JP4858153B2 - 酸化ニッケル粉末とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、酸化ニッケル粉末とその製造方法に関し、さらに詳しくは、電子部品材料として好適な、イオウ品位が低く、かつ比表面積が大きい酸化ニッケル粉末と、それを工業的に安定的に製造する方法に関する。
一般に、酸化ニッケルは、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、炭酸ニッケル、水酸化ニッケル等のニッケル塩類又はニッケルメタル粉をロタリーキルン等の転動炉、プッシャー炉等ような連続炉、或いはバーナー炉のようなバッチ炉を用いて酸化性雰囲気下で焼成することによって製造される。これらの酸化ニッケル粉末は、多様な用途に用いられているが、例えば、電子部品材料としての用途では、酸化鉄、酸化亜鉛等の他の材料と混合された後、焼結されることにより、フェライト部品等として広く用いられている。
ところで、フェライト部品のように、複数の材料を混合し焼成することにより、これらを反応させて、複合金属酸化物を製造する場合には、生成反応は、固相の拡散反応で律速されるので、一般に、使用する原料としては、微細なものが用いられる。これにより、他材料との接触確率が高くなり、かつ拡散距離も短くなるため、低温度、かつ短時間の処理で、反応が均一に進むことが知られている。したがって、このような複合金属酸化物を製造する方法においては、原料の粒径を小さくすることが効率性の重要な要素となる。ところが、一般的な粒径測定手法であるレーザー回折散乱法では、粒径が小さな粒子の測定の場合には、粒子同士の凝集の影響が大きくなり、粉末の粒径を正しく評価することができないことがある。
そこで、粒径評価の代替手法として、粒子を球状と仮定し、窒素吸着により測定した粉末の比表面積の数値から、次の(1)式により粒径を算出する方法が利用されている。
(1)式:粒径=6/[密度×比表面積]
(1)式では、比表面積が大きいほど、粒径が小さくなる。
したがって、この評価方法を用いる場合には、上記複合金属酸化物の製造において、粉末の比表面積を大きくすることが重要な要素となる。
さらに、近年、フェライト部品の高機能化、並びにフェライト部品以外の電子部品等への用途の広がりにともない、酸化ニッケル粉末に含有される不純物元素の低減が求められている。これら不純物元素の中で、特にイオウは、電極に利用されている銀と反応し、電極劣化を生じさせることから、できるだけ低減させることが望ましい。
従来、酸化ニッケル粉末を製造する方法として、原料として硫酸ニッケルを用い、これを焙焼する方法が提案されている。例えば、焙焼温度を950℃以上、1000℃未満とする第1段焙焼と、焙焼温度を1000〜1200℃とする第2段焙焼を行なう酸化ニッケル粉末の製造方法(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。この製造方法によれば、平均粒径が制御され、かつイオウ品位が50質量ppm以下である酸化ニッケル粉末が得られるとしている。
また、450〜600℃の仮焼による脱水工程と1000〜1200℃の焙焼による硫酸ニッケルの分解工程を明確に分離した酸化ニッケル粉末の製造方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。この製造方法によれば、イオウ品位が低く、かつ平均粒径が小さい酸化ニッケルを安定して製造できるとしている。
さらに、不純物が少なく、イオウ品位が500質量ppm以下の酸化ニッケル粉末を得るために、横型回転式製造炉を用いて、強制的に空気を導入しながら、最高温度を900〜1250℃として焙焼する方法(例えば、特許文献3参照。)が提案されている。
しかしながら、これらいずれの提案においても、イオウ品位を低減するために焙焼温度を高くすると、粒径が大きくなることが開示されており、低イオウ品位であり、かつ同時に微細な粒径、すなわち大きな比表面積を有する酸化ニッケル粉末が製造されるとは言いがたい。
特開2001−32002号公報(第1頁、第2頁) 特開2004−123488号公報(第1頁、第2頁) 特開2004−189530号公報(第1頁、第2頁)
