ところで、沈降装置の洗浄時、各仕切り部材の傾斜面上に堆積した浮遊物を傾斜面からより確実に除去するために、傾斜した各仕切り部材に沿って高圧洗浄水を各流路内に噴射する必要がある。
しかしながら、各仕切り部材の傾斜方向が各列内でそれぞれ同一であり互いに隣接する列間で異なることから、高圧洗浄水の噴射方向を一列毎に変更する必要があるため、特に沈降装置に多数の列が形成されている場合には、沈降装置の洗浄作業が煩雑になる。
沈降装置の洗浄を容易に行うために、各仕切り部材の傾斜方向を全て同一にすることが考えられるが、沈降装置に前記したような上方からの荷重に対する強度を確保することができない。
そこで、本発明の目的は、強度の低下を招くことなく洗浄を容易に行うことができる沈降装置、沈殿処理システム及び沈降装置の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、沈殿池内に配置され、該沈殿池内に流入した水に含まれる浮遊物の沈降を促進するための沈降装置であって、それぞれが平行に且つ所定の間隔をおいて配置される複数の隔壁部材と、該各隔壁部材間の空間を複数の流路に仕切るべく前記各隔壁部材間に、それぞれ該各隔壁部材に沿って所定の間隔をおいて配列され、その配列方向に向けて所定の角度で傾斜した複数の管部材と、を備え、各隔壁部材間にそれぞれ配列された前記管部材で構成される複数の列は、該管部材の配列方向に沿った二方向のうち、一方向に傾斜する前記各管部材で構成された複数の第一の列と、他方向に傾斜する前記各管部材で構成された複数の第二の列とで構成されており、前記各第一の列及び前記各第二の列のうち少なくとも一方の前記各列は、それぞれ前記隔壁部材の配列方向に連続して配置され、前記各管部材は、該各管部材の配列方向で互いに対向する一対の側壁と、前記各管部材を挟み込む一対の前記隔壁部材に対向し、前記一対の側壁を互いに連結する一対の端壁とをそれぞれ有し、該各端壁は前記各隔壁部材に固定され、前記各第一の列及び前記各第二の列のうち少なくとも前記一方の各列を構成する前記各管部材は、それぞれ前記一方の各列間で前記流路と前記各隔壁部材の配列方向に交互になるように配置されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各隔壁部材の配列方向に沿った前記各管部材の長さ寸法は、該各管部材間の間隔の大きさよりも大きいことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記各隔壁部材は、それぞれ前記管部材の配列方向に沿って伸びる矩形状をなしており、前記各流路のうち前記各隔壁部材の各角部に面する前記流路内には、該流路内への水の流通を許し且つ前記各角部を補強するための補強部材が設けられていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずか1項に記載の発明において、前記各管部材で構成される前記列の数は偶数であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記列の数は4以上であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、水が流入する沈殿池と、該沈殿池内に配置され、該沈殿池に流入した水に含まれる浮遊物の沈降を促進するための複数の沈降装置と、前記沈殿池内に前記各沈降装置の上方で配置され、前記各沈降装置を経た水を集めるための集水トラフとを備える沈殿処理システムであって、前記各沈降装置は、それぞれが平行に且つ所定の間隔をおいて配置される複数の隔壁部材と、該各隔壁部材間の空間を複数の流路に仕切るべく前記各隔壁部材間にそれぞれ該各隔壁部材に沿って所定の間隔をおいて配列され、その配列方向に向けて所定の角度で傾斜した複数の管部材とを備え、それぞれの前記各隔壁部材がそれぞれ平行になるように隣接して配置されており、前記各隔壁部材間にそれぞれ配列された前記管部材で構成される複数の列は、該管部材の配列方向に沿った二方向のうち、一方向に傾斜する前記各管部材で構成された複数の第一の列と、他方向に傾斜する前記各管部材で構成された複数の第二の列とで構成されており、前記各第一の列及び前記各第二の列のうち少なくとも一方の前記各列は、それぞれ前記隔壁部材の配列方向に連続して配置され、前記各管部材は、該各管部材の配列方向で互いに対向する一対の側壁と、前記各管部材を挟み込む一対の前記隔壁部材に対向し、前記各側壁を互いに連結する一対の端壁とをそれぞれ有し、該各端壁は前記各隔壁部材に固定され、
前記各第一の列及び前記各第二の列のうち少なくとも前記一方の各列を構成する前記各管部材は、それぞれ前記一方の各列間で前記流路と前記各隔壁部材の配列方向に交互になるように配置されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、それぞれが平行に且つ所定の間隔をおいて配置される複数の隔壁部材と、該各隔壁部材間の空間を複数の流路に仕切るべく前記各隔壁部材間にそれぞれ該各隔壁部材に沿って所定の間隔で配列される複数の管部材とを備える沈降装置の製造方法であって、前記隔壁部材の一の一方の面に、該隔壁部材の一端から他端に向けて傾斜するように配置した前記各管部材を取り付けることにより第一組立体とする工程、他の一の前記隔壁部材の一方の面に、前記傾斜方向又は前記管部材の配列方向に沿った方向に別の管部材を配列するとともに、平面視で前記一の隔壁部材の管部材の上端間に、この別の管部材の上端がそれぞれ位置するように配列して取り付けることで第二組立体とする工程、
前記第一組立体の管部材を前記第二組立体の他方の面に対向配置させるとともに、平面視で該管部材の上端が第二組立体の管部材の上端間に位置するように配置して該他方の面に取り付けて複合体を形成する工程、別の前記第二組立体の管部材を別の前記第一組立体の他方の面に対向配置させるとともに、平面視で該管部材の上端が該別の第一組立体の管部材の上端間に位置するように配置して該他方の面に取り付けて別の複合体を形成する工程、前記別の複合体の第二組立体が有する前記隔壁部材の他方の面に、前記複合体の第二組立体の管部材を対向配置させるとともに、平面視で該管部材の上端が、該別の複合体の第二組立体の管部材の上端間に位置するように配置する工程、管部材を取り付けていない隔壁部材を前記複合体と前記別の複合体の間に介装させて両者を取り付ける工程、を含むことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、各隔壁部材間にそれぞれ配列された各仕切り部材で構成される複数の列は、仕切り部材の配列方向に沿った二方向のうち一方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第一の列と、他方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第二の列とで構成されている。このことから、沈降装置にその上方から荷重が作用したとき、一方向に傾斜した各仕切り部材に作用する力と他方向に傾斜した各仕切り部材に作用する力との大部分を相殺することができる。これにより、前記荷重によって沈降装置が大きく変形することが防止される。また、各仕切り部材の傾斜方向を全て同一にすることによる沈降装置の強度の低下を招くことはない。
