JP2022146774A - 内燃機関の空燃比制御装置 - Google Patents

内燃機関の空燃比制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】排気エミッションの悪化を抑制した内燃機関の制御装置を提供する。【解決手段】第1、第2触媒、及び前記第1触媒よりも上流側、前記第1触媒と前記第2触媒の間、及び前記第2触媒よりも下流側にそれぞれ設けられ排気の空燃比を検出する第1、第2、及び第3センサ、を有した内燃機関に適用され、前記第1センサの検出空燃比が目標空燃比となるように前記内燃機関を制御すると共に、前記第2センサの検出空燃比が理論空燃比よりも大きいリーン判定空燃比となった場合に前記目標空燃比をリッチ目標空燃比に設定し、前記第2センサの検出空燃比が理論空燃比よりも小さいリッチ判定空燃比となった場合に、前記目標空燃比をリーン目標空燃比に設定する空燃比制御装置であって、前記内燃機関の運転状態が、理論空燃比に対する前記第3センサの検出空燃比の乖離量が所定範囲外となる特定の運転状態になった場合に前記所定範囲内に収まるように補正する。【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の空燃比制御装置に関する。
排気通路に上流側から下流側に順に第1及び第2触媒が設けられ、第1触媒よりも上流側、第1触媒と第2触媒の間、第2触媒よりも下流側、にそれぞれ排気の空燃比を検出する第1、第2、及び第3センサが設けられた内燃機関が知られている。このような内燃機関の空燃比制御に関して、第3センサの検出空燃比に基づいて内燃機関の目標空燃比をフィードバック制御することにより、第2触媒を通過した排気のエミッションの悪化を抑制する技術がある(特許文献1参照)。
特開2018-3777号公報
特定の運転状態において、第3センサの検出空燃比が理論空燃比に対して大きくずれる場合がある。このような場合に上記技術では、第3センサの検出空燃比が理論空燃比に収束するように第3センサの検出空燃比に基づいて目標空燃比をフィードバック制御するが、第3センサの検出空燃比が実際に内燃機関から排出される排気の空燃比に反映されるまでに時間を要する場合がある。特に、このような特定の運転状態が繰り返えされると、その都度フィードバック制御により第3センサの検出空燃比が実際の排気の空燃比に反映されるまでに時間を要し、排気エミッションが悪化するおそれがある。
そこで、排気エミッションの悪化を抑制した内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的は、機関本体、前記機関本体に接続された排気通路に上流側から下流側に順に設けられていると共に酸素吸蔵能力を有した第1及び第2触媒、及び前記排気通路の前記第1触媒よりも上流側、前記第1触媒と前記第2触媒の間、及び前記第2触媒よりも下流側、にそれぞれ設けられ排気の空燃比を検出する第1、第2、及び第3センサ、を有した内燃機関に適用され、前記第1センサの検出空燃比が目標空燃比となるように前記内燃機関を制御すると共に、前記第2センサの検出空燃比が理論空燃比よりも大きいリーン判定空燃比となった場合に、前記目標空燃比を理論空燃比よりも小さいリッチ目標空燃比に設定し、前記第2センサの検出空燃比が理論空燃比よりも小さいリッチ判定空燃比となった場合に、前記目標空燃比を理論空燃比よりも大きいリーン目標空燃比に設定する内燃機関の空燃比制御装置であって、前記内燃機関の運転状態が、理論空燃比に対する前記第3センサの検出空燃比の乖離量が所定範囲外となる特定の運転状態になったか否かを判定する運転状態判定部と、前記運転状態判定部により肯定判定がなされた場合に、理論空燃比に対する前記第3センサの検出空燃比の乖離量が前記所定範囲内に収まるように、前記リーン判定空燃比及びリッチ判定空燃比、或いは前記リーン目標空燃比及びリッチ目標空燃比を補正する補正部と、を備えた内燃機関の空燃比制御装置によって達成できる。
前記内燃機関は、前記機関本体から前記排気通路に排出された排気の一部をEGRガスとして前記機関本体に接続された吸気通路に還流させるEGR装置を有し、前記運転状態判定部は、前記運転状態を示す所定の制御パラメータの目標値として、前記機関本体の筒内の全ガス量に対する前記筒内のEGRガス量の割合であるEGR率の目標値である目標EGR率を用いて、前記内燃機関の運転状態が前記特定の運転状態になったか否かを判定してもよい。
前記内燃機関は、前記機関本体の筒内及び吸気ポートのそれぞれに燃料を噴射する筒内噴射弁及びポート噴射弁を有し、前記運転状態判定部は、前記運転状態を示す所定の制御パラメータの目標値として、前記筒内噴射弁及び前記ポート噴射弁の双方からの総燃料噴射量に対する前記筒内噴射弁及び前記ポート噴射弁の一方からの燃料噴射量の割合である噴射率の目標値である目標噴射率を用いて、前記内燃機関の運転状態が前記特定の運転状態になったか否かを判定してもよい。
理論空燃比に対する前記第3センサの検出空燃比の乖離量が所定範囲外となったことが、前記内燃機関の前記特定の運転状態で生じているか否かを判定する特定運転状態判定部を備え、前記運転状態判定部は、前記特定運転状態判定部により肯定判定がなされた場合に、前記内燃機関の運転状態が前記特定の運転状態になったか否かを判定してもよい。
排気エミッションの悪化を抑制した内燃機関の制御装置を提供することができる。
