JP4861117B2 - ミュート回路、それを用いたオーディオ信号増幅回路ならびに電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、オーディオ信号のミュート技術に関する。
近年のLSI技術の発展に伴い、CDプレイヤやMDプレイヤ等に代表されるデジタルオーディオ機器においては、デジタル信号処理およびその増幅に1ビットDAC(Digital Analog Converter)が用いられている。この1ビットDACにおいては、音声信号は、ΔΣ変調器を用いてノイズシェーピングされ、パルス変調されたビットストリーム信号として出力される。
このビットストリーム信号は、負荷であるスピーカを駆動するために所定のレベルまで増幅されるが、これには、高効率が得られるD級アンプが用いられている。増幅されたビットストリーム信号は、後置ローパスフィルタを通してアナログ再生信号となり、スピーカから音声として再生される。たとえば特許文献1には、D級アンプを用いたデジタルオーディオ信号を増幅するドライバ回路が開示されている。
こうしたオーディオ機器では、電源の投入・遮断時、たとえば機器の起動時において、ポップ音あるいはポップアップノイズなどと呼ばれるノイズが発生する。このポップ音は、電源の投入にともない、スピーカに入力される電気信号のレベルが急激に変化することにより発生する。こうしたポップ音を抑制するために、特許文献2に記載されるようなミュート回路が用いられる。あるいはミュート回路は、ユーザの指示に応じた無音状態を実現するためにも利用される。
特許文献2の図5に記載されるように、従来のミュート回路では、オーディオ信号が伝搬する信号ラインと、接地端子のような固定電圧端子との間に、ミュートトランジスタが設けられる。このミュートトランジスタは、MOSFETで構成されており、ソースが接地され、ドレインが信号ラインに接続され、ゲートにミュートを制御する制御信号が入力される。このミュートトランジスタのバックゲートは、同図に示されるように、ソースと接続されて接地される。この構成によれば、ミュート状態においては、制御信号がハイレベルとなるとミュートトランジスタがオンし、信号ラインの電位が接地電位に固定される。
特開2001−223537号公報 特開2005−303554号公報
ミュート状態が解除され、通常の動作、すなわちオーディオ信号の再生を行う場合、制御信号がローレベルとなり、ミュートトランジスタがオフとなる。ここで、ミュートトランジスタはNチャンネルMOSFETであるため、そのバックゲートとドレイン間には、アノードがバックゲート、カソードがドレインの向きとなるボディダイオードが存在する。オーディオ信号の再生時において、信号ラインの電位は、接地電位0Vと中心として、正および負の電圧にスイングする。このとき、信号ラインの電位が負の方向に振れ、ボディダイオードの順方向電圧−Vfより低くなると、信号ラインの電位は−Vfクランプされることになり、十分な振幅がとれなくなるという問題がある。信号ラインの電位がクランプされると波形歪みが発生し、大音量での再生が困難となる。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は振幅レンジを拡大したミュート回路の提供にある。
本発明のある態様によれば、オーディオ信号のミュート回路が提供される。このミュート回路は、ミュート対象となるオーディオ信号が伝搬する信号ラインと、所定の固定電圧端子の間に設けられたNチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるミュートトランジスタと、ミュートトランジスタのバックゲートと固定電圧端子の間に設けられたインピーダンス素子と、を備える。ミュートトランジスタのゲートには、ミュートのオンオフを制御する制御信号が入力される。
「インピーダンス素子」とは、抵抗、ダイオード、トランジスタなど、電流が流れることにより電圧降下が発生する素子をいう。
この態様によると、ミュートトランジスタがオフとなる非ミュート状態において、信号ラインの電位が負方向にスイングすると、固定電圧端子から、インピーダンス素子およびミュートトランジスタのボディダイオードを介した経路で電流が流れることになる。その結果、信号ラインの電位は、ボディダイオードの順方向電圧にインピーダンス素子に発生する電圧降下を加えた電圧分までスイングすることができ、振幅レンジを拡大することができる。