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、電子部品材料として好適な、イオウ品位が低く、かつ比表面積が大きい酸化ニッケル粉末と、それを工業的に安定的に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、硫酸ニッケルから、焙焼により酸化ニッケル粉末を製造する方法について、鋭意研究を重ねた結果、硫酸ニッケル水和物を原料として用いて、それぞれ特定の温度で2段階による焼成に付したところ、イオウ品位が低く、かつ比表面積が大きい酸化ニッケル粉末を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、硫酸ニッケル七水塩または硫酸ニッケル六水塩300〜500℃の温度で仮焼に付し、無水硫酸ニッケルを得る工程、及び、得られた無水硫酸ニッケルを780〜850℃の温度で焼成に付し、酸化ニッケル粉末を得る工程を含むことを特徴とする酸化ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記無水硫酸ニッケルを得る工程と前記酸化ニッケル粉末を得る工程とを連続的に処理することを特徴とする酸化ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1の発明において、前記仮焼は、脱水により発生した水蒸気を除去するのに十分な量に当たる乾燥空気気流中で行なうことを特徴とする酸化ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1の発明において、前記焼成は、分解により発生した亜硫酸ガスを除去するのに十分な量に当たる乾燥空気気流中で行なうことを特徴とする酸化ニッケル粉末の製造方法提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1の発明において、さらに、前記酸化ニッケル粉末を、780〜850℃の温度で熱処理する工程を含むことを特徴とする酸化ニッケル粉末の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5いずれかの発明の製造方法によって得られる、イオウ品位が200〜1000質量ppm、及び比表面積が4.6〜9m/gであることを特徴とする酸化ニッケル粉末が提供される。
本発明の酸化ニッケル粉末の製造方法は、イオウ品位が低く、しかも従来の方法によものよりも、比表面積の大きい、電子部品材料により好適な酸化ニッケル粉末を工業的に安定的に製造することができるので、その工業的価値は極めて大きい。
以下、本発明の酸化ニッケル粉末とその製造方法を詳細に説明する。
本発明の酸化ニッケル粉末の製造方法は、硫酸ニッケル水和物を300〜600℃の温度で仮焼に付し、無水硫酸ニッケルを得る工程、及び、得られた無水硫酸ニッケルを780〜900℃の温度で焼成に付し、酸化ニッケル粉末を得る工程を含むことを特徴とする。
本発明において、硫酸ニッケル水和物の焙焼を、2段階に別けて、各々特定の温度で仮焼及び焼成を行なうことが重要である。これにより、イオウ品位が低く、かつ比表面積が大きい酸化ニッケル粉末が得られる。すなわち、本発明においては、硫酸ニッケル水和物を原料として用いて、酸化ニッケルを得る焼成工程に先立って、仮焼により脱水して無水硫酸ニッケルとする工程を行なうが、これに対して、硫酸ニッケル水和物を直接焼成する方法では、イオウが除去されにくく、イオウ品位が低い酸化ニッケル粉末が得られない。なお、粉末の比表面積の制御には、後述するように、仮焼及び焼成の温度も重要である。
上記製造方法に用いる硫酸ニッケル水和物としては、特に限定されるものではなく、硫酸ニッケル水和物を製造する際にその条件の違いにより得られる1〜7水和物のいずれもが用いられるが、最も入手しやすい硫酸ニッケル七水塩、又は硫酸ニッケル六水塩が好ましい。
上記無水硫酸ニッケルを得る工程において、仮焼温度としては、150〜600℃であり、好ましくは300〜500℃である。すなわち、熱分析結果から硫酸ニッケルの結晶水の脱水温度は約150℃であり、仮焼温度が150℃未満では、脱水が不十分となり、その温度等により1〜5水和物が残留し、無水硫酸ニッケルが得られない。一方、仮焼温度が600℃を超えると、無水硫酸ニッケル粒子の熱分解が始まるため、これに続く焼成により最終的に得られる酸化ニッケル粉末の比表面積が制御できなくなってしまう。
上記仮焼時間としては、特に限定されるものではないが、1〜50時間とすることが好ましい。すなわち、仮焼時間が1時間未満では、脱水が不十分となることがある。一方、仮焼時間が50時間を超えると、反応は終了し、熱エネルギーが無駄になるだけである。
上記酸化ニッケルを得る工程において、無水硫酸ニッケル中のイオウ分の分解を効率的に進めて、酸化ニッケル中のイオウ品位を電子部品材料として望まれる1000質量ppm以下とするためには、焼成温度としては、780〜900℃であり、好ましくは800〜850℃である。すなわち、焼成温度が780℃未満では、硫酸ニッケルの分解温度(約780℃)を下回るため、硫酸ニッケルの分解が効率的に進まず、酸化ニッケル中のイオウ品位が低下しない。一方、焼成温度が900℃を超えると、酸化ニッケルの粒成長と焼結を促進するため、比表面積が低下してしまう。
