JP4858295B2 - 析出物が微細分散した高強度鋼材および高強度鋼材用鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

析出物が微細分散した高強度鋼材および高強度鋼材用鋳片の連続鋳造方法 Download PDF

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本発明は、鋼の連続鋳造過程において金属元素を添加することにより微細析出物を分散形成させた高強度鋼材および高強度鋼材製造用鋳片の連続鋳造方法に関する。
自動車用素材として用いられる熱延鋼板は、軽量化による環境負荷低減を目的として高強度化が計られている。自動車用の熱延鋼板は、使用される部位により要求される特性が異なり、高強度および高靱性であるとともに、良好な深絞り性、張り出し性、穴拡げ性、および曲げ性といった加工性をも具備することが要求される。これらの特性を向上させるためには、要求される特性のレベルに合わせて熱延鋼板の金属組織や析出物を最適化する必要がある。このうち、析出物に関しては、そのサイズを微細化し、しかも鋼板内に均一に分散させることが重要である。
例えば、特許文献1には、自動車用の高強度鋼板の穴拡げ性を向上させるため、Mg系酸化物およびMg系硫化物を(Ti、Nb)N析出物の生成核として作用させることで、(Ti、Nb)Nを均一に微細化させる技術が開示されている。Mg系酸化物を利用する場合、酸化物のみを制御することから、酸素の自由度が少なく、脱酸後の限られたフリー酸素を利用するので、その総量も少ない。したがって、所定の分散状態を得ることが難しく、充分な微細化効果を得ることが困難である。同文献に開示された技術は、この問題を解決するために提案されたものである。
しかしながら、この技術では、Mn系の硫化物の析出を回避させるために、Mg系の硫化物を析出させることを特徴としているので、S濃度を確保しながらO濃度およびMn濃度のバランスを適正範囲に調整する必要がある。また、Mgのように沸点が溶鋼温度よりも低く蒸気圧の高い金属を溶鋼中に添加する方法が明示されていないため、詳細は不明であるが、連続鋳造のように鋳造時間が長い場合には鋳造初期および鋳造末期においてMg濃度が大幅に低下し、鋳片内の濃度分布が不均一になるという問題がある。さらに、O濃度の他に、Mn濃度およびS濃度を適正範囲に調整する工程が必要になるという操業上の難点もある。
特許文献2には、超大入熱溶接熱影響部の靭性に優れた溶接用高張力鋼に関する技術が開示されている。この技術は、MgやSrなどを利用してスピネル構造を有する(Ti、Mg、Mn)Oなどの粒子や、ペロブスカイト構造を有する(Ti、Sr、Mn)Oなどの粒子を生成させて、この粒子の近傍のMn濃度を低下させることによりオーステナイト粒内のフェライト変態を起こさせることを特徴としている。
しかしながら、溶接用高張力鋼の場合には、Ti濃度が0.02%を超えると靭性が低下するとの記述があり、これではTi濃度の高い自動車用の鋼板には適用できない。また、自動車用鋼板の穴拡げ性や延性といった機械的特性を向上させるには、析出物であるTiNを微細分散させる必要があり、このためにはMnを含まない微細な酸化物を核物質として利用する必要がある。なお、MgやSrのように沸点が溶鋼温度よりも低く蒸気圧の高い金属を溶鋼中に添加する方法が明示されていないため、詳細は不明であるが、鋳造時間が長くなると、鋳造初期と鋳造末期とでMg濃度が大幅に低下し、鋳片内の濃度分布が不均一になる。
ところで、溶鋼中に金属元素を添加するには、塊状の金属元素を溶鋼の湯面に投入するか、あるいは金属元素単味で作製されたワイヤー、それらの金属元素をアルミニウムや鋼などで被覆したワイヤー、それらの金属元素を含有する合金で作製されたワイヤーにより添加する方法などが採用されている。しかしながら、これらの方法を用いてマグネシウム、ビスマス、カルシウム、希土類元素などのように蒸気圧が高く、融点の低い金属元素を精度良く添加することは困難である。その理由は、蒸気圧が高い金属元素が溶鋼中に添加されると、溶鋼の湯面近傍において、金属元素が気化して大気中に放散されるため、溶鋼中への添加量を制御することが難しく、添加歩留りも低下して、均一に添加することが困難だからである。
