JP4857759B2 - 難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法 - Google Patents

難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法 Download PDF

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この発明は、硬質被覆層が、すぐれた高温硬さと耐熱性、さらにすぐれた高温強度を具備し、かつ表面平滑性にもすぐれた上部層と、本来すぐれた高温強度を具備する下部層で構成され、したがって特に切粉の粘性が高く、工具表面に溶着し易いステンレス鋼や高マンガン鋼、さらに軟鋼などの難削材(被削材)の切削加工を高熱発生を伴う高速切削条件で行った場合にも、前記被削材および切粉が高温に加熱されて粘性および溶着性が一段と増大し、これに伴なって硬質被覆層表面に対する切削抵抗が増すようになるにもかかわらず、前記硬質被覆層のもつすぐれた高温強度および表面平滑性によって前記硬質被覆層のチッピング(微少欠け)発生が著しく抑制され、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するようになる表面被覆超硬合金製切削工具(以下、被覆超硬工具という)の製造方法に関するものである。
従来、一般に、被覆超硬工具として、炭化タングステン(以下、WCで示す)基超硬合金で構成された工具基体の表面に、
(a)下部層として、いずれも粒状結晶組織を有するTiの炭化物(以下、TiCで示す)層、窒化物(以下、同じくTiNで示す)層、炭窒化物(以下、TiCNで示す)層、炭酸化物(以下、TiCOで示す)層、および炭窒酸化物(以下、TiCNOで示す)層のうちの1層または2層以上からなり、かつ3〜20μmの全体平均層厚を有するTi化合物層、
(2)上部層として、α型の結晶構造および粒状結晶組織を有し、かつ1〜20μmの平均層厚を有する酸化アルミニウム層(以下、従来α型Al23層という)、
以上(1)および(2)で構成された硬質被覆層を化学蒸着形成してなる、被覆超硬工具が知られており、この被覆超硬工具は、各種の鋼や鋳鉄などの被削材の切削加工に用いられている。
また、一般に、上記の被覆超硬工具の硬質被覆層を構成するTi化合物層のうちのTiCN層として、層自身の強靭化を目的として、通常の化学蒸着装置にて、反応ガスとして有機炭窒化物を含む混合ガスを使用し、700〜950℃の中温温度域で蒸着形成して縦長成長結晶組織として、すぐれた高温強度を具備せしめたTiCN層(以下、l−TiCN層で示す)も知られている。
特開2001−239404号公報 特開平6−8010号公報
近年の切削加工装置の高性能化および自動化はめざましく、一方で切削加工に対する省力化および省エネ化、さらに低コスト化の要求は強く、これに伴い、切削加工は高速化し、かつ被削材の種類に限定されない汎用性のある被覆超硬工具が強く望まれる傾向にあるが、上記の従来被覆超硬工具においては、これを低合金鋼や炭素鋼などの一般鋼、さらにダクタイル鋳鉄やねずみ鋳鉄などの普通鋳鉄の切削加工に用いた場合には問題はないが、これを特に切粉の粘性が高く、かつ工具表面に溶着し易いステンレス鋼や高マンガン鋼、さらに軟鋼などの難削材(被削材)の切削加工を高熱発生を伴う高速切削条件で行なうのに用いた場合には、前記被削材および切粉は高温に加熱されて粘性および溶着性が一段と増し、これに伴なって硬質被覆層表面に対する切削抵抗が急激に増大するようになるが、特に硬質被覆層を構成する従来α型Al23層は、高い高温硬さおよびすぐれた耐熱性を備えるものの、十分な高温強度を具備するものでないために、前記従来α型Al23層が原因で硬質被覆層にはチッピング(微小欠け)が発生し易くなり、この結果比較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
そこで、本発明者等は、上述のような観点から、難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する被覆超硬工具を開発すべく研究を行った結果、
