JP4850835B2 - 線形静電容量測定およびタッチレス・スイッチ - Google Patents

線形静電容量測定およびタッチレス・スイッチ Download PDF

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Description

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本出願は、2005年6月15日に出願された米国特許仮出願第60/690486号(件名「LINEAR CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)、2005年3月17日に出願された米国特許仮出願第60/662378号(件名「CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)、2004年10月19日に出願された米国特許仮出願第60/619697号(件名「DIFFERENTIAL CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)、および2004年8月16日に出願された米国特許仮出願第60/601610号(件名「DIFFERENTIAL CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)の利益を主張するものである。
本発明は、主に静電容量測定の装置および手法に関し、特に、タッチレス・スイッチなどの、静電容量測定手法を用いる近接検出器に関する。
公共の設備や機器を、タッチ・スイッチのような手動起動装置の表面に物理的に接触することをユーザに求めることなく動作させる手法を改善する必要が年々高まっている。そのような設備や機器としては、エレベータ、自動販売機、セキュリティ・アクセス・パネル、情報端末などがある。先にその設備や機器を使用した他者によって接触および汚染された可能性のあるスイッチに物理的に接触することをユーザに求めないことにより、病原菌や疾病の拡散を大幅に減らすことが可能である。
たとえば、エレベータのような公共設備を操作する場合は、1つまたは複数のスイッチに物理的に接触するのが一般的であるが、それらのスイッチは、それまでに多くの人々によって接触されている可能性がある。それらの人々のうちの何人かは、潜在的に有害であるか接触伝染性である毒素や病原体のような汚染物質にさらされている可能性のある環境から来た人々かもしれない。そのような人々が、エレベータの操作に必要な1つまたは複数のスイッチに物理的に接触すると、その人々がスイッチ表面に汚染物質を堆積させる可能性があり、そのスイッチ表面では、それらの汚染物質が、しばらくの間、生育可能な状態で存続する危険がある。それらの汚染物質は、その後、スイッチから、スイッチに物理的に接触した次のエレベータ利用者に移動する可能性があり、それによって、次の利用者が疾病にかかったり他の重篤な病状になったりする可能性がある。
アジアでのSARS(重症急性呼吸器症候群)の大流行の際には、多くの人々が、タッチ・スイッチのような手動起動装置に接触しなければならない公共設備を使用することを恐れた。人々の恐れを和らげるために、そうした装置の表面を定期的に清掃および消毒する制度が定められた。そのような制度は一般に効果がない。それらの起動装置がいかに十分に清掃および消毒されようとも、次の利用者によって再度汚染される可能性があるからである。結果として、潜在的に有害な汚染物質が、タッチ・スイッチのような手動起動装置から、公共の設備や機器の次の利用者に移る危険は、弱まらないまま継続する。
装置の表面に物理的に接触することを利用者に求めない起動装置を実現するために、静電容量に基づく近接検出器が用いられてきた。そのような近接検出器は、電圧電位が異なり、物理的に互いに離れている2つの導体の間に電界および静電容量が発生するという原理に従って動作する。2つの導体の間の静電容量は、一般に、導体の表面積が大きいほど大きく、導体間の距離が小さいほど大きい。
しかしながら、従来の、静電容量に基づく近接検出器は、タッチレス・スイッチを実現するために用いるには欠点がある。たとえば、静電容量に基づく近接検出器を用いるタッチレス・スイッチが広い範囲の利用者によって確実に起動されること、およびスイッチがノイズおよび/または環境変化の影響を受けないことが保証されるように、そのような近接検出器の感度を調節することが一般に困難である。これは、タッチレス・スイッチを実現する場合に、静電容量に基づく近接検出器が測定しなければならない等価静電容量が比較的小さいためである。
具体的には、静電容量に基づく近接検出器のセンサ電極に人体が非常に近いか、近接している場合、この近接検出器は、静電容量センス回路と回路グラウンドとの間の浮遊容量が無視されると見なして、2つの直列コンデンサの等価容量を有効に測定する。その直列コンデンサの一方は、センサ電極と人体との間に形成され、もう一方のコンデンサは、人体とアース・グラウンドとの間に形成される。センサ電極と人体との間の静電容量は、主としてそれらの間の距離に依存し、より少ない程度に、人体のサイズおよび特性に依存する。たとえば、人体がセンサ電極にあまり近くない場合は、センサ電極と人体との間の静電容量が、人体とグラウンドとの間の静電容量よりかなり小さい。したがって、静電容量に基づく近接検出器によって実現されるタッチレス・スイッチは、従来のタッチ・スイッチで通常測定される静電容量よりかなり小さい等価静電容量を測定しなければならない。
図1は、静電容量に基づく近接検出器100を用いて実現されるタッチレス・スイッチを示しており、センサ電極112と、静電容量センス回路114と、人間の指とセンサ電極112との間で形成されるコンデンサ(CA)、指以外の人体とセンサ電極112との間で形成されるコンデンサ(CB)、人体とグラウンドとの間で形成されるコンデンサ(CC)、および静電容量センス回路114とグラウンドとの間で形成されるコンデンサ(CD)(この解析では無視できる)の等価静電容量とを含む。人間の指がセンサ電極112に近ければ、人体とセンサ電極112との間の静電容量は、指とセンサ電極112との間の静電容量CAと、指以外の人体とセンサ電極112との間の静電容量CBとの和としてとらえられることが可能である。人間の指がセンサ電極112にあまり近くない場合は、指とセンサ電極112との間の静電容量CAが変化しても、その変化は一般に非常に小さい。結果として、電気的ノイズまたは干渉、環境特性の変化、人体とグラウンドとの間の静電容量CCの変化、および/または(指以外の人体とセンサ電極112との間の距離の変化、人体のサイズまたは特性の変化などに起因する)指以外の人体とセンサ電極112との間の静電容量CBの変化によってもたらされる外部からのコモンモード擾乱は、人間の指とセンサ電極112との間の静電容量CAの、対応する変化と同等か、それより大きい可能性がある。
したがって、静電容量に基づく近接検出器100の感度が高感度に調整されていると、近接検出器100は、上に挙げた様々な外部コモンモード擾乱によって、意図されずに作動する可能性がある。一方、静電容量に基づく近接検出器100の感度が下げられていると、近接検出器100は、妥当な距離にある利用者の指とセンサ電極112との間の小量の静電容量を検出することができないために動作しない可能性がある。
静電容量に基づく近接検出器100を用いて実現されるタッチ・スイッチが一般にタッチレス・スイッチよりずっと良好に動作するのは、人間の指がタッチ・スイッチの表面に接触する際の接触面積が、一般に、指先だけの面積よりずっと大きいからである。さらに、指とタッチ・スイッチのセンサ電極との間の距離は、対応する、指とタッチレス・スイッチのセンサ電極112との間の距離よりも、一般にずっと短い。これは、タッチ・スイッチのセンサ電極が絶縁面の背後に配置されていたとしてもそうである。したがって、人間の指とタッチ・スイッチのセンサ電極との間の静電容量の変化は、対応する、人間の指とタッチレス・スイッチのセンサ電極112との間の静電容量の変化よりずっと大きい。したがって、上述の、人間の指とタッチレス・センサのセンサ電極112との間の静電容量CAの変化の検出に関連する問題、たとえば、利用者が異なることによる静電容量CBまたはCCの変化は、タッチ・スイッチの場合には相対的に大きな問題ではない。
タッチレス・スイッチの外部コモンモード擾乱に関連する前述の問題を回避する1つの方法は、周知の差分信号測定手法を用いることである。そのような差分信号測定手法を、2つのセンサ電極を含むタッチレス・スイッチに用いることが可能である。それらの電極は、人間の指と一方のセンサ電極との間の静電容量が、指と他方のセンサ電極との間の第2の静電容量を所定のしきい値レベルだけ上回った場合にスイッチが作動するように構成される。これらの第1および第2の静電容量を差分測定の形で直接比較して、タッチレス・スイッチを作動させるかどうかを決定することにより、測定に悪影響を及ぼす可能性のある外部コモンモード擾乱を効果的に打ち消すことが可能である。