また、金属元素が気化する際の体積膨張が大きいことから、溶鋼の湯面近傍で気化した場合には、溶鋼の飛散が激しく、操業上の安全の確保が難しい。さらに、添加金属元素の融点が低い場合には、添加前に溶鋼の輻射熱により軟化あるいは溶融し、所定量を添加することも困難となる。溶鋼よりも密度の小さい金属元素を添加する場合には、添加された金属が溶鋼の表層部のみに偏在し、溶鋼の内部にまで侵入しない。密度の大きな金属元素を添加する場合には、添加位置から溶鋼内部に沈降するのみであり、溶鋼全体に均一に混合させることは困難である。
特開2005−120435号公報(特許請求の範囲および段落[0006]〜[0016]) 特開2002−121641号公報(特許請求の範囲および段落[0007]〜[0010]) 特開2004−249315号公報(特許請求の範囲および段落[0011]〜[0017]) 特開2005−169404号公報(特許請求の範囲および段落[0011]〜[0016]) 特開2005−219072号公報(特許請求の範囲および段落[0013]〜[0020])
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題の第1は、穴拡げ性や延性といった機械的特性に優れた自動車用の高強度鋼板の素材とすることができ、析出物が微細に分散した鋼材を提供することにある。また、課題の第2は、上記の高強度鋼材を得るために必要な金属元素の適正量を溶鋼中に効率良く添加し、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることのできる連続鋳造方法を提供することにある。
自動車用の高強度鋼板の穴拡げ性や延性といった機械的特性を向上させるためには、(Ti、Nb)N析出物に対する不均質核を生成させ、(Ti、Nb)Nを均一に微細化することが必要である。この不均質核は析出物よりも微細であり、Mn系の硫化物の析出を抑制する必要がある。また、鋼板の機械的特性を低減させるMn系の硫化物の析出を抑制するにはS濃度は低い方が良い。
溶鋼中のO濃度が高くても、微細な不均質核を生成するような脱酸材を添加することができれば、S濃度などの調整が不要であり、精錬工程における時間短縮が可能となる。このような脱酸材としては、蒸気圧が高く融点が低い金属元素が適している場合が多い。
先に、本発明者らは特許文献3、特許文献4および特許文献5において、金属元素の蒸気あるいは金属元素の化合物をタンディッシュ内または連続鋳造鋳型内の溶鋼中に添加する方法を提案した。これらの方法により、金属元素あるいは金属元素の化合物を溶鋼中に均一に、しかも歩留り良く添加することが可能になった。
本発明者らは、高強度で延性にも優れた鋼板を製造するにあたり、金属元素を連続鋳造鋳片(スラブ)内に効率良く、しかも均一に添加するための連続鋳造方法を検討し、下記の(a)〜(d)の知見を得て、本発明を完成させた。
(a)鋼板が高強度であることの他に、延性が良好であることが必要である。なかでも自動車の足回り部品に適用するには穴拡げ性が良好であることが重要である。穴拡げ性を向上させるには、鋼板中の晶出または/および析出物であるTiNや複合析出物(Ti、Nb)Nを微細分散させることにより、鋼板の加工時における応力集中を抑制して、析出物などが割れの起点となる確率を低減すればよい。
(b)上記(a)の晶出物または/および析出物を鋼板中で微細分散させるには、晶出物や析出物といった不均質核生成物質を添加してこれを微細分散化させることにより、結果的に、この不均質核生成物質上に生成するTiNなどの析出物を微細分散化することができる。この不均質核生成物質としては、Mg酸化物もしくは硫化物が有効であり、さらにはSr酸化物もしくは硫化物、またはBa酸化物もしくは硫化物が有効である。
(c)上記(b)にBiを添加することにより、上記の効果をさらに高めることができる。
