第1の発明は、食器等の被洗浄物を出し入れする開口部を有する洗浄槽と、前記洗浄槽内に被洗浄物を収納する食器カゴと、洗浄・すすぎの工程を制御する制御手段と、前記洗浄槽に収納する被洗浄物を検知する放射式物体検知手段とを備え、前記放射式物体検知手段は、光電センサや超音波センサ等の非接触式能動型センサであって、前記開口部が収納する被洗浄物で遮られたことを検知し、前記制御手段は、前記放射式物体検知手段の出力信号をもとに洗浄・すすぎの工程を制御するようにしたことにより、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
特に、放射式物体検知手段は、光電センサや超音波センサ等の非接触式能動型センサであることにより、洗浄槽に食器を収納する時に検知することによって、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第2の発明は、特に、第1の発明の放射式物体検知手段は、開口部からの距離が異なる位置に複数個設置されていることにより、食器の収納を精度よく検知することができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第3の発明は、特に、第1の発明の放射式物体検知手段は、洗浄槽の外に設置されていることにより、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第4の発明は、特に、第1の発明の開口部を開閉する蓋部を設け、放射式物体検知手段は前記蓋部に設置されていることにより、蓋部を開くことにより開かれた開口部から洗浄槽に食器を収納する時に検知することができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第5の発明は、特に、第2または3の発明の放射式物体検知手段は、検知領域が収納された食器より上方で構成したことにより、食器を収納する時に検知し、収納した後は検知されないようにでき、さらに食器を入れたか出したかをより容易に検知することができるようにすることによって、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等を最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第6の発明は、特に、第2の発明の放射式物体検知手段は、複数の検知領域が水平方向に交差した構成としたことにより、センサによる検知領域を広げることができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第7の発明は、特に、第1〜6のうちいずれかの発明の放射式物体検知手段からの検知信号をもとに洗浄槽に収納された食器の数量を判定する判定手段を備えたことにより、収納された食器の量を正確にカウントすることができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるとともに、食器量にあわせて食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等を最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、信頼性を確実に向上させることができるもの
である。
第8の発明は、特に、第7の発明の判定手段は、放射式物体検知手段により検知された信号の時間間隔を計測し、所定時間以上検知された時に食器の数量をカウントすることにより、食器を収納する時に食器の数量を正確に検知することによって、収納された食器の量を正確にカウントすることができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
第9の発明は、第7または第8の発明の判定手段は、複数の放射式物体検知手段から同時に出力された信号は1つとして扱うことにより、センサを複数個設置して、食器を収納する時に食器の数量を正確に検知することによって、収納された食器の量を正確にカウントすることができ、食器洗い機の利便性、正確性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
また、食器洗い機の運転方法の、収容している食器を検知する検知工程、及び、前記検知工程の後の食器量を判定する判定工程と、前記判定結果をフィードバックさせて前記食器洗い機を制御する洗浄・すすぎ工程とを少なくとも一部をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供するものである。
