JP4855114B2 - 釣り用重り - Google Patents

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本発明は釣糸等に取り付ける釣り用重りに係り、詳しくは、従来、「かみつぶし重り」と称される釣り用重りの改良に関する。
従来、釣糸等に取り付ける釣り用重りとして、「かみつぶし重り」と称される釣り用重りが知られており、略球状の鉛玉等からなる重りに断面が略V字状の挟持溝(割溝)を設け、この挟持溝に釣糸を挿入し、ペンチ等で重りを挟んでこの挟持溝を閉じることで、釣糸の途中に係止する構造となっている。
しかし、この重りは、一度閉じてしまうとなかなか挟持溝を開くことができず、また、開くことができても重りが変形したり重りにひびが生じる等、開閉操作で重りの閉じ力がなくなって繰り返しの開閉ができなくなる不具合が指摘されていた。
そこで、特許文献1には、前記挟持溝を閉じるのに大きな力を必要とせず、また、挟持溝を閉じた後、この挟持溝を容易に開くことができるように、挟持溝の背面側にスリットを設けた重りが開示されている。
また、特許文献2には、重りの外周縁に切欠円形状のバネを挟持溝と直交する角度に装着して、挟持溝をそのバネ力で閉じるようにした重りが開示されている。
而して、特許文献1の従来例によれば、挟持溝を閉じて釣糸に重りを係止した状態でスリットが開いた状態になるため、スリットの両側に力を作用させてスリットを閉じれば、挟持溝が開いて釣糸を重りから簡単に取り外すことができ、また、特許文献2の従来例にあっては、バネによって釣糸を強固に挟持して重りの脱落防止が図れる利点を有する。
特開2005−229940号公報 実公平4−55511号公報
しかし乍ら、特許文献1に開示された重りは、挟持溝の背面側にスリットを設けた結果、閉じた挟持溝を容易に開くことができる反面、長期に亘る使用で重りが変形したり重りにひびが生じる等、依然として従来と同様の課題が残されている。
一方、特許文献2に開示された重りは、挟持溝をバネで閉じるだけでバネ力に抗して挟持溝を開くことが難しく、バネを外さなければ挟持溝を開くことができず、また、挟持溝を開いた状態を維持できないため、釣糸の取付けや取り外し操作が面倒であるのが実情であった。
本発明は斯かる実情に鑑み案出されたもので、繰り返しの使用が可能で、また、釣糸への取付けや取り外しが容易に行える釣り用重りを提供することを目的とする。
斯かる目的を達成するため、請求項1に係る釣り用重りは、別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢する付勢部材を取り付け、前記挟持溝と開口部との間に、一方の挟持体側に形成された断面半円状の凹部と、他方の挟持体側に形成され、前記凹部に回動自在に嵌合する断面半円状の凸部とからなる両挟持体の回動支点部を設けたことを特徴とする。
そして、請求項2に係る釣り用重りは、別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢する付勢部材を取り付け、前記挟持溝と開口部との間に、両挟持体に対向して形成された断面半円状の凹部と、両凹部内に配置された回動支軸とからなる両挟持体の回動支点部を設けたことを特徴とする。
また、請求項3に係る釣り用重りは、別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢する付勢部材を取り付け、前記挟持溝と開口部との間の、開口部の開閉時に当接する両挟持体の接合端部を夫々アール状に形成して、当該両接合端部を両挟持体の回動支点部としたことを特徴とする。
更に、請求項4に係る釣り用重りは、別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、前記挟持溝と開口部との間の両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢するねじりコイルバネを挿着し、当該ねじりコイルバネを両挟持体の回動支点部としたことを特徴とする。
各請求項に係る発明によれば、従来に比し繰り返し使用することができると共に、釣糸への取り付けと取り外しが片手で容易にできる利点を有する。
