JP4857918B2 - クレーンの過負荷防止方法及び装置 - Google Patents

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本発明は、ジブの上部からフック等の第1吊り具及び第2吊り具が個別に吊り下げられるクレーンの過負荷運転を防止するための技術に関するものである。
従来、クレーンの過負荷運転を防止する方法及び装置として、例えば特許文献1が開示するものが知られている。この特許文献1に記載されるクレーンでは、主巻ロープ及び補巻ロープの先端にそれぞれ主フック及び補フックが設けられるとともに、両フックについてその実際の吊り荷重が検出され、かつ、当該吊り荷重についての定格総荷重がそれぞれ演算される。そして、前記主フックについて検出される実際の吊り荷重がその定格総荷重を超えた場合や、前記補フックについて検出される実際の吊り荷重がその定格総荷重を超えた場合に、クレーンの運転を自動停止する制御が実行される。
特許第3433667号公報
前記のように主フック及び補フックを併有するクレーンは、その両フックを同時に用いたいわゆる同時吊り作業に用いられることがある。例えば、図3に示すような杭打ち機50を用いていわゆる中堀り相伴作業、つまり同図に示す鋼管矢板52を地盤に打ち込む際に当該鋼管矢板52の内側からオーガスクリュー54によって前記地盤を掘削する作業を行う場合、前記鋼管矢板52及び前記オーガスクリュー54をそれぞれ前記杭打ち機50にセットする必要があるが、その際、同図に示すようにクレーン60の主フック62を用いて前記鋼管矢板52を吊り下げると同時に、同クレーン60の補フック64を用いて前記オーガスクリュー54を吊り下げるといった作業が行われる可能性がある。
このような同時吊り作業においても、基本的には、前記両フックについての実際の吊り荷重を監視して定格総荷重と対比することにより過負荷運転を防止することが可能であり、このような観点から、前記特許文献1では、前記主フックについて検出される実際の吊り荷重がその定格総荷重を超えた場合、前記補フックについて検出される実際の吊り荷重がその定格総荷重を超えた場合のいずれについてもクレーンの運転を自動停止することが記載されている。
しかしながら、前記同時吊り作業においては、前記主フックおよび補フックがともに巻下げ駆動されているときにその一方の吊り荷重が突然定格総荷重を超える事態が生じ得る。例えば、両フックの巻下げ駆動中にそれぞれのフックの吊り荷同士が絡み合うことによりこれら吊り荷の相互独立した降下が妨げられた場合(すなわち両吊り荷が一体的に降下する状態となった場合)、いずれか一方のフックの降下が他方のフックの降下に先行すると当該他方のフックに両吊り荷の荷重が集中して作用することになり、当該他のフックの吊り荷重がいきなり定格総荷重を超えてしまう事態が生じ得る。このような場合に前記のような自動停止制御を行っても、前記他方のフックの過負荷状態を速やかに解除することはできない。
本発明は、このような事情に鑑み、前記主フック及び補フックのような第1吊り具及び第2吊り具を併有するクレーンにおいて、両吊り具がともに巻下げ駆動されているときに生じ得る過負荷運転状態を速やかに解消するための技術の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、ジブと、このジブの上部から垂下してその垂下した端部に第1吊り具が設けられる第1ロープと、この第1ロープに連結されて前記第1吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第1駆動装置と、前記ジブの上部から前記第1ロープとは別に垂下してその垂下した端部に第2吊り具が設けられる第2ロープと、この第2ロープに連結されて前記第2吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第2駆動装置とを備えたクレーンの過負荷運転を防止するための方法であって、前記第1吊り具及び前記第2吊り具の実際の吊り荷重を検出することと、前記第1吊り具及び前記第2吊り具の吊り荷重についての定格総荷重をそれぞれ演算することと、前記第1吊り具の定格総荷重に対する実際の吊り荷重の比である負荷率に基づいて前記第1吊り具が過負荷状態であるか否かを判断するとともに前記第2吊り具の定格総荷重に対する実際の吊り荷重の比である負荷率に基づいて前記第2吊り具が過負荷状態であるか否かを判断することと、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている場合において前記第2吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第1駆動装置による巻下げ駆動のみを停止させて前記第2駆動装置による巻下げ駆動は継続させることと、を含むものである。
