JP2003133142A - インダクタの設計方法及びその装置、インダクタの製造方法、媒体、サーバー並びに設計プログラム - Google Patents
インダクタの設計方法及びその装置、インダクタの製造方法、媒体、サーバー並びに設計プログラムInfo
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- JP2003133142A JP2003133142A JP2001324464A JP2001324464A JP2003133142A JP 2003133142 A JP2003133142 A JP 2003133142A JP 2001324464 A JP2001324464 A JP 2001324464A JP 2001324464 A JP2001324464 A JP 2001324464A JP 2003133142 A JP2003133142 A JP 2003133142A
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Abstract
度に設計することを可能にしたインダクターの設計方
法、の設計装置等を提供する。 【解決手段】 磁路中にエアギャップを有する磁性体を
コアとして使用するインダクタの設計方法において、エ
アギャップ長とフリンジングファクタとの関係を予め求
めておいて、その関係から、エアギャップ長に対応した
フリンジングファクタの値を求める。そして、そのフリ
ンジングファクタの値に基づいて磁路の実効透磁率を求
め、更に、実効透磁率と鉄心寸法とからコイルターン数
を求める。
Description
ップを有する磁性体をコアとして使用するインダクタの
設計方法及びその設計装置、前記設計方法及び設計装置
による設計データに基づいてインダクタを製造する製造
方法、前記設計方法及び設計装置による設計データが記
録される媒体、並びに前記設計データがデータベースに
格納されるサーバに関する。
れた磁気特性を有する磁性体は、広くトランスやインダ
クタのコア材料として使用されている。通常、透磁率の
高い材料をインダクタのコア材料として使用する場合に
は、コアの磁気飽和を防ぐためコア磁路中にエアギャッ
プが設けられる。
タンス値が最も重要な性能であるが、コアにエアギャッ
プを有するインダクタのインダクタンス値はエアギャッ
プの長さによって大きく変化する。従って、インダクタ
に所望のインダクタンス値をもたせるためには、コアの
設計段階においてエアギャップのギャップ長を正確に決
定する必要がある。
プ部磁束のフリンジング量(lg/2、lg:ギャップ長)
を見積もった磁気回路解析を行って決定されたギャップ
長を採用すれば、実際に製造されたインダクタにおいて
ほぼ所望のインダクタンス値が得られることが知られて
いた。さらに、実際のインダクタの製造段階において
は、必要に応じてギャップ長の微調整を行うことによっ
て所望のインダクタンス値を得ていた。
は、図3に示されるように電流が流れるコイルが巻かれ
るコア脚部31にエアギャップ32が設けられることが
一般的であった。ところが昨今、ギャップを分散させる
ことによってさまざまな性能向上がはかれることから、
図4に示されるように、コイルが巻かれるコア脚部31
の上下にエアギャップ32が配置されたコアを用いたイ
ンダクタが広く使用されるようになってきている。
の場合には、従来方法通りに図2のごとくギャップ部の
磁束のフリンジング量を見積もって磁気回路解析を行っ
てギャップ長を決定しても、実際に製造されたインダク
タで所望のインダクタンス値が得られないという問題点
があった。このため、トライアンドエラーを繰り返しな
がらギャップ長を決めなければならず、時間とコストが
かかってしまうという問題点があった。
造のインダクタを高精度に設計することを可能にしたイ
ンダクタの設計方法及びその設計装置を提供することに
ある。また、本発明の他の目的は、上記の設計方法又は
設計装置により設計された仕様に基づいてインダクタを
製造する製造方法、媒体、サーバー並びに設計プログラ
ムを提供することにある。
様に係るインダクタの設計方法は、磁路中にエアギャッ
プを有する磁性体をコアとして使用するインダクタの設
計方法において、エアギャップ長に対応したフリンジン
グファクタの値を求め、フリンジングファクタの値を用
いてインダクタの仕様を設計する。なお、前記のフリン
ジングファクタについては後述の実施形態において説明
