JP5769764B2 - 交流直流変換装置、電動機駆動装置、圧縮機駆動装置、空気調和機、ヒートポンプ式給湯機 - Google Patents
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また、高速な制御処理を行うために、処理性能の高いマイコンや専用IC(Integrated Circuit)を用いてアナログ制御を行うので、周辺回路構成が複雑となり、回路コストが増加する。
したがって、機種数の多い製品への適用するには、開発期間が長くかかり、また各パラメータを記憶するための容量も多く必要である。
これにより、リアクタに流れる電流を正弦波状に制御することができるので、リアクタを小型化することができる。
図1は、本発明の実施の形態1に係る交流直流変換装置100の回路図である。
図1の回路は、交流電源1、整流器2、第1スイッチング手段3、第2スイッチング手段4、リアクタ5、第1コンデンサ6、第2コンデンサ7、直流負荷8、第1ダイオード10、第2ダイオード11、第1抵抗12、第2抵抗13、制御手段20、第1電圧検出器21、第2電圧検出器22、実効値演算部23を備える。
整流器2は、交流電源1の交流電力を直流に整流する。
第1スイッチング手段3は、一端が整流器2の一方の入力端子に接続され、もう一端が第1コンデンサ6と第2コンデンサ7の接続点に接続されている。
第2スイッチング手段4は、一端が整流器2の他方の入力端子に接続され、もう一端が第1コンデンサ6と第2コンデンサ7の接続点に接続されている。
第1コンデンサ6は、整流器2の一方の出力端子に接続されている。
第2コンデンサ7は、整流器2の他方の出力端子に接続されている。
直流負荷8は、整流器2の出力に接続されている。
第1ダイオード10は第1コンデンサ6と並列に、第2ダイオード11は第2コンデンサ7と並列に接続されている。
第1抵抗12は第1コンデンサ6と並列に、第2抵抗13は第2コンデンサ7と並列に接続されている。
第1ダイオード10および第2ダイオード11は、第1コンデンサ6および第2コンデンサ7と極性が逆になっており、いわゆる逆並列状態で接続されている。
第2スイッチング手段4は、同様にIGBT4aとダイオード整流器4bから構成される双方向スイッチング手段である。
制御手段20は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPU(Central Processing Unit)のような演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
第2電圧検出器22は、交流電源1の電圧を検出し、検出結果を制御手段20に出力する。
実効値演算部23は、その機能を実現する回路デバイスのようなハードウェアで構成することもできるし、マイコンやCPUのような演算装置とその動作を規定するソフトウェアで構成することもできる。
次に、本実施の形態1に係る交流直流変換装置100の動作を、従来技術と比較しながら説明する。
ここでは、上記特許文献3に記載のように、第1スイッチング手段3は電源半周期毎に1パルスの短絡動作を行い、第2スイッチング手段4は全波整流と倍電圧整流を切り替えるために配置されている場合の例を示した。
図2(a)は電源電圧波形、図2(b)は入力電流波形、図2(c)は第1スイッチング手段3の動作波形である。
これは、電源電圧のゼロクロス点(図2(a)の黒点)から所定の遅延時間Tdlが経過した後に、所定の時間幅Tonだけ第1スイッチング手段3をONさせることにより、第1スイッチング手段3に電流が流れ、尖った電流が加算されることによる。
第2スイッチング手段4により、交流直流変換装置は、直流負荷8に印加される出力直流電圧の電圧値を、全波整流による電圧を基準にするか、それとも倍電圧整流による電圧を基準にするかの基準レベルを2つ持つことができる。これにより、出力電圧の制御範囲を広くすることができる。
一方、本実施の形態1に係る交流直流変換装置では、第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4の動作目的は同じである。以下、本実施の形態1に係る交流直流変換装置の動作について説明する。
