JP3695805B2 - 誘導電動機の制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導電動機の高効率駆動制御装置に係わり、特に力行と回生を行う誘導電動機の駆動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘導電動機の高効率駆動方法としては、例えば、特開平7−31178号公報および特願平5−207418号に記載されているものがある。この制御方法は、定常的には回転子磁束を与えられたトルク指令値において定常損失を最小とするように制御し、過渡的には磁束応答をトルク応答に応じた最適な値とすることによって、定常損失ならびに過渡損失を軽減するように構成したものである。
【0003】
具体的には、図7および図8示すとおりの構成である。図7はシステム全体の構成を示すブロック図、図8は図7における高効率駆動制御演算部1の詳細を示すブロック図である。
まず、図7において1は、高効率駆動制御演算部であり、例えば、電気自動車のアクセルペダル等の操作量に対応したトルク指令値Te’と回転速度センサ5で検出した電動機回転速度N(rpm)とを入力し、励磁電流指令値iΦ’、トルク電流指令値iT’および電流の位相角θを演算して出力する。また、2は座標変換部であり、電動機電源周波数で回転する座標系で演算された上記の励磁電流指令値iΦ’、トルク電流指令値iT’および電流の位相角θを三相交流電流指令値iu’、iv’、iw’に変換する。3は電流制御PWMインバータであり、誘導電動機4に流れる三相交流電流iu’、iv’、iw’をそれぞれの指令値に追従させる。5は誘導電動機4の回転速度を検出する回転速度センサ、6は電流制御PWMインバータ3に供給する直流電源である。
【0004】
次に、図8において、11は与えられたトルク指令値Te’において誘導電動機の定常損失を最小とする回転子磁束Φr’を演算する定常損失最小磁束演算部、14はトルク指令値Te’を入力とし、所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算する目標トルク演算部、12は定常損失最小磁束Φr’と目標トルク演算部14で用いられたローパス特性において、誘導電動機の過渡損失を最小となるローパス特性を有する伝達関数に基づいて目標磁束Φrおよび目標磁束の一階微分dΦr/dtを演算する目標磁束演算部、13は励磁電流演算部、15はトルク電流演算部、16はすべり周波数演算部、17は電動機回転数演算部、18は積分演算部である。つまり、定常損失最小磁束演算部11と目標磁束演算部12と目標トルク演算部14とを一般的なベクトル制御演算部に付加し、トルク応答性と磁束応答性とを独立に可変できる制御構成とすることにより、上記効果を達成するものである。
【0005】
ところで、電気自動車の場合、上記トルク指令値Te’は、アクセルペダルの操作量と前進/後退シフトスイッチとに応じて演算される。例えば、図9に示すトルク指令演算部20はアクセルペダルの操作量αに対応したトルクを演算する係数回路201、係数回路201の出力の符号を反転する反転回路202、前進/後退シフトスイッチ信号F/Rに応じて係数回路201あるいは反転回路202の出力のいずれかをトルク指令値Te’として出力するマルチプレクサ203とから構成される。ここでは、F/Rが0のとき前進、1のとき後退であり、マルチプレクサ203は、F/Rが0のとき係数回路201の出力を、1のとき反転回路202の出力を選択するものとしている。したがって、トルク指令演算部20はアクセルペダルの操作量に応じて、シフトスイッチが前進のとき正のトルク指令値Te’を、後退のとき負のトルク指令値Te’をそれぞれ出力することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、電動フォークリフトの走行用電動機には直流電動機が用いられてきたが、ブラシ等のメンテナンスが不要になることや電動機の効率が向上するという点で、誘導電動機が採用されるようになってきている。フォークリフトでは、例えば、前進力行中にシフトスイッチを後退側に入れて、回生制動で減速し、そのまま後退力行に移行するという電気自動車では通常されない操作を頻繁に行う。上記のような従来の誘導電動機の高効率駆動制御方法を用いて、このような操作を行った場合の動作を図10に示す。電動機の出力トルクはTeである。
【0007】
この例では、フォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からα1まで操作する。それに伴い、トルク指令値Te’は0からT1まで上昇する。目標トルクTmは、トルク指令値Te’に対して所定のローパス特性を有して0からT1まで立ち上がる。また、トルク指令値Te’の値T1に対する定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1であり、目標磁束Φrは、過渡損失を最小とするローパス特性を有して0からΦ1まで立ち上がる。そのとき、電動機の三相交流電流はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルクTm通りに制御されて、電動機回転速度Nは加速して行くことがわかる。