上記焼成時間としては、特に限定されるものではないが、1〜10時間とすることが好ましい。すなわち、焼成時間が1時間未満では、酸化ニッケル中のイオウ品位が所望の値まで下がらず、一方、焼成時間が10時間を超えると、それ以上のイオウ品位の低減に効果がなく、むしろ粒成長が進み、比表面積が低下する。
以上のように、上記製造方法で得られる酸化ニッケル粉末の比表面積の制御には、仮焼及び焼成の温度及び時間、特にそれぞれの上限以下の温度に制御することが肝要である。例えば、焼成温度が高いほど、また焼成時間が長いほど、酸化ニッケル粉末の比表面積が小さくなり、イオウ品位が低くなる。すなわち、イオウ分の脱離を伴う無水硫酸ニッケルの熱分解反応は吸熱反応であることから、高温、長時間で処理するほど反応が促進されることになる。
上記仮焼又は焼成においては、特に限定されるものではないが、乾燥空気気流中で行なうことが好ましい。これにより、脱水により発生した水蒸気又は分解により発生した亜硫酸(SO)ガスを効果的に除去することができる。すなわち、硫酸ニッケルの熱分解は、次の(2)式の反応により行われるので、発生する亜硫酸ガスを効果的に除去することにより分解を促進することができる。このため、これらが除去されるのに十分な量の乾燥空気を導入し、同時に適切に排気することが好ましい。
(2)式: NiSO → NiO + SO(SO+1/2O)↑
上記仮焼又は焼成には、特に限定されるものではないが、マッフル炉、管状炉、ポット炉、転動炉、プッシャー炉、ローラーハースキルン、バーナー炉等の一般的な焼成炉、又は、送風乾燥器等の一般的な乾燥器が使用できる。ここで、仮焼及び焼成の原料の供給量としては、特に限定されるものではないが、炉の容積および導入される乾燥空気の量を勘案して、均一に処理できる量とすることが好ましい。
上記製造方法において、無水硫酸ニッケルを得る工程とそれに続く酸化ニッケルを得る工程は、連続的に処理することが望ましいが、無水硫酸ニッケルの吸湿に注意して取り扱えば、必ずしも連続的である必要はない。
上記製造方法で得られた酸化ニッケル粉末を、必要により、その比表面積とイオウ品位を厳密に制御するために、さらに、連続あるいは不連続に限らず熱処理を行なうことができる。その場合には、酸化ニッケルの結晶化が進行しにくい、780〜850℃の温度で処理することが好ましい。
上記製造方法により得られる酸化ニッケル粉末としては、イオウ品位が200〜1000質量ppmであり、かつ、比表面積が4〜9m/g、である。また、好ましくは、イオウ品位が300〜650質量ppmであり、かつ、比表面積が5〜8m/gである酸化ニッケル粉末が得られる。
ここで、イオウ品位が1000質量ppmを超えると、電子部品材料として用いる場合、電極に利用されている銀と反応し電極劣化を生じさせることがあるため好ましくない。また、比表面積が4m/g未満であると、複合金属酸化物の原料として用いる場合、固相の拡散反応が不十分となることがあるため好ましくない。
以下、本発明の実施例及び比較例によって本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた酸化ニッケル粉末のイオウの分析方法及び比表面積の測定方法は以下の通りである。
(1)イオウの分析:高周波燃焼−赤外吸収法(LECOジャパン、CS−600)で行った。
(2)比表面積の測定:高速比表面積・細孔分布測定装置(ユアサアイオニクス製、NOVA1000)を用いて、窒素吸着によるBET多点法で行った。
(実施例1〜14(実施例14は参考例)
硫酸ニッケル6水塩(住友金属鉱山製、商品名ファインエメラルド)1kgを300mm角のムライト製匣鉢に入れた。これを、マッフル炉(入江製作所製、内寸:300mm×500mm×200mm)に装入し、乾燥空気を10L/minで流しながら10℃/minで昇温し、350℃で2時間保持して仮焼した。続いて同条件で昇温し、780〜900℃の所定温度で、2〜10時間の所定時間保持して焼成した。ここで、連続的に仮焼と焼成を行った。なお、実施例1〜14は、焼成温度と焼成時間を表1に表示する条件で行なった。
その後、得られた酸化ニッケル粉末のイオウ品位および比表面積を求めた。結果を表1に示す。また、実施例5、11、14で得られた酸化ニッケル粉末の走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S4700)による粒子形態のSEM観察結果を図1に示す。
(実施例15〜18)
仮焼温度を450℃とすること以外は実施例1と同様にして仮焼のみを行い無水硫酸ニッケルを得た。次に、得られた無水硫酸ニッケルを用いて、仕込み量を80〜150gの範囲で変えて小型転動炉(反応管:SUS製、内径125mm、長さ200mm)内に挿入した。ここで、乾燥空気を5L/min流しながら反応管を12rpmの回転数で回転させ、10℃/minで昇温し、820〜850℃の所定温度で3〜6時間の所定時間保持して焼成した。なお、実施例15〜18は、無水硫酸ニッケルの仕込み量、焼成温度及び焼成時間を表2に表示する条件で行なった。
