JP4410541B2 - 磁気歪み解析装置、磁気歪み解析方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

磁気歪み解析装置、磁気歪み解析方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDF

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本発明は、磁気歪み解析装置、磁気歪み解析方法、コンピュータプログラム、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、薄板鋼板を複数枚積層して構成される鉄心に生じる磁気歪みを解析するために用いて好適なものである。
積層された複数枚の薄板鋼板(鉄心)の周りにコイルを巻き回して形成される変圧器などの機器では、交流励磁したときに上記鉄心に生じる磁気歪みによって、騒音が発生するという問題点があった。
そこで、従来は、変圧器を試作し、試作した変圧器を交流励磁することによって、上記変圧器に発生する騒音を評価するようにしていた。以下、交流励磁を励磁と記す。
祖田直也、榎園正人,「E&Sモデルによる二次元磁気特性のヒステリシスモデリング」,日本応用磁気学会誌,社団法人日本応用磁気学会,2000年,第24巻,p.827−830 榎園正人、鈴木毅浩、ヨハン・ジーベルト(Johannes Sievert),「回転磁界下の二次元磁気特性(Measurement of Dynamic Magnetostriction under Rotating Magnetic Field)」,IEEE Transactions on Magnetics、米国電気、電子技術者協会(The Institute of Electrical and Electronics Engineers,Inc),1990年,第26巻,第5号,p.2067−2069 榎園正人、戸高孝、金尾真一,「けい素鋼板の2次元磁気歪み特性I.交番磁束下の任意方向の磁気歪み」,日本応用磁気学会誌、社団法人日本応用磁気学会,1995年,第19巻,p.293−296 榎園正人、戸高孝、金尾真一,「けい素鋼板の2次元磁気歪み特性II.回転磁束下の任意方向の磁気歪み」,日本応用磁気学会誌、社団法人日本応用磁気学会,1995年,第19巻,p.293−296
しかしながら、上述した従来の技術では、変圧器を試作してみないと、変圧器に発生する騒音を評価することができなかった。したがって、騒音の小さい変圧器をユーザに提供するためには、変圧器の試作を何度も繰り返さなければならず、多大な労力と費用を費やしてしまうという問題点があった。
本発明は、上述の問題点にかんがみてなされたものであり、鉄心に生じる磁気歪みを計算により求めることができるようにして、上記鉄心を用いた機器に発生する騒音を上記機器の設計の段階で評価できるようにすることを目的とする。
本発明の磁気歪み解析装置は、励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析装置であって、上記励磁された鉄心の磁化特性を演算する磁束密度演算手段と、上記磁束密度演算手段により演算された磁化特性に対応付けられて記録媒体に記録されている磁気歪み特性を読み出して、上記励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の磁気歪み解析装置は、上記磁歪特性演算手段は、複数の歪みゲージが表面に取り付けられた薄板鋼板に楕円磁束を与えたときに生じる上記複数の歪みゲージの変化により、上記薄板鋼板の板面方向に生じる歪を測定した結果を入力し、入力した歪み率から、前記歪みテンソルを計算し、上記複数の歪みゲージは、互いに異なる方向を向くようにして上記薄板鋼板の表面に取り付けられていることを特徴とする。
本発明の磁気歪み解析方法は、励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析方法であって、上記励磁された鉄心の磁化特性を演算する磁束密度演算ステップと、上記磁束密度演算ステップにより演算された磁化特性に対応付けられて記録媒体に記録されている磁気歪み特性を読み出して、上記励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析ステップとを有することを特徴とする。
また、本発明の磁気歪み解析方法は、上記磁歪特性演算ステップは、複数の歪みゲージが表面に取り付けられた薄板鋼板に楕円磁束を与えたときに生じる上記複数の歪みゲージの変化により、上記薄板鋼板の板面方向に生じる歪を測定した結果を入力し、入力した歪み率から、前記歪みテンソルを計算し、上記複数の歪みゲージは、互いに異なる方向を向くようにして上記薄板鋼板の表面に取り付けられていることを特徴とする。
