JP6245471B2 - ひずみテンソル算出システム、ひずみ計貼付方向決定方法、ひずみテンソル算出方法、及びひずみテンソル算出プログラム - Google Patents

ひずみテンソル算出システム、ひずみ計貼付方向決定方法、ひずみテンソル算出方法、及びひずみテンソル算出プログラム Download PDF

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Description

この発明は、ひずみテンソル算出システム、ひずみ計貼付方向決定方法、ひずみテンソル算出方法、及びひずみテンソル算出プログラムに関する。
地盤に地下空洞を構築する場合や、傾斜地盤の力学的安定性を調査したりする場合に、地盤内の局所的な応力又は変形を示す値(ひずみ)を計測する原位置地盤のモニタリング方法が研究されている。
地盤内の局所的な応力を計測する原位置地盤のモニタリング方法としては、地盤を削孔することでボーリング孔を設け、そのボーリング孔に圧力計やひずみ計などの計器を挿入し、周辺地盤の応力を計測する方法などが提案されている(特許文献1及び特許文献2参照)。
また、同様のボーリング孔を利用し、ボーリング孔に埋設した多成分型埋設ひずみ計と弾性構成則から応力テンソルを測定する埋設ひずみ法が提案されている(非特許文献1及び非特許文献2参照)。さらに、同様のボーリング孔を利用し、小口径のボーリング孔の孔底面を研磨し、研磨された孔底面に多成分のひずみゲージを設置した多素子ゲージを貼付することで、その後の大口径のオーバーコアリングによる応力解放時のひずみから、弾性論に基づき応力成分を決定する孔底ひずみ法が提案されている(非特許文献3、非特許文献4、及び非特許文献5参照)。
一方、地盤内の局所的な変形を示す値を計測する原位置地盤のモニタリング方法としては、地盤にボーリング孔を設ける際に地盤から抜き出したボーリングコアへひずみゲージを貼り付けて埋め戻し、原位置地盤の変形を示す値を計測する手法が提案されている(特許文献3)。
特許第3893343号公報 特開2006−266866号公報 特開2009−041269号公報
Kanagawa et al.(1986) Japan islands: Over-coring results from a multi-elements gauge used at 23 sites, Int. J. Rock Mech. Min. Sci. & Geomech. Abst., 23, 29-39. 木村ら(2003)小型埋設ひずみ計を用いた初期応力測定法の開発,トンネルと地下,34(7),573−581 Oka et al.(1979) Investigations on the new method of determining rock stress by the stress relief technique and applications of this method, Rock Mechanics in Japan, 3, 68-70. 菅原ら(1984)球状孔底ひずみに対する応力解放法,第16回岩盤力学に関するシンポジウム講演論文集,165−169 小林ら(1990)円錐形状孔底ひずみゲージによる原位置応力測定,第8回岩の力学国内シンポジウム講演論文集,279−284
しかしながら、従来の原位置地盤の変形を示す値を計測する手法等では、原位置における三次元ひずみテンソルの各成分を決定することができないという問題がある。
そこで本発明は、上記従来手法の問題に鑑みてなされたものであり、原位置地盤の変形を、より精密に、かつより詳細に算出することができるひずみテンソル算出システム、ひずみ計貼付方向決定方法、ひずみテンソル算出方法、及びひずみテンソル算出プログラムを提供する。
[1]本発明の一態様は、複数個のひずみ計と、ひずみテンソル算出装置を具備するひずみテンソル算出システムであって、前記複数個のひずみ計は、第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付され、前記第2物体は、前記ひずみテンソル算出システムの計測対象となる第1物体に埋設され、前記ひずみテンソル算出装置は、前記複数個のひずみ計により計測された計測値を取得する取得部と、前記取得部により取得された前記計測値に基づいて、前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出する成分算出部と、前記複数個のひずみ計のそれぞれにより計測された計測値に含まれる計測誤差に基づいて、前記成分算出部により算出される前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を算出する誤差算出部と、を備える、ひずみテンソル算出システムである。
]また、本発明の他の態様は、[]に記載のひずみテンソル算出システムであって、
前記ひずみテンソル算出装置は、ユーザからの入力を受け付ける入力受付部と、情報を出力する出力部と、を備え、前記誤差算出部は、前記入力受付部により受け付けられた前記複数個のひずみ計それぞれの貼付方向に基づいて、前記成分算出部により算出される前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を、前記所定の方向を決定するための情報として算出し、前記所定の方向を決定するための情報を、前記出力部に出力させる、ひずみテンソル算出システムである。
]また、本発明の他の態様は、[]に記載のひずみテンソル算出システムであって、
前記ひずみテンソル算出装置は、前記入力受付部により受け付けられた前記ひずみ計の個数と、前記複数個のひずみ計それぞれの故障率とに基づいて、前記成分算出部による前記三次元ひずみテンソルの各成分の算出成功率を算出し、算出された前記算出成功率を示す情報を、前記出力部に出力させる成功率算出部、を備えるひずみテンソル算出システムである。
]また、本発明の他の態様は、[1]から[]のうちいずれか一項に記載のひずみテンソル算出システムであって、前記複数個のひずみ計のうち少なくとも2個は、前記第2物体の側面に貼付されるものであって、前記第2物体の中心を通る前記側面に平行な軸の方向に対して45度の角度で貼付され、それらが互いに前記軸の周りに90度だけずれた位置に貼付される、ひずみテンソル算出システムである。
]また、本発明の他の態様は、[1]から[]のうちいずれか一項に記載のひずみテンソル算出システムであって、前記複数個のひずみ計の個数は、少なくとも6個以上である、ひずみテンソル算出システムである。
]また、本発明の他の態様は、第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付された複数個のひずみ計と、自装置の計測対象となる第1物体に埋設される前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルを算出するひずみテンソル算出装置とを具備するひずみテンソル算出システムにおいて、前記複数個のひずみ計それぞれの貼付方向に基づいて、前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を、前記所定の方向を決定するための情報として算出し、前記所定の方向を決定するための情報に基づいて、前記所定の方向を決定する、ひずみ計貼付方向決定方法である。
