JP3709828B2 - インダクタの設計方法及びその装置、インダクタの製造方法並びに設計プログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁路中にエアギャップを有する磁性体をコアとして使用するインダクタの設計方法及びその設計装置、前記設計方法及び設計装置による設計データに基づいてインダクタを製造する製造方法並びに設計プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
珪素素鋼板やアモルファス合金などの優れた磁気特性を有する磁性体は、広くトランスやインダクタのコア材料として使用されている。通常、透磁率の高い材料をインダクタのコア材料として使用する場合には、コアの磁気飽和を防ぐためコア磁路中にエアギャップが設けられる。
【0003】
一般に、インダクタにおいては、インダクタンス値が最も重要な性能であるが、コアにエアギャップを有するインダクタのインダクタンス値はエアギャップの長さによって大きく変化する。従って、インダクタに所望のインダクタンス値をもたせるためには、コアの設計段階においてエアギャップのギャップ長を正確に決定する必要がある。
【0004】
従来、図2のコア30においては、ギャップ部磁束のフリンジング量(lg/2、lg:ギャップ長)を見積もった磁気回路解析を行って決定されたギャップ長を採用すれば、実際に製造されたインダクタにおいてほぼ所望のインダクタンス値が得られることが知られていた。さらに、実際のインダクタの製造段階においては、必要に応じてギャップ長の微調整を行うことによって所望のインダクタンス値を得ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインダクタでは、図3に示されるように電流が流れるコイルが巻かれるコア脚部31にエアギャップ32が設けられることが一般的であった。ところが昨今、ギャップを分散させることによってさまざまな性能向上がはかれることから、図4に示されるように、コイルが巻かれるコア脚部31の上下にエアギャップ32が配置されたコアを用いたインダクタが広く使用されるようになってきている。
【0006】
このような構造を持ったインダクタのコアの場合には、従来方法通りに図2のごとくギャップ部の磁束のフリンジング量を見積もって磁気回路解析を行ってギャップ長を決定しても、実際に製造されたインダクタで所望のインダクタンス値が得られないという問題点があった。このため、トライアンドエラーを繰り返しながらギャップ長を決めなければならず、時間とコストがかかってしまうという問題点があった。
【0007】
本発明の目的は、ギャップを有するコア構造のインダクタを高精度に設計することを可能にしたインダクタの設計方法及びその設計装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記の設計方法又は設計装置により設計された仕様に基づいてインダクタを製造する製造方法並びに設計プログラムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明の一つの態様に係るインダクタの設計方法は、磁路中にエアギャップを有する磁性体をコアとして使用するインダクタの設計方法において、エアギャップ長に対応したフリンジングファクタの値を求め、フリンジングファクタの値を用いてインダクタの仕様を設計する。なお、前記のフリンジングファクタについては後述の実施形態において説明する。
【0009】
(2)本発明の他の態様に係るインダクタの設計方法は、上記(1)の設計方法において、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を予め求めておいて、その関係から、エアギャップ長に対応したフリンジングファクタの値を求める。
【0010】
(3)本発明の他の態様に係るインダクタの設計方法は、上記(1)又は(2)の設計方法において、前記フリンジングファクタの値に基づいて磁路の実効透磁率を求め、更に、実効透磁率及び鉄心寸法に基づいてコイルターン数を求める。
【0011】
(4)本発明の他の態様に係るインダクタの設計方法は、上記(2)の設計方法において、鉄心の断面Am(=横a×縦d)、ギャップ長lg 、コアの磁路長lmである場合に、コアの断面積Am=a×d に対して、磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Agを
Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+lg)
と表すとして、フリンジングファクタα又はβを定義し、エアギャップ長を変えながらインダクタンス値を求めて、そのインダクタンス値とギャップ長さとの関係から、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を予め求める。
