第1の発明は、食器等の被洗浄物を収納する食器カゴと、前記食器カゴに収納した被洗浄物を洗浄する洗浄槽と、前記洗浄槽を収容する本体と、前記洗浄槽を引き出し可能に支持するレール部と、前記食器カゴに収納された被洗浄物を含めた洗浄槽の重量を検知する複数の重量検知手段と、前記重量検知手段からの信号を処理する信号処理判定手段と、洗浄・すすぎ等の工程を制御する制御手段とを備え、前記重量検知手段は、前記被洗浄物が前記食器カゴに収納されるたび毎に前記レール部にかかる被洗浄物の重量を検知し、前記信号処理判定手段は、前記複数の重量検知手段の出力の違いから前記食器カゴに収納された被洗浄物の収納位置を判定するものである。
これによって、本発明は、重量を検知することができる荷重センサ等からなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部に設置して、食器を収納する時に検知することによって、食器カゴに収納された食器の収納位置を検知することができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第2の発明は、特に、第1の発明の重量検知手段は、レール部と洗浄槽の間に設置されていることを特徴とするものである。
これによって、本発明は、重量を検知することができる荷重センサ等からなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部と洗浄槽の間に設置して、食器を収納する時に検知することによって、食器カゴに収納された食器の収納位置を検知することができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第3の発明は、特に、第1の発明の重量検知手段は、レール部と本体の間に設置されていることを特徴とするものである。
これによって、本発明は、重量を検知することができる荷重センサ等からなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部と本体の間に設置して、洗浄槽を収納する時に食器量を検知することによって、食器カゴに収納された食器の収納位置を検知することができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第4の発明は、特に、第1の発明の重量検知手段は、被洗浄物を出し入れする間の重量を逐次検知し、信号処理判定手段は、前記重量検知手段において検出した結果より食器カゴに収納された食器の数量を判定し、制御手段は、前記信号処理判定手段により判定した結果をもとに洗浄・すすぎの工程を制御するようにしたものである。
これによって、本発明は、重量を検知することができる荷重センサ等からなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部に設置して、食器を収納する時に逐次検知することによって、食器カゴに収納された食器の収納位置を正確に判定し、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器の収納位置にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第5の発明は、特に、第1の発明の重量検知手段は、被洗浄物を出し入れする間の重量
を逐次検知し、信号処理判定手段は、前記重量検知手段において検出した結果より食器カゴに収納された食器の収納位置を判定し、制御手段は、前記信号処理判定手段により判定した結果をもとに洗浄・すすぎの工程を制御し、洗浄ノズルの駆動を制御するようにしたものである。
これによって、本発明は、重量を検知することができる荷重センサ等からなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部に設置して、食器を収納する時に検知することによって、食器カゴに収納された食器の収納位置を正確に判定し、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータやノズルの駆動等をその食器の収納位置にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第6の発明は、特に、第1〜第5の発明の信号処理判定手段は、複数の重量検知手段から得られる出力の立ち上がり時間と検出量の違いから食器の収納位置を判定するものである。