(d)上記(a)〜(c)にて述べたような蒸気圧の高い金属元素または融点の低い金属元素を溶鋼中に添加する場合には、それらの添加金属は、溶鋼と接触するかまたは溶鋼からの輻射熱を受けて、溶融あるいは気化する。溶鋼中に添加する以前に、または添加した瞬間に金属元素が溶融または気化すると、これらの金属元素を溶鋼中に均一に、かつ歩留り良く添加することは困難である。このような問題を解決し、連続鋳造鋳片内に金属元素を均一に添加するには、連続鋳造鋳型に近いタンディッシュ内、または連続鋳造鋳型内の溶鋼に、金属元素の蒸気を添加する方法が最適である。
本発明は、上記の知見に基づいて完成されたものであり、その要旨は、下記の(1)および(2)に示す高強度鋼材、ならびに(3)〜(6)に示す鋼の連続鋳造方法にある。
(1)連続鋳造された鋳片を素材として熱間圧延により得られる高強度鋼材であって、質量%で、C:0.03〜0.09%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Ti:0.05〜0.25%、N:0.0004〜0.01%、Al:0.002〜2.0%を含有し、SrおよびMgをそれぞれ0.00005〜0.003%含有するか、またはSr、MgおよびBaをそれぞれ0.00005〜0.003%含有し、残部がFeおよび不純物からなることを特徴とする析出物が微細分散した高強度鋼材。
(2)さらに、質量%で、Bi:0.00005〜0.001%を含有することを特徴とする前記(1)に記載の析出物が微細分散した高強度鋼材。
(3)前記(1)または(2)に記載の析出物が微細分散した高強度鋼材を製造するための熱間圧延用素材としての鋳片を鋳造する連続鋳造方法であって、タンディッシュ内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスを通して、SrおよびMg、またはSr、MgおよびBaの金属蒸気および/または金属粒子をキャリアガスとともに該溶鋼中に供給することを特徴とし、連続鋳造鋳片内に安定して連続的に金属蒸気および/または金属粒子を添加することのできる鋼の連続鋳造方法。
(4)さらに、Biの金属蒸気および/または金属粒子をキャリアガスとともに前記溶鋼中に供給することを特徴とする前記(3)に記載の鋼の連続鋳造方法。
(5)前記(1)または(2)に記載の析出物が微細分散した高強度鋼材を製造するための熱間圧延用素材としての鋳片を鋳造する連続鋳造方法であって、タンディッシュ内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスを通して、SrおよびMg、またはSr、MgおよびBaを含有する金属のワイヤーまたはロッドをキャリアガスとともに該溶鋼中に供給することを特徴とし、連続鋳造鋳片内に安定して連続的に金属蒸気および/または金属粒子を添加することのできる鋼の連続鋳造方法。
(6)さらに、Biを含有する金属のワイヤーまたはロッドをキャリアガスとともに前記溶鋼中に供給することを特徴とする前記(5)に記載の鋼の連続鋳造方法。
本発明において、「析出物が微細分散した」とは、熱延鋼板から採取した試料をSEMにより500〜2000倍の倍率で観察し、中心にSrおよびMgの酸化物または硫化物、またはSr、Mg、およびBa酸化物または硫化物が存在する析出物であって、観察された矩形の析出物粒子200個あたりの長辺の長さの平均値が1μm以下であるような析出物が分散している鋼を意味する。
「高強度鋼材」とは、引張強度が590MPa以上の鋼材を意味する。
また、「金属蒸気および/または金属粒子」とは、金属蒸気および/または、蒸発が不十分なために液体または固体粒子として存在する金属粒子、もしくは金属蒸気が凝縮して形成される金属粒子を意味する。また、「金属」とは、純金属および金属の合金のいずれをも含む。
なお、以下の説明では、鋼の成分組成についての「質量%」を、単に「%」とも表示する。
本発明の鋼材は、析出物が微細に分散しているので、強度および延性といった特性に加えて、鋼板の穴拡げ性などの加工性に優れ、自動車用の高強度鋼板をはじめとする素材として好適である。また、本発明の連続鋳造方法は、上記の高強度鋼材を得るために必要な金属元素の適正量を溶鋼中に効率良く添加し、連続鋳造鋳片内に均一に分散させることのできる最適の連続鋳造方法である。