そして、プログラムであるので、電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させて本発明の食器洗い機の運転方法の少なくとも一部を容易に実現することができる。また記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることでプログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における食器洗い機を、前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を右側から見た時の概略構成模式図を示すものである。また、図2は本実施の形態で用いる食器洗い機を、前後方向に沿った水平面で切断したときの断面を上面側から見た時の概略構成模式図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。
図1において、13は被洗浄物である食器14等を収納する食器カゴ、12は食器カゴ13を収納する洗浄槽、15は洗浄ポンプ17によって加圧された洗浄水を食器14等に噴射するための洗浄ノズルを示している。また、30は物体を検知することができる放射式物体検知手段、21はこれら物体検知手段であるセンサからの信号を処理する判定手段、22は食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御するための制御手段を示している。
洗浄槽12内の下部には、洗浄手段を構成する洗浄ノズル15が配設されている。この洗浄ノズル15は、洗浄槽12の下方に配設された洗浄ポンプ17により加圧された洗浄水を上方に向けて噴射する構成となっている。洗浄槽12内の底部には、洗浄ノズル15の下方に位置させて加熱手段20としてのヒータが配設されている。ヒータは、印加電圧により発熱量を制御可能なものを用いる。洗浄槽12内において、洗浄ノズル15の上方に位置させて、食器載置体を構成する食器カゴ13が出し入れ可能に収容されている。この食器カゴ13に、被洗浄物である食器類14が載置されるようになっている。
上記洗浄槽12の開口部12aの上部側面に、図1、2に示すように、放射式物体検知手段30が設けられている。この放射式物体検知手段30は光電センサや超音波センサ等の非接触式の能動型センサから成っており、光や超音波・電磁波を発しその反射波を検知することによって物体の存在を検知するものである。センサから発せられた光等は洗浄槽12の対向位置からの反射は検知しないが、洗浄槽12に食器を投入する時は食器や手からの反射波を検知することができ、食器が収納されたことがわかるようになっている。
すなわち、この放射式物体検知手段30は、食器カゴ13に載置するために洗浄槽12に投入される食器類14を検出するためのものであり、洗浄槽12の開閉部11側の前部に等間隔に複数個、図2の場合は2個配置されている。一方のセンサは、洗浄槽12の左右方向の中央部より左寄りに配置され、他方のセンサは、洗浄槽12の左右方向の中央部より右寄りに配置されている。
この時の光電センサ等から成る放射式物体検知手段30の検知領域40を、食器洗い機の上面側から見た時の模式図を図3に示す。このようなセンサの設置位置、検知領域を構成することによって、食器カゴ13に載置するために洗浄槽12に投入された食器類14を容易に正確に検出することができる。しかも、このセンサの設置位置は洗浄槽12の開口部であり、センサの検知領域40が収納された食器類14より上方で構成されているので、収納済みの食器は検知されず、洗浄槽12に投入されている食器類14のみを検知することができるので、食器投入検知に対する誤検知を防止することができる。
すなわち、光電センサ等から成る放射式物体検知手段30を洗浄槽12の開口部上部に等間隔に複数個設置し、そのセンサの検知領域40が収納された食器類14に当たらないように上方に構成されることによって、食器類14を洗浄槽12に投入する時に食器類や手が洗浄槽12の開口部を遮り、その反射波をセンサが検知することができるので、容易に正確に投入された食器類を検知することができる。
なお、センサの設置位置としては洗浄槽12に投入する時の手や食器を検知することができるところであれば洗浄槽12の開口部のいずれでもよく、また光電センサや超音波センサ以外の非接触式の能動型センサでもよい。
このようにして検知した食器量を食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御する制御手段22に送信し、食器量にあった工程制御を行う。すなわち、食器量の多少によって、洗浄およびすすぎ時に駆動するモータの駆動や、洗浄およびすすぎ時に使用する水量、または洗浄時に使用する洗剤量、または洗浄・すすぎ・乾燥の時間を制御することができるものである。