本発明のコンピュータプログラムは、励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、上記励磁された鉄心の磁化特性を演算する磁束密度演算ステップと、上記磁束密度演算ステップにより演算された磁化特性に対応付けられて記録媒体に記録されている磁気歪み特性を読み出して、上記励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とする。
本発明によれば、演算した磁化特性に対応付けられて記録媒体に記録されている磁気歪み特性を読み出して、励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析するようにしたので、騒音を評価するための指標である磁気歪み特性を、磁気特性解析により解析された磁気特性に基づいて求めることができる。これにより、上記鉄心を用いた機器に発生する騒音を上記機器の設計の段階で正確に評価することができる。
また、本発明の他の特徴によれば、互いに異なる方向を向くように薄板鋼板の表面に取り付けられた複数の歪みゲージの変化により、上記薄板鋼板の板面内方向に生じる歪を測定するようにしたので、上記薄板鋼板が、その板面方向においてどのように歪んだとしても、その歪みを正確に測定して、該歪み率の測定結果から、前記磁気歪み特性を求めるために用いる歪みテンソルを計算することができる。
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態における磁気歪み解析装置の構成の一例を示したブロック図である。
図1において、磁気歪み解析装置1は、操作部2と、表示部3と、処理部4とを有している。
操作部2は、キーボードやマウスなどにより構成される装置であり、ユーザ(解析者)により実行された内容を処理部4に伝えるようにするための装置である。
表示部3は、ディスプレイなどにより構成される装置であり、処理部4により実行された処理結果などを表示するための装置である。ユーザ(解析者)は、この表示部3に表示された内容を見ながら、操作部2を操作して所望の内容を入力する。
処理部4は、CPU、ROM、及びRAMなどにより構成されるコンピュータである。この処理部4は、上記ROMに記録されているプログラムを実行するなどして磁気歪み解析装置1における処理動作を行う。
具体的に処理部4は、磁歪特性データベース4aと、磁歪特性演算部4bと、磁束密度分布演算部4cと、磁歪特性検索部4dと、騒音評価部4eとを有している。
磁歪特性データベース4aは、薄板鋼板の最大歪み率λMAXと、その最大歪み率λMAXを与える楕円磁束とを対応付けて格納するデータベースである。
ここで、楕円磁束とは、励磁されたときの磁束密度ベクトルが時間的変化して描く軌跡が楕円である磁束である。
なお、本実施の形態では、楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincとから、上記楕円磁束を特定するようにする(図2を参照)。
また、最大歪み率λMAXは、解析対象としている鉄心を構成する薄板鋼板に対して測定された歪み率に基づいて、磁歪特性演算部4bにより演算されるものである。
(歪み率の測定方法)
ここで、薄板鋼板の歪み率の測定方法について説明する。
本実施の形態では、図3(a)に示すように、互いに平行でない3本の歪みゲージ32〜34を試料(薄板鋼板)31の表面に貼り付けるようにしている。
具体的に説明すると、図3(b)に示すように、歪みゲージ32と歪みゲージ33とのなす角度と、歪みゲージ33と歪みゲージ34とのなす角度が、60[°]となるように、試料31の中央から放射状に歪みゲージ32〜34を貼り付けるようにしている。
このようにして歪みゲージ32〜34が貼り付けられた試料(薄板鋼板)31を、図4に示すような2次元磁気測定装置40に取り付けて、歪みゲージ32〜34が貼り付けられている方向(歪み測定方向)の歪み率λ30、λ90、λ150を同時に測定する。
図4において、2次元磁気測定装置40は、励磁用継鉄41a〜41dと、励磁コイル42a〜42dと、Bコイル43と、Hコイル44とを有している。
励磁用継鉄41aと励磁用継鉄41cは、x軸方向において、試料(薄板鋼板)31を介して対向するように配設されている。また、励磁用継鉄41bと励磁用継鉄41dは、y軸方向において、試料31を介して対向するように配設されている。
また、試料(薄板鋼板)31内に磁束を集中させるために、励磁用継鉄41a〜41dの先端は、先細りの形状を有している。さらに、試料(薄板鋼板)31内の磁束を均一にするために、試料(薄板鋼板)31と、励磁用継鉄41a〜41dとの間には、0.1[mm]程度の隙間を設けている。
励磁コイル42a〜42dは、それぞれ励磁用継鉄41a〜41dに巻回されている。
