JP4857052B2 - 穀物搬送コンテナ - Google Patents

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本発明は、刈り取り収穫される米、麦などの穀物を、自宅や所定の処理施設(ライスセンタなどの目的地)まで搬送するためにトラックなどの荷台に載せて使用される穀物用コンテナに係り、特にシート材を用いて形成される収納タンクを、平面視で略矩形形状に枠組み構成される機枠に吊持している穀物用コンテナに関する。
シート材を用いて略漏斗状に形成されている収納タンクを、平面視で略矩形形状に枠組み構成されている機枠の内部に吊持状に取り付けて、刈り取り収穫される米、麦などの穀物を収納タンク内に貯溜し、トラックなどによって自宅や所定の処理施設(ライスセンタなど)へと搬送するように構成されている穀物用コンテナは知られている(特許文献1参照)。
ところで、穀物用コンテナは、穀物の収穫時期のみにおいて、トラックの荷台などに搭載されて使用され、その他の時期においてはトラックから降ろされて倉庫などの保管場所で保管される。
特開2005−22742号(請求項1、段落番号0008、および図8参照)
しかしながら、特許文献1に開示されている従来の穀物用コンテナは、倉庫などへ保管するに際して、狭い収納スペースにて保管することができるように、機枠を構成するベース部を含めて、このベース部の四隅コーナーから立設される支柱枠、そして、この支柱枠にわたり取り付けられて収納タンクを吊持するための横枠(梁)などの構成枠材を取り外すことによって、機枠を略完全に分解するようにしている。
そのために、狭い収納スペースでの保管は可能になる一方で、穀物の収穫時期において使用するときは、分解された機枠の構成枠材を、連結ピン類を用いて初めから組み立てなければならい。また、連結ピン類が抜け外れないように、ペンチなどの工具を用いて連結ピンに割りピンなどを取り付けるなどの作業を行うなどから、面倒で手間がかかるものとなっていた。
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、狭い収納スペースにて保管することができるように、機枠をできる限りコンパクトに折り畳むことができる一方で、収穫に入る時期には簡単に、かつ、速やかに組み立てることができるように改良を加えた穀物用コンテナを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明では、シート材により上部開口に形成される収納タンクと、この収納タンクを吊持させるための機枠と、この機枠のベース部に首振り回動可能に設置される送出し器と、を備えて、前記収納タンクの下部開口を前記送出し器に接続させて貯溜されている穀物を、タンクの外に送出すように構成されている穀物用コンテナであって、
前記機枠は、四隅コーナーにベース支柱を備えて前後方向に長い平面視で略矩形形状に枠組み形成されるベース部と、前記ベース支柱にそれぞれ連結されて前記ベース部の上に枠組み形成されるタンク吊持部と、を備え、
前記タンク吊持部は、前記ベース部の短辺前後においてそれぞれ隣り合う前記ベース支柱の上端にそれぞれ枢着されて、この枢着部を支点として起倒動自在に枠組み立設される前後の折り畳み枠部と、前記ベース部の長辺両側においてそれぞれ隣り合う前記前後の折り畳み枠部の支柱枠の上端部の間にわたり架橋状にそれぞれ取り付けられて、前記収納タンクの長辺開口縁部をそれぞれ吊持するための長辺線状部材と、この長辺線状部材よりも下方位置において、前記支柱枠の間にわたりそれぞれ架橋状で着脱自在に取り付けられて、前記収納タンクの長辺開口縁部側の途中部位を吊持するための長辺中間枠と、を備えて構成され、
前記長辺中間枠を、前記前後の折り畳み枠部の前記支柱枠の間からそれぞれ取り外すことにより、前記前後の折り畳み枠部が前記収納タンクとともに前記ベース部の上に折り畳まれるように構成されていることを特徴とする(請求項1)。
