JP4852131B2 - トランス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複数のトランスを効果的に配置したトランス装置に関する。
複数のトランスの配列に関する従来技術として、下記特許文献1,2に示されたものがある。例えば、特許文献1に示された多口用高電圧発生装置では、複数のトランスの1次コイル(7a、7b)の巻回方向を逆とし、各トランスを軸方向に並べることで、各コイルから発生する磁界を逆向きにし、ノイズの発生を可及的に除去する昇圧トランスを有しており、2個のトランスの巻回方向を逆にすることで発生するノイズの位相を逆にし、トランス外部では打消しあう構造を開示している。
また、特許文献2に示された高周波トランス装置では、複数のトランスの巻線インピーダンスを合わせるように端子引き出し位置の調整手段を備えたトランス装置を有しており、複数のトランスを並列運転する場合に各トランスに流れる電流を平均化する技術を開示している。
実用新案登録第2547862号公報 特開平6−318524号公報
しかしながら、特許文献1は、トランス外部へ放射するノイズ低減を行う技術であり、トランス内部の損失に関しては何らの効果もない。また、特許文献2の技術では、各トランスの損失は平均化されるが、損失の低減効果は得られない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数のトランスを効果的に配置することで、トランス内部の損失を低減することができるトランス装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明にかかるトランス装置は、複数のトランスを有するトランス装置であって、前記トランス装置を構成する複数のトランスのうちの第1、第2のトランスのコア部材には、それぞれ少なくとも一つのギャップ部が形成されており、前記第1のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つと、前記第2のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つとの間の距離が、当該ギャップ部のギャップ長に比して近接して配置され、且つ、それらのギャップ部に生ずる磁束の向きが互いに逆向きとなるように構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つと、第2のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つとが、当該ギャップ部のギャップ長に比して近接して配置され、且つ、それらのギャップ部に生ずる磁束の向きが互いに逆向きとなるように構成されているので、各トランスにおける内部損失の低減が可能となる。
また、本発明にかかるトランス装置は、複数のトランスを有するトランス装置であって、前記トランス装置を構成する複数のトランスのうちの第1、第2のトランスのコア部材には、それぞれ少なくとも一つのギャップ部が形成されており、前記ギャップ部の距離をgsとし、前記第1のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つと、前記第2のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つとの間の距離をdとするとき、d/gsの値は、10以下に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、各トランスの巻線部に生ずる渦電流損失の低減効果を得ることができる。
また、本発明にかかるトランス装置は、前記d/gsの値は、0.48〜1.9の範囲内に設定されていることを特徴とする。
本発明によれば、負荷の大小に依存することなく、また、コア部材の種類に依存することなく、渦電流損失の確実な低減効果を得ることができる。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスは、各1個のトランスを有してなり、前記第1、第2のトランスは、少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、一方のコア部材の側脚部の端部にはギャップ部が形成され、前記第1、第2のトランスに設けられたギャップ部のうち、1組のギャップ部同士のみが近接して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えばLP型、EE型、ER型、EER型、RM型、PQ型、EI型などの少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材を用いて構成した2個のトランスを好適に配置する実施態様を提供する。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスは、各1個のトランスを有してなり、前記第1、第2のトランスは、少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、一方のコア部材の一方の側脚部の端部には第1のギャップ部が形成され、一方のコア部材の他方の側脚部の端部には第2のギャップ部が形成され、前記第1のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第2のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えばLP型、EE型、ER型、EER型、RM型、PQ型、EI型などの少なくとも一方が3つの脚部を有するコア部材を用いて構成した2個のトランスを好適に配置する実施態様を提供する。また、本発明によれば、2組のギャップ部同士を近接して配置するので、1つのギャップ部同士のみを近接して配置する場合に比べて渦電流損失の低減効果を高めることができる。