交流直流変換装置100の動作は、図3の仮想交流電源9がリアクタ5に直列接続されているものとして等価的に取り扱うことができる。即ち、第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4は、交流直流変換装置100が仮想交流電源9と等価となるように動作する。
上記(式5)から、以下のことが言える。
また、入力電流と交流電源1の位相差がゼロとなると、電源力率は100%となる。
したがって、仮想交流電源の電圧振幅V2と位相差φを適切に制御して正弦波状の電圧Vcを出力することにより、入力電流の高調波を抑制するとともに、力率を向上することができるのである。
以下、電圧Vcを略正弦波状とするための第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4の動作について説明する。
電圧Vcは、第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4の動作により、図4に示す電圧0、V0/2、V0の3レベルの出力状態をとる。逆極性も同様である。なお、V0は直流負荷8に印加される出力直流電圧である。
この3レベルの出力状態をとる際の第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4の動作について、次の図5で説明する。
図5(a)の状態では、第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4が同時にONされている。この状態では、整流器2の入力端子間が短絡されたことになり、電圧Vc=0となる。図4(1)の区間がこれに相当する。
図5(b)の状態では、第1スイッチング手段3はON、第2スイッチング手段4はOFFとなっている。この状態では、整流器2の入力端子間電圧Vcは第2コンデンサ7の両端電圧と等しい。
したがって、電圧Vcは出力直流電圧V0の半分となり、Vc=V0/2となる。図4(2)の区間がこれに相当する。
図5(c)の状態では、第1スイッチング手段3はOFF、第2スイッチング手段4はONとなっている。この状態では、整流器2の入力端子間電圧Vcは第1コンデンサ6の両端電圧と等しい。
したがって、電圧Vcは出力直流電圧V0の半分となり、Vc=V0/2となる。図4(2)の区間がこれに相当する。
図5(d)の状態では、第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4が同時にOFFされている。この状態では、整流器2は全波整流状態となる。
したがって、整流器2の入力端子間電圧Vcは第1コンデンサ6と第2コンデンサ7の両端電圧と等しくなり、電圧Vc=V0となる。図4(3)の区間がこれに相当する。
この3レベルの電圧状態のタイミングを適切に制御することにより、図4の区間(1)〜(3)のような電圧波形を生成し、Vcを略正弦波状で出力することができる。
以上説明したように、本実施の形態1では、従来技術よりも出力電圧レベルを多段化(0、V0/2、V0の3レベル化)することにより、スイッチング周波数を下げるとともに、高調波電流を抑制してリアクタ5を小型化することを図っている。
これにより、スイッチング周波数を低周波にしつつ、従来技術のように電源半周期に対して1回または数回スイッチング手段を動作させる手法と比較して、リアクタ5を小型化することができる。
これにより、高周波PWM制御を行うときのようなノイズ対策のためのコスト上昇を抑えることができる。
これは、コンバータ電圧Vcを正弦波状に出力するのみで、入力電流の制御を実行することなく入力電流を略正弦波状に制御可能であることに起因する。即ち、入力電流制御を行わないので、高周波な制御動作が不要となるからである。
実施の形態1では、コンバータ電圧Vcを略正弦波状に出力することにより、入力電流を略正弦波状として高調波を抑えることを説明した。
本発明の実施の形態2では、交流直流変換装置100の出力直流電圧V0の値を制御することについて説明する。なお、交流直流変換装置100の回路構成は実施の形態1と同様である。