(a)上記の従来被覆超硬工具の硬質被覆層を構成するTi化合物層のうち、特に工具基体表面に対する密着接合性のすぐれたTiN層とTiCN層、さらに下部層としてすぐれた高温強度を有するl−TiCN層を特定すると共に、上記の上部層である従来α型Al23層の形成に先だって、まず、前記l−TiCN層の表面に、通常の条件で、0.1〜1μmの平均層厚でTiCN層を形成し、これに、窒化雰囲気処理、望ましくは圧力:20〜40kPaの窒素雰囲気中、950〜1100℃の温度に、10〜60分間保持の条件で窒化雰囲気処理を施し、さらに引き続いて酸化雰囲気処理、望ましくはガス組成が、容量%で、CO:5〜10%,CO:5〜10%,H:残りからなる、圧力:5〜10kPaの酸化雰囲気中、950〜1100℃の温度に、3〜10分間保持の条件で酸化雰囲気処理を施して、これを改質TiCN薄膜とし、ついで、前記改質TiCN薄膜の上に、通常の条件、すなわち通常の化学蒸着装置にて、従来α型Al23層の形成条件と同じ条件でα型Al23層を形成すると、形成時の前記α型Al23層は、前記改質TiCN薄膜の結晶配列に著しく影響を受け、これを十分に履歴するようになり、しかもこの結果形成されたα型Al23層(以下、改質α型Al23層という)は、α型Al23層自身が具備するすぐれた高温硬さおよび耐熱性を損なうことなく、上記の従来α型Al23層に比して、一段とすぐれた高温強度を具備するようになること。
(b)上記改質α型Al23層および従来α型Al23層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、図1(a),(b)に概略説明図で示される通り、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有するAl23結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフを作成した場合、前記従来α型Al23層は、図3に例示される通り、(0001)面の測定傾斜角の分布が0〜45度の範囲内で不偏的な傾斜角度数分布グラフを示すのに対して、前記改質α型Al23層は、図2に例示される通り、傾斜角区分の特定位置に少なくとも2つのシャープなピークが現れ、このシャープなピークは、グラフ横軸の傾斜角区分に現れる位置および高さが上記改質TiCN薄膜の形成に際しての窒化雰囲気処理条件および酸化雰囲気処理条件によって変化すること。
(c)上記改質TiCN薄膜の形成に際して、窒化雰囲気処理および酸化雰囲気処理を上記の通りの条件で行うと、前記改質α型Al23層の傾斜角度数分布グラフで、1番高いピークが傾斜角区分の7〜15度の範囲内に、ついで2番目に高いピークが0〜7度の範囲内に現れ、かつ、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体に占める割合で、前記7〜15度の範囲内に存在する度数の合計が35〜50%、前記0〜7度の範囲内に存在する度数の合計が25〜40%、である傾斜角度数分布グラフを示すようになり、したがって、上記の条件で窒化雰囲気処理および酸化雰囲気処理のいずれかを行わなかったり、前記処理の条件が上記の条件から外れたりすると、傾斜角度数分布グラフにおいて、ピークが現れる傾斜角区分および前記傾斜角区分に占める度数割合が前記した範囲から外れるようになり、この場合は高温強度に所望の向上効果が得られないこと。
(d)一方、上記の被覆超硬工具の硬質被覆層の上部層を構成する改質α型Al23層は、相対的に蒸着表面が粗く、これが原因で、特に上記難削材の高速切削加工では切刃部にチッピングが発生し易い原因ともなっている。そこで、前記改質α型Al23層の全面に、通常の化学蒸着装置にて、
(d−1)まず、下側層として、反応ガス組成を、体積%で、
TiCl4:0.2〜10%、
CO2:0.1〜10%、
Ar:5〜60%、
2:残り、
とし、かつ、
反応雰囲気温度:800〜1100℃、
反応雰囲気圧力:4〜70kPa(30〜525torr)、
とした条件で、0.1〜3μmの平均層厚を有し、かつ、オージェ分光分析装置で測定して、Tiに対する酸素の割合が原子比で1.25〜1.90、即ち、
組成式:TiOW
で表わした場合、
W:原子比で1.25〜1.90、
を満足する酸化チタン層を形成し、
(d−2)ついで、上記酸化チタン層(下側層)の上に、上側層として、通常の条件、即ち、反応ガス組成を、体積%で、
TiCl4:0.2〜10%、
2:4〜60%、
2:残り、
とし、かつ、
反応雰囲気温度:800〜1100℃、
反応雰囲気圧力:4〜90kPa(30〜675torr)、
とした条件で、0.05〜2μmの平均層厚を有するTiN層を形成すると、