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスは、各2個のトランスを有してなり、前記第1、第2のトランスのそれぞれは、少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、一方のコア部材の一方の側脚部の端部には第1のギャップ部が形成され、一方のコア部材の他方の側脚部の端部には第2のギャップ部が形成され、前記第1の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第1の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第2の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えばLP型、EE型、ER型、EER型、RM型、PQ型、EI型などの少なくとも一方が3つの脚部を有するコア部材を用いて構成した4個のトランスを好適に配置する実施態様を提供する。また、本発明によれば、3組のギャップ部同士が近接して配置されるので、近接して配置されたギャップ部の1トランスあたりの組数を増やすことができ、渦電流損失の低減効果を高めることができる。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスは、各2個のトランスを有してなり、前記第1、第2のトランスのそれぞれは、少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、一方のコア部材の一方の側脚部の端部には第1のギャップ部が形成され、一方のコア部材の他方の側脚部の端部には第2のギャップ部が形成され、前記第1の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第1の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第1の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第2の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第2の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、例えばLP型、EE型、ER型、EER型、RM型、PQ型、EI型などの少なくとも一方が3つの脚部を有するコア部材を用いて構成した4個のトランスを好適に配置する実施態様を提供する。また、本発明によれば、重複を含めた6組のギャップ部同士が近接して配置されるので、近接して配置されたギャップ部の1トランスあたりの組数を更に増やすことができ、渦電流損失の低減効果を更に高めることができる。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスのそれぞれは、一次巻線および二次巻線を具備しており、前記第1、第2のトランスの各一次巻線同士が直列に接続されると共に、前記第1、第2のトランスの各二次巻線同士が並列に接続されてDC−DCコンバータに適用されることを特徴とする。
本発明によれば、DC−DCコンバータに適用されて好適なトランス装置の一態様を提供することができる。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスのそれぞれには、2つの二次巻線が設けられており、前記第1のトランスの一方の二次巻線と前記第2のトランスの一方の二次巻線とが並列に接続され、前記第1のトランスの他方の二次巻線と前記第2のトランスの他方の二次巻線とが並列に接続されることを特徴とする。
本発明によれば、DC−DCコンバータに適用されて好適なトランス装置の上記とは異なる一態様を提供することができる。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスのそれぞれは、一次巻線および二次巻線を具備しており、前記第1の一方および他方のトランスならびに前記第2の一方および他方のトランスの各一次巻線同士が直列に接続され、前記第1の一方および他方のトランスの各二次巻線同士が並列に接続され、前記第2の一方および他方のトランスの各二次巻線同士が並列に接続されてDC−DCコンバータに適用されることを特徴とする。
本発明によれば、DC−DCコンバータに適用されて好適なトランス装置の上記とは異なる一態様を提供することができる。また、本発明によれば、トランスを小型化することができる。
また、本発明のトランス装置における前記第1、第2のトランスは、基板の上面および下面を利用して形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、基板下面の空間をも利用するので、トランス装置の低背化が可能となる。
本発明にかかるトランス装置によれば、トランス内部の損失を低減することができるという効果が得られる。
図1は、各実施形態のトランス装置を構成する際に用いる一対のコア部材の一例を示す図である。 図2は、図1に示した一対のコア部材の組合せ要領を示す図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかるトランス装置の一構成例を示す正面図である。 図4は、実施の形態1にかかるトランス装置における損失低減の作用を説明する図である。 図5は、本発明の実施の形態2にかかるトランス装置の一構成例を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態2にかかるトランス装置の他の構成例を示す図である。 図7は、実施の形態1,2にかかるトランス装置を適用した実施の形態3の回路構成の一例を示す図である。 図8は、図7に示すDC−DCコンバータの動作を説明するための波形図である。 図9は、図7に示すDC−DCコンバータを4個のトランスを用いて構成した実施の形態4にかかる回路構成の一例を示す図である。 図10は、2個のトランスを4個のトランスに小型化分離して配置したトランス装置の一例を示す図である。 図11は、2個のトランスを4個のトランスに小型化分離して配置したトランス装置の図10とは異なる他の構成例を示す図である。 