JP4858493B2 - 排気浄化触媒の劣化判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒の劣化を判定する劣化判定装置に関するものである。
通常、内燃機関の排気通路には排気を浄化するための排気浄化触媒が設けられている。この排気浄化触媒は、内燃機関で燃焼される混合気の空燃比が所定の範囲内にある状況において最も効率良く排気を浄化する。そのため内燃機関の運転制御では、混合気の空燃比が所定の範囲内に収まるように、排気浄化触媒の排気流れ方向上流側に設けられた酸素濃度センサの出力信号に基づいて混合気の空燃比を検出するとともにその検出した空燃比が目標空燃比になるように燃料噴射量を増減補正するといった制御、いわゆる空燃比フィードバック制御が実行される。
また、排気浄化触媒の排気流れ方向下流側に設けられた酸素濃度センサの出力信号に基づいて排気浄化触媒による排気の浄化状態を検出するとともに、その検出した浄化状態に基づいて燃料噴射量を増減補正する制御、いわゆるサブ空燃比フィードバック制御を実行するものもある。
ここで、そうした空燃比フィードバック制御やサブ空燃比フィードバック制御が適切に実行されている場合であっても、排気浄化触媒の劣化が進行すると、排気を十分に浄化することができなくなってしまう。そのため従来、排気浄化触媒の劣化を判定する装置が種々提案されている。例えば特許文献1に記載の装置では、以下のように排気浄化触媒の劣化判定が行われる。
排気浄化触媒は、これを通過する排気の酸素濃度が混合気の空燃比をリーンにした状態での機関運転時における濃度であるときには排気中の酸素を吸蔵する一方、同酸素濃度が混合気の空燃比をリッチにした状態での機関運転時における濃度であるときには酸素を放出するといった酸素ストレージ機能を有している。そのため、混合気の空燃比をリッチからリーンに変更すると、排気浄化触媒の酸素吸蔵量が飽和した後にその下流側における排気の酸素濃度がリーンに対応する濃度になる一方、混合気の空燃比をリーンからリッチに変更すると、排気浄化触媒の酸素吸蔵量がごく少なくなった後にその下流側における排気の酸素濃度がリッチに対応する濃度になる。
このことから、混合気の空燃比を変更した後の触媒下流側における排気の酸素濃度の変化を監視することにより、排気浄化触媒に吸蔵させることの可能な酸素の量(酸素吸蔵容量)を推定することが可能になると云える。そして、この酸素吸蔵容量は排気浄化触媒の劣化が進行するにつれて少なくなる傾向がある。そのため、特許文献1に記載の装置では、上述した態様で排気浄化触媒の酸素吸蔵容量を推定するとともに、その推定した酸素吸蔵容量に基づいて排気浄化触媒の劣化を判定するようにしている。
一方、特許文献2に記載の装置のように、内燃機関に、吸気バルブのリフト量(詳しくは、最大リフト量)を変更するリフト量変更機構を設けることが提案されている。こうしたリフト量変更機構を備える内燃機関では、吸気バルブのリフト量を小さくすることによって燃焼室内に吸入される空気量を低減することができる。この場合、スロットルバルブを絞ることで吸気量を低減するよりも、ポンピング損失を小さくすることができるため、より低出力(低空気量)での運転が可能となり、燃費性能の向上を図ることができる。
また、そうした吸気バルブのリフト量の可変制御に合わせてスロットルバルブの開度制御を実行し、それらの協働制御を通じて吸気量の調節を行う装置も提案されている。
特開2007−247499号公報 特開2001−263015号公報
ところで、吸気バルブのリフト量には取り付け誤差等の影響による個体差があるため、内燃機関における吸気通路および燃焼室の連通部分の通路面積はその基準面積と若干異なる。また機関運転に伴って吸気バルブにデポジットが付着することがあり、この場合には上記通路面積が変化して同通路面積とその基準面積とが異なったものとなる。そして多気筒内燃機関では、そうした通路面積の相違に起因して気筒間における吸気量、ひいては混合気の空燃比にばらつきが生じてしまう。
また、上述したリフト量変更機構の設けられた内燃機関では上記通路面積とその基準面積とが相違した場合に、その相違に起因する空燃比の変化分が同リフト量変更機構の作動態様によって異なったものとなる。詳しくは、吸気バルブのリフト量が小さくなるようにリフト量変更機構が作動するときほど、吸気量の総量に対して上記通路面積の相違による吸気量の変化分の占める割合が大きくなり、上記空燃比の変化分が大きくなる。そのため、そうした内燃機関では、リフト量変更機構の設けられない内燃機関と比較して、吸気バルブのリフト量を小さくすることが可能な分だけ気筒間における空燃比のばらつきの度合いが大きくなり易いと云える。
気筒間における空燃比のばらつきが生じると、排気の酸素濃度の変動の度合いが不要に大きくなるため、これに伴って排気浄化触媒の酸素吸蔵の態様や酸素放出の態様が変化するおそれがある。そのため、吸気バルブのリフト量の可変制御と上述した劣化判定とが共に実行される装置において、気筒間における空燃比のばらつきが大きくなると、排気浄化触媒の酸素吸蔵の態様や酸素放出の態様の変化に伴って前記酸素吸蔵容量の算出精度の低下を招くおそれがあり、これが劣化判定の精度低下を招く一因となってしまう。
本発明は、そうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸気バルブのリフト量の可変制御が実行される内燃機関にあって排気浄化触媒の劣化を精度良く判定することのできる排気浄化触媒の劣化判定装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、排気通路に排気浄化触媒が設けられるとともに吸気バルブのリフト量の可変制御とスロットルバルブの開度制御との協働制御を通じて吸気量が調節される多気筒内燃機関に適用され、混合気の空燃比を強制変更した後における前記排気浄化触媒より排気流れ方向下流側の排気の酸素濃度に基づいて同排気浄化触媒の酸素吸蔵容量を算出し、該算出した酸素吸蔵容量に基づいて前記排気浄化触媒の劣化判定を行う劣化判定装置において、前記酸素吸蔵容量の算出に際して、前記内燃機関の吸気通路と燃焼室との連通部分の通路面積についての気筒間におけるばらつきに起因する前記混合気の空燃比についての気筒間におけるばらつきが生じなくなる所定量まで前記吸気バルブのリフト量を強制的に増大させる強制増大手段を備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、排気浄化触媒の酸素吸蔵容量を算出する際に、個体差や経時変化によって同内燃機関の吸気通路と燃焼室との連通部分の通路面積の気筒間におけるばらつきが大きくなっている場合であれ、そのばらつきに起因して空燃比の気筒間におけるばらつきが大きくなることはない。そのため、排気浄化触媒の排気流れ方向上流側における排気の酸素濃度の不要な変動を回避することができ、同排気浄化触媒の酸素吸蔵の態様や酸素放出の態様の不要な変化を回避することができる。したがって、吸気バルブのリフト量の可変制御が実行される内燃機関にあって排気浄化触媒の酸素吸蔵容量を精度良く算出し、同酸素吸蔵容量をもとに排気浄化触媒の劣化を精度良く判定することができる。
上記構成では、協働制御を通じて吸気量が調節されるために、吸気バルブのリフト量が強制増大されたときにこれに合わせてスロットルバルブの開度が小さくされて、吸気量の不要な変化が抑えられる。とはいえ、そのように吸気バルブのリフト量が大きくなることに起因して一時的に混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態が不要に変化するおそれがあり、これは排気の酸素濃度を変化させるために、排気浄化触媒の酸素吸蔵容量の算出精度の低下を招く一因となる。