(d−3)上記TiN層(上側層)形成時に、上記下側層を構成する酸化チタン層の酸素が拡散してきて前記上側層(TiN層)が、窒酸化チタン層で構成されるようになるが、この場合上記上側層(前記窒酸化チタン層)形成後の上記下側層である酸化チタン層は、厚さ方向中央部をオージェ分光分析装置で測定して、酸素の割合がTiに対する原子比で1.2〜1.7、即ち、
組成式:TiOX
で表わした場合、
X:原子比で1.2〜1.7、
を満足する酸化チタン層となり、
(d−4)また、上記窒酸化チタン層で構成された上側層は、同じく厚さ方向中央部をオージェ分光分析装置で測定して、拡散酸素の割合が窒素(N)に対する原子比で0.01〜0.4、即ち、
組成式:TiN1-Y(O)Y
で表わした場合(ただし、(O)は上側層の蒸着形成時における上記下側層である酸化チタン層からの拡散酸素を示す))、
Y:原子比で0.01〜0.4、
を満足する窒酸化チタン層となること。
(e)上記窒酸化チタン層(上側層)および酸化チタン層(下側層)を蒸着形成した状態で、
ウエットブラストにて、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%の酸化アルミニウム微粒(以下、Al23微粒で示す)を配合した研磨液を噴射すると、前記窒酸化チタン層および酸化チタン層は、前記Al23微粒によって粉砕微粒化し、窒酸化チタン微粒および酸化チタン微粒となって前記Al23微粒の共存下で研磨材として作用し、硬質被覆層の上部層を構成する改質α型Al23層の表面を研磨することになり、この結果研磨後の前記改質α型Al23層の表面は、準拠規格JIS・B0601−1994に基いた測定(以下の表面粗さは全てかかる準拠規格に基いた測定値を示す)で、Ra:0.2μm以下の表面粗さにまで平滑化されるようになり、この上部層である改質α型Al23層の表面がRa:0.2μm以下の表面粗さに平滑化した上記の被覆超硬工具を用いて、難削材の高速切削加工を行った場合、350m/min.を越える切削速度でも切刃部におけるチッピング発生抑制効果が十分に発揮され、前記硬質被覆層の耐チッピング性向上に大いに寄与すること。
(f)なお、この場合、上記改質α型Al23層の表面に、上記の窒酸化チタン層(上側層)および酸化チタン層(下側層)からなる研磨材層を形成することなく、これに同じくウエットブラストにて、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%のAl23微粒を配合した研磨液を直接噴射して、研磨しても、前記改質α型Al23層の表面は、Ra:0.3〜0.6μmの表面粗さにしか研磨されず、この結果の表面粗さがRa:0.3〜0.6μmの改質α型Al23層で上部層を構成し、下部層を上記のl−TiCN層で構成した被覆超硬工具を用いても、切削速度が350m/min.を越えた難削材の高速切削加工では切刃部におけるチッピング発生を満足に抑制することはできないこと。
(g)以上の通り、硬質被覆層の上部層が一段と高温強度の向上した上記改質α型Al23層で構成されると共に、前記改質α型Al23層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分を研磨して、これら研磨面の表面粗さをRa:0.2μm以下とし、かつ同下部層がすぐれた高温強度を有するl−TiCN層からなり、さらに工具基体表面および前記下部層に対する密着接合性のすぐれたTiN層およびTiCN層のいずれか、またはこれら両層の積層からなる炭・窒化チタン[以下、Ti(N/CN)で示す]層を密着接合層として設けた被覆超硬工具は、特に切刃部にきわめて高い切削抵抗が加わる難削材の高速切削加工でも、前記硬質被覆層が著しくすぐれた高温強度を具備するようになることから、前記改質α型Al23層がすぐれた表面平滑性を有することと相俟って、すぐれた耐チッピング性を発揮し、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を示すようになること
以上(a)〜(g)に示される研究結果を得たのである。
この発明は、上記の研究結果に基づいてなされたものであって、
)WC基超硬合金で構成された工具基体の表面に、
a−1)密着接合層として、粒状結晶組織を有するTiN層およびTiCN層のうちのいずれか、またはこれら両層の積層からなり、かつ0.1〜1μmの平均層厚を有するTi(N/CN)層、
a−2)下部層として、3〜15μmの平均層厚を有するl−TiCN層、