ここで、前記折り畳み枠部は、前記ベース部の各ベース支柱の上端にそれぞれ枢着されて、この枢着部を支点として起倒動自在に立設される前後左右の支柱枠と、前記ベース部の短辺左右においてそれぞれ隣り合う前記支柱枠の上端部の間にわたり架橋状に取り付けられて、前記収納タンクの短辺開口縁部をそれぞれ吊持するための短辺上部枠と、この短辺上部枠よりも下方位置において、前記支柱枠の間にわたり架橋状に取り付けられて、前記収納タンクの短辺開口部側の途中部位を吊持するための短辺中間枠と、を備えて形成されていることが好適なものとなる。
そして、前記長辺中間枠と前記短辺中間枠は、テント地などの丈夫なシート材によって形成されている収納タンクに貯溜される穀物の重さ(全荷重)を支えるように、また、ベース部の長辺両側において隣り合うそれぞれの前後の支柱枠の間を保持するように、それぞれの支柱枠の間にわたり架橋状に取り付けられるものである。
請求項1に記載の構成によれば、穀物の収穫終了後において、倉庫などの保管場所に保管するときには、タンク吊持部を枠組み構成する左右両側の長辺中間枠を、前後の折り畳み枠部の支柱枠の間から取り外し、そして、収納タンクの吊持状態を取り去ることによって、タンク吊持部を枠組み構成する前後の折り畳み枠部を、ベース部のベース支柱枠に対する枢着部を支点として、ベース部の上に折り畳むことができる。このとき、前後の折り畳み枠部の支柱枠の上端部の間に取り付けられているそれぞれの長辺線状部材は、線状であるが故に、前後の折り畳み枠部の折り畳みに合わせて収納タンクとともに自在に湾曲するなどによってベース部の上に重なり合うように収められる。
これにより、収納タンクを吊持している機枠を、ベース部の高さに略相当する高さまでコンパクトに折り畳むことができることで、コンパクトな折り畳み形態で穀物用コンテナを倉庫などに保管することができる。
一方、穀物の収穫時期には、倉庫から運び出し、ベース部の上に折り畳まれている前後の折り畳み枠部を、ベース部のベース支柱枠に対する枢着部を支点に起し、左右両側の長辺中間枠を、前後の折り畳み枠部の支柱枠の間に掛け渡すように取り付けることで、機枠の組み立ては完成する。このとき、左右両側の長辺中間枠に対し、収納タンクを吊持させる。これにより、機枠内には収納タンクが吊持された使用状態となる。
また、本発明では、前記長辺中間枠の枠端部を、前記各支柱枠に取り付けられるそれぞれの連結金具に連結機構によって取り外し可能に連結させてなり、前記連結金具は、前記長辺中間枠の枠端部の断面形状と略同じ程度で内側に開口する断面視で略コの字形状に形成されているとともに、前記長辺中間枠の枠端部にそれぞれ開口されているピン連結孔と同軸線上に開口させたピン挿通孔を備え、前記連結機構は、前記ピン挿通孔の軸芯延長線上において前記連結金具内へ出没移動可能に配されて、前記ピン挿通孔から前記ピン連結孔にわたり貫通状に挿通される連結ピンと、この連結ピンを前記ピン挿通孔方向へ常時付勢するための弾発部材と、を備えて形成されていることを特徴とする(請求項2)。
請求項2に記載の構成によれば、前記した請求項1のように、タンク吊持部を枠組み構成する左右両側の長辺中間枠を、前後の支柱枠の間から取り外して前後の折り畳み枠部を、ベース部の上に折り畳むとき、そして、ベース部の上に折り畳まれている前後の折り畳み枠部を起して左右両側の長辺中間枠を、前後の支柱枠の間に掛け渡すように取り付けるときにおいて、連結機構の連結ピンを操作することによって、長辺中間枠の枠端部を前後の支柱枠から外したり、前後の支柱枠に取り付けることができる。つまり、工具などを一切使用することなく、機枠をコンパクトに折り畳んだり、組み立てることができる。
また、本発明では、前記ベース部の長辺両側の側面略中央部位に、左右一対のコンテナスタンドの支持ロッドを抜き差し自在に連結させるためのスタンド連結部材をそれぞれ備えていることを特徴とする(請求項3)。
ここで、左右一対のコンテナスタンドは、前後端部側にキャスタなどの車輪を備えている水平杆部と、この水平杆部の中央部より適宜の高さにて立設される垂直杆部と、から側面視で略逆向きT字形が構成されている。