本発明の高強度鋼材および連続鋳造方法について以下にさらに詳細に説明する。
(1)鋼材の成分組成の限定理由および好ましい範囲
C:0.03〜0.09%
Cは、強度および靱性を確保するために有効な元素である。その含有量が0.03%未満では、上記の効果が充分に得られず、一方、その含有量が0.09%を超えて高くなると炭化物が生成し、熱延鋼板に要求される穴拡げ性が低下する。そこで、Cの適正範囲を0.03〜0.09%とした。
Si:0.1〜2.0%
Siは、炭化物の生成を抑制するとともに、強度および延性を確保するために必要な元素である。強度および延性を向上させるためにはその含有量を0.1%以上とする必要がある。また、一方、その含有量が2.0%を超えて高くなると靱性が劣化する。上記の理由から、その適正範囲を0.1〜2.0%とした。
Mn:0.5〜3.0%
Mnは、鋼板の高強度化および靱性の確保のために有効な元素である。これらの効果を得るためには、その含有量を0.5%以上とする必要がある。一方、その含有量が3.0%を超えて高くなると、靱性が損なわれる。このため、Mn含有量の適正範囲を0.5〜3.0%とした。
P:0.02%以下
Pは、鋼板の延性および靱性ならびに加工性を劣化させる元素であることから、その含有量を0.02%以下に制限する。また、Pは鋼板の高強度化に有効な作用を有する元素であることから、その効果を得るためには、0.0005%以上を含有させることが好ましい。
S:0.005%以下
Sは、MnS介在物などを形成して鋼板の延性や穴拡げ性を低下させる元素である。このため、その含有量を0.005%以下とした。製鋼コストの上昇が許容される鋼種においては、0.0005%以下にまで低下させることが好ましい。
Ti:0.05〜0.25%
Tiは、主として炭窒化物を析出し、その析出強化作用により母材強度の向上に寄与する有効な元素である。Ti含有量が0.05%未満では、上記の効果は充分に得られず、一方、その含有量が0.25%を超えて高くなると、鋼中に粗大な析出物や介在物を形成して、鋼の延性、靱性および加工性を低下させる。上記の理由から、Ti含有量の適正範囲を0.05〜0.25%とした。
N:0.0004〜0.01%
Nは鋼中に含有されると延性、靱性および加工性が低下するので、N元素単独では有害元素であるが、Tiと反応し高温で安定なTiNを析出し、この析出物が微細な場合には鋼板の機械的特性を向上させる。ただし、その含有量が0.01%を超えて高くなると、鋼板の機械的特性の劣化が著しくなることから、含有量の上限を0.01%とした。しかしながら、Tiと反応させて析出物を生成させるには、0.0004%以上を含有させる必要がある。
Al:0.002〜2.0%
Alは、溶鋼の脱酸元素であり、その効果を得るためには0.002%以上を含有させる必要がある。しかし、その含有量が2.0%を超えて高くなると、鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増加し、母材強度に悪影響を及ぼす。上記の理由から、その含有量の適正範囲を0.002〜2.0%とした。
Sr:0.00005〜0.003%
Srは、本発明における最も重要な添加元素である。溶鋼中の酸素と添加されたSrとが反応してSr酸化物を生成する。Sr酸化物としては、SrO単独の他にSrOとMgO、BaO、Al23、SiO2、Ti23などのうちの1種以上を含有する酸化物が生成される。これらの酸化物は、鋼中で微細分散するとともに、これらの酸化物上にTiNなどが不均質核生成する。この効果は、他の元素に比して極めて高く、本発明において最も重要な元素である。この効果を得るためには0.00005%以上を含有させることが必要である。しかし、その含有量が0.003%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増加し、鋼板の強度に悪影響を及ぼす。上記の理由から、その含有量の適正範囲を0.00005〜0.003%とした。製鋼工程における成分組成制御の観点から、Sr含有量は0.0001%以上とすることが望ましい。また、その含有量が0.002%を超えて高くなると、添加効果の増加度合が低減し、添加量に見合った効果が得られにくくなることから、0.0001〜0.002%の範囲とすることが好ましい。