【0012】
(5)本発明の他の態様に係るインダクタの設計方法は、上記(4)の設計方法において、比透磁率μrの磁性体を用いたエアギャップ長lgのエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁率μeffを、真空の透磁率をμ0とすると、
μeff=μ0/ {(1/μr) + (M・lg/lm)(Am/Ag)}
と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを
L=μeff・Am・N2/lm
と表せることを用いてコイルターン数を求める。
【0013】
(6)本発明の他の態様に係るインダクタの設計方法は、上記(1)乃至(5)の設計方法において、磁路中にエアギャップを有する磁性体であって、ギャップ面の上下でコアの構造が対称でない構成のコアを鉄心として使用する。
【0014】
(7)本発明の他の態様に係るインダクタの設計装置は、磁路中にエアギャップを有する磁性体をコアとして使用するインダクタを設計する装置において、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を特定した情報が記憶される記憶手段と、エアギャップ長さに対応したフリンジングファクタの値を前記記憶手段に記憶された情報から求め、更に、前記フリンジングファクタの値を用いてインダクタの仕様を設計する演算手段とを備えたものである。
【0015】
(8)本発明の他の態様に係るインダクタの設計装置は、上記(7)の設計装置において、前記演算手段は、前記フリンジングファクタの値に基づいて磁路の実効透磁率を求め、前記実効透磁率及び鉄心寸法に基づいてコイルターン数を求める。
【0016】
(9)本発明の他の態様に係るインダクタの設計装置は、上記(7)の設計装置において、前記記憶手段に記憶される情報は、鉄心の断面Am(=a×d)、ギャップ長lg 、コアの磁路長lmである場合に、コアの断面積Am=a×d に対して、磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Agを
Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+lg)
と表すとしてフリンジングファクタα又はβを定義し、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係が特定されたものである。
【0017】
(10)本発明の他の態様に係るインダクタの設計装置は、上記(9)の設計装置において、前記演算手段は、比透磁率μrの磁性体を用いたエアギャップ長lgのエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁率μeffを、真空の透磁率をμ0とすると、
μeff=μ0/ {(1/μr)+(M・lg/lm)(Am/Ag)}
と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを
L=μeff ・Am・N2/lm
と表せることを用いてコイルターン数Nを求める。
【0018】
(11)本発明の他の態様に係るインダクタの設計装置は、上記(7)乃至(10)の設計置において、磁路中にエアギャップを有する磁性体であって、ギャップ面の上下でコアの構造が対称でない構成のコアを鉄心として使用する。
【0019】
(12)本発明の他の態様に係るインダクタの製造方法は、上記(1)乃至(6)の何れかに記載の設計方法により設計された仕様に基づいてインダクタを製造する。
【0020】
(13)本発明の他の態様に係るインダクタの製造方法は、上記(7)乃至(11)の何れかに記載の設計装置により設計された仕様に基づいてインダクタを製造する。
【0022】
(14)本発明の他の態様に係るインダクタの設計装置は、上記(7)乃至(11)の設計装置において、設計されたインダクタの仕様を媒体に書き込む出力装置を備える。
【0024】
(15)本発明の他の態様に係るインダクタの設計装置は、上記(7)乃至(11)の何れかに記載の設計装置において、設計されたインダクタの仕様を出力する出力装置を備え、該出力装置が、クライアントとネットワークを介して接続され、設計されたインダクタの仕様がデータベースに格納されたサーバーからなる。
【0025】
(16)本発明の他の態様に係る設計プログラムは、上記(1)乃至(6)の設計方法の各処理をコンピュータに実行させるものである。
【0026】
(17)本発明の他の態様に係る設計プログラムは、上記(7)乃至(11)の設計装置の演算手段の各処理をコンピュータに実行させるものである。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施形態1.
