JP4852075B2 - 車両前部構造 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンをカバーするエンジンフードを備えた車両前部構造に関するものである。
車両前部構造では、盗難防止のために、エンジンフードの開閉状態を検出するエンジンフードスイッチを配置して、例えば、左右の乗降ドアロックが施錠された状態で、エンジンフードスイッチが作動すると、警報動作を実施するものがある(例えば、特許文献1参照。)。
また、エンジンフードスイッチは、エンジンフードを車体にロックするロック機構近傍に設けられている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平7−61327号公報(第4頁) 特開2005−35422号公報(第3頁)
しかし、エンジンフードスイッチ(フード開閉検出器)は、ロック機構近傍、すなわち、車幅の略中央かつ、エンジンフードの前端にあり、エンジンフードの前端と下方のバンパーとの隙間から第三者がエンジンフードスイッチを止める可能性があるという問題がある。
本発明は、フード開閉検出器を車幅の略中央に設けても作動させることができ、フード開閉検出器が不正に操作されるのを防止し、エンジンフードの開閉を検出する精度を高め、製造が容易な車両前部構造を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、エンジンルームを開閉自在に封じ一端をヒンジに取付けているエンジンフードと、エンジンフードの他端の略車幅中央に設けられたストライカ取付ブラケットと、ストライカ取付ブラケットに取付けられて車体側にエンジンフードを閉状態に係止するストライカと、エンジンフードの開閉状態を検出するフード開閉検出器と、を備えた車両前部構造において、ストライカを係止する位置より車体後方且つ、近傍にフード開閉検出器が配置され、ストライカ取付ブラケットにフード開閉検出器の操作部を、エンジンフードを閉じた時に操作する操作片が突出形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、ストライカが、略U字状に形成されて、両端をストライカ取付ブラケットに取付けているとともに、一方を車両前方へ向け、一方に平行な他方を車両後方へ向けて取付け、操作片が、ストライカの両端を通る直線の上方若しくは近傍に形成されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、ストライカ取付ブラケットは、操作部の車両前方側を覆うように延びる操作防止壁を備えていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、エンジンフードと、ストライカ取付ブラケットと、ストライカと、エンジンフードの開閉状態を検出するフード開閉検出器と、を備え、ストライカを係止する位置より車体後方且つ、近傍にフード開閉検出器が配置され、ストライカ取付ブラケットにフード開閉検出器の操作部を、エンジンフードを閉じた時に操作する操作片が突出形成されているので、フード開閉検出器を車幅の略中央に設けても、フード開閉検出器を作動させることができる。
また、ストライカを係止する位置より車体後方且つ、近傍にフード開閉検出器が配置され、ストライカ取付ブラケットにフード開閉検出器の操作部を、エンジンフードを閉じた時に操作する操作片が突出形成されているので、ストライカとフード開閉検出器が近接し、ストライカの係止状態を正確に検出することができ、結果的に、エンジンフードの開閉を正確に検出することができる。従って、フード開閉検出器が不正に操作されるのを防止することができる。
請求項2に係る発明では、操作片が、ストライカの両端を通る直線の上方若しくは近傍に形成されているので、エンジンフードの開閉を検出する精度を高めることができる。すなわち、車体にストライカを係止したエンジンフードの閉状態において、エンジンフードに外力が加わったときに、エンジンフードの弾性変形でエンジンフードと車体との間の隙間に変化が生じるが、隙間の変化量の最も小さい部位はストライカ近傍であり、変形量の小さいストライカを通る直線の上方、線の近傍に操作片を形成することで、フード開閉検出器をより正確に作動させることができるという利点がある。
請求項3に係る発明では、ストライカ取付ブラケットは、操作部の車両前方側を覆うように延びる操作防止壁を備えているので、エンジンフードの閉状態において、エンジンフードと車体(バンパー)との間にできている隙間からフード開閉検出器の操作部が不正に操作されるのを防ぐことができる。
本発明を実施するための最良の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
図1は、本発明の車両前部構造の斜視図である。
車両前部構造11は、車両12のエンジンフード13の開閉を検出するフード開閉検出器14を備え、エンジンフード13を他人に開けられた場合に盗難防止装置15が作動する。具体的には、後で説明する。
車両12は、フロントボデー21、エンジンルーム22、フロントボデー21の前端の上部をなすバルクヘッドアッパフレーム23、フロントバンパー24、フード構造26を備える。27はフードロック装置である。
図2は、本発明の車両前部構造に採用されたストライカ取付ブラケット及びフード開閉検出器を正面から見た斜視図である。図1を併用して説明する。
図3は、図2の3矢視図である。
図4は、図1の4矢視図である。
車両前部構造11は、車両12の前部31のエンジンルーム22を開閉自在(矢印a1の方向)に封じ一端32をヒンジ33に取付けているエンジンフード13と、エンジンフード13の他端34の略車幅中央35に設けられたストライカ取付ブラケット36と、ストライカ取付ブラケット36に取付けられて車体37側にエンジンフード13を閉状態に係止するストライカ41と、エンジンフード13の開閉状態を検出するフード開閉検出器14と、を備える。そして、ストライカ41を係止する位置41aより車体37後方(矢印a2の方向)且つ、距離Aだけ離した近傍(取付け部42)にフード開閉検出器14が配置され、ストライカ取付ブラケット36にフード開閉検出器14の操作部44を、エンジンフード13を閉じた時に操作する操作片45が突出形成されている。
