JP4860788B2 - 1液型の歯科用接着材組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、1液型の歯科用接着材として使用される、重合性単量体を含む組成物に関する。詳しくは、歯質と歯科用コンポジットレジン、歯科用コンポマー、歯科用レジンセメント等の歯科用修復材料とを接着するために用いる1液型の歯科用接着材組成物に関する。
歯の欠損部に修復物を充填又は被覆する際には、通常、歯科用接着材が用いられる。歯質、とりわけ象牙質に対して、このような歯科用接着材を作用させた場合には、象牙質表面を酸性成分で溶かす脱灰作用、モノマー成分が象牙質のコラーゲン層に浸透する浸透作用、及び浸透したモノマー成分が固まってコラーゲンとのハイブリッド層(以下、「樹脂含浸層」と呼ぶことがある)を形成する硬化作用を有することが重要である。
現在までに上記脱灰作用、上記浸透作用、及び上記硬化作用を順に適用する3液3ステップ型から、上記脱灰作用と上記浸透作用を統一した2液2ステップ型、さらに上記脱灰作用、上記浸透作用、及び上記硬化作用を全て集約した1液1ステップ型へと歯科用接着材の使用態様を簡略化する検討が行われている。とりわけ近年では、簡便かつ迅速に接着操作を行うことができ、唾液や血液による汚染を受けにくいとされる1液1ステップ型の歯科用接着材の開発が進められている。
例えば、特許文献1には、疎水性の酸性基含有重合性単量体と、水溶性の重合性単量体と、水と、光重合開始剤と、電子吸引性基を有する芳香族第3級アミンと、架橋性重合性単量体と、前記疎水性の酸性基含有重合性単量体の一部と反応して水溶性の塩を生成すべき塩基性化合物とを含むことを特徴とする1液型の歯科用接着材組成物が記載されている。これによると、歯質に対して前処理を行わなくても高い接着性を発現することができ、貯蔵安定性にも優れた組成物を得ることができるとされている。しかしながら、この歯科用接着材組成物は、初期の接着性には優れるものの、接着材層及び樹脂含浸層が吸水劣化するおそれがあり、長期接着耐久性に改善の余地があった。
長期間にわたって優れた接着性を示す接着材組成物として、特許文献2には、フルオロカーボン基を有する重合性単量体を含有する生体材料用接着材組成物が開示されている。この文献には、フルオロカーボン基を有する重合性単量体を重合させた硬化物は、吸水率及び寸法安定性に優れるとの記載がある。さらに、フルオロカーボン基を有する重合性単量体を重合させたポリマー粉末、フルオロカーボン基を有する重合性単量体、酸性基を有する重合性単量体及び重合開始剤の混合組成物は、歯質に対する接着性に優れるとの記載もある。
また、フルオロカーボン基を有する重合性単量体を用いた歯科用組成物として、特許文献3には、フルオロカーボン基と2個以上の重合性基を有する重合性単量体と、親水性の重合性単量体と、重合開始剤とを含む組成物が開示されている。この文献には、この組成物は、短時間で重合硬化することができ、優れた撥水性及び耐着色性を示しながらも、歯質や接着材とのなじみが良く、優れた接着性を得ることができると記載されている。
国際公開第2005/060920号パンフレット 特開平1−152179号公報 特開2003−81731号公報
1液型の歯科用接着材組成物の接着耐久性を向上させるにあたり、特許文献2および3に記載されたようなフルオロカーボン基を有する重合性単量体の使用も考えられる。しかしながら、本発明者らの検討によれば、フルオロカーボン基を有する重合性単量体を1液型の歯科用接着材組成物の成分として使用する場合には、組成物が不均一となる、あるいは環境光に対する安定性が悪いという問題があることがわかった。
そこで本発明は、歯質(特に象牙質)に対して優れた接着性及び接着耐久性を示し、かつ環境光安定性が高く、各成分が均一に混合された1液型の歯科用接着材組成物を提供することを目的とする。
本発明は、酸性基を有する重合性単量体(A)、下記一般式(1)で表されるフルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)、水(C)、及び重合開始剤(D)を含有し、前記酸性基を有する重合性単量体(A)の含有量が、重合性単量体の全量100重量部の内、5.5〜35重量部である1液型歯科用接着材組成物である。
Figure 0004860788
(式中、R1は水素原子、又はメチル基を示し、Rfは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を示す。)
前記フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)の含有量は、重合性単量体の全量100重量部の内、0.5〜10重量部であることが好ましい。
本発明の1液型歯科用接着材組成物は、1個の重合性基と1個以上の水酸基を含む重合性単量体(E)を、重合性単量体の全量100重量部の内、10〜50重量部さらに含有することが好ましい。本発明の1液型歯科用接着材組成物は、下記一般式(2)で表される2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)をさらに含有することが好ましい。前記重合性単量体(F)の含有量は、重合性単量体の全量100重量部の内、5〜20重量部であることが好ましい。
Figure 0004860788
(式中、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基を示し、nは1〜5の整数を示す。)
本発明の1液型歯科用接着材組成物は、前記一般式(2)で表される2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)以外の架橋性の重合性単量体(G)を、重合性単量体の全量100重量部の内、20〜60重量部さらに含有することが好ましい。
前記重合開始剤(D)の含有量は、重合性単量体の全量100重量部に対して、0.001〜20重量部であることが好ましい。前記重合開始剤(D)は、下記一般式(3)で表されるビスアシルホスフィンオキサイドであることが好ましい。
Figure 0004860788
(式中、R4は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、又はアシルオキシ基を示し、R5〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、又はアシルオキシ基を示す。)
本発明の1液型歯科用接着材組成物は、有機溶媒(H)を含むことが好ましい。本発明の1液型歯科用接着材組成物は、重合促進剤(I)を含むことが好ましい。本発明の1液型歯科用接着材組成物は、フィラー(J)を含むことが好ましい。
本発明によれば、環境光安定性が高い1液型歯科用接着材組成物が得られる。従って、本発明の歯科用接着材組成物を用いる際には、操作余裕時間、及び脱灰、浸透作用に必要な歯質処理時間を十分に確保することができる。また、本発明の歯科用接着材組成物は、歯質(特に象牙質)に対して優れた接着性及び接着耐久性を示し、歯質と歯科用修復材料との接着に有用である。さらに、本発明の歯科用組成物は、各成分が均一に混合されているため、使用時に各成分を均一に混合するという操作が不要であるため、簡便に使用できる。
本発明の1液型歯科用接着材組成物は、酸性基を有する重合性単量体(A)、上記一般式(1)で表されるフルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)、水(C)、及び重合開始剤(D)を必須成分として含む。まず、これらの必須成分について説明する。
酸性基を有する重合性単量体(A)
酸性基を有する重合性単量体(A)は、酸エッチング効果及びプライマー処理効果を有しており、組成物に脱灰作用及び浸透作用を与える成分である。また、酸性基を有する重合性単量体(A)は、重合可能であり、硬化作用も付与する。組成物が酸性基を有する重合性単量体(A)を含有することにより、1液型の歯科用接着材として機能することができ、また歯質に対する接着性と接着耐久性が向上する。
