JP2014224487A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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寛豪 松瀬
Hirotoshi Matsuse
寛豪 松瀬
守人 浅野
Morihito Asano
守人 浅野
浩明 松村
Hiroaki Matsumura
浩明 松村
裕里 近藤
Yuri Kondo
裕里 近藤
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Abstract

【課題】吸気のEGR率の不意の変動をもたらすEGRクーラの性能低下を簡便に検知する。
【解決手段】排気通路に設けられた空燃比センサを介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、EGR装置において還流する排気ガスを冷却するEGRクーラの性能が低下したと判断する。
【選択図】図5

Description

本発明は、排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置が付帯した内燃機関を制御する制御装置に関する。
内燃機関の気筒における混合気の燃焼温度を低下させてNOxの排出量を削減しつつ、ポンピングロスの低減を図るEGR装置が周知である。EGR装置は、内燃機関の排気通路と吸気通路とをEGR通路を介して接続し、気筒で発生する燃焼ガスの一部をEGR通路経由で吸気経路に還流させて吸気に混入するものである。
吸気に混交するEGRガスは、予め十分に冷ましておくことが求められる。そのために、EGR通路上には、熱交換器であるEGRクーラが配設されている。
内燃機関の排気通路には、気筒から排出される排気ガス中に含まれる有害物質HC、CO、NOxを酸化/還元して無害化する三元触媒が装着される。触媒によってHC、CO、NOxの全てを効率よく浄化するには、触媒に流入するガスの空燃比をウィンドウと称する理論空燃比近傍の一定範囲に収束させる必要がある。内燃機関の運転制御においては、気筒に充填される新気の量に応じて燃料噴射量を設定し、ガスの空燃比を目標空燃比に制御することが通例である。
何らかの理由により、EGRクーラの冷却性能が低下すると、EGR通路を介して吸気通路に合流するEGRガスの質量流量が減少し、吸気のEGR率が低下する。結果、気筒に充填される新気の量が相対的に増加する。にもかかわらず、所望のEGR率が達成されていることを前提に燃料噴射量を定めると、実効的なガスの空燃比が目標から逸脱し、エミッションの悪化につながるおそれがある。
吸気通路またはEGR通路にエアフローメータを設け、気筒に実際に充填される新気量及びEGRガス量を直接捕捉して、EGR率をフィードバック制御することも考えられる(例えば、下記特許文献を参照)が、エアフローメータの設置に伴うコストの増加は否めない。
特開2006−242080号公報
本発明は、吸気のEGR率の不意の変動をもたらすEGRクーラの性能低下を簡便に検知することを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、排気通路を流れる排気ガスの一部を吸気通路に還流させる排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関を制御するものであって、排気通路に設けられた空燃比センサを介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、排気ガス再循環装置において還流する排気ガスを冷却するクーラの性能が低下したと判断することを特徴とする内燃機関の制御装置を構成した。
さらに、前記クーラの性能が低下したと判断した暁には、ガスの空燃比を目標空燃比に近づけるべく燃料噴射量に補正を加えるとともに、それでもなお実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合には、前記クーラに異常が発生していると判断することが好ましい。