図1は、内燃機関の概略構成図である。 図2は、特定の運転状態で第3センサの検出空燃比が理論空燃比から大きく乖離する場合の一例を示したタイミングチャートである。 図3は、記憶済の乖離量に基づいてリーン判定空燃比及びリッチ判定空燃比を補正する場合の一例を示したタイミングチャートである。 図4は、記憶制御の一例を示したフローチャートである。 図5は、記憶された制御パラメータの目標値と乖離量Dの一例を示した図である。 図6は、補正制御の一例を示したフローチャートである。 図7は、記憶済の乖離量に基づいてリーン目標空燃比及びリッチ目標空燃比を補正する場合の一例を示したタイミングチャートである。 図8は、補正制御の変形例を示したフローチャートである。
[内燃機関の概略構成]
図1は、内燃機関1の概略構成図である。内燃機関1は、例えば車両に搭載されているが、これに限定されず、車両以外の船舶等に搭載されていてもよい。内燃機関1は、機関本体10、吸気通路20、排気通路30、EGR(Exhaust gas recirculation)装置40を有する。機関本体10は、複数の気筒を有した多気筒機関であり、各気筒内には、燃焼室11、ピストン12、点火プラグ16等が設けられている。また、機関本体10の内部には、コンロッド13、及びクランクシャフト14が配置されている。ピストン12はコンロッド13によりクランクシャフト14に連結されている。機関本体10には、回転数センサ15が設けられ、気筒毎に筒内噴射弁17a及びポート噴射弁17bが設けられている。回転数センサ15は、クランクシャフト14の回転数を検出することにより、機関本体10の回転数を検出する。筒内噴射弁17aは、燃焼室11内に燃料を直接噴射する。ポート噴射弁17bは、機関本体10の吸気ポートに向けて燃料を噴射する。点火プラグ16は、燃焼室11内での混合気に点火する。機関本体10の吸気ポート及び排気ポートには、それぞれ吸気通路20及び排気通路30が接続されている。吸気バルブ18a及び排気バルブ18bは、それぞれ機関本体10の吸気ポート及び排気ポートを開閉する。
吸気通路20には、上流側から下流側に順に、エアクリーナ21、エアフローメータ22、スロットルバルブ23が設けられている。エアクリーナ21は外部から流入する空気から粉塵などを除去する。エアフローメータ22は吸入空気量を取得する。スロットルバルブ23は例えば不図示のアクチュエータなどにより駆動され、吸入空気量を調節する。スロットルバルブ23の開度が大きくなると吸入空気量は多くなり、開度が小さくなると吸入空気量は少なくなる。
吸気バルブ18aが開くことで、空気は吸気通路20から燃焼室11へと導入される。筒内噴射弁17a及びポート噴射弁17bの少なくとも一方から噴射された燃料と空気との混合気は、ピストン12で圧縮され、点火プラグ16により点火される。混合気への点火によりピストン12は燃焼室11内を上下に往復運動し、クランクシャフト14が回転する。燃焼後の排気は排気通路30から排出される。
排気通路30には上流側から下流側に順に、第1センサ31a、第1触媒32a、第2センサ31b、第2触媒32b、及び第3センサ31cが設けられている。第1センサ31a、第2センサ31b、及び第3センサ31cは、排気通路30を流れる排気の空燃比を検出する空燃比センサであるが、これに限定されず、これらのうちの少なくとも一つが排気の酸素濃度を検出することにより排気の空燃比を検出することができる酸素濃度センサであってもよい。第1センサ31aは、機関本体10から排出され第1触媒32aに流入する排気の空燃比を検出する。第2センサ31bは、第1触媒32aから排出され第2触媒32bに流入する排気の空燃比を検出する。第3センサ31cは、第2触媒32bから排出される排気の空燃比を検出する。
第1触媒32a及び第2触媒32bは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)等の触媒金属を含み、酸素吸蔵能力を有する三元触媒である。三元触媒は、触媒作用及び酸素吸蔵能力を有することにより、酸素吸蔵量に応じてNOx及び未燃ガスの浄化作用を有する。すなわち、三元触媒に流入する排気の空燃比がリーン空燃比である場合、三元触媒の酸素吸蔵量が少ないときには三元触媒により排気中の酸素が吸蔵され、これに伴って排気中のNOxが還元浄化される。三元触媒での酸素吸蔵量が多くなると、三元触媒から流出する排気中の酸素及びNOxの濃度が上昇する。三元触媒に流入する排気の空燃比がリッチ空燃比である場合、三元触媒での酸素吸蔵量が多いときには三元触媒に吸蔵されている酸素が放出され、排気中の未燃ガスは酸化浄化される。三元触媒での酸素吸蔵量が少なくなると、三元触媒から流出する排気中の未燃ガスの濃度が上昇する。本実施例での三元触媒によれば、三元触媒に流入する排気の空燃比及び酸素吸蔵量に応じて排気中のNOx及び未燃ガスの浄化特性が変化する。尚、触媒作用及び酸素吸蔵能力を有していれば、第1触媒32a及び第2触媒32bの少なくとも一方は、三元触媒とは異なる触媒であってもよい。
EGR装置40は、EGR通路41及びEGRバルブ42を有している。EGR通路41の一端は排気通路30に接続され、他端は吸気通路20に接続されている。EGRバルブ42は、EGR通路41の途中に設けられており、EGR通路41を開閉する。排気の一部(EGRガス)はEGR通路41を通じて吸気通路20に流入し、再び燃焼室11に導入される。EGRバルブ42の開度が大きくなるとEGRガスの流量は増加し、開度が小さくなるとEGRガスの流量は減少する。EGR通路41には例えばEGRガスを冷却するEGRクーラなどが設けられてもよい。尚、図1の例では、EGR通路41の一端は、排気通路30の第1触媒32aよりも上流側に接続されているが、これに限定されず、排気通路30の第1触媒32a及び第2触媒32bの間に接続されていてもよいし、排気通路30の第2触媒32bよりも下流側に接続されていてもよく、排気通路30に接続されていればその接続箇所は問わない。