]また、本発明の他の態様は、複数個のひずみ計を、第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付し、前記第2物体を、計測対象となる第1物体に埋設し、前記複数個のひずみ計により計測された計測値を取得し、前記計測値に基づいて、前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出前記計測値に含まれる計測誤差に基づいて、前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を算出する、ひずみテンソル算出方法である。
]また、本発明の他の態様は、自装置の計測対象となる第1物体に埋設される第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルを、前記第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付された複数個のひずみ計により算出するひずみテンソル算出装置のコンピュータに、前記複数個のひずみ計により計測された計測値を取得させ、前記計測値に基づいて、前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出させ、前記計測値に含まれる計測誤差に基づいて、前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を算出させる、ひずみテンソル算出プログラムである。
原位置地盤の変形を、より精密に、かつより詳細に算出することができるひずみテンソル算出装置、ひずみ計貼付方向決定方法、ひずみテンソル算出方法、及びひずみテンソル算出プログラムを提供することができる。
第1の実施形態に係るひずみテンソル算出システム1の利用状況の一例を示す図である。 ひずみ計2が貼付されたボーリングコアBCの一例を示す図である。 ひずみテンソル算出装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。 ひずみテンソル算出装置3の機能構成の一例を示す図である。 ひずみテンソル算出部38が、三次元ひずみテンソルの各成分や、三次元ひずみテンソルから導出される各種物理量を導出するための処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 座標変換部40による座標変換処理により、第1座標系における三次元ひずみテンソルεが、第2座標系における三次元ひずみテンソルρに変換される状況を示すイメージ図である。 ひずみテンソル算出部38の誤差算出部43が、三次元ひずみテンソルの各成分それぞれに対して伝播する誤差を算出するための処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 行列Eの行列式がゼロとなる場合のひずみ計2の貼付位置及び方向の例を示す図である。 ひずみテンソル算出装置3の算出成功率算出部44が、計測成功率を算出するための処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。 第2の実施形態に係るひずみテンソル算出装置4の機能構成の一例を示す図である。 ひずみ計2の貼付枚数ごとに算出された算出成功率と、ひずみ計2の故障率との関係の一例を示す図である。 N枚のひずみ計2の貼り方の一例として、7枚及び8枚のひずみ計2をボーリングコアBCに貼付する場合の貼付位置及び方向例を示す図である。 ひずみテンソル算出システム1により好適に地盤の変形がモニタリングされる状況の例を示す図である。 ひずみテンソル算出システム1により好適に地盤の変形がモニタリングされる状況の他の例を示す図である。
<概要>
まず、以下に示す実施形態に係るひずみテンソル算出システム1の概要を説明し、その後により詳細な実施形態を説明する。図1は、第1の実施形態に係るひずみテンソル算出システム1の利用状況の一例を示す図である。ひずみテンソル算出装置3は、ひずみ計2から取得した計測値に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分を算出する。
ひずみテンソル算出装置3は、埋設するボーリングコアBCに貼付された複数個のひずみ計2による計測値を取得し、取得された計測値に基づいて、ボーリングコアBCの変形(つまり、原位置地盤の変形)を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出するため、原位置地盤の変形を、より精密に、かつより詳細に算出することができる。
<第1の実施形態>
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。図1(A)に示すように、ひずみテンソル算出システム1は、例えば、ひずみ計2と、ひずみテンソル算出装置3とを具備する。以下の説明では、ひずみ計2−1、2−2、…、2−Nを区別する必要が無ければ、ひずみ計2と総称する。
ひずみテンソル算出システム1は、硬岩、軟岩、粘性土、砂質土等の自然地盤又は廃棄物や改良土等の人工地盤の原位置における変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を、ひずみ計2により計測された計測値に基づいて算出する。原位置とは、各種地盤の内部における変形を示す量を測定したい位置のことである。以下では、ひずみテンソル算出システム1は、自然地盤GRDの原位置における変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出するものとして説明する。なお、自然地盤GRDは、第1物体の一例である。
図1に示すように、ひずみ計2は、自然地盤GRDを削孔して設けられたボーリング孔BHに埋設されたボーリングコアBCの表面に貼付される。ひずみ計2が貼付される位置及び方向についての詳細は後述する。なお、図1において、ひずみ計2は、重ねて貼付されているかのように示されているが、便宜上重ねて示したものである。ボーリングコアBCとは、ユーザによりボーリング孔から採取され、採取時の形状が保持された試料のことである。本実施形態におけるボーリングコアBCは、例えば、直径が10センチメートル程度、高さが20センチメートル程度の円柱形状である。
ボーリングコアBCは、ひずみ計2が貼付された後、ボーリング孔BHに埋め戻される。また、ボーリングコアBCは、ボーリング孔に埋め戻される際、図1(B)に示すように、N個のボーリングコアBC−1、BC−2、…、BC−Nとして形成され、それらの間が連結材で連結される。以下では、ボーリングコアBC−1、BC−2、…、BC−Nを区別する必要が無ければ、ボーリングコアBCと総称する。
なお、ボーリングコアBCは、採取後に形状が保持されない未固結状態の試料を、ひずみ計2の計測値に影響を与える原位置での試料の特性と略同じ特性の固化体とした試料等であってもよい。ただし、ボーリングコアBCが得られた位置の周辺の地盤と,その変形特性が類似することが好ましい。また、ボーリングコアBCは、複数のボーリングコアを連結したものに代えて、1つのボーリングコアであってもよい。ボーリングコアBCには、ひずみ計2とともに、ひずみ計2からの計測値を送信する通信ケーブル等が取り付けられており、ひずみ計2からの計測値がひずみテンソル算出装置3へ出力される。また、ボーリングコアBCは、第2物体の一例である。
ひずみ計2は、例えば、薄い絶縁体上にジグザグ形状にレイアウトされた金属の抵抗体(金属箔)が取り付けられ、抵抗体の変形による電気抵抗の変化を計測する力学的センサである。ひずみ計2は、ボーリングコアBCの表面に接着剤等によって貼付されることで、貼付位置及び方向におけるボーリングコアBCのひずみを計測する。ひずみ計2は、原位置の近くに位置するボーリングコアBCに貼付される。図1において、原位置は、自然地盤GRDの想定すべり面SFに最も近いBC−Nが埋設されている位置である。想定すべり面とは、例えば、自然地盤GRDにおいて、地滑りが起こり得ると想定された面のことである。なお、原位置は、想定すべり面から所定の距離だけ離れた位置であってもよいし、想定すべり面とは無関係な何らかの位置であってもよい。ひずみ計2は、貼付位置及び方向におけるボーリングコアBCのひずみに比例する電気抵抗の変化量を出力する。