する。
の設計方法は、上記(1)の設計方法において、エアギ
ャップ長とフリンジングファクタとの関係を予め求めて
おいて、その関係から、エアギャップ長に対応したフリ
ンジングファクタの値を求める。
の設計方法は、上記(1)又は(2)の設計方法におい
て、前記フリンジングファクタの値に基づいて磁路の実
効透磁率を求め、更に、実効透磁率及び鉄心寸法に基づ
いてコイルターン数を求める。
の設計方法は、上記(2)の設計方法において、鉄心の
断面Am(=横a×縦d)、ギャップ長lg 、コアの磁路
長lmである場合に、コアの断面積Am=a×d に対して、
磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積
Agを Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+
lg) と表すとして、フリンジングファクタα又はβを定義
し、エアギャップ長を変えながらインダクタンス値を求
めて、そのインダクタンス値とギャップ長さとの関係か
ら、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を
予め求める。
の設計方法は、上記(4)の設計方法において、比透磁
率μrの磁性体を用いたエアギャップ長lgのエアギャッ
プをMヶ所有するコアの実効透磁率μeffを、真空の透
磁率をμ0とすると、 μeff=μ0/ {(1/μr) + (M・lg/lm)(Am/Ag)} と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを L=μeff・Am・N2/lm と表せることを用いてコイルターン数を求める。
の設計方法は、上記(1)乃至(5)の設計方法におい
て、磁路中にエアギャップを有する磁性体であって、ギ
ャップ面の上下でコアの構造が対称でない構成のコアを
鉄心として使用する。
の設計装置は、磁路中にエアギャップを有する磁性体を
コアとして使用するインダクタを設計する装置におい
て、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を
特定した情報が記憶される記憶手段と、エアギャップ長
さに対応したフリンジングファクタの値を前記記憶手段
に記憶された情報から求め、更に、前記フリンジングフ
ァクタの値を用いてインダクタの仕様を設計する演算手
段とを備えたものである。
の設計装置は、上記(7)の設計装置において、前記演
算手段は、前記フリンジングファクタの値に基づいて磁
路の実効透磁率を求め、前記実効透磁率及び鉄心寸法に
基づいてコイルターン数を求める。
の設計装置は、上記(7)の設計装置において、前記記
憶手段に記憶される情報は、鉄心の断面Am(=a×
d)、ギャップ長lg 、コアの磁路長lmである場合に、
コアの断面積Am=a×d に対して、磁束のフリンジング
を考慮したギャップ部の実効断面積Agを Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+l
g) と表すとしてフリンジングファクタα又はβを定義し、
エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係が特定
されたものである。
タの設計装置は、上記(9)の設計装置において、前記
記憶手段は、比透磁率μrの磁性体を用いたエアギャッ
プ長lgのエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁率
μeffを、真空の透磁率をμ0とすると、 μeff=μ0/ {(1/μr)+(M・lg/lm)(Am/Ag)} と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを L=μeff ・Am・N2/lm と表せることを用いてコイルターン数Nを求める。
タの設計装置は、上記(7)乃至(10)の設計置にお
いて、磁路中にエアギャップを有する磁性体であって、
ギャップ面の上下でコアの構造が対称でない構成のコア
を鉄心として使用する。
タの製造方法は、上記(1)乃至(6)の何れかに記載
の設計方法により設計された仕様に基づいてインダクタ
を製造する。
タの製造方法は、上記(7)乃至(11)の何れかに記
載の設計装置により設計された仕様に基づいてインダク
タを製造する。
上記(1)乃至(6)の設計方法により設計された仕様