【0008】
次に、時刻t1において、アクセルペダルの操作量はα1のままで、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換える。すると、トルク指令値Te’は−T1となり、目標トルクTmは、所定のローパス特性を有してT1から−T1まで立ち下がる。また、トルク指令値Te’の値T1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電流はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。
【0009】
上記のように、目標トルクTmは、トルク指令値Te’に対してローパス特性を有する伝達関数の出力であるため、シフトスイッチF/Rを切り換えるトルク指令値Te’の極性が反転する際、目標トルクTmの極性がすぐには反転しない。そのため、車両が前進中に操作者が減速しようとしてシフトスイッチを切り換えても、しばらくは加速することになる。したがって、操作者の意図と異なる車両の動きを招き、また、応答性に対する不満を与えるという問題が生じる。
【0010】
また、上記問題は、フォークリフトのシフトスイッチ切り換え時のみに起こることではなく、一般の誘導電動機の駆動モードが力行から回生あるいは回生から力行へ移行する際に、つまりトルク指令値の極性が反転するときに起きるものである。
【0011】
本発明は、上記のごとき従来の問題を解決するためになされたものであり、定常ならびに過渡の損失を最小としつつ、力行から回生および回生から力行への移行を速やかに行う誘導電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては、トルク指令値と誘導電動機の回転速度に応じて電流指令値を算出し、その電流指令値に対応した多相交流電流で誘導電動機を駆動する誘導電動機の制御装置において、与えられたトルク指令値において誘導電動機の定常損失を最小とする回転子磁束を演算する定常損失最小磁束演算部と、上記定常損失最小磁束を入力し、ローパス特性を有する伝達関数に基づいて目標磁束および目標磁束の一階微分値を演算する目標磁束演算部と、上記トルク指令値を入力し、入力した該トルク指令値から所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクを演算して出力し、かつトルク指令値の極性が反転する際には、入力した上記トルク指令値の値を目標トルクとして出力する目標トルク演算部と、上記誘導電動機の回路常数に基づき、上記目標磁束と上記目標磁束の一階微分値と上記目標トルクと上記誘導電動機の回転速度とに応じて上記電流指令値を演算するベクトル制御演算部と、上記誘導電動機に流れる電流を上記電流指令値に追従させる電動機駆動部と、を備え、上記誘導電動機の出力トルクを上記目標トルクに対応した値とするように制御するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
(実施の形態)
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の実施の形態1を示す図であり、電動フォークリフトの走行用電動機システム全体の構成を示すブロック図は従来技術で説明した図7と同じであり、また図7のトルク指令値Te’を出力する指令演算部は図9と同じであるのでここでは省略する。図1は図7における高効率駆動制御演算部1の詳細を示すブロック図である。
【0015】
30はトルク指令値Te’の極性の変化を検出し、極性変化タイミング信号Cpを出力する極性変化検出部、31は伝達関数の入力としてトルク指令値Te’をリセット信号として極性変化タイミング信号Cpを、リセット時の出力初期値として0をそれぞれ入力とし、トルク指令値Te’に対して、所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算し、また、極性タイミング信号Cpが入力された際にこの伝達関数をリセットし、出力である目標トルクTmを0とする目標トルク演算部である。その他、従来技術で説明した図8と同じ番号のブロックは、機能が同じなのでここでの説明は省略する。
【0016】
次に作用を説明するが、本実施の形態1の特徴とする部分ついての図2に示す波形図に沿って詳細に説明する。
図2に示す波形図は、従来技術の説明と同じくフォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からα1まで操作した後、時刻t1において、アクセルペダルの操作量αをα1のまま、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えた場合のものである。
【0017】