a−3)上部層として、3〜15μmの平均層厚を有し、かつ、化学蒸着した状態でα型の結晶構造および粒状結晶組織を有すると共に、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、少なくとも7〜15度の範囲内の傾斜角区分および0〜7度の範囲内の傾斜角区分にピークが存在すると共に、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体に占める割合で、前記7〜15度の範囲内に存在する度数の合計が35〜50%、前記0〜7度の範囲内に存在する度数の合計が25〜40%、である傾斜角度数分布グラフを示す改質α型Al23層、
以上(a−1)〜(a−3)で構成された硬質被覆層を化学蒸着形成し、
ついで、上記硬質被覆層の上部層である改質α型Al23層の全面に、
b−1)下側層として、0.1〜3μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:TiOX
で表わした場合、厚さ方向中央部をオージェ分光分析装置で測定して、原子比で、
X:1.2〜1.7、
を満足する酸化チタン層、
b−2)上側層として、0.05〜2μmの平均層厚を有し、かつ、
組成式:TiN1-Y(O)Y
で表わした場合(ただし、(O)は上側層の蒸着形成時における上記下側層である酸化チタン層からの拡散酸素を示す)、同じく厚さ方向中央部をオージェ分光分析装置で測定して、同じく原子比で、
Y:0.01〜0.4、
を満足する窒酸化チタン層、
以上(b−1)および(b−2)で構成された研磨材層を化学蒸着形成した状態で、
)ウエットブラストにて、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%のAl23微粒を配合した研磨液を噴射し、
上記の研磨材層が噴射研磨材であるAl 2 3 微粒の噴射により粉砕微粒化してなる粉砕化酸化チタン微粒および粉砕化窒酸化チタン微粒と、噴射研磨材としてのAl23微粒の共存下で、上記硬質被覆層の上部層を構成する改質α型Al23層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分を研磨して、これら研磨面の表面粗さを準拠規格JIS・B0601−1994に基いた測定で、Ra:0.2μm以下としてなる、
難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する被覆超硬工具の製造方法に特徴を有するものである。
以下に、この発明の被覆超硬工具の製造方法において、硬質被覆層、研磨材層、さらにウエットブラストで用いられる研磨液のAl23微粒に関して、上記の通りに数値限定した理由を説明する。
(A)硬質被覆層
(a−1)Ti(N/CN)層(密着接合層)
TiN層およびTiCN層は、下部層であるl−TiCN層は勿論のこと、特に工具基体との密着接合性にすぐれ、これによって硬質被覆層の工具基体に対する密着接合性が向上したものになるが、その平均層厚が0.1μm未満では、所望のすぐれた密着接合性を確保することができず、一方所望の密着接合性は1μmまでの平均層厚で十分確保することができることから、その平均層厚を0.1〜1μmと定めた。
(a−2)l−TiCN層(下部層)
l−TiCN層は、上記の通り縦長成長結晶組織を有し、これによってすぐれた高温強度を具備するようになることから、切削抵抗の高い難削材の高速切削加工ですぐれた耐チッピング性を発揮するが、その平均層厚が3μm未満では、所望のすぐれた耐チッピング性を確保することができず、一方その平均層厚が15μmを越えると、高熱発生を伴なう高速切削加工では、切刃部に偏摩耗の原因となる熱塑性変形が発生し易くなることから、その平均層厚を3〜15μmと定めた。
(a−3)改質α型Al23層(上部層)
改質α型Al23層は、傾斜角度数分布グラフで、1番高いピークが傾斜角区分の7〜15度、そして2番目に高いピークが0〜7度のそれぞれの範囲内に現れ、かつ傾斜角度数分布グラフにおける度数全体に占める割合で、前記7〜15度の範囲内に存在する度数の合計が35〜50%、前記0〜7度の範囲内に存在する度数の合計が25〜40%、である傾斜角度数分布グラフを示し、この結果すぐれた高温強度を具備し、耐チッピング性の向上が図られるようになるものであり、さらにAl23層自身のもつすぐれた高温硬さと耐熱性によって、硬質被覆層の耐摩耗性向上に寄与するが、その平均層厚が3μm未満では、硬質被覆層に十分な耐摩耗性を付与することができず、一方その平均層厚が15μmを越えて厚くなりすぎると、難削材の高速切削加工ではチッピングが発生し易くなることから、その平均層厚を3〜15μmと定めた。