これらの状態のように、一方のスイッチング手段のみがONする状態の割合、換言するとVc=V0/2となる割合を適切に制御することにより、出力直流電圧V0の値を、全波整流で得られる直流電圧値以上の値に制御することができる。
スイッチング手段のON/OFFタイミングは位相角に応じて無限に設定することが可能であるため、演算により求める解の候補は無限に存在する。その前提の下で出力直流電圧V0を所望値にするためのON/OFFタイミングを求めることは、事実上非常に困難であった。
しかし、高調波を抑制することに加えて、出力直流電圧V0を所望値にすることのできるON/OFFタイミングを探索する手法までは見出されていない。
さらには、動作する負荷条件が変化する製品や、機種数が多い製品では、このように無限に存在するON/OFFタイミングから最適な解を探索する手法は、実用化しにくい。
リアクタ5の影響により、交流電源1の電圧Vsに対し、リアクタ電流Iは遅れ位相となる。リアクタ電流Iに直交するように、リアクタ5における電圧降下jωLIが発生する。整流器2の入力端子間電圧Vc、即ちコンバータ電圧Vcと電圧降下jωLIをベクトル加算することにより、交流電源1の電圧Vsと一致する。
即ち、コンバータ電圧Vcの交流電源1に対する遅れ位相φが下記(式6)となるように、コンバータ電圧Vcの位相角を制御すればよい。
PI制御器には、直流電圧の指令値と、第1電圧検出器21による直流電圧の検出値V0との差分が入力される。PI制御器の出力は、電流指令値I*である。
電流指令値I*を上記(式6)(式7)に代入し、位相角φと振幅V2を算出することができる。
次に、交流電源1の変動に対応する手法について説明する。
この現象について、次の図8を用いて説明する。
図8(a)は電圧Vsが定格電圧Vaより大きくなっている場合、図8(b)は電圧Vsが定格電圧Vaより小さくなっている場合のベクトル図を示す。
図8(b)の状態では、入力電流Iは進み位相になり、同様に力率=1で制御することができなくなっている。
即ち、入力電流Iが遅れ位相や進み位相になると、力率が低下することが分かる。
しかし、本実施の形態2に係る交流直流変換装置100は、図3の原理に基づき、各値のベクトル関係が図6(b)となるように制御を行うため、交流電源1の電圧変動による力率低下は、交流電源1の電圧Vsを検出するのみで対処することができる。
そこで、実効値演算部23は、第2電圧検出器22の検出値に基づき、交流電源1の電圧実効値を算出し、制御手段20はその算出値を制御に使用する。
このとき、位相角φを交流電源1の位相に同期させるため、PLL(Phase Locked Loop)回路等を用いてもよい。これにより、位相角φの精度を向上させ、高調波電流をさらに低減することができる。
決定したコンバータ電圧Vcに基づき第1スイッチング手段3および第2スイッチング手段4のON/OFFタイミングを定める手法としては、例えば一般的なユニポーラ変調を用いることができる。
負極側の絶対値をとれば正極側と一致するので、同図の変調信号はユニポーラ変調方式であるといえる。
図9(c)は、第1スイッチング手段3のON/OFFタイミングである。Hi側がON、Lo側がOFFである。
図9(c)と同様にして、第2スイッチング手段4のON/OFFタイミングである図9(d)の波形が得られる。
しかし、図9(c)(d)はHi側がスイッチング手段のONであるため、説明を分かり易くするように、Hiを0、Loを1として加算する。
すると、図9(e)のチョッピングされたコンバータ電圧Vcが得られる。
次に、第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4のON/OFFタイミングの配分について説明する。
同図の回路構成は、コンデンサを2個直列接続しており、図5(b)(c)の状態では片側のコンデンサのみが充電されることになる。
なお、スイッチング手段の動作タイミングをバランスよく配分することができれば、その他の変調方式、例えばバイポーラ変調やダイポーラ変調、ノコギリ波変調などの変調方式を用いてもよい。
次に、第1ダイオード10と第2ダイオード11について説明する。