これによって、本発明は、物体を検知することができる荷重センサや歪センサ等の接触式感圧センサからなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部に複数個設置して、食器を収納する時に逐次検知した出力信号をもとにその出力と検出量を検知することによって、収納した食器の数量を正確に判定することができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第7の発明は、特に、第1〜第5の発明の信号処理判定手段は、複数の重量検知手段から得られる出力の伝達時間の違いから食器の収納位置を判定するものである。
これによって、本発明は、物体を検知することができる荷重センサや歪センサ等の接触式感圧センサからなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部に複数個設置して、食器を収納する時に逐次検知した出力信号をもとにその出力の伝達時間の違いを検知することによって、収納した食器の位置をより正確に判定することができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第8の発明は、特に、第1〜第7のいずれか1つの発明の洗浄槽の開口部の開閉動作を規制するロックスイッチを備え、重量検知手段は、前記ロックスイッチが解除されている間検知するようにしたものである。
これによって、本発明は、物体を検知することができる荷重センサや歪センサ等の接触式感圧センサからなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部に複数個設置して、食器を収納する時に逐次検知し、収納した後は検知されないようにすることによって、収納した食器の量や位置をより正確に判定することができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
また、食器洗い機の運転方法の、収容している食器を検知する検知工程、及び、前記検知工程の後の食器量を判定する判定工程と、前記判定結果をフィードバックさせて前記食器洗い機を制御する洗浄・すすぎ工程とを少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供するものである。
そして、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させて本発明の食器洗い機の運転方法の少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における食器洗い機を、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た時の概略構成模式図を示すものである。また、図2は、本実施の形態で用いる食器洗い機を、前後方向に沿った水平面で切断したときの断面を上面側から見た時の概略構成模式図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。
図1において、12は食器を収納する洗浄槽、24は洗浄槽12を引き出すためのレール部、30は荷重を検知することができる重量検知手段、21はこれら重量検知手段であるセンサからの信号を処理する信号処理判定手段、22は食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御するための制御手段、23は自動的に洗剤を投入する洗剤投入手段を示している。また、図2において、13は被洗浄物である食器14等を収納する食器カゴ、15は洗浄ポンプによって加圧された洗浄水を食器14等に噴射するための洗浄ノズルを示している。これらの食器洗い機はシステムキッチンと一体となって構成され、手前に引き出すプルオープンタイプのビルトイン型食器洗い機である。
洗浄槽12内の下部には、洗浄手段を構成する洗浄ノズル15が配設されている。この洗浄ノズル15は、洗浄槽12の下方に配設された洗浄ポンプ(図示せず)により加圧された洗浄水を上方に向けて噴射する構成となっている。洗浄槽12内の底部には、洗浄ノズル15の下方に位置させて加熱手段20としてのヒータが配設されている。ヒータは、印加電圧により発熱量を制御可能なものを用いる。洗浄槽12内において、洗浄ノズル15の上方に位置させて、食器載置体を構成する食器カゴ13が出し入れ可能に収容されている。この食器カゴ13に、被洗浄物である食器類14が載置されるようになっている。
上記洗浄槽12はレール部24を介して手前に引き出す構成となっており、このレール部24の上、すなわちレール部24と洗浄槽12の間に、図1、2に示すように、重量を検知することができる複数の重量検知手段30が設けられている。この重量検知手段30は荷重センサや歪センサ、ロードセル等の接触式感圧センサから成っており、荷重がかかることによって抵抗が変化したり、電圧変化が発生したりすることによって物体の重量を検知するものである。荷重によってセンサから発生した抵抗変化や静電容量変化・電圧変化を検知することによって、食器が収納されたことがわかるようになっている。