[ECUの概略構成]
ECU(Electric Control Unit)100は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び記憶装置等を備え、ROMや記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより各種制御を行う。ECU100は、運転者により操作されるアクセルペダルやブレーキペダルの操作量や機関本体10の回転数や負荷等に基づいて、点火プラグ16による目標点火時期、筒内噴射弁17aやポート噴射弁17bからの目標燃料噴射量や目標噴射時期、スロットルバルブ23やEGRバルブ42の目標開度等の、内燃機関1の各種制御パラメータの目標値を設定し、これらの制御パラメータの実値が目標値となるように上記の各種機器を制御する。ECU100には、回転数センサ15が検出する回転数やエアフローメータ22が検出する吸入空気量、その他、第1センサ31a、第2センサ31b、及び第3センサ31cがそれぞれ検出する検出空燃比AFa、AFb、及びAFcが入力される。
ECU100は、第1センサ31aの検出空燃比が目標空燃比TAFとなるように、機関本体10から排出される排気の空燃比を制御する。具体的にはECU100は、第1センサ31aの検出空燃比が目標空燃比TAFとなるように、第1センサ31aの検出空燃比AFaに基づいて筒内噴射弁17a及びポート噴射弁17bからの燃料噴射量やスロットルバルブ23及びEGRバルブ42の開度をフィードバック制御することにより、機関本体10から排出される排気の空燃比を目標空燃比TAFに制御する。また、ECU100は、第2センサ31bの検出空燃比AFbが理論空燃比STよりも大きいリーン判定空燃比L1となった場合に、目標空燃比TAFを理論空燃比STよりも小さいリッチ目標空燃比TRに設定する。ECU100は、第2センサ31bの検出空燃比AFbが理論空燃比よりも小さいリッチ判定空燃比R1となった場合に、目標空燃比TAFを理論空燃比よりも大きいリーン目標空燃比TLに設定する。これにより、第2センサ31bの検出空燃比AFbは、リーン判定空燃比L1とリッチ判定空燃比R1の間で周期的に変動する。ECU100は、内燃機関1の空燃比制御装置の一例である。
ECU100は、内燃機関1の運転状態に応じて、目標総燃料噴射量及び目標ポート噴射率(以下、目標PFI率と称する)を設定する。目標総燃料噴射量は、筒内噴射弁17a及びポート噴射弁17bの双方から噴射される燃料噴射量の合計の目標値である。目標PFI率は、総燃料噴射量に対するポート噴射弁17bからの燃料噴射量の割合であるポート噴射率の目標値である。ECU100は、例えば低負荷運転状態では目標PFI率を100%に設定し、高負荷運転状態では目標PFI率を0%に設定し、中負荷運転状態では目標PFI率を0~100%の間に設定する。ECU100は、実際の総燃料噴射量と実際のPFI率がそれぞれ目標総燃料噴射量と目標PFI率となるように、筒内噴射弁17a及びポート噴射弁17bの各燃料噴射量を制御する。目標PFI率は、内燃機関1の運転状態を示す制御パラメータの目標値の一例である。
また、ECU100は、内燃機関1の運転状態に応じて目標EGR率を設定する。目標EGR率は、機関本体10の筒内の全ガス量に対する筒内のEGRガス量の割合であるEGR率の目標値である。ECU100は、アクセルペダルの操作量や機関本体10の回転数、その他、機関本体10の冷却水の温度等に基づいて目標EGR率を設定する。ECU100は、実際のEGR率が目標EGR率となるように、EGRバルブ42の開度を制御する。目標EGR率は、内燃機関1の運転状態を示す制御パラメータの目標値の一例である。
また、ECU100は、上述したCPU、RAM、ROM、及び記憶装置等により、後述する運転状態判定部、補正部、及び特定運転状態判定部が機能的に実現される。
[理論空燃比STに対する検出空燃比AFcの乖離]
図2は、特定の運転状態で第3センサ31cの検出空燃比AFcが理論空燃比STから大きく乖離する場合の一例を示したタイミングチャートである。図2には、目標EGR率、目標PFI率、目標空燃比TAF、第2センサ31b及び第3センサ31cそれぞれの検出空燃比AFb及びAFc、及び第2触媒32bからのNOxの排出量の推移を示している。図2では、目標EGR率は一定の場合を示しており、目標PFI率が途中で変更される場合を示している。また図2の例では、少なくとも一部の筒内噴射弁17aにおいて、噴射口でのデポジットの堆積や故障等により、燃料を所望の噴射量に比べて少ない量でしか噴射できない場合を想定する。
検出空燃比AFbがリッチ判定空燃比R1にまで低下すると(時刻t1)、目標空燃比TAFが所定のリッチ目標空燃比TRから所定のリーン目標空燃比TLに切り替えられる。これにより、第1触媒32aに流入する排気中の酸素が第1触媒32aに吸蔵されることにより排気中のNOxが還元浄化される。第1触媒32aでは浄化しきれなかった排気中のNOxは、第2触媒32bにより同様に浄化される。これにより、検出空燃比AFb及びAFcはリッチ側から理論空燃比STに向かって上昇する。第1触媒32aの酸素吸蔵量が多くなると、第1触媒32aから排出される排気の酸素濃度が上昇して検出空燃比AFbはリーン側に上昇し、これに伴って第2触媒32bから排出される排気の酸素濃度も僅かに上昇して、検出空燃比AFcも僅かにリーン側に上昇する。