(B)研磨材層
上側層を構成する窒酸化チタン層は、上記の通り、まず、酸素の割合をNに対する原子比で1.25〜1.90(W値)とした酸化チタン層を形成し、ついで、前記酸化チタン層の上に通常の条件でTiN層を蒸着することにより形成されるものであり、したがって前記TiN層形成時における前記酸化チタン層からの酸素の拡散が不可欠となるが、前記酸化チタン層のW値が1.25未満であると、前記TiN層への酸素の拡散反応が急激に低下し、上側層における拡散酸素の割合(Y値)を原子比で0.01以上にすることができず、一方同W値が1.90を越えると、前記上側層における拡散酸素の割合(Y値)が原子比で0.40を越えて多くなってしまうことから、W値を1.25〜1.90と定めたものであり、この場合上側層形成後の下側層(酸化チタン層)における酸素の割合(X値)は原子比で1.2〜1.7の範囲内の値をとるようになる、言い換えれば上側層形成後の下側層のX値が1.2〜1.7を満足する場合に、前記上側層のY値は0.01〜0.40を満足するものとなる。
また、この場合、下側層のX値および上側層のY値をそれぞれ1.2〜1.7および0.01〜0.40と定めたのは、前記X値およびY値が前記の値をとった場合に、これら研磨材層のウエットブラスト時における粉砕微粒化が好適な状態で行なわれ、すぐれた研磨機能を十分に発揮することが多くの試験結果から得られ、これらの試験結果に基いて定めたものである。したがって、前記X値およびY値がそれぞれ1.2〜1.7および0.01〜0.40の範囲から外れると、前記研磨材層のウエットブラスト時における粉砕微粒化が満足に行なわれず、すぐれた研磨機能を期待することができない。
さらに、上側層および下側層の平均層厚を、それぞれ0.05〜2μmおよび0.1〜3μmとしたのは、その平均層厚が0.05μm未満および0.1μm未満では、ウエットブラスト時における下側層の粉砕化酸化チタン微粒、上側層の粉砕化窒酸化チタン微粒の割合が少な過ぎて、研磨機能を十分に発揮することができず、一方、その平均層厚がそれぞれ2μmおよび3μmを越えても、研磨機能が急激に低下するようになり、いずれの場合も改質α型Al23層の表面をRa:0.2μm以下の表面粗さに研磨することができなくなるという理由にもとづくものである。
(C)研磨液のAl23微粒
研磨液のAl23微粒には、ウエットブラスト時に研磨材層を構成する下側層の粉砕化酸化チタン微粒および上側層の粉砕化窒酸化チタン微粒と共存した状態で、改質α型Al23層の表面を研磨する作用があるが、その割合が水との合量に占める割合で15質量%未満でも、また60質量%を越えても研磨機能が急激に低下するようになることから、その割合を15〜60質量%と定めた。
この発明の方法によって製造された被覆超硬工具は、硬質被覆層の下部層を高温強度のすぐれたl−TiCN層、そして同じく上部層もすぐれた高温硬さおよび耐熱性に加えて、すぐれた高温強度も具備した改質α型Al23層で構成し、さらに前記改質α型Al23層の表面をRa:0.2μm以下の表面粗さに研磨することにより、特に切粉の粘性が高く、かつ工具表面に溶着し易いステンレス鋼や高マンガン鋼、さらに軟鋼などの難削材(被削材)の切削加工を高熱発生を伴う高速切削条件で行ない、前記被削材および切粉が高温に加熱されて粘性および溶着性が一段と増大し、これに伴なって硬質被覆層表面に対する切削抵抗が増すようになっても、硬質被覆層のTi(N/CN)層による工具基体表面に対する密着接合性向上効果と相俟って、前記硬質被覆層のチッピング発生が著しく抑制され、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮するものである。
つぎに、この発明の被覆超硬工具の製造方法を実施例により具体的に説明する。