また本発明は、ジブと、このジブの上部から垂下してその垂下した端部に第1吊り具が設けられる第1ロープと、この第1ロープに連結されて前記第1吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第1駆動装置と、前記ジブの上部から前記第1ロープとは別に垂下してその垂下した端部に第2吊り具が設けられる第2ロープと、この第2ロープに連結されて前記第2吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第2駆動装置とを備えたクレーンに設けられる過負荷防止装置であって、前記第1吊り具の実際の吊り荷重を検出する第1検出手段と、前記第2吊り具の実際の吊り荷重を検出する第2検出手段と、前記第1吊り具の吊り荷重についての定格総荷重を演算する第1演算手段と、前記第2吊り具の吊り荷重についての定格総荷重を演算する第2演算手段と、前記第1検出手段により検出される吊り荷重と前記第1演算手段により演算される定格総荷重との対比に基づいて前記第1吊り具が過負荷状態であるか否かを判断するとともに、前記第2検出手段により検出される吊り荷重と前記第2演算手段により演算される定格総荷重との対比に基づいて前記第2吊り具過負荷状態であるか否かを判断し、当該過負荷状態の判断に基づいて前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の自動停止制御を行う安全制御手段とを備え、この安全制御手段は、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている状態で前記第2吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第1駆動装置の駆動のみを停止させて前記第2駆動装置による巻下げ駆動は継続させるものである。
このような方法及び装置によれば、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている状態であって前記第1吊り具と前記第2吊り具とが独立して降下することが阻止されているときに、前記第1吊り具が先行して降下することにより前記第2吊り具に吊り荷重が集中してしまっても、当該第2吊り具の実際の吊り荷重と定格総荷重との対比に基づいて当該第2吊り具についてのみ過負荷状態と判断した時点で前記第1吊り具の巻下げ駆動のみ停止させて前記第2吊り具の巻下げ駆動は継続させることにより、前記第1吊り具に対する前記第2吊り具の降下の遅れを取り戻すことができる。従って、この遅れに起因して当該第2吊り具に集中した吊り荷重を再び前記第1吊り具に分散させて当該第2吊り具についての過負荷状態を迅速に解消することができる。
さらに、前記方法において、前記第1駆動装置による巻下げ駆動の停止後に前記第2吊り具の過負荷状態が解消されるのを待って前記第1駆動装置による巻下げ駆動を再開させるようにし、また、前記装置において、前記安全制御手段が、前記第1駆動装置による巻下げ駆動の停止後に前記第2検出手段により検出される吊り荷重が特定の荷重以下となった時点で前記第1駆動装置の駆動停止を解除するようにすれば、前記過負荷状態を回避しながら両吊り具を地上の安全な位置まで降ろすことができる。
また、前記方法では、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている場合において前記第1吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第2駆動装置による巻下げ駆動のみを停止させて前記第1駆動装置による巻下げ駆動は継続させるのが、より好ましく、また前記装置では、前記安全制御手段が、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている状態で前記第1吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第2駆動装置の駆動のみを停止させて前記第1駆動装置による巻下げ駆動は継続させることが、より好ましい。
この構成によれば、前記第2吊り具の過負荷運転と同様に、前記第1吊り具の過負荷運転も有効に防止することができる。