そして、前記垂直杆部は、前記水平杆部に溶接などによって取り付けられる下部杆と、この下部杆に上下伸縮自在に連結される上部杆と、この上部杆と前記下部杆との内部にわたり内設されて、上部杆を下部杆に対して上下に伸縮移動させるための昇降機構とを備えて構成されており、この昇降機構は、下部杆に同軸上に固着されて内設されるナット部材と、上部杆側に固着されて内設される軸受け部材と、この軸受け部材に移動不能に止着されて前記ナット部材にわたりねじ込み連結されるネジ部材と、上部杆から突出するネジ部材の上端部に備えられる操作ハンドルと、を備えて構成されている。
請求項3に記載の構成によれば、前記した請求項1のように、機枠を構成するタンク保持部の前後の折り畳み枠部を、ベース部の上に折り畳んで、倉庫などに保管するときに、ベース部の両側に備えられているスタンド連結部材に左右一対のコンテナスタンドをそれぞれ取り付けることで、機枠が折り畳まれた穀物用コンテナをコンテナスタンドに支持させることができる。これにより、コンパクトに折り畳まれた穀物用コンテナを、保管場所となる倉庫など走行移動させることができ、しかも、コンテナスタンドに支持させた状態でそのまま保管することができる。
本発明に係る穀物用コンテナは以上のように構成されていることで、収納タンクを吊持させる機枠を構成するタンク吊持部の前後の折り畳み枠部を、ベース部の上に折り畳むことができる。これにより、機枠をできる限りコンパクトに折り畳んだ状態で、倉庫などの保管場所に狭い収納スペースにて保管することができる。
そして、一方で収穫に入る時期には、ベース部の上に折り畳まれている前後の折り畳み枠部を起した状態で、左右両側の長辺中間枠を、前後の支柱枠の間に掛け渡すように取り付けることで、機枠の組み立ては完成する。これにより、機枠を簡単に、かつ、速やかに組み立てることができる。つまり、トラックに搭載させて穀物が刈り取り収穫される圃場などへ出掛けることができる。
以下、本発明に係る穀物用コンテナの実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る穀物用コンテナの側面図であり、図2は、収納タンクを取り外した状態を示す本実施形態に係る機枠を後から見た背面図である。
≪穀物用コンテナの構成≫
穀物用コンテナAは、図1および図2に示すように、機枠1を備え、この機枠1内に収納タンク2を吊持状に備えている。
また、穀物コンテナAは、機枠1の後記するベース部1の中央部位に送出し部3を首振り回動可能に備え、この送出し部3には、収納タンク2に貯留されている穀物をタンクの外に送出し搬送するための移送ホース4が抜き差し自在に接続されるように構成されている。
≪機枠の構成≫
機枠1は、図2に示すように、角形パイプ材などからなる金属製の杆材を用いて枠組み形成されるベース部1−1と、このベース部1−1の上に折り畳み可能に枠組み立設されるタンク吊持部1−2とを備えて平面視で略矩形形状に枠組み構成される。
≪ベース部の構成≫
ベース部1−1は、穀物用コンテナAが搭載される図示省略のトラックの荷台サイズにて前後方向に長い平面視で略矩形状に枠組み形成される底枠6の四隅コーナーに、適宜の高さを有するベース支柱5をそれぞれ立設している。そして、ベース部1−1は、底枠6の長辺両側においてそれぞれ隣り合う前後のベース支柱5の上端側の間にわたり長辺枠材7を溶接などによって架橋状に備えている。
また、ベース部1−1は、各ベース支柱5をそれぞれ補強するように、底枠6の短辺前後に筋交い8を溶接などによって傾斜状に備えている。
なお、底枠6の中央部位に首振り回動自在に備えられる送出し部3は、周知の構造であり、その詳細については省略する。
また、この送出し部3に抜き差し自在に接続される移送ホース4についても周知の構造であり、その詳細については省略する。
≪タンク吊持部の構成≫
タンク吊持部1−2は、図2に示すように、ベース部1−1の短辺左右において、各ベース支柱5に枢着されてベース部1−1の内側に折り畳まれるように枠組み立設される前後の折り畳み枠部9,10を備えている。
また、このタンク吊持部1−2は、ベース部1−1の長辺両側において隣り合う後記する前後2本の支柱枠11,12の上端部にわたり長辺線状部材13をそれぞれ架橋状に掛け渡すように取り付けることによって、この長辺線状部材13に収納タンク2の長辺開口縁部をそれぞれ吊持させるように形成されている。