本発明によるインダクタの設計方法の概要を実施形態1として説明する。従来の技術の説明からも明らかなように、エアギャップの存在により磁気漏洩が起きて磁束が膨らみ(図2,図9参照)、ギャップ部の磁路として機能する面積は現実のコア断面積とは異なる値となる。このギャップ部の磁路として機能する面積を本発明においては実効断面積といい、現実のコア断面積と実効断面積とを関係付けるパラメータを本発明においてはフリンジングファクタと称している。また、現実のコア断面積ではなく、ギャップ部のギャップ長に着目すると、エアギャップの存在によって磁束が漏洩して膨らむことにより、現実のギャップ長さとは異なる値となる(図2、図9参照)。このギャップ部の磁路として機能する長さを本発明においては実効ギャップ長さといい、現実のギャップと実効ギャップ長とを関係付けるパラメータをフリンジングファクタと称している。なお、以下の実施形態においては、実効断面積と、それに関連するフリンジングファクタについて説明するが、本発明はそのことに限定されるものではない。
【0028】
本実施形態1においては、上述の図4のコアが設計対象となっているコアの形状であり、その鉄心の断面が図5に示されるように横a×縦d、ギャップ長lg 、コアの磁路長lmである場合には、コアの断面積Am=a×d に対して、磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Agを
Ag=(a+αlg)(d+αlg) …(1)
と表すとして、フリンジングファクタαを定義する。
【0029】
比透磁率μrの材料を用い、ギャップ長lgのエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁率μeffは、真空の透磁率をμ0とすると、
μeff=μ0/{(1/μr)+ (M・lg/lm)(Am/Ag)} …(2)
と表せることが一般に知られている。
そして、コイルターン数NのときのインダクタンスLは、
L=μeff・Am・N2/lm …(3)
と表せる。
【0030】
従って、フリンジングファクタαを正確に知ることが出来れば、上記(1)、(2)及び(3)を用いてインダクタのインダクタンス値を正確に計算で予測することができる。
【0031】
上述のように、図3に示されるような従来のインダクタのコアは、コイルが巻かれる脚31の中心にギャップ部32があり、コイル内部にギャップが位置する構造となっている。このような従来型のコア構造の場合には、上記フリンジングファクタはα=1.0とおいて計算した鉄心の実効透磁率と実際に製造したコアの実効透磁率が良く一致する。このため、従来はインダクタの鉄心の設計においては、ギャップ長lgやコアサイズによらずフリンジングファクタはα=1.0が用いられてきた。
【0032】
しかし、上述のように、ギャップを分散させることによってさまざまな性能向上がはかれることから、図4に示されるように、コイルが巻かれるコア脚部31の上下にエアギャップ32が配置されたコアを用いたインダクタが使用されるようになってきている。このような構造を持ったコアの場合には、従来方法通りにα=1.0とおいて計算した鉄心の実効透磁率と、実際に製造したコアの実効透磁率とが一致せず、このため、トライアンドエラーを繰り返しながらギャップ長を決めなければならなかった。
【0033】
本発明者は、上記の問題点を解決すべく検討を行い、そして、上記不一致の原因として、従来型のコア構造の場合ギャップ部を拡大した図6に示されるように、ギャップ面(ギャップ部の中間位置の面)33に対し上下の鉄心の構造が対称な突合せ構造となっているが、一方、図7に示されるようなコアの場合には、図8に示されるように、ギャップ面33に対し上下の鉄の構造が対称な突合せ構造となっていない点に着目した。その結果、従来の対称な突合せ構造とコイルが巻かれるコア脚部の上下にエアギャップが配置されるコア構造とでは、図9に示されるように、磁束のフリンジング形態が異なるためフリンジング量も異なることを見い出した。
【0034】
そこで、図4の左側に示されるタイプ(形態)でサイズの異なるコアを数種類用意して巻き線を施し、ギャップ長を変えながらインダクタンス値Lを測定して、上記(3)式に従って各コアサイズ、ギャップ長ごとの実効透磁率を求めた。
【0035】
上記(2)式より、
Ag=Am(M・lg/lm) / {(μ0/μeff) - (1/μr)} …(4)
と表せるので、上記実測で求めた実効透磁率から各コアサイズ、ギャップ長ごとにギャップ部の実効断面積Agを求めた。さらに、上記の(1)式から、フリンジングファクタαは
【0036】
【数1】
【0037】
と表せるので、上記で求めた実効断面積Agから各コアサイズ、ギャップ長ごとのフリンジングファクタαを求めた。その結果を図1に示す。
【0038】
図1の特性から、フリンジングファクタαはコアサイズには依存せず、ギャップ長lgに依存して一義的に決められることを示している。従って、上記のようにして求めた図1を用いて任意のサイズのコアに対して任意のギャップ長ごとにフリンジングファクタを求め、その値と上記(1)〜(3)式を用いて任意のコアサイズ、任意のギャップ長に対してインダクタンスを正確に計算することができる。なお、図1のA乃至Cは、基本形態は同じである(図4の左側)がサイズの異なるコアを示している。
【0039】
実施形態2.