この場合も、前記方法では、前記第2駆動装置による巻下げ駆動の停止後に前記第1吊り具の過負荷状態が解消されるのを待って前記第2駆動装置による巻下げ駆動を再開させることがより好ましく、また前記装置では、前記安全制御手段が、前記第2駆動装置による巻下げ駆動の停止後に前記第1検出手段により検出される吊り荷重が特定の停止解除条件を満たす時点で前記第1駆動装置の駆動停止を解除することが、より好ましい。
以上のように、本発明では、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている場合において前記第2吊り具に過負荷状態が発生したときに、前記第1駆動装置による巻下げ駆動のみを停止させて前記第2駆動装置による巻下げ駆動は継続させることにより、当該第2吊り具について発生する巻下げ駆動時特有の過負荷運転状態を迅速に解消することができる効果がある。
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明が適用されるクレーンの例を示したものである。図示のクレーンは、自走式のクレーン本体1を備え、このクレーン本体1にジブが設けられている。このジブは、前記クレーン本体1に起伏自在に取付けられるブーム2と、このブーム2の先端に補助吊り腕として取付けられた補助シーブブラケット4とを具備し、この補助シーブブラケット4に補助シーブ3が取付けられている。
前記クレーン本体1には、ブーム起伏ウィンチ5、主巻ウィンチ6A、及び補巻ウィンチ6Bが搭載されている。
前記ブーム起伏ウィンチ5は、ブーム2の起伏駆動を行うものであり、このブーム起伏ウィンチ5から引き出されたブーム起伏ロープ8がブーム起伏ガイライン9を介して前記ブーム2の先端側に連結されている。
前記主巻ウィンチ6Aは、本発明に係る第1駆動装置に相当するものであって、主として重量物を低速で上げ下げする主巻吊り作業に用いられる。この主巻ウィンチ6Aには、第1ロープに相当する主巻ロープ10Aの一端側が連結されている。この主巻ロープ10Aの他端側は前記ブーム2の先端に設けられた図略の主シーブから垂下し、その垂下端に第1吊り具である主フック12Aが設けられている。詳細には、前記主シーブと前記主フック12Aとの間に前記主巻ロープ10Aが多数回掛け渡された状態で当該主シーブから前記主フック12Aが吊り下げられている。前記主巻ウィンチ6Aは、前記主巻ロープ10Aの巻取り及び巻出しによって前記主フック12Aの巻上げ駆動及び巻下げ駆動を行う。
一方、前記補巻ウィンチ6Bは、本発明に係る第2駆動装置に相当するものであって、主として軽量物を高速で上げ下げする補巻吊り作業に用いられる。この補巻ウィンチ6Bには、第2ロープに相当する補巻ロープ10Bの一端側が連結されている。この補巻ロープ10Bの他端側は前記補助シーブブラケット4から一本掛け状態で垂下し、その垂下端に第2吊り具である補フック12Bが固定されている。
なお、このクレーンでは前記主巻吊り作業と前記補巻吊り作業を同時に行う、いわゆる同時吊り作業が可能であり、本発明はこの同時吊り作業における過負荷運転の防止を対象としている。
この実施の形態に係る過負荷防止装置を図2に示す。この装置は、演算制御装置14と、自動停止弁15と、表示部16と、検出器群とを具備する。
前記自動停止弁15は、例えば電磁弁からなり、前記各ウィンチ5,6A,6Bを駆動するための油圧回路中に設けられている。この自動停止弁15の開閉により、前記各ウィンチ5,6A,6Bの駆動のオンオフ切換が個別に行われる。また、表示部16は、現在のクレーンの運転状態をディスプレイ上に表示する。
前記検出器群は、前記ブーム2の起伏角度を検出するブーム角度検出器20と、前記ブーム起伏ガイライン9の張力を検出するガイライン張力検出器21と、前記主巻ロープ10Aの張力を検出する主巻ロープ張力検出器22Aと、前記補巻ロープ10Bの張力を検出する補巻ロープ張力検出器22Bとを含む。このうち、前記主巻ロープ張力検出器22Aが、前記主フック12Aの実際の吊り荷重を検出する第1検出手段に相当し、前記補巻ロープ張力検出器22Bが、前記補フック12Bの実際の吊り荷重を検出する第2検出手段に相当する。
前記演算処理部14は、前記検出器群により検出されるブーム起伏角度及び各ロープ張力に基づき、前記各ウィンチ5,6A,6Bの駆動について安全制御を行うものであり、記憶部17と、負荷率演算部18と、停止処理部19とを含む。
前記負荷率演算部18は、全体負荷率演算部24と、主巻系負荷率演算部26Aと、補巻系負荷率演算部26Bとを含む。