また、請求項1に記載の発明によれば、仕切り部材の配列方向に沿った二方向のうち一方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第一の列と、他方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第二の列のうち、少なくとも一方の各列は、それぞれ隔壁部材の配列方向に連続して配置されている。
このことから、各第一の列及び各第二の列のうち一方の各列が各隔壁部材間の空間内に該各空間のうち一方の端に位置する空間内から順に配置されている場合、他方の各列は、それぞれ前記各空間のうち他方の端に位置する空間を含む残りの各空間内に配置される。この場合、沈降装置を洗浄する際、先ず、前記一方の各列を構成する各仕切り部材に高圧洗浄水の噴射方向を沿わせた状態で前記一方の各列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより前記一方の各列内の各流路を洗浄し、続いて、前記他方の各列を構成する各仕切り部材に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記他方の各列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄することができる。従って、この場合、沈降装置の洗浄時に高圧洗浄水の噴射方向を1回変更すればよい。
また、前記一方の各列が各隔壁部材間の各空間のうち少なくとも両端を除く各空間内に各隔壁部材の配列方向に連続して配置されている場合、他方の各列は、それぞれ前記各空間のうち少なくとも両端の空間を含む残りの各空間内に配置される。この場合、沈降装置を洗浄する際、先ず、一方の端に配置された前記他方の列を構成する各仕切り部材に高圧洗浄水の噴射方向を沿わせた状態で前記他方の列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄し、続いて、前記一方の各列を構成する各仕切り部材に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記一方の各列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄し、更に、他方の端に配置された前記他方の列を構成する各仕切り部材に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記他方の列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄することができる。従って、この場合、沈降装置の洗浄時に高圧洗浄水の噴射方向を2回変更すればよい。
以上のことから、高圧洗浄水の噴射方向を固定した状態で複数の列を連続して洗浄することができるので、沈降装置に多数の列が形成されている場合でも、沈降装置を洗浄する際に高圧洗浄水の噴射方向を一列毎に変更する必要がある従来の場合のような洗浄作業の煩雑さを招くことを確実に防止することができる。
従って、沈降装置の強度の低下を招くことなく沈降装置の洗浄を確実に容易に行うことができる。
更に、各仕切り部材がそれぞれ傾斜していることから、各隔壁部材間に形成された各流路内に流入した水に含まれる浮遊物が沈降したとき、多くの浮遊物は沈殿池の底面に到達する前に仕切り部材の傾斜面に到達する。これにより、浮遊物が水面の近傍に上昇してから沈殿するまでの時間が短くなるので、従来と同様に、沈殿池内に沈降装置が設置されていない場合に比べて浮遊物の沈殿効率を確実に向上させることができる。
また、各仕切り部材がそれぞれ傾斜していることから、沈殿池の底面の単位面積当りの沈降面積が実質的に増大する。これにより、従来と同様に、浮遊物の収集能力を確実に向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、各隔壁部材の配列方向に沿った各仕切り部材の長さ寸法は、該各仕切り部材間の間隔の大きさよりも大きい。
近年、沈降装置の製造コストの削減を図るべく沈降装置の組立作業性を向上させるために、沈降装置に用いられる仕切り部材の個数を減らすことが望まれている。
仕切り部材の個数を減らすために、前記各列を構成する各仕切り部材間の間隔を変更することなく前記各列をそれぞれ構成する仕切り部材の個数を単に減らすことが考えられる。
しかしながら、この場合、各仕切り部材の配列方向に沿った沈降装置の長さ寸法が小さくなるため、沈殿池の所定の領域内に複数の沈降装置を敷き詰める場合、仕切り部材の個数を減らす前に比べて多くの沈降装置が必要となる。このため、各沈降装置を沈殿池に配置する作業が煩雑になる。
そこで、前記各列をそれぞれ構成する仕切り部材の個数を減らし、更に、沈降装置の前記長さ寸法が変わらないように、前記各列を構成する各仕切り部材間の間隔の大きさを変更することが考えられる。
しかしながら、沈降装置の浮遊物の収集能力すなわち沈降面積の大きさは、従来よく知られているように、各仕切り部材間の間隔の大きさに依存する。従って、各仕切り部材間の間隔を変更すると、沈降装置の収集能力の低下を招く虞がある。
沈降装置の前記長さ寸法及び各仕切り部材間の間隔を変更することなく仕切り部材の個数を減らすために、各仕切り部材で構成される列の数を減らすことが考えられる。
しかしながら、この場合、各隔壁部材の配列方向に沿った沈降装置の長さ寸法が小さくなるため、沈殿池の所定の領域内に複数の沈降装置を敷き詰める場合、列の数を減らす前に比べて多くの沈降装置が必要となる。このため、各仕切り部材間の間隔を変更することなく仕切り部材の個数を減らす場合と同様に、各沈降装置を沈殿池に配置する作業が煩雑になる。
これらに対し、本発明によれば、前記したように、各隔壁部材の配列方向に沿った各仕切り部材の長さ寸法を該各仕切り部材間の間隔の大きさよりも大きくすることにより、各隔壁部材の配列方向に沿った沈降装置の長さ寸法、各仕切り部材の配列方向に沿った沈降装置の長さ寸法及び各仕切り部材間の間隔を変更することなく、各仕切り部材の前記長さ寸法が各仕切り部材間の間隔の大きさとほぼ等しい従来の場合に比べて、各仕切り部材で構成される列の数を減らすことができる。
これにより、沈降装置の前記各長さ寸法を変更することにより沈殿池への各沈降装置の配置作業に煩雑さを招いたり、各仕切り部材間の間隔の大きさを変更することにより沈降装置の収集能力の低下を招いたりすることなく、仕切り部材の個数を確実に減らすことができる。
また、各隔壁部材の配列方向に沿った各仕切り部材の長さ寸法を大きくした場合でも、各隔壁部材の配列方向に沿った沈降装置の長さ寸法が変わらない限り、沈降装置の浮遊物の収集能力すなわち沈降面積の大きさは変わらない。従って、各隔壁部材の配列方向に沿った各仕切り部材の長さ寸法を大きくすることによって沈降装置の収集能力の低下が生じることはない。
請求項3に記載の発明によれば、仕切り部材である管部材は、その一対の端壁で各隔壁部材に固定されることから、仕切り部材が例えば板部材で構成されている場合のように板部材をその端面で各隔壁部材に固定する場合に比べて、各隔壁部材への仕切り部材の接触面積を確実に大きくすることができる。これにより、各隔壁部材への仕切り部材の固定強度を確実に高めることができる。また、管部材は板部材に比べて曲げ力に対する強度が高いので、仕切り部材を管部材で構成することにより、沈降装置全体の強度を高めることができる。更に、仕切り部材を管部材で構成することにより、各隔壁部材間で各管部材間に流路を形成することができることに加えて、各管部材内を流路として用いることができる。