この点、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、前記リフト量が前記所定量になってから前記混合気の空燃比の強制変更を開始するまでの間に遅延期間を設定する設定手段を更に備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、吸気バルブのリフト量の強制増大に起因する混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態の一時的な変化が収束するのを待った上で混合気の空燃比を強制変更して上記酸素吸蔵容量の算出を行うことができ、同酸素吸蔵容量を精度良く算出することができる。
なお、請求項1または2に記載の構成は、請求項3によるように、内燃機関が安定した運転状態であるとの実行条件が成立していることを条件に前記強制増大手段によるリフト量の強制増大を実行する装置に適用することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、前記リフト量の強制増大が開始されてから同リフト量が前記所定量になるまでの期間において前記実行条件の成立要件を緩和するものであることをその要旨とする。
上記構成によれば、吸気バルブのリフト量の増大中において一時的に内燃機関の運転状態が不安定になった場合であっても、同リフト量の増大に起因する運転状態の変化が適正な範囲である場合には同リフト量の強制増大を継続することができる。そのため、排気浄化触媒の劣化判定の判定精度を高く維持しつつ同劣化判定の実行頻度を高くすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、前記実行条件は前記排気浄化触媒の推定温度が所定の温度範囲内にあるとの条件を含み、前記推定温度の推定態様は、前記強制増大手段による前記リフト量の強制増大の実行時と非実行時とで異なることをその要旨とする。
吸気バルブのリフト量の強制増大の実行時と非実行時とでは、同リフト量が異なるために混合気の燃焼状態が必ずしも同一の状態にならず、排気浄化触媒の温度が同一の温度にならない。
上記構成によれば、吸気バルブのリフト量の強制増大の実行時と非実行時とにおいて各別の推定態様をもって排気浄化触媒の推定温度を精度良く求めることができ、その推定温度をもとに実行条件の成立を適正に判断することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれか一項に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、前記強制増大手段は、前記リフト量を増大させる際に同リフト量の増大速度をその変更初期において小さくすることをその要旨とする。
上記構成によれば、内燃機関の運転状態が安定した状況のもとで吸気バルブのリフト量の強制増大が開始されるとはいえ、その開始時における同リフト量やスロットルバルブの開度の急変を回避することができる。そのため、それらリフト量やスロットルバルブの開度の変化に伴う内燃機関の運転状態の変化を抑えることができ、ひいてはショックの発生を抑えることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、前記強制増大手段は、前記リフト量の増大速度を前記内燃機関の吸気通路における前記スロットルバルブより吸気流れ方向下流側の圧力に基づき設定することをその要旨とする。
吸気バルブのリフト量を変更した場合には、内燃機関の吸気通路と燃焼室との連通部分の通路面積が変化するために、同燃焼室内に流入する空気の量(筒内吸気量)が変更後のリフト量に見合う量まで直ちに変化する。
一方、スロットルバルブの開度を変更すると、吸気通路における同スロットルバルブの吸気流れ方向下流側の部分(スロットル下流部分)の圧力が変化し、その変化に伴って筒内吸気量が変化するようになる。そして、例えばスロットルバルブの開度を急峻に変更した場合など、同開度を変更してから上記スロットル下流部分の圧力が変更後の開度に見合う圧力まで変化するのに若干の時間を要する場合がある。そのため、スロットルバルブの開度を変更したときには、上記筒内吸気量が変更後の開度に見合う量まで若干の遅れをもって変化する場合があると云える。
したがって、吸気バルブのリフト量の強制増大に際して、そうした筒内吸気量の変化感度の差異を考慮することなく単に協調制御を実行すると、筒内吸気量の一時的な増加を招くおそれがある。
この点、上記構成によれば、スロットル下流圧力を通じて筒内吸気量の変化感度の差異を考慮しつつ吸気バルブのリフト量の強制増大を実行することができ、同リフト量の強制増大に伴う筒内吸気量の不要な増加を的確に抑えることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、前記内燃機関は、その排気通路に排気の酸素濃度を検出するための酸素濃度センサが設けられてなり、前記空燃比を強制変更したときにおける前記酸素濃度センサの出力信号の推移に基づいて同センサの異常を判定する異常判定が実行されてなり、前記劣化判定装置は、前記強制増大手段による前記リフト量の強制増大の実行時において前記異常判定の実行を禁止する禁止手段を更に備えることをその要旨とする。
上記構成によれば、共に混合気の空燃比を強制変更する手順を含む排気浄化触媒の劣化判定と酸素濃度センサの異常判定とが同時に実行されることを回避することができ、それら判定をそれぞれ適正に実行することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、前記禁止手段は、前記強制増大手段による前記リフト量の強制増大が停止されてから前記異常判定の実行禁止を解除するまでの間に遅延期間を設定することをその要旨とする。
上記リフト量の強制増大が停止された場合、同リフト量を小さくするのに合わせてスロットルバルブの開度を大きくするとの協働制御を通じて吸気量が調節されるために、強制増大の停止後における吸気量の不要な変化が抑えられる。とはいえ、そのようにリフト量が小さくなることに起因して一時的に混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態が不要に変化するおそれがあり、これは排気の酸素濃度を変化させるために、酸素濃度センサの異常判定の判定精度の低下を招く一因となる。
上記構成によれば、リフト量の強制増大の停止直後において吸気バルブのリフト量を小さくすることに伴う混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態の一時的な変化が収束するのを待った上で酸素濃度センサの異常判定の実行を許可することが可能になり、同異常判定の判定精度の低下を抑えることができるようになる。
以下、本発明にかかる排気浄化触媒の劣化判定装置を具体化した一実施の形態について説明する。
図1に、本実施の形態にかかる劣化判定装置が適用される内燃機関およびその周辺機器の概略構成を示す。
同図1に示すように、内燃機関10の吸気通路11にはスロットルバルブ12が設けられている。スロットルバルブ12には、スロットルモータ13が連結されている。そして、このスロットルモータ13の駆動制御を通じてスロットルバルブ12の開度(スロットル開度TA)が調節され、これにより吸気通路11を通じて燃焼室14内に吸入される空気の量が調節される。また、上記吸気通路11には燃料噴射バルブ15が設けられている。この燃料噴射バルブ15は吸気通路11内に燃料を噴射する。さらに、内燃機関10の排気通路16には排気を浄化するための排気浄化触媒17が設けられている。