前記全体負荷率演算部24は、主巻系及び補巻系を合わせた吊り装置全体についての負荷率を演算する。ここでいう「負荷率」とは、実際に検出される吊り荷重(以下「検出吊り荷重」と称する)と、クレーンの運転状態に基づいて演算される定格総荷重との比をいう。このうち、前記検出吊り荷重は、前記主巻ロープ張力検出器22Aおよび前記補巻ロープ張力検出器22Bがそれぞれ検出するロープ張力に基づき求められる。また、前記定格総荷重は、予め記憶部17に作業半径に対応づけて記憶されている。この作業半径は前記ブーム角度検出器20によって検出された現在のブーム角度から求められる。
同様にして、前記主巻系負荷率演算部26Aは、前記記憶部17に記憶されている主巻系用の定格総荷重の中から現在の作業半径に対応するものを読出す一方、前記主巻ロープ張力検出器22Aが検出するロープ張力に基づいて主フック12Aについての検出吊り荷重を求め、この検出吊り荷重と前記定格総荷重との比を主巻系負荷率として演算する。また、前記補巻系負荷率演算部26Bは、前記記憶部17に記憶されている補巻系用の定格総荷重の中から現在の作業半径に対応するものを読出す一方で、前記補巻ロープ張力検出器22Bが検出するロープ張力に基づいて補フック12Bについての検出吊り荷重を求め、この検出吊り荷重と前記定格総荷重との比を補巻系負荷率として演算する。
すなわち、前記主巻系負荷率演算部26Aおよび補巻系負荷率演算部26Bは、それぞれ、第1吊り具である主フック12Aについての定格総荷重を演算する第1演算手段、及び、第2吊り具である補フック12Bについての定格総荷重を演算する第2演算手段としての機能を含むとともに、過負荷状態を判断するための指標となる負荷率を提供する。
なお、本発明では前記全体負荷率演算部24の有無を問わない。すなわち、主巻系及び補巻系についての個別の過負荷防止制御のみを行うものでもよい。
前記停止処理部19は、前記負荷率演算部18により演算される各負荷率(全体負荷率、主巻系負荷率、及び補巻系負荷率)に基づき、適当な自動停止弁15に停止信号を出力することにより前記各ウィンチ5,6A,6Bについての自動停止制御を行う。
具体的に、この停止処理部19は、巻上げ駆動中のウィンチが過負荷状態と判断されるとき、すなわち、そのウィンチについて演算された負荷率が100%以上になったときにそのウィンチの駆動を強制停止させる。例えば、主巻ウィンチ6Aの巻上げ駆動中に前記主巻系負荷率が100%以上になったときには当該主巻ウィンチ6Aの駆動を停止させ、主巻ウィンチ6A及び補巻ウィンチ6Bによる同時吊り作業中で両ウィンチ6A,6Bが巻上げ駆動されているときに前記全体負荷率が100%以上になったときには両ウィンチ6A,6Bの駆動を停止させる。
その一方、前記停止処理部19は、巻下げ駆動中のウィンチについては、原則として、その負荷率にかかわらず当該巻下げ駆動を許容することにより、迅速な吊り荷の降ろしを優先させる。ただし、本発明の特徴として、前記主巻ウィンチ6A及び前記補巻ウィンチ6Bがともに巻下げ駆動されている場合において主フック12Aまたは補フック12Bの負荷率が100%以上になったとき(すなわち過負荷状態になったとき)は、その過負荷状態になったフックについてのウィンチの巻下げ駆動は継続させてその相手のフックの巻下げ駆動のみを強制停止させる。そして、その強制停止後に前記過負荷状態が解消された時点(すなわち前記負荷率が100%未満になった時点)で前記強制停止を解除して前記巻下げ駆動を再開させる。
すなわち、この停止処理部19が行う自動停止制御の内容をまとめると次の表1のようになる。
Figure 0004857918
このような制御によれば、主巻ウィンチ6Aと補巻ウィンチ6Bとを同時に用いた同時吊り作業に特有の過負荷状態が発生したときにも、その過負荷状態を迅速に解消することができる。
具体的に説明すると、前記主フック12A及び前記補フック12Bに共通の吊り荷が掛けられている状態、もしくは、両フック12A,12Bにそれぞれ別の吊り荷が吊り下げられているが主巻ロープ10Aと補巻ロープ10Bが絡まる等して各フック12A,12Bが相互独立して昇降できなくなった状態で、前記両フック12A,12Bがともに巻下げ駆動されている場合、いずれか一方のフックが他方のフックよりも先行して降下すると、その他方のフックに吊り荷重が集中していきなり過負荷状態になるおそれがある。
例えば、補フック12Bに先行して主フック12Aが降下してしまった場合、それまでこの主フック12Aが負担していた吊り荷重まで前記補フック12Bにシフトしてしまうため、この補フック12Bの吊り荷重が急激に上昇し、その負荷率がいきなり100%を超えてしまうおそれがある。