図12は、実施の形態1,2にかかるトランス装置(図3、図5を参照)を適用した実施の形態5の回路構成の一例を示す図である。 図13は、図12に示すDC−DCコンバータの動作を説明するための波形図である。 図14は、図3に示すような横並び配置にしたトランス装置のシミュレーションによって求めた損失特性を示すグラフである。 図15は、図5に示すような背面合わせ配置にしたトランス装置のシミュレーションによって求めた損失特性を示すグラフである。 図16は、2個のトランスの各ギャップ部に生ずる磁束が互いに同方向となるように配置したトランス装置の一構成例を示す正面図である。 図17は、図16のように構成したトランス装置に対するシミュレーション結果を示すグラフである。 図18は、実施の形態1にかかるトランス装置(図3参照)を基板上に形成した場合の一例を示す実施の形態6にかかるトランス装置の斜視図である。 図19は、図18に示したトランス装置の分解斜視図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかるトランス装置を詳細に説明する。なお、以下に示す実施の形態により本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、以下に説明する各実施形態のトランス装置を構成する際に用いる一対のコア部材の一例を示す図であり、図2は、図1に示した一対のコア部材の組合せ要領を示す図である。
本発明における各実施形態のトランス装置は、磁性材料からなる、例えば図1に示すようなLP型のコア部材1(1a,1b)を用いて構成することができる。コア部材1a,1bは、平板状のヨーク部2(2a,2b)と、ヨーク部2の両端からヨーク部2の長手方向に対し直交する方向に立設される側脚部4(4a,4b),5(5a,5b)と、ヨーク部2の概略中央から側脚部4,5に対し概略平行に立設される中央脚部3(3a,3b)と、を有する構造である。中央脚部3は、図示のように断面が円形の円柱体であり、側脚部4,5は、一端側の端部8aが、他端側の端部8bおよび中央部8cよりも幅広の端面7を有し、中央部8cから一端側の端部8aに向かって端面7の長手方向に直交する方向の幅が広がって行く柱状構造体である。
これらのコア部材1a,1bは、図2に示すように、中央脚部3、側脚部4,5の各脚部同士がそれぞれ突き合わされると共に、側脚部4,5の少なくとも一方側の端面7同士が所定の距離を持って配置され、中央脚部3a,3bの周囲に一次巻線および二次巻線が巻回あるいは装着されることにより、一のトランスが構成される。すなわち、本発明における各実施形態のトランス装置では、側脚部4a,4b間および側脚部5a,5b間のうちの少なくとも一方側にギャップが形成されていればよい。また、中央脚部3a,3b間にはギャップが設けられていてもよいし、設けられていなくてもよい。
なお、図1,2では、LP型のコアを一例として示しているが、LP型に限定されるものではなく、少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材からなる型のコアを用いても構わない。肝要な点は、1つ以上のギャップが構成され、当該ギャップの近傍に巻線部が存在していればよい。したがって、1つ以上のギャップを構成可能なコアとして、例えば、EE型、ER型、EER型、RM型、P型、EPC型、PQ型、EI型、ET/FT型などを用いることが可能である。
また、上記の説明では、中央脚部の周囲に一次巻線および二次巻線が巻回あるいは装着されるとして説明したが、側脚部の周囲に一次巻線および二次巻線が巻回あるいは装着される構成であっても構わない。この種の構成では、中央脚部を有さず、少なくとも一方が2つの脚部を有する一対のコア部材からなる型(例えばUU型、UI型)のコアを用いても構わない。なお、側脚部の周囲に巻線部を設ける構成は、UU型およびUI型のコアを用いる場合は無論のこと、中央脚部を有する型のコアであっても取り得る構成である。
図3は、本発明の実施の形態1にかかるトランス装置の一構成例を示す正面図である。図3に示すように、実施の形態1のトランス装置は、図2に示すように構成したトランスを2つ用意し、第1、第2のトランスであるトランスT1,T2を横並びで配置している。なお、図3において、トランスT1に付した符号は図1と同一のものを使用し、図1との対応関係が分かるようにしている。具体的に、トランスT1では、側脚部4a,4b間にはギャップ部12が形成され、側脚部5a,5b間にはギャップ部14が形成され、中央脚部3a,3bの周囲には、一次巻線および二次巻線が巻回された巻線部10が装着されている。トランスT2においても後述する巻線部11の巻線方向を除いて、トランスT1と同様な構成であり、各側脚部間には、ギャップ部16,18が形成され、中央脚部の周囲には、一次巻線および二次巻線が巻回された巻線部11が装着されている。
ここで、巻線部10によってトランスT1に生ずる磁束の方向を矢印A1,A2とすると、トランスT2に生ずる磁束の方向は矢印B1,B2に示す方向となる。すなわち、トランスT2では、内部に生ずる磁束の方向がトランスT1と逆向きになるように巻線部10に対する印加電圧との関係で、巻線部11に対する印加電圧の極性、トランスT2の配置方向が決められている。
また、トランスT1,T2は、トランスT1の一方の側脚部とトランスT2の一方の側脚部とが近接するように配置される一方で、トランスT1の他方の側脚部とトランスT2の他方の側脚部とは近接せず、且つ、トランスT1の一方の側脚部によって形成されるギャップ部12の位置とトランスT2の一方の側脚部によって形成されるギャップ部16の位置とが概ね一致するように配置されている(以下、「横並び配置」と称する)。
つぎに、図3のように配置された実施の形態1にかかるトランス装置の作用について説明する。図4は、実施の形態1にかかるトランス装置における損失低減の作用を説明する図である。