図10は本発明の実施形態2に係るインダクタの設計装置の構成を示したブロック図である。同図において、演算装置10には記憶装置11、入力装置12、表示装置13及び出力装置14が接続されており、上記の実施形態1の設計方法に基づいてそのインダクタの設計を行う。なお、記憶装置11には、コアの形状に応じて、図4の特性が関数式の形式又はテーブルの形式で格納されているものとする。例えば、関数式の形式としては、
α=m0+m1・lg+m2・lg2 …(6)
但し、m0、m1、m2は定数であり、図1の例ではm0=4.8184、m1=−0.50059、m2=0.03538である。
【0040】
また、テーブルは、図11に示されるように、所定のピッチで増加させたギャップ長lgと、それに対応したフリンジングファクタαとをリスト化した形式のものである。
【0041】
図12は図10の設計装置の処理過程を示したフローチャートであり、同図に従ってその処理過程を説明する。
【0042】
(S11)入力装置12を操作して製品のスペックの各種のデータを入力する。演算装置10はその入力データを記憶装置11に格納する。ここで、製品のスペックの各種のデータとしては、例えば、インダクタンス値L、定格電流、温度条件等が入力される。
【0043】
(S12)入力装置12を操作して設計パラメータを入力(又は変更)する。演算装置10はそのデータを記憶装置11に格納する。ここで、設計パラメータとしては、例えば、鉄心材料、鉄心寸法、鉄心形状、ギャップ長、ギャップ数等がある。
【0044】
(S13)演算装置10はギャップ長に基づいてフリンジングファクタを算出する。このフリンジングファクタは、記憶装置11に格納されている関数又はテーブルを参照して算出される。例えば、関数式として、
α=m0+m1・lg+m2・lg2 …(6)
という形式の関数が格納されている場合には、その関数式を演算することによりをフリンジングファクタαを算出する。
【0045】
また、記憶装置11に格納されているテーブルが、図11に示されるように、所定のピッチで増加させたギャップ長lgと、それに対応したフリンジングファクタαとがリストされた場合には、該当するギャップ長lgに対応したフリンジングファクタαを読み出す。該当するギャップ長lgがない場合には、該当するギャップ長lgに隣接するギャップ長とそれに対応したフリンジングファクタαとに基づいて補間処理(例えば直線補間)を行ってフリンジングファクタαを求める。
【0046】
(S14)演算装置10は、鉄心材料、鉄心寸法、鉄心形状、ギャップ長、ギャップ数及びフリンジングファクタに基づいて実効透磁率を算出する。この実効透磁率は、上記の(1)式及び(2)式を演算することにより求められる。
【0047】
(S15)演算装置10は、鉄心寸法及び実効透磁率に基づいてコイルターン数(巻回数)を算出する。このコイルターン数は上記の(3)式を演算することにより求められる。この(3)式による計算において、Nが小数点以下の値を含んだ場合にはその計算値に近い整数にする(切り上げ、切り捨て)。
【0048】
(S16)演算装置10は、上記により求められたコイルターン数(巻回数)に基づいて、製品条件の適合性を判断する。例えば次の例1〜3に示されるような判断を行う。
例1.定格電流値から求まる線径の巻線で、鉄心のコイルを巻き付ける部分に、上記のコイルターン数で巻くだけのスペースがあるかどうか。
例2.鉄心の鉄損による発熱が温度スペックを満足しているどうか。
例3.定格電流を流したときのインダクタンス値が製品スペックを満足するかどうか。
【0049】
(S17)演算装置10は、製品条件の適合性について判断した結果、適合しないという判断をした場合には、実効透磁率を参照してどの設計パラメータを変更するかを決定する。
(S18)演算装置10は、設計パラメータの変更量を決定して、上記の処理(S11)以降の処理を繰り返す。
【0050】
次に、上記の処理(S17)及び(S18)における具体例について以下説明する。
上記の例1について、製品条件の適合性が満たされていないと判断された場合においては、例えば次のような処理をする。