Bコイル43は、試料(薄板鋼板)31の中心点を介してx軸方向おいて対向するように設けられた2つの穴を通して巻回されたBxコイル43aと、試料(鉄心)31の中心を介してy軸方向おいて対向するように設けられた2つの穴を通して巻回されたByコイル43bとを有している。
Hコイル44は、試料31の上方または下方において、y軸方向に巻回されたHyコイル44aと、Hyコイル44a上でx軸方向に巻回されたHxコイル44bとを有している。
以上のようにして構成された2次元磁気測定装置40を用いて、試料(薄板鋼板)31の歪み率を測定する。すなわち、試料(薄板鋼板)31の内部の磁束が、所定の楕円磁束になるように、励磁コイル42a〜42dに励磁電流を流す。そして、上記励磁電流を流したときに、試料(薄板鋼板)31に生じる各歪み測定方向の歪み率λ30、λ90、λ150を測定する。
次に、磁歪特性演算部4bにより演算される内容について説明する。
(歪みテンソルの計算方法)
磁歪特性演算部4bは、ユーザによる操作部2の操作に基づいて、以上のようにして測定された歪み率λ30、λ90、λ150を入力する。
そして、入力した歪み率λ30、λ90、λ150から、次の(1式)のように表される歪みテンソルEの各成分e11、e12、e22を計算する。
Figure 0004410541
具体的に説明すると、歪みテンソルEの各成分e11、e12、e22は、各歪み測定方向の単位ベクトルβθが次の(2式)のように表されることから、以下の(3式)のように表される。すなわち、以下の(3式)に基づいて、歪みテンソルEの各成分e11、e12、e22を計算する。なお、本明細書及び図面では、ベクトルを太字で表すことにする。
Figure 0004410541
(歪み率の計算方法)
そして、上記のような歪みテンソルEを用いた歪みテンソルモデルにより、歪み率λを計算する。
図5に示すように、上記歪みテンソルモデルは、薄板鋼板内部における基準点と任意の点との位置関係を表すベクトルr0が、薄板鋼板の歪みによってベクトルrになった場合に、これらベクトルrとベクトルr0との差を次の(4式)のようにして表すモデルである。
r−r0:=Er0・・・(4式)
上記(4式)において、Eは、上記(1式)により表される歪みテンソルである。
そして、上記(4式)は、ベクトルr0からベクトルrへの変換と考えると、次の(5式)のように書き換えることができる。
r=(I+E)r0・・・(5式)
したがって、上記歪みテンソルモデルは、線形変換できるモデルであり、且つ図5に示すように、円盤を楕円に変形させるモデルであることが分かる。
ここで、ベクトルr0の長さをr0、ベクトルrの長さをr、単位行列をIとする。また、ベクトルr0の方向を表す単位ベクトルをβとする。これらのことを数式化すると、次の(6式)〜(8式)のようになる。
Figure 0004410541
一般に、鉄心として用いられる薄板鋼板の歪み率は、10-6〜10-5程度であることから、歪みテンソルEの各成分e11、e12、e22と、固有値の大きさは1より十分に小さいとみなすことができる。したがって、ベクトルr0の長さr0と、ベクトルrの長さrとの関係を、次の(9式)のように表すことができる。
Figure 0004410541
上記(9式)を変形すると、歪み率λは、次の(10式)のように表すことができる。
Figure 0004410541
本実施の形態では、上記(10式)により、歪みゲージ32〜34が貼り付けられている方向の歪み率λを計算し、計算した歪み率の最大値と最小値を求める。
ここで、これら歪み率の最大値と最小値は、歪みテンソルEの固有値eig1、eig2(eig1>eig2)で表される。また、歪み率λが最大になる方向と、最少になる方向は、歪みテンソルEの固有ベクトルで表される。以下にこれらのことを示す。
歪みテンソルEの固有値eig1、eig2のそれぞれに対応する長さが1の固有ベクトルをν1、ν2とする。このとき、固有ベクトルν1、ν2を次の(11式)のようにおくと、固有値・固有ベクトルの定義から以下の(12式)が成り立つ。
Figure 0004410541
上述したように、固有ベクトルν1、ν2は、長さが1であり、互いに直交する方向を有していることから、次の(13式)と(14式)が成り立つ。
Figure 0004410541
上記(14式)を上記(10式)に代入すると、歪み率λは、次の(15式)のように表すことができる。そして、この(15式)を用いることにより、以下のように(16式)が成り立つことを示すことができる。
Figure 0004410541
ここで、次の(17式)が成り立つことから、上記(16式)は、以下の(18式)のように表すことができる。
Figure 0004410541
したがって、歪み率λの最大値と最小値は、それぞれ歪みテンソルEの固有値eig1、eig2になることが分かる。
さらに、歪み率λが最大になる方向と最小になる方向が、歪みテンソルEの固有ベクトルになることは、例えば、次の(19式)と上記(15式)とを用いて、以下の(20式)が成り立つことから分かる。