このとき、直流負荷8は直列に接続された第1コンデンサ6と第2コンデンサ7から一様に電荷を消費する。もし第1コンデンサ6と第2コンデンサ7の容量にバラツキがあると、一方のコンデンサの電荷が消費されても、もう一方のコンデンサに電荷が残っているので、出力直流電圧V0は0にならない。
そこで、第1ダイオード10と第2ダイオード11を各コンデンサと逆並列に接続することにより、負電圧の印加量がダイオードの順方向電圧降下分を超えることを抑制する。
これにより、コンデンサの故障を防ぎ、信頼性を向上させることができる。
これにより、交流電源1の電圧が変動しても力率改善効果を維持することができる。
図10は、本発明の実施の形態3に係る交流直流変換装置100の回路図である。
図10の回路では、スイッチング手段の構成を、図1の回路構成から変更した。その他の構成は図1と同様である。
図10の回路では、単方向通流スイッチング素子であるIGBT3aと4aは、ダイオード整流器14の機能により、図1で説明した双方向スイッチング手段と等価の動作を行うことができる。
したがって、図10の回路構成においても、実施の形態1〜2で説明したものと同様の制御動作を行うことができる。
これにより、交流直流変換装置100の変換効率を向上させることができる。
本発明の実施の形態4では、スイッチング手段のオン電圧降下を補正する制御動作について説明する。
図11の左段には、図7で説明した制御ブロック(図示せず)が接続されており、図11の制御ブロックには図7の制御ブロックが出力する位相角φと振幅V2が入力される。
以下、図11の制御ブロックの働きについて説明する。
半導体がONするときに、オン電圧降下が発生するため、実際には各コンデンサの両端電圧以下の電圧がコンバータ電圧Vcとして出力される。
具体的には、オン電圧降下分を補正した電圧と、出力直流電圧V0との比を求め、コンバータ電圧Vcのsinカーブに乗算することにより、コンバータ電圧の電圧指令値を求めることができる。
以上の制御演算は、図11の左半分の制御ブロックで表される。
次に、本実施の形態4に係る交流直流変換装置100の起動手順について説明する。まず始めに突入電流の抑制について説明し、その後に出力直流電圧の急激な上昇を抑制することについて説明する。
このとき、第1スイッチング手段3と第2スイッチング手段4をONさせると、第1コンデンサ6と第2コンデンサ7に充電電流が流れる。この充電電流は、交流直流変換装置100の起動時に大きな突入電流となる。
この大きな電流は、第1スイッチング手段3または第2スイッチング手段4のいずれか片方がONし、全波整流状態から倍電圧整流状態に整流状態が変化することで発生する突入電流であると考えられる。
以下、オン電圧降下補正電圧を用いて突入電流を抑制する手法について説明する。
図5(d)(h)は各スイッチング手段がOFFとなっており、全波整流状態でコンデンサに電流が流れる状態である。
これにより、突入電流の発生を抑えることができる。
次に、出力直流電圧の急激な上昇を抑制する手法について説明する。
出力直流電圧V0を上昇させるためには、位相差φを遅らせるとよいので、交流直流変換装置100の起動後は位相差φを遅らせるように制御を行うことになる。このとき、出力直流電圧が急激に上昇し、制御系がハンチングする場合がある。
これにより、直流負荷8が軽負荷・重負荷のいずれであっても、起動後の急激な出力直流電圧の上昇を抑制してソフトな起動を実現することができる。
また、起動後はオン電圧降下補正電圧を通常通り正の値とすることにより、起動時はソフトな起動を実現しつつ、起動後は上述の力率改善効果を発揮することができる。
図12は、本発明の実施の形態5に係る交流直流変換装置100の回路図である。
図12の回路は、図1で説明した回路構成における第2電圧検出器22と実効値演算部23に代えて、電流検出器24とゼロクロス検出器25を備える。
本実施の形態5では、これに代えて電流検出器24を用いて入力電流を検出し、その検出結果を用いて力率低下に対処する。
交流電源1の電圧波形がsin関数で表されると仮定すると、ゼロクロス検出器25の検出結果を用いて、瞬時位相角θのゼロクロス点を検出することができる。