制御手段22は、放射式物体検知手段30において検出した結果に基づいて、食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の運転を制御する。具体的には、放射式物体検知手段30において検出した結果が、食器量が少ないと判定した場合は、洗浄時に使用する洗剤の量を少なくして、洗浄・すすぎ時に使用する水量も少なくして、洗浄時に動作するモータの駆動を弱めにして、洗浄・すすぎ・乾燥時間が短くなるような設定にする。放射式物体検知手段30において検出した結果が、食器量が多いと判定した場合には、洗浄時に使用する洗剤の量を多めにして、洗浄・すすぎ時に使用する水量も多くして、洗浄時に動作するモータの駆動を強めにして、洗浄・すすぎ・乾燥時間が長くなるような設定にする。すなわち、洗浄槽12に収納された食器量にあった食器洗い機の工程制御を自動的に行うことができる。
上記した実施例によれば、洗浄槽12の開口部に設置した放射式物体検知手段30により、収納された食器類14の量を検出し、この検出結果に基づき食器洗い機の各工程制御を行う構成としたので、食器量にあった自動制御運転を行うことが可能となり、余分なエネルギーを節約することが可能となり、省エネも実現することができる。よって、洗浄槽12の食器類14の収納量に応じて洗浄・すすぎ・乾燥の各工程の運転を効率よく行うことができる。
なお、上記した実施例においては、放射式物体検知手段30を2個使用した例を示したが、投入する食器類をある程度正確に検出することができれば1個でも良く、それに基づき工程制御を行うことも可能であり、また放射式物体検知手段30の検知領域を広げてもよい。
また本発明の構成は、洗浄運転開始後に新たな食器類を追加するような場合にも有効である。すなわち、運転が開始された直後に入れ忘れた食器14があり、それを新たに洗浄槽12に入れた場合、放射式物体検知手段30によって検知することができ、食器量が増加したと判断され、その結果を食器洗い機の制御手段22に送信することによって、洗浄・すすぎ・乾燥工程の時間を今までよりも長めにしたり、洗剤を少し多めにしたり、洗浄・すすぎ時に使用する水量を多めに設定しなおすことができる。
つまり、使用者が使うたび毎に、投入した食器量に応じて洗浄・すすぎ・乾燥工程の設定値を自動的に変更することができるので、確実な洗浄・すすぎ・乾燥ができるとともに、使用者にとって満足感の高い、食器量にあった最適時間かつ省エネを実現できる食器洗い機を提供することができる。
本発明は、開口部12aを洗浄槽12の上面に形成し、洗浄槽12を手前に引き出して洗浄槽12への食器の出し入れを行うビルトイン型の食器洗い機のほか、卓上型のコンパクト食器洗い機でもよく、また、乾燥手段がある食器洗い乾燥機にも適用できる。
以上のような構成とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の開口部に設置して、食器を収納する時に開口部が遮られたことを検知することによって食器量を判定し、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ各工程時の条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態2)
次に、第2の実施の形態の食器洗い機について図面を参照しながら説明する。以下に本実施の形態における構成を図1と同様に説明する。実施の形態1と同じについては説明を省略する。図4は本実施の形態で用いる食器洗い機を側面側から見た時の物体検知手段の検知領域を示した模式図を示すものである。
上記洗浄槽12の開口部12aの上部側面、洗浄槽12の外に、図4に示すように、放射式物体検知手段30が設けられている。この放射式物体検知手段30は光電センサや超音波センサ等の非接触式の能動型センサから成っており、光や超音波・電磁波を発しその反射波を検知することによって物体の存在を検知するものである。センサから発せられた超音波等は洗浄槽12の対向位置からの反射は検知しないが、洗浄槽12に食器を投入する時は食器や手からの反射波を検知することができ、食器が収納されたことがわかるようになっている。
すなわち、この放射式物体検知手段30は、食器カゴに載置するために洗浄槽12に投入される食器類を検出することができ、洗浄槽12の開閉部11側の前部、洗浄槽12の外に設置されているものである。このように洗浄槽12の外に放射式物体検知手段30を設置することによって、センサが水に濡れることもなく信頼性も向上し、収納する時の食器を正確に検知することができる。