また、一対の挟持体を別体に形成し、これらを回動支点部を中心に回動可能に連結して重り本体を形成したので、長期に亘る使用で重り本体が疲労することがなく、長期に亘って繰り返しの使用が可能である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2は請求項1の一実施形態に係る釣り用重り(かみつぶし重り)を示し、図中、11-2,13-2は鉄,ステンレス,真鍮,銅,タングステン,錫,ビスマスまたはこれらの合金等を用いて別体に製造された一対の断面略半円形状の挟持体11-2,13-2で、図示するようにこれらを向かい合わせて、釣り用重り3-2の球状の重り本体が形成されている。尚、本願にいう略球状には、紡錘形等の形状のものを含む。
そして、重り本体1-2の正面側に、釣糸5を挟持するための幅狭なスリット状の挟持溝(割溝)7が、重り本体1-2の上下方向に亘って両挟持体11-2間に形成されている。
一方、図1に示すように断面略半円形状に形成された両挟持体11-2、13-2の背面側は斜め方向に切り欠かれており、両挟持体11-2、13-2を向かい合わせると、重り本体1-2の背面側に、前記挟持溝7を開閉するための開口部9が、重り本体-2の上下方向に亘って両挟持体11-2間に断面V字状に形成されるようになっている。
そして、挟持溝7と開口部9の間に、一方の挟持体11-2の上下方向に亘って設けた断面半円状の凹部31内に、他方の挟持体13-2の上下方向に亘って突設した断面半円状の凸部33が回動自在に嵌合して回動支点部35が形成されており、当該回動支点部35は、挟持溝7を開閉する方向に両挟持体11-2,13-を回動させる支点となる部分である。
また、開口部9近傍の左右両側には、開口部9を閉じる際に指17を掛ける複数の突起状のツマミ19が上下に設けられており、斯かるツマミ19を利用して開口部9の両側を容易に片手で押圧でき、片手で挟持溝7の開く操作と閉じる操作の両方ができるようになっている。
更に、重り本体1-2(両挟持体11-2、13-2)の外周に沿って前記開口部9と交差する方向に溝21が設けられている。そして、当該溝21に、ステンレスやニッケル,チタン合金等のバネ鋼からなる平面視略C字状のリング部材23が嵌着されており、リング部材23の両端部25は内方へ折曲されて、挟持溝7近傍の重り本体1-2(両挟持体11-2、13-2)に設けられた左右の係止孔27に係止されている。
このリング部材23は、挟持溝7が閉じる方向に両挟持体11-2、13-2を押圧する付勢部材として機能し、図2に示すようにツマミ19に指17を掛け、リング部材23のバネ力に抗して開口部9の両側を矢印方向へ押圧して開口部9を閉じると、回動支点部35を支点として挟持溝7が開き、斯かる状態で指17をツマミ19から離す等して開口部9を閉じる力を解除すると、リング部材23の復元力で挟持溝7が回動支点部35を支点として閉じるようになっている。
尚、図示しないが複数のツマミ17はリング部材23の上下に配され、その中間にリング部材23が架け渡されている。
本実施形態はこのように構成されているから、釣り用重り3-2を釣糸5に取り付けるには、図に示すようにツマミ19に指17を掛けて、リング部材23のバネ力に抗して開口部9の両側を矢印方向へ押圧すれば、回動支点部35を中心に両挟持体11-2、13-2が同方向へ回動して開口部9が閉じられ、これに連動して挟持溝7が片手で簡単に開く。そして、指17で開口部9の両側を押圧している間、挟持溝7を開いた状態に維持できる。
而して、この状態で挟持溝7内に釣糸5を挿入した後、指17をツマミ19から離す等して開口部9を閉じる力を解除すれば、リング部材23の復元力で両挟持体11-2、13-2が回動支点部35を中心に逆方向へ回動して挟持溝7が閉じ、両挟持体11-2、13-2で釣糸5が挟持溝7内に挟持されて釣り用重り3-2が釣糸5に取り付くこととなる。
また、例えば釣糸5に対する釣り用重り3-2の取付位置を変える必要があったり、他の仕掛け等に取り付けるために釣糸5から釣り用重り3-2を取り外すには、再び、図の如くツマミ19に指17を掛け、リング部材23のバネ力に抗して開口部9の両側を矢印方向へ押圧して開口部9を閉じれば、挟持溝7が開いて釣糸5から釣り用重り3-2を簡単に取り外すことができる。
この後、指17をツマミ19から離せば、リング部材23の復元力で挟持溝7が閉じ、これを例えば他の仕掛けに取り付けるには、再度、図の如くツマミ19に指17を掛けて、以下、同様の手順を繰り返せばよい。