Figure 0004410541
なお、上記(19式)において、ベクトルr0の方向を表す単位ベクトルβを、歪みテンソルEの固有値eig1の固有ベクトルν1としている(β=ν1)。
また、上記(16式)が成り立つことは、以下のように証明される。
まず、上記(15式)から次の(21式)が成り立つ。
Figure 0004410541
そして、例えば、次の(22式)のように成分表示されたとすると、以下の(23式)が成り立つ。
Figure 0004410541
上記(23式)により、上記(16式)の第2式が示される。また、上記(16式)の第1式についても同様にして示される。(証明終わり)
図6に、歪み率λの最大値の1周期分の波形61と、最小値の1周期分の波形62の一例を示す。
(最大歪み率の計算方法)
そして、以上のようにして計算された固有値eig1の絶対値の中から、値が最も大きいものを選ぶとともに、固有値eig2の絶対値の中から、値が最も大きいものを選ぶ。そして、値が最も大きい固有値eig1の絶対値と、値が最も大きい固有値eig2の絶対値とのうち、値が大きい方のものをさらに選び、選んだ固有値の絶対値を最大歪み率λMAXとする。このことを式で表すと、次の(24式)のようになる。
Figure 0004410541
この(24式)に従って選んだ最大歪み率λMAXと、その最大歪み率λMAXを与える楕円磁束とを対応付けて磁歪特性データベース4aに格納する。
そして、以上のような歪みテンソルEと最大歪み率λMAXの計算を、楕円磁束(楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きinc)を異ならせて行う。
(計算例)
次に、無方向性鋼板(NO材)と方向性鋼板(GO材)を試料31として歪み率λを計算した結果を示す。
なお、ここでは、試料31の内部の磁束について、楕円の長軸BMAXが1[T]、軸比αが0.6、長軸BMAXの傾きincが0[°]の楕円磁束になるように、2次元磁気測定装置40の励磁コイル42a〜42dに励磁電流をしている。
図7に、無方向性鋼板についての計算結果を示す。
図7の結果から、無方向性鋼板については、次のような磁歪特性が得られることが分かった。
(1) 図7(b)に示すように、歪みテンソルEの固有値eig1に対応する固有ベクトルの方向を示す特性73は、磁束密度Bを示す特性74と略一致している。このことは、磁束密度Bと略同じ方向に試料31が膨張することを示している。
(2) 図7(a)に示すように、歪みテンソルEの固有値eig1、eig2を示す特性71、72は、時間に対して概ね一定であるが、一時的に差が小さくなる時がある(ωt=135[°]、315[°]付近)。そして、この時における歪みテンソルEの固有値eig1に対応する固有ベクトルの方向を示す特性73と、磁束密度ベクトルの方向を示す特性74とを比べると、この時に固有ベクトルが磁束密度ベクトルを追い越していることが分かる(図7(b))。
図8に、方向性鋼板についての計算結果を示す。
図8の結果から、方向性鋼板については、次のような磁歪特性が得られることが分かった。
(1) 図8(b)に示すように、歪みテンソルEの固有値eig1に対応する固有ベクトルの方向を示す特性83は、磁束密度Bを示す特性84に依存せず、横断方向を示す略一定の特性となる。このことは、磁束密度Bの方向に関係なく、試料31が横断方向に歪む(縮む)ことを示している。
(2) 図8(a)に示すように、歪みテンソルEの固有値eig1、eig2を示す特性81、82は、磁束密度Bが圧延方向を向くときは差が小さいが(ωt=90[°]、270[°]付近)、横断方向を向くと大きくなる(ωt=0[°]、180[°]、360[°]付近)。また、その大きさは、無方向性鋼板(NO)に比べて、最大で10倍近くになる。
図1に説明を戻し、磁束密度分布演算部4cは、ユーザによる操作部2の操作に基づいて指定された鉄心について磁気特性解析を行い、上記指定された鉄心の全ての領域について磁束密度Bを計算する。そして、計算した磁束密度Bに基づいて、楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincとを計算する。なお、上記磁気特性解析は、例えば、次の(25式)により定義されるE&S(Enokizono and Soda)モデリング(二次元ベクトル法)を用いて行うようにすればよい(例えば、非特許文献1〜4を参照)。
Figure 0004410541
上記(25式)において、Hx、Hyは、磁界強度である。Bx、Byは、磁束密度である。νxr、νyrは、磁気抵抗率である。νxi、νyiは、磁気ヒステリシス係数である。