図4の上段部に示すように、トランスT1,T2には一次巻線24および二次巻線26が巻回されており、トランスT1,T2の一次巻線24に所定の電源電圧が供給されたときには、トランスT1のギャップ部20に生ずる磁束の方向と、トランスT2のギャップ部22に生ずる磁束の方向とが互いに逆方向となるように構成されている。このとき、一次巻線24および二次巻線26(以下「巻線部」という)におけるギャップ部20,22近傍の領域28には、ギャップ部20,22を通過する磁束の広がりによって磁束(漏れ磁束)が鎖交するので、巻線部における渦電流損失を増大させることになる。
これに対して、図4の下段部に示すように、トランスT1,T2を近接して配置した場合には、ギャップ部20,22を通過する磁束の一部が互いに相手側トランスに流れ込むようになる(例えば、矢印で示す磁束32)。その結果、同一のトランスにおける漏れ磁束間の反発が小さくなり、漏れ磁束の広がりは小さくなる(例えば、矢印で示す磁束34)。したがって、巻線部に鎖交する磁束量は、領域30に示すように小さくなり、巻線部における渦電流損失の低減が可能となる。
ここで、漏れ磁束の一部が相手側のトランスに流れ込むということは、自身の漏れ磁束が低減しているのと等価である。したがって、実施の形態1のトランス装置によれば、ギャップ部に生ずる磁束の方向が相異なる2つのトランスを近接して配置することにより、各ギャップ部における漏れ磁束を相互に相殺して漏れ磁束を低減することができるので、巻線部における渦電流損失の低減が可能となる。
なお、上記では、トランスT1,T2における各一次巻線および各二次巻線の接続(電気的接続)については言及していないが、各一次巻線および各二次巻線の電気的接続は任意である。例えば、各一次巻線は、直列に接続されていても、並列に接続されていてもよいし、接続されていなくても構わない。このとき、各二次巻線も同様であり、直列に接続されていても、並列に接続されていてもよいし、接続されていなくても構わない。
肝要な点は、それぞれのギャップ部を近接して配置したトランスT1、トランスT2において、トランスT1の一次巻線に流れる電流によってトランスT1のギャップ部(近接して配置されているギャップ部、以下「近接ギャップ部」という)に生ずる磁束の向きと、当該電流がトランスT1の一次巻線に流れたときにトランスT2の一次巻線に流れる電流によってトランスT2の近接ギャップ部に生ずる磁束の向きとが逆向きとなるような印加電圧がトランスT1,T2の各一次巻線に印加されるか、あるいはトランスT1,T2の動作において、そのような印加電圧が印加される状態が存在していれば、図4で説明したような渦電流損失の低減効果を得ることができる。
上記の点は、二次巻線に関しても同様であり、それぞれのギャップ部を近接して配置したトランスT1、トランスT2において、トランスT1の二次巻線に流れる電流によってトランスT1の近接ギャップ部に生ずる磁束の向きと、当該電流がトランスT1の二次巻線に流れたときにトランスT2の二次巻線に流れる電流によってトランスT2の近接ギャップ部に生ずる磁束の向きとが逆向きとなるような印加電圧がトランスT1,T2の各二次巻線に印加されるか、あるいはトランスT1,T2の動作において、そのような印加電圧が印加される状態が存在していればよく、図4で説明したような渦電流損失の低減効果を得ることができる。
また、上記の説明では近接の意味については、明らかにしていない。近接しているか否かについては、トランスT1,T2におけるギャップ間の距離(以下「ギャップ間距離」という)d1が関係するが、この点については、後述する。
実施の形態2.
図5は、本発明の実施の形態2にかかるトランス装置の一構成例を示す図である。図5に示すように、実施の形態2のトランス装置は、図2に示すように構成した2つのトランスT1,T2の背面同士を突き合わせて配置している(以下、「背面合わせ配置」と称する)。なお、図5では、理解を容易とするため、トランスT1,T2に形成されるギャップ部の断面から下方側(コア部材1a側)を視認した図として示している。
図5において、実施の形態2のトランス装置では、トランスT1のコア部材1aにおける一方側の側脚部である側脚部4aと、トランスT2のコア部材1a’における一方側の側脚部である側脚部4a’とが近接して配置されると共に、トランスT1のコア部材1aにおける他方側の側脚部である側脚部5aと、トランスT2のコア部材1a’における他方側の側脚部である側脚部5a’とが近接して配置されている。なお、図面に付した記号は、磁束の方向を表しており、丸付きの×は手前から紙面に向かう方向を表し、丸付きの黒丸は紙面から手前に向かう方向を表している。
すなわち、実施の形態2のトランス装置は、トランスT1に形成される一方のギャップ部と、トランスT2に形成される一方のギャップ部とを近接して配置すると共に、トランスT1に形成される他方のギャップ部と、トランスT2に形成される他方のギャップ部とを近接して配置し、且つ、トランスT1,T2の各近接ギャップ部における磁束の方向が相互に逆向きとなるように配置している。
上記のように構成された実施の形態2のトランス装置の作用は、実施の形態1のものと同様である。したがって、トランスT1,T2の各一次巻線および各二次巻線は、直列に接続されていても、並列に接続されていてもよいし、接続されていなくても構わない。
なお、図5では、側脚部4a,5aおよび側脚部4a’,5a’のうち、それぞれ幅広側の端部同士を突き合わせた配置としているが、この構成に限定されるものではない。例えば、幅狭側の端部同士を突き合わせでもよいし、幅広側と幅狭側の端部同士を突き合わせても構わない。
また、図5では、トランスT1,T2に形成される双方のギャップ部を近接して配置する構成を開示したが、何れか一方のギャップを同士が近接して配置されていればよい。例えば、図6に示すように、トランスT2を時計回りに90°回転させたような配置であっても構わない。なお、トランスT2を時計回りに180°回転させたものが、図3に示した横並び配置の構成であることは言うまでもない。
なお、トランスT1,T2におけるギャップ間距離d2は、トランスT1,T2が近接しているか否かの判定指標となるが、この点については、後述する。
実施の形態3.