この時の検知領域は、食器洗い機を閉じた時に上部の蓋部が検知されないように少し下を向いた領域となっており、かつ収納した食器に当たらないような領域が望ましい。この放射式物体検知手段30によって収納時の食器類を検知することができ、このセンサからの出力を食器洗い機の制御手段22に送信して、洗浄槽12の食器類の収納量に適した各工程の運転を行うことができ、無駄に洗浄やすすぎ、乾燥等を行うことがないので、過乾燥による食器の傷み等も防ぐことができるとともに、省エネも実現することができ、このような実施の形態2においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
また、本発明は、洗浄槽12内に食器カゴが上下2段に設置される場合にも適用できる。この場合、放射式物体検知手段30の検知領域40が上段に収納された食器にもあたらないようにする必要がある。このような構成において、洗浄槽12全体に収納された食器の量を検知することができるので、これら放射式物体検知手段30のセンサの検出結果に基づき、洗い行程やすすぎ行程において使用する洗剤量や水の噴射圧力を制御したり、洗浄およびすすぎ時に使用する水量、または洗浄・すすぎ・乾燥の時間を制御したりすることも可能である。従って、洗浄槽に収納された食器の量にあった最適時間、最適工程での確実な食器洗浄を実現する食器洗い機を提供できる。
以上のような構成とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の外の上部側面に設置して、収納された食器にあたらないような検知領域を形成し、食器を収納する時に開口部が遮られたことを正確に検知することによって収納された食器量を判定し、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ各工程時の条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態3)
次に、第3の実施の形態の食器洗い機について図面を参照しながら説明する。図5は、本実施の形態で用いる食器洗い機を前後方向に沿った鉛直面で切断したときの断面を左側から見て物体検知手段の検知領域を示した模式図を示すものである。以下に本実施の形態における構成を説明する。実施の形態1と同じについては説明を省略する。
図5に示すように、洗浄槽12の前面に開口部を開閉する蓋部25を設け、この蓋部25の上部に放射式物体検知手段30が設けられている。この放射式物体検知手段30は光電センサや超音波センサ等の非接触式の能動型センサから成っており、光や超音波・電磁波を発しその反射波を検知することによって物体の存在を検知するものである。これらセンサから発せられた赤外線等は下部の蓋部の対向位置からの反射は検知しないが、洗浄槽12に食器を投入する時は食器や手からの反射波を検知することができ、食器が収納されたことがわかるようになっている。
すなわち、この放射式物体検知手段30は、食器カゴに載置するために洗浄槽12に投入される食器類を検出することができ、洗浄槽12の前面に開口部を開閉する蓋部25に設置されているものである。このように洗浄槽12の開閉部の蓋部25に放射式物体検知手段30を設置することによって、収納する時の食器を正確に検知することができ信頼性も向上する。
このようなセンサの設置位置、検知領域を構成することによって、食器カゴに載置するために洗浄槽12に投入される食器類を容易に正確に検出することができる。しかも、このセンサの設置位置は洗浄槽12の前面の開口部を開閉する蓋部25であり、センサの検知領域40が収納された食器類にあたることはないので、収納済みの食器は検知されず、洗浄槽12に投入されている食器類のみを検知することができるので、食器投入検知に対する誤検知を防止することができる。
すなわち、光電センサ等から成る放射式物体検知手段30を洗浄槽12の前面の開口部を開閉する蓋部25に設置し、そのセンサの検知領域40が下方向に向いており、収納された食器類に当たらないように構成されることによって、食器類を洗浄槽12に投入する時に食器類や手が洗浄槽12の開口部12aを遮り、その反射波をセンサが検知することができるので、容易に正確に投入された食器類を検知することができる。
この時の検知領域は、食器洗い機の開口部の蓋部25を開いた時に、洗浄槽12にかからないように少し手前に向いた領域となっており、かつ、収納した食器に当たらないような領域が望ましい。この放射式物体検知手段30によって収納時の食器類を検知することができ、このセンサからの出力を食器洗い機の制御手段22に送信して、洗浄槽12の食器類の収納量に適した各工程の運転を行うことができ、無駄に洗浄やすすぎ、乾燥等を行うことがないので、水量や時間を各工程に対して最適に設定することができ、省エネを実現することができる。従って、このような実施の形態3においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