2001年10月30日に出願された米国特許第6310611号(件名「DIFFERENTIAL TOUCH SENSOR AND CONTROL CIRCUIT THEREFORE」)(’611特許)は、差分信号測定手法を用いるタッチ・センサを開示している。’611特許に開示されているように、タッチ・センサは、第1のセンサ電極と、第1のセンサ電極に近接して位置する第2のセンサ電極と、第1および第2の電極に接続された差分回路と、第1の電極と第2の電極との間に電界を発生させるように構成されたパルス源または他の信号源とを含む。’611特許のタッチ・センサは、差分測定を実施するように構成されるが、静電容量を測定することによっては動作しない。その代わりに、そのタッチ・センサは、2つのセンサ電極の周囲の電界に影響を及ぼす物体が投入されたことによって引き起こされる、2つの電極の間の電圧差の変化を測定する。このタッチ・センサは、差分回路を用いて、この、2つの電極の間の電圧差に応答する出力信号を与える。
しかしながら、’611特許で開示されたタッチ・センサは、タッチレス・スイッチを実現するために用いるには欠点がある。たとえば、前述の、物体が投入された結果である、タッチ・センサの2つのセンサ電極の間の電圧差の変化は、センサ電極および物体に関連する電界の相互作用によって引き起こされる。この、電界の相互作用は、2つのセンサ電極および物体の電圧電位が異なるために、比較的複雑であり、センサ電極間の電圧差と、物体とセンサ電極との近さとを律する厳密な関係は存在しない。さらに、センサ電極間の電圧差を測定するために’611特許で開示された方法は、タッチ・スイッチの場合と同様に、電圧差が十分ある場合のみ有効である。したがって、’611特許で開示された方法は、タッチレス・スイッチで用いられるためには精度ないし感度が十分ではない。
2002年9月24日に出願された米国特許第6456477号(件名「LINEAR CAPACITANCE DETECTION CIRCUIT」)(’477特許)は、差分信号測定手法を用いる静電容量検出回路を開示している。’477特許で開示されているように、線形静電容量検出回路は、第1のコンデンサと第2のコンデンサとの間の静電容量差を、2つのコンデンサをパルスで駆動することによって測定する回路を含む。この静電容量検出回路はさらに、2つのコンデンサをほぼ等電圧電位に保つように構成された、負帰還を有する演算増幅器を含む。結果として、この演算増幅器によって生成される電気信号と、2つのコンデンサの容量の比との間には線形関係がある。しかしながら、’477特許で開示された方法にも欠点があり、それは、パルス信号を必要とすることである。パルス信号は、演算増幅器に過渡ノイズおよび不安定さをもたらす可能性があり、演算増幅器の出力の精度に悪影響を及ぼす可能性がある。過渡ノイズおよび不安定さの効果を低減するために演算増幅器の入力にロー・パス・フィルタおよび帰還コンデンサを用いることが可能であるが、そのような部品を追加することは、静電容量検出回路の精度および感度に悪影響を及ぼす。
米国特許仮出願第60/690486号 米国特許仮出願第60/662378号 米国特許仮出願第60/619697号 米国特許仮出願第60/601610号 米国特許第6310611号 米国特許第6456477号
したがって、前述の方法の欠点を回避する静電容量測定装置および手法、ならびに静電容量測定手法を用いるタッチレス・スイッチのような近接検出器が望ましい。
本発明によれば、多種多様な容量性トランスデューサ、近接センサ、およびタッチレス・スイッチの感度および精度を高めるために用いることが可能な静電容量測定装置および手法を提供する。本明細書で開示される静電容量測定装置は、あるコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量と他の1つまたは複数の様々なコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量とのそれぞれの比の変化に対する線形応答を、調節可能なオフセットを付加して、直接かつ正確に発生させ、その一方で、すべてのコンデンサ/容量性トランスデューサを常にほぼ同一の電圧電位に保つ。本明細書で開示される静電容量測定装置はさらに、あるコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量に第1の定数係数を乗じたものと、他の1つまたは複数の様々なコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量のそれぞれに、それぞれの第2の定数係数を乗じたものとの間の、それぞれの差の変化に対する線形応答を発生させ、その一方で、すべてのコンデンサ/容量性トランスデューサを常にほぼ同一の電圧電位に保つ。
さらに、本明細書で開示される静電容量測定装置は、広範囲の静電容量値の特別な校正または調整を必要とせずに、コンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量の変化、または静電容量の逆数の変化、に対する線形応答を、調節可能なオフセットを付加して、直接かつ正確に発生させる。本明細書で開示される静電容量測定装置はさらに、多数のコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量、または静電容量の逆数、を測定すること、または多数のコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量と、コンデンサ/容量性トランスデューサの多数の集合の静電容量とを比較することのシンプルな方法を提供する。
本明細書で開示される静電容量測定装置は、複数の演算増幅器を用いて、比較または測定される複数のコンデンサ/容量性トランスデューサの電圧電位を常にほぼ同じ電圧電位に保つ。複数のコンデンサ/容量性トランスデューサがほぼ同じ電圧電位に保たれるので、それらの間には本質的に静電容量が存在しない。このため、本静電容量測定装置を用いると、コンデンサ/容量性トランスデューサが相対的に互いに近接して位置している場合でも、近接するコンデンサ/容量性トランスデューサの影響を受けることなく、複数のコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量の小さな変化を測定することが可能である。
一実施形態では、本静電容量測定装置は、第1の演算増幅器A1と、差動増幅器として構成される第2の演算増幅器A2とを含む。本明細書で用いる「差動増幅器」という用語は、2つの入力信号の差分を増幅する回路またはデバイスを意味し、計測増幅器その他のような、様々な種類の差動DC増幅器を包含する。比較または測定される2つのコンデンサC1およびC2のそれぞれは、一端が回路グラウンドに接続され、他端が演算増幅器A1の差動入力の一方に接続される。コンデンサC1は、演算増幅器A1の反転入力に接続され、コンデンサC2は、演算増幅器A1の非反転入力に接続される。コンデンサC1およびC2はともに、演算増幅器A1の対応する入力に接続された各抵抗を介して、周期的に変動する正弦波電圧源のような電圧源の出力によって駆動される。演算増幅器A1の出力と反転入力との間に帰還抵抗が接続される。演算増幅器A1の開ループ利得が高いので、コンデンサC1およびC2は、常にほぼ同じ電圧電位に保たれる。帰還抵抗を流れる電流の大きさと、コンデンサC1の静電容量とコンデンサC2の静電容量の比との間には線形関係がある。さらに、帰還抵抗を流れる電流は、この比が指定の値より小さいか大きいかに応じて、周期的に変動する電圧源に接続された抵抗を流れる電流と同相になるか、位相がずれる。帰還抵抗を流れる電流の位相および大きさは、差動増幅器A2によって測定可能であり、差動増幅器A2は、その差動入力の一方が演算増幅器A1の出力に接続され、他方の差動入力が演算増幅器A1の差動入力の一方に接続される。
第2の実施形態では、本静電容量測定装置は、第1の演算増幅器A1と、差動増幅器として構成される第2の演算増幅器A2とを含む。比較または測定される2つのコンデンサC1およびC2のそれぞれは、一端が回路グラウンドに接続され、他端が演算増幅器A1の差動入力の一方に接続される。コンデンサC1は、演算増幅器A1の反転入力に接続され、コンデンサC2は、演算増幅器A1の非反転入力に接続される。演算増幅器A1の非反転入力は、第1の周期的に変動する正弦波電流源のような電流源の出力によって直接駆動され、演算増幅器A1の反転入力は、出力が第1の周期的に変動する電流源のK(定数)倍である、第2の周期的に変動する電流源によって直接駆動される。演算増幅器A1の出力と反転入力との間に帰還抵抗が接続される。演算増幅器A1の開ループ利得が高いので、コンデンサC1およびC2は、常にほぼ同じ電圧電位に保たれる。帰還抵抗を流れる電流の大きさと、コンデンサC1の静電容量とコンデンサC2の静電容量の比との間には線形関係がある。さらに、帰還抵抗を流れる電流は、この比がKの値より小さいか大きいかに応じて、周期的に変動する電流源の出力と同相になるか、位相がずれる。帰還抵抗を流れる電流の位相および大きさは、差動増幅器A2によって測定可能であり、差動増幅器A2は、その差動入力の一方が演算増幅器A1の出力に接続され、他方の差動入力が演算増幅器A1の差動入力の一方に接続される。