図7は、上述した実施の形態1,2にかかるトランス装置を適用した実施の形態3の回路構成の一例を示す図である。図7に示す回路は、2個のトランスを用いて構成したDC−DCコンバータであり、例えば特表2006−500889号公報などに開示されているハーフブリッジ共振回路型のDC−DCコンバータである。図7において、トランスT1,T2にそれぞれ設けられた一次巻線同士は直列に接続され、トランスT1,T2にそれぞれ設けられた二次巻線同士は並列に接続されている。
つぎに、図7に示すDC−DCコンバータの動作について、図8を参照して説明する。図8は、図7に示すハーフブリッジ共振回路の動作を説明するための波形図であり、同図(a)は軽負荷(定格電流の15%)の場合であり、同図(b)は定格負荷(定格電流の100%)の場合である。
まず、図7に示すDC−DCコンバータでは、出力を片波整流としているので、トランスT1,T2は、半周期ごとにトランス動作とインダクタ動作を交互に繰返す。すなわち、図8(a)および(b)において、区間t1(Q1がオフ、Q2がオン)では、トランスT1がトランス動作、トランスT2がインダクタ動作となり、区間t2(Q1がオン、Q2がオフ)では逆になる。また、共振用コンデンサCrの電流icrは、インダクタ動作をするトランスにおいては、im2が0であり“励磁電流”と等しくなり、トランス動作をするトランスにおいては、“励磁電流+2次電流/巻数比の和”に等しくなる。
つぎに、コア内の磁束を考える。まず、区間t1では、トランスT1,T2におけるコア内磁束は、それぞれicrおよびim2に相当するので、トランスT1,T2のギャップ部における漏れ磁束も、同様にicr,im2に相当する大きさになる。ここで、icrとim2の増減方向は同一である。よって、区間t1では、トランスT1,T2の漏れ磁束は、icrとim2の差分だけ残して相殺される。なお、区間t2でも、区間t1と同様に、トランスT1,T2の漏れ磁束は相殺されるので、icrとim1の差分だけ残ることになる。このように、実施の形態3にかかるDC−DCコンバータは、軽負荷から重負荷に渡って渦電流損失の低減効果が得られる。
ここで、負荷電流ioとicr,im1,im2との関係であるが、icrとim2の差をnt2倍、またはicrとim1の差をnt1倍した値が2次電流(=負荷電流io)となるので、負荷電流を増やすことはicrとim1,im2との差を増やすことに相当し、(図8(b))、負荷電流を減らすことはicrとim1,im2との差を減らすことに相当する。(図8(a))。なお、負荷電流が少ない場合ほどicr≒im1,im2となって漏れ磁束相殺の効果が大きくなる。よって、実施の形態3にかかるDC−DCコンバータは、特に軽負荷時の効果が大きくなる。
実施の形態4.
図9は、図7に示すDC−DCコンバータを4個のトランスを用いて構成した実施の形態4にかかる回路構成の一例を示す図である。実施の形態4のDC−DCコンバータは、実施の形態3のDC−DCコンバータのトランスを小型化分離したものであり、回路動作については図7のものと同一である。図9において、トランスT1〜T4にそれぞれ設けられた一次巻線同士は直列に接続され、トランスT1,T2にそれぞれ設けられた二次巻線同士は並列に接続され、トランスT3,T4にそれぞれ設けられた二次巻線同士も並列に接続されている。
図10は、2個のトランスを4個のトランスに小型化分離して配置したトランス装置の一例を示す図である。図10に示すトランス装置では、図3に示した2個のトランスによる横並び配置の構成を4個のトランスに適用している。図10の構成により、隣接するトランス同士の各ギャップ部における漏れ磁束が相互に打ち消しあうように作用するので、漏れ磁束が低減され、渦電流損失の低減効果を得ることができる。なお、図10では、トランスT2,T3の各ギャップ部も近接して配置しているが、トランスT1,T2およびトランスT3,T4の各組のギャップ部のみを近接させる構成であっても構わない。
また、図10の構成では、破線部で示すように隣接するギャップ部の組数が増えるので(図3では1個、図10では3個)、渦電流損失の更なる低減が可能となる。
図11は、2個のトランスを4個のトランスに小型化分離して配置したトランス装置の図10とは異なる他の構成例を示す図である。
図11に示すトランス装置では、図3に示した2個のトランスによる横並び配置の構成および図5に示した2個のトランスによる背面合わせ配置の構成を組み合わせて4個のトランスに適用している。図11の構成により、隣接するトランス同士の各ギャップ部における漏れ磁束が相互に打ち消しあうように作用するので、漏れ磁束が低減され、渦電流損失の低減効果を得ることができる。
また、図11の構成では、破線部で示すように隣接するギャップ部の組数が増えるので(図5では2個、図10では3個、図11では6個)、渦電流損失の更なる低減が可能となる。
実施の形態5.