原料粉末として、いずれも1〜3μmの平均粒径を有するWC粉末、TiC粉末、ZrC粉末、VC粉末、TaC粉末、NbC粉末、Cr32粉末、TiN粉末、およびCo粉末を用意し、これら原料粉末を、表1に示される配合組成に配合し、さらにワックスを加えてアセトン中で24時間ボールミル混合し、減圧乾燥した後、98MPaの圧力で所定形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体を5Paの真空中、1370〜1470℃の範囲内の所定の温度に1時間保持の条件で真空焼結し、焼結後、切刃部にR:0.07mmのホーニング加工を施して、中心部に工具取り付け用貫通孔を有する形式で、ISO規格にCNMG120412として規定されるスローアウエイチップ形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A1〜F1、および切刃部分にR:0.07mmのホーニング加工を施して、工具本体にクランプ駒による挟み締めにより取り付けられる穴なし形式で、ISO規格にCNMN120412として規定されるスローアウエイチップ形状をもったWC基超硬合金製の工具基体A2〜F2を製造した。
つぎに、これらの工具基体A1〜F1およびA2〜F2のそれぞれの表面に、通常の化学蒸着装置を用い、表2に示される条件(表2中のl−TiCNは特開平6−8010号公報に記載される縦長成長結晶組織をもつTiCN層の形成条件を示すものであり、これ以外は通常の粒状結晶組織を有する構成層の形成条件を示すものである)にて、硬質被覆層の密着接合層(TiN層、TiCN層)および下部層(l−TiCN層)を表5に示される目標層厚で蒸着形成し、ついで、まず、表2に示される条件で、かつ表5に示される目標層厚でTiCN薄膜を蒸着形成した後、これに、
(a)圧力:25kPaの窒素雰囲気中、1000℃の温度に、10〜60分間保持の条件での窒化雰囲気処理を施し、
(b)引き続いてガス組成が、容量%で、CO:7%,CO:7%,H:残りからなる、圧力:7kPaの酸化雰囲気中、1000℃の温度に、3〜10分間保持の条件での酸化雰囲気処理を施して、改質TiCN薄膜とし、前記改質TiCN薄膜の上に、同じく表2に示される従来α型Al23層の形成条件と同じ条件で、α型Al23層の蒸着形成を行なって、同じく表5に示される目標層厚の改質α型Al23層(上部層)とし、
つぎに、研磨材層の下側層形成用酸化チタン層[TiO(1)〜(6)のいずれか]を表3に示される条件で、さらに上側層形成用窒化チタン層(TiN層)を同じく表2に示される条件で、それぞれ表5に示される目標層厚で蒸着形成して、表5に示される組成、すなわち厚さ方向中央部をオージェ分光分析装置で測定して、それぞれ表5に示されるX値およびY値の下側層および上側層からなる研磨材層を形成し、
引き続いて、表4に示されるブラスト条件で、かつ表5に示される組み合わせでウエットブラストを施して、上記工具基体A1〜F1については、工具取り付け用中心孔周辺部に研磨材層を存在させた状態、また、上記の工具基体A−2〜F−2については、クランプ駒当接面部分(すくい面中心部)に研磨材層を存在させた状態で、前記改質α型Al23層(上部層)の切刃稜線部を含むすくい面および逃げ面を、同じく表5に示される表面粗さに研磨することにより本発明被覆超硬工具1〜12をそれぞれ製造した。
また、比較の目的で、表5に示される通り、本発明被覆超硬工具1〜12の硬質被覆層の上部層を構成する改質α型Al23層に代って表2に示される条件で従来α型Al23層を蒸着形成し、かつ上記の研磨材層の形成およびウエットブラストによる表面研磨処理を行わない以外は同一の条件で比較被覆超硬工具1〜12をそれぞれ製造した。
ついで、上記の本発明被覆超硬工具と比較被覆超硬工具の硬質被覆層をそれぞれ構成する改質α型Al23層および従来α型Al23層について、電界放出型走査電子顕微鏡を用いて、傾斜角度数分布グラフをそれぞれ作成した。
すなわち、上記傾斜角度数分布グラフは、上記の改質α型Al23層および従来α型Al23層の表面を研磨面とした状態で、電界放出型走査電子顕微鏡の鏡筒内にセットし、前記研磨面に70度の入射角度で15kVの加速電圧の電子線を1nAの照射電流で、前記表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子(Al23)を有する結晶粒個々に照射して、電子後方散乱回折像装置を用い、30×50μmの領域を0.1μm/stepの間隔で、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、この測定結果に基づいて、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計することにより作成した。
この結果得られた改質α型Al23層の傾斜角度数分布グラフにおいて、(0001)面が1番高いピークを示す傾斜角区分および2番目に高いピークを示す傾斜角区分をそれぞれ表6に示した。表6に示される結果から、1番高いピークが7〜15度の範囲内の傾斜角区分、そして2番目に高いピークが0〜7度の範囲内の傾斜角区分に存在することが確認された。