本発明によれば、吸気のEGR率の不意の変動をもたらすEGRクーラの性能低下を簡便に検知することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 フロントO2センサの出力を参照した空燃比フィードバック制御の模様を示すタイミング図。 制御中心補正量FACFと遅延時間TDR、TDLとの関係を例示するグラフ。 リアO2センサの出力を参照した空燃比フィードバック制御の模様を示すタイミング図。 同実施形態の制御装置が実行する処理の手順例を示すフロー図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させたことで生じる排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気通路4における触媒41の上流及び/または下流には、排気通路を流通する排気ガスの空燃比を検出するための空燃比センサ43、44を設置する。空燃比センサ43、44はそれぞれ、排気ガスの空燃比に対して非線形な出力特性を有するO2センサであってもよく、排気ガスの空燃比に比例した出力特性を有するリニアA/Fセンサであってもよい。本実施形態では、触媒41の上流側及び下流側の各空燃比センサ43、44について、排気ガス中の酸素濃度に応じた電圧信号を出力するO2センサを想定している。O2センサ43、44の出力特性は、ウィンドウの範囲では空燃比に対する出力の変化率が大きく急峻な傾きを示し、それよりも空燃比が大きいリーン領域では低位飽和値に漸近し、空燃比が小さいリッチ領域では高位飽和値に漸近する、いわゆるZ特性曲線を描く。
本実施形態の内燃機関には、外部EGR装置2が付帯している。外部EGR装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通するEGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。EGRクーラ22は、EGR通路21を吸気通路3に向かって流れるEGRガスが持つ熱を内燃機関の冷却水に移す熱交換器であり、吸気通路3を流れる新気に混交するべきEGRガスを冷却する役割を担う。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号e、触媒41の上流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ43から出力される空燃比信号f、触媒41の下流側における排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ44から出力される空燃比信号g、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)等といった運転パラメータを決定する。
特に、要求EGR率は、要求負荷が中程度の運転領域において最も高く、そこから負荷が減少するほど低下し、また負荷が増大するほど低下する。アイドリング中やこれに近い低負荷運転領域、あるいは全負荷運転領域では、要求EGR率を0とする。即ち、EGRバルブ23を全閉し、EGRを行わない。
しかして、ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態のECU0は、気筒1に充填される混合気の空燃比、ひいては気筒1から排出され三元触媒41へと導かれる排気ガスの空燃比をフィードバック制御する。ECU0は、まず、吸気圧及び吸気温、エンジン回転数、要求EGR率等から、気筒1に充填される新気の量を算出し、これに見合った基本噴射量TPを決定する。次いで、この基本噴射量TPを、触媒41の上流側の空燃比に応じて定まるフィードバック補正係数FAFで補正し、さらには内燃機関の状況に応じて定まる各種補正係数Kやインジェクタ36の無効噴射時間TAUVをも加味して、最終的な燃料噴射時間(インジェクタ11に対する通電時間)Tを算定する。燃料噴射時間Tは、
T=TP×FAF×K+TAUV
となる。そして、燃料噴射時間Tだけインジェクタ11に信号jを入力、インジェクタ11を開弁して燃料を噴射させる。
触媒41の上流側の空燃比信号fを参照したフィードバック制御は、例えば、内燃機関の冷却水温が所定温度以上であり、燃料カット中でなく、パワー増量中でなく、内燃機関の始動から所定時間が経過し、触媒41の上流側の空燃比センサ43が活性中、吸気圧が正常である、等の諸条件が全て成立している場合に行う。
図2に示すように、ECU0は、触媒41の上流側のガスの空燃比を検出するセンサであるフロントO2センサ43の出力電圧fを、目標空燃比に相当する電圧値(鎖線で表す)と比較して、その目標電圧値よりも高ければリッチ、その目標電圧値よりも低ければリーンと判定する。そして、センサ出力fがリーンからリッチに切り替わったときには、リッチ判定遅延時間TDRの経過を待って、フィードバック補正係数FAFをスキップ値RSMだけ減少させる。その後、補正係数FAFを所定時間あたりリーン積分値KIMだけ逓減させる。補正係数FAFの減少に伴い、燃料噴射量が絞られて、混合気の空燃比がリーンへと向かう。
あるいは、センサ出力fがリッチからリーンに切り替わったときには、リーン判定遅延時間TDLの経過を待って、フィードバック補正係数FAFをスキップ値RSPだけ増加させる。その後、補正係数FAFを所定時間あたりリッチ積分値KIPだけ逓増させる。補正係数FAFの増加に伴い、燃料噴射量が上積みされて、混合気の空燃比がリッチへと向かう。