ストライカ41が、略U字状に形成されて、両端47をストライカ取付ブラケット36に取付けているとともに、一方51を車両前方(矢印a3の方向)へ向け、一方51に平行な他方52を車両後方(矢印a2の方向)へ向けて取付け、操作片45が、ストライカ41の両端47を通る直線54(図4参照)の上方(矢印Y2の方向)若しくは近傍に形成されている。
「両端47を通る直線54の上方若しくは近傍」とは、直線54から(起点)上に且つ、直線54の近傍に(操作片45が配置されている)ということであり、直線54より下(下方)は含まない。しかし、条件によっては、直線54より下(下方)も可能である。
ストライカ取付ブラケット36は、操作部44の車両前方側を覆う(遮る)ように延びる操作防止壁56を備えている。操作部44のアーム部44aを含めて車両前方との間を遮るように延ばして設けられている。
ストライカ取付ブラケット36は、エンジンフード13を閉じた閉状態で(図1〜図4の状態)、エンジンフード13から垂下した垂下部58と、垂下部58からエンジンフード13の前端61(他端34)に向けて折り曲げられて延びる延出部62と、からなり、延出部62に操作片45が形成され、垂下部58に操作防止壁56がフード開閉検出器14のアーム部44a等を遮る部位として形成されている。
フード開閉検出器14は、盗難防止装置15にフード開閉情報を出力する既存の構成で、検出器本体105、アーム部44a、操作部44を有する。そして、検出器本体105をストライカ取付ブラケット36からバルクヘッドアッパフレーム23の長手方向(X軸方向)に所定距離Bだけ離して配置している。従って、バルクヘッドアッパフレーム23に専用の形状を形成する必要がなく、バルクヘッドアッパフレーム23の軽量化を維持することができる。
盗難防止装置15は、エンジンフード13を開けられた時に、警報や光(灯りを点滅)を発生させることで、異常事態を知らせる。
フードロック装置27は、前に触れたストライカ取付ブラケット36に取付けたストライカ41を車体37側に係止するラッチ機構101を車体37のバルクヘッドアッパフレーム23に設けている。
ストライカ取付ブラケット36では、折り曲げた操作片45が垂下部58に直交し、縁にアール部45aが形成されている。アール部45aを形成することで、縁に接触したときの感触をよくすることができる。
操作防止壁56は、エンジンフード13を閉じた閉状態で(図1〜図4の状態)、ほぼ鉛直にかつ、ストライカ取付ブラケット36から検出器本体105までの間の距離Bより大きく、操作部44(アーム部44a)の可動範囲より大きく形成されている。従って、必要最小限の大きさとなり、操作防止壁56の軽量化を図ることができる。
エンジンフード13は、図4に示したエンジンフード13の前端61とフロントバンパー24との間に隙間Eがあり、この隙間Eからストライカ取付ブラケット36、操作防止壁56、フード開閉検出器14のそれぞれの一部が見える。
次に、本発明の車両前部構造の作用を説明する。
車両前部構造11では、図4に示したストライカ取付ブラケット36は、操作部44より車両前方側を覆うように延びる操作防止壁56を備えているので、操作防止壁56によって遮られ、エンジンフード13とフロントバンパー24との隙間(隙間E)からフード開閉検出器14の操作部44(アーム部44a)が見えない。従って、操作部44(アーム部44a)を操作できない。
なお、操作防止壁56をストライカ取付ブラケット36から延ばしたが、バルクヘッドアッパフレーム23に一体に形成することも可能である。
フード開閉検出器14は、フロントボデー21のバルクヘッドアッパフレーム23に取付けられているが、ストライカ取付ブラケット36の裏に直接取付けることも可能である。その際には、操作片45に相当する操作片をバルクヘッドアッパフレーム23に設定する。
本発明の車両前部構造は、エンジンフードの前端にフード開閉検出器を配置している車両に好適である。
本発明の車両前部構造の斜視図である。 本発明の車両前部構造に採用されたストライカ取付ブラケット及びフード開閉検出器を正面から見た斜視図である。 図2の3矢視図である。 図1の4矢視図である。
符号の説明
11…車両前部構造、13…エンジンフード、14…フード開閉検出器、22…エンジンルーム、31…車両前部、32…エンジンフードの一端、33…ヒンジ、34…エンジンフードの他端、35…車幅中央、36…ストライカ取付ブラケット、37…車体、41…ストライカ、44…操作部、45…操作片、47…両端、54…両端を通る直線、56…操作防止壁。

Claims (3)

  1. エンジンルームを開閉自在に封じ一端をヒンジに取付けているエンジンフードと、該エンジンフードの他端の略車幅中央に設けられたストライカ取付ブラケットと、該ストライカ取付ブラケットに取付けられて車体側に前記エンジンフードを閉状態に係止するストライカと、前記エンジンフードの開閉状態を検出するフード開閉検出器と、を備えた車両前部構造において、
    前記ストライカを係止する位置より車体後方且つ、近傍に前記フード開閉検出器が配置され、前記ストライカ取付ブラケットに前記フード開閉検出器の操作部を、前記エンジンフードを閉じた時に操作する操作片が突出形成されていることを特徴とする車両前部構造。
  2. 前記ストライカが、略U字状に形成されて、両端を前記ストライカ取付ブラケットに取付けているとともに、一方を車両前方へ向け、前記一方に平行な他方を車両後方へ向けて取付け、
    前記操作片が、前記ストライカの両端を通る直線の上方若しくは近傍に形成されていることを特徴とする請求項1記載の車両前部構造。
  3. 前記ストライカ取付ブラケットは、前記操作部の車両前方側を覆うように延びる操作防止壁を備えていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車両前部構造。
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