▲1▼計算された実効透磁率が比較的小さい場合には、例えばギャップ長さを小さくしてみる。
▲2▼透磁率の高い材料に材料を替えてみる。
▲3▼計算された実効透磁率が小さいと言えない場合には、鉄心寸法を大きくしてみる。
【0051】
また、上記の例2について、製品条件の適合性が満たされていないと判断された場合においては、例えば次のような処理をする。
▲1▼計算された実効透磁率が比較的大きい場合には、例えばギャップ長さを大きくしてみる。
▲2▼鉄心寸法を大きくしてみる。
▲3▼鉄損の低い材料に材料を替えてみる。
【0052】
また、上記の例3について、製品条件の適合性が満たされていないと判断された場合においては、例えば次のような処理をする
▲1▼計算された実効透磁率が比較的大きい場合には、例えばギャップ長さを大きくしてみる。
▲2▼鉄心寸法を大きくしてみる。
▲3▼飽和磁束密度の高い材料に材料を替えてみる。
【0053】
(S19)演算装置10は、上記の処理(S18)により設計パラメータが変更されると、上記の処理(S11)乃至(S18)の処理を繰り返し、製品条件への適合判断において適合していると判断されると、コイルターン数、実効透磁率、変更された設計パラメータ等が表示装置13及び出力装置14にそれぞれ出力されて、表示又は出力される。
【0054】
なお、上記の演算装置10の演算を行うためのプログラム全体をVISUAL BASIC、C++などのプログラミング言語を用いて製作しても、Microsoft EXCEL(R) のような表計算ソフトを用いて作製しても、また、両者を組み合わせて作製しても良い。なお、上記の説明ではコアの断面形状が長方形(正方形を含む)の場合のみを取り上げたが、断面形状が長方形以外の場合にも、断面形状に応じてフリンジングファクタを定義すれば、上記と同様の方法によって所望のインダクタンスを有するインダクタの設計を正確に行うことができる。
【0055】
以上のようにして、インダクタの仕様が決定されると、その仕様に従ってインダクタが製造されることになるが、その具体的な製造方法は従来の製造方法と同じである。
【0056】
また、上記の出力装置14として記憶媒体にデータを書き込む機能をもったものを使用した場合には、記録媒体に複数種類のインダクタの仕様を例えば図13に示されるように、書き込んでおいてそれを配布することにより、コア形状に応じたインダクタの仕様を迅速に得ることができ、製品の発注までの時間を短縮させることができる。また、媒体は紙であってもよく、その場合には図13に示されるように仕様が一覧表示される。
【0057】
実施形態3.
図14は本発明の実施形態3に係るシステムのブロック図である。このシステムにおいては、上記の実施形態2において得られた、各種のコア形状に応じたインダクタの仕様をサーバー21のデータベースに格納しておいて、クライアント23からインターネット22を介してサーバー21に格納されているインダクタの仕様を閲覧できるようにしてある。このため、クライアント23は各種のコア形状に応じたインダクタの仕様を迅速に把握することができ、製品の発注までの時間を短縮させることができる。
【0058】
実施形態4.
なお、上述の実施形態2においては、コイルのギャップ長さを設定(入力)してコイルターン数を求めた例について説明したが、コイルターン数を設定しておいて、コイルのギャップ長さを求めるようにしてもよい。その場合においても、上記の(2)式及び(3)式により求められる。
【0059】
実施形態5.
また、上記の実施形態ではコアの断面積Am=a×d に対して、磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Agを
Ag=(a+αlg)(d+αlg)
と表すものとしてフリンジングファクタαを定義したが、ギャップ長に応じたフリンジング量を見積もるためのフリンジングファクタの定義方法は特に上記の定義のみには限らず、たとえばギャップ部の実効断面積Agを
Ag=(a+βlg)(d+lg)
と表すとしてフリンジングファクタβを定義しても、上記の説明と本質的には同様な方法によって所望のインダクタンスを有するインダクタの設計を正確に行うことができる。
【0060】
実施形態6.