遅延時間TDR、TDLは、制御中心補正量FACFに応じて増減する。図3に、補正量FACFと遅延時間TDR、TDLとの関係を例示する。補正量FACFが大きくなるほど、リッチ判定遅延時間TDR(実線で表す)は延長され、リーン判定遅延時間TDL(破線で表す)は短縮される。さすれば、フィードバック補正係数FAFが増加から減少に転じる時期が遅れ、減少から増加に転じる時期が早まる。結果、燃料噴射量が平均的に増すこととなり、空燃比フィードバック制御の制御中心がリッチ側に変位する。
他方、補正量FACFが小さくなるほど、リッチ判定遅延時間TDRは短縮され、リーン判定遅延時間TDLは延長される。さすれば、フィードバック補正係数FAFが増加から減少に転じる時期が早まり、減少から増加に転じる時期が遅れる。結果、燃料噴射量が平均的に減ることとなり、空燃比フィードバック制御の制御中心がリーン側に変位する。
ECU0は、空燃比のフィードバック制御中、上記の制御中心補正量FACFをも算出する。原則として、FACFは、触媒41の下流側の空燃比に応じて定まる。触媒41の下流側の空燃比信号gを参照したフィードバック制御は、例えば、冷却水温が所定温度以上であり、空燃比フィードバック制御の開始から所定時間が経過し、フロントO2センサ43が活性してから所定時間が経過し、過渡期の燃料補正量が所定値を下回り、アイドル状態で車速が0若しくは0に近い所定値以下であるかまたは非アイドル状態で所定の運転領域にある、等の諸条件が全て成立している場合に行う。
図4に示すように、ECU0は、触媒41の下流側のガスの空燃比を検出するセンサであるリアO2センサ44の出力電圧gを、目標空燃比に相当する電圧値(鎖線で表す。この電圧値は、フロントO2センサ43の出力信号fの目標電圧値とは一致しないことがある)と比較して、その目標電圧値よりも高ければリッチ、その目標電圧値よりも低ければリーンと判定する。そして、センサ出力gがリッチである間は、制御中心補正量FACFを所定時間あたりリーン積分値FACFKIMだけ逓減させる。既に述べたように、補正量FACFの減少に伴い、空燃比制御中心はリーンへと向かう。
逆に、センサ出力gがリーンである間は、制御中心補正量FACFを所定時間あたりリッチ積分値FACFKIPだけ逓増させる。補正量FACFの増加に伴い、空燃比制御中心はリッチへと向かう。
基本噴射量TPは、吸気のEGR率が要求EGR率に等しいことを前提として、気筒1に充填される新気の量との比が目標空燃比となるような量に設定している。しかしながら、吸気のEGR率が常に要求EGR率に等しいとは保証されていない。EGRクーラ22に供給される冷却水の流量が減少した、冷却水の温度が異常に高くなった等の理由により、EGRクーラ22によるEGRガスの冷却性能が低下した際には、EGR通路23を介して吸気通路3に合流するEGRガスが昇温し、当該EGRガスの密度が不当に低くなる。さすれば、吸気のEGR率が要求EGR率未満となり、気筒1に充填される吸気に占めるEGRガスの量が減少し、その分だけ新気の量が相対的に増すことになる。
にもかかわらず、要求EGR率通りのEGRガス量及び新気量を前提として基本噴射量TPを決定すると、新気量に対して燃料噴射量Tが不足し、実効的な空燃比が目標よりもリーンになってしまう。無論、実空燃比と目標空燃比との間に偏差が発生したならば、その偏差を縮小するように燃料噴射量Tのフィードバック補正(FAFの増減調整)がなされるのであるが、偏差の発生自体を阻止することはできず、フィードバック制御系の応答遅れとも相まって、触媒41におけるNOxの還元処理の能率が低下する懸念がある。
そこで、本実施形態では、O2センサ43、44を介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、EGRクーラ22の性能が低下したと判断し、燃料噴射量Tにフィードフォワード補正を加えることとして、エミッションの悪化を抑止するようにしている。
実空燃比と目標空燃比との乖離の度合いは、空燃比フィードバック制御コントローラたるECU0が算出する補正量FAFによって示唆される。EGRクーラ22の冷却性能の低下は、気筒1に充填される新気量の増加、つまりは空燃比のリーン化をもたらす。実空燃比が目標空燃比と比較してリーン化すると、フィードバック補正量FAFが増大し、実空燃比と目標空燃比との偏差の縮小が図られる。
故に、本実施形態のECU0は、フィードバック補正量FAFを所定の第一閾値以上と比較し、FAFが当該第一閾値以上になったことを条件として、EGRクーラ22の冷却性能が低下したとの判断を下す。そして、ガスの空燃比を目標空燃比近傍に維持するべく、燃料噴射量Tのフィードフォワード補正を実行する。
