JP4854763B2 - 高圧蒸気滅菌器 - Google Patents
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Description
詳しくは、チャンバーの開口部を開閉自在に塞ぐ蓋体のロック機構を改良した高圧蒸気滅菌器に関する。
さらに、特許文献1は、ロックピンの先端外周には凸状段部が形成されるとともに、ロック孔の内周にはその凸状段部が係合する凹状段部が形成されており、チャンバー内の高圧力で蓋体が開く方向に力が加わり、ロックピンがロック孔の内周に強く押し付けられた際にそれら段部同士が係合することでロックピンの摺動を規制して、チャンバー内が高圧の間は、その高圧力より大きな力で蓋体をチャンバー方向へ押し戻さない限り、蓋体を開くことができないようになっている。
しかし乍ら、このような従来の高圧蒸気滅菌器では、チャンバー内の圧力によりロックピンの凸状段部とロック孔の凹状段部とが押し付け合ってロックしているため、前述したようなチャンバー内の圧力が残っている場合、ある程度の力で蓋体をチャンバー方向へ押し戻すと、ロックピンの凸状段部とロック孔の凹状段部とのロックが解除されてロックピンが軸方向に移動可能になり、蓋体が開いてしまうおそれがあるという問題があった。
すなわち、本発明は、蓋体が確実に閉じた状態での運転開始と滅菌後の安全状態での蓋体の開放を可能にすること、簡単な構造で且つ小さな駆動力により確実にインターロックすること、などを目的とするものである。
したがって、蓋体が確実に閉じた状態での運転開始と滅菌後の安全状態での蓋体の開放を可能にすることができる。
その結果、誤作動や誤操作により蓋体が開いて高温の残留蒸気が噴出するような事故を完全に防止できて、安全性を高めることができる。
したがって、簡単な構造で且つ小さな駆動力により確実にインターロックすることができる。
本発明の実施形態に係る高圧蒸気滅菌器Aは、図1(a)(b)に示すように、被滅菌物が収納されるチャンバー1aを有する滅菌器本体1と、この滅菌器本体1に対し移動自在に取り付けられてチャンバー1aの開口部1bを開閉自在に覆う蓋体2bを有する開閉部材2と、この開閉部材2から滅菌器本体1へ向け回転自在に突出するロックピン3と、滅菌器本体1に設けられて蓋体2bの閉動に伴いロックピン3の軸方向先端が挿通されるロック孔4aと、ロックピン3の回転移動を規制するロック機構5と、このロック機構5の作動を制御する制御部6を主要な構成要素として備えている。
そして、作業者の操作により制御部6が運転を開始して、チャンバー1a内部への給水、ヒーター1cによる加圧昇温、高圧蒸気による被滅菌物の滅菌、排気などの処理を順次自動的に行うものである。
その他の例としては、アームなどを横長状に枠組みした枠状部と、この枠状部の外側を覆うカバー部とで支持体2aが構成され、枠状部の長手方向の略中央位置に、蓋体2bの中央に突設されたボスを軸着するなどして取り付けたり、滅菌器本体1の正面下縁に対し、支持体2aの下縁部を軸着するなどして開閉自在に支持したり、チャンバー1aの開口部1bの周縁にパッキン2cを着脱自在に取り付けることも可能である。
図示例では、回転操作部3aとしてハンドルを固着し、係止部3bとしてロックピン3の軸方向と直交する方向へ円柱軸を突出させて設けている。
ロック孔4aの周縁には、図3(a)(b)に示すように、ロックピン3を回転操作することで係止部3bと該ロックピン3の軸方向へ抜け不能に係合する掛止部4bが形成される。
この掛止部4bには、ロック孔4aを挿通したロックピン3の係止部3bと対向して、ロックピン3の軸方向へ徐々に突出する傾斜面4cと、該係止部3bが嵌合する凹溝4dを、ロックピン4の回転方向へ順次形成することが好ましい。