ひずみテンソル算出装置3は、ひずみ計2から取得される電気抵抗の変化量を、ひずみに変換し、変換されたひずみに基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分を算出する。以下では、この変換されたひずみを、ひずみ計2による計測値と称する。三次元ひずみテンソルの各成分を算出するための処理についての詳細は後述する。なお、ひずみテンソル算出装置3は、ひずみ計2から、無線通信によって計測値を取得するものとしてもよい。
ここで、図2を参照することで、ボーリングコアBCの表面におけるひずみ計2の貼付位置及び方向について説明する。図2は、ひずみ計2が貼付されたボーリングコアBCの一例を示す図である。ボーリングコアBCには、例えば、図2(A)に示したような第1座標系が設定されている。図2(A)には、円柱形状のボーリングコアBCの表面に貼付されたひずみ計2を示す。第1座標系とは、ボーリングコアBCの中心軸方向と直交するいずれかの方向を第1座標軸x1とする座標系である。そして、第1座標系は、第1座標軸x1及び中心軸方向と直交する方向を第2座標軸x2とし、中心軸方向を第3座標軸x3とする座標系である。なお、第1座標系は、これら第1座標軸x1〜第3座標軸x3によって規定される座標系に代えて、他の何らかの座標系であってもよい。
図2(B)は、図2(A)に示した円柱形状のボーリングコアBCの展開図である。ひずみ計2は、例えば、図2(B)に示したように貼付される。より具体的には、ひずみ計2−1〜2−3は、ボーリングコアBCの上面に貼付される。ひずみ計2−1は、座標軸x1と平行に貼付される。ひずみ計2−2は、図2(B)に示したように、ひずみ計2−1に対して45度の角度で傾いた方向(座標軸x1及びx2)の両方に対して45度の角度で傾いた方向)に向かって貼付される。そして、ひずみ計2−3は、座標軸x2と平行に貼付される。一方、ひずみ計2−4〜2−6は、ボーリングコアBCの側面(曲面)に貼付される。ひずみ計2−4は、図2(B)に示したように、座標軸x3に平行であって、座標軸x1と座標軸x3とによって張られる面に平行な方向に貼付される。
ひずみ計2−5は、ボーリングコアBCの側面上におけるひずみ計2−4の貼付位置から、座標軸x3周りにπ/2だけずれた位置に、座標軸x1及びx2によって張られる面に対して45度の角度で傾いた方向に貼付される。なお、座標軸x3周りの回転は、図2に示したボーリングコアBCを上面の方から見た時に、右回り(時計回り)を正として定義している。また、ひずみ計2−5の貼付位置における方向は、図2(B)に示したように円柱形状を展開した時、ひずみ計2−2と平行となる方向である。
ひずみ計2−6は、同様に、ボーリングコアBCの側面上におけるひずみ計2−4の貼付位置から、座標軸x3周りにπだけずれた位置に、座標軸x1及びx2によって張られる面に対して45度の角度で傾いた方向に貼付される。なお、ひずみ計2−6の貼付位置における方向は、図2(B)に示したように円柱形状を展開した時、ひずみ計2−2と平行となる方向である。
なお、図2に示した例において、ひずみ計2−1〜2−6それぞれが貼付された方向は、以下の式(1)に示した単位ベクトルによって表される。なお、以下では、n枚目のひずみ計2の貼付方向を、貼付方向を表す単位ベクトルeによって表すものとする。
Figure 0006245471
次に、図3を参照することで、ひずみテンソル算出装置3のハードウェア構成について説明する。図3は、ひずみテンソル算出装置3のハードウェア構成の一例を示す図である。ひずみテンソル算出装置3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)31と、記憶部32と、入力受付部33と、表示部34とを備える。これらの構成要素は、バスBusを介して相互に通信可能に接続されている。また、これらの構成要素は、接続先を図示していないバスBusの左右の端点を介して他の何らかの機能部と通信可能に接続されていてもよい。CPU31は、記憶部32に格納された各種プログラムを実行する。
記憶部32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを含み、ひずみテンソル算出装置3が処理する各種情報や画像、プログラム等を格納する。なお、記憶部32は、ひずみテンソル算出装置3に内蔵されるものに代えて、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート等によって接続された外付け型の記憶装置でもよい。
入力受付部33は、例えば、キーボードやマウス、タッチパッド、その他の入力装置である。なお、入力受付部33は、後述する表示部14と一体化されたタッチパネルとして構成されてもよい。表示部34は、例えば、液晶ディスプレイパネル、あるいは、有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイパネルである。なお、表示部34は、出力部の一例である。
次に、図4を参照することで、ひずみテンソル算出装置3の機能構成について説明する。図4は、ひずみテンソル算出装置3の機能構成の一例を示す図である。ひずみテンソル算出装置3は、例えば、記憶部32と、入力受付部33と、表示部34と、マスター制御部36と、計測値取得部37と、ひずみテンソル算出部38と、誤差算出部43と、算出成功率算出部44とを備える。これらの機能部のうち一部又は全部は、例えば、CPU31が、記憶部32に記憶された各種プログラムを実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部又は全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア機能部であってもよい。なお、図4において、記憶部32からマスター制御部36への情報の流れを示す矢印を除いて、記憶部32と他の各機能部との間の情報の流れを示す矢印については省略してある。
マスター制御部36は、入力受付部33により受け付けられたユーザからの入力に基づいて、ひずみテンソル算出装置3の各機能部を制御する。より具体的には、マスター制御部36は、ひずみ計2から計測値を取得するように計測値取得部37を制御する。また、マスター制御部36は、計測値取得部37により取得された計測値に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分や、三次元ひずみテンソルから導出される各種物理量を導出するようにひずみテンソル算出部38を制御する。そして、マスター制御部36は、ひずみテンソル算出部38により導出された三次元ひずみテンソルの各成分や、三次元ひずみテンソルから導出される各種物理量を、表示部34に表示させるようにひずみテンソル算出部38を制御する。
また、マスター制御部36は、誤差算出部43に三次元ひずみテンソルの各成分に伝播する誤差を算出させ、算出された誤差を表示部34に表示させるように誤差算出部43を制御する。また、マスター制御部36は、算出成功率算出部44に、各ひずみ計2の故障率に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分の算出成功率を算出させ、算出された算出成功率を表示部34に表示させるように算出成功率算出部44を制御する。