また、上記の従来α型Al23層の傾斜角度数分布グラフでは、表6に示される通りピークが存在しないことが確認された。
さらに、表6には、上記の改質α型Al23層および従来α型Al23層の傾斜角度数分布グラフにおいて、7〜15度の範囲内の傾斜角区分および0〜7度の範囲内の傾斜角区分に存在する傾斜角度数の傾斜角度数分布グラフ全体の傾斜角度数に占める割合をそれぞれ示した。
上記の各種の傾斜角度数分布グラフにおいて、表6に示される通り、本発明被覆超硬工具の改質α型Al23層は、いずれも(0001)面の測定傾斜角の分布が少なくとも7〜15度および0〜7度の範囲内の傾斜角区分にピークが現れ、かつ7〜15度および0〜7度の範囲内の傾斜角区分内に存在する傾斜角度数の割合が、それぞれ35〜50%および25〜40%である傾斜角度数分布グラフを示すのに対して、比較被覆超硬工具の従来α型Al23層は、いずれも(0001)面の測定傾斜角の分布が0〜45度の範囲内で不偏的で、ピークが存在せず、7〜15度および0〜7度の範囲内の傾斜角区分内に存在する傾斜角度数の割合もいずれの場合も20%以下である傾斜角度数分布グラフを示すものであった。
なお、図2は、本発明被覆超硬工具2の改質α型Al23層の傾斜角度数分布グラフ、図3は、比較被覆超硬工具2の従来α型Al23層の傾斜角度数分布グラフをそれぞれ示すものである。
さらに、上記の本発明被覆超硬工具1〜12および比較被覆超硬工具1〜12について、これの硬質被覆層の構成層の厚さを、走査型電子顕微鏡を用いて測定(縦断面測定)したところ、いずれも目標層厚と実質的に同じ平均層厚(5点測定の平均値)を示した。
つぎに、上記の本発明被覆超硬工具1〜12および従来被覆超硬工具1〜12をいずれも工具鋼製バイトの先端部に取り付けた状態で、
被削材:JIS・SUS304の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸棒、
切削速度:400m/min、
切り込み:2mm、
送り:0.25mm/rev、
切削時間:7分、
の条件(切削条件A)でのステンレス鋼の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は200m/min)、
被削材:JIS・SMn420Hの丸棒、
切削速度:420m/min、
切り込み:1.5mm、
送り:0.2mm/rev、
切削時間:8分、
の条件(切削条件B)での高マンガン鋼の乾式高速連続切削試験(通常の切削速度は200m/min)、
被削材:JIS・SS400の丸棒、
切削速度:450m/min、
切り込み:2mm、
送り:0.2mm/rev、
切削時間:7分、
の条件(切削条件C)での軟鋼の乾式高速断続切削試験(通常の切削速度は250m/min)を行い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。この測定結果を表7に示した。
Figure 0004857759
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表5〜7に示される結果から、本発明被覆超硬工具1〜12は、いずれも硬質被覆層の上部層が、(0001)面の傾斜角が7〜15度および0〜7度の範囲内の傾斜角区分に1番高いピークと2番目に高いピークが現れ、かつ、前記7〜15度および0〜7度の傾斜角区分範囲内に存在する度数の合計割合がそれぞれ35〜50%および25〜40%を占める傾斜角度数分布グラフを示し、この結果すぐれた高温硬さおよび耐熱性に加えて、高温強度の向上したものとなる改質α型Al23層で構成され、かつ、前記改質α型Al23層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分の表面がRa:0.2μm以下の表面粗さに研磨され、耐チッピング性向上に寄与することと相俟って、特に切刃部にきわめて高い切削抵抗が加わる難削材の高速切削加工でも、切刃部におけるチッピング発生が著しく抑制され、すぐれた耐摩耗性を示すのに対して、硬質被覆層の上部層が、(0001)面の測定傾斜角の分布が0〜45度の範囲内で不偏的で、ピークが存在しない傾斜角度数分布グラフを示し、かつ前記上部層が表面平滑性の低い従来α型Al23層で構成された比較被覆超硬工具1〜12においては、いずれも難削材の高速切削加工では、前記従来α型Al23層の高温強度が不十分であるために、切刃部にチッピングが発生し、比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。
