JP4860881B2 - スマートラック及びマシーンシステム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明の分野
本発明は一般的に様々なタイプの物品を洗浄するための方法及びシステムに関し、さらに特に、関連してあらかじめ定められた洗浄命令によって、具体的なタイプの物品を洗浄することに関する。
【0002】
関連する技術の背景
通常の皿洗い機は、そのスプレーアームを作動させ、かつ、さらに洗浄自体を行うために、加圧下で熱水を使用する。有効であるためには、その水は全ての方向から強力な噴射でスプレーされなければならず、それにより水は物品全てに届く。これらは次に乾燥の前に清浄な水の噴射で濯がれる。
【0003】
典型的な皿洗い機のサイクルにおいては、水は軟水化装置(water softner)を通って入るが、これは皿が斑点なしに乾燥するように水を処理する。その水は皿洗い機の底を満たす。洗浄用化学薬品が添加され、水と混じる。上記熱水は洗浄ポンプによって、回転スプレーアームに汲み上げられる。この熱水が皿を噴射し、さらに皿洗い機の基部に戻り、ここで水は濾過された後にリサイクルされる。洗浄後、汚水は排水管を通って皿洗い機からくみ出される。皿は次に濯がれ、さらに乾燥される。
【0004】
さらに進歩したシステムにあっては、当業者は、洗浄プロセスの制御法を開発することができ、その方法は読み込まれかつ翻訳され、さらに続いてその翻訳された洗浄制御法に従って洗浄プロセスを制御する。現在のプログラム可能なシステムに伴う一つの問題は、その洗浄前にシステム中に式が入力されなければならないことである。このことは、誤ってプログラムされた情報に容易に導かれる可能性がある。さらに、これは非常に時間を費やすことである可能性があり、さらにそのため費用のかかる操作でありうる。このことはカフェテリアまたはレストランで使用される皿洗い機について特に真実であって、この皿洗い機は、迅速にかつ適切に洗浄された物品を得ることの容易さ及び能率が最も重要であるときに設置される。
【0005】
本発明のまとめ
本発明に従い、上記及びその他の問題は、スマートラック及び機械法並びにシステムを提供することによって解決されるが、この方法及びシステムにおいては、洗浄されるべき物品の具体的なタイプが識別される。このタイプの識別は、プロセッサー制御された洗浄サブシステムに伝達されるが、このサブシステムはその物品のタイプ自体にあらかじめ定められた化学薬品組み合わせ物(ケミカル・コンビネーション)及びその他の洗浄パラメーターにしたがって、その物品を洗浄する。
【0006】
本発明においては、識別子と結合された1以上の物品を洗浄するための自動化された洗浄装置が提供される。この洗浄装置は記憶装置を有し、この記憶装置は上記自動化された洗浄装置において使用可能な洗浄用化学薬品を特定する、あらかじめ定められた化学薬品の組み合わせ物の配列を貯蔵する。検出装置(ディテクター)が上記物品または物品のタイプに結合された識別子を検出するために配置される。プロセッサーは上記検出装置と連結されるが、それは検出された識別子に基づいて、上記記憶装置から上記物品を洗浄するための化学薬品の組み合わせを選択するためである。制御装置は上記プロセッサーと連結され、上記選択された化学薬品の組み合わせによって特定された化学薬品類を分配する。さらに、洗浄サブシステムがそのプロセッサーに連結され、上記分配された化学薬品類を用いて上記物品を洗浄する。
【0007】
使用において、上記自動化された洗浄装置を使用して1以上の物品を洗浄するための方法は、その自動化された洗浄装置で使用可能な洗浄用化学薬品を特定する、あらかじめ定められた化学薬品の組み合わせの配列を記憶装置内に提供することによる。物品または物品のタイプと結合された識別子が検出される。この検出された識別子に基づき、その物品を洗浄するための化学薬品の組み合わせが、あらかじめ定められた配列から選択される。その選択された化学薬品の組み合わせによって特定された化学薬品類が自動化された洗浄装置に分配される。さらに、その物品は、あらかじめ定められた配列からの洗浄パラメーターに従って、その自動化された洗浄装置で洗浄される。
【0008】
上記洗浄パラメーターはさらに、各物品にたいして使用されるべきスプレー圧力の指定を含む。そのスプレー圧力は、例えば、あらかじめ定めたポンプ周波数設定、例えば、RPMsにより、または噴霧器から水をそらすマニホールド・バルブ(manifold valve)によって制御される。
【0009】