計測値取得部37は、マスター制御部36からの要求に応じて、ひずみ計2から計測値を取得する。そして、計測値取得部37は、取得された計測値を、ひずみテンソル算出部38に出力する。なお、前述した電気抵抗の変化量をひずみに変換するための処理は、例えば、計測値取得部37が行うものとするが、他の機能部が行ってもよい。
ひずみテンソル算出部38は、例えば、成分算出部39と、座標変換部40と、不変量算出部41と、主ひずみ導出部42とを備える。ひずみテンソル算出部38は、計測値取得部37から各ひずみ計2による計測値を取得する。また、ひずみテンソル算出部38は、マスター制御部36からの要求に応じて、ひずみテンソル算出部38が備える各機能部が算出又は導出した三次元ひずみテンソルの各成分や、三次元ひずみテンソルから導出される各種物理量を、表示部34に表示させる。以下では、ひずみテンソル算出部38が備える各機能部は、マスター制御部36からの要求に応じて各種の処理を行うものとし、「マスター制御部36からの要求」に関する説明を省略する。
成分算出部39は、ひずみテンソル算出部38により取得された計測値に基づいて、第1座標系における三次元ひずみテンソルの各成分を算出する。座標変換部40は、成分算出部39により算出された第1座標系における三次元ひずみテンソルの各成分を、第1座標系とは異なる第2座標系における三次元ひずみテンソルの各成分に変換する。ここで、第2座標系とは、例えば、VEN(Vertical East North)座標系である。この座標変換処理についての詳細は後述する。なお、第2座標系は、VEN座標系に代えて、他の何らかの座標系であってもよい。
不変量算出部41は、成分算出部39により算出された第1座標系における三次元ひずみテンソルの各成分、又は、座標変換部40により変換された第2座標系における三次元ひずみテンソルの各成分に基づいて、ひずみの不変量を算出する。ひずみの不変量とは、三次元ひずみテンソルから算出される量であって、三次元ひずみテンソルへの座標変換に対して不変な量であり、例えば、体積ひずみや偏差ひずみ等である。ひずみの不変量の算出処理についての詳細は後述する。主ひずみ導出部42は、座標変換部40により変換された第2座標系における三次元ひずみテンソルの各成分に基づいて、主ひずみと、主ひずみ軸の方向を表すベクトルとを導出する。主ひずみと、主ひずみ軸の方向を表すベクトルとを導出するための処理についての詳細は後述する。なお、主ひずみは、不変量の1つであるため、主ひずみ導出部42が導出するのに代えて、不変量算出部41が算出するものとし、主ひずみ導出部42によって主ひずみ軸の方向を表すベクトルが導出されるものとしてもよい。
誤差算出部43は、マスター制御部36からの要求に応じて、成分算出部39により算出される三次元ひずみテンソルの各成分に対して伝播する誤差を算出する誤差算出処理を行う。そして、誤差算出部43は、算出された誤差を表示部34に表示させる。誤差算出処理についての詳細は後述する。算出成功率算出部44は、各ひずみ計2の故障率に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分の算出が成功する確率を算出成功率として算出する。そして、算出成功率算出部44は、算出された算出成功率を表示部34に表示させる。算出成功率を算出するための処理についての詳細は後述する。
以下、図5を参照することにより、ひずみテンソル算出装置3が、三次元ひずみテンソルの各成分や、三次元ひずみテンソルから導出される各種物理量を導出するための処理の流れを説明する。図5は、ひずみテンソル算出部38が、三次元ひずみテンソルの各成分や、三次元ひずみテンソルから導出される各種物理量を導出するための処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。まず、ひずみテンソル算出装置3は、計測値取得部37により各ひずみ計2からの計測値を取得する(ステップS100)。そして、計測値取得部37は、取得した計測値を、ひずみテンソル算出部38に出力する。
次に、ひずみテンソル算出部38は、取得した計測値に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分を算出する(ステップS110)。ここで、三次元ひずみテンソルの各成分を算出するための処理について説明する。ボーリングコアBCの変形が微小であることを仮定した場合、ボーリングコアBCの変形に関する三次元ひずみテンソルεは、6個の独立な成分を持つ2階の対称テンソルで表すことができる。以下では、三次元ひずみテンソルεの各成分をεijと表すものとする。従って、ひずみ計2により取得される計測値に基づいて、三次元ひずみテンソルεの独立な6個の成分を未知数として算出するためには、好適な方向に貼付した6枚以上のひずみ計2から互いに独立な計測値を得る必要がある。本実施形態においては、6枚のひずみ計2をボーリングコアBCに貼付する場合を説明し、7枚以上のひずみ計2をボーリングコアBCに貼付する場合を、第2の実施形態において説明する。なお、以下では、三次元ひずみテンソルεの独立な6個の成分を、三次元ひずみテンソルεの各成分と称する。
ボーリングコアBCの変形が、ボーリングコアBC全体で均質で一様であると仮定できる場合、各ひずみ計2から得られる情報は、各ひずみ計2の貼付方向における計測値yのみに帰着できる。添え字n=1,2,…,Nは、各ひずみ計2−1〜2−Nを示し、例えば、n=1であれば、ひずみ計2−1を示す。前述したように、本実施形態におけるボーリングコアBCは、例えば、直径が10センチメートル程度、高さが20センチメートル程度の円柱形状であるため、ボーリングコアBCの変形を近似的に全体で均質で一様であるものとして扱うことができる。
なお、以下では、n枚目のひずみ計2の貼付方向を表す単位ベクトルeのi番目の成分をe によって表すものとする。また、添え字i=1,2,3は、第1座標系の3つの座標軸を示し、例えば、e であれば、単位ベクトルeの図2に示した第1座標軸x1方向の成分を示すものとする。
三次元ひずみテンソルεは、2階の対称テンソルであるため、テンソルの性質から、計測値y及び単位ベクトルeと、以下の式(2)に示した関係が成立する。
Figure 0006245471
式(2)は、三次元ひずみテンソルεを単位ベクトルeに作用させたものと、単位ベクトルeとの内積を行うことで、単位ベクトルeが示す方向の直ひずみ成分が得られることを示している。式(2)の右辺を展開したものが、以下の式(3)である。
Figure 0006245471
また、γijは、工学ひずみを表しており、以下の式(4)に示したように定義される。
Figure 0006245471
式(3)には、未知数として、三次元ひずみテンソルεの独立な6個の成分であるε11、ε22、ε33、γ12、γ23、γ31が含まれている。また、式(3)は、6枚のひずみ計2による6個の計測値それぞれに対応する6本の方程式を表している。従って、それら6本の連立方程式を解くことにより、未知数である三次元ひずみテンソルεの独立な6個の成分が算出される。
ここで、式(3)が表す6本の方程式は、以下の式(5)に示したように、計測値と、三次元ひずみテンソルの独立な6個の成分とをベクトルとして、単位ベクトルの成分により構成される部分を行列として定義することで、式(6)のようにまとめることができる。
Figure 0006245471
Figure 0006245471