すなわち、この複数の接触式重量検知手段30は、食器カゴ13に載置するために洗浄槽12に投入された食器類14の重量を検知して設置位置を検出するためのものであり、洗浄槽12とレール部24の間に複数個、図2の場合は4個配置されている。それぞれのセンサは、片側のレール部にそれぞれ2個配置されることによって、正確に食器量と収納位置を検知することができる。
この時の荷重センサ等から成る接触式重量検知手段30は、洗浄槽12とレール部24の間に配置されているので、フィルム状の1cm角程度の小さな抵抗式荷重センサ等であればよい。このようなセンサの構成によって、食器カゴ13に載置した食器類14の重量や収納位置を容易に正確に検知することができる。
すなわち、荷重センサ等から成る接触式重量検知手段30を洗浄槽12とレール部との間に設置して、洗浄槽の荷重が全てかかるような構成とすることによって、食器類14を食器カゴ13に収納した時にその荷重を検知することができ、その荷重の変化から食器の収納位置を検出することができるので、容易に正確に投入された食器類を検出することができる。
なお、荷重センサの設置位置としては食器類14を収納する洗浄槽12の荷重が全てかかるような支持部であればいずれでもよく、また荷重センサや歪センサ以外の接触式の重量センサや圧力センサでもよい。
このようにして検知した食器の重量や収納位置を食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御する制御手段22に送信し、食器の重量や収納位置にあった工程制御を行う。すなわち、食器の量や収納位置の違いによって、洗浄およびすすぎ時に駆動するモータの駆動や使用するノズル、洗浄およびすすぎ時に使用する水量、または洗浄時に使用する洗剤量、または洗浄・すすぎ・乾燥の時間を制御することができるものである。
制御手段22は、重量検知手段30において検出した結果に基づいて、食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の運転や使用する洗浄ノズルの駆動を制御する。具体的には、重量検知手段30において検出した結果が、食器の量が少なく収納位置がある一方の領域に偏っていると判定した場合は、洗浄時に使用する洗剤の量を少なくして、洗浄・すすぎ時に使用する水量も少なくして、洗浄時に動作するモータの駆動を制御し、使用する洗浄ノズルの駆動を偏っている領域のみにして、洗浄・すすぎ・乾燥時間が短くなるような設定にする。
重量検知手段30において検出した結果が、食器の量が多く収納位置が全体にわたっていると判定した場合には、洗浄時に使用する洗剤の量を多めにして、洗浄・すすぎ時に使用する水量も多くして、洗浄時に動作するモータの駆動を強めにして、使用する洗浄ノズルを全体の領域で駆動させて、洗浄・すすぎ・乾燥時間が長くなるような設定にする。すなわち、洗浄槽12に収納された食器の量や収納位置にあった食器洗い機の工程制御や洗浄ノズルの駆動制御を自動的に行うことができる。
上記した実施例によれば、洗浄槽12とレール部24との間に設置した重量検知手段30により、収納された食器類14の数量と収納位置を検出し、この検出結果に基づき食器洗い機の各工程制御や洗浄ノズル制御を行う構成としたので、食器の数量や収納位置にあった自動制御運転を行うことが可能となり、余分なエネルギーを節約することができ、省エネも実現することができる。よって、洗浄槽12の食器類14の収納量・収納位置に応じて洗浄・すすぎ・乾燥の各工程の運転を効率よく行うことができる。
なお、上記した実施例においては、重量検知手段30を4個使用した例を示したが、投入する食器類をある程度正確に検出することができれば2個や3個でも良く、それに基づき工程制御を行うことも可能である。
また、本発明の構成は、洗浄運転開始後に新たな食器類を追加するような場合にも有効である。すなわち、運転が開始された直後に入れ忘れた食器14があり、それを新たに洗浄槽12に入れた場合、重量検知手段30によって検知することができ、食器の数量や収納位置が変化したと判断され、その結果を食器洗い機の工程制御手段に送信することによって、洗浄・すすぎ・乾燥工程の時間を今までよりも長めにしたり、洗剤を少し多めにしたり、洗浄・すすぎ時に使用する水量を多めに設定しなおしたり、使用する洗浄ノズルの駆動を変えたりすることができる。