さらに、タンク吊持部1−2は、長辺線状部材13よりも下方位置において、前後2本の支柱枠11,12の間にわたり長辺中間枠14をそれぞれ架橋状に取り付けることによって、この長辺中間枠14に収納タンク2の長辺開口縁部側の途中部位を吊持させるように形成されている。
図3は、タンク吊持部の支柱枠に対する長辺線状部材の連結構造を示す要部の拡大断面図である。
長辺線状部材13は、前後の折り畳み枠部9,10をベース部1−1の内側に折り畳んだ際に(後記の図参照)、収納タンク2とともに折り畳まれるように適度の柔軟性)を備え、かつ、長辺中間枠14とともに収納タンク2内に貯溜される穀物の重さを支えることができる程度の強靭性を備えているロープやワイヤ、その他のフレキシブルな線材によって形成されている。
そして、長辺線状部材13は、図3に示すように、両端部にループ部13aをそれぞれ備え、このループ部13aを前後2本の各支柱枠11,12の上端部に取り付けられている連結金具15に連結することによって、ベース部1−1の長辺両側において隣り合う前後2本の支柱枠11,12の上端部間にわたりそれぞれ架橋状に取り付けられるようになっている。
連結金具15は、ネジ杆15aの一端部に、長辺線状部材13のループ部13aを引掛けるための掛け部15bを備え、各支柱枠11,12にナット16を用いて前後方向に水平に突出するように取り付けられるように形成されている。
長辺中間枠14は、収納タンク2に貯溜される穀物の重さを支えるように、また、ベース部1−1の長辺両側において隣り合うそれぞれの前後2本の支柱枠11,12の間を保持するように、それぞれ前後2本の支柱枠11,12の間にわたり架橋状に取り付けられるものであり、前後2本の支柱枠11,12にそれぞれ取り付けられる連結金具17と連結機構18とによって前後2本の支柱枠11,12の間に取り外し可能に取り付けられるようにしている。
≪連結金具の構成≫
図4は、前後の支柱枠に対する長辺中間枠の連結構造を示す要部の拡大断面図であり、図5は、同斜視図である。
連結金具17は、前後の各支柱枠11,12に溶接などによって取り付けられるものであり、図4および図5に示すように、長辺中間枠14の枠端部の断面形状と略同じ程度で機枠1の内側に向けて開口する断面視で略コの字形状に形成されている枠連結部17aと、この枠連結部17aの連設辺部19の内向き開口縁から下方に向けて略クランク形状に折り曲げ連設させた装着部17bとを備えて形成されている。
そして、連結金具17は、枠連結部17aの連設辺部19に、長辺中間枠14の枠端部に開口されているピン連結孔20と同軸線上に開口させたピン挿通孔21を備えている。
また、連結金具17の装着部17bの下向きに垂設する垂直辺部22の端面中央には、連結機構18の後記する弾発部材18bに抗して連結ピン18aを枠連結部17aから引き抜いたときに、その引き抜いた状態を保つためのピン止め部23を備えている。
≪連結機構の構成≫
連結機構18は、図4に示すように、連結ピン18aと、この連結ピン18aを連結金具17のピン連結孔20方向へ常時付勢するための弾発部材18bとを備えて構成されている。
連結ピン18aは、図4に示すように、垂直なピン部24と、このピン部24から直角に連設させた操作部25とから略L字形状に形成されている。この連結ピン18aは、ピン部24を装着部17bの連設辺部26に開口さている装着孔27に貫通状に組み込まれることによって、枠連結部17aのピン挿通孔21から枠連結部17a内へ出没移動可能に装着されるようになっている。
弾発部材18bは、コイルスプリングなどからなり、連結ピン18のピン部24に取り付けられているバネ受け部28と装着孔27が開口されている装着部17bの連設辺部26との間においてピン部24の外側に巻回されるように弾装されることによって、ピン部24をピン連結孔20方向(枠連結部17a内方向)へ常時付勢するように形成されている。
≪折り畳み枠部の構成≫