本発明の実施態様は、特定の物品をあらかじめ定められた化学薬品の組み合わせ物で洗浄するために自動化された洗浄装置で使用されることができる一方、本発明は物品または物品のカテゴリーに標識を付けることが有益であるだろう他のシステムでの使用に適用されることができることに注意すべきである。
【0010】
まとめると、本発明は、多くの点で、従来技術の自動化された洗浄装置システムを越える顕著な改善を提供する。本発明による自動化された洗浄装置システムは、物品または物品のタイプの自動化された識別、及び適当な洗浄用化学薬品及びサイクルを伴う洗浄シーケンスの操作を可能にし、さらに従来技術の欠点を克服する。本発明を特徴づける、これら及び様々なその他の特徴並びに利点は、以下の詳細な説明を読むこと、及び関連する図面の概観から明らかになるだろう。
【0011】
実施態様の詳細な説明
本発明は、物品にあらかじめ定められた化学薬品組み合わせ物の具体的なタイプ、及びその他の洗浄パラメーターに従って、物品を洗浄するための自動化された洗浄装置のための方法及びシステムを提供する。図1を参照するが、図1は本発明の一つの可能な実施態様における洗浄装置(20)の構成要素を示す。この洗浄装置はラック(rack)(22)を含み、洗浄されるべき物品がその上に配置される。この洗浄装置は、通常の皿用ラックを有する、市販の取り外して充填するタイプ(ダンプ・アンド・フィル・タイプ(dump and fill type))の皿洗い機であることができるが、その他の洗浄装置類も使用されることができ、それは動物研究分野で使用される動物ケージ(cage)洗浄装置、並びに大規模レストラン及びベーカリーで使用されるポット(pot)及びパン(pan)洗浄装置を含むがこれらに限定されない。
【0012】
一般に、識別子(24)についてプログラムされた応答装置(トランスポンダー(transponder))(23)が、上記ラック(22)の上に配置される。これは洗浄のために、特定のタイプの物品としてその物品の識別を可能にするだろう。典型的には、この応答装置は上記ラック(22)上に配置され、またはそのラック内に組み込まれることができる。小型の差込可能な応答装置(1/16”×1/2”(1.59mm×12.7mm))がラック上で最良に動作するだろうが、それは一つにはラック上への配置の容易さのためである。さらに、そのラックが生産されるときに、そのラック内に上記応答装置を組み込むことが可能である一方、既存のラックを改良できる可能性があることは望ましいだろう。別の実施態様においては、別の大きさの応答装置が許容可能である。
【0013】
上記応答装置(23)は、好ましくはラック(22)の中心に配置される。応答装置(23)の中心への配置により、この応答装置は洗浄装置(20)内でのラック(22)の向きにかかわらず物品タイプを識別することができるだろう。別の実施態様においては、ラック(22)の特定の配向を強制することができるが、それはそのラックの一側面上に応答装置(23)を片寄らせること、及び応答装置のアンテナ(28)を適当に片寄らせることによる。
【0014】
この応答装置(23)は、識別値が、使用されているラックのタイプ、すなわちカップ、皿、金属器等のために設計されたラックのタイプを示すように、唯一の識別情報とともにあらかじめプログラムされることができる。使用可能な応答装置の例は、デストロン/IDIインジェクタブル・トランスポンダー・モデルTX1400L(Destron/IDI Injectable Transponder Model TX1400L)である。差込可能な応答装置(インジェクタブル・トランスポンダー)は、互換無線周波数ID読みとりシステム(compatible radio-frequency ID reading system)と連係して作動するように設計された、受動無線周波数識別タグ(radio-frequency identification tag)である。別の実施態様においては、画像識別も同様に使用されることができ、ここでは各ラックは、それが洗浄装置内に受け入れられる前に視覚的に識別されることができる。視覚的識別の例は、その機械の運転者がコンピューター画面上のいくつかの異なるアイコンであって、それがその機械内に配置された物品のタイプに一致するであろうアイコンを選択することができるであろう場合だろう。
【0015】
物品の識別は、例えば、特に設計されたラックの使用により;光学的認識の使用により;バーコードの使用により;ラックの色により;物品自体に応答装置を付することにより;または、接近センサーの使用により行われることができる。様々なタイプの物品の例は、ガラス製品、ポット及びパン(pan)、皿、カップ、金属器、及びコーヒーカップを含むが、これらに限定されない。好ましくは、異なるラックが、異なるタイプの物品に対して典型的には使用される。共通の洗浄シーケンス(sequence)と結合されたタイプの物品は、本発明の実施態様においては一緒にグループ化されることができる。