時刻t1までは従来技術と同じであるが、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えると、図9のトルク指令演算部20の出力であるトルク指令値Te’はT1から−T1に変化する。すると、トルク指令値Te’の極性が変化するので、極性変化タイミング信号Cpが極性変化検出部30から出力される。したがって、目標トルク演算部31の伝達関数の出力は0にリセットされ、伝達関数の入力であるトルク指令値Te’の値は−T1であるので、目標トルクTmの値は0となり、それ以降、所定のローパス特性を有して0から−T1まで立ち下がる。また、トルク指令値Te’の値がT1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電動はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。このように、本実施の形態1では定常時および過渡時における回転子磁束の制御は従来技術と同じであり、つまり定常損失も過渡損失も最小となる。しかも、トルク指令値の極性が変化する際に、速やかに力行動作から回生動作に移行している。図10と図2において、時刻t1から回転速度Nが0となる時間は、明らかに本実施の形態1が短い。
なお、実施の形態1では、電動フォークリフトの前進走行中のシフトスイッチ切り換え時を例に挙げて説明したが、一般の誘導電動機が力行動作から回生動作、あるいは回生動作から力行動作に移行する際に、本発明の効果は得られる。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態2を示す図であり、実施の形態1の図1における目標トルク演算部31を目標トルク演算部32に変更したものである。目標トルク演算部32は伝達関数の入力としてトルク指令値Te’をリセット信号として極性変化タイミング信号Cpを、リセット時の出力初期値としてトルク指令値Te’をそれぞれ入力とし、トルク指令値Te’に対して所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算し、また、極性タイミング信号Cpが入力された際にこの伝達関数をリセットし、出力である目標トルクTmをその時点のトルク指令値Te’の値とするものである。
【0019】
次に作用を図4に示す波形図に沿って説明する。
図4に示す波形図は、実施の形態1の説明と同じくフォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からをα1ままで操作した後、時刻t1において、アクセルペダルの操作量αをα1のままで、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えた場合のものである。時刻t1までは実施の形態1と同じであるが、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えると、図9のトルク指令演算部20の出力であるトルク指令値Te’はT1から−T1に変化する。すると、トルク指令値Te’の極性が変化するので、極性変化タイミング信号Cpが極性変化検出部30から出力される。したがって、目標トルク演算部32の伝達関数の出力はその時点のトルク指令値Te’の値−T1にリセットされ、伝達関数の入力であるトルク指令値Te’の値は−T1であるので、目標トルクTmの値は−T1となり、それ以降、−T1のままである。また、トルク指令値Te’の値がT1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電動はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。
【0020】
このように、実施の形態2では定常時および過渡時における回転子磁束の制御は従来技術と同じであり、つまり定常損失も過渡損失も最小となる。しかも、トルク指令値の極性が変化する際に、速やかに力行動作から回生動作に移行し、かつトルク指令値Te’に対して電動機の出力トルクTeが速やかに追従している。図2と図4において、時刻t1から回転速度Nが0となる時間は、明らかに本実施例が短い。
なお、実施の形態2では、電動フォークリフトの前進走行中のシフトスイッチ切り換え時を例に挙げて説明したが、誘導電動機が力行動作から回生動作、あるいは回生動作から力行動作に移行する際に、本発明の効果は得られる。
【0021】
図5は、本発明の実施の形態3を示す図であり、実施の形態1の図1における目標トルク演算部31を目標トルク演算部33と出力初期設定部34に変更したものである。出力初期設定部34はトルク指令値Te’を入力とし、所定の演算によって出力初期値Tresを演算するもので、目標トルク演算部33は伝達関数の入力としてトルク指令値Te’を、リセット信号として極性変化タイミング信号Cpを、リセット時の出力初期値として出力初期値Tresをそれぞれ入力し、トルク指令値Te’に対して所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算し、また、極性タイミング信号Cpが入力された際にこの伝達関数をリセットし、出力である目標トルクTmをその時点の出力初期値Tresの値とするものである。