ある態様において、インピーダンス素子は、非ミュート状態において有意なインピーダンスを有し、ミュート状態においてインピーダンスが低下する可変インピーダンス素子であってもよい。
この場合、可変インピーダンス素子は、非ミュート状態において、負方向への電圧スイングに対して十分なレンジを確保するのに寄与し、ミュート状態においては、ミュートトランジスタのバックゲートを接地電位に安定化させることができ、ミュート動作を確実に行うことができる。
ある態様において、可変インピーダンス素子は、ゲートに制御信号が入力され、バックゲートが固定電圧端子に接続されたNチャンネルMOSFETを含んでもよい。
この場合、制御信号に応じて、すなわちミュート、非ミュート状態に応じて、NチャンネルMOSFETのインピーダンスを好適に切り替えることができる。さらに、非ミュート状態における振幅レンジを、可変インピーダンス素子のNチャンネルMOSFETのボディダイオードの順方向電圧Vf分だけ負方向に拡大することができる。
ある態様において、インピーダンス素子は抵抗を含んでもよい。抵抗をミュートトランジスタのバックゲートと接地間の電流経路上に設けることにより、その抵抗の抵抗値をR、電流をIとするとき、振幅レンジをさらに、−(I×R)だけ拡大することができる。
ある態様において、ミュート回路は、ミュートトランジスタのゲートと信号ラインの間に設けられた第1抵抗と、ミュートトランジスタのゲートと固定電圧端子の間に設けられた第2抵抗と、をさらに備えてもよい。このとき、制御信号は、ミュート状態においてハイレベルとなり、非ミュート状態においてハイインピーダンス出力としてもよい。
この場合、非ミュート状態において、制御信号がハイインピーダンスとなると、ミュートトランジスタのゲートには、信号ラインの電位と接地電位を第1、第2抵抗によって分圧した電位が印加される。信号ラインの電位は、0Vを中心としてスイングするため、分圧比を適切に設定することにより、非ミュート状態において、ミュートトランジスタを確実にオフすることができる。
非ミュート状態において制御信号をローレベル(接地電位)に固定した場合、ミュートトランジスタのゲートと信号ラインの電位差が、ミュートトランジスタのしきい値電圧Vtを超えると、ミュートトランジスタがオンしてしまうため、負方向の振幅レンジが、−Vtに制限されてしまうが、非ミュート状態において制御信号をハイインピーダンスとすることにより、振幅レンジを広げることができる。
ある態様において、第1抵抗と第2抵抗の抵抗値は等しく設定されてもよい。この場合、非ミュート状態において、ミュートトランジスタがオンしてしまう電圧を、正方向と負方向とで等しく設定することができる。
本発明の別の態様によれば、オーディオ信号増幅回路が提供される。このオーディオ信号増幅回路は、出力すべきオーディオ信号に応じてパルス変調されたパルス信号を生成する変調部と、パルス信号を増幅するD級アンプと、D級アンプの出力からフィルタを介して、電気信号を振動に変換する音声出力部に至る信号ラインに伝搬するオーディオ信号をミュートする上述のいずれかの態様のミュート回路と、を備える。
この態様によれば、音声出力部に供給される電気信号の振幅を大きくとることができ、音質を改善し、もしくは音量を上げることができる。
ある態様のオーディオ信号増幅回路は、ひとつの半導体基板上に一体集積化されてもよい。「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。この場合、回路面積が縮小できるため、電子機器の搭載が容易となり、あるいは電子機器を小型化できる。
本発明のさらに別の態様によれば、音声出力機能を有する電子機器が提供される。この電子機器は、上述のオーディオ信号増幅回路と、オーディオ信号増幅回路のD級アンプの出力信号から高周波成分を除去するフィルタと、フィルタを通過した信号によって駆動される音声出力部と、を備える。