酸性基を有する重合性単量体(A)は、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することができる。酸性基を有する重合性単量体(A)としては、特に限定されないが、分子内に1個のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体、分子内に複数のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体、分子内にホスフィニル基又はホスホノ基を有する一官能性重合性単量体(一官能性ラジカル重合性リン酸エステルと呼ぶことがある)などが挙げられる。
分子内に1個のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、N−(メタ)アクリロイルグリシン、N−(メタ)アクリロイルアスパラギン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンサクシネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロジェンマレート、O−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルチロシン、N−(メタ)アクリロイルフェニルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−p−アミノ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−o−アミノ安息香酸、p−ビニル安息香酸、2−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、3−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ安息香酸、N−(メタ)アクリロイル−5−アミノサリチル酸、N−(メタ)アクリロイル−4−アミノサリチル酸等及びこれらの化合物のカルボキシル基を酸無水物基化した化合物が挙げられる。
分子内に複数のカルボキシル基又はその酸無水物基を有する一官能性重合性単量体の例としては、11−(メタ)アクリロイルオキシウンデカン−1,1−ジカルボン酸、10−(メタ)アクリロイルオキシデカン−1,1−ジカルボン酸、12−(メタ)アクリロイルオキシドデカン−1,1−ジカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキサン−1,1−ジカルボン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−3’−メタクリロイルオキシ−2’−(3,4−ジカルボキシベンゾイルオキシ)プロピルサクシネート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテートアンハイドライド、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシブチルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルトリメリテート、4−(メタ)アクリロイルオキシデシルトリメリテート、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,2,6−トリカルボン酸無水物、6−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−2,3,6−トリカルボン酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルカルボニルプロピオノイル−1,8−ナフタル酸無水物、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルナフタレン−1,8−トリカルボン酸無水物、9−(メタ)アクリロイルオキシノナン−1,1−ジカルボン酸、13−(メタ)アクリロイルオキシトリデカン−1,1−ジカルボン酸、11−(メタ)アクリルアミドウンデカン−1,1−ジカルボン酸などが挙げられる。
分子内にホスフィニル基又はホスホノ基を有する一官能性重合性単量体の例としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ブロモエチルハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリルアミドエチルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホスホノアセテート等が挙げられる。
その他の酸性基を有する一官能性重合性単量体として、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、10−スルホデシル(メタ)アクリレート等の分子内にスルホ基を有する一官能性重合性単量体などが挙げられる。
酸性基を有する重合性単量体(A)としては、上記の中でも、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホスホノアセテートが好ましく、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメリテート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルホスホノアセテートがより好ましい。
酸性基を有する重合性単量体(A)は、重合性単量体の全量100重量部の内、5.5〜35重量部配合される。酸性基を有する重合性単量体(A)の配合量が、5.5重量部未満の場合、酸エッチング効果及びプライマー処理効果が十分に得られず、好適には7重量部以上である。一方、酸性基を有する重合性単量体(A)の配合量が35重量部を超える場合、組成物が不均一となり、接着材の適用前に接着材が収容された容器を振る必要が生じるため、1液型接着材の長所である簡便性が損なわれる。さらに、十分な硬化性が得られず、また硬化物の吸水が増大することによって接着耐久性の低下を招くおそれがある。
なお、本発明において、重合性単量体の全量とは、重合開始剤(D)により重合する単量体成分、すなわち、酸性基を有する重合性単量体(A)、フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)、1個の重合性基と1個以上の水酸基を含む重合性単量体(E)、2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)、及び架橋性の重合性単量体(G)等の合計量のことをいう。
フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)
下記一般式(1)で表されるフルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)は、組成物に硬化性を与え、また組成物の硬化物の吸水率及び寸法安定性を改善し、接着耐久性を向上させる成分である。フルオロカーボン基を有する重合性単量体の中でも下記一般式(1)で表されるフルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)を、上記特定配合量の酸性基を有する重合性単量体(A)及び水(C)と組み合わせることにより、組成物の環境光安定性、接着性及び接着耐久性がバランスよく高くなる。
Figure 0004860788
一般式(1)において、Rfは、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜5のフルオロアルキル基である。フルオロアルキル基が有するフッ素原子の数には特に制限はなく、アルキル基の水素原子が少なくとも1個のフッ素原子で置換されていればよく、アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていてよい。
一般式(1)において、R1は水素原子、又はメチル基を示し、重合性部位が脱離した際の生体に対する刺激性の観点から、メチル基が好ましい。
フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)は、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することができる。フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)の例としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘプタデカフルオロノニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)の配合量は特に限定されないが、重合性単量体(B)の配合量が少なすぎると、重合性単量体(B)による接着耐久性の向上効果が得られないおそれがある。また、耐着色性が低下するおそれがある。一方、配合量が多すぎると、組成物の脱灰作用及び浸透作用が低下して、接着強さが低下するおそれがある。よって、重合性単量体(B)の配合量は、重合性単量体の全量100重量部の内、0.5〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
水(C)
水(C)は、組成物の歯質に対する接着性と接着耐久性を向上させる成分である。水(C)としては、悪影響を及ぼすような不純物を含有していないことが好ましく、蒸留水又はイオン交換水が好ましい。上記水(C)は単独で用いてもよいし、水(C)と後述の有機溶媒(H)の混合溶媒として用いてもよい。
水(C)の配合量としては、重合性単量体の全量100重量部に対し、5〜500重量部が好ましい。配合量が5重量部未満の場合、環境光安定性が低下するおそれがあり、また、象牙質のコラーゲン層への重合性単量体の浸透性が不十分となり、接着強さが低下するおそれがある。水(C)の配合量は、7重量部以上であることがより好ましく、8重量部以上であることがさらに好ましく、10重量部以上であることが最も好ましい。一方、水(C)の配合量が500重量部を超える場合、重合性単量体の重合性が低下し、接着強さが低下するとともに接着耐久性が低下するおそれや組成物の均一性が損なわれるおそれがある。水(C)の配合量は、100重量部以下であることがより好ましい。
重合開始剤(D)
重合開始剤(D)は、組成物の重合硬化を促進する成分である。重合開始剤(D)は、一般工業界で使用されている重合開始剤から選択して使用でき、中でも歯科用途に用いられている重合開始剤が好ましく用いられる。特に、光重合及び化学重合の重合開始剤が、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用される。
光重合開始剤としては、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類、水溶性アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、α−ジケトン類、クマリン類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、α−アミノケトン系化合物などが挙げられる。
これらの光重合開始剤の中でも、(ビス)アシルホスフィンオキサイド類及びその塩、α−ジケトン類、及びクマリン化合物からなる群から選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。これにより、可視及び近紫外領域での光硬化性に優れ、ハロゲンランプ、発光ダイオード(LED)、キセノンランプのいずれの光源を用いても十分な光硬化性を示す組成物が得られる。
上記光重合開始剤として用いられるアシルホスフィンオキサイド類しては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネートなどが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるビスアシルホスフィンオキサイド類としては、下記一般式(3)で表されるビスアシルホスフィンオキサイドが挙げられる。
Figure 0004860788
ここで、R4は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、又はアシルオキシ基を示し、R5〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、又はアシルオキシ基を示す。
4〜R14で表されるアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、2,4,4−トリメチルペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプタニル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、シクロオクタニル基、n−ノニル基、シクロノナニル基、n−デシル基等が挙げられる。
4〜R14で表されるアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
4〜R14で表されるアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、1−メチル−2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、1−エチル−2−プロピニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−メチル−2−ブチニル基、4−ペンチニル基、1−メチル−3−ブチニル基、2−メチル−3−ブチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、1−エチル−2−ブチニル基、3−ヘキシニル基、1−メチル−2−ペンチニル基、1−メチル−3−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、3−メチル−1−ペンチニル基、5−ヘキシニル基、1−エチル−3−ブチニル基等が挙げられる。
4〜R14で表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントラセニル基等が挙げられる。これらのアリール基は、さらにアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基、アルキニル基を含んでいてもよい。
4〜R14で表されるアルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、例としてメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、シクロプロピロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。
4〜R14で表されるアシル基としては、炭素数1〜10のアシル基が好ましく、例として、ホルミル基;アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、ピバロイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、デセノイル基等の炭素数2〜10のアルキルカルボニル基;ベンゾイル基等の炭素数7〜10のアリールカルボニル基;ベンジルカルボニル基等の炭素数8〜10のアリールアルキルカルボニル基等が挙げられる。
4〜R14で表されるアシルオキシ基としては、炭素数1〜10のアシルオキシ基が好ましく、例としては、アシル基として例示した上記の基に酸素原子が1つ結合した基が挙げられる。
5〜R14で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、中でも、塩素原子が好ましい。
4としては、アルキル基及びアリール基が好ましい。R5〜R14としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、及びアルコキシ基が好ましい。
式(3)で表されるビスアシルホスフィンオキサイドとして具体的には、例えば、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。
上記光重合開始剤として用いられるα−ジケトン類としては、例えば、ジアセチル、ジベンジル、カンファーキノン、2,3−ペンタジオン、2,3−オクタジオン、9,10−フェナンスレンキノン、4,4’−オキシベンジル、アセナフテンキノン等が挙げられる。この中でも、可視光域に極大吸収波長を有している観点から、カンファーキノンが特に好ましい。