より詳しく述べると、ECU0は、内燃機関の温度、特に冷却水温がある一定以上となり(暖機が完了しており)、吸気温がある一定範囲内に収まっており、車両が定常走行している(車速またはエンジン回転数の単位時間あたりの変化量が一定以下である。緩加速または緩減速状態を含む)際に、算出した補正量FAFと第一閾値との比較を行う。冷却水温が一定以上かつ吸気温が一定範囲内に収まっているときに判断を下すのは、EGRクーラ22の冷却性能が冷却水温及び吸気温の影響を受けることに鑑み、その判断の前提となる状況を一定化する意図である。定常走行中のFAFを閾値と比較するのは、加速時または減速時には元来空燃比が目標から逸脱しやすいことによる。
その上で、フィードバック補正量FAFが第一閾値以上である期間が一定以上継続したならば、EGRクーラ22の性能が低下していると判断して、燃料噴射量Tのフィードフォワード補正を開始する。即ち、そのときの補正量FAFを学習値FAFLRNとしてメモリに記憶し、以後の燃料噴射制御において予め基本噴射量TPに加味するようにする。フィードフォワード補正を実行しているときの燃料噴射量Tは、
T=TP×FAFLRN×FAF×K+TAUV
となる。フィードフォワード補正量FAFLRNは、EGRクーラ22の性能低下に起因するEGRガス量の減少、新気量の増加を予め補償するものであって、O2センサ43、44を介して計測される現在のガスの実空燃比と目標空燃比との偏差が増大してはじめて発生するフィードバック補正量FAFとは異なる。
フィードフォワード補正量FAFLRNは、単一値としてもよいし、内燃機関の運転領域[エンジン回転数,要求負荷(または、吸気圧)]毎に異なる値としてもよい。
言うまでもなく、フィードフォワード補正は、EGRの実行中に限り行う。要求EGR率が0または0に近い所定値以下であるときには、基本噴射量TPにフィードフォワード補正量FAFLRNを加味することはしない。
さらに、本実施形態のECU0は、基本噴射量TPに補正量FAFLRNを加味する補正を行ってもなお、O2センサ43、44を介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、EGRクーラ22に異常または故障が発生していると判断する。
既に述べたように、実空燃比と目標空燃比との乖離の度合いは、ECU0が算出するフィードバック補正量FAFによって示唆される。ECU0は、フィードバック補正量FAFを所定の第二閾値以上と比較し、FAFが当該第二閾値以上になったことを条件として、EGRクーラ22が異常または故障しているとの判断を下す。そして、以後、EGRの実行を禁止する。即ち、要求EGR率を0に保ち、EGRバルブ23を全閉状態に維持する。EGRの禁止により、学習値FAFLRNを用いた燃料噴射量Tの補正も当然に終了する。
第二閾値は、第一閾値と同値としてもよいし、第一閾値よりも大きい、または小さい値としてもよい。基本噴射量TPに補正量FAFLRNを加味する補正を行った上でEGRクーラ22の故障の有無を判定するのであれば、(既にEGRクーラ22の性能低下を補う燃料増量補正がなされていることから)第二閾値が第一閾値よりも小さいということもあり得る。
図5に、本実施形態のECU0がプログラムに従い実行する処理の手順例を示す。ECU0は、冷却水温が一定以上、吸気温が一定範囲内、EGRの実行中かつ車両が定常走行中であるという前提状況が整ったときに(ステップS1)、自らが演算しているフィードバック補正量FAFを第一閾値と比較する。
FAFが第一閾値未満であるならば、EGRクーラ22は正常であると判断できる。翻って、FAFが第一閾値以上となっている期間が一定以上継続したならば(ステップS2)、EGRクーラ22の冷却性能が低下していると判断し、そのときのFAFをFAFLRNとして学習するとともに(ステップS3)、以後のEGR実行中の燃料噴射制御において当該FAFLRNをフィードフォワード補正量として基本噴射量TPに加味する補正を行う(ステップS4)。
さらに、ECU0は、冷却水温が一定以上、吸気温が一定範囲内、EGRの実行(及び、FAFLRNを用いた燃料噴射量Tの補正)中かつ車両が定常走行中であるという前提状況が整ったときに(ステップS5)、自らが演算しているフィードバック補正量FAFを第二閾値と比較する。
FAFが第二閾値未満であるならば、EGRクーラ22は重篤な異常または故障にまでは至っていないと判断できる。翻って、FAFが第二閾値以上となっている期間が一定以上継続したならば(ステップS6)、EGRクーラ22に異常または故障が発生していると判断し、以後の運転におけるEGRの実行を禁止する(ステップS7)。加えて、EGRクーラ22の異常の旨を示す情報(ダイアグノーシスコード)をECU0のメモリに記憶保持し(ステップS8)、その旨を運転者の視覚または聴覚に訴えかける態様にて出力(エンジンチェックランプを点灯させる、ディスプレイに表示する、音声出力する等)し報知する(ステップS9)。