磁歪特性検索部4dは、磁束密度分布演算部4cにより計算された楕円磁束に対応付けられている最大歪み率λMAXを磁歪特性データベース4aから読み出す。この読み出し動作は、ユーザによる操作部2の操作に基づいて指定された鉄心の全ての領域について行う。
騒音評価部4eは、磁歪特性検索部4dにより読み出された最大歪み率λMAXが、ユーザによる操作部2の操作に基づいて指定された鉄心において、どのように分布しているのかを表示部3に表示する。
また、騒音評価部4eは、磁歪特性検索部4dにより読み出された最大歪み率λMAXの平均値を計算し、計算した結果を表示部3に表示する。
すなわち、鉄心に生じる騒音は、鉄心の歪み率に比例して大きくなるので、本実施の形態では、鉄心に生じる騒音を評価する指標として最大歪み率λMAXを採用するようにしている。
る。
次に、図9のフローチャートを参照しながら、楕円磁束と、最大歪み率λMAXとを対応付けて磁歪特性データベース4aに格納する際の磁歪特性演算部4bの動作について説明する。
まず、最初のステップS1において、楕円磁束を初期値に設定する。
本実施の形態では、0[T]から2[T]まで楕円の長軸BMAXを変化させるようにしている。また、0から1まで軸比αを変化させるようにしている。また、0[°]から180[°]まで長軸BMAXの傾きincを変化させるようにしている。
例えば、長軸BMAXが0.1[T]、軸比αが0.1、長軸BMAXの傾きincが0[°]である楕円磁束を初期値として設定する。
次に、ステップS2において、上記楕円磁束の位相ωtを初期値に設定する。
本実施の形態では、0[rad]から2π[rad]まで位相ωtを変化させるようにしている。
したがって、例えば、0[rad]を位相ωtの初期値として設定する。
次に、ステップS3において、設定された位相ωtにおける歪みテンソルE(ωt)を計算する。上述したように、歪みテンソルE(ωt)は、試料31に楕円磁束を与えて測定した歪み率λ30、λ90、λ150を、上記(3式)に代入して計算する。
次に、ステップS4において、上記ステップS3において計算された歪みテンソルEの固有値eig1、eig2を計算する。すなわち、設定された位相ωtにおける歪み率λ(ωt)の最大値と最小値とを計算する。
次に、ステップS5において、1周期分の計算が終了したか否かを判定する。この判定の結果、終了していない場合には、ステップS6に進み、次の位相ωtを設定して、上記ステップS3に戻り、1周期分の計算が終了するまで、上記ステップS3〜S6の処理を繰り返す。
一方、1周期分の計算が終了した場合には、ステップS7に進み、設定された楕円磁束の1周期における最大歪み率λMAXを計算する。なお、この計算は、上記(24式)により行う。
次に、ステップS8において、上記ステップS1(または後述するステップS10)において設定された楕円磁束と、上記ステップS7において計算された最大歪み率λMAXとを対応付けて、磁歪特性データベース4aに格納する。
次に、ステップS9において、所定数の楕円磁束に対する計算が終了したか否かを判定し、終了した場合には、処理を終了する。一方、計算が終了していない場合には、ステップS10に進み、次の楕円磁束を設定して、上記ステップS2に戻り、所定数の楕円磁束に対する計算が終了するまで、上記ステップS2〜S10の処理を繰り返す。
なお、図9に示したフローチャートにおける動作は、解析対象となる薄板鋼板の種類ごとに行うようにするということは言うまでもない。
次に、図10のフローチャートを参照しながら、鉄心に生じる磁気歪みを解析する際の磁気歪み解析装置1の動作について説明する。
まず、最初のステップS21において、磁束密度演算部4cは、磁気抵抗率νxr、νyrと、磁気ヒステリシス係数νxi、νyiを初期値に設定する。
次に、ステップS22において、磁束密度演算部4cは、位相ωtを初期値に設定する。
本実施の形態では、0[°]から360[°]まで位相ωtを変化させるようにしている。したがって、ここでは、0[°]を初期値として設定する。
次に、ステップS23において、磁束密度演算部4cは、解析対象となる鉄心に対して有限要素法(FEM)を適用し、上記(25式)を用いるなどして、ベクトルポテンシャルA(ωt)を計算する。
次に、ステップS24において、磁束密度演算部4cは、上記ステップS23により計算したベクトルポテンシャルA(ωt)を用いて、解析対象となる鉄心に生じる磁束密度Bを計算する。
次に、ステップS25において、磁束密度演算部4cは、1周期分の計算が終了したか否かを判定する。この判定の結果、終了していない場合には、ステップS26に進み、次の位相ωtを設定して、上記ステップS23に戻り、1周期分の計算が終了するまで、上記ステップS23〜S26の処理を繰り返す。
一方、1周期分の計算が終了した場合には、ステップS27に進み、磁束密度演算部4cは、ステップS23〜S26によって計算した1周期分の磁束密度Bに基づいて、楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincとを計算する。