この位相角からcosθを算出し、入力電流に乗算すると、交流電源1の入力電流の無効成分を求めることができる。
しかし、電流の無効成分は進み位相と遅れ位相で符号が変わるため、補正電圧の極性を容易に求めることができる。
図13は、本発明の実施の形態6に係る交流直流変換装置100の回路図である。
図13の回路は、実施の形態5の回路構成と異なり、第2電圧検出器22と電流検出器24を併用する。
これにより、第2電圧検出器22と電流検出器24のいずれかに例えば5〜10%程度の検出バラツキがあったとしても、次の図14で説明する制御ブロックにより、力率低下を抑制することができる。
図14に示すように、本実施の形態6では、電源電圧の変動に対し、電源電圧の実効値を検出するとともに入力電流の無効成分を検出し、これらの検出値を制御に用いる。
これにより、第2電圧検出器22と電流検出器24の検出バラツキの影響を抑え、交流直流変換装置100の動作をスムーズに開始することができる。
後者の場合は、無効電流から位相差φを算出し、出力直流電圧の制御は振幅V2を用いて行う、などとすればよい。
同様の原理に基づき、出力直流電圧をフィードバック制御し、電源電圧の変動や検出器の検出バラツキがあっても、力率を改善し高調波電流を抑制することができるものであれば、その他の回路構成や制御ブロックを用いることもできる。
図15は、本発明の実施の形態7に係る交流直流変換装置100の回路図である。
図15の回路は、図13で説明した回路図における直流負荷8を、インバータ18と永久磁石モータ17に置き換えたものである。また、交流直流変換装置100の出力端に電圧クランプ部19を設けた。さらに、インバータ18の動作を制御するインバータ制御部26を設けた。
また、「電動機減速手段」は、制御手段20、インバータ18、インバータ制御部26が相当する。
まずは、図15の回路を電動機駆動装置として用いることにより、電動機の設計自由度を増すことができることについて説明する。その後に、瞬間的な異常電圧上昇を抑制する構成について説明し、続いて電動機を安定的に運転するための動作について説明する。
電動機は、同一トルクを出力するために必要な電流が少ないほど、銅損(抵抗×電流の二乗)が少なくなる。
例えば、永久磁石同期電動機の場合、電動機の起電圧定数を高くすることで永久磁石によるトルクが増加するので、電流を少なくしても、同一トルクを出力することができる。
さらには、電流を少なくすると、電動機を駆動するインバータの通流損失およびスイッチング損失を低減させる効果も発揮する。
したがって、電動機の起電圧定数を高くして電流を少なくすることは、高効率化の手段として最も効果的であるといえる。
急速冷房時や急速暖房時のように電動機が高速回転となる場合において、起電圧定数が高くなると、同一回転数で必要となる電圧が高くなるので、インバータが電動機を駆動するために必要な直流電圧も上昇する。
従来は、この最大回転数と直流電圧の関係を考慮して電動機の仕様を設計しなければならない制約があった。
換言すると、交流直流変換装置100の力率が大幅に低下し、高調波電流も増加してしまう。
したがって、急速冷房時や急速暖房時などの過負荷運転時でも空気調和機の性能を落とすことなく、低速運転時、換言すると通常使用時の効率を向上させることができる。
制御手段20は、永久磁石モータ17の回転数に応じて、制御手法を図2の手法と図4の手法で切り替えて、永久磁石モータ17、インバータ18、交流直流変換装置100が全体的に高効率となるようにすることができる。
さらには、図2の制御手法において、電源半周期毎に数回程度のパルス動作を行ってもよい。ただし、ノイズ発生量が増えない程度のパルス数が望ましい。
上述のように、起電圧定数の高い電動機を用いると、高速回転でフリーランしたときの発電量も大きくなる。この現象は、永久磁石モータ17を停止させるときに問題となる。
高速回転時に永久磁石モータ17を停止させると、その時点での回転エネルギーによる発電量が永久磁石モータ17からインバータ18を介して第1コンデンサ6と第2コンデンサ7に供給される。
本発明に係る交流直流変換装置100は非回生型コンバータであるため、このとき供給されるエネルギーを消費することができない。