図5に示したルーチン、即ちEGRクーラ22の性能に関する判断及び学習値FAFLRNの更新は、トリップ(イグニッションスイッチがONに操作されて内燃機関が始動してから、イグニッションスイッチがOFFにされて内燃機関が停止するまでの期間)毎に少なくとも一回実施することが好ましい。内燃機関の停止中に冷却水の補充やEGRクーラ22の修繕等が行われた結果、FAFLRNが減少したり(1に近づいたり)、EGRクーラ22の性能が回復してFAFLRNを乗するフィードフォワード補正が不要となったりすることも起こり得る。
本実施形態では、排気通路4を流れる排気ガスの一部を吸気通路3に還流させる排気ガス再循環装置2が付帯した内燃機関を制御するものであって、排気通路4に設けられた空燃比センサ43、44を介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、排気ガス再循環装置2において還流する排気ガスを冷却するクーラ22の性能が低下したと判断することを特徴とする内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、吸気のEGR率の不意の変動をもたらすEGRクーラ22の性能低下を、追加コストなしで検知することができる。そして、EGRクーラ22の性能低下による新気量の増大に対して燃料噴射量の増量補正を実行し、空燃比の目標値への追従性を高めて、EGRによるNOxの排出量の削減及びポンピングロスの低減の効果を維持することが可能となる。
また、前記クーラ22の性能が低下したと判断した後、ガスの空燃比を目標空燃比に近づけるべく燃料噴射量Tに補正FAFLRNを加えるとともに、それでもなお実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、前記クーラ22に異常が発生していると判断するようにしたため、EGRクーラ22が重篤な異常または故障に陥ったときにEGRの実行を停止することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態には限られない。上記実施形態では、基本噴射量TPにフィードフォワード補正FAFLRNを加味している状況下で、フィードバック補正量FAFと第二閾値とを比較してEGRクーラ22の異常または故障の有無を判定していたが、フィードフォワード補正FAFLRNを加えていない状況においても、FAFと閾値との比較を通じてEGRクーラ22の異常または故障の有無を判定することができる。その場合の閾値は、EGRクーラ22の冷却性能の低下の有無の判定に用いる第一閾値よりも大きな値に設定する。
上記実施形態では、空燃比センサ43、44を介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離の大きさを示唆する指標値として、フィードバック補正量FAFを参照していたが、このFAFに替えて、空燃比センサ43、44の出力信号f、gそのものに基づいて、実空燃比と目標空燃比との乖離の大きさを把握するようにしてもよい。例えば、空燃比センサ43の出力信号f(または、空燃比センサ44の出力信号g)とその目標値との偏差の時間積分が第一閾値以上となったことを条件としてEGRクーラ22の冷却性能が低下したと判断し、並びに、出力信号f(または、出力信号g)とその目標値との偏差の時間積分が第二閾値以上となったことを条件としてEGRクーラ22に異常または故障が発生したと判断する。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
11…インジェクタ
2…EGR装置
22…EGRクーラ
43、44…空燃比センサ(O2センサ)
f、g…空燃比センサの出力信号

Claims (2)

  1. 排気通路を流れる排気ガスの一部を吸気通路に還流させる排気ガス再循環装置が付帯した内燃機関を制御するものであって、
    排気通路に設けられた空燃比センサを介して実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、排気ガス再循環装置において還流する排気ガスを冷却するクーラの性能が低下したと判断することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記クーラの性能が低下したと判断した後、ガスの空燃比を目標空燃比に近づけるべく燃料噴射量に補正を加えるとともに、
    それでもなお実測されるガスの空燃比と目標空燃比との乖離が所定以上大きくなった場合に、前記クーラに異常が発生していると判断する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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