上記光重合開始剤として用いられるクマリン化合物の例としては、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノ)クマリン、3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−チェノイルクマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジメトキシクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−6−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3−ベンゾイルクマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3,5−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3−ベンゾイル−6−ブロモクマリン、3,3’−カルボニルビスクマリン、3−ベンゾイル−7−ジメチルアミノクマリン、3−ベンゾイルベンゾ[f]クマリン、3−カルボキシクマリン、3−カルボキシ−7−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−6−メトキシクマリン、3−エトキシカルボニル−8−メトキシクマリン、3−アセチルベンゾ[f]クマリン、7−メトキシ−3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−(p−ニトロベンゾイル)クマリン、3−ベンゾイル−8−メトキシクマリン、3−ベンゾイル−6−ニトロクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、7−ジメチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、7−ジエチルアミノ−3−(4−ジエチルアミノ)クマリン、7−メトキシ−3−(4−メトキシベンゾイル)クマリン、3−(4−ニトロベンゾイル)ベンゾ[f]クマリン、3−(4−エトキシシンナモイル)−7−メトキシクマリン、3−(4−ジメチルアミノシンナモイル)クマリン、3−(4−ジフェニルアミノシンナモイル)クマリン、3−[(3−ジメチルベンゾチアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3−[(1−メチルナフト[1,2−d]チアゾール−2−イリデン)アセチル]クマリン、3,3’−カルボニルビス(6−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−アセトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジメチルアミノクマリン)、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジブチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾイミダゾイル)−7−(ジエチルアミノ)クマリン、3−(2−ベンゾチアゾイル)−7−(ジオクチルアミノ)クマリン、3−アセチル−7−(ジメチルアミノ)クマリン、3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)、3,3’−カルボニル−7−ジエチルアミノクマリン−7’−ビス(ブトキシエチル)アミノクマリン、10−[3−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]−1−オキソ−2−プロペニル]−2,3,6,7−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン、10−(2−ベンゾチアゾイル)−2,3,6、7−テトラヒドロ−1,1,7,7−テトラメチル1H,5H,11H−[1]ベンゾピラノ[6,7,8−ij]キノリジン−11−オン等の特開平9−3109号公報、特開平10−245525号公報に記載されている化合物が挙げられる。中でも、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)及び3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)が好適である。
水溶性アシルホスフィンオキサイド類、チオキサントン類又はチオキサントン類の第4級アンモニウム塩、ケタール類、アントラキノン類、ベンゾインアルキルエーテル化合物類、及びα−アミノケトン系化合物の具体例としては、国際公開第2008/087977号パンフレットに記載のものを挙げることができる。
組成物の接着性が特に優れることから、上記のうち、特に好ましいのは、一般式(3)で表されるビスアシルホスフィンオキサイドである。
本発明に用いられる重合開始剤(D)のうち化学重合開始剤としては、有機過酸化物が好ましく用いられる。上記の化学重合開始剤に使用される有機過酸化物は特に限定されず、公知のものを使用することができる。代表的な有機過酸化物としては、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等が挙げられる。これら有機過酸化物の具体例としては、国際公開第2008/087977号パンフレットに記載のものを挙げることができる。
重合開始剤(D)の配合量は特に限定されないが、得られる組成物の硬化性等の観点からは、重合性単量体の全量100重量部に対して、0.001〜20重量部が好ましい。重合開始剤(D)の配合量が0.001重量部未満の場合、重合が十分に進行せず、接着強さの低下を招くおそれがあり、より好適には0.01重量部以上である。一方、重合開始剤(D)の配合量が20重量部を超える場合、重合開始剤自体の重合性能が低い場合には、十分な接着強さが得られなくなるおそれがあり、さらには組成物からの析出を招くおそれがあるため、より好適には10重量部以下であり、さらに好適には5重量部以下である。
次に、本発明の1液型歯科用接着材組成物の任意成分について説明する。
1個の重合性基と1個以上の水酸基を含む重合性単量体(E)
本発明の組成物は、1個の重合性基と1個以上の水酸基とを有する重合性単量体(E)を含有してなることが好ましい。重合性単量体(E)は、水酸基を1個以上有するため親水性が良好であり、組成物の浸透作用を向上させ、接着性を向上させ、組成物の均一性にも貢献する成分である。重合性単量体(E)が1個の重合性基を有することによりラジカル重合が可能となるとともに、他の重合性単量体との共重合が可能となる。1個の重合性基と1個以上の水酸基とを有する重合性単量体(E)としては特に限定されず、重合性単量体(E)の重合性基は、重合性単量体(A)及び(B)の重合性基とラジカル共重合可能な基であることが好ましい。ラジカル重合が容易である観点からは、重合性単量体(E)の重合性基は(メタ)アクリル基、又は(メタ)アクリルアミド基が好ましい。重合性単量体(E)は歯科用接着材組成物の成分として用いられるが、口腔内は湿潤な環境であるため、加水分解などにより重合性基が脱離するおそれがある。脱離した重合性基の生体への刺激性を考慮した場合、重合性単量体(E)の重合性基は、メタクリル基、又はメタクリルアミド基であることが好ましい。
重合性単量体(E)は、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することができる。重合性単量体(E)としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N、N−(ジヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等が挙げられるが、これらの中でも、象牙質のコラーゲン層への浸透性の改善の観点からは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、エリスリトールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、特に好ましくは2−ヒドロキシエチルメタクリレートである。
前記重合性単量体(E)の配合量は特に限定されないが、重合性単量体(E)の配合量が少なすぎると、重合性単量体(E)による浸透作用の向上効果が得られないおそれや、組成物の均一性が維持できないおそれがあるとともに、接着強さが低下するおそれがある。一方、配合量が多すぎると、十分な硬化性が得られずに硬化物の機械強度が低下するおそれがある。よって、重合性単量体の全量100重量部の内、重合性単量体(E)が10〜50重量部含有されることが好ましく、15〜45重量部含有されることがより好ましい。