第3の実施形態では、本静電容量測定装置は、第1および第2の演算増幅器A0およびA1と、差動増幅器として構成される第3の演算増幅器A2とを含む。比較または測定される2つのコンデンサC1およびC2のそれぞれは、静電容量c1およびc2をそれぞれ有し、一端が回路グラウンドに接続され、他端が演算増幅器A0またはA1の反転入力に接続される。コンデンサC1は、演算増幅器A1の反転入力に接続され、コンデンサC2は、演算増幅器A0の反転入力に接続される。演算増幅器A0およびA1の非反転入力はともに、周期的に変動する正弦波電圧源のような電圧源によって直接駆動される。抵抗値r1を有する第1の帰還抵抗R1が、演算増幅器A1の出力とその反転入力との間に接続される。抵抗値r2を有する第2の帰還抵抗R2が、演算増幅器A0の出力とその反転入力との間に接続される。演算増幅器A0およびA1の開ループ利得が高いため、2つのコンデンサC1およびC2は、常に、周期的に変動する電圧源の電圧電位とほぼ同じ電圧電位に保たれる。演算増幅器A1の出力は、差動増幅器A2の非反転入力に接続され、演算増幅器A0の出力は、差動増幅器A2の反転入力に接続される。差動増幅器A2の出力は、(r1*c1−r2*c2)に比例し、(r1*c1−r2*c2)がゼロより大きいか小さいかに応じて、抵抗R1およびR2を流れる電流と同相になるか、位相がずれる。
本明細書で開示される静電容量測定装置の各実施形態は、あるコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量と他の複数の様々なコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量とを比較し、その一方で、すべてのコンデンサ/容量性トランスデューサをほぼ同じ電圧電位に保つように構成されることが可能である。さらに、本静電容量測定装置の各実施形態は、各コンデンサ/容量性トランスデューサを後続の比較または測定に含めたり、後続の比較または測定から除外したりすることによって、複数のコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量、または静電容量の逆数、を測定することや、複数のコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量をコンデンサ/容量性トランスデューサの複数の集合の静電容量と比較することを順次実施することが可能である。
本明細書で開示される静電容量測定装置の実施形態を用いるタッチレス・スイッチおよび近接センサも提供される。タッチレス・スイッチは、人間の指または指状物体によって作動し、作動するためには指または指状物体が指定の境界に到達することが必要であるように構成される。タッチレス・スイッチは、シンプルで堅牢な構成を有しながら、意図されない操作に対する感受性が抑えられており、また、温度、湿度などのような環境要因の変化や電気的ノイズに対する感度が抑えられている。タッチレス・スイッチは、清潔さに敏感な用途、産業用制御盤、および一般の人々が接触可能な様々な設備や機器に利用可能であり、そのようなものとしてエレベータ、自動販売機、セキュリティ・アクセス・パネル、情報端末などがあり、これらに限定されない。
一実施形態では、タッチレス・スイッチは、前面と、近接する2つのセンサ電極とを含み、これら2つのセンサ電極は、ほぼ同じ電圧電位に保たれ、スイッチの前面の上または背後に配置される。その結果、2つのセンサ電極の間には静電容量がほとんど存在せず、したがって、これらのセンサ電極は本質的に互いに独立に動作する。これらのセンサ電極のうちの一方は中央電極であり、他方のセンサ電極は外側電極である。中央電極は、外側電極と間隔をおいて配置され、外側電極に少なくとも部分的に囲まれる。人間の指または指状物体の先端が中央電極の近くまたは非常に近くに存在すると、本明細書で開示される静電容量測定装置の実施形態を用いて指または指状物体の存在を検出することが可能である。本静電容量測定装置を用いることにより、指または指状物体に対する2つのセンサ電極の静電容量の比、または、指または指状物体に対する一方のセンサ電極の静電容量に第1の定数係数を乗じたものと、指または指状物体に対する他方のセンサ電極の静電容量に第2の定数係数を乗じたものとの差を測定することが可能であり、それによって、両方のセンサ電極が互いに近接していることから両方のセンサ電極に等しく作用する傾向がある外部コモンモード擾乱、たとえば、指以外の人体とセンサ電極との間の静電容量、人体とアース・グラウンドとの間の静電容量、環境変化、電気的ノイズなど、をほぼ打ち消すことが可能である。本静電容量測定装置によって実施される静電容量の比および差の測定は、2つのセンサ電極の幾何學的な形状、サイズ、および相対位置が固定されることによって容易になる。最初、指または指状物体が中央電極に向かって動いているときは、静電容量の比または差の測定値が、あらかじめ設定されたしきい値を下回るように、外側電極を中央電極の前に配置することが可能である。指または指状物体が中央電極に徐々に近づき、最終的に静電容量の比または差が、あらかじめ設定されたしきい値を超えると、スイッチが作動する。タッチレス・スイッチに、2つのセンサ電極の背面および側面を囲むガード電極を含めることも可能である。ガード電極およびセンサ電極は、各センサ電極がそれぞれの前に配置された物体のみとコンデンサを形成するように、ほぼ同じ電圧電位に保たれる。2つのセンサ電極から静電容量測定装置に延びるリードを、二芯同軸ケーブルまたは2本の同軸ケーブルを用いて保護することも可能である。その場合は、外側ケーブル導体を、保護シールドとして用い、センサ電極に接続された内側ケーブル導体とほぼ同じ電圧電位に保つ。タッチレス・スイッチの前面は、コンテナの面の形をとることが可能であり、その場合は、指または指状物体が到達するとスイッチが作動する仮想境界面が、コンテナ面の縁によって定まる。
本明細書で開示される静電容量測定装置を用いて、人間の指より大きな導体、たとえば、人間の手のひら、の近接を検出することが可能である。さらに、本明細書で開示される静電容量測定装置を用いて、指定領域内での導体、たとえば、人間の外肢、の位置、場所、および/または動きを検出することも可能である。
以下の発明の詳細な説明から、本発明の他の特徴、機能、および態様が明らかになるであろう。
以下の発明の詳細な説明を添付図面と併せて参照することにより、本発明がより完全に理解されよう。
2005年6月15日に出願された米国特許仮出願第60/690486号(件名「LINEAR CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)、2005年3月17日に出願された米国特許仮出願第60/662378号(件名「CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)、2004年10月19日に出願された米国特許仮出願第60/619697号(件名「DIFFERENTIAL CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)、および2004年8月16日に出願された米国特許仮出願第60/601610号(件名「DIFFERENTIAL CAPACITANCE MEASUREMENT AND TOUCHLESS SWITCH」)のすべての開示が、参照により本明細書に組み込まれている。