Mg:0.00005〜0.003%
MgはSrに次いで重要な添加元素である。含有することによる効果はSrと同様であり、溶鋼中の酸素と添加されたMgとが反応してMg酸化物を生成する。Mg酸化物としては、MgO単独の他にMgOとSrO、BaO、Al23、SiO2、Ti23などのうちの1種以上を含有する酸化物が生成される。これらの酸化物は鋼中で微細分散するとともに、これらの酸化物上にTiNなどが不均質核生成する。この効果を得るためにはMgを0.00005%以上を含有させることが必要である。しかし、その含有量が0.003%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増加し、鋼板の強度に悪影響を及ぼす。上記の理由から、その含有量の適正範囲を0.00005〜0.003%とした。製鋼工程における成分組成制御の観点から、Mg含有量は0.0001%以上とすることが望ましい。また、その含有量が0.002%を超えて高くなると、添加効果の増加度合が低減し、添加量に見合った効果が得られにくくなるので、0.0001〜0.002%の範囲とすることが好ましい。
Ba:0.00005〜0.003%
BaもSrに次いで重要な添加元素である。含有することによる効果はSr、Mgと同様であり、溶鋼中の酸素と添加されたBaとが反応してBa酸化物を生成する。Ba酸化物としては、BaO単独の他にBaOとSrO、MgO、Al23、SiO2、Ti23などのうちの1種以上を含有する酸化物が生成される。これらの酸化物は鋼中で微細分散するとともに、これらの酸化物上にTiNなどが不均質核生成する。この効果を得るためには0.00005%以上を含有させることが必要である。しかし、その含有量が0.003%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増加し、鋼板の強度に悪影響を及ぼす。上記の理由から、その含有量の適正範囲を0.00005〜0.003%とした。製鋼工程における成分組成制御の面から、Ba含有量は0.0001%以上とすることが望ましい。また、その含有量が0.002%を超えて高くなると、添加効果の増加度合が低減し、添加量に見合った効果が得られにくくなることから、含有量は0.0001〜0.002%の範囲とすることが好ましい。
Bi:0.00005〜0.001%
Biは、鋼に対する溶解度が小さいことから、鋼の凝固過程において、凝固界面の液相側に濃化され、これが溶鋼中の酸素と反応して微細なBi酸化物を晶出する。この酸化物はTiNなどの不均質核生成物質として作用する。また、Biは界面活性効果が高く、SrO、MgOなどへのTiNなどの不均質核生成効果を高める作用がある。これらの効果を得るためには0.00005%以上を含有させることが好ましい。しかし、その含有量が0.001%を超えて高くなると鋼中の粗大な酸化物系介在物量が増加し、鋼板の強度に悪影響を及ぼす場合がある。上記の理由から、その含有量は0.00005〜0.001%とすることが好ましい。製鋼工程における成分組成制御の面から、Bi含有量は0.0001%以上とすることが望ましい。また、その含有量が0.0005%を超えて高くなると、添加効果の増加度合が低減し、添加量に見合った効果が得られにくくなることから、含有量は0.0001〜0.0005%の範囲とすることが好ましい。
(2)連続鋳造方法
鋼材製造用鋳片の連続鋳造方法は、前記のとおり、タンディッシュ内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスを通して、添加金属の蒸気および/もしくは金属粒子、または添加金属を含有するワイヤーもしくはロッドをキャリアガスとともに溶鋼中に供給することを特徴とする鋼の連続鋳造方法である。