2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)
本発明の組成物は、上記一般式(2)で表される2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)を含有することが好ましい。
Figure 0004860788
重合性単量体(F)は、2個の重合性基を含むことから架橋性を有し、2個の水酸基を含むことから、高い親水性を有している。従って、重合性単量体(F)は、組成物の象牙質のコラーゲン層への浸透性を高めると同時に樹脂含浸層の機械強度を高め、接着耐久性を向上させる成分である。さらに、重合性単量体(F)はスペーサー構造として、エチレングリコールユニットを有するため、硬化物に適度な柔軟性を付与することができる。よって、理論上、口腔内で咬合による荷重負荷が繰り返しかけられた場合にも接着材層及び樹脂含浸層内に微小欠損を生じることがなく、接着耐久性が向上するとともに、細菌の侵入による二次う蝕の発生が抑制されることが期待できる。
一般式(2)において、R2及びR3はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を示し、重合性部位が脱離した際の生体に対する刺激性の観点から、メチル基が好ましい。
エチレングリコールユニットの数は、一般式(2)のnの数により決定される。nは1〜5の整数を示し、1〜3の整数であることが好ましく、nが1であること(すなわち、1,2−ビス〔3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ〕エタン)がより好ましい。
重合性単量体(F)は、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
重合性単量体(F)の配合量は特に限定されないが、重合性単量体(F)の配合量が少なすぎると、重合性単量体(F)による浸透作用、機械強度及び接着耐久性の向上効果が得られないおそれがある。一方、配合量が多すぎると、組成物の脱灰、浸透作用が低下し、十分な接着性が得られないおそれがある。よって、重合性単量体(F)の配合量は、重合性単量体の全量100重量部の内、5〜20重量部が好ましく、5〜15重量部がより好ましい。
架橋性の重合性単量体(G)
本発明の組成物は、前記一般式(2)で表される2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)以外の架橋性の重合性単量体(G)を含有してなることが好ましい。架橋性の重合性単量体(G)を含む組成物は、接着強さがさらに向上する等の利点を有する。
架橋性の重合性単量体(G)は、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することができる。架橋性の重合性単量体(G)としては、特に限定されないが、芳香族化合物系の二官能性重合性単量体、脂肪族化合物系の二官能性重合性単量体、三官能性以上の重合性単量体などが挙げられる。なお、「二官能性」及び「三官能性」とは、重合性単量体が重合性基を2個及び3個有することをそれぞれ意味する。
芳香族化合物系の二官能性重合性単量体の例としては、2,2−ビス((メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン(通称「Bis−GMA」)、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2−(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2−(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ピロメリテートなどが挙げられる。
脂肪族化合物系の二官能性重合性単量体の例としては、グリセロールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、及び2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート(通称「UDMA」)等が挙げられる。
三官能性以上の重合性単量体の例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N−(2,2,4−トリメチルヘキサメチレン)ビス〔2−(アミノカルボキシ)プロパン−1,3−ジオール〕テトラメタクリレート、及び1,7−ジアクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラアクリロイルオキシメチル−4−オキシヘプタン等が挙げられる。
架橋性の重合性単量体(G)としては、上記の中でも、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートが好ましく、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン、2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。
架橋性の重合性単量体(G)の配合量は特に限定されないが、重合性単量体(G)の配合量が少なすぎると、重合性単量体(G)による接着強さ向上効果が得られないおそれがある。一方、配合量が多すぎると、象牙質のコラーゲン層への浸透が不十分となり、高い接着強さが得られなくなるおそれや組成物の均一性を損なうおそれがある。よって、重合性単量体(F)の配合量は、重合性単量体の全量100重量部の内、20〜60重量部であることが好ましく、25〜55重量部であることがより好ましい。
有機溶媒(H)
本発明の組成物は、重合性単量体の溶解性を向上させ、均一な組成物を得るために、有機溶媒(H)を含んでいてもよい。有機溶媒(H)は、単独で又は2種以上適宜組み合わせて使用することができる。有機溶媒(H)としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ヘキサン、トルエン、クロロホルム、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。これらの中でも、生体に対する安全性と、揮発性に基づく除去の容易さの双方を勘案した場合、有機溶媒(H)が水溶性有機溶媒であることが好ましく、具体的には、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、アセトン、及びテトラヒドロフランが好ましく用いられる。前記有機溶媒(H)の配合量は特に限定されず、重合性単量体の全量100重量部に対して、1〜1000重量部が好ましく、5〜200重量部がより好ましい。
重合促進剤(I)
好ましい実施態様では、重合促進剤(I)が用いられる。本発明に用いられる重合促進剤(I)としては、アミン類、スルフィン酸及びその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、チオ尿素化合物などが挙げられる。
重合促進剤(I)として用いられるアミン類は、脂肪族アミン及び芳香族アミンに分けられる。脂肪族アミンとしては、例えば、n−ブチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン等の第1級脂肪族アミン;ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、N−メチルエタノールアミン等の第2級脂肪族アミン;N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−ブチルジエタノールアミン、N−ラウリルジエタノールアミン、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、N−メチルジエタノールアミンジメタクリレート、N−エチルジエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミンモノメタクリレート、トリエタノールアミンジメタクリレート、トリエタノールアミントリメタクリレート、トリエタノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の第3級脂肪族アミンなどが挙げられる。これらの中でも、組成物の硬化性及び保存安定性の観点から、第3級脂肪族アミンが好ましく、その中でもN−メチルジエタノールアミン及びトリエタノールアミンがより好ましく用いられる。