多種多様な容量性トランスデューサ、近接センサ、およびタッチレス・スイッチの感度および精度を高めるために用いることが可能な静電容量測定装置および手法を開示する。図2aは、本発明による、静電容量測定回路の第1の例示的実施形態200aを示している。この例示的実施形態では、静電容量測定回路200aは、周期的に変動する電圧源G1と、第1の演算増幅器A1と、差動増幅器として構成される第2の演算増幅器A2とを含む。比較される2つのコンデンサ/容量性トランスデューサC1およびC2のそれぞれは、静電容量c1およびc2をそれぞれ有し、一端が回路グラウンドに接続され、他端が演算増幅器A1の差動入力の一方に接続される。コンデンサC1は、ノード101において、演算増幅器A1の反転入力に接続され、コンデンサC2は、ノード102において、演算増幅器A1の非反転入力に接続される。ノード101および102は、それぞれ抵抗R1およびR2を介して、周期的に変動する電圧源G1(正弦波電圧源であってよい)の出力Vsによって駆動される。抵抗R1の抵抗値はr1であり、抵抗R2の抵抗値はr2である。演算増幅器A1の出力V1は、抵抗値r3を有する帰還抵抗R3を介して、演算増幅器A1の反転入力に帰還される。演算増幅器A1の開ループ利得が非常に高いので、演算増幅器A1の2つの入力はほぼ同じ電圧電位に保たれ、これにより、ノード101および102におけるコンデンサC1およびC2の有効なRC時定数がほぼ同じになる。抵抗R3を流れる電流I3の大きさi3は、コンデンサC2に流れ込む電流I2の大きさi2に係数(r2/r1−c1/c2)を掛けたものにほぼ等しい、すなわち、i3=i2*(r2/r1−c1/c2)である。抵抗R3を流れる電流I3は、静電容量比c1/c2が値r2/r1より小さいか大きいかに応じて、抵抗R1を流れる電流I1および抵抗R2を流れる電流I2と同相になるか、位相がずれる。より具体的には、c1/c2がr2/r1より小さければ、(r2/r1−c1/c2)が正になって、電流I2およびI3が同相になるが、c1/c2がr2/r1より大きければ、(r2/r1−c1/c2)が負になって、電流I2およびI3の位相がずれる。定常状態では、コンデンサC2に流れ込む電流I2の大きさi2は時間の関数であり、したがって、電流I3の周期のある定刻に抵抗R3を流れる電流I3の大きさi3は、値(r2/r1−c1/c2)の正確な指標である。抵抗R3の両端の電圧は、i3*r3に等しく、ノード101(またはノード102)と演算増幅器A1の出力V1との間の電圧電位の差に相当する。この電圧は、ノード101(またはノード102)を差動増幅器A2の2つの入力の一方に接続し、演算増幅器A1の出力V1を差動増幅器A2の他方の入力に接続することによって測定可能である。図2aに示された差動増幅器A2の構成は、ここでは例示目的で示されたものであること、および他の好適な回路構成を利用することも可能であることに注意されたい。たとえば、差動増幅器A2の代替構成は、複数の演算増幅器を含むことが可能である。差動増幅器A2の出力Vdは、抵抗R3を流れる電流I3の大きさi3に比例し、c1/c2がr2/r1より大きい場合には、電流I1およびI2と同相である。差動増幅器A2の入力を入れ替えると出力Vdの位相が反転することに注意されたい。
したがって、差動増幅器A2の出力Vdは、値(c1/c2−r2/r1)によって変調された電流I2を表す信号に比例する。電流I2が正弦波であれば、静電容量比c1/c2の変化を、同期復調器を用いて測定することが可能である。さらに、出力Vdの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電圧源G1の出力Vsが正弦波である場合は)同期復調を用いて出力Vdから抽出される信号と、静電容量比c1/c2との間には線形関係がある。したがって、出力Vdの周期のある定刻における出力、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、同期復調を用いて出力から抽出される信号と、(コンデンサC2の静電容量が一定の場合には)静電容量c1、または(コンデンサC1の静電容量が一定の場合には)静電容量c2の逆数との間には線形関係があり、このことは、2つの導体、たとえば、2つのプレート、の間の静電容量がそれらの間の距離に反比例することから、距離を測定する場合に特に有用である。
図2bに示す回路200bは、静電容量測定回路200a1〜200anを用いて、あるコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量と他の1つまたは複数の様々なコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量とのそれぞれの比の変化に対する線形応答を発生させ、その一方で、すべてのコンデンサ/容量性トランスデューサを常にほぼ同一の電圧電位に保つ。静電容量がそれぞれc11〜c1nである複数のコンデンサ/容量性トランスデューサC11〜C1nのそれぞれが、演算増幅器A0の非反転入力とグラウンドとの間に結合されたコンデンサ/容量性トランスデューサC2の静電容量c2と比較される(図2bを参照)。静電容量測定回路200a1〜200anのそれぞれは、静電容量測定回路200a(図2aを参照)と同様に動作する。異なるのは、コンデンサC11〜C1nにおける電圧電位が演算増幅器A0の出力のレベルと比較される点である。演算増幅器A0は、コンデンサC2の両端の電圧電位とほぼ同じ電圧電位を発生させる電圧フォロワとして構成される。コンデンサC2は、抵抗R2を介して、電圧源G1の出力Vsによって駆動される。したがって、出力Vd1〜Vdnのそれぞれの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力のそれぞれ、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電圧源G1の出力Vsが正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、静電容量比c11/c2〜c1n/c2のそれぞれとの間には線形関係がある。結果として、出力Vd1〜Vdnのそれぞれの周期のある定刻における出力のそれぞれ、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、同期復調を用いて出力から抽出される信号と、(C2の静電容量が一定の場合には)静電容量c11〜c1nのそれぞれとの間には線形関係がある。
図3aは、本発明による、静電容量測定回路の第2の例示的実施形態300aを示している。この例示的実施形態では、静電容量測定回路300aは、周期的に変動する電流源G1およびG2と、第1の演算増幅器A1と、差動増幅器として構成される第2の演算増幅器A2とを含む。比較される2つのコンデンサ/容量性トランスデューサC1およびC2のそれぞれは、静電容量c1およびc2をそれぞれ有し、一端が回路グラウンドに接続され、他端が演算増幅器A1の差動入力の一方に接続される。コンデンサC1は、ノード101において、演算増幅器A1の反転入力に接続され、コンデンサC2は、ノード102において、演算増幅器A1の非反転入力に接続される。ノード102は、周期的に変動する電流源G2の出力電流I2によって駆動される。ノード101は、周期的に変動する電流源G1の出力電流I1によって駆動され、I1は、I2のK倍に等しく、Kは0以上の定数である。演算増幅器A1の出力V1が、抵抗値r1を有する帰還抵抗R1を介して演算増幅器A1の反転入力に帰還される。演算増幅器A1の開ループ利得が非常に高いので、演算増幅器A1の2つの入力はほぼ同じ電圧電位に保たれる。したがって抵抗R1を流れる電流I3の大きさi3は、コンデンサC2に流れ込む電流I2の大きさi2に係数(K−c1/c2)を掛けたものにほぼ等しい、すなわち、i3=i2*(K−c1/c2)である。抵抗R1を流れる電流I3は、静電容量比c1/c2がKより小さいか大きいかに応じて、電流I1および電流I2と同相になるか、位相がずれる。より具体的には、c1/c2がKより小さければ、(K−c1/c2)が正になって、電流I2およびI3が同相になるが、c1/c2がKより大きければ、(K−c1/c2)が負になって、電流I2およびI3の位相がずれる。定常状態では、コンデンサC2に流れ込む電流I2の大きさi2は時間のみの関数であり、したがって、電流I3の周期のある定刻に抵抗R1を流れる電流I3の大きさi3は、値(K−c1/c2)の正確な指標である。抵抗R1の両端の電圧は、i3*r1にほぼ等しく、ノード101(またはノード102)と演算増幅器A1の出力V1との間の電圧電位の差に相当する。抵抗R1の両端の電圧は、ノード101(またはノード102)を差動増幅器A2の2つの入力の一方に接続し、演算増幅器A1の出力V1を差動増幅器A2の他方の入力に接続することによって測定可能である。図3aに示された差動増幅器A2の構成は、ここでは例示目的で示されたものであること、および他の好適な回路構成を利用することも可能であることに注意されたい。たとえば、差動増幅器A2の代替構成は、複数の演算増幅器を含むことが可能である。差動増幅器A2の出力Vdは、抵抗R1を流れる電流I3の大きさi3に比例し、静電容量比c1/c2がKより大きい場合には、電流I1およびI2と同相である。差動増幅器A2の入力を入れ替えると出力Vdの位相が反転することに注意されたい。したがって、差動増幅器A2の出力Vdは、値(c1/c2−K)によって変調された電流I2を表す信号に比例する。定数Kが0に等しい場合は、電流源G1が存在せず、差動増幅器A2の出力Vdは、値c1/c2によって変調された電流I2を表す信号に比例する。電流I2が正弦波であれば、Kのあらゆる値について、静電容量比c1/c2の変化を、同期復調器を用いて測定することが可能である。さらに、出力Vdの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電流源G2の出力I2が正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、静電容量比c1/c2との間には線形関係がある。したがって、出力Vdの周期のある定刻における出力、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、同期復調を用いて出力から抽出される信号と、(コンデンサC2の静電容量が一定の場合には)静電容量c1、または(コンデンサC1の静電容量が一定の場合には)静電容量c2の逆数との間には線形関係があり、このことは、2つの導体、たとえば、2つのプレート、の間の静電容量がそれらの間の距離に反比例することから、距離を測定する場合に特に有用である。電流源G1およびG2の出力に顕著な直流成分が含まれる場合は、コンデンサC1およびC2の両端にバイパス抵抗を配置することが可能であることに注意されたい。