が記録されたものである。
上記(7)乃至(11)の設計装置により設計された仕
様が記録されたものである。
は、クライアンとネットワークを介して接続され、デー
タベースに上記(1)乃至(6)の設計方法により設計
されたインダクタの仕様が格納されたものである。
は、クライアントとネットワークを介して接続され、デ
ータベースに上記(7)乃至(11)の設計装置により
設計されたインダクタの仕様が格納されたものである。
グラムは、上記(1)乃至(6)の設計方法の各処理を
コンピュータに実行させるものである。
グラムは、上記(7)乃至(11)の設計装置の演算手
段の各処理をコンピュータに実行させるものである
クタの設計方法の概要を実施形態1として説明する。従
来の技術の説明からも明らかなように、エアギャップの
存在により磁気漏洩が起きて磁束が膨らみ(図2,図9
参照)、ギャップ部の磁路として機能する面積は現実の
コア断面積とは異なる値となる。このギャップ部の磁路
として機能する面積を本発明においては実効断面積とい
い、現実のコア断面積と実効断面積とを関係付けるパラ
メータを本発明においてはフリンジングファクタと称し
ている。また、現実のコア断面積ではなく、ギャップ部
のギャップ長に着目すると、エアギャップの存在によっ
て磁束が漏洩して膨らむことにより、現実のギャップ長
さとは異なる値となる(図2、図9参照)。このギャッ
プ部の磁路として機能する長さを本発明においては実効
ギャップ長さといい、現実のギャップと実効ギャップ長
とを関係付けるパラメータをフリンジングファクタと称
している。なお、以下の実施形態においては、実効断面
積と、それに関連するフリンジングファクタについて説
明するが、本発明はそのことに限定されるものではな
い。
アが設計対象となっているコアの形状であり、その鉄心
の断面が図5に示されるように横a×縦d、ギャップ長
lg、コアの磁路長lmである場合には、コアの断面積Am
=a×d に対して、磁束のフリンジングを考慮したギャ
ップ部の実効断面積Agを Ag=(a+αlg)(d+αlg) …(1) と表すとして、フリンジングファクタαを定義する。
のエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁率μeff
は、真空の透磁率をμ0とすると、 μeff=μ0/{(1/μr)+ (M・lg/lm)(Am/Ag)} …(2) と表せることが一般に知られている。そして、コイルタ
ーン数NのときのインダクタンスLは、 L=μeff・Am・N2/lm …(3) と表せる。
知ることが出来れば、上記(1)、(2)及び(3)を
用いてインダクタのインダクタンス値を正確に計算で予
測することができる。
のインダクタのコアは、コイルが巻かれる脚31の中心
にギャップ部32があり、コイル内部にギャップが位置
する構造となっている。このような従来型のコア構造の
場合には、上記フリンジングファクタはα=1.0とお
いて計算した鉄心の実効透磁率と実際に製造したコアの
実効透磁率が良く一致する。このため、従来はインダク
タの鉄心の設計においては、ギャップ長lgやコアサイズ
によらずフリンジングファクタはα=1.0が用いられ
てきた。
せることによってさまざまな性能向上がはかれることか
ら、図4に示されるように、コイルが巻かれるコア脚部
31の上下にエアギャップ32が配置されたコアを用い
たインダクタが使用されるようになってきている。この
ような構造を持ったコアの場合には、従来方法通りにα
=1.0とおいて計算した鉄心の実効透磁率と、実際に
製造したコアの実効透磁率とが一致せず、このため、ト
ライアンドエラーを繰り返しながらギャップ長を決めな
ければならなかった。
討を行い、そして、上記不一致の原因として、従来型の
コア構造の場合ギャップ部を拡大した図6に示されるよ
うに、ギャップ面(ギャップ部の中間位置の面)33に
対し上下の鉄心の構造が対称な突合せ構造となっている
が、一方、図7に示されるようなコアの場合には、図8
に示されるように、ギャップ面33に対し上下の鉄の構
造が対称な突合せ構造となっていない点に着目した。そ
の結果、従来の対称な突合せ構造とコイルが巻かれるコ
ア脚部の上下にエアギャップが配置されるコア構造とで
は、図9に示されるように、磁束のフリンジング形態が
異なるためフリンジング量も異なることを見い出した。
態)でサイズの異なるコアを数種類用意して巻き線を施