つまり、使用者が使うたび毎に、投入した食器の数量や収納位置に応じて洗浄・すすぎ・乾燥工程の設定値を自動的に変更し、使用する洗浄ノズルの駆動制御を変えることができるので、確実な洗浄・すすぎ・乾燥ができるとともに、使用者にとって満足感の高い、食器量・収納位置にあった最適時間かつ省エネを実現できる食器洗い機を提供することができる。また、本発明は、乾燥手段がある食器洗い乾燥機にも適用できる。
次に、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図3は同実施の形態に係る食器洗い機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
まず、図1、2のような食器洗い機において、洗浄槽12を引き出すレール部24の上、すなわち洗浄槽12とレール部24の間に、接触式の重量検知手段30が4個設けられている。この重量検知手段30の荷重に対する抵抗値変化を検知することによって物体の重量を検知し、食器の数量、種類、収納位置を検出することができる。この食器洗い機の開閉部を前方に開くと被洗浄物である食器類14を入れるための洗浄槽12が現れる(ステップS1)。
この重量検知手段30の荷重センサの抵抗値を定常的に測定し、その食器カゴにかかる荷重を常に検知しておく。この荷重センサによって食器カゴ13のどこに食器類14を置いてもどれかの荷重センサ30で検知することができる(ステップS2)。この状態で洗浄槽12の開口部上側から食器類14を入れて食器カゴ13に収納する(ステップS3)。
この時、この重量検知手段30の荷重センサにかかる重量の変化は、荷重センサの抵抗値変化としてセンサ信号を検知することができる(ステップS4)。これら複数のセンサ出力信号から食器カゴ13に収納された食器類14の重量を検知し、これらのセンサ出力から食器の量や種類、収納位置を判定する(ステップS5)。
このシーケンスを繰り返すことによって、最終的に洗浄槽12に収納された食器の数量、種類、収納位置を検出することができる。その後、この食器洗い機の開閉部を奥に入れて洗浄槽12を閉じる(ステップS6)。これら収納された食器の量や種類、収納位置の情報を食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御する制御手段22に送信する(ステップS7)。送信された食器の情報をもとに、洗浄時の洗剤量や洗浄・すすぎ時における水量、モータの駆動力、使用する洗浄ノズル、洗浄・すすぎ・乾燥の時間を決定する(ステップS8)。その後、食器洗い機の運転を開始することができる(ステップS9)。
例えば、抵抗値変化から重量を検知することができるセンサを用いて、この重量センサをレール部と洗浄槽の間に2個設置して、食器類を収納する時に常にセンサ出力を検知しておく。食器類が食器カゴに収納されるたび毎にセンサへの荷重のかかり方が変化し、センサの抵抗が変化しセンサ出力が変わるので、そのセンサ信号より収納された食器の重量や大中小といった種類を正確に検知し、それらセンサの出力の違いによって、収納位置や前後左右のバランスを検出することができる。
また、重量検知手段を洗浄槽を引き出すレール部に設置することによって、センサ配線を洗浄槽外のレール部にはわせることも可能となり、またセンサ自体の防水処理を行う必要もなく、さらに洗浄槽内の食器量だけでなく水量も検知することができるので、フロートの代わりにもなるという効果を有する。
以上のような構成とすることにより、本発明の実施の形態によれば、重量を検知することができる接触式荷重センサからなる重量検知手段をレール部と洗浄槽の間に複数個設置して、食器を収納した時の荷重の変化に伴うセンサ出力の変化を検知することによって食器重量を検出し、食器の数量や種類、収納位置を判定することができ、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ各工程時の条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動、使用洗浄ノズルの駆動等をその食器の量や収納位置にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態2)
次に、本実施の形態の食器洗い機について図面を参照しながら説明する。図4は、本実施の形態における食器洗い機を、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た時の概略構成模式図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を図1と同様に説明する。実施の形態1と同じについては説明を省略する。