また、上記の実施形態ではギャップ部の実効断面積Agとコア寸法(コア断面積)との関係でフリンジングファクタα,βを定義したが、実効ギャップ長さとギャップ長さとの関係でフリンジングファクタを定義してもよい。この場合においても、実測で求めた実効透磁率からフリンジングファクタを定義づければよい。
【0061】
実施形態7.
また、上記の説明ではギャップ面に対し上下の鉄心の構造が対称な突合せ構造となっていない場合について特に説明したが、ギャップ長に応じたフリンジング量を見積もるための校正曲線(図1)を事前に用意するという本発明を用いれば、ギャップ面に対し上下の鉄心の構造が対称な突合せ構造となっている場合にも従来方法よりも大幅に正確なインダクタ設計を実施することが可能である。
【0062】
【実施例】
実施例1.
図12の処理アルゴリズムを有するインダクタ設計プログラムをMicrosoft EXCEL(R)を用いて構築した。図15に本ソフトの入出力画面を示す。比透磁率22500を有する板厚0.1mm、の6.5%けい素鋼板を用いて、図16に示すように、長さ52mm×幅16mmに切断した鋼板を厚さ45mm積層した鉄心ブロック2個と、長さ70mm×幅16mmに切断した鋼板を厚さ45mm積層した鉄心ブロック2個との合計4個のブロックから1組のインダクタ鉄心を構成した。コアの占積率を0.95としてコアの断面積Am=684mm2、磁路長lm=229mmとした。このコアを用いてインダクタンスL=500μHのインダクタを製作することとした。
【0063】
漏れ磁束の低減とコアロスの低減を考慮してエアギャップは0.75mm×4ヶ所にすることとした。このとき、図1の特性を用いるとフリンジングファクタα=4.46である。従って、上記の(1)式より磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Ag=935mm2となるから、上記の(2)式を用いればこのコアの実効透磁率μeff=104と求まる。以上の結果と、上記の(3)式から、インダクタンス値を500μHに最も近い値にするためにはコイルターン数N=36とすれば良いことが求まる。N=36のときのインダクタンス予測値は505μHとなった。
【0064】
一方、比較のため従来法でインダクタの設計を行った。上記と同様エアギャップは0.75mm×4ヶ所にすると、従来法に従いギャップ長によらずフリンジングファクタα=1.0とおくと、ギャップ部の実効断面積Ag=766mm2となるから、上記の(2)式を用いればこのコアの実効透磁率μeff=84と求まる。以上の結果と、上記の(3)式から、インダクタンス値を500μHに最も近い値にするためにはコイルターン数N=40とすれば良いとの結果となった。N=40のときのインダクタンス予測値は511μHとなった。
【0065】
以上をまとめると、上記コアを用いエアギャップ0.75mm×4ヶ所でインダクタンス値500μHのインダクタを設計すると、従来法ではコイルターン数40、本発明を用いた設計ではコイルターン数36との設計結果となった。
【0066】
そこで、上記コアにエアギャップ0.75mm×4ヶ所施して巻線を36ターン施した場合と40ターン施した場合との各々の場合において、周波数5kHz、磁束密度0.15テスラまで励磁したときのインダクタンス値を実測した。その結果、巻数36ターンでは495μH、巻数40ターンでは620μHであった。
【0067】
以上の結果より、従来からの設計法に基づきインダクタを設計した場合には、インダクタンス値が所望の値500μHと大きくくいちがってしまうが、本発明を用いて設計を行えばほぼ所望のインダクタンス値を持つインダクタを得ることができた。
【0068】
実施例2.