そして、これらの場合に於ても、回動支点部35が挟持溝7を開閉する方向に両挟持体11-2,13-を回動させる支点となる。
このように本実施形態に係る釣り用重り3-2によれば、特許文献1の従来例に比し繰り返し釣糸5の挟持と釣糸5からの取り外しができ、また、特許文献2の従来例に比し極めて容易に釣糸5への取り付けと取り外しが片手でできる利点を有する。
また、本実施形態は、一対の挟持体11-2,13-2を別体に形成してこれらを回動支点部35を中心に回動可能としたので、特許文献1の従来例に比し長期に亘る使用で重り本体1-2が金属疲労することがなく、長期に亘って繰り返しの使用が可能であるとともに、回動支点部35を中心に両挟持体11-2、13-2が回動するため、両挟持体11-2、13-2の動作がスムーズ且つスピーディである利点を有する。
図3及び図4は請求項2の一実施形態に係る釣り用重りを示し、本実施形態は、前記挟持体11-2、13-2と同様、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体11-3,13-3を、前記挟持体11-2,13-2と同一材料で別体に形成してこれらを向かい合わることで、正面側に挟持溝7が開口し、背面側に開口部9が開口する釣り用重り3-3の球状の重り本体1-3を形成している。
そして、挟持溝7と開口部9の間に、両挟持11-3,13-3の上下方向に亘って断面半円状の凹部37,39を設けると共に、両凹部37,39内に1本の丸棒状の回動支軸41を介在させて、両挟持体11-3、13-3の回動支点部43を形成したものである。
尚、その他の構成は図1の実施形態と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
本実施形態に係る釣り用重り3-3はこのように構成されており、当該釣り用重り3-3によっても、図の釣り用重り3-2と同様、容易に釣糸への取り付けと取り外しが片手でできると共に、一対の挟持体11-3,13-3を別体に形成してこれらを回動支点部43を中心に回動可能としたので、長期に亘る使用で重り本体1-3が疲労することがなく、長期に亘って繰り返しの使用が可能である。
5及び図6は請求項3の第一実施形態を示し、本実施形態も、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体11-4,13-4を、前記挟持体11-2,13-2と同一材料で別体に形成してこれらを向かい合わることで、正面側に閉じられた挟持溝7が形成され、背面側に開口部9が開口する釣り用重り3-4の球状の重り本体1-4を形成している。
そして、開口部9の開閉時に当接する両挟持11-4,13-4の接合端部45,47は、夫々、アール状に形成されており、両挟持11-4,13-4の互いの位置は、接合端部45,47が当接し乍ら挟持溝7が開閉する方向に回動するように変位し、本実施形態は斯かる接合端部45,47で両挟持体11-4,13-4の回動支点部49を形成している。
また、図7及び図8は請求項3の第二実施形態を示し、本実施形態は、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体11-5,13-5を前記挟持体11-4,13-4と同一材料で別体に形成してこれらを向かい合わることで、正面側に閉じられた挟持溝7が形成され、背面側に開口部9が開口する釣り用重り3-5の球状の重り本体1-5を形成している。
そして、本実施形態も、開口部9の開閉時に当接する両挟持11-5,13-5の接合端部51,53を夫々アール状に形成して、両接合端部51,53で回動支点部55を形成しているが、本実施形態は、図のリング部材23に代え、回動支点部55近傍の両挟持11-5,13-5にバネ鋼からなる1枚の板バネ57を埋設して、これを挟持溝7が閉じる方向に挟持11-5,13-5を押圧する付勢部材としたものである。
に、図9及び図10は請求項4の一実施形態を示し、本実施形態は、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体11-6,13-6を、1つのねじりコイルバネ59を用いて向かい合わせて連結することで、正面側に挟持溝7が開口し、背面側に開口部9が開口する釣り用重り3-6の球状の重り本体1-6を形成したもので、本実施形態では、開口部9の開閉時に両挟持11-6,13-6は当接せず、前記ねじりコイルバネ59が両挟持体11-6、13-6の回動支点部として機能するようになっている。