検出空燃比AFbがリーン判定空燃比L1にまで上昇すると(時刻t2)、目標空燃比TAFがリーン目標空燃比TLからリッチ目標空燃比TRに切り替えられる。これにより、第1触媒32aに流入する排気中の未燃ガスが第1触媒32aに吸蔵された酸素により酸化浄化される。第1触媒32aでは浄化しきれなかった排気中の未燃ガスは、第2触媒32bにより同様に浄化される。これにより、検出空燃比AFb及びAFcはリーン側から理論空燃比STに向かって低下する。第1触媒32aの酸素吸蔵量がゼロに近づくと、第1触媒32aから排出される排気の酸素濃度が低下して検出空燃比AFbはリッチ側に低下し、これに伴って第2触媒32bから排出される排気の酸素濃度も僅かに低下して、検出空燃比AFcも僅かにリッチ側に低下する。
ここで、目標PFI率が100%から0%に切り替えられると(時刻t3)、上述したように一部の筒内噴射弁17aにおいて所望の噴射量に比べて少ない噴射量でしか燃料を噴射できないため、機関本体10から排出される排気の実際の空燃比は、目標空燃比TAFよりもリーン側にずれている。これにより、第1触媒32aから排出される排気の空燃比も本来の空燃比よりもリーン側にずれる。ここで、第2センサ31bは第3センサ31cよりも上流側に配置されおり、排気が第2センサ31bに到達するまでに排気は十分に整流されていないが、排気が第3センサ31cに到達するまでに排気は十分に整流される。このため、上記のような排気の空燃比のずれを第2センサ31bにより精度よく検出することは難しいが、第3センサ31cによって精度よく検出することができる。従って、時刻t3以降で、理論空燃比STに対して第3センサ31cの検出空燃比AFcがリーン側に大きくずれ、第2触媒32bの最大酸素吸蔵量を超えて第2触媒32bからリーン空燃比の排気が排出され、第2触媒32bからのNOxの排出量が増大する。
その後に目標PFI率が0%から100%に戻されると(時刻t4)、上述した機関本体10から排出される排気の空燃比のリーン側へのずれが解消されて、第2触媒32bの酸素吸蔵能力が回復してNoxの排出が低減される。以上のようにして、一時的にNOxの排出量が増大する。
本実施例では、図2に示すように、内燃機関1が特定の運転状態で理論空燃比STに対する検出空燃比AFcの乖離量Dが所定範囲E外となった場合、ECU100は、その乖離量Dと、その際の内燃機関1の制御パラメータの目標値としての目標PFI率とを対応付けてECU100の記憶装置に記憶する。乖離量Dは、例えば所定時間毎の検出空燃比AFcの平均値から理論空燃比STを減算することにより算出できる。その後、再度目標PFI率が記憶済の目標PFI率となった場合に、ECU100は、理論空燃比STに対する検出空燃比AFcの乖離量が所定範囲E内となるように、ECU100は記憶済の目標PFI率に対応付けられた記憶済の乖離量Dに基づいてリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正する。尚、ECU100が実行する制御の詳細については後述し、以下ではリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1が補正された場合にどのように検出空燃比AFb及びAFcやNOxの排出量が変化するかについて説明する。
[リーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1の補正]
図3は、記憶済の乖離量Dに基づいてリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正する場合の一例を示したタイミングチャートである。図3のタイミングチャートは、図2のタイミングチャートの後の検出空燃比AFb等の推移を示している。目標PFI率が100%から記憶済の目標PFI率と同じ0%になると(時刻t11)、記憶済の乖離量Dに基づいてリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正することにより算出される補正済リーン判定空燃比L2及び補正済リッチ判定空燃比R2に基づいて、目標空燃比TAFを制御する。図2に示したように、理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリーン側にずれた場合には、その乖離量Dを補正量として、リーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1のそれぞれから補正量である乖離量Dを減算した値を、補正済リーン判定空燃比L2及び補正済リッチ判定空燃比R2として算出する。
検出空燃比AFbがリッチ判定空燃比R1よりもリッチ側の補正済リッチ判定空燃比R2になると(時刻t12)、目標空燃比TAFがリッチ目標空燃比TRからリーン目標空燃比TLに切り替えられる。即ち、検出空燃比AFbがリッチ判定空燃比R1になっても目標空燃比TAFはリッチ目標空燃比TRに維持される。検出空燃比AFbがリーン判定空燃比L1よりもリッチ側の補正済リーン判定空燃比L2になると(時刻t13)、目標空燃比TAFがリーン目標空燃比TLからリッチ目標空燃比TRに切り替えられる。即ち、検出空燃比AFbがリーン判定空燃比L1になる前に目標空燃比TAFがリッチ目標空燃比TRに切り替えられる。このように、検出空燃比AFbが補正済リーン判定空燃比L2及び補正済リッチ判定空燃比R2の間で制御されることにより、検出空燃比AFcが所定範囲E内に収まりリーン側にずれることを抑制でき、NOxの排出量の増大を抑制できる。その後に目標PFI率が0%から100%に戻されると(時刻t14)、検出空燃比AFbはリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1の間で制御される。