前後の折り畳み枠部9,10は、ベース部1−1の各ベース支柱5の上端にそれぞれピン止めやボルト止めなどによって回動可能に枢着されて、この枢着部Pを支点として起倒動自在に立設される前後2本,計4本の支柱枠11,12をそれぞれ備えている。
そして、前後の折り畳み部材9,10は、各支柱枠11、12のうち、ベース部1−1の短辺左右においてそれぞれ隣り合う左右2本の支柱枠11,11、12,12のそれぞれ上端部の間にわたり短辺上部枠29をピン止めやボルト止めなどにより架橋状に取り付けることによって、この短辺上部枠29に収納タンク2の短辺開口縁部をそれぞれ吊持させるように形成されている。
また、前後の折り畳み枠部9,10は、短辺上部枠29よりも下方位置において、左右2本の支柱枠11,11、12,12の間にわたり短辺中間枠30をピン止めやボルト止めなどにより架橋状に取り付けることによって、この短辺中間枠30に収納タンク2の短辺開口部側の途中部位を吊持させるように形成されている。
図6は、前後の折り畳み枠部の起立姿勢を保持する筋交いを示す要部の拡大断面図である。ここでは、図1を適宜参照しながら説明する。
また、本実施形態では、図1に示すように、タンク吊持部1−2の前後の折り畳み枠部9,10を起した状態で、その起立姿勢を保持するための筋交い31を、ベース部1−1の左右両側の長辺枠材7から折り畳み枠部9,10の各支柱枠11,12にわたり傾斜状に備えている。
この筋交い31は、断面視で略L字形状の金属性枠材を用いて形成されており、その傾斜下端側を長辺枠材7に取り付けられている取付片部32に、ボルト止めやピン止めなどによって回動可能に連結させる一方で、傾斜上端側を各支柱枠11,12に取り付けられている取付片部33に、頭部を有する係止ピン34を介して係脱自在に連結させるようにしている。
そして、筋交い31の傾斜上端側には、側方に向けて略U字形状に開口させた係止凹部35を備え、この係止凹部35を係止ピン34に係止させることで、前後の折り畳み枠部11,12の起立状態を頑丈に保持し得るようにしている。
なお、図示を省略しているが、適宜の長さを有する螺軸と、この螺軸の両端側にダブルナットなどによって軸方向へ調節移動し得るように、略L字形状を呈する接続部材を備えるなどによって、長さを適宜調節し得るように筋交いを構成することもできる。
また、係止凹部35を備えている筋交い31の上部側にはストッパー36が備えられている。このストッパー36の回転部にはバネ材37が備えられている。これにより、係止凹部35を係止ピン34に係止させて筋交い31の上部側を前後の折り畳み枠部9,10の各支柱枠11,12に連結させた状態において、その連結状態が不用意に離脱しないようにしている。
≪収容タンクの構成≫
ここでは、図1を適宜参照しながら説明する。
以上のように構成されている本実施形態に係る機枠A内に吊持される収納タンクBは、テント地などの丈夫でかつ表面が滑らかなシート材を用いて縫製することにより、上部開口で、下部には送出し器に接続される下部開口を有する略漏斗形状に形成されている。
この収納タンク2は、図1に示すように、平面視で略矩形形状に開口する上部開口の長辺両側および短辺前後の各開口縁部から機枠1の長辺中間枠14および短辺中間枠30にそれぞれ対応する位置の間を構成する垂直面2aと、この垂直面2aの下端縁から収納タンク2の最底部中央に開口されている下部開口との間を連絡する略漏斗形状の傾斜面部2bとを備えて形成されている。
つまり、この収納タンク2は、上部開口から投入される米や麦などの穀物を、前記した略漏斗形状の傾斜面部2bを利用して最底部中央の下部開口へと流下集合させ、この下部開口から送出し器3に供給するように形成されているものである。
そして、収納タンク2は、上部開口の長辺両側および短辺前後の各開口縁部の外周に沿って、タンク吊持部1−2の長辺線状部材13および短辺上部枠29をそれぞれ挿通させて吊持させるための略筒形状を呈する吊り部38を周設している。また、この吊り部38から下側へ所定寸法ずれた収納タンク2の外周面に沿って、吊り部38と同様に略筒形状を呈する吊り部39を周設し、この吊り部39にタンク吊持部1−2の長辺中間枠14および短辺中間枠30をそれぞれ挿通させて吊持させるように形成されている。