また、芳香族アミンとしては、例えば、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−エチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−4−t−ブチルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−イソプロピルアニリン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−m−トルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−3,5−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−3,4−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−4−エチルアニリン、N,N−ジメチル−4−イソプロピルアニリン、N,N−ジメチル−4−t−ブチルアニリン、N,N−ジメチル−3,5−ジ−t−ブチルアニリン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸メチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸ブチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、組成物に優れた硬化性を付与できる観点から、N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、4−N,N−ジメチルアミノ安息香酸n−ブトキシエチルエステル及び4−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種が好ましく用いられる。
スルフィン酸及びその塩、ボレート化合物、バルビツール酸誘導体、トリアジン化合物、銅化合物、スズ化合物、バナジウム化合物、ハロゲン化合物、アルデヒド類、チオール化合物、亜硫酸塩、亜硫酸水素塩、及びチオ尿素化合物の具体例としては、国際公開第2008/087977号パンフレットに記載のものを挙げることができる。
本発明に用いられる重合促進剤(I)の配合量は特に限定されないが、得られる組成物の硬化性等の観点からは、重合性単量体の全量100重量部に対して、重合促進剤(I)を0.001〜30重量部含有してなることが好ましい。重合促進剤(I)の配合量が0.001重量部未満の場合、重合が十分に進行せず、接着強さの低下を招くおそれがあり、より好適には0.05重量部以上である。一方、重合促進剤(I)の配合量が30重量部を超える場合、重合開始剤自体の重合性能が低い場合には、十分な接着強さが得られなくなるおそれがあり、さらには組成物からの析出を招くおそれがあるため、より好適には20重量部以下である。
フィラー(J)
本発明の組成物は、フィラー(J)を含有していてもよい。このようなフィラーは、通常、有機フィラー、無機フィラー及び有機−無機複合フィラーに大別される。有機フィラーの素材としては、例えばポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸エチル共重合体、架橋型ポリメタクリル酸メチル、架橋型ポリメタクリル酸エチル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン共重合体等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上の混合物として用いることができる。有機フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用することができる。得られる組成物のハンドリング性及び機械強度などの観点から、前記有機フィラーの平均粒子径は、0.001〜50μmであることが好ましく、0.001〜10μmであることがより好ましい。
無機フィラーの素材としては、石英、シリカ、アルミナ、シリカ−チタニア、シリカ−チタニア−酸化バリウム、シリカ−ジルコニア、シリカ−アルミナ、ランタンガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、ガラスセラミック、アルミノシリケートガラス、バリウムボロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムボロアルミノシリケートガラス、フルオロアルミノシリケートガラス、カルシウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムフルオロアルミノシリケートガラス、バリウムフルオロアルミノシリケートガラス、ストロンチウムカルシウムフルオロアルミノシリケートガラス等が挙げられる。これらもまた、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。無機フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用することができる。得られる組成物のハンドリング性及び機械強度などの観点から、前記無機フィラーの平均粒子径は0.001〜50μmであることが好ましく、0.001〜10μmであることがより好ましい。
無機フィラーの形状としては、不定形フィラー及び球状フィラーが挙げられる。組成物の機械強度を向上させる観点からは、前記無機フィラーとして球状フィラーを用いることが好ましい。ここで球状フィラーとは、走査型電子顕微鏡(以下、SEMと略す)でフィラーの写真を撮り、その単位視野内に観察される粒子が丸みをおびており、その最大径に直交する方向の粒子径をその最大径で割った平均均斉度が0.6以上であるフィラーである。前記球状フィラーの平均粒子径は好ましくは0.001〜5μmである。平均粒子径が0.001μm未満の場合、組成物中の球状フィラーの充填率が低下し、機械強度が低くなるおそれがある。一方、平均粒子径が5μmを超える場合、前記球状フィラーの表面積が低下し、高い機械強度を有する硬化体が得られないおそれがある。
前記無機フィラーは、組成物の流動性を調整するため、必要に応じてシランカップリング剤等の公知の表面処理剤で予め表面処理してから用いてもよい。かかる表面処理剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、11−メタクリロイルオキシウンデシルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
本発明で用いられる有機−無機複合フィラーとは、上述の無機フィラーにモノマー化合物を予め添加し、ペースト状にした後に重合させ、粉砕することにより得られるものである。前記有機−無機複合フィラーとしては、例えば、TMPTフィラー(トリメチロールプロパンメタクリレートとシリカフィラーを混和、重合させた後に粉砕したもの)などを用いることができる。前記有機−無機複合フィラーの形状は特に限定されず、フィラーの粒子径を適宜選択して使用することができる。得られる組成物のハンドリング性及び機械強度などの観点から、前記有機−無機複合フィラーの平均粒子径は、0.001〜50μmであることが好ましく、0.001〜10μmであることがより好ましい。
フィラー(J)としては、一次粒子径が0.001〜5μmの無機フィラーが好ましく、一次粒子径が0.001〜0.1μmのシリカフィラーがより好ましい。
本発明に用いられるフィラー(J)の配合量は特に限定されず、重合性単量体の全量100重量部に対して、1〜100重量部が好ましく、3〜50重量部がより好ましい。
なお、本発明において、「1液型歯科用接着材組成物の各成分が均一に混合されている」とは、25℃において、組成物に含まれる重合性単量体、溶媒、重合開始剤、及び重合促進剤が相互に溶解している状態のことをいうが、フィラー(J)を配合した場合には、25℃においてこれらが相互に溶解している上で、該フィラー(J)が分離、沈降することなく1液型歯科用接着材中に分散して存在している状態のことをいう。