上述のように、この発明の方法によって製造された被覆超硬工具は、各種鋼や鋳鉄などの高速切削加工は勿論のこと、特に硬質被覆層にすぐれた高温強度および表面平滑性が要求される難削材の高速切削加工でも、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を示し、長期に亘ってすぐれた耐摩耗性を発揮するものであるから、切削装置の高性能化並びに切削加工の省力化および省エネ化、さらに低コスト化に十分満足に対応できるものである。
硬質被覆層を構成するα型Al23層における結晶粒の(0001)面の傾斜角の測定範囲を示す概略説明図である。 本発明被覆超硬工具2の硬質被覆層を構成する改質α型Al23層の(0001)面の傾斜角度数分布グラフである。 比較被覆超硬工具2の硬質被覆層を構成する従来α型Al23層の(0001)面の傾斜角度数分布グラフである。

Claims (1)

  1. )炭化タングステン基超硬合金で構成された工具基体の表面に、
    a−1)密着接合層として、粒状結晶組織を有する窒化チタン層および炭窒化チタン層のうちのいずれか、またはこれら両層の積層からなり、かつ0.1〜1μmの平均層厚を有する炭・窒化チタン層、
    a−2)下部層として、3〜15μmの平均層厚および縦長成長結晶組織を有する炭窒化チタン層、
    a−3)上部層として、3〜15μmの平均層厚を有し、かつ、化学蒸着した状態でα型の結晶構造および粒状結晶組織を有すると共に、電界放出型走査電子顕微鏡を用い、表面研磨面の測定範囲内に存在する六方晶結晶格子を有する結晶粒個々に電子線を照射して、前記表面研磨面の法線に対して、前記結晶粒の結晶面である(0001)面の法線がなす傾斜角を測定し、前記測定傾斜角のうち、0〜45度の範囲内にある測定傾斜角を0.25度のピッチ毎に区分すると共に、各区分内に存在する度数を集計してなる傾斜角度数分布グラフにおいて、少なくとも7〜15度の範囲内の傾斜角区分および0〜7度の範囲内の傾斜角区分にピークが存在すると共に、傾斜角度数分布グラフにおける度数全体に占める割合で、前記7〜15度の範囲内に存在する度数の合計が35〜50%、前記0〜7度の範囲内に存在する度数の合計が25〜40%、である傾斜角度数分布グラフを示す改質α型酸化アルミニウム層、
    以上(a−1)〜(a−3)で構成された硬質被覆層を化学蒸着形成し、
    ついで、上記硬質被覆層の上部層である改質α型酸化アルミニウム層の全面に、
    b−1)下側層として、0.1〜3μmの平均層厚を有し、かつ、
    組成式:TiOX
    で表わした場合、厚さ方向中央部をオージェ分光分析装置で測定して、原子比で、
    X:1.2〜1.7、
    を満足する酸化チタン層、
    b−2)上側層として、0.05〜2μmの平均層厚を有し、かつ、
    組成式:TiN1-Y(O)Y
    で表わした場合(ただし、(O)は上側層の蒸着形成時における上記下側層である酸化チタン層からの拡散酸素を示す)、同じく厚さ方向中央部をオージェ分光分析装置で測定して、同じく原子比で、
    Y:0.01〜0.4、
    を満足する窒酸化チタン層、
    以上(b−1)および(b−2)で構成された研磨材層を化学蒸着形成した状態で、
    )ウエットブラストにて、噴射研磨材として、水との合量に占める割合で15〜60質量%の酸化アルミニウム微粒を配合した研磨液を噴射し、
    上記の研磨材層が噴射研磨材である酸化アルミニウム微粒の噴射により粉砕微粒化してなる粉砕化酸化チタン微粒および粉砕化窒酸化チタン微粒と、噴射研磨材としての酸化アルミニウム微粒の共存下で、上記硬質被覆層の上部層を構成する改質α型酸化アルミニウム層の少なくとも切刃稜線部を含むすくい面部分および逃げ面部分を研磨して、これら研磨面の表面粗さを準拠規格JIS・B0601−1994に基いた測定で、Ra:0.2μm以下としたこと、
    を特徴とする難削材の高速切削加工で硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具の製造方法
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