なお、両吊り部38,39は、収納タンク2を形成するシート材を用いて形成されている。
この収納タンク2は、機枠1のタンク吊持部1−2をベース部1−1の上に枠組みするときに、タンク吊持部1−2を構成する左右両側の長辺線状部材13および長辺中間枠14、そして、前後の短辺上部枠29および短辺中間枠30をそれぞれの各吊り部38,39に夫々挿通させることによって、フレキシブルな収納タンク2を機枠1内に、所定形状に展開させた状態で吊持させることができるものである(図1参照)。
また、本実施形態では、図1に示すように、機枠1を構成するベース部1−1の長辺枠材7に、ベース部1−1の上に折り畳んだ前後の折り畳み枠部9,10の折り畳み状態を、前記した連結機構18の連結ピン18aを利用して保持させるための保持ブラケット40を備えている(後記の図8参照)。
保持ブラケット40は、長辺枠材の断面形状よりも二回りほど大きめに金属製の帯板材によって断面が略L字形状に形成されている。
そして、この保持ブラケットは、ベース部の上に重なり合うように折り畳まれる前後の折り畳み枠部9,10の一方または双方の連結機構18の連結ピン18aが位置する長辺部材の長さ方向の途中部位に溶接などによって取り付けられて、前後の折り畳み枠部9,10の一方または双方が、連結機構18の連結ピン18aとの係脱自在に係合されるように形成されている。
これにより、後記する図9のように、左右一対のコンテナスタンドBによって穀物用コンテナAを回転可能に支持させたときに、ベース部1−1の上に重なり合うように折り畳まれる前後の折り畳み枠部9,10が、保管場所などへの移動中の不用意に起きたり、バタついたりしないように前後の折り畳み枠部9,10をベース部1−1に連結保持することができる。
なお、図示を省略しているが、ベース部1−1の上に重なり合うように折り畳まれる前後の折り畳み枠部9,10の一方または双方をベース部に連結保持させるための他の手段としては、ゴムバンドなどを用いることができる。
図7は、タンク吊持部の支柱枠から長辺長管枠の枠端部を取り外す手順を示す要部の拡大断面図であり、図8は、穀物用コンテナを折り畳んだ状態の側面図である。
つぎに、本実施形態に係る穀物用コンテナAの折り畳み方と、組み立て方について簡単に説明する。
まず、穀物の収穫が終了し、穀物用コンテナAを倉庫などの保管場所に保管するときの折り畳み方について説明すると、左右両側の長辺中間枠14の枠端部を、前後の折り畳み枠部9,10のそれぞれの左右の支柱枠11,12から取り外す(図7の(a)から(b)の状態)。
このとき、連結機構18の連結ピン18aを、弾発部材18bに抗して連結金具17の枠連結部17aから引き抜くことで行うことできる。引き抜いた連結ピン18aは、戻らないように、その操作部25を連結金具17の垂直辺部22に備えられているピン止め部23に引掛ける(図7の(b)の状態)。
前後の折り畳み枠部9,10から取り外した左右両側の長辺中間枠14は、収納タンクの吊り部30から引き抜いて、ベース部1−1の上に載せておく。
次に、前後の折り畳み枠部9,10の起立姿勢を保持している各筋交い31の傾斜上端を、左右の支柱枠11,12からそれぞれ取り外す。
このとき、筋交い31の傾斜上端側に備えられているストッパー36をバネ材37に抗して回動させることで、左右の支柱枠11,12に対する筋交い31の連結状態が解除され、筋交い31を左右の支柱枠11,12から簡単に取り外すことができる。左右の支柱枠11,12から取り外した筋交い31は、ベーブ部1−1の上に倒しておく。
このようにして、前後の折り畳み枠部9,10の起立姿勢を保持する筋交い31を取り外した後に、前側または後側のいずれか一方の折り畳み枠部9または10をベース部の上に倒すように折り畳んだ後に、もう一方の折り畳み枠部10または9を倒すように折り畳むことによって、タンク吊持部1−2をベース部1−1枠の上にコンパクトに折り畳むことができる(図8参照)。
なお、図示を省略しているが、前後の折り畳み枠部9,10のそれぞれの左右の支柱枠11,12から取り外し、収納タンクの吊り部30から引き抜いた左右両側の長辺中間枠14を、ベース部1−1の長辺枠材7などに係脱自在に備えておくことができるように工夫をすることが好適なものとなる。