また、上記の連続鋳造方法を実施するための装置としては、例えば、後述する実施例にて説明するとおり、タンディッシュと、タンディッシュ下部に設けられタンディッシュ内の溶鋼を鋳型に供給するための浸漬ノズルと、タンディッシュの下方に位置する鋳型と、タンディッシュ内の溶鋼にワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランスまたは鋳型内の溶鋼にワイヤーもしくはロッドを供給するための浸漬ランスと、浸漬ランスの孔内にワイヤーまたはロッドを供給するためのワイヤーまたはロッド供給装置と、浸漬ランス内にキャリアガスを供給するガス供給装置とを有する連続鋳造装置が好適である。
本発明の鋼材および鋼材製造用鋳片の連続鋳造方法の効果を確認するため、以下に示す試験を実施して、その結果を評価した。
〔試験条件〕
溶 鋼:後述する表1に記載の成分組成を有する溶鋼
溶鋼温度:1600℃
鋳型サイズ:幅1200mm×厚さ250mm
鋳造速度:1.5m/分
添加金属:表1に記載の金属元素
添加方法:金属ワイヤーの供給(ワイヤー直径:3mmφ)
Sr添加の場合:10%Sr−Mg合金のワイヤーを使用
Mg添加の場合:純Mg金属のワイヤーを使用
Ba添加の場合:10%Ba−Mg合金のワイヤーを使用
Bi添加の場合:20%Bi−Mg合金のワイヤーを使用
ワイヤーの供給速度:3m/分
添加位置:タンディッシュ内
浸漬ランスの浸漬深さ:300mm
キャリアガス:アルゴンガス10L/分
ガス圧力:0.03MPa
図1に、金属ワイヤーを浸漬ランスを通してタンディッシュ内の溶鋼に供給しながら連続鋳造する方法を示す。取鍋3からタンディッシュ2に供給された溶鋼1は、浸漬ノズル6を経由して鋳型8内に注入され、下方に引き抜かれながら凝固シェル7を形成して鋳片となる。添加金属元素を含有する金属ワイヤー50が、タンディッシュ2内の溶融金属1中に浸漬された浸漬ランス4の孔内に所定の速度で挿入され、添加金属元素は最終的に金属蒸気となってタンディッシュ2内の溶融金属1中に供給される。
浸漬ランス4の上端部はワイヤー供給機5に接続されている。金属ワイヤー供給機5にはワイヤーリール51が装填されており、金属ワイヤー50は、ワイヤー繰出し速度制御装置53によりその繰出し速度を制御されたワイヤー繰出しロール52により、浸漬ランス4内に挿入供給される。金属ワイヤー供給機5には、流量圧力制御装置57の指令により作動する流量制御弁56および圧力指示調節弁55により流量および圧力を制御されたキャリアガス54が導入され、金属ワイヤー50とともに浸漬ランス4内に供給される。
一方、比較例の試験として、上記のSr、Mg、BaおよびBiのいずれの金属元素をも添加しない条件においても、同様の連続鋳造試験を行った。
試験に用いた低合金鋼の成分組成を表1に示した。
Figure 0004858295
連続鋳造により得られた連続鋳造鋳片(スラブ)を下記の条件で再加熱後熱間圧延し、熱延鋼板を得た。
連鋳スラブの再加熱温度:1250℃
再加熱時間:2時間
熱間圧延仕上げ温度:850〜900℃
熱延鋼板の板厚:3mm
巻き取り温度:400〜500℃
〔試験結果〕
試験結果を前記表1に併せ示した。
同表において、析出物粒径指数は、比較例である試験番号C1における析出物粒径を1.0(基準値)として、これに対する相対値により指数化して表示した。ここで、析出物の粒径は、熱延鋼板から採取した試料をSEMにより500〜2000倍の倍率で観察し、中心にSrおよびMgの酸化物もしくは硫化物、またはSr、Mg、およびBa酸化物もしくは硫化物が存在する析出物であって、観察された矩形、長円形、楕円形、線状などの析出物粒子200個あたりの長辺相当長さの平均値を求め、これを採用した。
試験番号H1〜H6は、本発明で規定する条件を満足する本発明例についての試験であり、試験番号C1〜C3は、Sr、Mg、Baといった金属元素のいずれをも含有しないか、または、それらの含有量が本発明で規定する範囲を超えて高い比較例についての試験である。本発明例および比較例のいずれの試験においても、本発明の連続鋳造方法によれば、制御目標とする含有量の金属元素が鋳片内に均一に、かつ高歩留まりで添加されていた。