【0016】
本発明の実施態様の洗浄装置は、トランシーバー(transceiver)(25)を含み、このトランシーバーは、識別子(24)から洗浄されるべき物品のタイプを検出し、さらにプロセッサー(26)に対してその識別情報を伝達することができる。トランシーバー(25)は、一般に、好ましくはラック(22)及びその応答装置(23)に隣接した洗浄装置の外側端部上に配置された応答装置アンテナ(28)を含む。上記応答装置アンテナは、さらに上記洗浄装置内に配置されることができる。トランシーバー(25)はさらに応答装置インターフェース(30)を含み、これは識別情報がプロセッサー(26)によって受信されるために、さらに続いて記憶装置(32)において検索されるためにプロセッサー(26)と連結される。
【0017】
一つの実施態様において、応答装置(23)はラック(22)の底部に配置され、さらに応答装置アンテナ(28)は皿テーブル(dish table)内に組み込まれる。各回ごとに、応答装置(23)は応答装置アンテナ(28)の上を通過し、この応答装置アンテナ(28)は応答装置(23)を覚醒させ、さらにこの応答装置に貯蔵された識別子(24)の情報はトランシーバー(25)に送られる。一つの実施態様において、コンピューター画面(図示しない)は、そのラックが応答装置アンテナ(28)の上を通過するときに、識別されたラックのタイプを表示することができる。このコンピューター画面表示はさらに、その物品のタイプに対して使用される化学薬品組成物、検出の日時、及び起きたか、または起こる可能性がある洗浄プロセスにおけるいずれかのエラー(例えば、洗浄剤不足)のようなさらなる情報を含むことができる。
【0018】
別の実施態様は、ラック質量の測定を可能にし、それはラック内の物品の数の指示を提供することによって、積載の効率を決定するために使用されることができる。このことは、その洗浄装置の入口近くに天秤を配置することによって実施されることができる。
【0019】
検出装置については、スーパーマーケットで使用されるタイプに類似したバーコードスキャナー(barcode scanner)が同様に一つの実施態様において利用可能である。赤外線スキャナーまたは接近センサーが使用できる。使用されうるスキャナーの例は、(サウス・セントパウル、MN(South St.Paul,MN)の)デストロン−フィアリング・コーポレーション社(Destron-Fearing Corporation)のポケット・リーダー(Pocket Reader)、及びポケット・リーダーEX(Pocket Reader EX)スキャナーである。対応するバーコードは、このバーコードスキャナーによる検出のために、上記ラックに付される。
【0020】
言及したように、プロセッサー(26)は典型的には、上記応答装置インターフェース(30)に連結される。プロセッサー(26)は、(以下にさらに詳細に議論する)記憶装置(32)から、あらかじめ定めた化学薬品組み合わせ物を、その他の洗浄パラメーターとともに選択するために使用されるが、それは上記検出された識別子(24)に基づき、特にその物品タイプを洗浄するためである。プロセッサー(26)、典型的にはプログラム可能なロジックコントローラー(Programmable Logic Controller(PLC))は、洗浄指示のあつらえた式が、洗浄される物品の各タイプに対して設定されることを可能にする。例えば、ポット及びパンを洗浄するときは、高いレベルの洗浄剤が必要とされ、さらに濯ぎ添加剤の使用は必要とされない可能性がある。その代わり、いっそう刺激性の少ない洗浄剤、及び増加されたレベルの濯ぎ添加剤が、例えば、クリスタルガラスに対して必要とされる可能性がある。
【0021】
記憶装置(32)は、あらかじめ定められた化学薬品組み合わせ物の配列及びサイクル・シーケンス(cycle sequence)、並びに持続時間を記憶するために使用され、使用される洗浄用化学薬品を様々なタイプの物品に対して特定する。図2は、本発明の可能な実施態様の記憶装置に配置された洗浄パラメーターの代表的な表を示す。
【0022】