【0022】
次に作用を図6に示す波形図に沿って説明する。
図6に示す波形図は、実施の形態1と同じくフォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からをα1ままで操作した後、時刻t1において、アクセルペダルの操作量αをα1のままで、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えた場合のものである。時刻t1までは従来技術と同じであるが、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えると、図9のトルク指令演算部20の出力であるトルク指令値Te’はT1から−T1に変化する。すると、トルク指令値Te’の極性が変化するので、極性変化タイミング信号Cpが極性変化検出部30から出力される。したがって、目標トルク演算部33の伝達関数の出力はその時点の出力初期値Tresの値にリセットされる。いま、出力初期設定部34の演算内容を式1のようにすると、この時点での出力初期値Tresの値は−T1/2となるので、目標トルクTmの値は−T1/2となり、伝達関数の入力であるトルク指令値Te’の値は−T1であるので、それ以降、所定ローパス特性を有して−T1/2から−T1まで立ち下がる。また、トルク指令値Te’の値がT1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電動はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。
【0023】
Tres=Te’×0.5 …(式1)
このように、実施の形態3では、定常および過渡時における回転子磁束の制御は実施の形態1と同じであり、つまり定常損失も過渡損失も最小となる。しかも、トルク指令値の極性が変化する際に、速やかに力行動作から回生動作に移行しできる。また、移行する際の目標トルクをトルク指令値の関数とする事により、システムスイッチの切り換え時のトルク応答を設定することができる。
【0024】
なお、実施の形態3では、出力初期設定部34の関数を固定としていたが、実施の形態1においては、関数を例えば式2のごとくしたものであると考えられ、また、第2の実施例においては、関数を例えば式3のごとくしたものであると考えられる。
【0025】
Tres=Te’×0 …(式2)
Tres=Te’×1 …(式3)
すなわち、関数を可変とすることでシフトスイッチの切り換え時のトルク応答を可変にすることができる。例えば、フォークリフトの積載量によって可変することにより、操作者が体感する変速ショックを自動で調整することができる。
【0026】
以上説明したように本発明においては、トルク指令値の極性が反転する際に、目標トルクをトルク指令値の値とするようにしたので、力行から回生あるいは回生から力行への移行を速やかに行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における動作を示す波形図である。
【図3】本発明の実施の形態2における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態2における動作を示す波形図である。
【図5】本発明の実施の形態3における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態3における動作を示す波形図である。
【図7】従来例におけるシステム全体を示すブロック図である。
【図8】従来例における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図9】従来例におけるトルク指令演算部を示すブロック図である。
【図10】従来例における動作を示す波形図である。
【符号の説明】
11 定常損失最小磁束演算部
12 目標磁束演算部
13 励磁電流演算部
15 トルク電流演算部
16 すべり周波数演算部
17 モータ回転数演算部
18 積分演算部
30 極性変化検出部
31 目標トルク演算部
32 目標トルク演算部
33 目標トルク演算部
34 出力初期値設定部
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導電動機の高効率駆動制御装置に係わり、特に力行と回生を行う誘導電動機の駆動制御技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の誘導電動機の高効率駆動方法としては、例えば、特開平7−31178号公報および特願平5−207418号に記載されているものがある。この制御方法は、定常的には回転子磁束を与えられたトルク指令値において定常損失を最小とするように制御し、過渡的には磁束応答をトルク応答に応じた最適な値とすることによって、定常損失ならびに過渡損失を軽減するように構成したものである。