上記洗浄槽12を引き出すためのレール部24と本体25の間、すなわちレールガード26上に、図4に示すように、重量を検知することができる重量検知手段30が設けられている。この重量検知手段30は荷重センサや歪センサ、ロードセル等の接触式感圧センサから成っており、荷重がかかることによって抵抗が変化したり、静電容量変化が発生したりすることによって物体の重量を検知するものである。荷重によってセンサから発生した抵抗変化や静電容量変化・電圧変化を検知することによって、食器が収納されたことがわかるようになっている。
すなわち、この接触式の重量検知手段30は、食器カゴ13に載置するために洗浄槽12に投入された食器類14の数量や重量を検知し、それらより食器の収納位置を検出するためのものであり、洗浄槽12のレールガード26上に複数個、図4の場合は4個(全ては図示せず)配置されている。それぞれのセンサは、洗浄槽全体の重量を検知することによって、洗浄槽に収納された食器の重量を正確に検知し、収納位置を検出することができる。
この重量検知手段30によって収納された食器類の数量や収納位置を検知することができ、このセンサからの出力を食器洗い機の工程制御手段に送信して、洗浄槽12の食器類の収納位置に適した各工程の運転を行うことができ、無駄に洗浄やすすぎ、乾燥等を行うことがないので、過乾燥による食器の傷み等も防ぐことができるとともに、省エネも実現することができ、このような実施の形態2においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、レールガードに設置する荷重センサの位置としては、洗浄槽全体の荷重が全てかかるような支持部であればいずれでもよく、また荷重センサや歪センサ以外の接触式の重量センサや圧力センサでもよい。
次に、図4に示された食器洗い機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態で用いる食器洗い機を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た概略構成模式図を示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。本実施の形態における手順は実施の形態1と同じところは説明を省略する。
まず、図4、5のような食器洗い機において、洗浄槽12を引き出すためのレールガード26上に、接触式の重量検知手段30が左右各2個計4個設置されている(全ては図示せず)。この重量検知手段30の荷重に対する電圧変化を検知することによって物体の重量を検知することができる。
この洗浄槽12を引き出した状態で洗浄槽12の開口部上側から食器類14を入れて食器カゴ13に収納する。このシーケンスを繰り返した後、この食器洗い機の開閉部を奥に入れて洗浄槽12を閉じる。この時、レールガード上の重量検知手段30の荷重センサに洗浄槽がかかり、この重量検知手段30によって洗浄槽全体の荷重を電圧変化として検知することができる。食器がない時の初期の状態からの重量の変化より、洗浄槽12に収納された食器類14の重量を検知することができ、各センサからの出力を比較することによって食器の収納状態、バランスを判定することができる。
これら収納された食器の量や収納状態、バランスの情報を食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御する制御手段22に送信する。送信された食器の情報をもとに、洗浄時の洗剤量や洗浄・すすぎ時における水量、モータの駆動力、使用する洗浄ノズル、洗浄・すすぎ・乾燥の時間を決定する。特に食器の収納状態やバランスがわかるので、食器の収納されていない領域の洗浄ノズル31の駆動を抑制することができる。
例えば、電圧変化から重量を検知することができるセンサを用いて、この重量センサをレールガード26上に左右各2個ずつ計4個設置して、まず洗浄槽を引き出す前にセンサ出力を検知しておく。次に、食器を収納した洗浄槽を奥に入れた時に、重量センサへの荷重のかかり方が初期状態と比較して変化しセンサ出力が変わるので、このセンサ信号より収納された食器の重量を検知することができ、これらのセンサ出力の違いから食器の収納状態やバランスを正確に検出することができる。
また、本発明は洗浄槽全体の重量を検知するので、食器カゴが2段になった食器洗い乾燥機にも適用できる。
また、本発明の構成は、洗浄運転開始後に食器容量が減少した場合にも有効である。すなわち、運転が開始された直後に入れていた食器14を洗浄槽12から取り出した場合、重量検知手段30によって検知することができ、食器量が減少し食器の収納状態が変化したと判断され、その結果を食器洗い機の制御手段に送信することによって、洗浄・すすぎ・乾燥工程の時間を今までよりも短めにしたり、洗剤を少し少なめにしたり、洗浄・すすぎ時に使用する水量を少なめに設定しなおしたり、使用する洗浄ノズルの駆動を変えたりすることができる。