記憶装置(32)は、メモリー記憶単位と考えられることができ、この単位は識別情報のための配列、及びあつらえた工程パラメーター(custom processing parameter)の対応する配列を含む。各物品タイプと結合されたそのような情報は、洗浄サイクルにおいて使用される対応する化学薬品のタイプ、使用される各化学薬品の量、使用される水の温度、使用される水のタイプ、サイクルの順序、サイクルの持続時間、及び使用されるスプレー圧力を含むことができる。水は、希釈剤の一つのタイプであり、これは化学薬品組み合わせ物の一部分と考えられることができる。
【0023】
あらかじめ定められた化学薬品の組み合わせが、好ましくは記憶装置(32)中に配置され、そこでひとたびラック(22)内にどのタイプの物品があるかを識別すると、この洗浄装置は一定の方法で、特異的に、あらかじめ定められたパラメーターに従い、そのラックの物品を洗浄するように制御されることができる。いくつかの例は以下の通りである:
【0024】
【表1】
Figure 0004860881
【0025】
ひとたびラック内の物品のタイプが識別されると、組み合わせ物は非常に多いことが、これらの例から理解できる。例えば、洗浄剤は様々な化学成分に分解されることができ、さらにあらかじめ定められた化学薬品の組み合わせに従って混合され、洗浄される物品のタイプに適合される。同様のことが、濯ぎ添加剤についても行われることができる。
【0026】
図2は、本発明の可能な実施態様の記憶装置(32)中に配置される洗浄パラメーターを示す。A列には、識別される物品タイプが、物品タイプ(article-type)として列挙されるが、同様に例えば、特定される物品タイプに対応する識別番号またはコードであることもできる。洗浄されるべき物品のタイプが識別子(24)から検出されるとき、その識別情報はプロセッサー(26)に伝達される。このプロセッサー(26)は、次にその記憶装置(32)中にその識別される物品タイプを、図示されるように配置し、表の対応する行において発見されるようにして、使用されるべき洗浄式(wash formula)を決定する。
【0027】
B列中の使用される化学薬品タイプは、数ではわずかであり、すなわち、洗浄剤(detergent)、濯ぎ添加剤(rinse additive)、塩素、及び殺菌剤(sanitizer)である。しかしながら、この化学薬品タイプは、例えば、使用される化学薬品が必要なだけ多数であることを可能にする、関連づけられた(リンクされた)リスト構造であることもできる。
【0028】
C列中の特定された各化学薬品の量は、所望する化学薬品組み合わせ物を作るために用いられるべき、B列の各々特定された化学薬品の量の例である。B列の溶液は、特定の化学薬品組み合わせ物を構成するために、所望されるときに併合されることができる。
【0029】
D列においては、水温が特定される。一つの可能な実施態様において、水温がファーレンハイト温度で特定される。この水温は同様にセルシウス温度で特定されることもできる。別の実施態様においては、この水温は、あらかじめ定めた標準温度からの一定の温度のプラス、またはマイナスの変数として特定されることもできる。
【0030】
E列においては、化学薬品組み合わせ物の一成分と考えられる水のタイプが特定される。水のタイプの選択は、硬水(hard water)、軟水(soft water)、蒸留水、またはRO(貯蔵浸透(reserve osmosis))水、及びその他の水質または水源の選択を含むことができるが、これらに限定されない。
【0031】
列Fにおいては、サイクル命令が特定されている。このサイクル命令は例えば、必要なだけ多くのサイクル命令の組み合わせを可能にするために関連づけられた(リンクされた)リスト構造であることができる。G列中においては、列Fの各々のサイクル命令に対するそのサイクル持続時間が与えられる。本発明の一つの実施態様において、列G中のサイクル持続時間は、ナショナル・サニテーション・ファウンデーション(National Sanitation Foundation)(“NSF”)によって要求される最低限のものである。列Hにおいては、サイクル延長が特定される。これは、列G中に与えられた、対応するNSF持続時間に基づく量へのプラス、またはマイナスとして与えられる。別の実施態様においては、このサイクル持続時間は、具体的なシステムに対してあらかじめ定められた標準設定であることができる。その他の持続時間の組み合わせが使用されることができる。
【0032】