次に、ステップS28において、上記ステップS27による計算の結果、楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincとが収束したか否かを判定する。この判定の結果、収束しない場合には、ステップS29に進み、磁気抵抗率νxr、νyrと、磁気ヒステリシス係数νxi、νyiを変更して、上記ステップ22に戻り、楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincとが収束するまで、ステップS22〜S29の処理を繰り返す。
一方、楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincとが収束した場合には、ステップS30に進み、ステップS27で計算した楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincに対応付けられて磁歪特性データベース4aに格納されている最大歪み率λMAXを読み出す。なお、このステップS30では、上記有限要素法により分割された全ての領域(解析対象の鉄心における全ての領域)における最大歪み率λMAXを読み出す。
次に、ステップS31において、騒音評価部4eは、ステップS30で読み出された最大歪み率λMAXに基づいて、解析対象の鉄心における最大歪み率λMAXの分布を計算し、計算した結果を表示部3に表示する。
次に、ステップS32において、騒音評価部4eは、ステップS30で読み出された最大歪み率λMAXの平均値を計算し、計算した結果を表示部3に表示する。
以上のように本実施の形態では、歪みゲージ32〜34が貼り付けられた試料(薄板鋼板)31に生じる歪み率を、2次元磁気測定装置40を用いて測定するようにしたので、試料(薄板鋼板)31が励磁によって楕円状に歪んだ場合でも、楕円の長軸BMAXと、軸比αと、長軸BMAXの傾きincとを求めることができる。したがって、試料(薄板鋼板)31が、その板面方向においてどのように歪んだとしても、その歪みを正確に測定することができる。
また、磁歪特性データベース4aを用いて、E&Sモデリングにより得られる磁気特性と、騒音を評価するための指標である最大歪み率λMAXとを関連付けるようにしたので、変圧器などの鉄心を用いた機器に発生する騒音を上記機器の設計の段階で正確に評価することができる。
なお、本実施の形態では、鉄心に生じる騒音を評価する指標として、最大歪み率λMAXを用いるようにしたが、歪み率の大きさを表すものであれば、磁気歪みを評価する指標は、最大歪み率λMAXに限定されない。例えば、図11(a)に示すような膨張率変動幅λpや、図11(b)に示すような歪み率変動幅λ2pを、磁気歪みを評価する指標としてもよい。
ここで、膨張率変動幅λpとは、歪みテンソルEの固有値eig1を表す波形1101の振幅である。また、歪み率変動幅λ2pとは、歪みテンソルEの固有値eig1を表す波形1102の最大値と、歪みテンソルEの固有値eig1を表す波形1103の最小値とから定まる幅である。これらを式で表すと、それぞれ次の(26式)、(27式)のようになる。
Figure 0004410541
また、本実施の形態のように、上記E&Sモデリング(二次元ベクトル法)により磁気特性の解析を行うようにすれば、より高精度に磁気特性を解析することができ好ましいが、磁気特性の解析方法は、上記E&Sモデリング(二次元ベクトル法)に限定されない。
また、2次元磁気測定装置40を用いて、試料(薄板鋼板)31に生じる磁界強度Hを測定し、測定した磁界強度Hと、その磁界強度Hを与える楕円磁束とを対応付けてデータベースに格納し、図10のステップS27において計算した結果に対応付けられて格納されている磁界強度Hを上記データベースから読み出して、解析対象となる鉄心に生じる磁界強度Hの分布を表示部3に表示するようにしてもよい。さらに、解析対象となる鉄心の鉄損Wの分布についても、磁界強度Hなどと同様にして求めて、表示部3に表示するようにしてもよい。
(本発明の他の実施の形態)
上述した各実施の形態における磁気歪み解析装置による制御動作は、図12に示すようなコンピュータシステムを用いることにより実現することができる。
図12は、磁気歪み解析装置1に配設されたコンピュータシステムの構成の一例を示したブロック図である。
図12において、コンピュータシステム120は、CPU121と、ROM122と、RAM123と、キーボード(KB)124のキーボードコントローラ(KBC)125と、表示部としてのCRTディスプレイ(CRT)126のCRTコントローラ(CRTC)127と、ハードディスク(HD)128及びフレキシブルディスク(FD)129のディスクコントローラ(DKC)130と、ネットワーク131との接続のためのネットワークインターフェースコントローラ(NIC)132とが、システムバス133を介して互いに通信可能に接続された構成としている。