請求項4に記載の発明によれば、各第一の列及び各第二の列のうち少なくとも隔壁部材の配列方向に連続して配置された前記一方の各列を構成する前記各管部材は、それぞれ前記一方の各列間で流路と各隔壁部材の配列方向に交互になるように配置されていることから、前記一方の各列内の各流路は、それぞれ互いに隣接する前記一方の各列間で隣り合うことはなく、互いに隣接する前記一方の各列間で管部材と必ず隣接する。これにより、各流路内に水が流れたとき、該水からの圧力は各隔壁部材及び該隔壁部材を介して各流路に隣接する各管部材で受け止めることができる。従って、各管部材の傾斜方向が互いに同一である前記一方の各列間で各流路がそれぞれ互いに隣接する場合のように流路内を流れる水からの圧力を隔壁部材のみで受ける場合に比べて、水から受ける圧力による隔壁部材の変形を確実に防止することができる。
請求項5に記載の発明によれば、各隔壁部材は、それぞれ各仕切り部材の配列方向に沿って伸びる矩形状をなしており、各流路のうち各隔壁部材の各角部に面する流路内には、該流路内への水の流通を許し且つ各角部を補強するための補強部材が設けられている。
各管部材が、それぞれ各隔壁部材間で各管部材間に形成される流路と各隔壁部材の配列方向に交互になるように配置されている場合、各仕切り部材で構成される列の数が例えば4つであるとすると、一列目及び四列目のそれぞれの両端またはいずれか一方の端に管部材が配置されることなく流路が形成される場合がある。
この場合、一列目及び四列目の端に形成された流路は、該流路に隣接する管部材の側壁と、該管部材を挟み込む一対の隔壁部材の角部とで規定され、各仕切り部材の配列方向に直交する方向及び各隔壁部材の長手方向外方にそれぞれ開放する。このため、前記流路を規定する各隔壁部材の角部の先端が自由端となる。従って、各隔壁部材の角部に該角部を曲げる曲げ力が作用したとき、該曲げ力の大部分は受け止められず、角部に曲げ変形及び破損等が生じる虞がある。
これに対し、本発明によれば、前記したように、各流路のうち各隔壁部材の各角部に面する流路内に、各角部を補強するための補強部材が設けられていることから、先端が自由端となった各隔壁部材の角部に該角部を曲げる曲げ力が作用したとき、補強部材の補強作用により角部に曲げ変形及び破損等が生じることを確実に抑制することができる。また、補強部材は流路内への水の流通を許すことから、補強部材が配置された流路による沈殿効果が低減することを確実に防止することができる。
請求項6に記載の発明によれば、各管部材で構成される列の数が偶数であることから、各隔壁部材間で各管部材間に形成される流路と各隔壁部材の配列方向に交互になるように各管部材が配置された複数の沈降装置をそれぞれの各管部材の配列方向が一致するように隣接して配置したとき、互いに隣接する各沈降装置間で互いに隣り合う二つの列を構成する各管部材間の流路は、それぞれ互いに隣接する各沈降装置間で各隔壁部材を介して管部材に隣接する。これにより、互いに隣接する各沈降装置間で互いに隣り合う二つの列を構成する各管部材の傾斜方向がそれぞれ同一である場合でも、各沈降装置間で互いに隣接する各流路内に水が流れたとき、各沈降装置間で互いに隣接する各隔壁部材に水から作用する圧力は、該各隔壁部材に隣接する隔壁部材及び該隔壁部材に隣接する管部材で受け止められる。従って、互いに隣接する各沈降装置間で各管部材の傾斜方向が互いに同一である各列内の各流路がそれぞれ各沈降装置間で隣接する場合に比べて、水から受ける圧力による隔壁部材の変形を確実に防止することができる。
請求項7に記載の発明によれば、各管部材で構成される列の数は、4以上の偶数であることから、例えば列の数が7である沈降装置の列の数を4に変更する場合、各隔壁部材間の間隔と各管部材の各側壁の幅寸法とをそれぞれ原形における大きさの1.75倍の大きさに変更すれば足りる。これにより、列の数を7から2に変更する場合程は、曲げ力に対する各側壁の強度が原形における場合のそれに比べて大きく低下することはない。従って、管部材全体の曲げ力に対する強度の大きな低下を招くことなく沈降装置の列の数を減らすことができる。
請求項8に記載の発明によれば、各沈降装置の各隔壁部材間にそれぞれ配列された各仕切り部材で構成される複数の列は、仕切り部材の配列方向に沿った二方向のうち一方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第一の列と、他方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第二の列とで構成されている。このことから、各沈降装置にそれぞれの上方から荷重が作用したとき、一方向に傾斜した各仕切り部材に作用する力と他方向に傾斜した各仕切り部材に作用する力との大部分を相殺することができる。これにより、前記荷重によって各沈降装置がそれぞれ大きく変形することが防止される。また、各仕切り部材の傾斜方向を全て同一にすることによる各沈降装置の強度の低下を招くことはない。
また、請求項8に記載の発明によれば、各沈降装置の仕切り部材の配列方向に沿った二方向のうち一方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第一の列と、他方向に傾斜する各仕切り部材で構成された複数の第二の列のうち、少なくとも一方の各列は、それぞれ隔壁部材の配列方向に連続して配置されている。
このことから、各第一の列及び各第二の列のうち一方の各列が各隔壁部材間の空間内に該各空間のうち一方の端に位置する空間内から順に配置されている場合、他方の各列は、それぞれ前記各空間のうち他方の端に位置する空間を含む残りの各空間内に配置される。この場合、各沈降装置をそれぞれ洗浄する際、先ず、前記一方の各列を構成する各仕切り部材に高圧洗浄水の噴射方向を沿わせた状態で前記一方の各列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより前記一方の各列内の各流路を洗浄し、続いて、前記他方の各列を構成する各仕切り部材に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記他方の各列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄することができる。従って、この場合、各沈降装置の洗浄時に高圧洗浄水の噴射方向を1回変更すればよい。
また、前記一方の各列が各隔壁部材間の各空間のうち少なくとも両端を除く各空間内に各隔壁部材の配列方向に連続して配置されている場合、他方の各列は、それぞれ前記各空間のうち少なくとも両端の空間を含む残りの各空間内に配置される。この場合、各沈降装置をそれぞれ洗浄する際、先ず、一方の端に配置された前記他方の列を構成する各仕切り部材に高圧洗浄水の噴射方向を沿わせた状態で前記他方の列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄し、続いて、前記一方の各列を構成する各仕切り部材に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記一方の各列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄し、更に、他方の端に配置された前記他方の列を構成する各仕切り部材に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記他方の列内の各流路内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路を洗浄することができる。従って、この場合、各沈降装置の洗浄時に高圧洗浄水の噴射方向を2回変更すればよい。