出力直流電圧が極端に上昇することを避けるため、永久磁石モータ17を停止させる際には、極端な昇圧が生じない程度に減速してから停止させる必要がある。
この場合は、永久磁石モータ17を減速させる時間的余裕がなく、永久磁石モータ17の起電圧定数によっては第1コンデンサ6と第2コンデンサ7の耐圧を超えた電圧が各コンデンサに印加される可能性がある。
この電圧クランプ部19は、サージクランパやサージアブソーバ、もしくは抵抗とIGBTの直列回路などで構成することができる。瞬間的な電圧上昇を抑制することのできるその他の構成を用いてもよい。
交流電源1の電圧が低下すると、交流直流変換装置100は、出力直流電圧の制御限界まで出力直流電圧を一定にするよう制御を行うが、制御限界以下まで電源電圧が低下すると、出力直流電圧を上昇させることができず、出力直流電圧が低下してしまう。
出力直流電圧が低下しても永久磁石モータ17が同一回転数で回転していると、直流電圧不足によるトルク不足で、永久磁石モータ17は脱調停止してしまう。
すると、永久磁石モータ17の減速による回生エネルギーが第1コンデンサ6と第2コンデンサ7に回生され、出力直流電圧を上昇させることができる。
これにより、必要な直流電圧を確保することができるので、永久磁石モータ17が脱調することはない。
さらには、永久磁石モータ17の回転数が低下することにより、脱調する限界となる直流電圧値が低下するため、永久磁石モータ17はより脱調停止しにくくなる。
これにより、電動機駆動装置全体としての動作効率を向上させ、省エネルギー効果を高めることができる。
例えば、電動機が冷凍機などに用いられている場合、電動機が停止すると冷凍庫内の温度が上昇して保存温度が上昇するため、極力電動機を停止させずに運転を継続することが望ましい。
本実施の形態7では、第2電圧検出器22を用いて電源電圧の低下を検出し、交流直流変換装置100とインバータ18を協調動作させるので、瞬時停電などが発生したときでも、電動機を停止しにくくする電動機駆動装置を提供することができる。
また、その電動機を用いて圧縮機を駆動する圧縮機駆動装置を提供することもできる。
実施の形態1〜7で説明した交流直流変換装置100は、直流で電力を消費する負荷向けの電源装置に利用することができる。
例えば、空気調和機、冷凍機、洗濯乾燥機、冷蔵庫、除湿器、ヒートポンプ式給湯機、ショーケース、掃除機など家電製品全般に適用することができる。その他、ファンモータや換気扇、手乾燥機などへ適用することもできる。
Claims (15)
- 交流電源にリアクタを介して接続される整流器と、
前記整流器の出力端子間に直列接続された複数のコンデンサと、
前記整流器の一方の入力端子と前記複数のコンデンサの接続点との間に接続された第1スイッチング手段と、
前記整流器の他方の入力端子と前記複数のコンデンサの接続点との間に接続された第2スイッチング手段と、
前記第1スイッチング手段及び前記第2スイッチング手段を駆動制御する制御手段と、
前記複数のコンデンサの両端電圧を検出する第1電圧検出器と、
前記交流電源の電圧位相を検出する第2電圧検出器と、
を備え、
前記制御手段は、
前記交流電源の半周期中に、前記整流器の入力端子間の電圧が、
全波整流状態、第1倍圧整流状態、第2倍圧整流状態、電源短絡状態の4つの整流状態により、前記交流電源の電圧位相と前記整流器の入力端子間の電圧との位相差によって電流を流すような略正弦波となるように、前記第1電圧検出器と前記第2電圧検出器の検出結果に基づいて前記第1スイッチング手段及び前記第2スイッチング手段を駆動制御する
ことを特徴とする交流直流変換装置。 - 前記制御手段は、前記複数のコンデンサそれぞれの端子間電圧を平衡させるものである
ことを特徴とする請求項1記載の交流直流変換装置。 - 前記複数のコンデンサと逆並列に接続された複数のダイオードを有する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の交流直流変換装置。 - 前記各コンデンサと接続された複数の抵抗を備える
ことを特徴とする請求項3記載の交流直流変換装置。 - 前記交流電源の電流を検出する電流検出器を備え、