【0003】
具体的には、図7および図8示すとおりの構成である。図7はシステム全体の構成を示すブロック図、図8は図7における高効率駆動制御演算部1の詳細を示すブロック図である。
まず、図7において1は、高効率駆動制御演算部であり、例えば、電気自動車のアクセルペダル等の操作量に対応したトルク指令値Te’と回転速度センサ5で検出した電動機回転速度N(rpm)とを入力し、励磁電流指令値iΦ’、トルク電流指令値iT’および電流の位相角θを演算して出力する。また、2は座標変換部であり、電動機電源周波数で回転する座標系で演算された上記の励磁電流指令値iΦ’、トルク電流指令値iT’および電流の位相角θを三相交流電流指令値iu’、iv’、iw’に変換する。3は電流制御PWMインバータであり、誘導電動機4に流れる三相交流電流iu’、iv’、iw’をそれぞれの指令値に追従させる。5は誘導電動機4の回転速度を検出する回転速度センサ、6は電流制御PWMインバータ3に供給する直流電源である。
【0004】
次に、図8において、11は与えられたトルク指令値Te’において誘導電動機の定常損失を最小とする回転子磁束Φr’を演算する定常損失最小磁束演算部、14はトルク指令値Te’を入力とし、所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算する目標トルク演算部、12は定常損失最小磁束Φr’と目標トルク演算部14で用いられたローパス特性において、誘導電動機の過渡損失を最小となるローパス特性を有する伝達関数に基づいて目標磁束Φrおよび目標磁束の一階微分dΦr/dtを演算する目標磁束演算部、13は励磁電流演算部、15はトルク電流演算部、16はすべり周波数演算部、17は電動機回転数演算部、18は積分演算部である。つまり、定常損失最小磁束演算部11と目標磁束演算部12と目標トルク演算部14とを一般的なベクトル制御演算部に付加し、トルク応答性と磁束応答性とを独立に可変できる制御構成とすることにより、上記効果を達成するものである。
【0005】
ところで、電気自動車の場合、上記トルク指令値Te’は、アクセルペダルの操作量と前進/後退シフトスイッチとに応じて演算される。例えば、図9に示すトルク指令演算部20はアクセルペダルの操作量αに対応したトルクを演算する係数回路201、係数回路201の出力の符号を反転する反転回路202、前進/後退シフトスイッチ信号F/Rに応じて係数回路201あるいは反転回路202の出力のいずれかをトルク指令値Te’として出力するマルチプレクサ203とから構成される。ここでは、F/Rが0のとき前進、1のとき後退であり、マルチプレクサ203は、F/Rが0のとき係数回路201の出力を、1のとき反転回路202の出力を選択するものとしている。したがって、トルク指令演算部20はアクセルペダルの操作量に応じて、シフトスイッチが前進のとき正のトルク指令値Te’を、後退のとき負のトルク指令値Te’をそれぞれ出力することになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来、電動フォークリフトの走行用電動機には直流電動機が用いられてきたが、ブラシ等のメンテナンスが不要になることや電動機の効率が向上するという点で、誘導電動機が採用されるようになってきている。フォークリフトでは、例えば、前進力行中にシフトスイッチを後退側に入れて、回生制動で減速し、そのまま後退力行に移行するという電気自動車では通常されない操作を頻繁に行う。上記のような従来の誘導電動機の高効率駆動制御方法を用いて、このような操作を行った場合の動作を図10に示す。電動機の出力トルクはTeである。
【0007】
この例では、フォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からα1まで操作する。それに伴い、トルク指令値Te’は0からT1まで上昇する。目標トルクTmは、トルク指令値Te’に対して所定のローパス特性を有して0からT1まで立ち上がる。また、トルク指令値Te’の値T1に対する定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1であり、目標磁束Φrは、過渡損失を最小とするローパス特性を有して0からΦ1まで立ち上がる。そのとき、電動機の三相交流電流はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルクTm通りに制御されて、電動機回転速度Nは加速して行くことがわかる。
【0008】
次に、時刻t1において、アクセルペダルの操作量はα1のままで、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換える。すると、トルク指令値Te’は−T1となり、目標トルクTmは、所定のローパス特性を有してT1から−T1まで立ち下がる。また、トルク指令値Te’の値T1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電流はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。