上記の例では、理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリーン側に大きくずれる場合の一例として、一部の筒内噴射弁17aにおいて所望の噴射量に比べて少ない噴射量でしか燃料を噴射できない場合を説明したが、これに限定されない。例えば、少なくとも一部のポート噴射弁17bにおいて所望の噴射量に比べて少ない噴射量でしか燃料を噴射できない状態で目標PFI率が高い率に切り替えられた場合には、同様に理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリーン側に大きくずれる可能性がある。
その他、少なくとも一部の筒内噴射弁17aにおいて、故障等により燃料を所望の噴射量に比べて多い量でしか噴射できない状態で目標PFI率が低い率に切り替えられた場合には、理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリッチ側に大きくずれる可能性がある。また、少なくとも一部のポート噴射弁17bにおいて、故障等により燃料を所望の噴射量に比べて多い量でしか噴射できない状態で目標PFI率が高い率に切り替えられた場合には、理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリッチ側に大きくずれる可能性がある。理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリッチ側に大きくずれると、第2触媒32bから排出される未燃ガスの排出量が増大するおそれがある。
また、例えばEGRバルブ42でデポジットの噛みこみが発生して全閉にすることができない状態で目標EGR率が0%に設定された場合には、実際のEGR率が目標EGR率よりも増大し、理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリーン側に大きくずれる可能性がある。また、何れかの気筒でのEGRポートが閉塞した場合にも、その気筒から排出される排気の空燃比は所望の空燃比よりもリーン側にずれ、他の気筒から排出される排気の空燃比は所望の空燃比よりもリッチ側にずれ、これによっても理論空燃比STに対して検出空燃比AFcが一時的に大きくずれる可能性がある。このような場合には、ECU100は内燃機関1の運転状態に関する制御パラメータの目標値として目標EGR率を記憶する。
[記憶制御]
次に、ECU100が実行する記憶制御について説明する。図4は、記憶制御の一例を示したフローチャートである。この記憶制御は、内燃機関1の運転中は繰り返し実行される。最初にECU100は、記憶条件が成立したか否かを判定する(ステップS1)。記憶条件とは、後述する乖離量Dや制御パラメータの目標値の記憶処理を実行するための前提となる条件であり、例えば、燃料カットが実行中ではなく、機関本体10や第1触媒32a及び第2触媒32bの暖機の完了後であることが条件である。燃料カット実行中では燃料噴射が停止された過渡的な運転状態であり、暖機完了前では暖機運転がなされた過渡的な運転状態にあるため、乖離量Dや制御パラメータの目標値を記憶するためには不適切だからである。ステップS1でNoの場合、即ち、燃料カット実行中の場合には、本制御は終了する。
ステップS1でYesの場合、ECU100は乖離量Dが所定範囲E外となったか否かを判定する(ステップS2)。乖離量Dは、上述したように例えば所定時間毎の検出空燃比AFcの平均値から理論空燃比STを減算することにより算出できる。従って、検出空燃比AFcが理論空燃比STに対してリーン側にずれている場合には、乖離量Dは正の値として算出される。検出空燃比AFcが理論空燃比STに対してリッチ側にずれている場合には、乖離量Dの負の値として算出される。乖離量Dは、検出空燃比AFcの平均値の更新に応じて、更新される。所定範囲Eとは、例えば第2触媒32bからのNOxや未燃ガスの排出量を許容することができる範囲で検出空燃比AFcがとり得る範囲であり、実験結果に基づいて予め設定されている。所定範囲Eは、リーン側を示す正の値からリッチ側を示す負の値までの範囲である。ステップS2でNoの場合には、本制御を終了する。
ステップS2でYesの場合、ECU100は、内燃機関1が特定の運転状態にある場合に、乖離量Dが所定範囲E外となったか否かを判定する(ステップS3)。具体的にはECU100は、乖離量Dが所定範囲E外となった際の制御パラメータの目標値の変化率の絶対値が所定値以上に大きい場合に、ステップS3でYesと判定する。制御パラメータの目標値の変化率の絶対値が所定値以上に大きいことは内燃機関1の運転状態が過渡的に変化していることを示し、この運転状態の変化に起因して乖離量Dが所定範囲E外となったとみなすことができるからである。制御パラメータの目標値は、具体的には上述したように目標EGR率と目標PFI率である。従って、目標EGR率と目標PFI率の少なくとも一方の変化率の絶対値が所定値以上の場合に、ステップS3でYesと判定される。ステップS3の処理は、特定運転状態判定部が実行する処理の一例である。ステップS3でNoの場合には、本制御は終了する。尚、ステップS3でNoの場合には、内燃機関1の運転状態に関わらずに乖離量Dが所定範囲E外となっていると考えられるため、検出空燃比AFcに基づいて目標空燃比TAFがフィードバック制御される。