CPU121は、ROM122或いはHD128に記憶されたソフトウェア、或いはFD129より供給されるソフトウェアを実行することで、システムバス123に接続された各構成部を総括的に制御する。
すなわち、CPU121は、所定の処理シーケンスに従った処理プログラムを、ROM122、或いはHD128、或いはFD129から読み出して実行することで、後述する動作を実現するための制御を行う。
RAM123は、CPU121の主メモリ或いはワークエリア等として機能する。
KBC125は、KB124や図示していないポインティングデバイス等からの指示入力を制御する。
CRTC127は、CRT126の表示を制御する。
DKC130は、ブートプログラム、種々のアプリケーション、編集ファイル、ユーザファイル、ネットワーク管理プログラム、及び本実施の形態における所定の処理プログラム等を記憶するHD128及びFD129とのアクセスを制御する。
NIC132は、ネットワーク131上の装置或いはシステムと双方向にデータをやりとりする。
また、上述した実施の形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、上記各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施の形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施の形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施の形態に含まれる。
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれる。
本発明の実施の形態を示し、磁気歪み解析装置の構成の一例を示したブロック図である。 本発明の実施の形態を示し、楕円磁束の概念の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、歪みゲージが貼り付けられた試料の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、2次元磁気測定装置の構成の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、鉄心内部における基準点と任意の点との位置関係を表すベクトルを示した図である。 本発明の実施の形態を示し、最大歪み率の概念を説明する図である。 本発明の実施の形態を示し、無方向性鋼板における歪みテンソルの固有値の波形と、歪みテンソルの固有ベクトルの波形の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、方向性鋼板における歪みテンソルの固有値の波形と、歪みテンソルの固有ベクトルの波形の一例を示した図である。 本発明の実施の形態を示し、楕円磁束と、最大歪み率とを対応付けて磁歪特性データベースに格納する際の磁歪特性演算部の動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態を示し、鉄心に生じる磁気歪みを解析する際の磁気歪み解析装置の動作の一例を説明するフローチャートである。 本発明の実施の形態を示し、膨張率変動幅と歪み率変動幅の概念を説明する図である。 本発明の他の実施の形態を示し、磁気歪み解析装置に配設されたコンピュータシステムの構成の一例を示したブロック図である。
符号の説明
1 磁気歪み解析装置
2 操作部
3 表示部
4 処理部
4a 磁歪特性データベース
4b 磁歪特性演算部
4c 磁束密度分布演算部
4d 磁歪特性検索部
4e 騒音評価部
31 試料(薄板鋼板)
32〜34 歪みゲージ
40 2次元磁気測定装置

Claims (16)

  1. 励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析装置であって、
    上記励磁された鉄心の磁化特性を演算する磁束密度演算手段と、
    上記磁束密度演算手段により演算された磁化特性に対応付けられて記録媒体に記録されている磁気歪み特性を読み出して、上記励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析手段とを有することを特徴とする磁気歪み解析装置。
  2. 上記磁化特性は、楕円磁束における楕円の長軸と、軸比と、長軸の傾き角を含み、
    上記磁気歪み特性は、上記鉄心または上記鉄心を構成する薄板鋼板の歪み率を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気歪み解析装置。
  3. 上記磁気歪み解析手段は、上記記録媒体から読み出した歪み率の位置分布を求めて表示装置に表示することを特徴とする請求項2に記載の磁気歪み解析装置。