金属元素としてSrおよびMgを含有させた本発明例である試験番号H1およびH2では、比較例の試験番号C1〜C3に比較して、析出物径指数は小さく、析出物が微細化されている。金属元素としてSr、MgおよびBaを含有させた本発明例の試験番号H4およびH5は、さらに析出物の微細化が進んでいる。
また、Sr、Mg、Baに加えて、さらにBiを含有させた本発明例の試験番号H6においては、さらに一段と析出物の微細化が促進されている。
これらに対して、比較例の試験番号C1〜C3では、析出物径指数が1.0またはそれ以上の値であって、析出物の微細化が進行していない。
本発明の鋼材は、析出物が微細に分散しているので、強度および延性といった特性に加えて、鋼板の穴拡げ性などの加工性に優れ、自動車用の高強度鋼板をはじめとする高強度高加工性鋼材として好適である。また、本発明の連続鋳造方法は、上記鋼材を得るために必要な金属元素の適正量を溶鋼中に効率良く添加し、連続鋳造鋳片内に均一に分散させるための最適な連続鋳造方法である。したがって、本発明の鋼材は、自動車用熱延鋼板をはじめとする強度、靱性および加工性に優れた構造用または加工用鋼材として、また、本発明の鋳造方法は、上記鋼材製造用鋳片を鋳造するための連続鋳造方法として、それぞれ広範に適用できる。
金属ワイヤーを浸漬ランスを通してタンディッシュ内の溶鋼に供給しながら連続鋳造する方法を示す図である。
符号の説明
1:溶鋼、 2:タンディッシュ、 3:取鍋、 4:浸漬ランス、
5:金属ワイヤー供給機、 50:金属ワイヤー、 51:ワイヤーリール、
52:ワイヤー繰出しロール、 53:ワイヤー繰出し速度制御装置、
54:キャリアガス、 55:圧力指示調節弁、56:流量制御弁、
57:流量圧力制御装置、 6:浸漬ノズル、 7:凝固シェル、 8:連続鋳造鋳型

Claims (6)

  1. 連続鋳造された鋳片を素材として熱間圧延により得られる高強度鋼材であって、質量%で、C:0.03〜0.09%、Si:0.1〜2.0%、Mn:0.5〜3.0%、P:0.02%以下、S:0.005%以下、Ti:0.05〜0.25%、N:0.0004〜0.01%、Al:0.002〜2.0%を含有し、SrおよびMgをそれぞれ0.00005〜0.003%含有するか、またはSr、MgおよびBaをそれぞれ0.00005〜0.003%含有し、残部がFeおよび不純物からなることを特徴とする析出物が微細分散した高強度鋼材。
  2. さらに、質量%で、Bi:0.00005〜0.001%を含有することを特徴とする請求項1に記載の析出物が微細分散した高強度鋼材。
  3. 請求項1または2に記載の析出物が微細分散した高強度鋼材を製造するための熱間圧延用素材としての鋳片を鋳造する連続鋳造方法であって、タンディッシュ内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスを通して、SrおよびMg、またはSr、MgおよびBaの金属蒸気および/または金属粒子をキャリアガスとともに該溶鋼中に供給することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  4. さらに、Biの金属蒸気および/または金属粒子をキャリアガスとともに該溶鋼中に供給することを特徴とする請求項3に記載の鋼の連続鋳造方法。
  5. 請求項1または2に記載の析出物が微細分散した高強度鋼材を製造するための熱間圧延用素材としての鋳片を鋳造する連続鋳造方法であって、タンディッシュ内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスまたは鋳型内の溶鋼に浸漬させた浸漬ランスを通して、SrおよびMg、またはSr、MgおよびBaを含有するワイヤーまたはロッドをキャリアガスとともに該溶鋼中に供給することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
  6. さらに、Biを含有するワイヤーまたはロッドをキャリアガスとともに該溶鋼中に供給することを特徴とする請求項5に記載の鋼の連続鋳造方法。
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