し、ギャップ長を変えながらインダクタンス値Lを測定
して、上記(3)式に従って各コアサイズ、ギャップ長
ごとの実効透磁率を求めた。
サイズ、ギャップ長ごとにギャップ部の実効断面積Ag
を求めた。さらに、上記の(1)式から、フリンジング
ファクタαは
gから各コアサイズ、ギャップ長ごとのフリンジングフ
ァクタαを求めた。その結果を図1に示す。
はコアサイズには依存せず、ギャップ長lgに依存して一
義的に決められることを示している。従って、上記のよ
うにして求めた図1を用いて任意のサイズのコアに対し
て任意のギャップ長ごとにフリンジングファクタを求
め、その値と上記(1)〜(3)式を用いて任意のコア
サイズ、任意のギャップ長に対してインダクタンスを正
確に計算することができる。なお、図1のA乃至Cは、
基本形態は同じである(図4の左側)がサイズの異なる
コアを示している。
に係るインダクタの設計装置の構成を示したブロック図
である。同図において、演算装置10には記憶装置1
1、入力装置12、表示装置13及び出力装置14が接
続されており、上記の実施形態1の設計方法に基づいて
そのインダクタの設計を行う。なお、記憶装置11に
は、コアの形状に応じて、図4の特性が関数式の形式又
はテーブルの形式で格納されているものとする。例え
ば、関数式の形式としては、 α=m0+m1・lg+m2・lg2 …(6) 但し、m0、m1、m2は定数であり、図1の例ではm0=
4.8184、m1=−0.50059、m2=0.03
538である。
に、所定のピッチで増加させたギャップ長lgと、それに
対応したフリンジングファクタαとをリスト化した形式
のものである。
したフローチャートであり、同図に従ってその処理過程
を説明する。
スペックの各種のデータを入力する。演算装置10はそ
の入力データを記憶装置11に格納する。ここで、製品
のスペックの各種のデータとしては、例えば、インダク
タンス値L、定格電流、温度条件等が入力される。
ラメータを入力(又は変更)する。演算装置10はその
データを記憶装置11に格納する。ここで、設計パラメ
ータとしては、例えば、鉄心材料、鉄心寸法、鉄心形
状、ギャップ長、ギャップ数等がある。
づいてフリンジングファクタを算出する。このフリンジ
ングファクタは、記憶装置11に格納されている関数又
はテーブルを参照して算出される。例えば、関数式とし
て、 α=m0+m1・lg+m2・lg2 …(6) という形式の関数が格納されている場合には、その関数
式を演算することによりをフリンジングファクタαを算
出する。
ブルが、図11に示されるように、所定のピッチで増加
させたギャップ長lgと、それに対応したフリンジングフ
ァクタαとがリストされた場合には、該当するギャップ
長lgに対応したフリンジングファクタαを読み出す。該
当するギャップ長lgがない場合には、該当するギャップ
長lgに隣接するギャップ長とそれに対応したフリンジン
グファクタαとに基づいて補間処理(例えば直線補間)
を行ってフリンジングファクタαを求める。
心寸法、鉄心形状、ギャップ長、ギャップ数及びフリン
ジングファクタに基づいて実効透磁率を算出する。この
実効透磁率は、上記の(1)式及び(2)式を演算する
ことにより求められる。
実効透磁率に基づいてコイルターン数(巻回数)を算出
する。このコイルターン数は上記の(3)式を演算する
ことにより求められる。この(3)式による計算におい
て、Nが小数点以下の値を含んだ場合にはその計算値に
近い整数にする(切り上げ、切り捨て)。
められたコイルターン数(巻回数)に基づいて、製品条
件の適合性を判断する。例えば次の例1〜3に示される
ような判断を行う。 例1.定格電流値から求まる線径の巻線で、鉄心のコイ
ルを巻き付ける部分に、上記のコイルターン数で巻くだ
けのスペースがあるかどうか。 例2.鉄心の鉄損による発熱が温度スペックを満足して
いるどうか。 例3.定格電流を流したときのインダクタンス値が製品
スペックを満足するかどうか。
合性について判断した結果、適合しないという判断をし
た場合には、実効透磁率を参照してどの設計パラメータ
を変更するかを決定する。 (S18)演算装置10は、設計パラメータの変更量を
決定して、上記の処理(S11)以降の処理を繰り返
す。
8)における具体例について以下説明する。上記の例1
について、製品条件の適合性が満たされていないと判断
された場合においては、例えば次のような処理をする。 計算された実効透磁率が比較的小さい場合には、例え