つまり、使用者が使うたび毎に、投入した食器量、収納状態に応じて洗浄・すすぎ・乾燥工程の設定値を自動的に変更することができるので、確実な洗浄・すすぎ・乾燥ができるとともに、使用者にとって満足感の高い、食器の量・収納状態にあった最適時間かつ省エネを実現できる食器洗い機を提供することができる。
以上のような構成とすることにより、本発明の実施の形態によれば、重量を検知することができる接触式荷重センサからなる重量検知手段を洗浄槽を引き出すためのレールガード上に複数個設置して、食器を収納した時の荷重の変化に伴うセンサ出力の変化を検知することによって食器重量を検出し、食器の収納状態を判定することができ、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ各工程時の条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動、使用する洗浄ノズルの駆動等をその食器量や収納状態にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態3)
次に、本実施の形態の食器洗い機について図面を参照しながら説明する。図6は、本実施の形態で用いる食器洗い機を前方斜め上方から見たときの概略構成模式図を示すものである。本発明における実施の形態の基本構成に関しては実施の形態1と同様であり、同じところは説明を省略するが、特に本発明の構成では、重量検知手段30として接触式抵抗変化型センサであるフィルム状センサを4個使用している(2個は図示していない)。
この接触式の重量検知手段30は、食器カゴ13にそれぞれ載置するために洗浄槽12に投入された食器類14の数量や重量を検出するためのものであり、洗浄槽12を引き出すためのレール部24の上、すなわちレール部24と洗浄槽12の間に左右それぞれ2個計4個配置されている(2個は図示せず)。また、洗浄槽の開口部の開閉動作を規制するものとして、前面パネルにロックスイッチ40が備えられている。そしてこの重量検知手段30は食器洗い機が閉じられた状態の時、つまりロックスイッチ40が働いている時は動作せずに、食器洗い機が開いた状態の時、つまりロックスイッチ40が働いていない時に機能するものである。
すなわち、ロックスイッチ40が動作して食器洗い機が閉じられている時は、重量検知手段30は電源OFFの状態で動作せず、ロックスイッチ40がはずされて食器洗い機が開いた時に初めて電源ONの状態となり、食器を収納する時に洗浄槽全体の荷重の変化を検知することができる。
次に、図6に示された食器洗い機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図7は、同実施の形態に係る食器洗い機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。本実施の形態における手順は実施の形態1と同じところは説明を省略する。
まず、図6のような食器洗い機において、洗浄槽12を引き出すためのレール部24の上、すなわちレール部24と洗浄槽12の間に、接触式の重量検知手段30が4個設けられている。この重量検知手段30の荷重に対する抵抗変化を検知することによって物体の重量を検知することができる。
この食器洗い機の開閉部11の前面パネルに、洗浄槽の開口部の開閉動作を規制するロックスイッチ40が備えられている。このロックスイッチ40を解除すると(ステップS31)、重量検知手段30の電源が入り、荷重センサが動作を開始する(ステップS32)。この食器洗い機の開閉部を前方に開くと被洗浄物である食器類14を入れるための洗浄槽12が現れる(ステップS33)。
以下、ステップS2〜S6は実施の形態1と同じフローであり説明を省略する。このような食器検知のシーケンスを繰り返すことによって、最終的に洗浄槽12に収納された食器14の総数量をカウントすることができる。その後、この食器洗い機の開閉部を奥に入れて洗浄槽12を閉じる。ロックスイッチ40を設定して開閉部11が開かないようにすると(ステップS34)、重量検知手段30の電源が切れ、荷重センサの動作は停止する(ステップS35)。その後、食器洗い機の運転を開始することができる(ステップS36)。
例えば、抵抗変化から重量を検知することができるセンサを用いて、この重量センサを洗浄槽の外部のレール部と洗浄槽の間に左右各2個ずつ設置して、食器類を収納する時に常にセンサ出力を検知しておく。食器類が食器カゴに収納されるたび毎にセンサへの荷重のかかり方が変化し、センサの抵抗が変化しセンサ出力が変わるので、このセンサ信号より収納された食器の重量や大中小といった種類を検知することができ、これらのセンサ出力の違いから食器の収納位置を正確に検出することができる。