その後、得られた酸化ニッケル粉末のイオウ品位および比表面積を求めた。結果を表2に示す。
(比較例1〜3)
焼成温度及び焼成時間を、それぞれ700℃で2時間(比較例1)、760℃で10時間(比較例2)、又は950℃で2時間(比較例3)としたこと以外は実施例1と同様にして酸化ニッケル粉末を製造した。
その後、得られた酸化ニッケル粉末のイオウ品位および比表面積を求めた。結果を表1に示す。また、比較例1、3で得られた酸化ニッケル粉末の走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製、S4700)による粒子形態のSEM観察結果を図1に示す。
(比較例4、5)
焼成温度を、それぞれ770℃(比較例4)、又は950℃(比較例5)としたこと以外は実施例15と同様にして酸化ニッケル粉末を製造した。
その後、得られた酸化ニッケル粉末のイオウ品位および比表面積を求めた。結果を表2に示す。
(比較例6)
硫酸ニッケル6水塩(住友金属鉱山製、商品名ファインエメラルド)の仕込み量を150gとして、小型転動炉(反応管:SUS製、内径125mm、長さ200mm)内に挿入した。ここで、乾燥空気を5L/min流しながら反応管を12rpmの回転数で回転させ、10℃/minで昇温し、450℃の温度で2時間保持して仮焼した。続いて同条件で昇温し、1050℃の温度で、1時間保持して焼成した。ここで、連続的に仮焼と焼成を行った。その後、得られた酸化ニッケル粉末のイオウ品位および比表面積を求めた。結果を表1に示す。また、得られた酸化ニッケル粉末の走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ、S4700)による粒子形態のSEM観察結果を図1に示す。
Figure 0004858153
Figure 0004858153
表1、2より、実施例1〜18では、仮焼及び焼成の温度で、本発明の方法に従って行われたので、イオウ品位が200〜1000質量ppm、及び比表面積が4〜9m/gである酸化ニッケル粉末が得られることが分かる。これに対して、比較例1〜6では、焼成温度がこれらの条件に合わないので、イオウ品位又は比表面積のいずれかによって満足すべき結果が得られないことが分かる。
また、図1からも、上記結果が裏付けられる。すなわち、実施例5、11、14では、微細な酸化ニッケル粒子が得られ、焼成温度が900℃を超えて高い条件で行なわれた比較例3、6に比べて、微細であることが分かる。また、比較例1では、焼成温度が700℃と低いので、硫酸ニッケルの分解が十分に進んでいないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の酸化ニッケル粉末とその製造方法は、フェライト用材料のほか、二次電池、燃料電池等の電極用材料、水素生成用などの触媒用材料、センサー用材料、ガス分離膜、ガスフィルター、その他酸化ニッケルが使用される電子部品用材料全般、さらに研磨剤の構成材料として好適に利用することができる。特に、酸化ニッケルもしくは酸化ニッケルを還元して得られる金属ニッケルと他の材料との接触面及び界面の量が反応に寄与する部材において、本発明の酸化ニッケル粉末は特に有利に用いられる。
実施例5、11、14及び比較例1、3、6で得られた酸化ニッケル粉末のSEM観察写真である。

Claims (6)

  1. 硫酸ニッケル七水塩または硫酸ニッケル六水塩300〜500℃の温度で仮焼に付し、無水硫酸ニッケルを得る工程、及び、得られた無水硫酸ニッケルを780〜850℃の温度で焼成に付し、酸化ニッケル粉末を得る工程を含むことを特徴とする酸化ニッケル粉末の製造方法。
  2. 前記無水硫酸ニッケルを得る工程と前記酸化ニッケル粉末を得る工程とを連続的に処理することを特徴とする請求項1に記載の酸化ニッケル粉末の製造方法。
  3. 前記仮焼は、脱水により発生した水蒸気を除去するのに十分な量に当たる乾燥空気気流中で行なうことを特徴とする請求項1に記載の酸化ニッケル粉末の製造方法。
  4. 前記焼成は、分解により発生した亜硫酸ガスを除去するのに十分な量に当たる乾燥空気気流中で行なうことを特徴とする請求項1に記載の酸化ニッケル粉末の製造方法。
  5. さらに、前記酸化ニッケル粉末を、780〜850℃の温度で熱処理する工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の酸化ニッケル粉末の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法によって得られる、イオウ品位が200〜1000質量ppm、及び比表面積が4.6〜9m/gであることを特徴とする酸化ニッケル粉末。
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