ベクトルτの各成分が、算出した三次元ひずみテンソルの独立な6個の成分であるため、式(6)を、ベクトルτについて解いたものが以下の式(7)及び式(8)である。
Figure 0006245471
Figure 0006245471
式(7)及び式(8)は、行列Eに逆行列が存在する場合(すなわち、行列式がゼロではない場合、detE≠0)に限り成立する。ひずみテンソル算出部38は、上記の式(8)に含まれる成分のうち、ユーザにより予め記憶部32に記憶されるひずみ計2の貼付方向を示す単位ベクトルの各成分を読み込み、読み込んだ各成分と、計測値とに基づいて、ベクトルτの各成分(三次元ひずみテンソルεの独立な6個の成分)を算出する。ひずみ計2の貼付方向を示す単位ベクトルの各成分は、ボーリングコアBCの表面に貼付されたひずみ計2の方向によって決まる。ひずみ計2が図2に示した位置及び方向に貼付された場合、式(8)は、式(1)に示した各単位ベクトルの成分により、以下に示す式(9)に示したようになる。
Figure 0006245471
上記の式(9)に、計測値yを代入することで、成分算出部39は、三次元ひずみテンソルの各成分を算出する。図5に戻る。次に、ひずみテンソル算出部38の座標変換部40は、ステップS110で算出された第1座標系における三次元ひずみテンソルの各成分を、第2座標系における三次元ひずみテンソルの各成分へと変換する座標変換処理を行う(ステップS120)。ここで、座標変換部40により行われる座標変換処理について説明する。座標変換部40は、上述したように三次元ひずみテンソルが2階の対称テンソルであるため、その性質を利用し、変換行列Tとその転置行列Tによって、第1座標系における三次元ひずみテンソルεを、以下の式(10)に示したように第2座標系における三次元ひずみテンソルρへと変換する。
Figure 0006245471
変換行列Tは、例えば、以下の式(11)に示したように、第2座標系の各座標軸方向の単位ベクトルの第1座標系での成分dを成分とする行列である。
Figure 0006245471
ここで、添え字i=1,2,3は、第2座標系の3つの座標軸を示し、例えば、i=1であれば、第2座標系のx軸(本実施形態では、東の方角を示す座標軸E)を示す。上記の式(11)に示したような変換行列Tによって、式(10)の変換を行うと、第1座標系における三次元ひずみテンソルεは、第2座標系における三次元ひずみテンソルρに変換される。なお、変換行列Tは、式(11)に示した行列に代えて、何らかの回転行列等であってもよい。座標変換部40は、記憶部32に予め記憶される変換行列Tの各成分を読み込み、式(10)に基づいて座標変換処理を行う。
図6は、座標変換部40による座標変換処理により、第1座標系における三次元ひずみテンソルεが、第2座標系における三次元ひずみテンソルρに変換される状況を示すイメージ図である。図6に示したように、三次元ひずみテンソルεの各成分は、第1座標系の各座標軸を基準とした値によって、ボーリングコアBCの変形STRεを表す。一方、三次元ひずみテンソルεが座標変換処理によって変換された三次元ひずみテンソルρの各成分は、第2座標系の各座標軸を基準とした値によって、ボーリングコアBCの変形STRρを表す。
次に、ひずみテンソル算出部38の不変量算出部41は、三次元ひずみテンソルε又はρの各成分に基づいて、ひずみの不変量を算出する(ステップS130)。ここで、ひずみの不変量の算出処理について説明する。以下では、不変量算出部41は、三次元ひずみテンソルεの各成分に基づいて、ひずみの不変量を算出するが、不変量は三次元ひずみテンソルに対する座標変換に対して不変なので、三次元ひずみテンソルρの各成分に基づいて、ひずみの不変量を算出するものとしてもよい。不変量算出部41は、三次元ひずみテンソルεと以下の式(12)を用いて体積ひずみενを算出し、三次元ひずみテンソルτと以下の式(13)を用いて偏差ひずみεを算出する。
Figure 0006245471
Figure 0006245471
δijは、クロネッカーのデルタであり、i≠jのときはゼロであり、i=jのときは1である。次に、ひずみテンソル算出部38の主ひずみ導出部42は、三次元ひずみテンソルε又は三次元ひずみテンソルρの各成分に基づいて、主ひずみと、主ひずみ軸の方向を表すベクトルの各成分とを導出する(ステップS140)。以下では、主ひずみ導出部42は、三次元ひずみテンソルρの各成分に基づいて、主ひずみと主ひずみ軸とを導出するが、これに代えて、三次元ひずみテンソルεの各成分に基づいて、主ひずみと主ひずみ軸とを導出する者としてもよい。ここで、主ひずみと、主ひずみ軸の方向を表すベクトルとを導出するための処理について説明する。主ひずみ導出部42は、三次元ひずみテンソルρの固有値及び固有ベクトルを、例えば、ヤコビ法等の数値計算法によって導出する。なお、主ひずみ導出部42は、ヤコビ法に代えて、ガウス・ザイデル法や他の何らかの固有値及び固有ベクトルを算出する数値計算法を用いてもよい。
以下、図7を参照することにより、ひずみテンソル算出装置3が、三次元ひずみテンソルの各成分それぞれに対して伝播する誤差を算出するための処理の流れを説明する。図7は、ひずみテンソル算出部38の誤差算出部43が、三次元ひずみテンソルの各成分それぞれに対して伝播する誤差を算出するための処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。
まず、誤差算出部43は、ユーザにより記憶部32に予め記憶されるひずみ計2の貼付方向を示す単位ベクトルの各成分を読み込む成分読込処理を行う(ステップS200)。次に、誤差算出部43は、ステップS200で読み込んだひずみ計2の貼付方向を示す単位ベクトルの各成分に基づいて、誤差算出処理を行う(ステップS210)。なお、この単位ベクトルは、第1座標系において表された単位ベクトルである。ここで、誤差算出処理について説明する。三次元ひずみテンソルの独立な6個の成分それぞれに対して伝播する誤差は、例えば、以下の式(14)に示したガウスの誤差伝播の法則を用いて算出することができる。
Figure 0006245471
上記の式(14)の各項に含まれる偏微分係数は、式(7)に示した行列E−1の各成分に対応する。ここで、各ひずみ計2による計測値のすべてに、同じ大きさの誤差σが含まれていると仮定すると、上記の式(14)は、以下の式(15)のようになる。なお、この仮定は、式(14)を単純化するための仮定であるが、ボーリングコアBCに貼付されるひずみ計2をすべて同じ種類のものにした場合、欠陥品が混入しない限り近似的に正当化されるものである。また、以下で説明する誤差算出処理は、個々のひずみ計2による計測値に含まれる誤差を見積もり、見積もった誤差と式(14)とに基づいて行われるものとしてもよい。
Figure 0006245471
従って、誤差算出部43は、ステップS200で記憶部32から読み込んだひずみ計2の貼付方向を示す単位ベクトルの各成分に基づいて、行列E−1の各成分を算出する。そして、誤差算出部43は、算出した行列E−1の各成分に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分それぞれに対して伝播する誤差を、式(15)を用いて算出する。
図2に示した貼付位置及び方向にひずみ計2を貼付した場合、式(15)によって算出される誤差は、以下の式(16)に示したようになる。
Figure 0006245471