以上のことから、高圧洗浄水の噴射方向を固定した状態で複数の列を連続して洗浄することができるので、各沈降装置にそれぞれ多数の列が形成されている場合でも、各沈降装置をそれぞれ洗浄する際に高圧洗浄水の噴射方向を一列毎に変更する必要がある従来の場合のような洗浄作業の煩雑さを招くことを確実に防止することができる。
従って、各沈降装置の強度の低下を招くことなく各沈降装置の洗浄を確実に容易に行うことができる。
また、他方の各列がそれぞれ前記各空間のうち少なくとも両端の空間を含む残りの各空間内に配置されている場合、各沈降装置をそれぞれ各隔壁部材がそれぞれ平行になるように互いに隣接して配置したとき、傾斜方向が互いに同一である各仕切り部材で構成された少なくとも二つの列を互いに隣接させることができる。これにより、各沈降装置の洗浄時に各沈降装置間で高圧洗浄水の噴射方向を変更する必要はない。
更に、各仕切り部材がそれぞれ傾斜していることから、各隔壁部材間に形成された各流路内に流入した水に含まれる浮遊物が沈降したとき、多くの浮遊物は沈殿池の底面に到達する前に仕切り部材の傾斜面に到達する。これにより、浮遊物が水面の近傍に上昇してから沈殿するまでの時間が短くなるので、従来と同様に、沈殿池内に各沈降装置がそれぞれ設置されていない場合に比べて浮遊物の沈殿効率を確実に向上させることができる。
また、各仕切り部材がそれぞれ傾斜していることから、沈殿池の底面の単位面積当りの沈降面積が実質的に増大する。これにより、従来と同様に、浮遊物の収集能力を確実に向上させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、一方向に傾斜する各管部材で構成された複数の列と、他方向に傾斜する各管部材で構成された複数の列のうち少なくとも一方の各列がそれぞれ隔壁部材の配列方向に連続して配置された沈降装置を製造することができる。
本発明に係る沈殿処理システム10は、図1に示すように、沈殿池11を備える。沈殿池11は、図示の例では、平面がほぼ矩形状をなした底壁12と、該底壁の各縁部12aから立ち上がる四つの側壁13とを有する。
互いに対向する一対の側壁13のうち一方の側壁13(図1で見て、左側に位置する側壁13である。)には、例えば河川の水を流入させるための流入口14が形成されている。
沈殿池11内には、流入口14で沈殿池11の外方へ開放し、流入口14を経て流入する水を受け入れる流入室15が形成されている。また、沈殿池11内には、流入室15に連通し、該流入室から流入した水に含まれる汚泥のような浮遊物を沈殿させるための沈殿室16が形成されている。
沈殿室16内には、従来と同様に、沈殿室16内における底壁12の上面12b上に沈殿した浮遊物を掻き集めるための掻き集め装置17が、底壁12の上面12b上に設けられている。
底壁12の流入室15における部分には、図示の例では、掻き集め装置17により掻き集められた浮遊物を溜めておくための貯留部18が形成されている。前記一方の側壁13には、貯留部18内に開放し、該貯留部内に溜まった浮遊物を沈殿池11の外方へ排出するための排出口19が形成されている。
また、沈殿室16内の上部には、該沈殿室内に流入した水に含まれる浮遊物の沈降を促進するための複数の沈降装置20が配置されている。各沈降装置20は、それぞれ互いに対向する一対の側壁13のうち他方の側壁13(図1で見て、右側に位置する側壁13である。)と沈殿室16及び流入室15間を仕切る仕切り壁21との間に配置されている。また、各沈降装置20は、それぞれ前記他方の側壁13と仕切り壁21との間で所定の間隔をおいて配置された複数の支持桁材B上に載置されることにより、該各支持桁材に支持されている。沈殿池11内の水位が上昇することによって沈殿室16内の水が各沈降装置20内にその下方すなわち沈殿室16内から各沈降装置20の上方へ通過することにより、後述するように浮遊物が除去される。各沈降装置20の構成及び作用の詳細な説明は後述する。
更に、沈殿室16内には、各沈降装置20を通過した水すなわち浮遊物が除去された水を収集するための集水室22が各沈降装置20の上方で規定されている。集水室22内には、複数の集水トラフ23が配置されている。各集水トラフ23は、それぞれ互いに連通した樋部材であり、それぞれ長尺状の底板24と該底板の幅方向で互いに対向する各縁部24aから立ち上がる一対の側板25とを有する。各側板25には、それぞれ各沈降装置20を通過した水を流入させるための複数の流入孔25aが各側板25の長手方向に互いに所定の間隔をおいて形成されている。各流入孔25aを経て各集水トラフ23内に流入した水は、従来よく知られているように、各集水トラフ23により図示しない濾過池に案内される。
本発明に係る沈降装置20は、図2に示す例では、5つの隔壁部材26と、複数の仕切り部材27とを備える。
各隔壁部材26は、図示の例では、それぞれ塩化ビニルのような合成樹脂材料からなり、矩形状をなしたシート部材からなる。また、各隔壁部材26は、それぞれの長手方向を一致させて平行に且つ所定の間隔をおいて配置されている。各隔壁部材26の厚さ寸法と各隔壁部材26間の前記所定の間隔の寸法とを足し合わせた大きさが、沈降装置20の幅寸法となる。沈降装置20の幅寸法は、該沈降装置の運搬時に例えば運搬用車両に所要の数の沈降装置20を載置することができる大きさに設定されており、従来と同様に、ほぼ370mmである。
各仕切り部材27は、図示の例では、それぞれ塩化ビニルのような合成樹脂材料からなる管部材28で構成されている。各管部材28は、図3に示すように、各隔壁部材26間にそれぞれ該各隔壁部材の長手方向に所定の間隔をおいて配列されている。また、各管部材28は、それぞれ該各管部材の配列方向で互いに対向する一対の側壁29と、各管部材28を挟み込む一対の隔壁部材26に対向し、各側壁29を互いに連結する一対の端壁30とを有する。
各隔壁部材26の配列方向である沈降装置20の幅方向に沿った各管部材28の長さ寸法すなわち各側壁29の幅寸法は、それぞれ各隔壁部材26間の間隔の大きさにほぼ等しい。これにより、各管部材28がそれぞれ各隔壁部材26間に配置された状態では、各端壁30がそれぞれ各隔壁部材26に当接する。これにより、各隔壁部材26間に各管部材28を配列することによって各隔壁部材26間の空間が複数の小空間に仕切られ、各隔壁部材26間で各管部材28間に各隔壁部材26及び各管部材28の各側壁29で規定される複数の流路31が形成される。また、各隔壁部材26間への各管部材28の配列により、各管部材28で構成された4つの列が形成される。
また、各側壁29の幅寸法は、それぞれ各管部材28間の間隔の大きさよりも大きくなるように設定されており、図示の例では、ほぼ92mmである。
