示される(S208)。
以上のように、パチンコ機1は、決定した期待度の上昇割合を正確に遊技者に報知しなくてもよい。つまり、本変形例のパチンコ機1は、期待度制御手段(S106)が上昇させる期待度の割合を決定する割合決定手段(S102)を備える。さらに、本変形例のパチンコ機1における期待度映像制御手段(S203、S204、S207、S208)は、前記割合決定手段が決定した割合に対応する期待度映像(背景赤色)を表示画面28に表示させる第一期待度映像制御手段(S203、S208)と、前記割合決定手段が決定した割合とは異なる割合に対応する期待度映像(背景青色)を表示画面28に表示させる第二期待度映像制御手段(S204、S207)とを備える。その結果、遊技者は、低い上昇割合に対応する期待度映像(背景青色)が表示された場合でも、実際の期待度の上昇割合が高いことを期待して操作ボタン9を操作することができる。よって、本変形例のパチンコ機1は、操作ボタン9を用いた演出を十分に活用して遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。なお、パチンコ機1は、割合「高」の抽選に落選した場合には(S103:NO)、常に背景青色の期待度映像を表示することも可能である。これにより、遊技者が落胆する機会を減少させることができる。
なお、パチンコ機1は、図21のS201〜S208の処理を、期待度上乗せ映像を表示する際に実行することも可能である。つまり、パチンコ機1は、図15に示すS124、S125の処理の代わりに、図21に示すS201〜S208の処理を実行してもよい。換言すると、パチンコ機1は、期待度上乗せ制御手段(S128)が上昇させる期待度の割合を決定する割合決定手段(S122)を備えてもよく、追加期待度映像制御手段(S203、S204、S207、S208)は、前記割合決定手段が決定した割合に対応する追加期待度映像(背景赤色)を表示画面28に表示させる第一追加期待度映像制御手段(S203、S208)と、前記割合決定手段が決定した割合とは異なる割合に対応する追加期待度映像(背景青色)を表示画面28に表示させる第二追加期待度映像制御手段(S204、S207)とを備えてもよい。この場合、遊技者は、低い上昇割合に対応する追加期待度映像が表示されても、実際の期待度の上昇割合が高いことを期待して操作ボタン9を操作することができる。なお、この場合、前記割合決定手段が決定した割合よりも低い割合に対応する追加期待度映像の表示を禁止することで、遊技者の落胆を防止することができる。また、図17のS144、S145の代わりに、図21に示すS201〜S208の処理を実行してもよいことは言うまでもない。
上記実施形態はその他の変更も可能である。例えば、上記実施形態のパチンコ機1は、大当たり判定の結果を遊技者に報知する際に期待度演出を実行する。しかし、本発明は、大当たり判定の結果のみならず、確率変動状態の当否、時短状態の当否等、他の判定結果を報知する場合にも適用できる。
上記実施形態では、期待度の最低値は「0」であり、値が大きくなる程大当たりに対する期待が高くなる。値が「100」以上となると、大当たりであることが確定する。しかし、期待度の態様を変更できることは言うまでもない。例えば、値が小さくなる程大当たりに対する期待が高まるように期待度を設定してもよい。より具体的には、「全ての敵を倒せば大当たり確定」という演出において、敵の数が少なくなる程大当たりに対する期待が高くなるように期待度を設定してもよい。この場合、敵の数を減少させることが、本発明における「期待度の上昇」に相当する。また、数値を用いずに、グラフ、色の変化、役物の動作等によって期待度を遊技者に通知してもよい。
上記実施形態のパチンコ機1は、押下型の操作ボタン9の操作回数を「操作量」として検出し、検出した操作回数に基づいて期待度を上昇させる。しかし、操作ボタン9の代わりに他の操作手段を用いても、本発明は実現できる。例えば、球体を回転させることで操作指示を入力するトラックボール等を、操作ボタン9の代わりに用いることも可能である。また、「操作量」は操作回数に限られない。例えば、操作ボタン9を用いる場合には、操作(押下)の際に操作ボタン9にかかる力を測定して「操作量」としてもよいし、操作ボタン9の押し込み量、押し込んだ時間の長さ等を「操作量」としてもよい。トラックボールの回転量(例えば、回転速度)を「操作量」としてもよい。
上記実施形態では、期待度映像が表示されてから追加期待度映像が表示されるまでの間(基本映像が再開される間)、期待度映像の表示中に通知された期待度が、期待度表示部10で継続して表示される。しかし、基本映像の表示中には、期待度の表示を中断することも可能である。また、上記実施形態の期待度演出では、表示画面28および期待度表示部10の2箇所に期待度が表示される。また、期待度上乗せ演出では、期待度表示部10に期待度が表示される。しかし、期待度の表示態様を変更できることは言うまでもない。例えば、表示画面28では期待度を表示せずに、期待度表示部10でのみ期待度を表示してもよい。音声を用いて期待度を遊技者に通知してもよい。
上記実施形態のパチンコ機1は、基本映像の途中に期待度映像を挿入する。しかし、期待度映像は、基本映像の途中だけでなく、基本映像の開始前に挿入することも可能である。また、追加期待度映像も、基本映像の途中だけでなく、基本映像の終了後に挿入してもよい。
上記実施形態では、1回の報知演出において追加期待度映像が表示される回数は、最大で1回である。しかし、1回の報知演出で追加期待度映像を複数回挿入することも可能である。つまり、期待度が上乗せされる機会を2回以上設けることも可能である。この場合、同一の追加期待度映像を複数回挿入してもよいし、異なる追加期待度映像を挿入してもよい。
上記実施形態では、「高」および「通常」の2つの期待度の上昇割合が設けられている。しかし、期待度の上昇割合は1つでもよいし、3つ以上設けられていてもよい。また、期待度の上昇値を決定する方法も、図13に例示した方法に限られない。
上記実施形態における自動上昇映像は、期待度映像の表示時間が終了した直後に挿入される。しかし、期待度映像と自動上昇映像の間で基本映像の表示を再開させてもよい。また、自動上昇映像を表示した後に基本映像の表示を再開させてもよい。