ステップS3でYesの場合、ECU100は上記の乖離量Dと、その乖離量Dが所定範囲E外となった際の内燃機関1の特定の運転状態とを対応付けて、ECU100の記憶装置に記憶する(ステップS4)。特定の運転状態とは、具体的には上述した制御パラメータの目標値である。例えば、乖離量Dが所定範囲E外となった際に、目標EGR率の変化率の絶対値が所定値以下の略ゼロであり目標PFI率の変化率の絶対値が所定値以上に大きい場合には、ECU100は、特定の運転状態を示す制御パラメータの目標値として目標PFI率を乖離量Dに対応付けしてECU100の記憶装置に記憶する。この場合、乖離量Dが所定範囲E外となった要因は、目標PFI率の変化によるものと考えられるからである。また、乖離量Dが所定範囲E外となった際に、目標PFI率の変化率の絶対値が所定値以下の略ゼロであり目標EGR率の変化率の絶対値が所定値以上に大きい場合には、ECU100は、特定の運転状態を示す制御パラメータの目標値として目標EGR率を乖離量Dに対応付けしてECU100の記憶装置に記憶する。この場合、乖離量Dが所定範囲E外となった要因は、目標EGR率の変化によるものと考えられるからである。図5は、記憶された制御パラメータの目標値と乖離量Dの一例を示した図である。図5の例では、制御パラメータの目標値として目標PFI率が記憶された場合を例に示しており、目標EGR率はブランクとなっている。
尚、上記のステップS3に関して、乖離量Dが所定範囲E外となった場合が2回以上あり、その際の運転状態を示す制御パラメータの目標値が何れも同じ値である場合に、ステップS3でYesと判定してもよい。
[補正制御]
次に、ECU100が実行する補正制御について説明する。図6は、補正制御の一例を示したフローチャートである。この補正制御は、内燃機関1の運転中は繰り返し実行される。ECU100は、内燃機関1の運転中は、運転者によるアクセルペダルの操作量等に応じて、内燃機関1の運転状態を制御するための各種制御パラメータの目標値を設定し、制御パラメータの実値が設定された目標値となるように各種機器を制御している。このような状態でECU100は、内燃機関1の運転状態が、上述したECU100の記憶装置に記憶された特定の運転状態となったか否かを判定する(ステップS11)。具体的には、ECU100は、上述のようにして設定された所定の制御パラメータの目標値が、特定の運転状態として記憶された制御パラメータの目標値となったか否かを判定する。例えば、ECU100の記憶装置に所定の目標PFI率が記憶されている場合には、ECU100により設定された目標PFI率が、記憶済の目標PFI率となったか否かが判定される。ECU100の記憶装置に所定の目標EGR率が記憶されている場合には、ECU100により設定された目標EGR率が、記憶済の目標EGR率となったか否かが判定される。ステップS11の処理は、運転状態判定部が実行する処理の一例である。ステップS11でNoの場合には、本制御は終了する。
ステップS11でYesの場合には、ECU100は、記憶済の乖離量Dに基づいて、上述したリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正する(ステップS12)。具体的には、記憶済の乖離量Dが正の値の場合には、検出空燃比AFcがリーン側にずれているため、リーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1からそれぞれ記憶済の乖離量Dを減算した値を補正済リーン判定空燃比L2及び補正済リッチ判定空燃比R2として算出する。記憶済の乖離量Dが負の値の場合には、検出空燃比AFcがリッチ側にずれているため、リーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1に記憶済の乖離量Dの絶対値を加算した値を補正済リーン判定空燃比L2及び補正済リッチ判定空燃比R2として算出する。即ち、記憶済の乖離量Dを相殺するようにリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1が補正される。これにより、検出空燃比AFbが補正済リーン判定空燃比L2及び補正済リッチ判定空燃比R2の間で制御されるように目標空燃比TAFが設定され、排気エミッションの悪化を抑制できる。ステップS12の処理は、補正部が実行する処理の一例である。
以上のように、記憶済の乖離量Dに基づいて、内燃機関1の運転状態に関する制御パラメータの目標値が、記憶済の制御パラメータの目標値となった際に、直ちにリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正することができる。これにより、排気エミッションの悪化を直ちに抑制することができる。
例えば、乖離量Dが所定範囲E外となった場合に、検出空燃比AFcに基づいて目標空燃比TAFをフィードバック制御することにより、排気エミッションの悪化を抑制することが考えられる。しかしながら、このような目標空燃比TAFのフィードバック制御により、検出空燃比AFcが機関本体10から排出される排気の空燃比である検出空燃比AFaに反映されるまでには時間を要する。特に、このような乖離量Dが所定範囲E外となるような特定の運転状態が繰り返し行われる場合には、排気エミッションが悪化するおそれがある。
