JP4853765B2 - 電動機制御装置 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1においては、DC母線電圧に関して順次その電圧低下の度合いが大となる第一段と第二段と第三段との三種の制御用電圧を設定し、前記のDC母線電圧が停電の発生により低下して前記第二段の電圧設定値に至ればインバータに対する運転指令信号をOFFとして電動機の減速を行い、該減速に伴う電力回生によって前記DC母線電圧が増大に転じて前記第一段の電圧設定値に至れば前記運転指令信号を再びONとし、以後前記運転指令信号に対する上記の如きON・OFF制御を繰り返し前記DC母線電圧の降下率の低減を図ると共に、該直流中間電圧が前記第三段の電圧設定値よりも大であれば前記インバータによる前記電動機の運転を継続させるようにしている。
図3に交流電源を入力とし、複数個の2次巻線を有する変圧器と、2次巻線に夫々接続され、所望の周波数の単相交流電圧を出力する複数台の単相インバータ(30u1、30u2、30v1、30v2、30w1、30w2)を3グループに分割し、グループ毎にその出力を直列接続し、直列接続された一端を中性点Nとして接続し、他端から交流出力を得るように構成した3相インバータと、この3相インバータの出力を制御する制御部とを備えた直列インバータが示されている(特許文献2)。図4に単相インバータ30の構成図を示す。単相インバータ30はコンバータ部と平滑コンデンサと単相交流を出力する逆変換部から構成される。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、瞬時停電時にインバータのDC母線電圧検出をすることなしにDC母線電圧を維持し運転を継続することができるインバータを提供することを目的とする。また、単相インバータを直列多重結合したインバータの瞬時停電時の運転継続に適用できるようにすることにある。
交流電源を直流電圧に変換するコンバータ部(2)と前記コンバータ部電圧を可変電圧
・可変周波数の交流電圧に変換する逆変換部(4)と、交流電源正常時に速度指令を出力
する速度指令部(7)と力行運転時の電動側トルクリミット部(11)と回生運転時の回
生側トルクリミット部(9)と、速度制御回路(14)から出力されるトルク指令に所定
のトルク制限を与えるトルクリミット回路(15)と、トルク指令に応じて電流制御する
電流制御回路(16)と電圧指令演算回路(17)と前記逆変換部(4)へゲート信号を
出力するゲート信号生成回路(18)と、電動機速度を検出する速度検出回路(19)と
、停電検出回路(6)とを備え、交流電源の停電を検出すると電動機の減速を開始させ、
運転継続する電動機制御装置において、停電時に速度指令として零を出力する停電時速度指令部(8)と、停電時回生側トルクリミット演算回路(20)と、停電検出すると前記速度指令部(7)を前記停電時速度指令部(8)へ切替えると同時に前記回生トルクリミット部(9)を停電時回生側トルクリミット演算回路(20)へ切替える切替えスイッチ(12a、12b)とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項1において前記電動機制御装置が単相インバータを直列多重結合したインバータであることを特徴とするものである。
また、請求項1において前記速度制御回路(14)の入力前段にソフトスタータ部(13)を設けたことを特徴とするものである。
なお、ソフトスタータ部13出力は、インバータの加減速を決める機能(ソフトスタート)の出力である。ソフトスタータ部13の機能は、設定周波数(指令周波数)を入力し、設定された加減速レートに従った周波数を出力する機能である。指令周波数まで、加減速レートで分割された周波数が、スキャンレートごとに加算される積分器で構成することができる。ソフトスタータ部13は例えば、エレベータの起動、停止の際の衝撃をなくすために滑らかな速度指令パターン(S字パターン)を用いる場合に使用できる。
可変周波数・可変電圧の三相電圧を出力するための制御回路は、速度指令部7から出力される速度指令を加減速度を調整するソフトスタータ部13に入力しさらにその出力を速度制御回路14に入力してトルク指令を作り出している。