ばギャップ長さを小さくしてみる。 透磁率の高い材料に材料を替えてみる。 計算された実効透磁率が小さいと言えない場合には、
鉄心寸法を大きくしてみる。
合性が満たされていないと判断された場合においては、
例えば次のような処理をする。 計算された実効透磁率が比較的大きい場合には、例え
ばギャップ長さを大きくしてみる。 鉄心寸法を大きくしてみる。 鉄損の低い材料に材料を替えてみる。
合性が満たされていないと判断された場合においては、
例えば次のような処理をする 計算された実効透磁率が比較的大きい場合には、例え
ばギャップ長さを大きくしてみる。 鉄心寸法を大きくしてみる。 飽和磁束密度の高い材料に材料を替えてみる。
(S18)により設計パラメータが変更されると、上記
の処理(S11)乃至(S18)の処理を繰り返し、製
品条件への適合判断において適合していると判断される
と、コイルターン数、実効透磁率、変更された設計パラ
メータ等が表示装置13及び出力装置14にそれぞれ出
力されて、表示又は出力される。
めのプログラム全体をVISUAL BASIC、C++などのプロ
グラミング言語を用いて製作しても、Microsoft EXCEL
(R) のような表計算ソフトを用いて作製しても、ま
た、両者を組み合わせて作製しても良い。なお、上記の
説明ではコアの断面形状が長方形(正方形を含む)の場
合のみを取り上げたが、断面形状が長方形以外の場合に
も、断面形状に応じてフリンジングファクタを定義すれ
ば、上記と同様の方法によって所望のインダクタンスを
有するインダクタの設計を正確に行うことができる。
定されると、その仕様に従ってインダクタが製造される
ことになるが、その具体的な製造方法は従来の製造方法
と同じである。
にデータを書き込む機能をもったものを使用した場合に
は、記録媒体に複数種類のインダクタの仕様を例えば図
13に示されるように、書き込んでおいてそれを配布す
ることにより、コア形状に応じたインダクタの仕様を迅
速に得ることができ、製品の発注までの時間を短縮させ
ることができる。また、媒体は紙であってもよく、その
場合には図13に示されるように仕様が一覧表示され
る。
に係るシステムのブロック図である。このシステムにお
いては、上記の実施形態2において得られた、各種のコ
ア形状に応じたインダクタの仕様をサーバー21のデー
タベースに格納しておいて、クライアント23からイン
ターネット22を介してサーバー21に格納されている
インダクタの仕様を閲覧できるようにしてある。このた
め、クライアント23は各種のコア形状に応じたインダ
クタの仕様を迅速に把握することができ、製品の発注ま
での時間を短縮させることができる。
いては、コイルのギャップ長さを設定(入力)してコイ
ルターン数を求めた例について説明したが、コイルター
ン数を設定しておいて、コイルのギャップ長さを求める
ようにしてもよい。その場合においても、上記の(2)
式及び(3)式により求められる。
アの断面積Am=a×d に対して、磁束のフリンジングを
考慮したギャップ部の実効断面積Agを Ag=(a+αlg)(d+αlg) と表すものとしてフリンジングファクタαを定義した
が、ギャップ長に応じたフリンジング量を見積もるため
のフリンジングファクタの定義方法は特に上記の定義の
みには限らず、たとえばギャップ部の実効断面積Agを Ag=(a+βlg)(d+lg) と表すとしてフリンジングファクタβを定義しても、上
記の説明と本質的には同様な方法によって所望のインダ
クタンスを有するインダクタの設計を正確に行うことが
できる。
ャップ部の実効断面積Agとコア寸法(コア断面積)と
の関係でフリンジングファクタα,βを定義したが、実
効ギャップ長さとギャップ長さとの関係でフリンジング
ファクタを定義してもよい。この場合においても、実測
で求めた実効透磁率からフリンジングファクタを定義づ
ければよい。
プ面に対し上下の鉄心の構造が対称な突合せ構造となっ
ていない場合について特に説明したが、ギャップ長に応
じたフリンジング量を見積もるための校正曲線(図1)
を事前に用意するという本発明を用いれば、ギャップ面
に対し上下の鉄心の構造が対称な突合せ構造となってい
る場合にも従来方法よりも大幅に正確なインダクタ設計
を実施することが可能である。
るインダクタ設計プログラムをMicrosoft EXCEL(R)
を用いて構築した。図15に本ソフトの入出力画面を示
す。比透磁率22500を有する板厚0.1mm、の6.