本実施例では、制御パラメータの目標値が記憶済の制御パラメータの目標値となった場合に、理論空燃比STに対する検出空燃比AFcの乖離量Dが所定範囲E外となる前に直ちにリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正して、乖離量Dが所定範囲E外となることを防止できる。これにより、排気エミッションの悪化を抑制できる。特に、制御パラメータの目標値が記憶済の制御パラメータの目標値に繰り返し設定されるような場合に、効果的に排気エミッションの悪化を抑制できる。
ステップS4で説明したように、乖離量Dと、その乖離量Dが所定範囲E外となった際の制御パラメータの目標値とを対応付けてECU100の記憶装置に記憶されている。このため、内燃機関1が異なる運転状態で乖離量Dが所定範囲E外となる場合にも、異なる運転状態に対応した乖離量Dに基づいてリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正することができる。
上記実施例では、記憶済の乖離量Dと同じ値を補正量として、リーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1が補正されたがこれに限定されない。即ち、制御パラメータの目標値が記憶済の制御パラメータの目標値になった場合に乖離量が所定範囲E内に収まるのであれば、記憶済の乖離量Dよりも小さい値を補正量としてリーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1を補正してもよい。
図2及び図3に示した例では、図2の時刻t3から時刻t4において乖離量Dが所定範囲E外となって記憶され、その後に乖離量Dが所定範囲E内となってから、図3の時刻t11から時刻t14において補正が行われる場合を例に説明したが、これに限定されない。例えば、乖離量Dが所定範囲E外となって記憶されるがその運転状態が継続されている場合には、その運転状態が継続されている状態で補正を開始してもよい。
制御パラメータの目標値が記憶済の制御パラメータの目標値になってから、リーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1のそれぞれを補正済リーン判定空燃比L2及び補正済リッチ判定空燃比R2にまで徐変させてもよい。但しこの場合も、検出空燃比AFcに応じて目標空燃比TAFをフィードバック制御する場合に検出空燃比AFcに反映されるよりも早くに、徐変させることが好ましい。
運転状態に関する制御パラメータの目標値として、目標PFI率の代わりに、目標筒内噴射率(以下、目標DFI率と称する)を用いてもよい。目標DFI率とは、筒内噴射弁17a及びポート噴射弁17bの双方からの総燃料噴射量に対する筒内噴射弁17aからの燃料噴射量の割合である噴射率の目標値である。
上記実施例の内燃機関1は、筒内噴射弁17a及びポート噴射弁17bとEGR装置40を有しているが、筒内噴射弁及びポート噴射弁の何れか一方のみを備えた内燃機関の場合には、その内燃機関の制御パラメータの目標値としてEGR率を用いればよい。筒内噴射弁及びポート噴射弁の双方を備えているがEGR装置は有していない内燃機関の場合には、その内燃機関の制御パラメータの目標値として目標PFI率又は目標DFI率を用いればよい。
[補正制御の変形例]
次に、補正制御の変形例について説明する。本変形例においてECU100は、リーン判定空燃比L1及びリッチ判定空燃比R1の代わりにリーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRを補正する。図7は、記憶済の乖離量Dに基づいてリーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRを補正する場合の一例を示したタイミングチャートである。目標PFI率が100%から記憶済の目標PFI率と同じ0%になると(時刻t21)、目標空燃比TAFは、記憶済の乖離量Dに基づいてリーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRを補正することにより算出される補正済リーン目標空燃比TL1及び補正済リッチ目標空燃比TR1に交互に切り替わるように設定される。図2に示したように、理論空燃比STに対して検出空燃比AFcがリーン側にずれた場合には、その乖離量Dを補正量として、リーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRのそれぞれから補正量である乖離量Dを減算した値を、補正済リーン目標空燃比TL1及び補正済リッチ目標空燃比TR1として算出する。
検出空燃比AFbがリッチ判定空燃比Rになると(時刻t22)、目標空燃比TAFが補正済リッチ目標空燃比TR1から補正済リーン目標空燃比TL1に切り替えられる。検出空燃比AFbがリーン判定空燃比L1になると(時刻t23)、目標空燃比TAFが補正済リーン目標空燃比TL1から補正済リッチ目標空燃比TR1に切り替えられる。このように、目標空燃比TAFが補正済リーン目標空燃比TL1及び補正済リッチ目標空燃比TR1に交互に切り替えられることにより、検出空燃比AFcがリーン側にずれることを抑制でき、NOxの排出量の増大を抑制できる。その後に目標PFI率が0%から100%に戻されると(時刻t24)、目標空燃比TAFは補正前のリーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRに交互に切り替えられる。これによっても乖離量Dを所定範囲E内に収めることができ、排気エミッションの悪化を抑制できる。