【0009】
上記のように、目標トルクTmは、トルク指令値Te’に対してローパス特性を有する伝達関数の出力であるため、シフトスイッチF/Rを切り換えるトルク指令値Te’の極性が反転する際、目標トルクTmの極性がすぐには反転しない。そのため、車両が前進中に操作者が減速しようとしてシフトスイッチを切り換えても、しばらくは加速することになる。したがって、操作者の意図と異なる車両の動きを招き、また、応答性に対する不満を与えるという問題が生じる。
【0010】
また、上記問題は、フォークリフトのシフトスイッチ切り換え時のみに起こることではなく、一般の誘導電動機の駆動モードが力行から回生あるいは回生から力行へ移行する際に、つまりトルク指令値の極性が反転するときに起きるものである。
【0011】
本発明は、上記のごとき従来の問題を解決するためになされたものであり、定常ならびに過渡の損失を最小としつつ、力行から回生および回生から力行への移行を速やかに行う誘導電動機の制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明においては、トルク指令値と誘導電動機の回転速度に応じて電流指令値を算出し、その電流指令値に対応した多相交流電流で誘導電動機を駆動する誘導電動機の制御装置において、与えられたトルク指令値において誘導電動機の定常損失を最小とする回転子磁束を演算する定常損失最小磁束演算部と、上記定常損失最小磁束を入力し、ローパス特性を有する伝達関数に基づいて目標磁束および目標磁束の一階微分値を演算する目標磁束演算部と、上記トルク指令値を入力し、入力した該トルク指令値から所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクを演算して出力し、かつトルク指令値の極性が反転する際には、入力した上記トルク指令値の値を目標トルクとして出力する目標トルク演算部と、上記誘導電動機の回路常数に基づき、上記目標磁束と上記目標磁束の一階微分値と上記目標トルクと上記誘導電動機の回転速度とに応じて上記電流指令値を演算するベクトル制御演算部と、上記誘導電動機に流れる電流を上記電流指令値に追従させる電動機駆動部と、を備え、上記誘導電動機の出力トルクを上記目標トルクに対応した値とするように制御するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に基づいて説明する。
【0014】
(実施の形態)
以下、この発明を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施の実施の形態1を示す図であり、電動フォークリフトの走行用電動機システム全体の構成を示すブロック図は従来技術で説明した図7と同じであり、また図7のトルク指令値Te’を出力する指令演算部は図9と同じであるのでここでは省略する。図1は図7における高効率駆動制御演算部1の詳細を示すブロック図である。
【0015】
30はトルク指令値Te’の極性の変化を検出し、極性変化タイミング信号Cpを出力する極性変化検出部、31は伝達関数の入力としてトルク指令値Te’をリセット信号として極性変化タイミング信号Cpを、リセット時の出力初期値として0をそれぞれ入力とし、トルク指令値Te’に対して、所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算し、また、極性タイミング信号Cpが入力された際にこの伝達関数をリセットし、出力である目標トルクTmを0とする目標トルク演算部である。その他、従来技術で説明した図8と同じ番号のブロックは、機能が同じなのでここでの説明は省略する。
【0016】
次に作用を説明するが、本実施の形態1の特徴とする部分ついての図2に示す波形図に沿って詳細に説明する。
図2に示す波形図は、従来技術の説明と同じくフォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からα1まで操作した後、時刻t1において、アクセルペダルの操作量αをα1のまま、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えた場合のものである。
【0017】