列Iにおいては、スプレー圧力が特定される。本発明の一つの実施態様において、このスプレー圧力は、低い(low)、中間(medium)、または高い(high)のいずれかとして特定される。中間スプレー圧力は典型的にはポンプ周波数設定としてプログラムされるが、例えば、1725RPM、または3450RPMのいずれかであり、使用されるポンプのタイプに左右される。低い、及び高い設定は、標準設定に対して、それぞれ、−50%及び+50%として計算される。それに代わり、上記スプレー圧力設定は、スプレー装置からの水を脇にそらせるマニホールド・バルブを制御する。
【0033】
別の実施態様においては、洗浄される物品のタイプが追跡され、さらに印刷(プリントアウト)されることができるが、これは顧客に対する追加の利点である。例えば、この使用者は、物品タイプが洗浄される日時に関する情報を入手することができ、さらにそれに従って洗浄用供給品在庫を調節することができる。さらに、洗浄装置の使用のピーク時期が追跡され、かつ報告されることができる。これは使用者によって、例えば、労働の必要性を評価し、かつ労働コストを低く維持するために使用されることができる。これらのタイプの報告は、文字(テキスト)または映像(グラフィカル)形式で見、及び/または印刷されることができる。
【0034】
具体的な物品タイプに対して最適化される式により、追加の利点は、追加の濯ぎ添加剤でガラス製品のラックを濯ぐときに以下のようなことを実施することができることを含むが、それは;ガラス製品の最後の濯ぎのために脱イオン水を使用すること;水質、または溶解される固体の量に関連して、水のタイプを選んで用いること、例えば、軟水、硬水、蒸留水、またはRO水;汚れがつくことを制御することを助けるために、最後の濯ぎへの漂白剤の添加;ポット及びパンを洗浄するための追加の洗浄剤の使用;洗浄される物品タイプに基づく組成物を完全に最適化し、さらに混合すること;洗浄される物品に基づき、洗浄時間を延長または短縮すること;種々の最後の濯ぎの選択肢、例えば、殺菌のための180°F(82.2℃)、または水による斑点の調節のための脱イオン水の提供、である。
【0035】
プロセッサー(26)に連結される制御装置(34)(図1)は、ひとたびプロセッサー(26)が、記憶装置(32)から化学薬品の組み合わせを選択すると、その選択された化学薬品の組み合わせによって特定される化学薬品群を分配する。この化学薬品群の分配の制御は、設定可能なタイマーの使用のような方法によって達成されることができる。
【0036】
洗浄サブシステム(35)は、上記プロセッサーと連結され、上記分配された化学薬品群を用いて物品を洗浄する。この洗浄サブシステム(35)は典型的には、上段の洗浄サブシステム(36)、及び下段の洗浄サブシステム(37)を含む。具体的な物品タイプのパラメーター設定は、上記洗浄サブシステム(36)、(37)の何れか一方、または両者の使用の選択、並びにその選択された洗浄サブシステムによって使用されるスプレー圧力を含むことができる。このスプレー圧力は、ポンプ作動を制御することにより、または(図示しない)マニホールド・バルブの使用によって制御されることができる。例えば、軽い、プラスチック製品を洗浄するときは、上段の洗浄サブシステム(36)からの低いスプレー圧力が望ましい可能性があるが、それは洗浄装置内で物品を混乱させないためである。
【0037】
そのような操作のために使用されることができる洗浄装置の一つのタイプは、充填放出型機械(フィル・アンド・ダンプ・タイプマシーン(fill-and-dump type machine)である。充填放出型機械においては、洗浄されるラックごとに濯ぎ水は各回ごとに新しい。濯ぎサイクルごとに、この装置は中身を捨て、さらに新しい水を装置に最充填し、化学薬品でそれを処理し、物品を洗浄し、そのサイクルの最後に来たら、濯ぎ、さらに中身を捨て、さらに新しい濯ぎ水で再び再充填する。このタイプの機械は、したがって、洗浄タンク内に入る水を制御する能力を与えるが、それは例えば、その水を所望の濃度にするために充分な洗浄剤を添加することによる。あるいは、その他の洗浄物質または化学薬品が、洗浄される物品タイプに基づいて、水に添加されることができる。別の選択肢は、全サイクルを新しい水で洗浄すること、であることができる。
【0038】