内燃機関10の燃焼室14においては、吸入空気と噴射燃料とからなる混合気に対して点火プラグ18による点火が行われる。この点火動作によって混合気が燃焼してピストン19が往復移動し、クランクシャフト20が回転する。そして、燃焼後の混合気は排気として燃焼室14から排気通路16に送り出される。内燃機関10の排気は、上記排気浄化触媒17を通じて浄化された後に排気通路16外へと放出される。なお、この排気浄化触媒17は、理論空燃比近傍での燃焼が行われる状態において、排気中のHCやCOを酸化するとともに同排気中のNOxを還元して排気を浄化する作用を有している。また、この排気浄化触媒17は、これを通過する排気の酸素濃度が混合気の空燃比をリーンにした状態での機関運転時における濃度であるときには排気中の酸素を吸蔵する一方、同酸素濃度が混合気の空燃比をリッチにした状態での機関運転時における濃度であるときには酸素を放出するといった酸素ストレージ機能を有している。
内燃機関10において、吸気通路11と燃焼室14との間は吸気バルブ21の開閉動作によって連通・遮断される。また、吸気バルブ21はクランクシャフト20の回転が伝達される吸気カムシャフト22の回転に伴って開閉動作する。さらに、吸気バルブ21と吸気カムシャフト22との間にはリフト量変更機構23が設けられている。このリフト量変更機構23は、吸気バルブ21のリフト量VL(詳しくは、最大リフト量)を内燃機関10の運転条件に応じて変更するものであり、電動モータ等のアクチュエータ24の駆動制御を通じて作動する。図2に示すように、このリフト量変更機構23の作動により、吸気バルブ21のリフト量VLは開弁期間(リフト作用角)と同期して変化し、例えばリフト作用角が小さくなるほどリフト量VLも小さくなる。
なお、上記内燃機関10は、動力源として車両に搭載されるものであり、複数(本実施の形態では4つ)の気筒を有する多気筒内燃機関である。上記リフト量変更機構23は各気筒にそれぞれ設けられ、上記アクチュエータ24は各気筒共用のものが一つ設けられている。
本実施の形態の装置は、内燃機関10(図1)の運転状態を検出するための各種センサを備えている。そうした各種センサとしては、例えばクランクシャフト20の回転速度(機関回転速度NE)を検出するためのクランクセンサ31や、吸気通路11を通過する吸入空気の量(通路吸気量GA)を検出するための吸気量センサ32、アクセルペダル25の踏み込み量ACを検出するためのアクセルセンサ33が設けられている。また、スロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ34や、吸気バルブ21のリフト量VL(正確には、リフト量変更機構23の作動量)を検出するためのリフト量センサ35、吸気通路11におけるスロットルバルブ12より下流側の部分の圧力(スロットル下流圧力PM)を検出するための吸気圧センサ36が設けられている。その他、排気通路16における上記排気浄化触媒17より排気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」)の部分(詳しくは、排気マニホールド)に設けられて排気の酸素濃度に応じた信号を出力する空燃比センサ37が設けられている。また、排気通路16における上記排気浄化触媒17よりも排気流れ方向下流側(以下、単に「下流側」)に設けられて排気の酸素濃度に応じた信号を出力する酸素センサ38等も設けられている。本実施の形態では、空燃比センサ37および酸素センサ38が酸素濃度センサとして機能する。
なお、上記空燃比センサ37は、周知の限界電流式酸素センサである。この限界電流式酸素センサは、濃淡電池式酸素センサの検出部に拡散律速層と呼ばれるセラミック層を備えることにより排気中の酸素濃度に応じた出力電流が得られるセンサであり、排気中の酸素濃度と密接な関係にある混合気の空燃比が理論空燃比である場合には、その出力電流が「0」になる。また、混合気の空燃比がリッチになるにつれて出力電流は負の方向に大きくなり、同空燃比がリーンになるにつれて出力電流は正の方向に大きくなる。したがって、この空燃比センサ37の出力信号に基づき、混合気の空燃比についてそのリーン度合いやリッチ度合いを検出することができる。
また、上記酸素センサ38は、周知の濃淡電池式の酸素センサである。この濃淡電池式酸素センサからは排気の酸素濃度が、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリッチであるときの濃度である場合には1ボルト程度の出力電圧が得られ、混合気の空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときの濃度である場合には0ボルト程度の出力電圧が得られる。また濃淡電池式酸素センサの出力電圧は排気の酸素濃度が、混合気の空燃比が理論空燃比近傍であるときの濃度であるときに大きく変化する。したがって、こうした酸素センサ38の出力信号に基づき、排気浄化触媒17下流側の排気がリーンに対応する性状であるか、或いはリッチに対応する性状であるかを検出することができる。
この酸素センサ38は、排気浄化触媒17での排気浄化作用の状態を監視するために同排気浄化触媒17の下流側に設けられている。すなわち、排気浄化触媒17での還元作用が促進されており排気中に酸素が放出されているときには、酸素センサ38の出力信号がリーンに対応する値となる。一方、排気浄化触媒17での酸化作用が促進されており排気中の酸素が消費されているときには、酸素センサ38の出力信号がリッチに対応する値となる。こうした酸素センサ38の検出結果に基づいて排気浄化作用の状態が監視される。
本実施の形態の装置は、例えばマイクロコンピュータを有して構成される電子制御装置30を備えている。この電子制御装置30は、各種センサの検出信号を取り込むとともに各種の演算を行い、その演算結果に基づいてスロットルモータ13の駆動制御(スロットル制御)や燃料噴射バルブ15の駆動制御(燃料噴射制御)、アクチュエータ24の駆動制御(リフト量変更制御)等といった各種制御を実行する。
本実施の形態では、スロットル制御とリフト量変更制御との協働制御を通じて、燃焼室14内に吸入される吸気の量(筒内吸気量)が次のように調節される。すなわち、前記アクセルペダル25の踏み込み量ACや機関回転速度NEに基づいて筒内吸気量についての制御目標値(目標筒内吸気量Tga)が算出され、その目標筒内吸気量Tgaと実際の筒内吸気量が一致するようにスロットル制御およびリフト量変更制御が実行される。
一方、本実施の形態の燃料噴射制御では、通路吸気量GAに基づいて混合気の空燃比が目標空燃比(基本的に、理論空燃比)になる燃料量(目標燃料噴射量TQ)が求められ、実際の燃料噴射量Qが目標燃料噴射量TQと一致するように燃料噴射バルブ15の駆動が制御される。
また本実施の形態では、上記空燃比センサ37によって検出される排気の実際の酸素濃度と所望の濃度(混合気の空燃比が理論空燃比であるときにおける排気の酸素濃度)との乖離度合に基づいてフィードバック補正量を算出するとともに同補正量に基づいて目標燃料噴射量TQを補正するとの制御、いわゆる空燃比フィードバック制御が実行される。
こうした空燃比フィードバック制御を実行するようにしたのは、次のような理由による。上記排気浄化触媒17は、燃焼される混合気の空燃比が理論空燃比近傍の狭い範囲(ウインドウ)であるときにのみ、排気中の主要有害成分(HC、CO、NOx)のすべてを酸化還元反応により効率的に浄化する。そのため、排気浄化触媒17の排気浄化作用を有効に発揮させるには、混合気の空燃比を上記ウインドウの中心に合わせこむべく、燃料噴射量を厳密に調節する必要があるためである。
さらに本実施の形態では、上記酸素センサ38の出力に基づいてサブフィードバック補正量を算出するとともに同補正量によって目標燃料噴射量TQを補正するといった制御、いわゆるサブ空燃比フィードバック制御が実行される。具体的には、酸素センサ38の出力信号がリッチを示す値であるときには、燃料噴射量Qが少しずつ減量されるように、すなわち混合気の空燃比が少しずつリーン側に近づいていくように、サブフィードバック補正量が変更される。一方、酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値であるときには、燃料噴射量Qが少しずつ増量されるように、すなわち混合気の空燃比が少しずつリッチ側に近づいていくように、サブフィードバック補正量が変更される。こうしたサブ空燃比フィードバック制御を実行することにより、排気浄化触媒17の排気浄化作用が有効に発揮されるようになる。