各端壁30の幅寸法は、それぞれ各管部材28間の間隔の大きさにほぼ等しく、図示の例では、ほぼ50mmである。これにより、大きさが各流路31とほぼ等しい流路が各管部材28内に形成される。各端壁30は、それぞれ例えば接着剤により、それぞれが対向する隔壁部材26に接着される。これにより、各管部材28は、それぞれ各隔壁部材26に固定される。
また、各管部材28は、図示の例では、各隔壁部材26間で各管部材28間に形成される流路31と沈降装置20の幅方向に交互になるように配置されている。
更に、各管部材28は、その配列方向である各隔壁部材26の長手方向に向けて所定の角度で傾斜している。各隔壁部材26の長手方向に対する各管部材28の傾斜角度は、図示の例では、それぞれ60°に設定されている。
各隔壁部材26間への各管部材28の配置により形成された4つの列は、複数の第一の列32と複数の第二の列33とで構成されている。各第一の列32は、それぞれ各隔壁部材26の長手方向に沿った二方向のうち図3で見て右方向に向けて傾斜する(図3において、矢印は各管部材28の傾斜方向を示す。)複数の管部材28で構成されている。各第二の列33は、それぞれ図3で見て左方向に向けて傾斜する複数の管部材28で構成されている。
各第一の列32及び各第二の列33のうち少なくとも一方の各列32,33は、それぞれ沈降装置20の幅方向(図3で見て上下方向である。)に連続して配置されている。本実施例では、図3及び図4に示すように、各第一の列32がそれぞれ沈降装置20の幅方向に連続して配置されており、各隔壁部材26により規定された4つの空間のうち図3で見て上から2つ目の空間及び3つ目の空間にそれぞれ配置されている。従って、各第二の列33は、それぞれ図3で見て上から1つ目の空間及び4つ目の空間にそれぞれ配置されている。
複数の沈降装置20は、それぞれの各隔壁部材26がそれぞれ平行になり且つ各沈降装置20の幅方向が沈殿池11の上下方向に沿うように、それぞれ隣接して沈殿池11内に沈殿室16と集水室22との間で配置されている。これにより、各沈降装置20がそれぞれ沈殿池11内に配置された状態では、図1に示すように、各管部材28及び各流路31はそれぞれ沈殿室16内と集水室22内とに開放する。
沈殿池11内の水位の上昇によって沈殿室16内から各管部材28及び各流路31内に流入した水に含まれる浮遊物が沈降したとき、各管部材28がそれぞれ傾斜していることから、各管部材28内を沈降する浮遊物は、沈殿池の底面に到達する前に、各管部材28の一対の側壁29のうち傾斜方向側に位置する一方の側壁29の各傾斜面のうち各管部材28の内方側に位置する傾斜面29a(図5参照。)に到達し、各流路31内を沈降する浮遊物は、沈殿池の底面に到達する前に、各管部材28の他方の側壁29の各傾斜面のうち各管部材28の外方側に位置する傾斜面29bに到達する。すなわち、各管部材28及び各流路31内に流入した浮遊物は、図5に示すように、hだけ沈降すれば沈殿する。これにより、深さがhである複数の沈降池が配置されているのと同等の効果を得ることができる。従って、沈殿池11内に各沈降装置20が設置されていない場合に比べて、水面の近傍に上昇した浮遊物が沈殿するのに要する距離が短くなるので、浮遊物が水面の近傍に上昇してから沈殿するまでの時間が短くなる。
また、水が各管部材28及び各流路31に流入するときの水の上昇速度をVとし、各管部材28及び各流路31内での水の速度をVfとし、水に含まれる浮遊物の沈降速度をVsとし、各管部材28の傾斜角度をθとし、傾斜した状態での各管部材28の高さ寸法をHとし、各管部材28の各端壁30の幅寸法をdとすると、V=H/TとVs・cosθ=d/Tとの関係から(Tは時間である。)、(H/V)=(d/Vs・cosθ)の関係が成り立つ。従って、沈降速度Vsは、Vs=(d/Hcosθ)・Vである。ここで、各隔壁部材26の長手方向に沿った各管部材28の各端壁30の寸法すなわち各管部材28間の間隔の大きさをPとし、各管部材28及び各流路31の長さ寸法をLとすると、d=Psinθであり、H=Lsinθであることから、Vs=(P/Lcosθ)・Vとなる。
従って、沈殿池11の底壁12の上面12bの単位面積当りの沈降装置20の沈降面積Asは、各管部材28及び各流路31のそれぞれの沈降面積をasとすると、As=as/P=Lcosθ/Pとなる。本実施例では、d=0.05[m]であり、θ=60°であり、L=0.61[m]とすると、
As=Lcosθ/P=Lsinθcosθ/d
=(0.61×sin60°×cos60°)/0.05
=5.3(m2/m2)
となり、沈降装置20を沈殿池11内に配置すると、沈降装置20が配置されていない場合に比べて、沈降面積が5.3倍になる。
このような沈降装置20を組み立てる際、先ず、隔壁部材26の一側に、隔壁部材26の長手方向に所定の間隔をおき且つ隔壁部材26の一端26aから他端26bに向けて傾斜するように各管部材28をそれぞれ配置し、該各管部材の一対の端壁30のうち隔壁部材26側に位置する一方の端壁30をそれぞれ隔壁部材26に例えば接着剤を用いて取り付ける。これにより、単一の隔壁部材26と該隔壁部材をその前記一側から見て一端26aから他端26bに向けて傾斜する複数の管部材28とで構成される第一の組立体34(図3及び図4参照。)が形成される。第一の組立体34の隔壁部材26の両端26a,26bには、図3に示すように、それぞれ管部材28が配置されている。
続いて、第一の組立体34の隔壁部材26とは別の隔壁部材26の一側に、上端28a(図3及び図4参照。)が第一の組立体34の各管部材28の上端28a間に位置し且つ第一の組立体34の各管部材28の傾斜方向と反対方向へ傾斜するように各管部材28をそれぞれ配置し、該各管部材の前記一方の端壁30をそれぞれ隔壁部材26に例えば接着剤を用いて取り付ける。これにより、単一の隔壁部材26と該隔壁部材をその前記一側から見て他端から一端に向けて傾斜する複数の管部材28とで構成される第二の組立体35(図3及び図4参照。)が形成される。第二の組立体35の隔壁部材26の両端26a,26bには、図3に示すように、それぞれ管部材28は配置されておらず、流路31が形成されている。
図示の例では、第一の組立体34及び第二の組立体35をそれぞれ二つずつ形成する。
次に、二つの第一の組立体34のうち一方の第一の組立体34の各管部材28の他方の端壁30が一方の第二の組立体35の隔壁部材26の他側の面に対向するように前記一方の第一の組立体34を配置し、該第一の組立体の各管部材28の各他方の端壁30をそれぞれ前記一方の第二の組立体35の隔壁部材26の前記他側の面に例えば接着剤を用いて取り付ける。これにより、前記一方の第一の組立体34と前記一方の第二の組立体35とが一体的に接合される。
また、他方の第二の組立体35の各管部材28の他方の端壁30が他方の第一の組立体34の隔壁部材26の他側の面に対向するように前記他方の第二の組立体35を配置し、該第二の組立体の各管部材28の各他方の端壁30をそれぞれ前記他方の第一の組立体34の隔壁部材26の前記他側の面に例えば接着剤を用いて取り付ける。これにより、前記他方の第一の組立体34と前記他方の第二の組立体35とが一体的に接合される。