図3に示すように、本発明の制御ボックス(50)は典型的には、プロセッサー(26)、応答装置インターフェース(30)、及び記憶装置(32)を含む。応答装置アンテナ(28)がラックに配置された識別子を検出するとき(図1)、この識別子(24)は、応答装置インターフェース(30)によって、それが連結されるプロセッサー(26)に伝達される。このプロセッサー(26)はその識別子を受け取ることができ、さらに記憶装置(32)からその具体的な物品に対するいずれかの相当する、あらかじめ定められた細目及びパラメーター(これらは化学薬品のタイプ及び量、水温及び水のタイプの選択、サイクル順序、及びサイクル持続時間を含むことができるがこれらに限定されない)を選択することができる。同様にプロセッサー(26)に連結される制御装置(34)(図1)は、次に特定された化学薬品を分配し、並びに、そのプロセッサー(26)によって情報伝達されているいずれかの他のパラメーターを実行する。本発明の一つの実施態様において、上記細目及びパラメーターは(図示しない)リレー(relays)に情報伝達され、リレーは洗浄ポンプ、温水器(water heater)、化学薬品分配システム、及び表示灯(indicator lights)を作動させる。別の実施態様において、上記洗浄サブシステムは、上記コントロール・ボックス(50)の操作(オペレーション)を実行するためにプログラムされた一般用途のコンピューターによって制御されることもでき、あるいはネットワークの一部として接続されることもできる。
【0039】
さて図4を参照するが、この図は操作(オペレーション)を図示し、この操作により、物品は本発明の一つの実施態様においてあらかじめ定められた化学薬品組み合わせ物で洗浄される。操作(70)において、物品は、与えられたタイプの物品のために設計されたラックの上に配置される。そのラック上の識別子(24)は操作(72)においてトランシーバーの応答装置アンテナ(28)によって検出される。一つの実施態様において、図1に示すように、この応答装置アンテナはこの洗浄装置の外側端部に配置される。このラック(22)は、操作(74)において洗浄装置内に受容される。操作(76)において、トランシーバー(25)によって読まれた識別情報は、それが連結されたプロセッサー(26)に伝達される。操作(78)において、上記プロセッサーは次に、貯蔵装置(32)から、検出された識別子(24)に基づいて、物品を洗浄するための適当な化学薬品組み合わせ物を選択する。
【0040】
一つの実施態様において、ラックを受け入れた後に洗浄装置の扉が閉じられたとき、上記プロセッサーは上記記憶装置から適当な化学薬品組み合わせ物の選択を行う。従って、上記物品タイプの識別はトランシーバーによって行われることができるが、適当な化学薬品組み合わせ物の選択は、扉を閉じることがその選択を引き起こすまで行われることはないだろう。そのようなステップは、上記トランシーバーによって読みとられた最後の識別情報が、化学薬品の組み合わせ物を選択するために用いられる情報であることを確実にする。適当なこのシステムでは、運転者が間違いを犯し、かつ誤ったラックを入れること、あるいは気が変わり、さらにラックを変更することがありえるが、なお正しい識別情報がなお使用される。別の実施態様においては、適当な化学薬品組み合わせ物の選択の開始は別なときに起こる可能性がある。例えば、この選択は上記トランシーバーによって実行される、物品タイプの識別によって開始されることができ、さらに次に別の識別が生じた場合は単に上書きされることができる。ひとたび選択が実行されると、プロセッサー(26)に連結された制御装置(34)は、次に操作(80)において選択された化学薬品の組み合わせに対して特定された化学薬品を分配する。操作(82)においては、プロセッサー(26)に連結される洗浄サブシステム(35)は、その分配された特定化学薬品類を用いて物品を洗浄する。
【0041】
図5は、図4の物品依存性の、プログラム可能な操作をさらに詳細に示す。一般に、操作(90)において、物品はラック(22)の上に最初に配置される。先に議論したように、操作(92)においてと同様、いくつかの物品タイプの選択手法が存在する。本発明の一つの実施態様において、操作者は、操作(94)において物品タイプの手動(マニュアル)選択をすることができる。本発明の別の実施態様においては、操作(96)において、物品タイプが、識別子の値及びトランシーバーによって識別されることができることは上述の通りである。または、別の実施態様において、操作者は上記マニュアル選択アイコン(icons)または上記ラック識別子のいずれかを利用する選択肢を有することができることは、図5に示す通りである。ひとたび物品のタイプがこれらの方法の一つにおいて識別されると、ラック(22)は操作(98)において洗浄装置内に受け入れられる。本発明の一つの実施態様中、操作(100)において、洗浄剤ポンプが次に記憶装置(32)の表中に特定される時間の間作動するが、その時間はどのタイプの物品が洗浄されるかに左右される。例えば、このプログラムは、カップ及びガラス製品が第1の量の洗浄剤を使い、平らな製品は洗浄剤を使わず、トレー(trays)は第2の量の洗浄剤を使い、さらにポット及びパンまたはプレート及び皿類は第3の量の洗浄剤を使うことを特定することができる。