なお、誤差算出部43は、不変量算出部41により算出されるひずみの不変量に対して伝播する誤差も、同様の方法で算出する。誤差算出部43は、例えば、以下の式(17)により、体積ひずみενに伝播する誤差を算出する。なお、式(17)は、ひずみ計2が、図2に示した貼付位置及び方向に貼付された場合の例である。また、図2に示した貼付位置及び方向に貼付された場合、体積ひずみενは、式(18)に示したようになる。
Figure 0006245471
Figure 0006245471
ここで、ひずみ計2をボーリングコアBCの表面に貼付する方向の決定方法について説明する。図2に示したひずみ計2の貼付方向は、式(15)により算出される各誤差が、バランスの良い配分となるように決められた方向である。ここで、バランスの良い誤差の配分とは、直ひずみへ伝播する誤差同士、せん断ひずみへ伝播する誤差同士が等しくなる配分である。ひずみ計2の貼付方向は、如何なる方向であってもよいわけではなく、いくつかの拘束条件により制限されている。拘束条件とは、例えば、式(6)に示した行列Eに逆行列が存在しなければならない等の条件である。
この条件により、ひずみ計2を6枚使用して図8に示すような位置及び方向に貼付した場合、ひずみテンソル算出装置3は、例えば、行列Eの行列式がゼロとなってしまう。そのため、成分算出部39は、式(8)を用いて三次元ひずみテンソルεの各成分を算出することができない。図8は、行列Eの行列式がゼロとなる場合のひずみ計2の貼付位置及び方向の例を示す図である。図8(A)は、ひずみ計2−1、2−2、2−3、2−6の4枚が、同一平面と平行である場合を示す。図8(B)は、ひずみ計2−1と、ひずみ計2−3とが、同じ方向に貼付されている場合を示す。図8(C)は、円柱形状の側面(曲面)に貼付されたひずみ計2のうちの2枚が、展開図上で同じ角度(図8(C)の例では、45度)であり、円柱状態では向かい合わせになる場合を示す。図8(A)〜(C)に示した状況が実現される場合、行列Eの行列式は、ゼロとなるため、行列Eに逆行列が存在しない。
ユーザは、例えば、行列Eの行列式がゼロとなる場合を除いて、誤差算出部43により誤差を算出させた後(表示部34に誤差を表示させた後)、算出された(表示された)誤差に基づいて、ユーザの所望する誤差の配分が実現されるように各ひずみ計2の貼付位置及び方向を決定する。なお、本実施形態では、バランスの良い誤差の配分となる貼付位置及び方向の一例として、ひずみ計2を、図2に示したような貼付位置及び方向に貼付したが、例えば、ある特定のひずみ計2の誤差が最も小さくなるような配分等の他の何らかの配分をバランスの良い誤差の配分と定義し、その配分が実現されるように貼付位置及び方向を決定してもよい。このように、誤差算出部43は、三次元ひずみテンソルの各成分それぞれに対して伝播する誤差を算出するため、算出された誤差に基づいてユーザが所望する誤差の配分が実現されるような貼付位置及び方向を決定することができる。
以下、図9を参照することにより、ひずみテンソル算出装置3が、算出成功率を算出するための処理の流れを説明する。図9は、ひずみテンソル算出装置3の算出成功率算出部44が、算出成功率を算出するための処理の流れの一例を説明するためのフローチャートである。まず、算出成功率算出部44は、記憶部32から、ひずみ計2の故障率を読み込む(ステップS300)。ここで、この故障率は、予めユーザにより記憶部32に記憶されるものである。次に、算出成功率算出部44は、ステップS300で読み込んだひずみ計2の故障率に基づいて、算出成功率算出処理を行う(ステップS310)。ここで、算出成功率算出処理について説明する。6枚のひずみ計2をボーリングコアBCに貼付して、ひずみテンソル算出装置3により三次元ひずみテンソルの各成分を算出する場合、6個の未知数を6個の計測値で算出するためには、貼付されたひずみ計2がすべて正常に動作する必要がある。各ひずみ計2の故障率がすべて同じ値pであったと仮定すると、算出成功率Pは、以下の式(19)によって算出される。
Figure 0006245471
算出成功率算出部44は、上記の式(19)によって算出成功率Pを算出し、表示部34に表示するため、必要以上に故障率が低く高価なひずみ計2を使用することによるコストの増大を抑制することができる。なお、算出成功率算出部44は、ユーザからの入力を、入力受付部33により受け付けることで、ひずみ計2の故障率を取得するものとしてもよい。また、各ひずみ計2の故障率がすべて同じ値pであるという仮定が成立する場合は、計算が最も簡略化される状況の一例に過ぎない。各ひずみ計2の故障率がそれぞれ異なる値であった場合、算出成功率算出部44は、算出成功率を、i番目のひずみ計2の故障率をpと定義し、(1−p)のそれぞれを乗算することにより算出する。
以上説明したように、第1の実施形態に係るひずみテンソル算出システム1は、複数個のひずみ計2により計測された計測値を取得し、取得された計測値に基づいて、ボーリングコアBCの変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出するため、原位置地盤の変形を、より精密に、かつより詳細に算出することができる。
また、ひずみテンソル算出装置3は、複数個のひずみ計2のそれぞれにより計測された計測値に含まれる計測誤差に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を算出するため、ユーザが所望する誤差の配分が実現されるような貼付位置及び方向を決定することができる。
また、ひずみテンソル算出システム1は、入力受付部33により受け付けられた複数個のひずみ計2それぞれの貼付方向に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を、ひずみ計2を添付する所定の方向を決定するための情報として算出し、所定の方向を決定するための情報を、表示部34に出力させるため、ユーザがより精密に、かつより詳細に原位置地盤の変形を計測できるひずみ計2の貼付方向を決定できる。
また、ひずみテンソル算出システム1は、入力受付部33により受け付けられたひずみ計の個数と、複数個のひずみ計それぞれの故障率とに基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分の算出成功率を算出し、算出された算出成功率を示す情報を、表示部34に表示させるため、算出成功率から必要十分なひずみ計の故障率が分かり、必要以上に故障率が低く高価なひずみ計2を使用することによるコストの増大を抑制することができる。
<第2の実施形態>
以下、本発明の第2の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様な構成部には、同じ符号を付して説明を省略する。第2の実施形態に係るひずみテンソル算出システム1では、N枚(7枚以上)のひずみ計2がボーリングコアBCに貼付される。
ここで、図10を参照することで、ひずみテンソル算出装置4の機能構成について説明する。図10は、第2の実施形態に係るひずみテンソル算出装置4の機能構成の一例を示す図である。ひずみテンソル算出装置4は、例えば、記憶部32と、入力受付部33と、表示部34と、マスター制御部36と、計測値取得部37と、ひずみテンソル算出部38aと、誤差算出部43aと、算出成功率算出部44aとを備える。これらの機能部のうち一部又は全部は、第1の実施形態と同様に、LSIやASIC等のハードウェア機能部であってもよい。なお、図10において、記憶部32からマスター制御部36への情報の流れを示す矢印を除いて、記憶部32と他の各機能部との間の情報の流れを示す矢印については省略してある。