トルクリミット回路15は、電動運転時及び回生運転時別々にトルク指令を制限する回路である。トルクリミット回路15で制限されたトルク指令は電流制御回路16に入力され電圧指令の補正信号に変換され電圧指令演算回路17に入力される。電圧指令演算回路17にて可変周波数・可変電圧の三相電圧の電圧指令が演算される。こうして作り出された電圧指令はゲート信号生成回路18に入力されて逆変換回路4のIGBTを駆動するためのゲート信号に変換され逆変換回路4に入力される。逆変換回路4は本ゲート信号によりIGBTをスイッチングさせ可変周波数・可変電圧の三相電圧を電動機5へ出力する。
停電時回生側トルクリミット演算回路20は、速度検出器による直接検出あるいは出力電流検出値、出力電圧検出値から演算で求める間接検出といった手法により電動機の速度を検出する速度検出回路19の出力である速度検出値ωと、あらかじめ駆動電動機の内部損失PLOSSを設定してあるインバータ内部損失演算部10とを用いて停電時にDC母線電圧を維持するためのトルクリミット値TLを演算するものである。トルクリミット値TLは比例定数kを用いて
(1)式から求めることができる。求めたトルクリミット値TLはトルクリミット回路15へ出力される。許容できる損失は一定であるため、電動機の速度検出値ωの低下に反比例して停電発生時のトルクリミット値は大きくすることができる。また速度検出値ωに依存させずに停電発生時にも求めたトルクリミット値に固定することもできる。
本発明が従来技術と大きく異なる部分は、DC母線電圧を検出するDC母線電圧検出回路が存在せず、代わりに三相整流回路2の入力電圧を検出する検出回路を備えた部分と、
停電時運転継続させるための停電時速度指令部8、インバータ内部損失演算部10、停電時回生側トルクリミット演算回路20、切替スイッチ12a、12bを備えた部分である。
DC母線電圧を検出せず入力電圧の検出のみで運転継続することができるので、直列多重インバータにも複雑な電圧検出回路無しで適用できる。
2 三相整流回路
3 平滑コンデンサ
4 逆変換回路
5 電動機
6 停電検出回路
7 速度指令部
8 停電時速度指令部
9 回生側トルクリミット部
10 インバータ内部損失演算部
11 電動側トルクリミット部
12a、12b 切替スイッチ
13 ソフトスタータ部
14 速度制御回路
15 トルクリミット回路
16 電流制御回路
17 電圧指令演算回路
18 ゲート信号生成回路
19 速度検出回路
20 停電時回生側トルクリミット演算回路
21 入力電圧
22 DC母線電圧
23 停電検出回路出力信号
24 速度指令
25 電動機速度
26 トルクリミット回路が出力するトルク指令
27 速度検出器
28 制御回路
29 変圧器
30、30u1、30u2、30v1、30v2、30w1、30w2 単相インバータ
Claims (3)
- 交流電源を直流電圧に変換するコンバータ部(2)と前記コンバータ部電圧を可変電圧
・可変周波数の交流電圧に変換する逆変換部(4)と、交流電源正常時に速度指令を出力
する速度指令部(7)と力行運転時の電動側トルクリミット部(11)と回生運転時の回生側トルクリミット部(9)と、速度制御回路(14)から出力されるトルク指令に所定のトルク制限を与えるトルクリミット回路(15)と、トルク指令に応じて電流制御する電流制御回路(16)と電圧指令演算回路(17)と前記逆変換部(4)へゲート信号を出力するゲート信号生成回路(18)と、電動機速度を検出する速度検出回路(19)と
、停電検出回路(6)とを備え、交流電源の停電を検出すると電動機の減速を開始させ、運転継続する電動機制御装置において、
停電時に速度指令として零を出力する停電時速度指令部(8)と、停電検出すると前記速度指令部(7)を前記停電時速度指令部(8)へ切替えると同時に前記回生トルクリミット部(9)を停電時回生側トルクリミット演算回路(20)へ切替える切替えスイッチ(12a、12b)とを備えたことを特徴とする電動機制御装置。 - 前記電動機制御装置が単相インバータを直列多重結合したインバータであることを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
- 前記速度制御回路(14)の入力前段にソフトスタータ部(13)を設けたことを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
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