図3bに示す回路300bは、静電容量測定回路300a1〜300anを用いて、あるコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量と他の1つまたは複数の様々なコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量とのそれぞれの比の変化に対する線形応答を発生させ、その一方で、すべてのコンデンサ/容量性トランスデューサを常にほぼ同一の電圧電位に保つ。静電容量がそれぞれc11〜c1nであるコンデンサ/容量性トランスデューサC11〜C1nのそれぞれが、演算増幅器A0の非反転入力とグラウンドとの間に結合されたコンデンサ/容量性トランスデューサC2の静電容量c2と比較される(図3bを参照)。コンデンサC11〜C1nは、それぞれ電流源G11〜G1nによって駆動される。電流源G11〜G1nのそれぞれの出力I11〜I1nのそれぞれは、I2にそれぞれの定数K11〜K1nを乗じたものに等しく、定数K11〜K1nのそれぞれは0以上である。静電容量測定回路300a1〜300anのそれぞれは、静電容量測定回路300a(図3aを参照)と同様に動作する。異なるのは、コンデンサC11〜C1nにおける電圧電位が演算増幅器A0の出力のレベルと比較される点である。演算増幅器A0は、コンデンサC2の両端の電圧電位とほぼ同じ電圧電位を発生させる電圧フォロワとして構成される。コンデンサC2は、電流源G2の出力I2によって駆動される。したがって、出力Vd1〜Vdnのそれぞれの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力のそれぞれ、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電流源G2の出力I2が正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、静電容量比c11/c2〜c1n/c2のそれぞれとの間には線形関係がある。結果として、出力Vd1〜Vdnのそれぞれの周期のある定刻における出力のそれぞれ、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、同期復調を用いて出力から抽出される信号と、(C2の静電容量が一定の場合には)静電容量c11〜c1nのそれぞれとの間には線形関係がある。
図4aは、本発明による、静電容量測定回路の第3の例示的実施形態400aを示している。この例示的実施形態では、静電容量測定回路400aは、周期的に変動する電圧源G1と、第1の演算増幅器A0と、第2の演算増幅器A1と、差動増幅器として構成される第3の演算増幅器A2とを含む。比較される2つのコンデンサ/容量性トランスデューサC1およびC2のそれぞれは、静電容量c1およびc2をそれぞれ有し、一端が回路グラウンドに接続され、他端が演算増幅器A0または演算増幅器A1の反転入力に接続される。コンデンサC1は、ノード101において、演算増幅器A1の反転入力に接続され、コンデンサC2は、ノード102において、演算増幅器A0の反転入力に接続される。抵抗値r1を有する第1の帰還抵抗R1が、演算増幅器A1の出力とその反転入力との間に接続される。同様に、抵抗値r2を有する第2の帰還抵抗R2が、演算増幅器A0の出力とその反転入力との間に接続される。演算増幅器A1およびA0の非反転入力は、両方とも、周期的に変動する電圧源G1(正弦波電圧源であってよい)の出力Vsによって駆動される。演算増幅器A1およびA0の開ループ利得が高いため、コンデンサC1およびC2は、常に電圧源G1の出力Vsの電圧電位とほぼ同じ電圧電位に保たれる。V0は演算増幅器A0の出力であり、V1は演算増幅器A1の出力である。(V1−Vs)は、Vsの時間導関数に値(r1*c1)を乗じたもの、すなわち、(V1−Vs)=r1*c1*dVs/dt)であり、抵抗R1を通ってコンデンサC1に流れ込む電流I1と同相である。(V0−Vs)は、Vsの時間導関数に値(r2*c2)を乗じたもの、すなわち、(V0−Vs)=r2*c2*dVs/dtであり、抵抗R2を通ってコンデンサC2に流れ込む電流I2と同相である。演算増幅器A1の出力V1が差動増幅器A2の非反転入力に与えられ、演算増幅器A0の出力V0が差動増幅器A2の反転入力に与えられると、差動増幅器A2の出力Vdは、Vsの時間導関数を値(r1*c1−r2*c2)で変調したものを表す信号に比例し、(r1*c1−r2*c2)がゼロより大きいか小さいかに応じて、抵抗R1およびR2を流れる電流と同相になるか、位相がずれる(差動増幅器A2の入力を入れ替えると出力Vdの位相が反転する)。図4aに示された差動増幅器A2の構成は、ここでは例示目的で示されたものであること、および他の好適な回路構成を利用することも可能であることに注意されたい。たとえば、差動増幅器A2の代替構成は、複数の演算増幅器を含むことが可能である。電圧Vsが正弦波であれば、(r1*c1−r2*c2)の値の変化を、同期復調器を用いて計測することが可能である。定常状態では、Vsの時間導関数は時間のみの関数であり、したがって、出力Vdの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電圧源G1の出力Vsが正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、値(r1*c1−r2*c2)との間には線形関係がある。結果として、出力Vdの周期のある定刻における出力、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、同期復調を用いて出力から抽出される信号と、(コンデンサC2の静電容量が一定の場合には)静電容量c1、または(コンデンサC1の静電容量が一定の場合には)静電容量c2との間には線形関係がある。
図4bに示す回路400bは、静電容量測定回路400a1〜400anを用いて、あるコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量に第1の定数係数を乗じたものと、他の1つまたは複数の様々なコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量のそれぞれに、それぞれの第2の定数係数を乗じたものとの間の、それぞれの差の変化に対する線形応答を発生させ、その一方で、すべてのコンデンサ/容量性トランスデューサを常にほぼ同一の電圧電位に保つ。静電容量がそれぞれc11〜c1nであるコンデンサ/容量性トランスデューサC11〜C1nのそれぞれが、コンデンサ/容量性トランスデューサC2の静電容量c2と比較される。静電容量測定回路400a1〜400anのそれぞれは、演算増幅器A0、帰還抵抗R2、およびコンデンサC2との組合せで、静電容量測定回路400a(図4aを参照)と同様に動作する。したがって、出力Vd1〜Vdnのそれぞれの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力のそれぞれ、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電圧源G1の出力Vsが正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、そのそれぞれの値(r1n*c1n−r2*c2)との間には線形関係がある。ただし、「r1n」は、各演算増幅器A1nに関連付けられる各帰還抵抗R1nの抵抗値である。したがって、出力Vd1〜Vdnのそれぞれの周期のある定刻における出力のそれぞれ、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、同期復調を用いて出力から抽出される信号と、コンデンサC2の静電容量が一定の場合には静電容量c11〜c1nのそれぞれとの間には線形関係がある。