図示例の場合には、このストッパー5aが一対の円柱軸であり、これらストッパー5aの円柱軸をアーム5cの中間位置に連係し、このアーム5cの一端を支持体5dに対し回動自在に枢着して揺動自在に支持するとともに、アーム5cの他端には、駆動源5bとして設けられたソレノイドに磁気吸着される従動子5eを設けている。
さらに、ストッパー5aの円柱軸と、ロックピン3の係止部3bの円柱軸の軸方向両端部とを、ロックピン3の回転方向へ隣接するように配置している。
駆動源5bとして設けられたソレノイドは、後述する制御部6から出力される信号に基づいて通電され、従動子5eを磁気吸着することで、ストッパー5aの円柱軸をロックピン3の軸方向へ往復動自在に支持している。
そして、滅菌工程が完了し排気工程が進行してチャンバー1の内圧が大気圧に戻った時には、図3(a)の二点鎖線及び実線に示すように、上述した作動と逆に、ロック機構5のストッパー5aをロックピン3の係止部3bから離隔移動させるように作動制御している。
なお、排気工程の終了はブザーを鳴らすなどして作業者で知らせることが好ましい。
該係止部3bの位置検出用センサーは、回転操作部3aのハンドルの回転操作により、ロックピン3の係止部3bがロック孔4の掛止部4bと確実に係合するロック位置まで回転移動したか否かを検出するように構成されている。
該ストッパー5aの位置検出用センサーは、ロック機構5の駆動源5bの作動により、ストッパー5aの円柱軸がロックピン3の係止部3bと確実に当接するインターロック位置まで接近移動したか否かを検出するように構成されている。
先ず、電源スイッチ1eを入れ、蓋体2を開けて被滅菌物をチャンバー1a内に入れ、蓋体2を閉めると、図2(a)(b)に示すように、ロックピン3の係止部3bが、ロック孔4aに挿通される。
それにより、ロックピン3の係止部3bが逆回転不能に規制されて蓋体2をインターロックする。
このインターロック状態で運転開始、詳しくは滅菌工程が開始されるため、この滅菌工程中に作業者が誤って蓋体2を開けようとしても開かず、高圧蒸気が噴出する事故を防止できる。
したがって、簡単な構造で且つ小さな駆動力により確実にインターロックすることができる。
それにより、ロックピン3の回転規制が解除され、蓋体2のインターロックも解除されて、蓋体2を開けてチャンバー1a内の滅菌済みの被滅菌物を取り出すことができる。
1b 開口部 2 開閉部材
2b 蓋体 3 ロックピン
3b 係止部 4a ロック孔
5 ロック機構 5a ストッパー
6 制御部
Claims (2)
- 被滅菌物が収納されるチャンバーを有する滅菌器本体と、この滅菌器本体に取り付けられて前記チャンバーの開口部を開閉自在に覆う蓋体を有する開閉部材と、この開閉部材から前記滅菌器本体へ向け回転自在に突出するロックピンと、前記滅菌器本体に設けられて前記蓋体の閉動に伴い前記ロックピンの軸方向先端が挿通されるロック孔と、前記ロックピンの回転移動を規制するロック機構と、このロック機構の作動を制御する制御部とを備え、
前記ロックピンの軸方向先端には、該ロックピンが回転されることで前記ロック孔と軸方向へ抜け不能に係合する係止部を有し、
前記ロック機構は、前記ロック孔に係合された前記係止部へ向け接近及び離隔する方向へ移動するストッパーを有し、
前記制御部は、前記係止部が前記ロック孔に抜け不能に係合した後、前記ストッパーを前記係止部へ向け接近移動させて当接可能に配置するとともに、滅菌後で前記チャンバーの内圧が大気圧に戻った時に、前記ロック機構のストッパーを前記係止部から離隔移動させることを特徴とする高圧蒸気滅菌器。 - 前記ロックピンの係止部が該ロックピンの軸方向と直交する方向へ突出する円柱軸であり、前記ロック機構のストッパーを前記ロックピンの軸方向へ往復動自在に支持して、前記係止部の円柱軸と前記ロック機構のストッパーをロックピンの回転方向へ隣接するように配置したことを特徴とする請求項1に記載の高圧蒸気滅菌器。
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