音声出力部とは、スピーカ、イヤホン、ヘッドホンなどの、電気信号を空気の振動に変換して音として出力するデバイスをいう。この音声出力部は、常時電子機器に接続されている必要はなく、取り外し可能に構成されていてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を、方法、装置などの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明に係るミュート回路によれば、振幅レンジを拡大することができる。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、本発明の実施の形態に係るオーディオ信号増幅回路100を搭載した電子機器200の構成を示す回路図である。オーディオ信号増幅回路100は、携帯型CDプレイヤ、音楽再生機能付きの携帯電話端末など、スピーカやイヤホンが接続される電子機器に搭載され、そのスピーカやイヤホン(以下、スピーカ130とする)などを駆動し、音声信号を出力する。
電子機器200は、オーディオ信号増幅回路100、音源110、フィルタ120、スピーカ130を備える。音源110は、光ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリなどに所定のフォーマットで記録されたデジタルのオーディオ信号を読み出し、これをデコードして、デジタル値の信号として出力する。このデジタルのオーディオ信号S1は、オーディオ信号増幅回路100の入力端子102に入力される。
オーディオ信号増幅回路100は、入力端子102に入力されたオーディオ信号S1をΔΣ変調してビットストリームに変換し増幅した後に、出力端子104から出力する。出力端子104から出力されたビットストリームのオーディオ信号S2は、インダクタL1およびキャパシタC1を含むフィルタ120に入力される。フィルタ120は、ビットストリームS1の高周波成分を除去する。キャパシタC2はデカップリングキャパシタであり、フィルタ120の出力信号のDC成分を除去し、スピーカ130へと出力する。本実施の形態において、オーディオ信号増幅回路100は、一つの半導体基板上に、ひとつの機能ICとして一体集積化されることが望ましい。
本実施の形態に係る電子機器200は、その起動時等にスピーカ130から発生するポップ音を抑制するために、ミュート機能を備える。以下、このミュート機能について説明する。オーディオ信号増幅回路100は、ミュート回路10、ミュート制御回路12、ΔΣ変調器20、D級アンプ22を含む。
ΔΣ変調器20は、上述したΔΣ変調を実行する。D級アンプ22は、ΔΣ変調器20から出力されるビットストリームを増幅するレベルシフト回路であり、十分なトランジスタサイズを有するインバータで構成される。
ミュート機能は、ミュート回路10およびミュート制御回路12によって実現される。ミュート制御回路12は、ミュート状態、非ミュート状態を切り替える制御信号Scntを生成する。本実施の形態において、ミュート制御回路12は、ミュート状態においてハイレベルとなり、非ミュート状態においてハイインピーダンス出力(すなわち不定)となる制御信号Scntを生成する。この制御信号Scntは、ミュート回路10へと出力される。
オーディオ信号増幅回路100のミュート端子106は、DCデカップリング用のキャパシタC2より後段に、スピーカ130の直前の信号ラインSLと接続される。この信号ラインSLの電位は、オーディオ信号の再生時において、接地電圧0Vを中心として正負にスイングする。ミュート回路10は、制御信号Scntに応じて、信号ラインSLの電位を固定することにより、ミュート状態を実現する。
ミュート回路10は、ミュートトランジスタM1、インピーダンス素子14、第1抵抗R1、第2抵抗R2を含む。なお、以下の説明において、MOSFETのドレイン、ソースは、説明のために便宜的に区別したものにすぎず、それを逆に読み替えてもよいことは当業者には理解される。
ミュートトランジスタM1は、NチャンネルMOSFETであって、ミュート対象となるオーディオ信号が伝搬する信号ラインSLと、所定の固定電圧端子、すなわち接地端子108の間に設けられる。具体的には、ミュートトランジスタM1のソースは、接地端子108を介して接地され、そのドレインはミュート端子106を介して信号ラインSLと接続される。ミュートトランジスタM1のゲートには、制御信号Scntが入力される。制御信号Scntがハイレベルとなり、ミュートトランジスタM1がオンすると、信号ラインSLの電位が接地電位に固定される。
本実施の形態に係るミュート回路10において、ミュートトランジスタM1のバックゲートと接地端子108の間には、インピーダンス素子14が設けられる。インピーダンス素子とは、抵抗、ダイオード、トランジスタなど、電流が流れることにより電圧降下が発生する素子をいう。