このような過負荷状態において、従来のように両フック12A,12Bの巻下げ駆動を停止させても、前記補フック12Bの過負荷状態は解消されない。また、両フック12A,12Bの巻下げ駆動をそのまま継続させた場合には、前記吊り荷が着地した時点で過負荷状態は解消されるものの、それまでは当該過負荷状態を解消できず、逆に前記着地までに前記補フック12Bの負荷率がさらに上昇してしまうおそれがある。
これに対し、前記演算処理装置14が実行する制御は、前記のような補フック12Bの過負荷時に当該補フック12Bの巻下げ駆動はそのまま継続させて主フック12Aの巻下げ駆動のみを停止させるものであるので、主フック12Aに対する補フック12Bの降下の遅れを素早く取り戻すことができ、当該遅れに起因する前記補フック12Bへの吊り荷重の集中による過負荷状態を迅速に解消することができる。そして、当該過負荷状態が解消された後は前記主フック12Aの巻下げ駆動を再開することにより、各フック12A,12Bの吊り荷を迅速に着地させて安全状態を確保することができる。
なお、本発明は以上の実施の形態に限られず、例えば次のような形態をとることも可能である。
・本発明は、前記主フック12A及び前記補フック12Bのうちのいずれか一方の過負荷状態についてのみ適用されてもよい。また、前記主フック12A及び前記補フック12Bの単独吊り作業での巻下げ駆動中に過負荷状態が発生した場合の処理については特に問わず、そのまま巻下げ駆動を継続させるようにしてもよいし、強制停止させるようにしてもよい。
・前記実施の形態では、前記巻下げ駆動の強制停止後にその巻下げ駆動を再開させるための停止解除条件として、過負荷状態が解消されること、すなわち、負荷率が100%未満になることが設定されているが、その条件は適宜設定可能である。例えば、余裕を見越して、前記過負荷状態にあった吊り具の吊り荷重が定格総荷重の90%以下となった時点を前記巻下げ駆動の再開時点としてもよい。
・本発明ではクレーンの具体的構造を問わない。例えば、本発明に係るジブが主ジブ(ブーム)とその先端に回動可能に取付けられる補ジブとからなり、前記主ジブの先端に主巻ロープ用の主シーブが取付けられるとともに前記補ジブの先端に補巻ロープ用の補シーブが取付けられる構造であってもよい。
本発明の実施の形態に係るクレーンの全体構成図である。 前記クレーンに設けられる過負荷防止装置の構成を示すブロック図である。 同時吊り作業で杭打ち機に掘削軸をセッティングする例を示す図である。
符号の説明
1 クレーン本体
2 ブーム(ジブ)
3 補助シーブ
4 補助シーブブラケット(ジブ)
6A 主巻ウィンチ(第1駆動装置)
6B 補巻ウィンチ(第2駆動装置)
10A 主巻ロープ(第1ロープ)
10B 補巻ロープ(第2ロープ)
12A 主フック(第1吊り具)
12B 補フック(第2吊り具)
14 演算制御装置
15 自動停止弁
18 負荷率演算部
19 停止処理部(安全制御手段)
22A 主巻ロープ張力検出器(第1検出手段)
22B 補巻ロープ張力検出器(第2検出手段)
26A 主巻系負荷率演算部(第1演算手段)
26B 補巻系負荷率演算部(第2演算手段)

Claims (8)

  1. ジブと、このジブの上部から垂下してその垂下した端部に第1吊り具が設けられる第1ロープと、この第1ロープに連結されて前記第1吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第1駆動装置と、前記ジブの上部から前記第1ロープとは別に垂下してその垂下した端部に第2吊り具が設けられる第2ロープと、この第2ロープに連結されて前記第2吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第2駆動装置とを備えたクレーンの過負荷運転を防止するための方法であって、
    前記第1吊り具及び前記第2吊り具の実際の吊り荷重を検出することと、
    前記第1吊り具及び前記第2吊り具の吊り荷重についての定格総荷重をそれぞれ演算することと、
    前記第1吊り具の定格総荷重に対する実際の吊り荷重の比である負荷率に基づいて前記第1吊り具が過負荷状態であるか否かを判断するとともに前記第2吊り具の定格総荷重に対する実際の吊り荷重の比である負荷率に基づいて前記第2吊り具が過負荷状態であるか否かを判断することと、
    前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている場合において前記第2吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第1駆動装置による巻下げ駆動のみを停止させて前記第2駆動装置による巻下げ駆動は継続させることと、を含むことを特徴とするクレーンの過負荷防止方法。