このように本発明によれば、放射式物体検知手段30の検知領域40が洗浄槽の外側に形成されており、的確に開口部を通過する食器類を検知することができる。このような構成において、洗浄槽12全体に収納された食器の量を検知することができるので、これら放射式物体検知手段30のセンサの検出結果に基づき、洗い行程やすすぎ行程において使用する洗剤量や水の噴射圧力を制御したり、洗浄およびすすぎ時に使用する水量、または洗浄・すすぎ・乾燥の時間を制御したりすることも可能である。従って、洗浄槽内の食器の量にあった最適条件の制御による省エネや、短時間での確実な食器洗浄を実現する食器洗い機を提供することができる。
以上のような構成とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の開口部の蓋部に設置して、蓋部を開いた時に検知領域が下方向を向くようにすると、食器を収納する時に開口部が遮られたことを正確に検知することができ収納された食器量を判定し、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ各工程時の条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適条件設定にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態4)
次に、第4の実施の形態の食器洗い機について説明する。本発明における実施の形態の基本構成に関しては実施の形態1と同様であり、説明は省略するが、特に本発明の構成では、放射式物体検知手段30として非接触式能動型センサである超音波センサを1個使用している。
また、食器洗い機本体の前面上部には図示はしないが操作パネルが設けられていて、この操作パネルに、操作スイッチや表示部が設けられている。そして、操作パネルの裏側下部には、センサの信号を入力しその信号をもとに処理し判定を行う信号処理判定手段21と、食器洗浄の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御する制御手段22とからを構成される制御装置が設けられている。この制御装置は、例えばマイクロコンピュータから構成されていて、食器洗い機における洗い・すすぎ運転及び乾燥運転の動作全般を制御する制御プログラムを有している。
図1に示された食器洗い機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図6は同実施の形態に係る食器洗い機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。
まず、図1のような食器洗い機において、洗浄槽12の開口部12aの上部側面に、放射式物体検知手段30が設けられている。この放射式物体検知手段30から超音波を発しその反射波を検知することによって物体の存在を検知することができる。この食器洗い機の開閉部11を操作して手前に開くと、被洗浄物である食器類14を入れるための洗浄槽12が手前に引き出される(ステップS1)。洗浄槽12を引き出し、この放射式物体検知手段30の超音波センサから50Hz程度の超音波を定常的に放射して、その反射波を常に検知しておく。この超音波センサは洗浄槽12の対向位置や周囲からの反射波は検知しないが、洗浄槽12に食器を投入する時の食器や手からの反射波は検知することができる(ステップS2)。
この状態で洗浄槽12の開口部12aの上側から食器類14を入れて食器ガゴ13に収納する(ステップS3)。この時、この放射式物体検知手段30の超音波センサから発せられた超音波は、食器カゴ13に載置するために洗浄槽12に投入されている食器類14で反射され、この反射波が超音波センサに検知されたかどうか、センサ信号の有無を判定する(ステップS4)。この超音波の反射波のセンサ信号が検知されたと判定すると、超音波センサが洗浄槽12に投入された食器類14を検知し食器カゴ13に収納されたと判断する(ステップS5)。
この判定結果によって、洗浄槽12に収納された食器の量のカウント数を1つ増やすことができる(ステップS6)。このシーケンスを繰り返すことによって、最終的に洗浄槽12に収納された食器の総数をカウントすることができる。その後、この食器洗い機の開閉部を奥に入れて洗浄槽12を閉じる(ステップS7)。その後、食器洗い機の運転を開始することができる(ステップS8)。
例えば、50Hzの超音波を発しているセンサを用いて、この超音波センサを洗浄槽の開口部の上部に1個設置して、検知領域を最適化することによって、開口部を物体が遮ると反射波を検知することができ、そのセンサ信号より洗浄槽に収納する食器の数を正確にカウントすることができる。