本明細書で開示される静電容量測定回路の各実施形態は、コンデンサ/容量性トランスデューサを後続の測定に含めたり、後続の測定から除外したりすることによって、多数のコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量、または、静電容量の逆数、の変化に対する線形応答を発生させることや、多数のコンデンサ/容量性トランスデューサの静電容量をコンデンサ/容量性トランスデューサの多数の集合の静電容量と比較することを順次実施することが可能である。前述の静電容量測定回路の各実施形態に、任意の好適な種類の容量性トランスデューサを用いることが可能であり、これには、力、圧力、ひずみ、加速度、音、機械的変位、流体流量などを検知する、任意の好適な種類の容量性トランスデューサが含まれ、これらに限定されないことに注意されたい。さらに、前述の静電容量測定回路の各実施形態は、適切な回路グラウンド基準を、たとえば、電圧スプリッタ回路によって与えることが可能であれば、任意の好適な種類のダブルエンデッド電源またはシングルエンデッド電源を用いることが可能であることにも注意されたい。
図5a〜5dは、本発明による、タッチレス・スイッチの前面の例示的実施形態を示している。本明細書で開示されるタッチレス・スイッチの前面は、図5a〜5cにそれぞれ示したコンテナ500a〜500cのような、任意の好適な種類のコンテナの形をとることが可能である。図5a〜5cに示すように、コンテナ500a〜500cのそれぞれは、図5a〜5cのそれぞれ底面部分502a〜502cのような底面部分と、図5a〜5cのそれぞれ縁部分504a〜504cのような縁部分とを含む。代替として、スイッチの前面は、前面500d(図5dを参照)のように平らであってもよく、他の任意の好適な面構成であってもよい。本明細書で開示されるタッチレス・スイッチは、2つのセンサ電極、具体的には、中央電極および外側電極、を含み、これらの電極は、スイッチの前面または前面の背後に配置され、ほぼ同じ電圧電位に保たれる。中央電極は、外側電極と間隔をおいて配置され、外側電極に少なくとも部分的に囲まれる。中央電極および外側電極は、任意の好適な形状、形態、またはサイズであってよく、固形物でなくてもよい。たとえば、電極は金網であってもよい。図6a〜6dは、中央電極および外側電極の、互いに対する、ならびに図5a〜5dのそれぞれの前面500a〜500dに対する例示的な配列および位置を示している。図6a〜6cに示すように、前面がコンテナの形である場合、中央電極はコンテナの底面のそばに配置され、外側電極はコンテナの縁のそばに配置される。
人間の指または指状物体の先端がタッチレス・スイッチの中央電極の近くまたは非常に近くに存在する場合、本明細書で開示される静電容量測定回路の実施形態を用いてその存在を検出することが可能である。静電容量測定回路は、人間の指または指状物体の存在を検出する際には、2つのセンサ電極(すなわち、中央電極および外側電極)と人間の指または指状物体との間に形成されるコンデンサの静電容量を比較し、それによって、外部コモンモード擾乱、たとえば、指以外の人体とセンサ電極との間の静電容量、人体とグラウンドとの間の静電容量、環境変化、電気的ノイズなど、を実質的に打ち消す。そのような外部コモンモード擾乱は、両方のセンサ電極が互いに近接していることから、両方のセンサ電極に等しく作用する傾向がある。さらに、人間の指または指状物体の先端が指定の境界を越えないとタッチレス・スイッチが作動しないようなスイッチ内の場所に、外側電極を配置することが可能である。これを達成するために、一実施形態では、物体が電極の近くにあっても、中央電極から指定の距離より離れていれば、物体と中央電極との間の静電容量と、物体と外側電極との間の静電容量との比、または物体と中央電極との間の静電容量に第1の定数を乗じたものと、物体と外側電極との間の静電容量に第2の定数を乗じたものとの差が、あらかじめ設定されたしきい値より小さくなるように、中央電極より指定の距離だけ前に外側電極を配置し、2つのセンサ電極の間隔と、それらの相対的な表面積とを設定する。この静電容量の比および差の測定は、前述の静電容量測定回路の実施形態によって実施され、2つのセンサ電極の幾何学的な形状、サイズ、および相対位置が固定されることによって容易になることを理解されたい。一実施形態では、タッチレス・スイッチは、測定された静電容量の比または差が、あらかじめ設定されたしきい値を超えたときに作動する。
したがって、タッチレス・スイッチは、人間の指または指状物体が指定の境界を越えない限り、その指によって作動しない。タッチレス・スイッチの前面がコンテナの面の形である場合(たとえば、図5a〜5cを参照)、指定の境界は、コンテナの縁で範囲が定まる仮想平面と一致する。人間の指または指状物体の先端が中央電極に向かって動き、指定の境界の面を突き抜けると、中央電極に関連付けられた静電容量が、外側電極に関連付けられた静電容量より急激に増える。タッチレス・スイッチが作動するのは、中央電極に関連付けられた静電容量と外側電極に関連付けられた静電容量との比、または中央電極に関連付けられた静電容量に第1の定数を乗じたものと外側電極に関連付けられた静電容量に第2の定数を乗じたものとの差が、あらかじめ設定されたしきい値を超えた場合である。
図7は、本発明による、タッチレス・スイッチの例示的実施形態700を示している。この例示的実施形態では、タッチレス・スイッチ700は、コンテナの形の前面702と、中央電極704と、外側電極706と、2つのセンサ電極704、706の背面および側面を囲むガード電極708とを含む。電極704、706、708のすべては、ほぼ同じ電圧電位に保たれる。結果として、2つのセンサ電極704、706は、センサ電極と、スイッチの前、すなわち、図7に示したように、スイッチ700の上方、に配置された物体との間でのみ電界を形成するように動作する。2つのセンサ電極から静電容量測定回路に延びるリードを、二芯同軸ケーブルまたは2本の同軸ケーブルを用いて保護することも可能である。その場合は、外側ケーブル導体を、保護シールドとして用い、センサ電極に接続された内側ケーブル導体とほぼ同じ電圧電位に保つ。
図8aは、本発明による、タッチレス・スイッチの第1の例示的回路実装800aを示している。図8aに示すように、回路実装800aは、中央電極E1と、外側電極E2と、ガード電極E3と、起動遅延セクション203と、スイッチング決定セクション205と、スイッチング出力セクション207と、静電容量測定回路802aとを含み、静電容量測定回路802aは、周期的に変動する電圧源G1と、演算増幅器A0およびA1と、抵抗R1〜R3と、差動増幅器として構成された演算増幅器A2とを含む。中央電極E1は、ノード201において、演算増幅器A1の反転入力に接続され、外側電極E2は、ノード202において、演算増幅器A0の非反転入力に接続され、演算増幅器A0は、外側電極E2の電圧電位を演算増幅器A1の非反転入力に与える電圧フォロワとして構成される。ノード201および202はともに、周期的に変動する電圧源G1の出力Vsによって駆動される。電極E1およびE2は、それぞれ、図2aのコンデンサC1およびC2に対応する。ガード電極E3は演算増幅器A0の出力に接続され、したがって、ガード電極E3の電圧電位は、センサ電極E1およびE2の電圧電位にほぼ等しい。タッチレス・スイッチの前に配置された導体とセンサ電極E1およびE2との間でのみ静電容量が形成可能であるように、ガード電極E3を、センサ電極E1およびE2の背面および側面を囲むように構成することが可能である。図8aの演算増幅器A1およびA2は、それぞれ、図2aの演算増幅器A1およびA2と同様であり、図8aの抵抗R2は、図2aの抵抗R2と同様であり、図8aの抵抗R1およびR3は、それぞれ、図2aの抵抗R1およびR3と同様であり、図8aの周期的に変動する電圧源G1は、図2aの周期的に変動する電圧源G1と同様であることに注意されたい。したがって、差動増幅器A2の出力Vdの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力、または、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電圧源G1の出力Vsが正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、中央電極E1に関連付けられた静電容量と外側電極E2に関連付けられた静電容量との比との間には線形関係がある。差動増幅器A2は、出力Vdをスイッチング決定セクション205に与え、スイッチング決定セクション205は、信号Vdに基づいてタッチレス・スイッチを作動させるかどうかを決定する。たとえば、スイッチング決定セクション205は、信号Vdの位相、振幅、平均、および/または他の任意の好適な特性に基づいて決定を行うことが可能である。代替として、スイッチング決定セクション205は、タッチレス・スイッチを作動させることを決定するためには、信号Vdの必須の位相および/または振幅を指定の数だけ連続して検出すること、または特定の条件が満たされることを必要とすることが可能である。