図12は、上述した実施の形態1,2にかかるトランス装置(図3、図5を参照)を適用した実施の形態5の回路構成の一例を示す図である。図12に示す回路は、2個のトランスを用いて構成したハーフブリッジ共振回路型(より詳細には、ハーフブリッジLLC共振回路型)のDC−DCコンバータを例示している。図12において、トランスT1には1つの一次巻線と2つ二次巻線(第1,第2の二次巻線)とが設けられ、トランスT2にも1つの一次巻線と2つ二次巻線(第1,第2の二次巻線)とが設けられている。トランスT1,T2の各一次巻線同士は直列に接続され、トランスT1の第1の二次巻線と、トランスT2の第1の二次巻線とが並列に接続され、トランスT1の第2の二次巻線と、トランスT2の第2の二次巻線とが並列に接続されている。
つぎに、図12に示すDC−DCコンバータの動作について、図13を参照して説明する。図13は、図12に示すDC−DCコンバータの動作を説明するための波形図であり、同図(a)は軽負荷(定格電流の15%)の場合を示し、同図(b)は定格負荷(定格電流の100%)の場合を示している。
図12に示すDC−DCコンバータでは、トランスを2個に分割して構成しているが、トランスT1,T2は、同時刻に同一の動作を行う。したがって、トランスT1,T2における励磁電流im1,im2は等しく(im1=im2)、これをimとおく。
つぎに、コア内の磁束を考える。上述したように、コア内の磁束は、トランス励磁電流imで決定される。一方、図12に示す回路のトランス励磁電流は、図13(a)および(b)のように、直線的であるのと共に、区間t1,t2において、ほぼ対称形を成す。よって、トランスT1,T2の各ギャップ部における瞬時ごとの漏れ磁束は、負荷電流によらずほぼ同一であり、トランスT1,T2を図3または図5のよう配置することにより、漏れ磁束を相殺することができ、軽負荷から重負荷に渡って渦電流損失の低減が可能となる。
図14は、図3に示すような横並び配置にしたトランス装置のシミュレーションによって求めた損失特性を示すグラフである。図14において、横軸はトランスT1,T2におけるギャップ間距離(d1)をギャップ長(gs)で規格化した値(=d1/gs、以下「規格化ギャップ間距離」という)を表し、縦軸はd1/gs=19およびPo=100%(定格出力)のときの損失(巻線に生ずる損失)を1としたときの損失比を表している。なお、トランスT1,T2の各ギャップ長は等しいものとする。
図14において、「三角」の点を連ねた曲線(K1)は、定格出力(Po=100%:重負荷)のときの損失比を示し、「四角」の点を連ねた曲線(K2)は、定格出力の2/3(Po=67%:中程度負荷)のときの損失比を示し、「菱形」の点を連ねた曲線(K3)は、定格出力の1/6(Po=17%:軽負荷)のときの損失比を示している。
図14のシミュレーション結果から、つぎのことが読みとれる。
(1)重負荷よりも軽負荷の方が効果がある。
(2)重負荷、中程度負荷および軽負荷に対し、規格化ギャップ間距離が10以下の領域で渦電流損失の低減効果が得られる。
(3)重負荷および中程度負荷の場合、d1/gs=1の近傍に極値(最小値)が存在する。
(4)軽負荷の場合、d1/gs<0.3の領域では、損失比がフラットである。
(5)重負荷の場合、最小点(d1/gs=0.29のとき)での損失は、同一曲線K1上の基準点(d1/gs=19)に比して約12%の低減効果がある。
(6)中程度負荷の場合、最小点(d1/gs=0.29のとき)での損失は、同一曲線K2上の基準点(d1/gs=19)に比して約22%の低減効果がある。
(7)軽負荷の場合、最小点(d1/gs=0.29のとき)での損失は、同一曲線K3上の基準点(d1/gs=19)に比して約40%の低減効果がある。
また、図15は、図5に示すような背面合わせ配置にしたトランス装置のシミュレーションによって求めた損失特性を示すグラフである。図15において、横軸は規格化ギャップ間距離(d2/gs)を表し、縦軸はd2/gs=19およびPo=100%(定格出力)のときの損失(巻線に生ずる損失)を1としたときの損失比を表している。なお、トランスT1,T2の各ギャップ長は等しいものとする。
図15において、「三角」の点を連ねた曲線(L1)は、定格出力(Po=100%:重負荷)のときの損失比を示し、「四角」の点を連ねた曲線(L2)は、定格出力の2/3(Po=67%:中程度負荷)のときの損失比を示し、「菱形」の点を連ねた曲線(L3)は、定格出力の1/6(Po=17%:軽負荷)のときの損失比を示している。
図15のシミュレーション結果から、つぎのことが読みとれる。
(1)重負荷よりも軽負荷の方が効果がある。
(2)重負荷、中程度負荷および軽負荷に対し、規格化ギャップ間距離が10以下の領域で渦電流損失の低減効果が得られる(重負荷における、d2/gs<0.48の領域を除く)。
(3)重負荷〜中程度負荷〜軽負荷となるにつれ、損失比の最小点(極値)が左方向(規格化ギャップ間距離が小さくなる方向)にシフトして行く(ただし、軽負荷の場合、図15のシミュレーション結果(曲線L3)では現れていない)。
(4)重負荷、中程度負荷および軽負荷の損失を同一の評価点(d2/gs=0.95)で比較すると、
(a)重負荷の場合の当該評価点における損失は、同一曲線L1上の基準点(d2/gs=19)に比して約5%の低減効果がある。
(b)中程度荷の場合の当該評価点における損失は、同一曲線L2上の基準点(d2/gs=19)に比して約14%の低減効果がある。
(c)重負荷の場合の当該評価点における損失は、同一曲線L3上の基準点(d2/gs=19)に比して約32%の低減効果がある。
図14および図15のシミュレーション結果によれば、つぎのことが明らかとなる。
(1)トランスT1,T2における少なくとも一つのギャップ部同士を近接して配置することにより、渦電流損失の低減効果を得ることができる。なお、ギャップ部同士が「近接」した配置であるためには、規格化ギャップ間距離が10以下であることが好ましい。