以上のような構成・手順とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の開口部に設置して、食器を収納する時に開口部が遮られたことを検知することによって、収納された食器の量を正確にカウント、検知することができ、食器洗い機の正確性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態5)
次に、第5の実施の形態の食器洗い機について説明する。本発明における実施の形態の基本構成に関しては実施の形態1と同様であり、説明は省略するが、特に本発明の構成では、放射式物体検知手段30として非接触式能動型センサである超音波センサを2個使用している。
図1に示された食器洗い機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図7は同実施の形態に係る食器洗い機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。本実施の形態における手順は実施の形態4と同じところは説明を省略する。
まず、図1のような食器洗い機において、洗浄槽12の開口部12aの上部側面に、放射式物体検知手段30を2個設置している。この放射式物体検知手段30から超音波を発しその反射波を検知することによって物体の存在を検知することができる。
洗浄槽12に入れる食器検知のシーケンスを繰り返すことによって、最終的に洗浄槽12に収納された食器の総数をカウントすることができる。その後、この食器洗い機の開閉部11を奥に入れ引き出されている洗浄槽12を閉じる(ステップS7)。これら収納された食器の総数の情報を食器洗い機の洗浄・すすぎ・乾燥の各工程を制御する制御手段22に送信する(ステップS11)。送信された食器量情報をもとに、洗浄時の洗剤量や洗浄・すすぎ時における水量、モータの駆動力、洗浄・すすぎ・乾燥の時間を決定する(ステップS12)。その後、食器洗い機の運転を開始することができる(ステップS13)。
例えば、50Hzの超音波を発しているセンサを用いて、この超音波センサを洗浄槽12の開口部12aの上部に2個設置して、検知領域を最適化することによって、開口部12aを物体が遮ると反射波を検知することができ、そのセンサ信号より洗浄槽12に収納する食器の数を正確にカウントすることができる。また、この超音波センサにおいて検出した結果が、食器量が20個程度と少ないと判定した場合は、洗浄時に使用する洗剤の量を普通より少なくして、洗浄・すすぎ時に使用する水量も普通より少なくして、洗浄時に動作するモータの駆動を弱めにして、洗浄・すすぎ・乾燥時間が短くなるような設定にする。
超音波センサにおいて検出した結果が、食器量が40個程度で多いと判定した場合には、洗浄時に使用する洗剤の量を普通より多めにして、洗浄・すすぎ時に使用する水量も多くして、洗浄時に動作するモータの駆動を強めにして、洗浄・すすぎ・乾燥時間が長くなるような設定にする。すなわち、洗浄槽12に収納された食器量に適した食器洗い機の工程制御を自動的に行うことができる。
以上のような構成・手順とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の開口部に設置して、食器を収納する時に開口部が遮られたことを検知することによって、収納された食器の量を正確にカウント、検知することができ、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態6)
次に、第6の実施の形態の食器洗い機について説明する。本発明における実施の形態の基本構成に関しては実施の形態1と同様であり、説明は省略するが、特に本発明の構成では、放射式物体検知手段30として非接触式能動型センサである赤外線光電センサを2個使用している。
図1に示された食器洗い機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図8は同実施の形態に係る食器洗い機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。本実施の形態における手順は実施の形態5と同じところは説明を省略する。
まず、図1のような食器洗い機において、洗浄槽12の開口部上部側面に、放射式物体検知手段30として赤外線光電センサを2個設置する。この放射式物体検知手段30から赤外線を発しその反射光を検知することによって物体の存在を検知することができる。この放射式物体検知手段30の赤外線光電センサから波長1000nm程度の赤外光線を定常的に放射して、その反射光を常に検知しておく。
この光電センサは洗浄槽12の対向位置や周囲からの反射波は検知しないが、洗浄槽12に食器を投入する時の食器や手からの反射光は検知することができる(ステップS2)。この状態で洗浄槽12の開口部上側から食器類14を入れて食器ガゴ13に収納する(ステップS3)。この時、この放射式物体検知手段30の光電センサから発せられた赤外線は、食器カゴ13に載置するために洗浄槽12に投入されている食器類14で反射され、この反射光が光電センサに検知される。この時の2個のセンサからの各センサ出力信号の1例を図9に示す。