フッ素イオン放出性物質
本発明の組成物は、さらにフッ素イオン放出性物質を含んでいてもよい。フッ素イオン放出性物質を配合することによって、歯質に耐酸性を付与することができる組成物が得られる。かかるフッ素イオン放出性物質としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化イッテルビウム等の金属フッ化物類等を挙げることができる。
この他、本発明の組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲でpH調整剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、増粘剤、着色剤、抗菌剤、香料等を配合してもよい。
本発明の歯科用接着材組成物は1液型であり、1つの容器に組成物を収容することができる。本発明の1液型歯科用接着材組成物は公知方法により各成分を混合して製造することができる。
本発明の1液型歯科用接着材組成物は、例えば、歯質と歯科用コンポジットレジン、歯科用コンポマー、歯科用レジンセメント等の歯科用修復材料とを接着する際に用いることができる。このとき、1ステップ型接着材として使用することができる。すなわち、エッチング材、プライマー、セルフエッチングプライマー等の前処理剤を用いることなく、直接、本発明の1液型歯科用接着材組成物を歯質に塗布して用いることができる。
本発明の1液型歯科用接着材組成物は、環境光安定性が高く、操作余裕時間、及び脱灰、浸透作用に必要な歯質処理時間を十分に確保することができる。また、本発明の1液型歯科用接着材組成物は、歯質(特に象牙質)に対して優れた接着性及び接着耐久性を示す。さらに、本発明の1液型歯科用組成物は、各成分が均一に混合されているため、使用時に各成分を均一に混合するという操作が不要であるため、簡便に使用できる。さらにまた、本発明の1液型歯科用接着材組成物は、硬化物の吸水性が低く、耐着色性が高い。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、以下で用いる略称及び略号については次の通りである。
MDP:10−メタクリロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート
4−META:4−メタクリロイルオキシエチルトリメリテート
6−MHPA:6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホノアセテート
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
4FMA:テトラフルオロプロピルメタクリレート
Figure 0004860788
8FMA:オクタフルオロペンチルメタクリレート
Figure 0004860788
DPEPA19F:
Figure 0004860788
GEDMA:1,2−ビス(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン
Bis−GMA:2,2−ビス〔4−(3−メタクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロポキシフェニル〕プロパン
UDMA:2,2,4−トリメチルヘキサメチレンビス(2−カルバモイルオキシエチル)ジメタクリレート
TEGDMA:トリエチレングリコールジメタクリレート
GDMA:グリセロールジメタクリレート
TMDPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
BAPO:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド
CQ:カンファーキノン
PDE:p−(N,N−ジメチルアミノ)安息香酸エチル
DEPT:N,N−ジ(2−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン
TTA:トリエタノールアミン
無機フィラー1:日本アエロジル社製「R972」
(1)1液型歯科用接着材組成物の作製
表1〜3に記載の各成分を常温下で混合して1液型歯科用接着材組成物を作製した。これらの組成物を用い、後述の方法に従って、接着性試験(1)、接着性試験(2)、均一性評価、吸水性試験、耐着色試験及び環境光安定性試験を行った。組成及び評価結果を表1〜3に示す。
接着性試験(1)
ウシ下顎前歯の唇面を流水下にて#80シリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨して、象牙質の平坦面を露出させたサンプルを得た。得られたサンプルを流水下にて#1000のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)でさらに研磨した。研磨終了後、表面の水をエアブローすることで乾燥した。乾燥後の平滑面に、直径3mmの丸穴を有する厚さ約150μmの粘着テープを貼着し、接着面積を規定した。
上記作製した1液型接着材を上記の丸穴内に筆を用いて塗布し、10秒間放置した後、表面をエアブローすることで、塗布した1液型接着材の流動性が無くなるまで乾燥した。続いて、歯科用可視光線照射器「JETライト3000」(J.Morita USA社製)にて10秒間光照射することにより、塗布した1液型接着材を硬化させた。
得られた1液型接着材の硬化物の表面に歯科充填用コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルAP−X」(登録商標))を充填し、離型フィルム(ポリエステル)で被覆した。次いで、その離型フィルムの上にスライドガラスを載置して押しつけることで、前記コンポジットレジンの塗布面を平滑にした。続いて、前記離型フィルムを介して、前記コンポジットレジンに対して前記照射器「JETライト3000」を用いて20秒間光照射を行い、前記コンポジットレジンを硬化させた。
得られた歯科充填用コンポジットレジンの硬化物の表面に対して、市販の歯科用レジンセメント(クラレメディカル社製、商品名「パナビア21」)を用いてステンレス製円柱棒(直径7mm、長さ2.5cm)の一方の端面(円形断面)を接着した。接着後、当該サンプルを30分間室温で静置した後、蒸留水に浸漬した。接着試験供試サンプルは計10個作製し、37℃に保持した恒温器内に24時間静置した。10個のサンプルのうち5個については、接着初期の接着力を評価するため、24時間静置後ただちに接着強さを測定した。残りの5個については、接着耐久性を評価するため、さらに4℃の冷水と60℃の温水に交互に1分間浸漬する工程を1サイクルとする熱サイクルを4000サイクル行った後に接着強さを測定した。
上記の接着試験供試サンプルの引張接着強さを、万能試験機(島津製作所社製)にてクロスヘッドスピードを2mm/分に設定して測定し、平均値を引張接着強さとした。
接着性試験(2)
ヒト第三大臼歯歯冠部中央を精密低速切断機「アイソメット5000」(Buehler社製)を用いて歯軸に対して垂直に切断して、象牙質の平坦面を露出させたサンプルを得た。得られたサンプルを注水下にて#600のシリコン・カーバイド紙(日本研紙社製)で研磨した。
研磨終了後、表面の水をエアブローすることで乾燥し、上記作製した1液型接着材を筆で塗布し、10秒間放置した後、表面をエアブローすることで、塗布した1液型接着材の流動性が無くなるまで乾燥した。続いて、歯科用可視光線照射器「JETライト3000」(J.Morita USA社製)にて10秒間光照射することにより、塗布した1液型接着材を硬化させた。
得られた1液型接着材の硬化物の表面に歯科充填用コンポジットレジン(クラレメディカル社製、商品名「クリアフィルAP−X」(登録商標))を1mmの厚さに盛り上げ、前記照射器「JETライト3000」を用いて20秒間光照射を行い、前記コンポジットレジンを硬化させた。さらに、前記コンポジットレジンを2mmの厚さで積層、光照射し、これを2回繰り返して、前記コンポジットレジンの積層厚さを5mmにして、蒸留水に浸漬した。
接着試験供試サンプルは計2個作製し、37℃に保持した恒温器内に24時間静置した。うち1個については、接着初期の接着力を評価するため、24時間静置後ただちに試験片の切り出しおよび接着強さの測定を行った。残りの1個については、接着耐久性を評価するため、サンプルを、エポキシ樹脂を用いて真鍮製のカップに包埋した後、ラインフェルダー式試験機を使用して8kgの荷重負荷を10万回付与した。荷重負荷後、カップからサンプルを取り出して、試験片の切り出し、接着強さの測定を行った。