5%けい素鋼板を用いて、図16に示すように、長さ5
2mm×幅16mmに切断した鋼板を厚さ45mm積層した鉄
心ブロック2個と、長さ70mm×幅16mmに切断した鋼
板を厚さ45mm積層した鉄心ブロック2個との合計4個
のブロックから1組のインダクタ鉄心を構成した。コア
の占積率を0.95としてコアの断面積Am=684m
m2、磁路長lm=229mmとした。このコアを用いてイン
ダクタンスL=500μHのインダクタを製作すること
とした。
てエアギャップは0.75mm×4ヶ所にすることとし
た。このとき、図1の特性を用いるとフリンジングファ
クタα=4.46である。従って、上記の(1)式より
磁束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積
Ag=935mm2となるから、上記の(2)式を用いれば
このコアの実効透磁率μeff=104と求まる。以上の
結果と、上記の(3)式から、インダクタンス値を50
0μHに最も近い値にするためにはコイルターン数N=
36とすれば良いことが求まる。N=36のときのイン
ダクタンス予測値は505μHとなった。
計を行った。上記と同様エアギャップは0.75mm×4
ヶ所にすると、従来法に従いギャップ長によらずフリン
ジングファクタα=1.0とおくと、ギャップ部の実効
断面積Ag=766mm2となるから、上記の(2)式を用
いればこのコアの実効透磁率μeff=84と求まる。以
上の結果と、上記の(3)式から、インダクタンス値を
500μHに最も近い値にするためにはコイルターン数
N=40とすれば良いとの結果となった。N=40のと
きのインダクタンス予測値は511μHとなった。
ャップ0.75mm×4ヶ所でインダクタンス値500μ
Hのインダクタを設計すると、従来法ではコイルターン
数40、本発明を用いた設計ではコイルターン数36と
の設計結果となった。
mm×4ヶ所施して巻線を36ターン施した場合と40タ
ーン施した場合との各々の場合において、周波数5kH
z、磁束密度0.15テスラまで励磁したときのインダ
クタンス値を実測した。その結果、巻数36ターンでは
495μH、巻数40ターンでは620μHであった。
きインダクタを設計した場合には、インダクタンス値が
所望の値500μHと大きくくいちがってしまうが、本
発明を用いて設計を行えばほぼ所望のインダクタンス値
を持つインダクタを得ることができた。
0.1mm、の高けい素鋼板(板厚方向にSi濃度勾配を
有する傾斜高けい素鋼板)を用いて、図17に示すよう
に、長さ90mm×幅25mmに切断した鋼板を厚さ85mm
積層した鉄心ブロック2個と、長さ85mm×幅25mmに
切断した鋼板を厚さ85mm積層した鉄心ブロック2個と
の合計4個のブロックから1組のインダクタ鉄心を構成
した。コアの占積率を0.96としてコアの断面積Am
=2040mm2、磁路長lm=329mmとした。このコア
を用いてインダクタンスL=1000μHのインダクタ
を製作することとした。
てエアギャップは2.0mm×4ヶ所にすることとした。
このとき図1の特性を用いるとフリンジングファクタα
=3.95である。従って、上記の(1)式より磁束の
フリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積Ag=
3058mm2となるから、上記の(2)式を用いればこ
のコアの実効透磁率μeff=61と求まる。以上の結果
と上記の(3)式とから、インダクタンス値を1000
μHに最も近い値にするためにはコイルターン数N=4
6とすれば良いことが求まる。N=46のときのインダ
クタンス予測値は10002μHとなった。
計を行った。上記と同様エアギャップは2.0mm×4ヶ
所にすると、従来法に従いギャップ長によらずフリンジ
ングファクタα=1.0とおくと、ギャップ部の実効断
面積Ag=2349mm2となるから上記の(2)式を用い
ればこのコアの実効透磁率μeff=46と求まる。以上
の結果と上記(3)式から、インダクタンス値を100
0μHに最も近い値にするためにはコイルターン数N=
52とすれば良いとの結果となった。N=52のときの
インダクタンス予測値は987μHとなった。
ャップ2.0mm×4ヶ所でインダクタンス値1000μ
Hのインダクタを設計すると、従来法ではコイルターン