こうした空燃比フィードバック制御やサブ空燃比フィードバック制御が適正に実行されたとしても、排気浄化触媒17の劣化が進行すると、同排気浄化触媒17によって排気を十分に浄化することができなくなってしまう。そのため本実施の形態では、以下のような態様で排気浄化触媒17の劣化を判定するようにしている。
前述したように排気浄化触媒17は酸素ストレージ機能を有しており、同排気浄化触媒17が吸蔵可能な酸素の量(酸素吸蔵容量)はその劣化が進行するにつれて少なくなる傾向にある。この点をふまえて本実施の形態では、排気浄化触媒17の酸素吸蔵容量が求められ、その酸素吸蔵容量に基づいて排気浄化触媒17の劣化が判定される。
具体的には先ず、酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値からリッチを示す値に(あるいはリッチを示す値からリーンを示す値に)変化したときに、混合気の空燃比についての制御目標値(目標空燃比TAF)をリッチからリーンに(あるいはリーンからリッチに)変更する制御(アクティブ制御)が実行される。
図3に、上記アクティブ制御が実行されるときの目標空燃比TAFの推移、酸素センサ38の出力信号の推移、および排気浄化触媒17の酸素吸蔵量Cの推移をそれぞれ示す。
同図3に示すように、時刻t11において、酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値であるときにアクティブ制御の実行が開始されると、このとき目標空燃比TAFが理論空燃比よりリッチ側の比率に強制変更される。これにより、以後において燃料噴射量が増量されて混合気の空燃比がリッチになる。
そして、混合気の空燃比がリッチになっている間においては排気浄化触媒17から酸素が放出されるために、酸素センサ38の出力信号がリーンに対応する値となる。その後、排気浄化触媒17に吸蔵されていた酸素が全て放出されて同排気浄化触媒17からの酸素放出が停止されると、酸素センサ38の出力信号がリッチに対応する値になる(時刻t12)。このように酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値からリッチを示す値に変化することによって、排気浄化触媒17に吸蔵されていた酸素が全て放出されて酸素吸蔵量Cが「0」になったと判断することができる。
時刻t12において、酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値からリッチを示す値に変化すると、目標空燃比TAFが理論空燃比よりもリーン側の比率に強制変更される。これにより、以後において燃料噴射量が減量されて混合気の空燃比がリーンになる。
そして、混合気の空燃比がリーンになっている間において排気浄化触媒17には酸素が吸蔵されるために、酸素センサ38の出力信号がリッチを示す値となる。その後、排気浄化触媒17による酸素の吸蔵が限界にまで達すると、排気中の酸素が排気浄化触媒17に吸蔵されなくなるために、酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値となる(時刻t13)。このように酸素センサ38の出力信号がリッチを示す値からリーンを示す値に変化することによって、排気浄化触媒17の酸素吸蔵量Cが限界量(最大酸素吸蔵量Cmax)に達したことがわかる。
時刻t13において、酸素センサ38の出力信号がリッチを示す値からリーンを示す値に変化すると、目標空燃比TAFは再び理論空燃比よりもリッチ側の比率に変更される。そして、混合気の空燃比がリッチになっている間において排気浄化触媒17から酸素が放出されるために、酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値になる。そして、排気浄化触媒17に吸蔵されていた酸素が全て放出されると、酸素センサ38の出力信号がリッチを示す値になる(時刻t14)。このように酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値からリッチを示す値に変化することによって、排気浄化触媒17に吸蔵されていた酸素、すなわち上記最大酸素吸蔵量Cmaxの全てが放出されたと判断することができる。
このようにアクティブ制御では、酸素センサ38の出力信号に基づいて混合気の空燃比が強制変更される。そして、この強制変更後における排気浄化触媒17より下流側の排気の酸素濃度(具体的には、酸素センサ38の出力信号)の変化態様に基づいて、排気浄化触媒17の酸素吸蔵量Cが「0」になった状態や最大酸素吸蔵量Cmaxに達した状態を把握することができる。
したがって、混合気の空燃比がリーンであり且つ酸素センサ38の出力信号がリッチを示す値である期間において排気浄化触媒17に流入した酸素の量を積算することにより、排気浄化触媒17の酸素吸蔵容量を推定することができる。ちなみに、混合気の空燃比がリッチであり且つ酸素センサ38の出力信号がリーンを示す値である期間において排気浄化触媒17から放出された酸素の量を積算することにより、同排気浄化触媒17が放出可能な酸素の量(酸素放出容量)を推定することが可能である。排気浄化触媒17から放出される酸素は、もともと同排気浄化触媒17に吸蔵されていた酸素であるため、この酸素放出容量は上記酸素吸蔵容量と概ね同じような値となり、実質的には酸素吸蔵容量を示す値となる。
そして、排気浄化触媒17の酸素ストレージ機能は同排気浄化触媒17の劣化が進むに連れて低下することから、上記酸素吸蔵容量が所定の判定値(後述する劣化判定値α)に満たないことをもって排気浄化触媒17が劣化していると判断される。
図4は排気浄化触媒17の劣化を判定する処理(劣化判定処理)の実行手順を示すフローチャートであり、このフローチャートに示される一連の処理は、上記アクティブ制御が実行されていることを条件に、上記電子制御装置30によって所定周期毎に繰り返し実行される処理である。
図4に示すように、この処理では先ず、目標空燃比TAFが切り替わったか否かが(具体的には目標空燃比TAFがリッチに対応する比率からリーンに対応する比率に変更されたか否かが)判断される(ステップS100)。そして、目標空燃比TAFが切り替わっていないと判断される場合には(ステップS100:NO)、以下の処理を実行することなく本処理は一旦終了される。
一方、目標空燃比TAFが切り替わったと判断される場合、すなわち先の図3における時刻t12の状態であると判断される場合には(ステップS100:YES)、以下の関係式(1)に基づいて排気浄化触媒17の酸素吸蔵量Cが積算される(ステップS101)。

「今回の酸素吸蔵量C」=「前回の酸素吸蔵量C」
+0.23×ΔA/F×「燃料噴射量Q」 …(1)

なお、上記関係式(1)における「今回の酸素吸蔵量C」は今回の実行周期において算出される最新の酸素吸蔵量Cであり、「前回の酸素吸蔵量C」は、本処理の前回の実行周期において算出された酸素吸蔵量Cである。また、「0.23」は空気中に含まれる酸素の割合であり、「ΔA/F」は空燃比センサ37によって検出された空燃比から理論空燃比を減じた値である。さらに、「燃料噴射量Q」は燃料噴射制御において設定される値であり、本処理の実行時に内燃機関10に供給された燃料量である。また、上記関係式(1)において、「ΔA/F×燃料噴射量Q」によって得られる値は本処理の実行周期の間に排気浄化触媒17に流入した未燃焼の空気量に相当する値であり、これに「0.23」を乗じた値は未燃焼の酸素量に相当する値である。そして、この未燃焼の酸素が排気浄化触媒17に吸蔵される。したがって、上記関係式(1)によって、今回の実行周期における最新の酸素吸蔵量Cが算出されるようになる。