インピーダンス素子14は、非ミュート状態において有意なインピーダンスを有し、ミュート状態においてインピーダンスが低下する可変インピーダンス素子であることが望ましい。この条件を満たす素子として、図1では、NチャンネルMOSFETである補助トランジスタM2が用いられる。可変インピーダンス素子である補助トランジスタM2は、ゲートに制御信号Scntが入力され、バックゲートが接地端子108に接続される。補助トランジスタM2のドレインはミュートトランジスタM1のバックゲートに接続され、補助トランジスタM2のソースは接地される。
第1抵抗R1は、ミュートトランジスタM1のゲートと信号ラインSLの間に設けられる。また、第2抵抗R2は、ミュートトランジスタM1のゲートと接地端子108の間に設けられる。好ましくは、第1抵抗R1と第2抵抗R2の抵抗値は、略等しく設定される。
以上のように構成されたミュート回路10の動作および効果について、ミュート状態および非ミュート状態に分けてそれぞれ説明する。
(ミュート状態)
ミュート制御回路12は、ミュート状態において制御信号Scntをハイレベルとする。その結果、ミュートトランジスタM1がオンとなり接地端子108とミュート端子106の間のインピーダンスが低下して信号ラインSLの電位が接地電位に固定される。このとき、補助トランジスタM2もオン状態となり、そのインピーダンスは小さくなるため、ミュートトランジスタM1のバックゲートは接地端子108を介して実質的に接地される。その結果、安定なミュート状態が実現できる。
(非ミュート状態)
ミュート制御回路12は、非ミュート状態において制御信号Scntをハイインピーダンス出力とする。信号ラインSLには、アナログのオーディオ信号に応じた電圧が生じており、以下、この電圧を出力電圧Voutと記す。出力電圧Voutは、あるバイアス電圧(本実施の形態では接地電位である)を中心として、正負の方向にスイングする。そこで、出力電圧Voutのスイング可能な振幅レンジについて検討する。以下の説明において、電圧信号、抵抗などに付された符号は、必要に応じてそれぞれの電圧値、抵抗値を表すものとしても用いることとする。
出力電圧Voutの振幅レンジは、いくつかの要因によって制限される。
まず、正方向のレンジについて検討する。上述のように、非ミュート状態において制御信号Scntはハイインピーダンス出力となるため、ミュートトランジスタM1のゲートの電圧(以下、ゲート電圧Vgと記す)は、
Vg=Vout×R2/(R1+R2) …(1)
となる。
したがって、ゲート電圧Vg、すなわち第2抵抗R2に発生する電圧降下がミュートトランジスタM1のしきい値電圧Vtより高くなると、ミュートトランジスタM1がオンすることになる。ミュートトランジスタM1がオンすると、信号ラインSLの電位が固定されてしまう。言い換えれば、ミュートトランジスタM1がオフからオンに切り替わる電圧が、出力電圧Voutの上限を与える。
すなわち、
Vout×R2/(R1+R2)<Vt
を満たすとき、ミュートトランジスタM1のオフが保たれる。これを出力電圧Voutについて解くと、
Vout<Vt×(R1+R2)/R2
となり、振幅レンジの上限電圧VHは、
VH=Vt×(R1+R2)/R2
として得られる。
次に、負方向のレンジについて検討する。出力電圧Voutが負方向にスイングする場合も、ミュートトランジスタM1がオフに保たれている必要がある。すなわち、第1抵抗R1に発生する電圧降下が、ミュートトランジスタM1のしきい値電圧Vtより小さくなければならない。第1抵抗R1に発生する電圧降下Vdは、
Vd=Vout×R1/(R1+R2)
であるから、
abs(Vout×R1/(R1+R2))<Vt
が成り立つ必要がある。ここでabs()は、絶対値を表す。したがって、
Vout>−Vt×(R1+R2)/R1 …(2)
が成り立つ範囲でミュートトランジスタM1がオフに保たれ、電圧スイングが可能となる。
さらに、出力電圧Voutの負方向の振幅レンジは、ミュートトランジスタM1、補助トランジスタM2のボディダイオードD1、D2によっても制限される。すなわち、ミュートトランジスタM1、補助トランジスタM2がオフの状態において、補助トランジスタM2が負の方向にスイングすると、接地端子108から第3ボディダイオードD3、第1ボディダイオードD1を介して電流が流れることになる。その結果、信号ラインSLの電位は、−2×Vfにクランプされるため、出力電圧Voutの振幅レンジは、