比透磁率4100を有する板厚0.1mm、の高けい素鋼板(板厚方向にSi濃度勾配を有する傾斜高けい素鋼板)を用いて、図17に示すように、長さ90mm×幅25mmに切断した鋼板を厚さ85mm積層した鉄心ブロック2個と、長さ85mm×幅25mmに切断した鋼板を厚さ85mm積層した鉄心ブロック2個との合計4個のブロックから1組のインダクタ鉄心を構成した。コアの占積率を0.96としてコアの断面積Am=2040mm2、磁路長lm=329mmとした。このコアを用いてインダクタンスL=1000μHのインダクタを製作することとした。
【0069】
漏れ磁束の低減とコアロスの低減を考慮してエアギャップは2.0mm×4ヶ所にすることとした。このとき図1の特性を用いるとフリンジングファクタα=3.95である。従って、上記の(1)式より磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Ag=3058mm2となるから、上記の(2)式を用いればこのコアの実効透磁率μeff=61と求まる。以上の結果と上記の(3)式とから、インダクタンス値を1000μHに最も近い値にするためにはコイルターン数N=46とすれば良いことが求まる。N=46のときのインダクタンス予測値は1002μHとなった。
【0070】
一方、比較のため従来法でインダクタの設計を行った。上記と同様エアギャップは2.0mm×4ヶ所にすると、従来法に従いギャップ長によらずフリンジングファクタα=1.0とおくと、ギャップ部の実効断面積Ag=2349mm2となるから上記の(2)式を用いればこのコアの実効透磁率μeff=46と求まる。以上の結果と上記(3)式から、インダクタンス値を1000μHに最も近い値にするためにはコイルターン数N=52とすれば良いとの結果となった。N=52のときのインダクタンス予測値は987μHとなった。
【0071】
以上をまとめると、上記コアを用いエアギャップ2.0mm×4ヶ所でインダクタンス値1000μHのインダクタを設計すると、従来法ではコイルターン数52、本発明を用いた設計ではコイルターン数46との設計結果となった。
【0072】
そこで、上記コアにエアギャップ2.0mm×4ヶ所施して、絶縁紙を挟んで銅帯を巻きつけてコイルとする方法で46ターン施した場合と52ターン施した場合との各々の場合において、周波数10kHz、磁束密度0.1テスラまで励磁したときのインダクタンス値を実測した。その結果、巻き数46ターンでは993μH、巻き数52ターンでは1279μHであった。
【0073】
以上の結果より、従来からの設計法に基づきインダクタを設計した場合には、インダクタンス値が所望の値1000μHと大きくくいちがってしまうが、本発明を用いて設計を行えばほぼ所望のインダクタンス値を持つインダクタを得ることが出来た。
【0074】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、磁路中にエアギャップを有する磁性体をコアとして使用するインダクタの設計方法において、エアギャップ長に対応したフリンジングファクタの値を求め、フリンジングファクタの値を用いてインダクタの仕様を設計するようにし、ギャップ部のフリンジングを考慮したので、インダクタを高精度に設計することが可能になっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】ギャップ長とフリンジングファクタとの関係を示した特性図である。
【図2】従来から用いられているコアのフリンジング量の説明図である。
【図3】コイルが巻かれるコア脚部にエアギャップが設けられたインダクタの説明図である。
【図4】コイルが巻かれるコア脚部の上下にエアギャップが設けられたインダクタの説明図である。
【図5】コアの断面寸法の説明図である。
【図6】コアがギャップ面に対して上下対称な突き合わせ構造の説明図である。
【図7】コイルが巻かれるコア脚部の上下にエアギャップが設けられたインダクタの説明図である。
【図8】コアがギャップ面に対して上下非対称な突き合わせ構造の説明図である。
【図9】ギャップ部の磁束のフリンジングの説明図である。
【図10】本発明の実施形態2に係るインダクタの設計装置の構成を示したブロック図である。
【図11】図10の設計装置の記憶装置に記憶されるテーブルの例を示した図である。
【図12】図10の設計装置の処理過程を示したフローチャートである。
【図13】図10の設計装置により得られた仕様のリストの一例を示した図である。
【図14】本発明の実施形態3に係るシステムのブロック図である。
【図15】本発明の実施例1における入出力画面を示した図である。
【図16】本発明の実施例1の設計対象のコアの構成図である。
【図17】本発明の実施例2の設計対象のコアの構成図である。
【符号の説明】
10 演算装置
11 記憶装置
12 入力装置
13 表示装置
14 出力装置
Claims (17)
- 磁路中にエアギャップを有する磁性体をコアとして使用するインダクタの設計方法において、エアギャップ長に対応したフリンジングファクタの値を求め、前記フリンジングファクタの値を用いてインダクタの仕様を設計することを特徴とするインダクタの設計方法。
- エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を予め求めておいて、その関係から、エアギャップ長に対応したフリンジングファクタの値を求めることを特徴とする請求項1記載のインダクタの設計方法。