電圧Vsが正弦波の場合は、スイッチング決定セクション205に同期復調器を含めることが可能であり、それによって、中央電極E1に関連付けられた静電容量と外側電極E2に関連付けられた静電容量との比の変化を、ノイズ・レベルが高い場合でも高い精度で取得することが可能になる。スイッチング決定セクション205は、スイッチを作動させるかどうかを決定するために、信号Vd以外に1つまたは複数の信号を必要とすることが可能であることに注意されたい。たとえば、スイッチング決定セクション205は、信号Vdの位相を判定するための基準信号を必要とすることが可能である。スイッチング決定セクション205は、その決定を表す論理信号206をスイッチング出力セクション207に与え、スイッチング出力セクション207が、必要なスイッチング動作を実施する。スイッチング出力セクション207は、任意の好適な数の論理出力(通常はハイまたはロー)、固体スイッチ出力、および/またはドライ接点出力(通常は開または閉)を任意の好適なスイッチング・モードで用いて実装可能であり、これらのスイッチング・モードには、パルス・モード、瞬時モード、トグル・モードなどが含まれ、これらに限定されないことに注意されたい。また、スイッチング出力セクション207は、タッチレス・スイッチの状態を示す音声および/または映像出力を発生させるように構成されることも可能である。静電容量測定回路802aは安定化のために電圧源G1の出力Vsを複数周期にわたって取得するので、起動遅延セクション203は、起動時間中に起動信号204をスイッチング決定セクション205に出力して、スイッチング決定セクション205がスイッチを誤って作動させるのを防ぐ。センサ電極E1およびE2が、演算増幅器A0およびA1の入力から距離をおいて配置された場合、二芯同軸ケーブルまたは2本の等長同軸ケーブルを用いて、中央電極E1および外側電極E2からのリードをガードすることが可能である。この場合、外側導体を、ガード・シールドとして、ガード電極E3に接続し、センサ電極E1およびE2のそれぞれに接続される内側導体とほぼ同じ電圧電位に保つ。その結果、浮遊容量が発生せず、他の任意の、リードによって発生する悪影響がほぼ打ち消される。
図8bは、タッチレス・スイッチの集合の第1の例示的回路実装800bを示している。これには、周期的に変動する電圧源G1と、演算増幅器A0と、静電容量測定回路802a1〜802anと、起動遅延セクション203と、スイッチング決定セクション205と、スイッチング出力セクション207とが含まれる。静電容量測定回路802a1〜802anのそれぞれと演算増幅器A0との組合せは、静電容量測定回路802a(図8aを参照)と同様であり、タッチレス・スイッチの集合の各タッチレス・スイッチに対応することに注意されたい。具体的には、演算増幅器A0の非反転入力と結合された電極E2が、タッチレス・スイッチの集合の共通外側電極に対応し、演算増幅器A0の出力と結合された電極E3が、タッチレス・スイッチの集合の共通ガード電極に対応する。電極E11〜E1nのそれぞれが、各タッチレス・スイッチの中央電極に対応する。図8bの演算増幅器A0は、図2bの演算増幅器A0と同様であり、図8bの演算増幅器A11〜A1nは、それぞれ、図2bの演算増幅器A11〜A1nと同様であり、図8bの差動増幅器A21〜A2nは、それぞれ、図2bの差動増幅器A21〜A2nと同様であり、図8bの抵抗R2は図2bの抵抗R2と同様であり、図8bの抵抗R11〜R1nは、それぞれ、図2bの抵抗R11〜R1nと同様であり、図8bの抵抗R31〜R3nは、それぞれ、図2bの抵抗R31〜R3nと同様であり、図8bの周期的に変動する電圧源G1は、図2bの周期的に変動する電圧源G1と同様であることに注意されたい。差動増幅器A21〜A2nは、それぞれ、出力信号Vd1〜Vdnをスイッチング決定セクション205に与え、スイッチング決定セクション205は、信号Vd1〜Vdnのそれぞれに基づいて各スイッチを作動させるタイミングを決定する。スイッチング決定セクション205は、その各決定を表す論理信号206をスイッチング出力セクション207に与え、スイッチング出力セクション207が、各スイッチに必要なスイッチング動作を実施する。スイッチング出力セクション207は、スイッチごとに、任意の好適な数の論理出力(通常はハイまたはロー)、固体スイッチ出力、および/またはドライ接点出力(通常は開または閉)を任意の好適なスイッチング・モードで用いて実装可能であり、これらのスイッチング・モードには、パルス・モード、瞬時モード、トグル・モードなどが含まれ、これらに限定されないことに注意されたい。また、スイッチング出力セクション207は、各スイッチの状態を示す音声および/または映像出力を発生させるように構成されることも可能である。図8bの起動遅延セクション203は、図8aに関して前述した、対応するセクション203と同様であり、回路実装800b(図8bを参照)の各スイッチは、基本的に、回路実装800a(図8aを参照)のスイッチと同様に動作する。
図9aは、本発明による、タッチレス・スイッチの第2の例示的回路実装900aを示している。図9aに示すように、回路実装900aは、中央電極E1と、外側電極E2と、ガード電極E3と、起動遅延セクション203と、スイッチング決定セクション205と、スイッチング出力セクション207と、静電容量測定回路902aとを含み、静電容量測定回路902aは、周期的に変動する電流源G1およびG2と、演算増幅器A0およびA1と、抵抗R1と、差動増幅器として構成された演算増幅器A2とを含む。中央電極E1は、ノード201において、演算増幅器A1の反転入力に接続され、外側電極E2は、ノード202において、演算増幅器A0の非反転入力に接続され、演算増幅器A0は、外側電極E2の電圧電位を演算増幅器A1の非反転入力に与える電圧フォロワとして構成される。ノード201は、周期的に変動する電流源G1の出力電流I1によって駆動され、ノード202は、周期的に変動する電流源G2の出力電流I2によって駆動される。電極E1およびE2は、それぞれ、図3aのコンデンサC1およびC2に対応する。ガード電極E3は演算増幅器A0の出力に接続され、したがって、ガード電極E3の電圧電位は、センサ電極E1およびE2の電圧電位とほぼ同じである。タッチレス・スイッチの前に配置された導体とセンサ電極E1およびE2との間でのみ静電容量が形成可能であるように、ガード電極E3を、センサ電極E1およびE2の背面および側面を囲むように構成することが可能である。図9aの演算増幅器A1およびA2は、それぞれ、図3aの演算増幅器A1およびA2と同様であり、図9aの抵抗R1は図3aの抵抗R1と同様であり、図9aの周期的に変動する電流源G1およびG2は、それぞれ、図3aの周期的に変動する電流源G1およびG2と同様であることに注意されたい。したがって、差動増幅器A2の出力Vdの周期のある定刻(たとえば、出力のピーク時)における出力、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電流源G2の出力I2が正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、中央電極E1に関連付けられた静電容量と外側電極E2に関連付けられた静電容量との比との間には線形関係がある。差動増幅器A2は、出力信号Vdをスイッチング決定セクション205に与え、スイッチング決定セクション205は、信号Vdに基づいてタッチレス・スイッチを作動させるかどうかを決定する。たとえば、スイッチング決定セクション205は、信号Vdの位相、振幅、平均、および/または他の任意の好適な特性に基づいて決定を行うことが可能である。代替として、スイッチング決定セクション205は、スイッチを作動させることを決定するためには、信号Vdの必須の位相および/または振幅を指定の数だけ連続して検出すること、または特定の条件が満たされることを必要とすることが可能である。信号I2が正弦波の場合は、スイッチング決定セクション205に同期復調器を含めることが可能であり、それによって、中央電極E1に関連付けられた静電容量と外側電極E2に関連付けられた静電容量との比の変化を、ノイズ・レベルが高い場合でも高い精度で取得することが可能になる。スイッチング決定セクション205は、スイッチを作動させるかどうかを決定するために、信号Vd以外に1つまたは複数の信号を必要とすることが可能であることに注意されたい。たとえば、スイッチング決定セクション205は、信号Vdの位相を判定するための基準信号を必要とすることが可能である。スイッチング決定セクション205は、その決定を表す論理信号206をスイッチング出力セクション207に与え、スイッチング出力セクション207が、必要なスイッチング動作を実施する。スイッチング出力セクション207は、任意の好適な数の論理出力(通常はハイまたはロー)、固体スイッチ出力、および/またはドライ接点出力(通常は開または閉)を任意のスイッチング・モードで用いて実装可能であり、これらのスイッチング・モードには、パルス・モード、瞬時モード、トグル・モードなどが含まれ、これらに限定されないことに注意されたい。また、スイッチング出力セクション207は、スイッチの状態を示す音声および/または映像出力を発生させるように構成されることも可能である。静電容量測定回路902aは安定化のために、周期的に変動する電流源G2の出力I2を複数周期にわたって取得するので、起動遅延セクション203が、起動時間中に起動信号204をスイッチング決定セクション205に与えて、スイッチング決定セクション205がスイッチを誤って作動させるのを防ぐ。センサ電極E1およびE2が、演算増幅器A0およびA1の入力から距離をおいて配置された場合、二芯同軸ケーブルまたは2本の等長同軸ケーブルを用いて、センサ電極E1およびE2からのリードをガードすることが可能である。この場合、外側導体を、ガード・シールドとして用いて、ガード電極E3に接続し、センサ電極E1およびE2のそれぞれに接続される内側導体とほぼ同じ電圧電位に保つ。その結果、浮遊容量が発生せず、他の任意の、リードによって発生する悪影響がほぼ打ち消される。