Vout>−2×Vf
となる。従来技術のようにミュートトランジスタM1のバックゲートを接地した場合には、振幅レンジの下限は−Vfであり、本実施の形態では負方向に拡大されている点に着目すべきである。
出力電圧Voutが負方向にスイングする場合、その振幅レンジの下限値VLは、−2Vfと−Vt×(R1+R2)/R1のうち高い方の電圧となり、
VL=max(−2Vf,−Vt×(R1+R2)/R1)
で与えられる。ここでmax()は、最大値を示す関数である。
図2は、本実施の形態に係るミュート回路10により規定される出力電圧Voutの振幅レンジを示す図である。出力電圧Voutは、0Vを中心として正負両方にスイングする。オーディオ信号の性質から、正方向と負方向へのスイング量は均等に発生すると考えられる。振幅レンジをもっとも大きくとるためには、VHの絶対値と、VLの絶対値を同時に最大とするように、第1抵抗R1、第2抵抗R2の抵抗値を最適化する必要がある。
R1+R2を一定とすると、R1を大きくすれば正方向の振幅レンジが大きくなり、R2を大きくすれば負方向の振幅レンジが大きくなる。したがって、両方の振幅を最大とするとき、VH=abs(VL)が成り立ち、
(R1+R2)/R2×Vt=min(2Vf,(R1+R2)/R1×Vt)
のとき、両方の正負方向の振幅レンジが最大となる。
いま、2Vf>(R1+R2)/R1×Vtとすると、
VH=(R1+R2)/R2×Vt
VL=−(R1+R2)/R1×Vt
となる。この場合、R1=R2のときに、VH=2×Vt、VL=−2Vtとなって正負の両方に対して最大の振幅を確保することができる。
また、2Vf<(R1+R2)/R1×Vtとすると、
VH=(R1+R2)/R2×Vt
VL=2Vf
となり、VH≧VLが成り立つように、R1、R2を選択することが好ましい。
本実施の形態に係るミュート回路10によれば、ミュートトランジスタM1がオフとなる非ミュート状態において、信号ラインSLの電位が負方向にスイングすると、接地端子から、インピーダンス素子14である補助トランジスタM2のボディダイオードD3およびミュートトランジスタM1のボディダイオードD1を介した経路で電流が流れることになる。その結果、ミュートトランジスタM1のボディダイオードD1の順方向電圧Vfに補助トランジスタM2のボディダイオードD3に発生する電圧降下Vfを加えた電圧分までスイングすることができ、振幅レンジを拡大することができる。
さらに、インピーダンス素子である補助トランジスタM2は、非ミュート状態において有意なインピーダンスを有し、ミュート状態においてインピーダンスが低下する。したがって、非ミュート状態においては、負方向への電圧スイングに対して十分なレンジを確保するのに寄与し、ミュート状態においては、ミュートトランジスタM1のバックゲートを接地電位に安定化させることができ、ミュート動作を確実に行うことができる。
さらに、本実施の形態では、制御信号Scntは、ミュート状態においてハイレベルとなり、非ミュート状態においてハイインピーダンス出力とし、ミュート回路10が、ミュートトランジスタM1のゲートと信号ラインSLの間に設けられた第1抵抗R1と、ミュートトランジスタM1のゲートと接地端子の間に設けられた第2抵抗R2を設けた。
その結果、非ミュート状態において、制御信号Scntがハイインピーダンスとなると、ミュートトランジスタM1のゲートには、信号ラインSLの電位Voutと接地電位を第1、第2抵抗R1、R2によって分圧した電位が印加される。
もし仮に非ミュート状態において制御信号Scntをハイインピーダンス出力とせずに、ローレベル(接地電位)に固定した場合、ミュートトランジスタM1のゲートと信号ラインSLの電位差が、ミュートトランジスタM1のしきい値電圧Vtを超えると、ミュートトランジスタM1がオンしてしまうため、負方向の振幅レンジが、−Vtに制限されてしまう。これに対して、非ミュート状態において制御信号Scntをハイインピーダンスとすることにより、振幅レンジを広げることができる。
この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