次に、酸素センサ38の出力信号が反転したか否か(具体的には、同出力信号がリッチを示す値からリーンを示す値に変化したか否かが)判断される(ステップS102)。そして、酸素センサ38の出力信号が反転していないと判断される場合には(ステップS102:NO)、同出力信号が反転するようになるまで、酸素吸蔵量Cを積算する処理(ステップS101)が繰り返し実行される。その後、酸素センサ38の出力信号が反転したと判断されると、すなわち先の図3における時刻t13の状態であると判断されると(ステップS102:YES)、このときの酸素吸蔵量Cが排気浄化触媒17の酸素吸蔵容量として記憶される(ステップS103)。
その後、上記酸素吸蔵容量が所定の劣化判定値α以上であるか否かが判定される(ステップS104)。そして、最大酸素吸蔵量が劣化判定値α未満である場合には(S104:NO)、排気浄化触媒17の劣化が進んでその許容範囲を超えているとして、「劣化あり」と判定された後(ステップS105)、本処理は終了される。一方、酸素吸蔵容量が劣化判定値α以上である場合には(ステップS140:YES)、排気浄化触媒17の劣化がさほど進んでいないとして、「劣化あり」と判定することなく(ステップS105の処理をジャンプして)、本処理は終了される。
なお本実施の形態では、酸素吸蔵容量に基づいて排気浄化触媒17の劣化判定を実行するようにしたが、これに代えて前記酸素放出容量を酸素吸蔵容量として用いて劣化判定を実行したり、酸素放出容量と酸素吸蔵容量との平均値を最終的な酸素吸蔵容量として用いて劣化判定を実行したりしてもよい。
ここで上記内燃機関10では、前述したように吸気バルブ21の個体差やデポジットの付着などによって吸気通路11および燃焼室14の連通部分の通路面積とその基準面積とが一致しないために、気筒間における筒内吸気量、ひいては混合気の空燃比にばらつきが生じてしまう。また内燃機関10では、吸気バルブ21のリフト量VLが小さくなるようにリフト量変更機構23が作動すると、筒内吸気量の総量に対して上記通路面積の相違による同筒内吸気量の変化分の占める割合が大きくなって上記空燃比の変化分が大きくなるため、気筒間における空燃比のばらつきの度合いが大きくなってしまう。
そして、気筒間における空燃比のばらつきが大きくなると、上述したアクティブ制御の実行中における排気の酸素濃度の変動の度合いが不要に大きくなるため、これに伴って排気浄化触媒17の酸素吸蔵の態様や酸素放出の態様が変化してしまい、これが前述した態様で算出される酸素吸蔵容量を変化させてしまう。こうした酸素吸蔵容量の変化は、排気浄化触媒17の劣化によるものではないために、同排気浄化触媒17の劣化判定についての判定精度の低下を招く一因となってしまう。
内燃機関10では、吸気バルブ21のリフト量VLを大きくするほど、筒内吸気量の総量に対して上記通路面積の相違による同筒内吸気量の変化分の占める割合が小さくなって上記空燃比の変化分が小さくなる。また内燃機関10では、吸気バルブ21のリフト量VLを一定量VLa以上にすることにより、吸気バルブ21の個体差や経時変化などによって上記連通部分の通路面積の気筒間におけるばらつきが生じた場合であっても、これに起因する混合気の空燃比の気筒間におけるばらつきがほぼ生じなくなることが発明者により確認された。
この点をふまえて本実施の形態では、前記アクティブ制御の実行に先立って、吸気バルブ21のリフト量VLを所定量VLb(ただし、VLb>VLa)まで強制的に増大させるようにしている。
これにより、排気浄化触媒17の酸素吸蔵容量を算出する際に、吸気バルブ21の個体差や経時変化によって上記連通部分の通路面積の気筒間におけるばらつきが大きくなっている場合であっても、そのばらつきに起因して空燃比の気筒間におけるばらつきが大きくなることが回避される。そのため、排気浄化触媒17の上流側における排気の酸素濃度の不要な変動を回避することができ、同排気浄化触媒17の酸素吸蔵の態様や酸素放出の態様の不要な変化を回避することができる。したがって、排気浄化触媒17の酸素吸蔵容量を精度良く算出することが可能になり、同酸素吸蔵容量をもとに排気浄化触媒17の劣化を精度良く判定することができるようになる。
以下、そのように吸気バルブ21のリフト量VLを強制的に増大させる処理(強制増大処理)を含む上述した劣化判定処理の実行を許可するための処理(実行許可処理)について説明する。
図5は上記実行許可処理の具体的な実行手順を示すフローチャートであり、同フローチャートに示される一連の処理は、所定周期毎の処理として電子制御装置30により実行される。
図5に示すように、この処理では先ず、実行条件Aが成立しているか否かが判断される(ステップS202)。この実行条件Aは、内燃機関10の運転状態がその変化の小さい安定した運転状態であることを判断するための条件であり、以下の(条件イ)や(条件ロ)を含む。
(条件イ)混合気の空燃比が理論空燃比を含む所定の範囲内であること。具体的には、空燃比センサ37の出力信号が所定の範囲Ra内であること。
(条件ロ)排気浄化触媒17の温度が所定の範囲内であること。具体的には、内燃機関10の運転状態に応じて算出される排気浄化触媒17の推定温度が所定の温度範囲Ta内であること。
そして、実行条件Aが成立していない場合には(ステップS202:NO)、以下の処理を実行することなく本処理は一旦終了される。その後、本処理が繰り返し実行されて実行条件Aが成立すると(ステップS202:YES)、実行フラグがオン操作され(ステップS203)、これによって前記強制増大処理の実行が開始される。なお、この強制増大処理は、本処理とは別に実行される処理として電子制御装置30により実行される。本実施の形態では、電子制御装置30が強制増大手段として機能する。
この強制増大処理は、具体的には、以下のような考えをもとに実行される。
先ず、強制増大処理は内燃機関10の運転状態が安定した状況のもとで実行されるために、その実行開始における吸気バルブ21のリフト量VLやスロットル開度TAの変化に伴って振動やショックが発生してしまうと、これがドライバビリティを低下させる懸念がある。
そのため強制増大処理では、吸気バルブ21のリフト量VLの増大速度をその増大初期において小さくするようにしている。詳しくは、吸気バルブ21のリフト量VLについての制御目標値(目標リフト量)が、強制増大処理の実行が開始されてから所定期間(例えば数百ミリ秒)が経過するまでの間においては緩慢な速度(予め定めた所定速度V1)で増大される一方、同所定期間が経過した後においては比較的早い速度(予め定めた所定速度V2(ただしV2>V1))で増大される。これにより、強制増大処理の実行開始時におけるリフト量VLやスロットル開度TAの変化速度が抑えられてその急変が回避されるようになり、上述した振動やショックの発生、ひいてはドライバビリティの低下が抑えられるようになる。
また、吸気バルブ21のリフト量VLを変更した場合には、内燃機関10の吸気通路11と燃焼室14との連通部分の通路面積が変化するために、筒内吸気量が変更後のリフト量VLに見合う量まで直ちに変化するようになる。これに対し、スロットル開度TAを変更すると、吸気通路11におけるスロットルバルブ12より下流側の部分(スロットル下流部分)の圧力が変化し、その変化に伴って筒内吸気量が変化するようになる。そのためスロットル開度TAを変更したときには、その後において上記スロットル下流部分の圧力が変更後のスロットル開度TAに見合う圧力まで変化するのに若干の時間を要する場合があり、その場合には上記筒内吸気量が変更後のスロットル開度TAに見合う量まで若干の遅れをもって変化するようになる。したがって、強制増大制御の実行に際して、そうした筒内吸気量の変化感度の差異を考慮することなく単に協調制御を実行すると、筒内吸気量の一時的な増加を招くおそれがある。