時刻t1までは従来技術と同じであるが、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えると、図9のトルク指令演算部20の出力であるトルク指令値Te’はT1から−T1に変化する。すると、トルク指令値Te’の極性が変化するので、極性変化タイミング信号Cpが極性変化検出部30から出力される。したがって、目標トルク演算部31の伝達関数の出力は0にリセットされ、伝達関数の入力であるトルク指令値Te’の値は−T1であるので、目標トルクTmの値は0となり、それ以降、所定のローパス特性を有して0から−T1まで立ち下がる。また、トルク指令値Te’の値がT1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電動はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。このように、本実施の形態1では定常時および過渡時における回転子磁束の制御は従来技術と同じであり、つまり定常損失も過渡損失も最小となる。しかも、トルク指令値の極性が変化する際に、速やかに力行動作から回生動作に移行している。図10と図2において、時刻t1から回転速度Nが0となる時間は、明らかに本実施の形態1が短い。
なお、実施の形態1では、電動フォークリフトの前進走行中のシフトスイッチ切り換え時を例に挙げて説明したが、一般の誘導電動機が力行動作から回生動作、あるいは回生動作から力行動作に移行する際に、本発明の効果は得られる。
【0018】
図3は、本発明の実施の形態2を示す図であり、実施の形態1の図1における目標トルク演算部31を目標トルク演算部32に変更したものである。目標トルク演算部32は伝達関数の入力としてトルク指令値Te’をリセット信号として極性変化タイミング信号Cpを、リセット時の出力初期値としてトルク指令値Te’をそれぞれ入力とし、トルク指令値Te’に対して所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算し、また、極性タイミング信号Cpが入力された際にこの伝達関数をリセットし、出力である目標トルクTmをその時点のトルク指令値Te’の値とするものである。
【0019】
次に作用を図4に示す波形図に沿って説明する。
図4に示す波形図は、実施の形態1の説明と同じくフォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からをα1ままで操作した後、時刻t1において、アクセルペダルの操作量αをα1のままで、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えた場合のものである。時刻t1までは実施の形態1と同じであるが、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えると、図9のトルク指令演算部20の出力であるトルク指令値Te’はT1から−T1に変化する。すると、トルク指令値Te’の極性が変化するので、極性変化タイミング信号Cpが極性変化検出部30から出力される。したがって、目標トルク演算部32の伝達関数の出力はその時点のトルク指令値Te’の値−T1にリセットされ、伝達関数の入力であるトルク指令値Te’の値は−T1であるので、目標トルクTmの値は−T1となり、それ以降、−T1のままである。また、トルク指令値Te’の値がT1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電動はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。
【0020】
このように、実施の形態2では定常時および過渡時における回転子磁束の制御は従来技術と同じであり、つまり定常損失も過渡損失も最小となる。しかも、トルク指令値の極性が変化する際に、速やかに力行動作から回生動作に移行し、かつトルク指令値Te’に対して電動機の出力トルクTeが速やかに追従している。図2と図4において、時刻t1から回転速度Nが0となる時間は、明らかに本実施例が短い。
なお、実施の形態2では、電動フォークリフトの前進走行中のシフトスイッチ切り換え時を例に挙げて説明したが、誘導電動機が力行動作から回生動作、あるいは回生動作から力行動作に移行する際に、本発明の効果は得られる。
【0021】
図5は、本発明の実施の形態3を示す図であり、実施の形態1の図1における目標トルク演算部31を目標トルク演算部33と出力初期設定部34に変更したものである。出力初期設定部34はトルク指令値Te’を入力とし、所定の演算によって出力初期値Tresを演算するもので、目標トルク演算部33は伝達関数の入力としてトルク指令値Te’を、リセット信号として極性変化タイミング信号Cpを、リセット時の出力初期値として出力初期値Tresをそれぞれ入力し、トルク指令値Te’に対して所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクTmを演算し、また、極性タイミング信号Cpが入力された際にこの伝達関数をリセットし、出力である目標トルクTmをその時点の出力初期値Tresの値とするものである。
【0022】
次に作用を図6に示す波形図に沿って説明する。