前記制御手段は、
前記第1電圧検出器と前記電流検出器の検出結果に基づき、
前記複数のコンデンサの両端電圧が所望電圧となるように、
前記第1スイッチング手段及び前記第2スイッチング手段を駆動制御して前記整流器の入力端子間の電圧を制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の交流直流変換装置。 - 前記交流電源の電流を検出する電流検出器を備え、
前記制御手段は、
前記第1電圧検出器、前記第2電圧検出器、および前記電流検出器の検出結果に基づき、
前記複数のコンデンサの両端電圧が所望電圧となるように、
前記第1スイッチング手段及び前記第2スイッチング手段を駆動制御して前記整流器の入力端子間の電圧を制御する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の交流直流変換装置。 - 前記制御手段は、
前記電流検出器が検出した電流の無効成分が0となるように、
前記整流器の入力端子間の電圧の振幅、
または前記交流電源の電圧と前記整流器の入力端子間の電圧との位相差の、
少なくとも一方を制御し、
前記複数のコンデンサの両端電圧が所望電圧となるように制御するものである
ことを特徴とする請求項5または請求項6記載の交流直流変換装置。 - 前記制御手段は、
前記整流器と前記第1スイッチング手段及び前記第2スイッチング手段との電圧降下分を補正するものである
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の交流直流変換装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の交流直流変換装置と、
前記交流直流変換装置が出力する直流電力を交流電力に変換して永久磁石電動機を駆動するインバータと、
を備え、
前記インバータは、
前記永久磁石電動機を停止させるときは、
前記永久磁石電動機の回転数を所定回転数以下に減速した後に停止させる
ことを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の交流直流変換装置と、
前記交流直流変換装置が出力する直流電力を交流電力に変換して永久磁石電動機を駆動するインバータと、
前記複数のコンデンサの急激な電圧上昇を抑制する電圧上昇抑制手段と、
を備えることを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の交流直流変換装置と、
前記交流直流変換装置が出力する直流電力を交流電力に変換して永久磁石電動機を駆動するインバータと、
前記第2電圧検出器が所定電圧以下の電圧値を検出したとき前記永久磁石電動機を減速して前記永久磁石電動機の停止を回避する電動機減速手段と、
を備えることを特徴とする電動機駆動装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の交流直流変換装置と、
前記交流直流変換装置が出力する直流電力を交流電力に変換して永久磁石電動機を駆動するインバータと、
を備え、
前記永久磁石電動機は圧縮機を駆動する
ことを特徴とする圧縮機駆動装置。 - 請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の交流直流変換装置と、
前記交流直流変換装置が出力する直流電力を交流電力に変換して永久磁石電動機を駆動するインバータと、
前記永久磁石電動機の回転数または印加電圧を検出する手段を備え、
前記制御手段は、
前記永久磁石電動機の回転数または印加電圧が所定値以下になったとき、
前記第1スイッチング手段及び前記第2スイッチング手段の少なくとも1つを、
前記交流電源の半周期毎に少なくとも1回ONさせる
ことを特徴とする圧縮機駆動装置。 - 請求項12または請求項13記載の圧縮機駆動装置により冷媒を循環させる
ことを特徴とする空気調和機。 - 請求項12または請求項13記載の圧縮機駆動装置により冷媒を循環させて水を温める
ことを特徴とするヒートポンプ式給湯機。
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