(2)規格化ギャップ間距離(d1/gs)を小さくすることによる渦電流損失の低減効果は、負荷の大小によらず得ることができる。
(3)d1/gs=1もしくは、その近傍値(例えばP点(0.48)以上、Q点(1.9)以下の値)に設定すれば、負荷の大小に依存することなく、渦電流損失の確実な低減効果を得ることができる。
また、図14および図15のシミュレーション結果は、LP型のコアを一例として示したものであるが、他の型のコアでも同様な効果が得られることは、上記作用の点からも明らかである。なお、種々の型のコアを用いる場合、渦電流損失の低減効果は、コアの形状やギャップ部の形状、ギャップ長などに応じて差異がでることになると考えられるが、規格化ギャップ間距離(d/gs)を、本シミュレーション結果によって導かれた上記範囲(0.48≦d/gs≦1.9)内に設定すれば、種々の型のコアに対しても、渦電流損失の確実な低減効果を得ることがとできると言っても過言ではない。
一方、図16は、2個のトランスの各近接ギャップ部に生ずる磁束が互いに同方向となるように配置したトランス装置の一構成例を示す正面図であり、図17は、図16のように構成したトランス装置に対するシミュレーション結果を示すグラフである。なお、図16に示すように、トランス装置の構成は、図3のトランス装置と同様な横並び配置である。
図17において、横軸は規格化ギャップ間距離(d1/gs)を表し、縦軸はd1/gs=4.1およびPo=100%(定格出力)のときの損失(巻線に生ずる損失)を1としたときの損失比を表している。なお、トランスT1,T2の各ギャップ長は等しいものとする。
図17のシミュレーション結果によれば、図14および図15のシミュレーション結果と比較して、つぎのことが明らかとなる。
(1)重負荷、中程度負荷および軽負荷の何れの場合も、規格化ギャップ間距離を小さくすると損失が増加する。
(2)重負荷、中程度負荷および軽負荷の損失を同一の評価点(d1/gs=1.2)で比較すると、
(a)重負荷の場合の当該評価点における損失は、同一曲線M1上の基準点(d1/gs=4.1)に比して約12%増加する。
(b)中程度荷の場合の当該評価点における損失は、同一曲線M2上の基準点(d1/gs=4.1)に比して約17%増加する。
(c)重負荷の場合の当該評価点における損失は、同一曲線M3上の基準点(d2/gs=4.1)に比して約22%増加する。
このように、2個のトランスの各近接ギャップ部に生ずる磁束が互いに同方向となるように配置したトランス装置においては、各ギャップ部を近接して配置すると、渦電流損失の低減効果が得られないばかりか、渦電流損失が増大するということが明らかとなった。なお、この事実は、上述した作用の説明が正しいことを意味している。
実施の形態6.
図18は、上述した実施の形態1にかかるトランス装置(図3参照)を基板上に形成した場合の一例を示す実施の形態6にかかるトランス装置の斜視図であり、図19は、図18に示したトランス装置の分解斜視図である。
基板50上面の一方側には、筒状の収納部51,52,53が形成されており、収納部51にはコア部材1bの中央脚部3bが嵌挿され、収納部52,53にはコア部材1bの側脚部4b,5bがそれぞれ嵌挿される。基板50下面の一方側においても同様な収納部が構成され、コア部材1aの中央脚部3a、側脚部4a,5aが嵌挿される。
また、収納部51はボビンとしての機能も有し、収納部の周囲には一次巻線62および二次巻線64が巻回または装着されている。一次巻線62の端部は基板50に設けられた端子54a,54bに絡げられ、半田付け等により固定されると共に、二次巻線64の端部は基板50に設けられた端子56a,56bに絡げられ、半田付け等により固定される。このようにして、実施の形態6のトランス装置における一方のトランスが構成される。
同様な構成は、基板50上下面の他方側においても採られ、実施の形態6のトランス装置における他方のトランスが構成される。これら一方および他方のトランスは、図示のように近接して配置され、実施の形態6にかかるトランス装置が構成される。この実施の形態6にかかるトランス装置によれば、内部損失を低減させたトランス装置を基板上に構成することができると共に、基板上下面の空間を有効に利用しているので、トランス装置の低背化が可能となる。
なお、図18および図19では、一次巻線62および二次巻線64を基板50の上面側に装着する構成を開示したが、この構成に限定されるものではない。一次巻線および二次巻線を基板50の下面側に装着してもよいし、一次巻線および二次巻線を基板50の上下面で分離して装着する構成であっても構わない。
以上のように、本発明にかかるトランス装置は、トランス内部の損失を低減することができる発明として有用である。
1,1a,1b コア部材
2,2a,2b ヨーク部
3,3a,3b 中央脚部
4,4a,4b,5,5a,5b 側脚部
7 端面
10,11 巻線部
12,14,16,18,20,22 ギャップ部
24,62 一次巻線
26,64 二次巻線
50 基板
51,52,53 収納部
54a,54b,56a,56b 端子
T1,T2 トランス

Claims (11)

  1. 複数のトランスを有するトランス装置であって、
    前記トランス装置を構成する複数のトランスのうちの第1、第2のトランスのコア部材には、それぞれ少なくとも一つのギャップ部が形成されており、
    前記ギャップ部の距離をgsとし、
    前記第1のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つと、前記第2のトランスに設けられたギャップ部のうちの少なくも一つとの間の距離をdとするとき、
    d/gsの値は、0.29〜10の範囲内に設定され且つ、それらのギャップ部に生ずる磁束の向きが互いに逆向きとなるように構成されていることを特徴とするトランス装置。
  2. 前記d/gsの値は、0.48〜1.9の範囲内に設定されていることを特徴とする請求項に記載のトランス装置。