【0042】
本発明の一つの実施態様中、操作(102)において、洗浄ポンプが次に一定の時間の間作動し、その時間は同様に、洗浄される物品のタイプに左右される。例えば、この洗浄装置は洗浄サイクルがトレーまたはポット及びパンに対して、延長された時間の間作動することをプログラムされうる。水は操作(103)で排出される。操作(104)において、濯ぎバルブが次に一定の時間開放されるが、その時間は(104)で洗浄される物品のタイプに左右される。例えば、カップ及び平らな製品は第1の量の濯ぎ添加剤を受け入れ、トレーは第2の量の濯ぎ添加剤を受け入れ、ポット及びパンは第3の量の濯ぎ添加剤を受け入れ、さらにガラス製品またはプレート及び皿は第4の量の濯ぎ添加剤を受け入れることがプログラムされうる。
【0043】
最後に、操作(106)において、濯ぎ注入装置が一定の時間作動されることができ、その時間は同様に(106)で洗浄される物品のタイプに左右される。例えば、トレーはいかなる殺菌剤の注入も受けず;ポット及びパン、ガラス製品、平らな製品、またはプレート及び皿は第1の量の殺菌剤を受け入れ;さらにカップは第2の量の殺菌剤注入を受け入れることがプログラムされうる。典型的には上記洗浄プロセスは次に操作(108)で終了するだろう。
【0044】
上に記述したシステムは前述の目的を満たすために有効に適用される一方、本発明は上で説明した洗浄装置、方法、及びシステムの具体的な好ましい実施態様に限定されることが意図されるものではないことが理解されるべきである。むしろ、添付のクレームの対象物に対する全ての合理的な等価物を含むようにとらえられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の可能な実施態様における自動化された洗浄装置の構成部分を示す。
【図2】 図2は、本発明の可能な実施態様の記憶装置内に配置された洗浄パラメーターの代表的な表を示す。
【図3】 図3は、図1に示した、制御ボックスの構成要素の拡大図を示す。
【図4】 図4は、ステップを示し、そのステップによって本発明の可能な実施態様に従い、あらかじめ定めた化学薬品処方によって物品が洗浄される。
【図5】 図5は、図4の物品依存性、プログラム可能な操作を、より詳細に示す。

Claims (2)

  1. 識別子に結合される1以上の物品を洗浄するための自動化された洗浄装置であって、ここで当該1以上の物品は貯蔵構造物内に貯蔵されており、当該洗浄装置は、以下の:
    前記自動化された洗浄装置において使用されることができる洗浄用化学薬品を特定する化学薬品の組み合せの配列を記憶する記憶装置;
    前記物品に結合される前記識別子を検出するために配置される検出装置;
    検出された識別子に基づき前記物品を洗浄するための化学薬品の組合せを前記記憶装置から選択するために前記検出装置に連結され;そして前記自動化された洗浄装置のドアであって、該ドアを通って前記貯蔵構造物が前記自動化された洗浄装置内に受け入れられるところのドアを、閉めることにより起動されるプロセッサー;
    選択された化学薬品の組合せにより特定される化学薬品を運ぶために前記プロセッサーに連結された制御装置;及び
    前記運ばれた化学薬品を用いて前記物品を洗浄するために前記プロセッサーに連結された洗浄サブシステム;
    を含む前記洗浄装置。
  2. 識別子に結合される1以上の物品を洗浄するための自動化された洗浄装置であって、当該装置は、以下の:
    前記自動化された洗浄装置内で使用されることができる洗浄用化学薬品を特定する化学薬品の組み合せの配列を記憶する記憶装置;
    前記物品に結合される識別子を検出するために配置される検出装置;
    検出された識別子に基づき、前記物品を洗浄するための化学薬品の組合せを前記記憶装置から選択するために前記検出装置に連結されたプロセッサー;
    選択された化学薬品の組合せにより特定される化学薬品を運ぶために前記プロセッサーに連結された制御装置;及び
    前記運ばれた化学薬品を用いて前記物品を洗浄するために前記プロセッサーに連結された洗浄サブシステム;
    を含み、ここで前記記憶装置内に記憶された化学薬品の組合せは、水のタイプ、水の温度、サイクル順番、及びサイクルの継続時間を特定するためのさらなるパラメータを含む、前記洗浄装置。
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