そのため本実施の形態では、強制増大処理の実行開始直後において、それ以外のときと比較してスロットル開度TAの変化速度に対する吸気バルブ21のリフト量VLの変化速度が遅くなる態様で協調制御を実行するようにしている。これにより、上述した変化感度の差異に応じて協調制御を実行することが可能になり、吸気バルブ21のリフト量VLの強制増大に伴う筒内吸気量の不要な増加を的確に抑えることができる。
また本実施の形態では、強制増大処理の実行開始直後におけるスロットル開度TAの変化速度とリフト量VLの変化速度との関係を内燃機関10の吸気通路11におけるスロットルバルブ12より下流側の圧力(前記スロットル下流圧力PM)に基づいて設定するようにしている。具体的には、強制増大処理の実行開始後におけるスロットル下流圧力PMの低下分が求められるとともに、同低下分が所定値以上になる前においてはスロットル開度TAの変化速度に対するリフト量VLの変化速度を抑える処理が実行され、同低下分が所定値以上になった後においては同リフト量VLの変化速度を抑える処理の実行が停止される。なお上記所定値としては、上述した振動やショックの発生を適切に抑えることの可能な値が機関回転速度NEおよび機関負荷(本実施の形態では「通路吸気量GA/機関回転速度NE」)に基づき算出される。これにより、スロットル下流圧力PMを通じて筒内吸気量の変化感度の差異を考慮しつつ強制増大処理を実行することが可能になり、吸気バルブ21のリフト量VLの強制増大に伴う筒内吸気量の不要な増加が的確に抑えられるようになる。
なお、本実施の形態では、上述した排気浄化触媒17の推定温度の算出がそのときどきの機関回転速度NEや機関負荷などを算出パラメータとして実行される。ここで、強制増大処理の実行時と非実行時とでは、協働制御を通じて通路吸気量GAが同一量に調節される場合であっても、混合気の燃焼状態が必ずしも同一の状態にならないため、排気の温度、ひいては排気浄化触媒17の実際の温度が同一の温度にならない。この点をふまえて本実施の形態では、強制増大処理の実行時と非実行時とで、上記推定温度を異なる態様で算出するようにしている。具体的には、図6に示すように、上記推定温度の算出に用いるマップとして、強制増大処理の実行時(実行フラグ=「オン」)においては(ステップS300:YES)Aマップが選択される一方(ステップS301)、強制増大処理の非実行時(実行フラグ=「オフ」)においては(ステップS300:NO)Bマップが選択される(ステップS303)。これにより、強制増大処理の実行時と非実行時とにおいて各別の推定態様をもって排気浄化触媒17の推定温度が精度良く求められるようになり、その推定温度をもとに実行条件の成立が適正に判断されるようになる。
また本実施の形態では、排気浄化触媒17の劣化を判定する処理に加えて、混合気の空燃比を強制変更するとともにそのときの空燃比センサ37の出力信号の推移に基づいて同空燃比センサ37の異常を判定する異常判定が実行される。
そして本実施の形態では、図6に示すように、強制増大処理の実行時において(ステップS300:YES)、上記空燃比センサ37の異常判定の実行が禁止される(ステップS302)。これにより、共に混合気の空燃比を強制変更する手順を含む排気浄化触媒17の劣化判定と空燃比センサ37の異常判定とが同時に実行されることが回避されて、それら判定がそれぞれ適正に実行されるようになる。本実施の形態では、ステップS302の処理が禁止手段として機能する。
しかも本実施の形態では、強制増大処理の実行停止に際して空燃比センサ37の異常判定の実行禁止を解除する際に、強制増大処理の実行停止から空燃比センサ37の異常判定の実行禁止を解除するまでの間に遅延時間が設定される。具体的には、強制増大処理の実行が停止されると(ステップS300:NO)、その実行停止(詳しくは、実行フラグがオフされて)から所定期間(例えば数秒)が経過するのを待って(ステップS304:YES)、空燃比センサ37の異常判定の実行禁止が解除される(ステップS305)。
強制増大処理の実行が停止された場合、吸気バルブ21のリフト量VLを小さくするのに合わせてスロットル開度TAを大きくするとの協働制御を通じて通路吸気量GAが調節されるため、同強制増大処理の実行停止後における通路吸気量GAの不要な変化は抑えられる。とはいえ、そのようにリフト量VLが小さくなることに起因して一時的に混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態が不要に変化するおそれがあり、これは排気の酸素濃度を変化させるために、空燃比センサ37の異常判定の判定精度の低下を招く一因となる。
この点、本実施の形態では、上記遅延時間が設定されるため、強制増大処理の実行停止直後において吸気バルブ21のリフト量VLを小さくすることに伴う混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態の一時的な変化が収束するのを待った上で空燃比センサ37の異常判定の実行が許可されるようになり、同異常判定の判定精度の低下が抑えられるようになる。
そして、実行許可処理(図5)において実行フラグがオン操作されて上述した強制増大処理の実行が開始されると(ステップS201:YES)、その後において実行条件Bが成立しているか否かが判断される(ステップS204)。この実行条件Bは、実行条件Aと同様に内燃機関10が安定した運転状態であることを判断するための実行であり、以下の(条件ハ)や(条件ニ)を含む。
(条件ハ)混合気の空燃比が理論空燃比を含む所定の範囲内であること。具体的には、空燃比センサ37の出力信号が所定の範囲Rb内であること。
(条件ニ)排気浄化触媒17の温度が所定の範囲内であること。具体的には、内燃機関10の運転状態に応じて算出される排気浄化触媒17の推定温度が所定の温度範囲Tb内であること。
ただし(条件イ)の範囲Raよりも(条件ハ)の範囲Rbの方が広い範囲に設定されており、(条件ロ)の温度範囲Taよりも(条件ニ)の温度範囲Tbの方が広い範囲に設定されている。すなわち、強制増大処理の実行前における同強制増大処理の実行条件Aの成立要件と比較して、強制増大処理の実行開始後における実行条件Bの成立要件が緩和されている。
これにより、強制増大処理の実行が開始されてから吸気バルブ21のリフト量VLが前記所定量VLbになるまでの期間における同強制増大処理の実行条件の成立要件が緩和される。そのため、リフト量VLの増大中において一時的に内燃機関10の運転状態が不安定になった場合であっても、同リフト量VLの増大に起因する運転状態の変化が適正な範囲である場合には同リフト量VLの強制増大を継続することができる。したがって、排気浄化触媒17の劣化判定の判定精度を高く維持しつつ同劣化判定の実行頻度を高くすることができる。
そして、本処理が繰り返し実行されて、実行条件Bが成立した状態で(ステップS204:YES)、吸気バルブ21のリフト量VLが所定量VLc(ただし、一定量VLa<VLc<所定量VLb)になり(ステップS205:YES)、さらにはその状態が所定期間継続されると(ステップS206:YES)、前述した劣化判定処理が実行される(ステップS207)。なお、排気浄化触媒17の酸素吸蔵容量の算出が完了すると、実行フラグがオフ操作されて、強制増大処理の実行が停止される。
強制増大処理の実行を開始する際には、吸気バルブ21のリフト量VLを増大させるのに合わせてスロットル開度TAを小さくするとの協働制御を通じて通路吸気量GAが調節されるために、同通路吸気量GAの不要な変化は抑えられる。とはいえ、そのようにリフト量VLが増大することに起因して一時的に混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態が不要に変化するおそれがあり、これは排気の酸素濃度を変化させるために、劣化判定処理において算出される酸素吸蔵容量を変化させてしまう。こうした酸素吸蔵容量の変化は、排気浄化触媒17の劣化によるものではないために、同排気浄化触媒17の劣化判定についての判定精度の低下を招く一因となってしまう。