ひずみテンソル算出部38aは、例えば、成分算出部39aと、座標変換部40と、不変量算出部41と、主ひずみ導出部42とを備える。成分算出部39aは、計測値取得部37から、N枚のひずみ計2それぞれからの計測値を取得する。
成分算出部39aは、ひずみテンソル算出部38aにより取得された計測値に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分を算出する。ここで、N枚のひずみ計2がボーリングコアBCに貼付された場合に、成分算出部39aにより行われる三次元ひずみテンソルの各成分を算出するための処理について説明する。ボーリングコアBCに貼付されるひずみ計2の枚数がN枚の場合、式(5)に示したベクトル及び行列は、以下の式(20)に示したようになる。
Figure 0006245471
非正方行列Fには、逆行列が存在しない。そのため、成分算出部39aは、式(7)、(8)に示したように逆行列を用いた方法に基づいた三次元ひずみテンソルの各成分の算出を行うことに代えて、以下で説明する最小二乗解に基づいた算出を行う。まず、式(5)において定義されるベクトルτを算出するには、式(20)において定義した非正方行列F、ベクトルz及びベクトルτを用いて、以下の式(21)に示す残差r=Fτ−zの二乗和を考える必要がある。
Figure 0006245471
上記の式(21)を最小化する条件が、以下の式(22)であり、それをまとめ直したものが式(23)である。
Figure 0006245471
Figure 0006245471
式(23)の左辺における行列Fは、Fの転置行列である。ここで、行列FFは、正方行列である。この行列FFに逆行列が存在する場合(すなわち、行列式det(FF)≠0の場合)、ベクトルτは、以下の式(24)によって算出される。
Figure 0006245471
従って、N枚のひずみ計2がボーリングコアBCに貼付された場合、成分算出部39aは、上記の式(24)に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分の算出を行う。
誤差算出部43aは、ボーリングコアBCに貼付されるひずみ計2の枚数がN枚の場合、式(24)の行列(FF)−1を、式(7)の行列F−1として再定義することで、第1の実施形態と同様に式(24)に基づいて算出する。
算出成功率算出部44aは、入力受付部33によりユーザから、ひずみ計2の貼付枚数と、ひずみ計2それぞれの故障率とが受け付けられると、受け付けられたひずみ計2の貼付枚数と、ひずみ計2それぞれの故障率とに基づいて、算出成功率を算出する。N枚のひずみ計2がボーリングコアBCに貼付された場合、ひずみ計2の貼付位置及び方向によって算出成功率が変化するため、各ひずみ計2の故障の有無を1つの事象とみなして、以下の式(25)に示したベイズの定理に基づいて算出成功率を算出する。
Figure 0006245471
この場合、算出成功率算出部44aは、「N枚のひずみ計2のうちM枚が故障していた」場合の確率を事前確率として、事後確率である算出成功率を算出する。なお、算出成功率算出部44が算出成功率を算出する際に利用する各種パラメータ(例えば、各ひずみ計2の故障率等)は、予めユーザにより記憶部32に記憶されており、算出成功率算出部44がそれを読み込むものとしてもよい。ここで、図11を参照することで、算出成功率算出部44aによりひずみ計2の貼付枚数ごとに算出された算出成功率と、ひずみ計2の故障率との関係を説明する。図11は、ひずみ計2の貼付枚数ごとに算出された算出成功率と、ひずみ計2の故障率との関係の一例を示す図である。
図11に示したように、算出成功率Pは、ひずみ計2の故障率が低ければ低いほど高くなり、さらに、ひずみ計2の枚数が増えれば増えるほど高くなる。算出成功率算出部44aは、ユーザからの要求に応じて、表示部34に図11に示したようなグラフを表示させるため、ユーザが所望する算出成功率に応じた好適なひずみ計2の枚数を決定することができる。
次に、図12を参照することで、N枚のひずみ計2の貼り方の一例として、7枚及び8枚のひずみ計2をボーリングコアBCに貼付する場合の貼付位置及び方向を説明する。図12は、N枚のひずみ計2の貼り方の一例として、7枚及び8枚のひずみ計2をボーリングコアBCに貼付する場合の貼付位置及び方向例を示す図である。
7枚のひずみ計2をボーリングコアBCの表面に貼付する場合、ひずみ計2は、例えば、図12(A)に示したように貼付される。より具体的には、図12(A)において、ひずみ計2−1〜2−6は、図2(B)に示した貼付位置及び方向と同じ位置及び方向に貼付される。そして、ひずみ計2−7は、ボーリングコアBCの側面上におけるひずみ計2−4の貼付位置から、座標軸x3周りに−π/2だけずれた位置に、座標軸x1及びx2によって張られる面に対して45度の角度で傾いた方向に貼付される。なお、座標軸x3周りの回転は、ボーリングコアBCを上面の方から見た時に、右回り(時計回り)を正として定義している。また、ひずみ計2−7の貼付位置における方向は、図12(B)に示したように円柱形状を展開した時、ひずみ計2−2と平行となる方向である。
また、8枚のひずみ計2をボーリングコアBCの表面に貼付する場合、ひずみ計2は、例えば、図12(B)に示したように貼付される。より具体的には、図12(B)において、ひずみ計2−1〜2−6は、図2(B)に示した貼付位置及び方向と同じ位置及び方向に貼付される。そして、ひずみ計2−7は、ボーリングコアBCの側面上におけるひずみ計2−4の貼付位置から、座標軸x3周りに−π/4だけずれた位置に、座標軸x1及びx2によって張られる面に対して45度の角度で傾いた方向に貼付される。なお、座標軸x3周りの回転は、ボーリングコアBCを上面の方から見た時に、右回り(時計回り)を正として定義している。
また、ひずみ計2−7の貼付位置における方向は、図12(B)に示したように円柱形状を展開した時、ひずみ計2−2と平行となる方向である。ひずみ計2−8は、ボーリングコアBCの側面上におけるひずみ計2−4の貼付位置から、座標軸x3周りに−3π/4だけずれた位置に、座標軸x1及びx2によって張られる面に対して45度の角度で傾いた方向に貼付される。また、ひずみ計2−8の貼付位置における方向は、図12(B)に示したように円柱形状を展開した時、ひずみ計2−2と平行となる方向である。
図12に示した貼付位置及び方向例は、第1の実施形態において6枚のひずみ計2が貼付された位置及び方向と同様に、誤差算出部43により算出された誤差に基づいて、式(14)又は式(15)により算出される各誤差が、バランスの良い誤差の配分となるように決められた貼付位置及び方向である。
以上説明したように、第2の実施形態に係るひずみテンソル算出システム1は、7枚以上のひずみ計2をボーリングコアBCに貼付し、貼付されたひずみ計2により取得される計測値に基づいて、三次元ひずみテンソルの各成分を算出するため、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
また、上記の各実施形態に係るひずみテンソル算出システム1は、図13、14に示したような盛土や擁壁等の土構造物やトンネル掘削、切土、山留掘削等の建設工事に際して、あるいは、地盤構造物や斜面等の維持管理に際して、周辺地盤の変形をモニタリングする目的で利用される。図13は、ひずみテンソル算出システム1により好適に地盤の変形がモニタリングされる状況の例を示す図である。図13(A)は、地滑りが起こる可能性が懸念される斜面におけるモニタリングの一例を示す。 図13(B)は、擁壁によって崩壊を防止している斜面におけるモニタリングの一例を示す。図13では図示しないひずみテンソル算出システム1は、図13(A)、(B)に示したように、想定すべり面SFを横断するボーリング孔BHを設け,想定すべり面SFと各孔が交差する部分に図13では図示しないひずみ計2が貼付されたボーリングコアBCを埋設することにより、地盤の変状をモニタリングする。