図6に示す波形図は、実施の形態1と同じくフォークリフトが停止した状態かつシフトスイッチF/Rを前進位置の状態で、アクセルペダルの操作量αを0からをα1ままで操作した後、時刻t1において、アクセルペダルの操作量αをα1のままで、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えた場合のものである。時刻t1までは従来技術と同じであるが、シフトスイッチF/Rを後退位置に切り換えると、図9のトルク指令演算部20の出力であるトルク指令値Te’はT1から−T1に変化する。すると、トルク指令値Te’の極性が変化するので、極性変化タイミング信号Cpが極性変化検出部30から出力される。したがって、目標トルク演算部33の伝達関数の出力はその時点の出力初期値Tresの値にリセットされる。いま、出力初期設定部34の演算内容を式1のようにすると、この時点での出力初期値Tresの値は−T1/2となるので、目標トルクTmの値は−T1/2となり、伝達関数の入力であるトルク指令値Te’の値は−T1であるので、それ以降、所定ローパス特性を有して−T1/2から−T1まで立ち下がる。また、トルク指令値Te’の値がT1と−T1で絶対値が変わらないので、定常損失最小磁束Φr’の値はΦ1のままであり、したがって、目標磁束ΦrもΦ1のままである。電動機の三相交流電動はiuのように制御され、電動機の出力トルクTeも目標トルク通りに制御されて、電動機回転速度Nは減速していく。ここで、回転速度Nが正の領域は回生制御を行い、負の領域は力行を行っている。
【0023】
Tres=Te’×0.5 …(式1)
このように、実施の形態3では、定常および過渡時における回転子磁束の制御は実施の形態1と同じであり、つまり定常損失も過渡損失も最小となる。しかも、トルク指令値の極性が変化する際に、速やかに力行動作から回生動作に移行しできる。また、移行する際の目標トルクをトルク指令値の関数とする事により、システムスイッチの切り換え時のトルク応答を設定することができる。
【0024】
なお、実施の形態3では、出力初期設定部34の関数を固定としていたが、実施の形態1においては、関数を例えば式2のごとくしたものであると考えられ、また、第2の実施例においては、関数を例えば式3のごとくしたものであると考えられる。
【0025】
Tres=Te’×0 …(式2)
Tres=Te’×1 …(式3)
すなわち、関数を可変とすることでシフトスイッチの切り換え時のトルク応答を可変にすることができる。例えば、フォークリフトの積載量によって可変することにより、操作者が体感する変速ショックを自動で調整することができる。
【0026】
以上説明したように本発明においては、トルク指令値の極性が反転する際に、目標トルクをトルク指令値の値とするようにしたので、力行から回生あるいは回生から力行への移行を速やかに行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態1における動作を示す波形図である。
【図3】本発明の実施の形態2における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態2における動作を示す波形図である。
【図5】本発明の実施の形態3における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施の形態3における動作を示す波形図である。
【図7】従来例におけるシステム全体を示すブロック図である。
【図8】従来例における高効率駆動制御演算部を示すブロック図である。
【図9】従来例におけるトルク指令演算部を示すブロック図である。
【図10】従来例における動作を示す波形図である。
【符号の説明】
11 定常損失最小磁束演算部
12 目標磁束演算部
13 励磁電流演算部
15 トルク電流演算部
16 すべり周波数演算部
17 モータ回転数演算部
18 積分演算部
30 極性変化検出部
31 目標トルク演算部
32 目標トルク演算部
33 目標トルク演算部
34 出力初期値設定部
Claims (1)
- トルク指令値と誘導電動機の回転速度に応じて電流指令値を算出し、その電流指令値に対応した多相交流電流で誘導電動機を駆動する誘導電動機の制御装置において、
与えられたトルク指令値において誘導電動機の定常損失を最小とする回転子磁束を演算する定常損失最小磁束演算部と、
上記定常損失最小磁束を入力し、ローパス特性を有する伝達関数に基づいて目標磁束および目標磁束の一階微分値を演算する目標磁束演算部と、
上記トルク指令値を入力し、入力した該トルク指令値から所定のローパス特性を有する伝達関数に基づいて誘導電動機の目標トルクを演算して出力し、かつトルク指令値の極性が反転する際には、入力した上記トルク指令値の値を目標トルクとして出力する目標トルク演算部と、
上記誘導電動機の回路常数に基づき、上記目標磁束と上記目標磁束の一階微分値と上記目標トルクと上記誘導電動機の回転速度とに応じて上記電流指令値を演算するベクトル制御演算部と、
上記誘導電動機に流れる電流を上記電流指令値に追従させる電動機駆動部と、を備え、
上記誘導電動機の出力トルクを上記目標トルクに対応した値とするように制御する誘導電動機の制御装置。
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