尚、図5乃至図10の各実施形態に於て、その他の構成は図1の実施形態と同様であるため、同一のものには同一符号を付してそれらの説明は省略する。
而して、これらの各実施形態によっても、図1の実施形態と同様、所期の目的を達成することが可能で、容易に釣糸への取り付けと取り外しが片手でできると共に、一対の各挟持体11-4,11-5,11-6,13-4,13-5,13-6を別体に形成してこれらを回動支点部49,55,ねじりコイルバネ59を中心に回動可能としたので、長期に亘る使用で重り本体1-4,1-5,1-6が疲労することがなく、長期に亘って繰り返しの使用が可能である。
請求項1の一実施形態に係る釣り用重りの断面図である。 釣糸への取付けまたは釣糸からの取外し方法を示す釣り用重りの断面図であ る。 請求項2の一実施形態に係る釣り用重りの断面図である。 釣糸への取付けまたは釣糸からの取外し方法を示す釣り用重りの断面図であ る。 請求項3の第一実施形態に係る釣り用重りの断面図である。 釣糸への取付けまたは釣糸からの取外し方法を示す釣り用重りの断面図であ る。 請求項3の第二実施形態に係る釣り用重りの断面図である。 釣糸への取付けまたは釣糸からの取外し方法を示す釣り用重りの断面図であ る。 請求項4の一実施形態に係る釣り用重りの断面図である。 釣糸への取付けまたは釣糸からの取外し方法を示す釣り用重りの断面図で ある。
符号の説明
1-2,1-3,1-4,1-5,1-6,1-7 重り本体
3-2,3-3,3-4,3-5,3-6,3-7 釣り用重り
5 釣糸
7 挟持溝
9 開口部
11-2,11-3,11-4,11-5,11-6,11-7,13,13-1,13-2,13-3,13-4,13-5,13-6,13-7 挟持体
35,43,49,55 回動支点部
19 ツマミ
23 リング部材
29 弾性体
41 回動支軸
57 板バネ
59 ねじりコイルバネ

Claims (4)

  1. 別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、
    両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢する付勢部材を取り付け、
    前記挟持溝と開口部との間に、一方の挟持体側に形成された断面半円状の凹部と、他方の挟持体側に形成され、前記凹部に回動自在に嵌合する断面半円状の凸部とからなる両挟持体の回動支点部を設けたことを特徴とする釣り用重り。
  2. 別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、
    両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢する付勢部材を取り付け、
    前記挟持溝と開口部との間に、両挟持体に対向して形成された断面半円状の凹部と、両凹部内に配置された回動支軸とからなる両挟持体の回動支点部を設けたことを特徴とする釣り用重り。
  3. 別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、
    両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢する付勢部材を取り付け、
    前記挟持溝と開口部との間の、開口部の開閉時に当接する両挟持体の接合端部を夫々アール状に形成して、当該両接合端部を両挟持体の回動支点部としたことを特徴とする釣り用重り。
  4. 別体に形成され、背面側が斜め方向に切り欠かれた一対の断面略半円形状の挟持体を向かい合わせて、正面側に釣糸を挿入させる挟持溝が形成され、背面側に当該挟持溝を開閉させる断面略V字状の開口部が開口する略球状の重り本体を形成するとともに、
    前記挟持溝と開口部との間の両挟持体間に、前記挟持溝を閉じる方向に付勢するねじりコイルバネを挿着し、当該ねじりコイルバネを両挟持体の回動支点部としたことを特徴とする釣り用重り。
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