また、図14は、ひずみテンソル算出システム1により好適に地盤の変形がモニタリングされる状況の他の例を示す図である。図14(A)は、盛土EFの荷重により地滑りが起こる可能性がある地面におけるモニタリングの一例を示す図である。図14(B)は、トンネルTNLの周囲の地盤における変形のモニタリングの一例を示す図である。図14(C)は、鋼矢板SSPを用いた山留掘削における地滑りのモニタリングの一例を示す図である。図14に図示しないひずみテンソル算出システム1は、図14(A)〜(C)に示したように、各状況に合わせて大きな変形が生じると推定される領域にボーリング孔BHを設け、それぞれに図14では図示しないひずみ計2が貼付されたボーリングコアBCを埋設することにより、地盤の変状をモニタリングする。
従来のひずみ計測方法で、図13、14に示したモニタリングを行った場合、計測機器の設置前に予め地盤が大きく変形する方向を予想し、その方向の直ひずみを計測できるように計測器を設置する必要がある。上記実施形態に係るひずみテンソル算出システム1では、ひずみ計2が貼付されたボーリングコアBCであって、埋設されたボーリングコアBCの設置位置や方向に依らず、ボーリングコアBCの三次元ひずみテンソルの各成分を算出することができる。従って、ひずみテンソル算出システム1では、地盤が大きく変形する方向を予想する必要がなく、さらに、ボーリングコアBCの設置位置や方向を予め調整する必要もない。そのため、切土や山留掘削等、施工段階の進行に伴って刻々と主ひずみ軸が回転するような場合であっても、ひずみテンソル算出システム1のひずみテンソル算出装置3は、好適に三次元ひずみテンソルの各成分や不変量を算出することができる。
1 ひずみテンソル算出システム、2、2−1〜2−N ひずみ計、3、4 ひずみテンソル算出装置、31 CPU、32 記憶部、33 入力受付部、34 表示部、36 マスター制御部、37 計測値取得部、38、38a ひずみテンソル算出部、39、39a 成分算出部、40 座標変換部、41 不変量算出部、42 主ひずみ導出部、43、43a 誤差算出部、44、44a 算出成功率算出部

Claims (8)

  1. 複数個のひずみ計と、ひずみテンソル算出装置を具備するひずみテンソル算出システムであって、
    前記複数個のひずみ計は、第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付され、
    前記第2物体は、前記ひずみテンソル算出システムの計測対象となる第1物体に埋設され、
    前記ひずみテンソル算出装置は、
    前記複数個のひずみ計により計測された計測値を取得する取得部と、
    前記取得部により取得された前記計測値に基づいて、前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出する成分算出部と、
    前記複数個のひずみ計のそれぞれにより計測された計測値に含まれる計測誤差に基づいて、前記成分算出部により算出される前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を算出する誤差算出部と、
    を備える、
    ひずみテンソル算出システム。
  2. 請求項に記載のひずみテンソル算出システムであって、
    前記ひずみテンソル算出装置は、
    ユーザからの入力を受け付ける入力受付部と、
    情報を出力する出力部と、
    を備え、
    前記誤差算出部は、前記入力受付部により受け付けられた前記複数個のひずみ計それぞれの貼付方向に基づいて、前記成分算出部により算出される前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を、前記所定の方向を決定するための情報として算出し、前記所定の方向を決定するための情報を、前記出力部に出力させる、
    ひずみテンソル算出システム。
  3. 請求項に記載のひずみテンソル算出システムであって、
    前記ひずみテンソル算出装置は、
    前記入力受付部により受け付けられた前記ひずみ計の個数と、前記複数個のひずみ計それぞれの故障率とに基づいて、前記成分算出部による前記三次元ひずみテンソルの各成分の算出成功率を算出し、算出された前記算出成功率を示す情報を、前記出力部に出力させる成功率算出部、
    を備えるひずみテンソル算出システム。
  4. 請求項1からのうちいずれか一項に記載のひずみテンソル算出システムであって、
    前記複数個のひずみ計のうち少なくとも2個は、前記第2物体の側面に貼付されるものであって、前記第2物体の中心を通る前記側面に平行な軸の方向に対して45度の角度で貼付され、それらが互いに前記軸の周りに90度だけずれた位置に貼付される、
    ひずみテンソル算出システム。
  5. 請求項1からのうちいずれか一項に記載のひずみテンソル算出システムであって、
    前記複数個のひずみ計の個数は、少なくとも6個以上である、
    ひずみテンソル算出システム。
  6. 第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付された複数個のひずみ計と、自装置の計測対象となる第1物体に埋設される前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルを算出するひずみテンソル算出装置とを具備するひずみテンソル算出システムにおいて、
    前記複数個のひずみ計それぞれの貼付方向に基づいて、前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を、前記所定の方向を決定するための情報として算出し、
    前記所定の方向を決定するための情報に基づいて、前記所定の方向を決定する、
    ひずみ計貼付方向決定方法。
  7. 複数個のひずみ計を、第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付し、
    前記第2物体を、計測対象となる第1物体に埋設し、
    前記複数個のひずみ計により計測された計測値を取得し、
    前記計測値に基づいて、前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出
    前記計測値に含まれる計測誤差に基づいて、前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を算出する、
    ひずみテンソル算出方法。
  8. 自装置の計測対象となる第1物体に埋設される第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルを、前記第2物体の予め決められた所定の方向に沿った位置に貼付された複数個のひずみ計により算出するひずみテンソル算出装置のコンピュータに、
    前記複数個のひずみ計により計測された計測値を取得させ、
    前記計測値に基づいて、前記第2物体の変形を表す三次元ひずみテンソルの各成分を算出させ、
    前記計測値に含まれる計測誤差に基づいて、前記三次元ひずみテンソルの各成分へ伝播する誤差を算出させる、
    ひずみテンソル算出プログラム。
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