右側のセンサから図9(a)、左側のセンサから(b)のような出力信号が得られたとすると、まずセンサ信号の時間間隔Tbをそれぞれ測定し、その時間間隔がある所定の時間Tより短いと判定すると(ステップS21)、次に得られた信号と同一のものと判断する(ステップS22)。次に、センサ信号の時間間隔Taをそれぞれ測定し、その時間間隔がある所定の時間Tより長いと判定すると(ステップS23)、光電センサが洗浄槽12に投入された食器類14を検知し食器カゴ13に収納されたと判断する(ステップS24)。この判定結果によって、洗浄槽12に収納された食器の量のカウント数を1つ増やすことができる(ステップS25)。
例えば、1000nmの近赤外線を発しているセンサを用いて、この光電センサを洗浄槽の開口部の上部に両側から等間隔に2個設置して、検知領域を最適化することによって、開口部を物体が遮ると反射光を検知することができるようにする。今所定の時間間隔を1秒として、センサ出力における測定された時間間隔が0.5秒の場合、次のセンサ信号と同一のものであると判断する。また、測定された時間間隔が1.7秒の場合、次のセンサ信号とは別のものであると判断し、1つの食器類が洗浄槽に投入されたと判断する。これらセンサ信号より洗浄槽に収納する食器の数を正確にカウントすることができる。
このような食器検知のシーケンスを繰り返すことによって、最終的に洗浄槽12に収納された食器14の総数をカウントすることができる。以下ステップS7以降は実施の形態5と同じフローであり説明を省略する。
以上のような構成・手順とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の開口部に設置して、得られたセンサ信号から時間間隔を測定することによって、収納された食器の量をより正確にカウント、検知することができ、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態7)
次に、第7の実施の形態の食器洗い機について図面を参照しながら説明する。以下に本実施の形態における構成を図1と同様に説明する。実施の形態1と同じについては説明を省略する。図10は本実施の形態で用いる食器洗い機を上面側から見た時の物体検知手段の検知領域を示した模式図を示すものである。
上記洗浄槽12の開口部上部端に、図10に示すように、放射式物体検知手段30が2個設けられている。この放射式物体検知手段30は光電センサや超音波センサ等の非接触式の能動型センサから成っており、光や超音波・電磁波を発しその反射波を検知することによって物体の存在を検知するものである。センサから発せられた赤外線等は洗浄槽12の対向位置からの反射は検知しないが、洗浄槽12に食器を投入する時は食器や手からの反射光を検知することができ、食器が収納されたことがわかるようになっている。
特に、これらセンサの検知領域40が水平方向に交差した設置位置構成となっていると見かけ上、検知領域40を広くすることができ、検知時の死角を少なくすることができるので、食器検知の検知精度をより向上させることができる。このように洗浄槽12の端に放射式物体検知手段30を設置し、検知領域40を開口面において対角線状に形成することによって、収納する時の食器をより正確に検知し、信頼性も向上させることができる。
この光電センサからの出力信号を食器洗い機の制御手段に送信して、洗浄槽12の食器類の収納量に適した各工程の運転を行うことができ、無駄に洗浄やすすぎ、乾燥等を行うことがないので、省エネも実現することができ、このような実施の形態7においても、実施の形態1と同様の作用効果を得ることができる。
以上のような構成とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の上部端に設置して、開口面に対して対角線状に検知領域を形成し、食器を収納する時に開口部が遮られたことを正確に検知することによって収納された食器量を正確に判定し、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ各工程時の条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
(実施の形態8)
次に、第8の実施の形態の食器洗い機について図面を参照しながら説明する。以下に本実施の形態における構成を図1と同様に説明する。実施の形態1と同じについては説明を省略する。図11は本実施の形態で用いる食器洗い機を右側から見た時の物体検知手段の検知領域を示した模式図を示すものである。