次に、ECU100が実行する補正制御の変形例について説明する。図8は、補正制御の変形例を示したフローチャートである。尚、図6に示した補正制御と同一の処理については説明を省略する。ステップS11でYesの場合には、ECU100は、記憶済の乖離量Dに基づいて、上述したリーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRを補正する(ステップS12a)。具体的には、記憶済の乖離量Dが正の値の場合には、検出空燃比AFcがリーン側にずれているため、リーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRからそれぞれ記憶済の乖離量Dを減算した値を補正済リーン目標空燃比TL1及び補正済リッチ目標空燃比TR1として算出する。記憶済の乖離量Dが負の値の場合には、検出空燃比AFcがリッチ側にずれているため、リーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRに記憶済の乖離量Dの絶対値を加算した値を補正済リーン目標空燃比TL1及び補正済リッチ目標空燃比TR1として算出する。即ち、記憶済の乖離量Dを相殺するようにリーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRが補正される。これにより、目標空燃比TAFは補正済リーン目標空燃比TL1と補正済リッチ目標空燃比TR1に交互に切り替えられ、排気エミッションの悪化を抑制できる。
上記の変形例においても、制御パラメータの目標値が記憶済の制御パラメータの目標値になった場合に乖離量が所定範囲E内に収まるのであれば、記憶済の乖離量Dよりも小さい値を補正量としてリーン目標空燃比TL及びリッチ目標空燃比TRを補正してもよい。
以上本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 内燃機関
10 機関本体
17a 筒内噴射弁
17b ポート噴射弁
20 吸気通路
30 排気通路
31a 第1センサ
31b 第2センサ
31c 第3センサ
32a 第1触媒
32b 第2触媒
40 EGR装置
41 ERG通路
42 EGRバルブ
100 ECU(空燃比制御装置、運転状態判定部、補正部、特定運転状態判定部)

Claims (4)

  1. 機関本体、
    前記機関本体に接続された排気通路に上流側から下流側に順に設けられていると共に酸素吸蔵能力を有した第1及び第2触媒、
    及び前記排気通路の前記第1触媒よりも上流側、前記第1触媒と前記第2触媒の間、及び前記第2触媒よりも下流側、にそれぞれ設けられ排気の空燃比を検出する第1、第2、及び第3センサ、
    を有した内燃機関に適用され、
    前記第1センサの検出空燃比が目標空燃比となるように前記内燃機関を制御すると共に、前記第2センサの検出空燃比が理論空燃比よりも大きいリーン判定空燃比となった場合に、前記目標空燃比を理論空燃比よりも小さいリッチ目標空燃比に設定し、前記第2センサの検出空燃比が理論空燃比よりも小さいリッチ判定空燃比となった場合に、前記目標空燃比を理論空燃比よりも大きいリーン目標空燃比に設定する内燃機関の空燃比制御装置であって、
    前記内燃機関の運転状態が、理論空燃比に対する前記第3センサの検出空燃比の乖離量が所定範囲外となる特定の運転状態になったか否かを判定する運転状態判定部と、
    前記運転状態判定部により肯定判定がなされた場合に、理論空燃比に対する前記第3センサの検出空燃比の乖離量が前記所定範囲内に収まるように、前記リーン判定空燃比及びリッチ判定空燃比、或いは前記リーン目標空燃比及びリッチ目標空燃比を補正する補正部と、を備えた内燃機関の空燃比制御装置。
  2. 前記内燃機関は、前記機関本体から前記排気通路に排出された排気の一部をEGRガスとして前記機関本体に接続された吸気通路に還流させるEGR装置を有し、
    前記運転状態判定部は、前記運転状態を示す所定の制御パラメータの目標値として、前記機関本体の筒内の全ガス量に対する前記筒内のEGRガス量の割合であるEGR率の目標値である目標EGR率を用いて、前記内燃機関の運転状態が前記特定の運転状態になったか否かを判定する、請求項1の内燃機関の空燃比制御装置。
  3. 前記内燃機関は、前記機関本体の筒内及び吸気ポートのそれぞれに燃料を噴射する筒内噴射弁及びポート噴射弁を有し、
    前記運転状態判定部は、前記運転状態を示す所定の制御パラメータの目標値として、前記筒内噴射弁及び前記ポート噴射弁の双方からの総燃料噴射量に対する前記筒内噴射弁及び前記ポート噴射弁の一方からの燃料噴射量の割合である噴射率の目標値である目標噴射率を用いて、前記内燃機関の運転状態が前記特定の運転状態になったか否かを判定する、請求項1又は2の内燃機関の空燃比制御装置。
  4. 理論空燃比に対する前記第3センサの検出空燃比の乖離量が所定範囲外となったことが、前記内燃機関の前記特定の運転状態で生じているか否かを判定する特定運転状態判定部を備え、
    前記運転状態判定部は、前記特定運転状態判定部により肯定判定がなされた場合に、前記内燃機関の運転状態が前記特定の運転状態になったか否かを判定する、請求項1乃至3の何れかの内燃機関の空燃比制御装置。
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