続いて、前記他方の第一の組立体34の各管部材28の上端28aの位置が前記一方の第二の組立体35の各管部材28間に位置するように、前記他方の第二の組立体35が接合された前記他方の第一の組立体34と前記一方の第一の組立体34が接続された前記一方の第二の組立体35とを互いに近接させて配置する。
この状態で、前記一方の第二の組立体35の各管部材28と前記他方の第一の組立体34の各管部材28との間に隔壁部材26を挿入し、該隔壁部材の一方の面に前記一方の第二の組立体35の各管部材28の他方の端壁30をそれぞれ例えば接着剤を用いて取り付け、挿入された隔壁部材26の他方の面に前記他方の第一の組立体34の各管部材28の他方の端壁30を例えば接着剤を用いてそれぞれ取り付ける。
これにより、前記一方の第二の組立体35と前記他方の第一の組立体34との間に挿入された隔壁部材26を介して、各第一の組立体34と各第二の組立体35とがそれぞれ一体的に接合され、沈降装置20の組み立てが終了する。
本実施例によれば、前記したように、各隔壁部材26間にそれぞれ配列された各仕切り部材27で構成される複数の列は、仕切り部材27の配列方向に沿った二方向のうち一方向に傾斜する各仕切り部材27で構成された複数の第一の列32と、他方向に傾斜する各仕切り部材27で構成された複数の第二の列33とで構成されている。
このことから、沈降装置20にその上方から荷重が作用したとき、一方向に傾斜した各仕切り部材27に作用する力と他方向に傾斜した各仕切り部材27に作用する力との大部分を相殺することができる。これにより、前記荷重によって沈降装置20が大きく変形することが防止される。また、各仕切り部材27の傾斜方向を全て同一にすることによる沈降装置20の強度の低下を招くことはない。
また、仕切り部材27の配列方向に沿った二方向のうち一方向に傾斜する各仕切り部材27で構成された複数の第一の列32と、他方向に傾斜する各仕切り部材27で構成された複数の第二の列33のうち、少なくとも一方の各列は、それぞれ隔壁部材26の配列方向に連続して配置されている。
このことから、各第一の列32及び各第二の列33のうち一方の各列が各隔壁部材26間の空間内に該各空間のうち一方の端に位置する空間内から順に配置されている場合、他方の各列は、それぞれ前記各空間のうち他方の端に位置する空間を含む残りの各空間内に配置される。この場合、沈降装置20を洗浄する際、先ず、前記一方の各列を構成する各仕切り部材27に高圧洗浄水の噴射方向を沿わせた状態で前記一方の各列内の各流路31内に高圧洗浄水を噴射することにより前記一方の各列内の各流路31を洗浄し、続いて、前記他方の各列を構成する各仕切り部材27に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記他方の各列内の各流路31内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路31を洗浄することができる。従って、この場合、沈降装置20の洗浄時に高圧洗浄水の噴射方向を1回変更すればよい。
また、前記一方の各列が各隔壁部材26間の各空間のうち少なくとも両端を除く各空間内に沈降装置20の幅方向に連続して配置されている場合、他方の各列は、それぞれ前記各空間のうち少なくとも両端の空間を含む残りの各空間内に配置される。この場合、沈降装置20を洗浄する際、先ず、一方の端に配置された前記他方の列を構成する各仕切り部材27に高圧洗浄水の噴射方向を沿わせた状態で前記他方の列内の各流路31内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路31を洗浄し、続いて、前記一方の各列を構成する各仕切り部材27に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記一方の各列内の各流路31内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路31を洗浄し、更に、他方の端に配置された前記他方の列を構成する各仕切り部材27に沿うように高圧洗浄水の噴射方向を変更し、この状態で前記他方の列内の各流路31内に高圧洗浄水を噴射することにより該各流路31を洗浄することができる。従って、この場合、沈降装置20の洗浄時に高圧洗浄水の噴射方向を2回変更すればよい。
以上のことから、高圧洗浄水の噴射方向を固定した状態で複数の列を連続して洗浄することができるので、沈降装置20に多数の列が形成されている場合でも、沈降装置20を洗浄する際に高圧洗浄水の噴射方向を一列毎に変更する必要がある従来の場合のような洗浄作業の煩雑さを招くことを確実に防止することができる。
従って、沈降装置20の強度の低下を招くことなく沈降装置20の洗浄を確実に容易に行うことができる。
更に、各隔壁部材26間に形成された各流路31内及び仕切り部材27である各管部材28内に流入した水に含まれる浮遊物が沈降したとき、多くの浮遊物は沈殿池11の底壁12の上面12bに到達する前に各管部材28の各傾斜面29a,29bに到達する。これにより、浮遊物が水面の近傍に上昇してから沈殿するまでの時間が短くなるので、従来と同様に、沈殿池11内に沈降装置20が設置されていない場合に比べて浮遊物の沈殿効率を確実に向上させることができる。
また、各仕切り部材27がそれぞれ傾斜していることから、沈殿池11の底壁12の上面12bの単位面積当りの沈降面積が実質的に増大する。これにより、従来と同様に、浮遊物の収集能力を確実に向上させることができる。また、沈降面積が増大することから、沈殿池11に沈降装置20を設置することにより、沈殿池11の面積を縮小することができる。
また、本実施例によれば、前記したように、沈降装置20の幅方向に沿った各管部材28の各側壁29の幅寸法は、各管部材28間の間隔の大きさよりも大きい。
近年、沈降装置20の製造コストの削減を図るべく沈降装置20の組立作業性を向上させるために、沈降装置20に用いられる仕切り部材27の個数を減らすことが望まれている。
仕切り部材27の個数を減らすために、前記各列を構成する各仕切り部材27間の間隔を変更することなく前記各列をそれぞれ構成する仕切り部材27の個数を単に減らすことが考えられる。
しかしながら、この場合、各隔壁部材26の長手方向に沿った沈降装置20の長さ寸法が小さくなるため、沈殿池11の所定の領域内に複数の沈降装置20を敷き詰める場合、仕切り部材27の個数を減らす前に比べて多くの沈降装置20が必要となる。このため、各沈降装置20を沈殿池11に配置する作業が煩雑になる。
そこで、前記各列をそれぞれ構成する仕切り部材27の個数を減らし、更に、沈降装置20の前記長さ寸法が変わらないように、前記各列を構成する各仕切り部材27間の間隔の大きさを変更することが考えられる。
しかしながら、沈降装置20の浮遊物の収集能力すなわち沈降面積の大きさは、従来よく知られているように、各仕切り部材27間の間隔の大きさに依存する。従って、各仕切り部材27間の間隔を変更すると、沈降装置20の収集能力の低下を招く虞がある。
沈降装置20の前記長さ寸法及び各仕切り部材27間の間隔を変更することなく仕切り部材27の個数を減らすために、各仕切り部材27で構成される列の数を減らすことが考えられる。
しかしながら、この場合、沈降装置20の幅方向に沿った沈降装置20の長さ寸法が小さくなるため、沈殿池11の所定の領域内に複数の沈降装置20を敷き詰める場合、列の数を減らす前に比べて多くの沈降装置20が必要となる。このため、各仕切り部材27間の間隔を変更することなく仕切り部材27の個数を減らす場合と同様に、各沈降装置20を沈殿池11に配置する作業が煩雑になる。