この点、本実施の形態では、吸気バルブ21のリフト量VLが所定量VLcになってから劣化判定処理(詳しくは、アクティブ制御)の実行を開始するまでの間に遅延期間が設定されている。そのため、吸気バルブ21のリフト量VLの強制増大に起因する混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態の一時的な変化が収束するのを待った上で劣化判定処理の実行が開始されて酸素吸蔵容量の算出が行われるようになり、同酸素吸蔵容量が精度良く算出されるようになる。本実施の形態では、ステップS206の処理が設定手段として機能する。
なお、強制増大処理の実行中において実行条件Bが不成立になった場合には(ステップS204:NO)、実行フラグがオフ操作され(ステップS208)、これにより強制増大処理の実行が停止される。また、強制増大処理の実行が開始されたにも拘わらず所定時間(例えば数秒)が経過しても吸気バルブ21のリフト量VLが所定量VLbにならない状況になった場合には、同状況になってから所定時間(例えば数十秒)が経過するまでの間(ステップS200:YES)、強制増大処理の実行が停止される(ステップS208)。
このように本実施の形態では、吸気バルブ21のリフト量VLが所定量VLbにならなかった場合に、その後の所定時間にわたり強制増大処理の実行が禁止される。そして、そのように強制増大処理の実行が禁止されている間において、空燃比センサ37の異常判定の実行が許可されるために、同異常判定を実行することができる。しかも、強制増大処理の実行が禁止されている間において車両の走行状態や内燃機関10の運転状態が変化する可能性があるため、強制増大処理の実行を禁止しない場合と比較して、強制増大処理の再度の実行時において吸気バルブ21のリフト量VLが所定量VLbになる可能性が高くなる。したがって、強制増大処理と空燃比センサ37の異常判定にかかる処理とが共に効率よく実行されるようになる。
以下、上述した実行許可処理の作用について説明する。
ここでは先ず、排気浄化触媒17の劣化判定が正常に完了する場合について説明する。
図7に、そうした場合における実行許可処理の実行態様の一例を示す。
同図7に示すように、実行条件Aが成立すると(時刻t21)、実行フラグがオン操作されて強制増大処理の実行が開始されるとともに、これに合わせて空燃比センサ37の異常判定の実行が禁止される。その後、実行条件Bが成立しているために同強制増大処理の実行が継続されて吸気バルブ21のリフト量VLが増大する。そして、リフト量VLが所定量VLcまで大きくなると(時刻t22)、その後において所定期間T1が経過した後に劣化判定処理の実行が開始される(時刻t23)。
その後、劣化判定処理において前記酸素吸蔵容量が算出されると(時刻t24)、同酸素吸蔵容量に基づいて排気浄化触媒17の劣化が判定されるとともに、実行フラグがオフ操作されて強制増大処理の実行が停止される。そして、その後において所定時間T2が経過すると、空燃比センサ37の異常判定の実行禁止が解除されて、同異常判定の実行が許可される(時刻t25)。
次に、吸気バルブ21のリフト量VLが所定量VLcにならない場合について説明する。
図8に、そうした場合における実行許可処理の実行態様の一例を示す。
同図8に示すように、実行条件Aが成立すると(時刻t31)、強制増大処理の実行が開始されるとともに、これに合わせて空燃比センサ37の異常判定の実行が禁止される。その後において吸気バルブ21のリフト量VLが増大する。その後、実行条件Bが成立しているために同強制増大処理の実行が継続されてリフト量VLが増大する。
本例では、強制増大処理の実行が開始された後に所定時間T3が経過したときにリフト量VLが所定量VLcにならない(時刻t32)。そのため、このとき実行フラグが一旦オフ操作されて強制増大処理の実行が停止され、以後において同強制増大処理の実行が禁止される。そして、その後において所定時間T4が経過すると、空燃比センサ37の異常判定の実行禁止が解除されて、同異常判定の実行が許可される(時刻t33)。こうした強制増大処理の実行禁止と空燃比センサ37の異常判定の実行許可とは、強制増大処理の実行停止後に所定時間T5が経過するまでの間継続される(時刻t33〜t34)。
そして、強制増大処理の実行停止後に所定時間T5が経過すると(時刻t34)、強制増大処理の実行禁止が解除される。本例では、このとき実行条件Aが成立しているため、実行フラグがオン操作されて強制増大処理の実行が開始されるとともに、空燃比センサ37の異常判定の実行が禁止される。
以上説明したように、本実施の形態によれば、以下に記載する効果が得られるようになる。
(1)排気浄化触媒17の酸素吸蔵容量の算出に際して、内燃機関10の吸気通路11と燃焼室14との連通部分の通路面積についての気筒間におけるばらつきに起因する混合気の空燃比についての気筒間におけるばらつきが生じなくなる所定量VLcまで、吸気バルブ21のリフト量VLを強制的に増大させるようにした。そのため、排気浄化触媒17の上流側における排気の酸素濃度の不要な変動を回避することができ、同排気浄化触媒17の酸素吸蔵の態様や酸素放出の態様の不要な変化を回避することができる。したがって、酸素吸蔵容量を精度良く算出し、同酸素吸蔵容量をもとに排気浄化触媒の劣化を精度良く判定することができる。
(2)リフト量VLが所定量VLcになってからアクティブ制御の実行を開始するまでの間に遅延期間を設定するようにした。そのため、リフト量VLの強制増大に起因する混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態の一時的な変化が収束するのを待った上で混合気の空燃比を強制変更して酸素吸蔵容量の算出を行うことができ、同酸素吸蔵容量を精度良く算出することができる。
(3)リフト量VLの強制増大が開始されてから同リフト量VLが所定量VLcになるまでの期間において実行条件の成立要件を緩和するようにした。そのため、リフト量VLの増大中において一時的に内燃機関10の運転状態が不安定になった場合であっても、同リフト量VLの増大に起因する運転状態の変化が適正な範囲である場合には同リフト量VLの強制増大を継続することができる。そのため、排気浄化触媒17の劣化判定の判定精度を高く維持しつつ同劣化判定の実行頻度を高くすることができる。
(4)排気浄化触媒17の推定温度を強制増大処理の実行時と非実行時とで異なる態様をもって算出するようにした。そのため、強制増大処理の実行時と非実行時とにおいて各別の推定態様をもって排気浄化触媒17の推定温度を精度良く求めることができ、その推定温度をもとに実行条件の成立を適正に判断することができる。
(5)リフト量VLを増大させる際に、同リフト量VLの増大速度を徐々に大きくするようにした。そのため、リフト量VLやスロットル開度TAの変化に伴う内燃機関10の運転状態の変化を抑えることができ、ひいてはショックの発生を抑えることができる。
(6)強制増大処理の実行時におけるリフト量VLの増大速度をスロットル下流圧力PMに基づいて設定するようにした。そのため、リフト量VLの変更時とスロットル開度TAの変更時との筒内吸気量の変化感度の差異を考慮しつつ強制増大処理を実行することができ、強制増大処理の実行に伴う筒内吸気量の不要な増加を的確に抑えることができる。
(7)強制増大処理の実行時において空燃比センサ37の異常判定の実行を禁止するようにした。そのため、共に混合気の空燃比を強制変更する手順を含む排気浄化触媒17の劣化判定と空燃比センサ37の異常判定とが同時に実行されることを回避することができ、それら判定をそれぞれ適正に実行することができる。