つまり、長辺中間枠14を嵌め込み保管しておくことができるように、例えばバネ性を有する板材などを用いて断面視で略上向きコの字形状や略L字形状に形成した枠保持具を、ベース部1−1を枠組み構成する左右両側の長辺枠材7などにそれぞれ備えることが好適なものとなる。
一方、収穫に入るときの組み立てにおいては、前記した折り畳み手順を反対に行うことによって、収納タンク2を吊持しているタンク吊持部1−2をベース部1−1の上に組み立てることができる(図1および図2の状態)。
図9は、折り畳まれた穀物用コンテナを左右一対のコンテナスタンドに回転可能に支持させた状態を示す側面図である。ここでは、図1および図2を適宜参照しながら説明する。
そして、本実施形態では、図9に示すように、タンク吊持部1−2の前後の折り畳み枠部9,10を、ベース部1−1の上に折り畳んでコンパクト化された穀物用コンテナAを、左右一対のコンテナスタンドBで回転可能に支持させることで、保管場所となる倉庫まで走行移動させることが可能になる。
また、保管場所まで走行移動させて保管するときには、図示のように、穀物用コンテナAを垂直に立てかけるように回転させることで、特に、前後方向の占有スペースを極端に狭くすることができる。これにより、狭い収納スペースにて保管することができる。
つまり、本実施形態では、左右一対のコンテナスタンドBの支持ロッド41をそれぞれ抜き差し自在に連結させるためのスタンド連結部材42を、図1および図2に示すように、ベース部1−1の長辺両側の略中央部位にそれぞれ備えている。
左右一対のコンテナスタンドBは、図9に示すように、キャスタなどの車輪43を前後端部側に備えている水平杆部44と、この水平杆部44の中央部より適宜の高さにて立設される垂直杆部45と、から側面視で略逆向きT字形が構成されている。
そして、垂直杆部45は、水平杆部44に溶接などによって取り付けられる下部杆45aと、この下部杆45aに上下伸縮自在に連結される上部杆45bと、この上部杆45bと下部杆45aとの内部にわたり内設されて、上部杆45bを下部杆45aに対して上下に伸縮移動させるための昇降機構(図示省略)とを備えて構成されている。
なお、下部杆45aに対する上部杆45bの上下昇降移動は、上部杆45bの上端に備えられているハンドル46を正転、逆転させる回転操作によって行われるように構成されている。
なお、図9では、コンテナスタンドBの一方のみを示しているが、構造がまったく同じ構成のものがもう一方側にあり、ベース部1−1の長辺側左右において、コンパクトに折り畳まれた穀物用コンテナAを回転可能に支持することができるようになっている。
また、図示を省略しているが、コンテナスタンドBには、穀物用コンテナAをそれぞれの回転支持位置においてその回転を適宜止めるためのロック機構が備えられている。つまり、図9に二点鎖線で示すように、穀物用コンテナAをトラックなどの車両荷台に載せたり、荷台から降ろす場合の水平姿勢に、そして、図9に実線で示すように、コンパクトに折り畳まれた穀物用コンテナを立てかけた垂直姿勢にそれぞれ支持させる場合に、それらの姿勢を回転不能に支持するためのロック機構を備えている。
なお、本発明の実施形態の具体的な構成は、前記した実施形態に限られるものではなく、請求項1〜請求項3に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計において変更などがあっても本発明に含まれるものである。
例えば、ベース部1−1の短辺前後において折り畳み可能に枠組み立設される前後の折り畳み枠部9,10においては、短辺上部枠29に替えて、長辺線状部材13を短辺線状部材として用いることで、タンク吊持部1−2の左右両側と同じ構成とすることができる。
つまり、収納タンク2に貯溜される穀物の重さ(全荷重)を支えるのは、収納タンク2の吊り部39に挿入されて支柱枠11,12の間に架橋状に取り付けられる長辺中間枠14と短辺中間枠30であって、これらの上方位置において支柱枠11,12の上端部の間にわたり取り付けられる長辺線状部材13と短辺線状部材には穀物の重さは然程掛からないことから、短辺上部枠29に替えて短辺線状部材を用いることができる。