これらに対し、本発明によれば、前記したように、沈降装置20の幅方向に沿った仕切り部材27である各管部材28の各側壁29の幅寸法を各管部材28間の間隔の大きさよりも大きくすることにより、沈降装置20の幅方向に沿った沈降装置20の長さ寸法、各隔壁部材26の長手方向に沿った沈降装置20の長さ寸法及び各管部材28間の間隔を変更することなく、各管部材28の各側壁29の幅寸法が各管部材28間の間隔の大きさとほぼ等しい従来の場合に比べて、各管部材28で構成される列の数を減らすことができる。
これにより、沈降装置20の前記各長さ寸法を変更することにより沈殿池11への各沈降装置20の配置作業に煩雑さを招いたり、各仕切り部材27間の間隔の大きさを変更することにより沈降装置20の収集能力の低下を招いたりすることなく、仕切り部材27の個数を確実に減らすことができる。
また、各管部材28の各側壁29の幅寸法を大きくした場合でも、沈降装置20の幅方向に沿った沈降装置20の長さ寸法が変わらない限り、沈降装置20の浮遊物の収集能力すなわち沈降面積の大きさは変わらない。従って、各管部材28の各側壁29の幅寸法を大きくすることによって沈降装置20の収集能力の低下が生じることはない。
更に、各管部材28の各側壁29の幅寸法を従来のそれよりも大きくすることにより、各管部材28及び各流路31のそれぞれの横断面積が大きくなる。これにより、各管部材28及び各流路31にいわゆる目詰まりが発生することを確実に抑制することができる。
更に、本実施例によれば、前記したように、仕切り部材27である管部材28は、その一対の端壁30で各隔壁部材26に固定されることから、仕切り部材27が例えば板部材で構成されている場合のように板部材をその端面で各隔壁部材26に固定する場合に比べて、各隔壁部材26への仕切り部材27の接触面積を確実に大きくすることができる。これにより、各隔壁部材26への仕切り部材27の固定強度を確実に高めることができる。
また、管部材28は板部材に比べて曲げ力に対する強度が高いので、仕切り部材27を管部材28で構成することにより、沈降装置20全体の強度を高めることができる。更に、仕切り部材27を管部材28で構成することにより、各隔壁部材26間で各管部材28間に流路31を形成することができることに加えて、各管部材28内を流路として用いることができる。
また、本実施例によれば、前記したように、各管部材28は、各隔壁部材26間で各管部材28間に形成される流路31と沈降装置20の幅方向に交互になるように配置されていることから、各流路31は、それぞれ互いに隣接する各列間で隣り合うことはなく、互いに隣接する各列間で管部材28と必ず隣接する。これにより、各流路31内に水が流れたとき、該水からの圧力は各隔壁部材26及び該隔壁部材26を介して各流路31に隣接する各管部材28で受け止めることができる。従って、各管部材28の傾斜方向が互いに同一である各列間で各流路31がそれぞれ互いに隣接する場合のように流路31内を流れる水からの圧力を隔壁部材26のみで受ける場合に比べて、水から受ける圧力による隔壁部材26の変形を確実に防止することができる。
更に、本実施例によれば、前記したように、各管部材28で構成される列の数が偶数である。
各隔壁部材26間で各管部材28間に形成される流路31と沈降装置20の幅方向に交互になるように配置された各管部材28で構成される列の数が奇数である場合、複数の沈降装置20をそれぞれの各隔壁部材26の長手方向が一致するように隣接して配置したとき、互いに隣接する各沈降装置20間で互いに隣り合う二つの列を構成する各管部材28間の流路31が、互いに隣接する各沈降装置20間で各隔壁部材26を介して互いに隣接する。このため、互いに隣接する各沈降装置20間で互いに隣り合う二つの列を構成する各管部材28の傾斜方向がそれぞれ同一である場合、各沈降装置20間で互いに隣接する各流路31内に水が流れたとき、該水からの圧力の一部は、前記各流路31に隣接する各管部材28と該各管部材28及び前記各流路31間に配置された各隔壁部材26とで受け止められるが、前記圧力の一部は、各沈降装置20間で互いに隣接する各隔壁部材26のみで受ける。従って、各沈降装置20間で互いに隣接する各隔壁部材26が、水から受ける圧力によって変形する虞がある。
これに対し、本発明によれば、前記したように、各管部材28で構成される列の数が偶数であることから、各隔壁部材26間で各管部材28間に形成される流路31と沈降装置20の幅方向に交互になるように各管部材28が配置された複数の沈降装置20をそれぞれの各管部材28の配列方向が一致するように隣接して配置したとき、互いに隣接する各沈降装置20間で互いに隣り合う二つの列を構成する各管部材28間の流路31は、それぞれ互いに隣接する各沈降装置20間で各隔壁部材26を介して管部材28に隣接する。これにより、互いに隣接する各沈降装置20間で互いに隣り合う二つの列を構成する各管部材28の傾斜方向がそれぞれ同一である場合でも、各沈降装置20間で互いに隣接する各流路31内に水が流れたとき、各沈降装置20間で互いに隣接する各隔壁部材26に水から作用する圧力は、該各隔壁部材26に隣接する隔壁部材26及び該隔壁部材26に隣接する管部材28で受け止められる。従って、各流路31がそれぞれ互いに隣接する各沈降装置20間で隣接する場合に比べて、水から受ける圧力による隔壁部材26の変形を確実に防止することができる。
また、本実施例によれば、前記したように、各管部材28で構成される列の数は4である。
沈降装置20の幅方向に沿った沈降装置20の長さ寸法を変更することなく列を減らすために、各隔壁部材26間の間隔と、沈降装置20の幅方向に沿った各管部材28の長さ寸法すなわち各管部材28の各側壁29の幅寸法とをそれぞれ大きくする必要がある。このとき、例えば、前記列の数が7である沈降装置20の列の数を2に変更すると、各隔壁部材26間の間隔を原形における間隔の3.5倍の大きさに変更し、更に、沈降装置20の幅方向に沿った各管部材28の長さ寸法すなわち各管部材28の各側壁29の幅寸法をそれぞれ原形における寸法の3.5倍の大きさにする必要がある。各管部材28の各側壁29の幅寸法が大きくなるに従って曲げ力に対する各側壁29の強度が原形における場合に比べて低下するため、管部材28全体の曲げ力に対する強度が低下してしまう。
これに対し、本発明によれば、前記したように、各管部材28で構成される列の数が4以上であることから、例えば列の数が7である沈降装置20の列の数を4に変更する場合、各隔壁部材26間の間隔と各管部材28の各側壁29の幅寸法とをそれぞれ原形における大きさの1.75倍の大きさに変更すれば足りる。これにより、列の数を7から2に変更する場合程は、曲げ力に対する各側壁29の強度が原形における場合のそれに比べて大きく低下することはない。従って、管部材28全体の曲げ力に対する強度の大きな低下を招くことなく沈降装置20の列の数を減らすことができる。
本実施例において、図6に示すように、各隔壁部材26間に形成された各流路31のうち各隔壁部材26の各角部26cに面する流路31内に、該流路内への水の流通を許し且つ各角部26cを補強するための補強部材36を設けることができる。