本実施の形態では、ミュートトランジスタM1のバックゲートに接続するインピーダンス素子としてNチャンネルMOSFETの補助トランジスタM2を設ける場合について説明したが、これに替えて抵抗を設けてもよい。この場合、抵抗の抵抗値をRとし、電流をIとするとき、負方向の振幅レンジを、−(I×R+Vf)まで確保することができる。また、補助トランジスタM2に替えて、ダイオードを用いてもよい。あるいは、トランジスタ、ダイオード、抵抗を組み合わせてもよい。たとえば、インピーダンス素子14として、ひとつの補助トランジスタM2が示されるが、補助トランジスタM2のバックゲートを接地せずに、バックゲートと接地の間に、さらに第2の補助トランジスタや抵抗、ダイオードを設けてもよい。この場合、負方向の振幅レンジをさらに拡大することができる。
本発明の実施の形態に係るミュート回路およびオーディオ信号増幅回路を搭載した電子機器の構成を示す回路図である。 本実施の形態に係るミュート回路により規定される出力電圧の振幅レンジを示す図である。
符号の説明
10 ミュート回路、 12 ミュート制御回路、 14 インピーダンス素子、 20 ΔΣ変調器、 22 D級アンプ、 100 オーディオ信号増幅回路、 102 入力端子、 104 出力端子、 106 ミュート端子、 108 接地端子、 110 音源、 120 フィルタ、 130 スピーカ、 200 電子機器、 R1 第1抵抗、 R2 第2抵抗、 M1 ミュートトランジスタ、 M2 補助トランジスタ、 D1 第1ボディダイオード、 D2 第2ボディダイオード、 D3 第3ボディダイオード、 SL 信号ライン、 Scnt 制御信号。

Claims (8)

  1. オーディオ信号のミュート回路であって、
    ミュート対象となるオーディオ信号が伝搬する信号ラインと、所定の固定電圧端子の間に設けられたNチャンネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)であるミュートトランジスタと、
    前記ミュートトランジスタのバックゲートと前記固定電圧端子の間に設けられたインピーダンス素子と、
    前記ミュートトランジスタのゲートと前記信号ラインの間に設けられた第1抵抗と、
    前記ミュートトランジスタのゲートと前記固定電圧端子の間に設けられた第2抵抗と、
    前記ミュートトランジスタのゲートに、ミュートのオンオフを制御する制御信号を出力するミュート制御回路と、
    を備え、
    前記ミュート制御回路は、ミュート状態において前記ミュートトランジスタをオンさせるためのハイレベル電圧の前記制御信号を出力し、非ミュート状態においてハイインピーダンス出力となることを特徴とするミュート回路。
  2. 前記インピーダンス素子は、
    非ミュート状態において有意なインピーダンスを有し、ミュート状態においてインピーダンスが低下する可変インピーダンス素子であることを特徴とする請求項1に記載のミュート回路。
  3. 前記可変インピーダンス素子は、ゲートに前記制御信号が入力され、バックゲートが前記固定電圧端子に接続されたNチャンネルMOSFETを含むことを特徴とする請求項2に記載のミュート回路。
  4. 前記インピーダンス素子は抵抗を含むことを特徴とする請求項1に記載のミュート回路。
  5. 前記第1抵抗と前記第2抵抗の抵抗値が略等しく構成されることを特徴とする請求項に記載のミュート回路。
  6. 出力すべきオーディオ信号に応じてパルス変調されたパルス信号を生成する変調部と、
    前記パルス信号を増幅するD級アンプと、
    前記D級アンプの出力からフィルタを介して、電気信号を振動に変換する音声出力部に至る信号ラインに伝搬するオーディオ信号をミュートする請求項1からのいずれかに記載のミュート回路と、
    を備えることを特徴とするオーディオ信号増幅回路。
  7. ひとつの半導体基板上に一体集積化されたことを特徴とする請求項に記載のオーディオ信号増幅回路。
  8. 請求項に記載のオーディオ信号増幅回路と、
    前記オーディオ信号増幅回路の前記D級アンプの出力信号から高周波成分を除去するフィルタと、
    前記フィルタを通過した信号によって駆動される音声出力部と、
    を備えることを特徴とする電子機器。
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