本実施形態に係る穀物用コンテナを示す側面図である。 収納タンクを取り外した状態を示す本実施形態に係る機枠を後側から見た背面図である。 タンク吊持部の支柱枠に対する長辺線状部材の連結構造を示す要部の拡大断面図である。 前後の支柱枠に対する長辺中間枠の連結構造を示す要部の拡大断面図である。 同連結構造を示す斜視図である。 前後の折り畳み枠部の起立姿勢を保持する筋交いを示す要部の拡大断面図である。 タンク吊持部の支柱枠から長辺長管枠の枠端部を取り外す手順を示す要部の拡大断面図である。 穀物用コンテナを折り畳んだ状態の側面図である。 折り畳まれた穀物用コンテナを左右一対のコンテナスタンドに回転可能に支持させた状態を示す側面図である。
符号の説明
A 穀物用コンテナ
1 機枠
1−1 ベース部
1−2 タンク吊持部
3 送出し部
4 移送ホース
5 ベース支柱
9,10 折り畳み枠部
11,12 支柱枠
13 長辺線状部材
14 長辺中間枠
17 連結金具
18 連結機構
18a 連結ピン
18b 弾発部材
20 ピン連結孔
21 ピン挿通孔
29 短辺上部枠
30 短辺中間枠
41 支持ロッド
42 スタンド連結部材
B コンテナスタンド

Claims (3)

  1. シート材により上部開口に形成される収納タンクと、この収納タンクを吊持させるための機枠と、この機枠のベース部に首振り回動可能に設置される送出し器と、を備えて、
    前記収納タンクの下部開口を前記送出し器に接続させて貯溜されている穀物を、タンクの外に送出すように構成されている穀物用コンテナであって、
    前記機枠は、四隅コーナーにベース支柱を備えて前後方向に長い平面視で略矩形形状に枠組み形成されるベース部と、
    このベース部の短辺前後および長辺両側に沿って囲繞状に枠組み立設されるタンク吊持部と、を備え、
    前記タンク吊持部は、前記ベース部の短辺前後においてそれぞれ隣り合う前記ベース支柱の上端にそれぞれ枢着されて、この枢着部を支点として起倒動自在に枠組み立設される前後の折り畳み枠部と、
    前記ベース部の長辺両側においてそれぞれ隣り合う前記前後の折り畳み枠部の支柱枠の上端部の間にわたり架橋状にそれぞれ取り付けられて、前記収納タンクの長辺開口縁部をそれぞれ吊持するための長辺線状部材と、
    この長辺線状部材よりも下方位置において、前記支柱枠の間にわたりそれぞれ架橋状で着脱自在に取り付けられて、前記収納タンクの長辺開口縁部側の途中部位を吊持するための長辺中間枠と、を備えて構成され、
    前記長辺中間枠を、前記前後の折り畳み枠部の前記支柱枠の間からそれぞれ取り外すことにより、前記前後の折り畳み枠部が前記収納タンクとともに前記ベース部の上に折り畳まれるように構成されていることを特徴とする穀物用コンテナ。
  2. 前記長辺中間枠の枠端部は、前記各支柱枠に取り付けられる連結金具に連結機構によって取り外し可能に連結されてなり、
    前記連結金具は、前記長辺中間枠の枠端部の断面形状と略同じ程度で内側に開口する断面視で略コの字形状に形成されているとともに、前記長辺中間枠の枠端部にそれぞれ開口されているピン連結孔と同軸線上に開口されたピン挿通孔を備え、
    前記連結機構は、前記ピン挿通孔の軸芯延長線上において前記連結金具内へ出没移動可能に配されて、前記ピン挿通孔から前記ピン連結孔にわたり貫通状に挿通される連結ピンと、この連結ピンを前記ピン挿通孔方向へ常時付勢するための弾発部材と、を備えて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の穀物用コンテナ。
  3. 前記ベース部は、左右一対のコンテナスタンドの支持ロッドをそれぞれ抜き差し自在に連結させるためのスタンド連結部材を、長辺両側の側面略中央部位にそれぞれ備えていることを特徴とする請求項1に記載の穀物用コンテナ。
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