図示の例では、各管部材28を各流路31と沈降装置20の幅方向に交互になるように配置し、且つ、各管部材28で構成される列の数を偶数にすることにより、例えば図3で見て上から1列目の右端に、管部材28の側壁29と該管部材を挟み込む一対の隔壁部材26の角部26cとで規定され各隔壁部材26の長手方向に直交する方向及び各隔壁部材26の長手方向外方にそれぞれ開放する流路31´が形成されている。図示の例では、この流路31´内に補強部材36が設けられている。
各隔壁部材26の角部26cは、それぞれ前記一つ目の隔壁部材26と二つ目の隔壁部材26との間に各管部材28をそれぞれ傾斜させて配置することにより、右端に配置された管部材28から張り出す三角形状をなしている。
補強部材36は、図示の例では、管部材28と同様の材料で形成されている。また、補強部材36は、図6(a)に示す例では、平面が矩形状をなした板部材からなる基部37と、該基部の短辺方向で互いに向かい合う一対の側縁部37aから立ち上がる一対の側壁38とを有する。
基部37は、前記流路31´に隔壁部材26の長手方向で隣接して配置された管部材28の一対の側壁29のうち前記流路31´側に位置する一方の側壁29の大きさとほぼ等しい大きさを有する。基部37は、図6(b)に示すように、前記一方の側壁29に対向するよう配置され、例えば接着剤のような締結具により前記一方の側壁29に固定される。
各側壁38は、図6(a)に示すように、各隔壁部材26の三角形をなした角部26cとほぼ同一の大きさを有し、基部37から離反するに従って先細る三角形をなしている。各側壁38は、図6(b)に示すように、それぞれ各隔壁部材26の角部26cに対向するように前記流路31´内に配置され、例えば接着剤のような締結具により各角部26cに固定される。このとき、各側壁38の大きさが各隔壁部材26の角部26cとほぼ同一であることから、各側壁38の先端が各隔壁部材26の先端に整合する。これにより、補強部材36の各側壁38が各隔壁部材26の角部26cと一体的に接合され、各角部26cの肉厚が実質的に厚くなる。
流路31´内に補強部材36が設けられていない場合、前記流路31´を規定する各隔壁部材26のうち沈降部材20の外方側に位置する隔壁部材26の角部26cの先端が自由端となる。従って、隔壁部材26の角部26cに該角部を曲げる曲げ力が作用したとき、該曲げ力の大部分は受け止められず、角部26cに曲げ変形及び破損等が生じる虞がある。
これに対し、図6に示す例によれば、前記したように、各流路31のうち各隔壁部材26の各角部26cに面する流路31内に、各角部26cを補強するための補強部材36が設けられていることから、先端が自由端となった隔壁部材26の角部26cに該角部を曲げる曲げ力が作用したとき、該曲げ力を補強部材36の各側壁38に伝達させることができる。これにより、この補強部材36の補強作用により角部26cに曲げ変形及び破損等が生じることを確実に抑制することができる。
また、沈殿池11内の水位が上昇したとき、補強部材36の基部37及び各側壁38で囲まれた空間内に水を受け入れることができる。これにより、補強部材36は流路31´内への水の流通を許すことから、補強部材36が配置された流路31´による沈殿効果が低減することを確実に防止することができる。
図6に示す例では、図3で見て上から1列目の右端に形成された流路31´内に補強部材36を設けた例を示したが、これに代えて、又は、これに加えて、前記流路31´以外の流路31内に補強部材36を設けることができる。
また、図6に示す例において、補強部材36の各側壁38の先端間に両側壁38を互いに連結する連結部材を設けることができる。この場合、各隔壁部材26の角部26cに作用する曲げ力が各側壁38に作用したとき、その曲げ力は前記連結部材に該連結部材を圧縮する圧縮力として作用する。これにより、前記曲げ力を各側壁38及び前記連結部材によってより確実に受け止めることができる。従って、角部26cに曲げ変形及び破損等が生じることをより確実に抑制することができる。
更に、図6に示す例では、補強部材36が基部37及び各側壁38を有する例を示したが、これに代えて、各流路31内への水の流通を許し且つ各角部26cを補強することができれば、図6に示す補強部材36以外の補強部材を本発明に適用することができる。
図1乃至図6に示す例では、各第一の列32がそれぞれ沈降装置20の幅方向に連続して配置された例を示したが、これに代えて、各第二の列33をそれぞれ沈降装置20の幅方向に連続して配置することができる。
また、図1乃至図6に示す例では、各第一の列32が、それぞれ沈降装置20の幅方向に連続して配置されており、各隔壁部材26により規定された4つの空間のうち図3で見て上から2つ目の空間及び3つ目の空間にそれぞれ配置され、各第二の列33は、それぞれ図3で見て上から1つ目の空間及び4つ目の空間にそれぞれ配置された例を示したが、これに代えて、例えば図7に示すように、各第一の列32をそれぞれ図7で見て上から1つ目及び2つ目の空間に配置し、各第二の列33をそれぞれ図7で見て上から3つ目及び4つ目の空間に配置することができる。
この場合、各第一の列32及び各第二の列33のそれぞれが、沈降装置20の幅方向に連続して配置される。
また、この場合、沈降装置20を組み立てる際、第一の組立体34の隔壁部材26とは別の隔壁部材26の一側に上端28aが第一の組立体34の各管部材28の上端28a間に位置し且つ第一の組立体34の各管部材28の傾斜方向と同一方向へ傾斜するように配置した各管部材28の前記一方の端壁30をそれぞれ隔壁部材26に取り付けることにより、第二の組立体35を形成することができる。
図1乃至図7に示す例では、各管部材28により構成される列の数が4つである例を示したが、これに代えて、列の数を例えば6つにすることができる。この場合、例えば、各第一の例32及び各第二の列33の数をそれぞれ3つずつにすることができ、又は、いずれか一方の各列を4つにし、他方の各列を2つにすることができる。
また、図1乃至図7に示す例では、各第一の列32及び各第二の列33のそれぞれを構成する各管部材28が、各隔壁部材26間で各管部材28間に形成される流路31と沈降装置20の幅方向に交互になるように配置された例を示したが、これに代えて、各第一の列32及び各第二の列33のうち沈降装置20の幅方向に沿って連続して配置される一方の各列を構成する各管部材28のみを、それぞれ前記一方の各列間で流路31と沈降装置20の幅方向に交互になるように配置することができる。この場合、各管部材28の傾斜方向が互いに同一である前記一方の各列間で該各列内の各流路31がそれぞれ互いに隣接することが防止されるので、前記一方の各列内の流路31内を流れる水から受ける圧力による隔壁部材26の変形を確実に防止することができる。
更に、図1乃至図7に示す例では、仕切り部材27が管部材28で構成された例を示したが、これに代えて、仕切り部材27を例えば板部材で構成することができる。この場合、前記各板部材を、それぞれ各隔壁部材26間で前記板部材間に形成される流路31と沈降装置20の幅方向に互い違いになることなく該沈降装置の幅方向に直列的に配置することができる。また、各隔壁部材26間の空間を複数の流路31に仕切ることができれば、仕切り部材27に管部材28及び前記板部材以外の部材を用いることができる。