  3. 前記第1、第2のトランスは、各1個のトランスを有してなり、
    前記第1、第2のトランスは、
    少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、
    一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、
    一方のコア部材の側脚部の端部にはギャップ部が形成され、
    前記第1、第2のトランスに設けられたギャップ部のうち、1組のギャップ部同士のみが近接して配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のトランス装置。
  4. 前記第1、第2のトランスは、各1個のトランスを有してなり、
    前記第1、第2のトランスは、
    少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、
    一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、
    一方のコア部材の一方の側脚部の端部には第1のギャップ部が形成され、一方のコア部材の他方の側脚部の端部には第2のギャップ部が形成され、
    前記第1のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第2のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のトランス装置。
  5. 前記第1、第2のトランスは、各2個のトランスを有してなり、
    前記第1、第2のトランスのそれぞれは、
    少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、
    一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、
    一方のコア部材の一方の側脚部の端部には第1のギャップ部が形成され、一方のコア部材の他方の側脚部の端部には第2のギャップ部が形成され、
    前記第1の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第1の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第2の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のトランス装置。
  6. 前記第1、第2のトランスは、各2個のトランスを有してなり、
    前記第1、第2のトランスのそれぞれは、
    少なくとも一方が3つの脚部を有する一対のコア部材によって構成され、
    一方のコア部材の中央脚部の周囲を含む空間領域には一次巻線および二次巻線が装着され、
    一方のコア部材の一方の側脚部の端部には第1のギャップ部が形成され、一方のコア部材の他方の側脚部の端部には第2のギャップ部が形成され、
    前記第1の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第1の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第1の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第2の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第2の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の一方のトランスに設けられた第2のギャップ部と前記第2の一方のトランスに設けられた第1のギャップ部とが近接して配置され、且つ、前記第1の他方のトランスに設けられた第1のギャップ部と前記第2の他方のトランスに設けられた第2のギャップ部とが近接して配置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のトランス装置。
  7. 前記第1、第2のトランスのそれぞれは、一次巻線および二次巻線を具備しており、
    前記第1、第2のトランスの各一次巻線同士が直列に接続されると共に、前記第1、第2のトランスの各二次巻線同士が並列に接続されてDC−DCコンバータに適用されることを特徴とする請求項またはに記載のトランス装置。
  8. 前記第1、第2のトランスのそれぞれには、2つの二次巻線が設けられており、
    前記第1のトランスの一方の二次巻線と前記第2のトランスの一方の二次巻線とが並列に接続され、前記第1のトランスの他方の二次巻線と前記第2のトランスの他方の二次巻線とが並列に接続されることを特徴とする請求項に記載のトランス装置。
  9. 前記第1、第2のトランスのそれぞれは、一次巻線および二次巻線を具備しており、
    前記第1の一方および他方のトランスならびに前記第2の一方および他方のトランスの各一次巻線同士が直列に接続され、前記第1の一方および他方のトランスの各二次巻線同士が並列に接続され、前記第2の一方および他方のトランスの各二次巻線同士が並列に接続されてDC−DCコンバータに適用されることを特徴とする請求項またはに記載のトランス装置。
  10. 前記第1、第2のトランスは、基板の上面および下面を利用して形成されていることを特徴とする請求項1〜の何れか1項に記載のトランス装置。
  11. 前記第1のトランスの一次巻線および二次巻線は、それぞれが前記基板の上面および下面のうちの何れか一方の同一面側にて巻回されると共に、
    前記第2のトランスの一次巻線および二次巻線も、前記基板と同一基板の第1のトランスの一次巻線および二次巻線が巻回されている面と同一面側に巻回される
    ことを特徴とする請求項10に記載のトランス装置。
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