この時の重量検知手段30の2つの荷重センサからのセンサ出力信号の1例を図8に示す。横軸は時間、縦軸はセンサ出力、すなわち荷重を示しており、各食器を1枚ずつ食器カゴに収納した時のそれぞれのセンサ出力の変化を示している。図8の(1)の段階においてセンサ(a)と(b)の中間位置に小の食器を置いた場合、(a)(b)ともに小さな出力上昇が生じている。次に(2)の段階でセンサ(a)と(b)の中間位置に中の食器を置いた場合(1)の出力変化より少し大きな変化が生じている。さらに、次の(3)の段階でセンサ(a)に近い位置に大の食器を置いた場合センサ(a)は(2)の出力変化よりさらに大きな変化が生じている。
一方、センサ(b)の方は小さな出力上昇しか示していない。このように食器を1枚1枚置くことによって、図8のような出力変化が生じるので、この出力変化の回数をカウントすることによって食器の枚数を、また食器を置く収納位置によって複数のセンサからの出力が異なっているので、各センサ出力の変化の大きさを検知することによって食器の大中小といった種類や収納位置を検知することができる。同じように(4)の段階で小の食器を、(5)の段階で中の食器を、(6)の段階で大の食器をそれぞれ収納した場合を示している。
ある1つのセンサからの出力において、食器カゴのどの位置に食器を置いた時にどの程度の割合でセンサ出力が得られるか、どの位置に置いた時にセンサ出力が最も大きいかを示した図が図9である。今センサ4が左奥(1、S7)の座標のところにあるとすると、この等高線図よりセンサ4からの出力は主に左上の領域に食器を置いた時に最も大きなセンサ出力を得られていることがわかるが、右上領域からも0.2〜0.4の割合でセンサ出力が得られていることがわかる。これより各センサから得られる出力の割合を判定することによって、食器をどの位置に収納したかを推測することができる。
また、図10は、重量検知手段30の4つの荷重センサから得られたセンサ出力信号の拡大図を示している。この図はセンサ3の近くに食器を1つ置いた時の、各センサからの出力信号の立ち上がりを拡大したものである。この図より、センサ3が大きく反応し、センサ4は同時に小さく反応し、次にセンサ2が反応していることがわかる。従って、食器を置いた時からセンサが反応するまでの伝達時間、センサの立ち上がり時間を検知することによって、食器の収納位置を推測することができる。
また、食器洗い機本体の前面上部には操作パネル41が設けられていて、この操作パネルに、操作スイッチや表示部が設けられている。そして、操作パネルの裏側下部には、センサの信号を入力しその信号をもとに処理し判定を行う信号処理判定手段21と、食器洗浄の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御する制御手段22とからを構成される制御装置が設けられている。この制御装置は、例えばマイクロコンピュータから構成されていて、食器洗い機における洗い・すすぎ運転及び乾燥運転の動作全般、使用する洗浄ノズルの駆動やモータの駆動等を制御する制御プログラムを有している。
この荷重センサからの出力信号を食器洗い機の制御手段22に送信して、洗浄槽12の食器類の収納量および収納状態に適した各工程の運転を行うことができ、無駄に洗浄やすすぎ、乾燥等を行うことがないので、省エネも実現することができ、このような実施の形態3においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
以上のような構成・手順とすることにより、本発明の実施の形態によれば、重量を検知することができる荷重センサや歪センサ等の接触式感圧センサからなるセンサを洗浄槽を引き出すレール部と洗浄槽の間に設置して、食器を収納する時に逐次検知した出力信号をもとに、それらセンサ出力値の違いや伝達時間の違いから収納した食器の収納位置をより正確に判定することができ、またロックスイッチが動作していない時に荷重センサが機能するようにすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
また、これらの食器洗い機の制御手段で上記運転方法を行うためには、CPUコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な独自のプログラムが必要である。本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。