- 前記フリンジングファクタの値に基づいて磁路の実効透磁率を求め、前記実効透磁率及び鉄心寸法に基づいてコイルターン数を求めることを特徴とする請求項1又は2記載のインダクタの設計方法。
- 鉄心の断面Am(=横a×縦d)、ギャップ長lg、コアの磁路長lmである場合に、コアの断面積Amに対して、磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Agを
Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+lg)
と表すとして、フリンジングファクタα又はβを定義し、エアギャップ長を変えながらインダクタンス値を求めて、そのインダクタンス値とギャップ長さとの関係から、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を予め求めることを特徴とする請求項2記載のインダクタの設計方法。 - 比透磁率μrの磁性体を用いたエアギャップ長lgのエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁率μeffを、真空の透磁率をμ0とすると、
μeff=μ0/{(1/μr)+(M・lg/lm)(Am/Ag)}
と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを
L=μeff ・Am・N2/lm
と表せることを用いてコイルターン数を求めること特徴とする請求項4記載のインダクタの設計方法。 - 磁路中にエアギャップを有する磁性体であって、ギャップ面の上下でコアの構造が対称でない構成のコアを鉄心として使用することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のインダクタの設計方法。
- 磁路中にエアギャップを有する磁性体をコアとして使用するインダクタを設計する装置において、
エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を特定した情報が記憶される記憶手段と、
エアギャップ長さに対応したフリンジングファクタの値を前記記憶手段に記憶された情報から求め、前記フリンジングファクタの値を用いてインダクタの仕様を設計する演算手段と
を備えたことを特徴とするインダクタの設計装置。 - 前記演算手段は、前記フリンジングファクタの値に基づいて磁路の実効透磁率を求め、前記実効透磁率及び鉄心寸法に基づいてコイルターン数を求めることを特徴とする請求項7記載のインダクタの設計装置。
- 前記記憶手段に記憶される情報は、鉄心の断面Am(=a×d)、ギャップ長lg 、コアの磁路長lmである場合に、コアの断面積Am=a×d に対して、磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Agを
Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+lg)
と表すとしてフリンジングファクタα又はβを定義したときの、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係が特定されたものであることを特徴とする請求項7記載のインダクタの設計装置。 - 前記演算手段は、比透磁率μrの磁性体を用いたエアギャップ長lgのエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁率μeffを、真空の透磁率をμ0とすると、
μeff=μ0/{(1/μr)+(M・lg/lm)(Am/Ag)}
と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを
L=μeff・Am・N2/lm
と表せることを用いてコイルターン数Nを求めること特徴とする請求項9記載のインダクタの設計装置。 - 磁路中にエアギャップを有する磁性体であって、ギャップ面の上下でコアの構造が対称でない構成のコアを鉄心として使用することを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載のインダクタの設計装置。
- 請求項1乃至6の何れかに記載の設計方法により設計された仕様に基づいてインダクタを製造することを特徴とするインダクタの製造方法。
- 請求項7乃至11の何れかに記載の設計装置により設計された仕様に基づいてインダクタを製造することを特徴とするインダクタの製造方法。
- 請求項7乃至11の何れかに記載の設計装置において、設計されたインダクタの仕様を媒体に書き込む出力装置を備えたことを特徴とするインダクタの設計装置。
- 請求項7乃至11の何れかに記載の設計装置において、設計されたインダクタの仕様を出力する出力装置を備え、該出力装置がクライアントとネットワークを介して接続され、設計されたインダクタの仕様がデータベースに格納されたサーバーからなることを特徴とするインダクタの設計装置。
- 請求項1乃至6の何れかの設計方法の各処理をコンピュータに実行させることを特徴とする設計プログラム。
- 請求項7乃至11の何れかの設計装置の演算手段の各処理をコンピュータに実行させることを特徴とする設計プログラム。
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