  2. 請求項1記載のクレーンの過負荷防止方法において、
    前記第1駆動装置による巻下げ駆動の停止後、前記第2吊り具の過負荷状態が解消されるのを待って、前記第1駆動装置による巻下げ駆動を再開させることを特徴とするクレーンの過負荷防止方法。
  3. 請求項1または2記載のクレーンの過負荷防止方法において、
    前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている場合において前記第1吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第2駆動装置による巻下げ駆動のみを停止させて前記第1駆動装置による巻下げ駆動は継続させることを特徴とするクレーンの過負荷防止方法。
  4. 請求項3記載のクレーンの過負荷防止方法において、
    前記第2駆動装置による巻下げ駆動の停止後、前記第1吊り具の過負荷状態が解消されるのを待って、前記第2駆動装置による巻下げ駆動を再開させることを特徴とするクレーンの過負荷防止方法。
  5. ジブと、このジブの上部から垂下してその垂下した端部に第1吊り具が設けられる第1ロープと、この第1ロープに連結されて前記第1吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第1駆動装置と、前記ジブの上部から前記第1ロープとは別に垂下してその垂下した端部に第2吊り具が設けられる第2ロープと、この第2ロープに連結されて前記第2吊り具の巻上げ及び巻下げを行う第2駆動装置とを備えたクレーンに設けられる過負荷防止装置であって、
    前記第1吊り具の実際の吊り荷重を検出する第1検出手段と、
    前記第2吊り具の実際の吊り荷重を検出する第2検出手段と、
    前記第1吊り具の吊り荷重についての定格総荷重を演算する第1演算手段と、
    前記第2吊り具の吊り荷重についての定格総荷重を演算する第2演算手段と、
    前記第1検出手段により検出される吊り荷重と前記第1演算手段により演算される定格総荷重との対比に基づいて前記第1吊り具が過負荷状態であるか否かを判断するとともに、前記第2検出手段により検出される吊り荷重と前記第2演算手段により演算される定格総荷重との対比に基づいて前記第2吊り具過負荷状態であるか否かを判断し、当該過負荷状態の判断に基づいて前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置の自動停止制御を行う安全制御手段とを備え、
    この安全制御手段は、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている状態で前記第2吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第1駆動装置の駆動のみを停止させて前記第2駆動装置による巻下げ駆動は継続させることを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  6. 請求項5記載のクレーンの過負荷防止装置において、前記安全制御手段は、前記第1駆
    動装置による巻下げ駆動の停止後、前記第2検出手段により検出される吊り荷重が特定の停止解除条件を満たす時点で前記第1駆動装置の駆動停止を解除することを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  7. 請求項5または6記載のクレーンの過負荷防止装置において、前記安全制御手段は、前記第1駆動装置及び前記第2駆動装置がともに巻下げ駆動をしている状態で前記第1吊り具についてのみ過負荷状態であると判断したときに前記第2駆動装置の駆動のみを停止させて前記第1駆動装置による巻下げ駆動は継続させることを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
  8. 請求項7記載のクレーンの過負荷防止装置において、前記安全制御手段は、前記第2駆動装置による巻下げ駆動の停止後に前記第1検出手段により検出される吊り荷重が特定の停止解除条件を満たす時点で前記第1駆動装置の駆動停止を解除することを特徴とするクレーンの過負荷防止装置。
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