上記洗浄槽12の開口部12aの上部に、図11に示すように、放射式物体検知手段30が複数個設けており、洗浄槽12の開口面からの距離が異なる位置に設置されている。このような設置位置にすることによって、これらセンサの検知領域40を見かけ上、広くすることができ、検知時の死角を少なくすることができるので、食器検知の検知精度をより向上させることができる。
このように洗浄槽12の上部に開口面からの距離が異なる位置に放射式物体検知手段30を複数個設置することによって、収納する時の食器をより正確に検知し、信頼性も向上させることができる。さらに、放射式物体検知手段30を洗浄槽12の端に設置することによって、検知領域40を開口面において対角線状に形成してもよい。
図11に示された食器洗い機において、本発明の動作について図面を参照しながら説明する。図12は同実施の形態に係る食器洗い機の処理手順を示すフローチャートを示すものである。以下に本実施の形態におけるフローを説明する。本実施の形態における手順は実施の形態7と同じところは説明を省略する。
まず、図11のような食器洗い機において、洗浄槽12の開口部上部端に、放射式物体検知手段30として赤外線光電センサを、洗浄槽12の開口面からの距離が異なる位置に2個設置し、この検知領域を開口面において対角線状に構成する。この放射式物体検知手段30から赤外線を発しその反射光を検知することによって物体の存在を検知することができる。
食器投入時、この放射式物体検知手段30の光電センサから発せられた赤外線は、食器カゴ13に載置するために洗浄槽12に投入されている食器類14で反射され、この反射光が光電センサに検知される。この時の2個のセンサからの各センサ出力信号と判定結果の1例を図13に示す。上側のセンサから図13(a)、下側のセンサから(b)のような出力信号が得られたとする。まずこれら2個の放射式物体検知手段からそれぞれどちらのセンサから出力が得られているか判定する(ステップS51)。どちらかのセンサから出力信号が出ている場合、実施の形態7と同じように、センサ出力の時間間隔を測定し、同一のものと判定できるものは1つの出力信号とする(ステップS52)。
その後、所定の時間間隔以上の時間が経過してセンサ信号の出力が得られないと(ステップS53)、今まで得られた信号から食器量を判断する。この時、他のセンサからも同時に出力された信号は1つとして判定し、2個の光電センサが洗浄槽12に投入された食器類14を同時に検知したと判断する(ステップS54)。この判定結果によって、洗浄槽12に収納された食器の量のカウント数を1つ増やすことができる(ステップS55)。このようなフローにより、図13(a)、(b)のセンサ出力から図13(c)のような判定結果を得ることができる。
例えば、波長1000nmの近赤外線を発しているセンサを用いて、この光電センサを洗浄槽の開口部の上部端に2個設置し、検知領域が開口面に対して対角線状に交差するように設置する。さらに、洗浄槽の開口面からの距離がそれぞれ1cm、3cmと異なるような位置に設置し、開口部を物体が遮ると反射光を検知することができるようにする。この時、上または下に設置されたどちらかのセンサから出力が得られた場合は1つの食器が投入されたと判断し、上と下のセンサから同時に出力が得られた場合は1つの食器が洗浄槽に投入されたと判断する。これらセンサ信号より洗浄槽に収納する食器の数を正確にカウントすることができる。このような食器検知のシーケンスを繰り返すことによって、最終的に洗浄槽12に収納された食器14の総数をカウントすることができる。以下ステップS7以降は実施の形態7と同じフローであり説明を省略する。
以上のような構成・手順とすることにより、本発明の実施の形態によれば、物体を検知することができる放射式能動型センサからなる物体検知手段を洗浄槽の開口部に複数個設置し、洗浄槽の開口面からの距離が異なる位置に設置して、得られたセンサ信号から同時出力は同一物であると判定することによって、収納された食器の量をより正確にカウント、検知することができ、食器洗い機の基本動作である洗浄・すすぎ工程時の各条件である時間、洗剤量、水量、モータの駆動等をその食器量にあった、最適状態にすることができ、食器洗い機の省エネ性、利便性、信頼性を確実に向上させることができるものである。
また、これらの食器洗い機の制御手段で上記運転方法を行うためには、CPUコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な独自のプログラムが必要である。本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したり、インターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。