試験片の切り出しは、前記精密低速切断機「アイソメット5000」を用いて、注水下にて、長軸方向に厚さ1.0mmの切片を切り出した。つづいてその切片を被着面積が約1mm2になるように幅1.0mmで切り出し、スティック状の試験片10〜20本を作製した。
得られたスティック状の試験片を、模型用修復剤「モデルリペアIIブルー」(販売元:デンツプライ三金)を用いて治具に固定し、小型卓上試験機「EZ Test」(島津製作所製)を用いて、クロスヘッドスピードを1mm/分に設定して接着強さを測定し、スティック状の試験片の平均値を微小引張接着強さとした。
均一性評価
各成分を常温下で混合後、25℃で10分間静置し、1液型歯科用接着材の各成分が分離または沈降することなく、均一に分散しているかどうかを目視にて評価した。1液型歯科用接着材に含まれる重合性単量体、溶媒、重合開始剤、及び重合促進剤が相互に溶解しており、フィラーを配合した場合には該フィラーが分離、沈降することなく1液型歯科用接着材中に分散して存在しているものを均一とした。
吸水性試験
前記1液型接着材にエアーを噴き付け、重量変化がなくなるまで水や有機溶媒を除去し、硬化物作製用サンプルを得た。得られたサンプルを、ポリエステル製フィルムを載置したスライドガラス上に置いたテフロン(登録商標)型(直径10mm、厚さ1mm)に入れ、上からポリエステル製フィルムを置いて、さらにガラス板を用いて軽く押し当てた。その上から前記照射器「JETライト3000」を用いて10秒間光照射を行った後、裏返して同様に10秒間光照射を行ってサンプルを硬化させ、1液型接着材の硬化物を得た。
得られた硬化物の未重合部分を拭き取って水中浸漬し、37℃の恒温機に24時間浸漬した。硬化物を取り出して水分を拭き取り、硬化物の重量を測定した(重量A)。続いて、90℃の恒温機で3時間乾燥後、シリカゲルを入れたデシケーター内で室温まで冷却し、重量を測定した(重量B)。硬化物の吸水率を以下の式により求めた。
吸水率=(重量A−重量B)÷重量B×100 (%)
耐着色試験
ターメリック(0.005g)〔(株)ギャバン製〕を蒸留水(100mL)の中に入れ、黄色のターメリック懸濁液を作製した。その中に、前記吸水性試験と同様の方法で作製した1液型接着材の硬化物を浸漬した。37℃の恒温機に18時間保管した後、硬化物を取り出し、流水で1分間洗浄した後、硬化物の着色の度合いを目視にて観察した。
環境光安定性試験
前記1液型接着材1滴(約20mg)を混和皿上に採取し、照度8,000ルクスに調整したデンタルライト下に所定時間放置した後、サンプルを筆ですくい上げ、ゲル状物の有無を確認した。測定は10秒間隔で行い、ゲル状物が認められなかった最長の時間を操作余裕時間とした。
Figure 0004860788
Figure 0004860788
Figure 0004860788
表1〜3に示す通り、本発明の1液型歯科用接着材組成物は、象牙質に対する接着強さおよび微小引張接着強さが高く、均一性が良好であり、環境光安定性が高いこと、ならびに、ボンド硬化物の吸水率および着色が小さいことがわかった。
一方、フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)を含まない比較例1では、接着性、均一性、環境光安定性の点では優れるものの、ボンド硬化物の吸水率が高く、熱サイクル負荷後の象牙質に対する接着強さに劣り、着色の程度が大きいことがわかった。また、水(C)を含まない比較例2では脱灰、浸透作用に劣るため接着強さが低く、組成物中に占める重合性単量体の割合が増加するため環境光安定性が低いことがわかった。酸性基を有する重合性単量体(A)が少ない比較例3は、脱灰作用に劣るため接着強さが低いことがわかった。酸性基を有する重合性単量体(A)が多い比較例4では、重合性単量体と水(C)および有機溶媒(H)の相溶性が低下して不均一な組成物となった上、硬化性が不良となることから、接着性の低下、硬化物の吸水率の増加および着色を引き起こすことがわかった。フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)の代わりに、DPEPA19Fを配合した比較例5では、重合性単量体と水(C)および有機溶媒(H)の相溶性が低下して不均一な組成物となった上、DPEPA19Fの疎水性の強さから浸透作用に劣る組成物となり、接着強さが低下する結果となった。
本発明の1液型歯科用接着材組成物は、歯質と歯科用コンポジットレジン、歯科用コンポマー、歯科用レジンセメント等の歯科用修復材料との接着に有用である。

Claims (11)

  1. 酸性基を有する重合性単量体(A)、下記一般式(1)で表されるフルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)、水(C)、及び重合開始剤(D)を含有し、前記酸性基を有する重合性単量体(A)の含有量が、重合性単量体の全量100重量部の内、5.5〜35重量部である1液型歯科用接着材組成物。
    Figure 0004860788
    (式中、R1は水素原子、又はメチル基を示し、Rfは炭素数1〜20のフルオロアルキル基を示す。)
  2. 前記フルオロカーボン基を有する重合性単量体(B)の含有量が、重合性単量体の全量100重量部の内、0.5〜10重量部である請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
  3. 1個の重合性基と1個以上の水酸基を含む重合性単量体(E)を、重合性単量体の全量100重量部の内、10〜50重量部さらに含有する請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
  4. 下記一般式(2)で表される2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)をさらに含有する請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
    Figure 0004860788
    (式中、R2及びR3はそれぞれ独立して水素原子、又はメチル基を示し、nは1〜5の整数を示す。)
  5. 前記重合性単量体(F)の含有量が、重合性単量体の全量100重量部の内、5〜20重量部である請求項4に記載の1液型歯科用接着材組成物。
  6. 下記一般式(2)で表される2個の重合性基と2個の水酸基を含む重合性単量体(F)以外の架橋性の重合性単量体(G)を、重合性単量体の全量100重量部の内、20〜60重量部さらに含有する請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
    Figure 0004860788
  7. 前記重合開始剤(D)の含有量が、重合性単量体の全量100重量部に対して、0.001〜20重量部である請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
  8. 前記重合開始剤(D)が、下記一般式(3)で表されるビスアシルホスフィンオキサイドである請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
    Figure 0004860788
    (式中、R4は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、又はアシルオキシ基を示し、R5〜R14は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシル基、又はアシルオキシ基を示す。)
  9. 有機溶媒(H)を含む請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
  10. 重合促進剤(I)を含む請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
  11. フィラー(J)を含む請求項1に記載の1液型歯科用接着材組成物。
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