(8)強制増大処理の実行が停止されてから空燃比センサ37の異常判定の実行禁止を解除するまでの間に遅延期間を設定するようにした。そのため、リフト量VLの強制増大の停止直後において同リフト量VLを小さくすることに伴う混合気の空燃比や同混合気の燃焼状態の一時的な変化が収束するのを待った上で空燃比センサ37の異常判定の実行を許可することが可能になり、同異常判定の判定精度の低下を抑えることができるようになる。
なお、上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・実行条件Aおよび実行条件Bは、酸素吸蔵容量として適正な値を算出可能な状況であることを判断することのできる条件であれば、任意に変更可能である。また、強制増大処理の実行時の実行条件(上記実施の形態における実行条件B)と同強制増大処理の非実行時の実行条件(同実行条件A)とを同一の条件としてもよい。
・リフト量VLが所定量VLcになったタイミングでアクティブ制御の実行を開始するようにしてもよい。
・強制増大処理の実行が停止されたタイミングで空燃比センサ37の異常判定の実行禁止を解除するようにしてもよい。
・上記実施の形態は、空燃比センサ37の異常判定が実行されない装置にも適用することができる。
・強制増大処理の実行開始直後におけるスロットル開度TAの変化速度とリフト量VLの変化速度との関係を切り替えるための所定値として、機関回転速度NEおよび機関負荷に基づいて算出される値を用いることに代えて、内燃機関10の運転状態の変化によることなく定められる一定の値を用いるようにしてもよい。また、上記関係を切り替えるタイミングを、スロットル下流圧力PMに基づき設定することに限らず、強制増大処理の実行開始後の経過時間などに基づき設定するようにしてもよい。
・強制増大処理の実行開始直後においてスロットル開度TAの変化速度に対するリフト量VLの変化速度を抑える構成を省略してもよい。
・強制増大処理の実行時においてリフト量VLの増大速度を二段階で切り替えることに限らず、三段階以上の多段階で切り替えるようにしてもよい。また、時間の経過とともに徐々に大きい値になる係数を設定するとともに同係数を目標リフト量に乗じることによってリフト量VLを徐々に大きくすること等も可能である。要は、リフト量VLの増大速度が徐々に大きくなるのであれば、その増大速度の変更態様は任意に変更することができる。
・強制増大処理の実行に際して、リフト量VLの増大速度を徐々に大きくする構成を省略してもよい。
本発明を具体化した一実施の形態が適用される内燃機関およびその周辺機器の概略構成を示す略図。 リフト量変更機構の作動に基づく吸気バルブのリフト量の変化態様を示すタイムチャート。 アクティブ制御の実行時における目標空燃比および酸素センサの出力信号および排気浄化触媒の酸素吸蔵量の推移を示すタイミングチャート。 劣化判定処理の実行手順を示すフローチャート。 実行許可処理の実行手順を示すフローチャート。 切り替え処理の実行手順を示すフローチャート。 実行許可処理の実行態様の一例を示すタイミングチャート。 実行許可処理の実行態様の他の例を示すタイミングチャート。
符号の説明
10…内燃機関、11…吸気通路、12…スロットルバルブ、13…スロットルモータ、14…燃焼室、15…燃料噴射バルブ、16…排気通路、17…排気浄化触媒、18…点火プラグ、19…ピストン、20…クランクシャフト、21…吸気バルブ、22…吸気カムシャフト、23…リフト量変更機構、24…アクチュエータ、25…アクセルペダル、30…電子制御装置、31…クランクセンサ、32…吸気量センサ、33…アクセルセンサ、34…スロットルセンサ、35…リフト量センサ、36…吸気圧センサ、37…空燃比センサ、38…酸素センサ。

Claims (9)

  1. 排気通路に排気浄化触媒が設けられるとともに吸気バルブのリフト量の可変制御とスロットルバルブの開度制御との協働制御を通じて吸気量が調節される多気筒内燃機関に適用され、混合気の空燃比を強制変更した後における前記排気浄化触媒より排気流れ方向下流側の排気の酸素濃度に基づいて同排気浄化触媒の酸素吸蔵容量を算出し、該算出した酸素吸蔵容量に基づいて前記排気浄化触媒の劣化判定を行う劣化判定装置において、
    前記酸素吸蔵容量の算出に際して、前記内燃機関の吸気通路と燃焼室との連通部分の通路面積についての気筒間におけるばらつきに起因する前記混合気の空燃比についての気筒間におけるばらつきが生じなくなる所定量まで前記吸気バルブのリフト量を強制的に増大させる強制増大手段を備える
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
  2. 前記リフト量が前記所定量になってから前記混合気の空燃比の強制変更を開始するまでの間に遅延期間を設定する設定手段を更に備える
    請求項1に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置。
  3. 請求項1または2に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、
    前記内燃機関が安定した運転状態であるとの実行条件が成立していることを条件に前記強制増大手段による前記リフト量の強制増大を実行するものである
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
  4. 請求項3に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、
    前記リフト量の強制増大が開始されてから同リフト量が前記所定量になるまでの期間において前記実行条件の成立要件を緩和するものである
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
  5. 請求項3または4に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、
    前記実行条件は前記排気浄化触媒の推定温度が所定の温度範囲内にあるとの条件を含み、
    前記推定温度の推定態様は、前記強制増大手段による前記リフト量の強制増大の実行時と非実行時とで異なる
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、
    前記強制増大手段は、前記リフト量を増大させる際に同リフト量の増大速度をその変更初期において小さくする
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、
    前記強制増大手段は、前記リフト量の増大速度を前記内燃機関の吸気通路における前記スロットルバルブより吸気流れ方向下流側の圧力に基づき設定する
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、
    前記内燃機関は、その排気通路に排気の酸素濃度を検出するための酸素濃度センサが設けられてなり、前記空燃比を強制変更したときにおける前記酸素濃度センサの出力信号の推移に基づいて同センサの異常を判定する異常判定が実行されてなり、
    前記劣化判定装置は、前記強制増大手段による前記リフト量の強制増大の実行時において前記異常判定の実行を禁止する禁止手段を更に備える
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
  9. 請求項8に記載の排気浄化触媒の劣化判定装置において、
    前記禁止手段は、前記強制増大手段による前記リフト量の強制増大が停止されてから前記異常判定の実行禁止を解除するまでの間に遅延期間を設定する
    ことを特徴とする排気浄化触媒の劣化判定装置。
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