  4. 上記磁気歪み解析手段は、上記記録媒体から読み出した歪み率の位置に関する平均値を求めて表示装置に表示することを特徴とする請求項2または3に記載の磁気歪み解析装置。
  5. 上記磁化特性と上記磁気歪み特性は、上記鉄心または上記薄板鋼板の板面内方向における特性であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の磁気歪み解析装置。
  6. 上記鉄心を構成する薄板鋼板の歪み率の測定結果から、歪みテンソルを計算し、計算した歪みテンソルの固有値に基づく磁気歪み特性を求め、求めた磁気歪み特性と、その磁気歪み特性を与える磁化特性と対応付けて上記記録媒体に記録する磁歪特性演算手段を有し、
    上記磁気歪み解析手段は、上記磁歪特性演算手段により記録された磁気歪み特性を読み出すことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の磁気歪み解析装置。
  7. 上記磁歪特性演算手段は、複数の歪みゲージが表面に取り付けられた薄板鋼板に楕円磁束を与えたときに生じる上記複数の歪みゲージの変化により、上記薄板鋼板の板面方向に生じる歪を測定した結果を入力し、入力した歪み率から、前記歪みテンソルを計算し
    上記複数の歪みゲージは、互いに異なる方向を向くようにして上記薄板鋼板の表面に取り付けられていることを特徴とする請求項6に記載の磁気歪み解析装置。
  8. 励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析方法であって、
    上記励磁された鉄心の磁化特性を演算する磁束密度演算ステップと、
    上記磁束密度演算ステップにより演算された磁化特性に対応付けられて記録媒体に記録されている磁気歪み特性を読み出して、上記励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析ステップとを有することを特徴とする磁気歪み解析方法。
  9. 上記磁化特性は、楕円磁束における楕円の長軸と、軸比と、長軸の傾き角を含み、
    上記磁気歪み特性は、上記鉄心を構成する薄板鋼板の歪み率を含むことを特徴とする請求項8に記載の磁気歪み解析方法。
  10. 上記磁気歪み解析ステップは、上記記録媒体から読み出した歪み率の位置分布を求めて表示方法に表示することを特徴とする請求項9に記載の磁気歪み解析方法。
  11. 上記磁気歪み解析ステップは、上記記録媒体から読み出した歪み率の位置に関する平均値を求めて表示方法に表示することを特徴とする請求項9または10に記載の磁気歪み解析方法。
  12. 上記磁化特性と上記磁気歪み特性は、上記鉄心または上記薄板鋼板の板面内方向における特性であることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の磁気歪み解析方法。
  13. 上記鉄心を構成する薄板鋼板の歪み率の測定結果から、歪みテンソルを計算し、計算した歪みテンソルの固有値に基づく磁気歪み特性を求め、求めた磁気歪み特性と、その磁気歪み特性を与える磁化特性と対応付けて上記記録媒体に記録する磁歪特性演算ステップを有し、
    上記磁気歪み解析ステップは、上記磁歪特性演算ステップにより記録された磁気歪み特性を読み出すことを特徴とする請求項8〜12の何れか1項に記載の磁気歪み解析方法。
  14. 上記磁歪特性演算ステップは、複数の歪みゲージが表面に取り付けられた薄板鋼板に楕円磁束を与えたときに生じる上記複数の歪みゲージの変化により、上記薄板鋼板の板面方向に生じる歪を測定した結果を入力し、入力した歪み率から、前記歪みテンソルを計算し
    上記複数の歪みゲージは、互いに異なる方向を向くようにして上記薄板鋼板の表面に取り付けられていることを特徴とする請求項13に記載の磁気歪み解析方法。
  15. 励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析することをコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    上記励磁された鉄心の磁化特性を演算する磁束密度演算ステップと、
    上記磁束密度演算ステップにより演算された磁化特性に対応付けられて記録媒体に記録されている磁気歪み特性を読み出して、上記励磁された鉄心に生じる磁気歪みを解析する磁気歪み解析ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  16. 上記請求項15に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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