数52、本発明を用いた設計ではコイルターン数46と
の設計結果となった。
×4ヶ所施して、絶縁紙を挟んで銅帯を巻きつけてコイ
ルとする方法で46ターン施した場合と52ターン施し
た場合との各々の場合において、周波数10kHz、磁
束密度0.1テスラまで励磁したときのインダクタンス
値を実測した。その結果、巻き数46ターンでは993
μH、巻き数52ターンでは1279μHであった。
きインダクタを設計した場合には、インダクタンス値が
所望の値1000μHと大きくくいちがってしまうが、
本発明を用いて設計を行えばほぼ所望のインダクタンス
値を持つインダクタを得ることが出来た。
エアギャップを有する磁性体をコアとして使用するイン
ダクタの設計方法において、エアギャップ長に対応した
フリンジングファクタの値を求め、フリンジングファク
タの値を用いてインダクタの仕様を設計するようにし、
ギャップ部のフリンジングを考慮したので、インダクタ
を高精度に設計することが可能になっている。
示した特性図である。
の説明図である。
けられたインダクタの説明図である。
プが設けられたインダクタの説明図である。
せ構造の説明図である。
プが設けられたインダクタの説明図である。
わせ構造の説明図である。
る。
装置の構成を示したブロック図である。
ーブルの例を示した図である。
チャートである。
トの一例を示した図である。
ク図である。
た図である。
である。
である。
Claims (19)
- 【請求項1】 磁路中にエアギャップを有する磁性体を
コアとして使用するインダクタの設計方法において、エ
アギャップ長に対応したフリンジングファクタの値を求
め、前記フリンジングファクタの値を用いてインダクタ
の仕様を設計することを特徴とするインダクタの設計方
法。 - 【請求項2】 エアギャップ長とフリンジングファクタ
との関係を予め求めておいて、その関係から、エアギャ
ップ長に対応したフリンジングファクタの値を求めるこ
とを特徴とする請求項1記載のインダクタの設計方法。 - 【請求項3】 前記フリンジングファクタの値に基づい
て磁路の実効透磁率を求め、前記実効透磁率及び鉄心寸
法に基づいてコイルターン数を求めることを特徴とする
請求項1又は2記載のインダクタの設計方法。 - 【請求項4】 鉄心の断面Am(=横a×縦d)、ギャ
ップ長lg、コアの磁路長lmである場合に、コアの断面積
Amに対して、磁束のフリンジングを考慮したギャップ
部の実効断面積Agを Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+l
g) と表すとして、フリンジングファクタα又はβを定義
し、エアギャップ長を変えながらインダクタンス値を求
めて、そのインダクタンス値とギャップ長さとの関係か
ら、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を
予め求めることを特徴とする請求項2記載のインダクタ
の設計方法。 - 【請求項5】 比透磁率μrの磁性体を用いたエアギャ
ップ長lgのエアギャップをMヶ所有するコアの実効透磁
率μeffを、真空の透磁率をμ0とすると、 μeff=μ0/{(1/μr)+(M・lg/lm)(Am/Ag)} と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを L=μeff ・Am・N2/lm と表せることを用いてコイルターン数を求めること特徴
とする請求項4記載のインダクタの設計方法。 - 【請求項6】 磁路中にエアギャップを有する磁性体で
あって、ギャップ面の上下でコアの構造が対称でない構
成のコアを鉄心として使用することを特徴とする請求項
1乃至5の何れかに記載のインダクタの設計方法。 - 【請求項7】 磁路中にエアギャップを有する磁性体を
コアとして使用するインダクタを設計する装置におい
て、 エアギャップ長とフリンジングファクタとの関係を特定
した情報が記憶される記憶手段と、 エアギャップ長さに対応したフリンジングファクタの値
を前記記憶手段に記憶された情報から求め、前記フリン
ジングファクタの値を用いてインダクタの仕様を設計す
る演算手段とを備えたことを特徴とするインダクタの設
計装置。 - 【請求項8】 前記演算手段は、前記フリンジングファ
クタの値に基づいて磁路の実効透磁率を求め、前記実効
透磁率及び鉄心寸法に基づいてコイルターン数を求める
ことを特徴とする請求項7記載のインダクタの設計装
置。 - 【請求項9】 前記記憶手段に記憶される情報は、鉄心
の断面Am(=a×d)、ギャップ長lg 、コアの磁路長
lmである場合に、コアの断面積Am=a×dに対して、磁
束のフリンジングを考慮したギャップ部の実効断面積A
gを Ag=(a+αlg)(d+αlg)又はAg=(a+βlg)(d+l
g) と表すとしてフリンジングファクタα又はβを定義した
ときの、エアギャップ長とフリンジングファクタとの関
係が特定されたものであることを特徴とする請求項7記
載のインダクタの設計装置。 - 【請求項10】 前記記憶手段は、比透磁率μrの磁性
体を用いたエアギャップ長lgのエアギャップをMヶ所有
するコアの実効透磁率μeffを、真空の透磁率をμ0とす
ると、 μeff=μ0/{(1/μr)+(M・lg/lm)(Am/Ag)} と表し、コイルターン数NのときのインダクタンスLを L=μeff・Am・N2/lm と表せることを用いてコイルターン数Nを求めること特
徴とする請求項9記載のインダクタの設計装置。 - 【請求項11】 磁路中にエアギャップを有する磁性体
であって、ギャップ面の上下でコアの構造が対称でない
構成のコアを鉄心として使用することを特徴とする請求
項7乃至10の何れかに記載のインダクタの設計装置。 - 【請求項12】 請求項1乃至6の何れかに記載の設計
方法により設計された仕様に基づいてインダクタを製造
することを特徴とするインダクタの製造方法。 - 【請求項13】 請求項7乃至11の何れかに記載の設
計装置により設計された仕様に基づいてインダクタを製
造することを特徴とするインダクタの製造方法。 - 【請求項14】 請求項1乃至6の何れかに記載の設計
方法により設計された仕様が記録されたことを特徴とす
る媒体。 - 【請求項15】 請求項7乃至11の何れかに記載の設
計装置により設計された仕様が記録されたことを特徴と
する媒体。 - 【請求項16】 クライアントとネットワークを介して
接続され、データベースに請求項1乃至6の何れかの設
計方法により設計されたインダクタの仕様が格納された
ことを特徴とするサーバー。 - 【請求項17】 クライアントとネットワークを介して
接続され、データベースに請求項7乃至11の何れかの
設計装置により設計されたインダクタの仕様が格納され
たことを特徴とするサーバー。 - 【請求項18】 請求項1乃至6の何れかの設計方法の
各処理をコンピュータに実行させることを特徴とする設
計プログラム。 - 【請求項19】 請求項7乃至11の何れかの設計装置
の演算手段の各処理をコンピュータに実行させることを
特徴とする設計プログラム。
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JP2003133142A true JP2003133142A (ja) | 2003-05-09 |
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---|---|---|---|---|
JP2009032995A (ja) * | 2007-07-28 | 2009-02-12 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リアクトル装置 |
JP2011035164A (ja) * | 2009-07-31 | 2011-02-17 | Tdk-Lambda Corp | トランス装置 |
JP2013528932A (ja) * | 2010-04-13 | 2013-07-11 | エンフェイズ エナジー インコーポレイテッド | 改良型変成器 |
JP2015099818A (ja) * | 2013-11-18 | 2015-05-28 | Jfeスチール株式会社 | 高周波リアクトルおよびその設計方法 |
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- 2001-10-23 JP JP2001324464A patent/JP3709828B2/ja not_active Expired - Fee Related
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