図9bは、タッチレス・スイッチの集合の第2の例示的回路実装900bを示している。これには、周期的に変動する電流源G11〜G1nと、周期的に変動する電流源G2と、演算増幅器A0と、静電容量測定回路902a1〜902anと、起動遅延セクション203と、スイッチング決定セクション205と、スイッチング出力セクション207とが含まれる。静電容量測定回路902a1〜902anのそれぞれと演算増幅器A0との組合せは、静電容量測定回路902a(図9aを参照)と同様であり、タッチレス・スイッチの集合の各タッチレス・スイッチに対応することに注意されたい。具体的には、演算増幅器A0の非反転入力と結合された電極E2が、タッチレス・スイッチの集合の共通外側電極に対応し、演算増幅器A0の出力と結合された電極E3が、タッチレス・スイッチの集合の共通ガード電極に対応する。電極E11〜E1nのそれぞれが、各タッチレス・スイッチの中央電極に対応する。さらに、図9bの演算増幅器A0は、図3bの演算増幅器A0と同様であり、図9bの演算増幅器A11〜A1nは、それぞれ、図3bの演算増幅器A11〜A1nと同様であり、図9bの差動増幅器A21〜A2nは、それぞれ、図3bの差動増幅器A21〜A2nと同様であり、図9bの抵抗R11〜R1nは、それぞれ、図3bの抵抗R11〜R1nと同様であり、図9bの周期的に変動する電流源G2は、図3bの周期的に変動する電流源G2と同様であり、図9bの周期的に変動する電流源G11〜G1nは、図3bの周期的に変動する電流源G11〜G1nと同様である。差動増幅器A21〜A2nは、それぞれ、出力信号Vd1〜Vdnをスイッチング決定セクション205に与え、スイッチング決定セクション205は、信号Vd1〜Vdnのそれぞれに基づいて各スイッチを作動させるタイミングを決定する。スイッチング決定セクション205は、その各決定を表す論理信号206をスイッチング出力セクション207に与え、スイッチング出力セクション207が、各スイッチに必要なスイッチング動作を実施する。スイッチング出力セクション207は、スイッチごとに、任意の好適な数の論理出力(通常はハイまたはロー)、固体スイッチ出力、および/またはドライ接点出力(通常は開または閉)を任意の好適なスイッチング・モードで用いて実装可能であり、これらのスイッチング・モードには、パルス・モード、瞬時モード、トグル・モードなどが含まれ、これらに限定されないことに注意されたい。また、スイッチング出力セクション207は、各スイッチの状態を示す音声および/または映像出力を発生させるように構成されることも可能である。図9bの起動遅延セクション203は、図9aの起動遅延セクション203と同様であり、回路実装900b(図9bを参照)の各スイッチは、基本的に、回路実装900a(図9aを参照)のスイッチと同様に動作する。
図10aは、本発明による、タッチレス・スイッチの第3の例示的回路実装1000aを示している。図10aに示すように、回路実装1000aは、中央電極E1と、外側電極E2と、ガード電極E3と、起動遅延セクション203と、スイッチング決定セクション205と、スイッチング出力セクション207と、静電容量測定回路1002aとを含み、静電容量測定回路1002aは、周期的に変動する電圧源G1と、演算増幅器A0およびA1と、抵抗R1およびR2と、差動増幅器として構成された演算増幅器A2とを含む。演算増幅器A0およびA1の非反転入力はともに、周期的に変動する電圧源G1の出力Vsによって駆動される。中央電極E1は、ノード201において、演算増幅器A1の反転入力に接続され、外側電極E2は、ノード202において、演算増幅器A0の反転入力に接続される。センサ電極E1およびE2は、それぞれ、図4aのコンデンサC1およびC2に対応することに注意されたい。ガード電極E3は、周期的に変動する電圧源G1の出力に接続され、したがって、2つのセンサ電極E1およびE2とほぼ同じ電圧電位である。タッチレス・スイッチの前に配置された導体とセンサ電極E1およびE2との間でのみ静電容量が形成可能であるように、ガード電極E3を、センサ電極E1およびE2の背面および側面を囲むように構成することが可能である。図10aの演算増幅器A0およびA1は、それぞれ、図4aの演算増幅器A0およびA1と同様であり、図10aの抵抗R1は図4aの抵抗R1と同様であり、図10aの抵抗R2は図4aの抵抗R2と同様であり、図10aの周期的に変動する電圧源G1は、図4aの周期的に変動する電圧源G1と同様であることに注意されたい。したがって、差動増幅器A2の出力Vdの周期のある定刻(たとえば、周期のピーク時)における出力、または、その正および/または負の周期の平均絶対値、または、(電圧源G1の出力Vsが正弦波である場合は)同期復調を用いて出力から抽出される信号と、値(r1*c1−r2*c2)との間には線形関係がある。ただし、r1およびr2は、それぞれ、抵抗R1およびR2の抵抗値であり、c1およびc2は、それぞれ、センサ電極E1およびE2に関連付けられた静電容量である。差動増幅器A2は、出力信号Vdをスイッチング決定セクション205に与え、スイッチング決定セクション205は、信号Vdに基づいてスイッチを作動させるかどうかを決定する。たとえば、スイッチング決定セクション205は、信号Vdの位相、振幅、平均、および/または他の任意の好適な特性に基づいて決定を行うことが可能である。代替として、スイッチング決定セクション205は、スイッチを作動させることを決定するためには、信号Vdの必須の位相および/または振幅を指定の数だけ連続して検出すること、または特定の条件が満たされることを必要とすることが可能である。電圧Vsが正弦波の場合は、スイッチング決定セクション205に同期復調器を含めることが可能であり、それによって、値(r1*c1−r2*c2)の変化を、ノイズ・レベルが高い場合でも高い精度で取得することが可能になる。スイッチング決定セクション205は、スイッチを作動させるかどうかを決定するために、信号Vd以外に1つまたは複数の信号を必要とすることが可能であることに注意されたい。たとえば、スイッチング決定セクション205は、出力信号Vdの位相を判定するための基準信号を必要とすることが可能である。スイッチング決定セクション205は、その決定を表す論理信号206をスイッチング出力セクション207に与え、スイッチング出力セクション207が、必要なスイッチング動作を実施する。スイッチング出力セクション207は、任意の好適な数の論理出力(通常はハイまたはロー)、固体スイッチ出力、および/またはドライ接点出力(通常は開または閉)を任意のスイッチング・モードで用いて実装可能であり、これらのスイッチング・モードには、パルス・モード、瞬時モード、トグル・モードなどが含まれ、これらに限定されないことに注意されたい。また、スイッチング出力セクション207は、スイッチの状態を示す音声および/または映像出力を発生させるように構成されることも可能である。静電容量測定回路1002aは安定化のために、周期的に変動する電圧源G1の出力Vsを複数周期にわたって取得するので、起動遅延セクション203が、起動時間中に起動信号204をスイッチング決定セクション205に与えて、スイッチング決定セクション205がスイッチを誤って作動させるのを防ぐ。センサ電極E1およびE2が、演算増幅器A0およびA1の入力から距離をおいて配置された場合、二芯同軸ケーブルまたは2本の等長同軸ケーブルを用いて、センサ電極E1およびE2からのリードをガードすることが可能である。この場合、外側導体を、ガード・シールドとして用いて、ガード電極E3に接続し、センサ電極E1およびE2のそれぞれに接続される内側導体とほぼ同じ電圧電位に保つ。その結果、浮遊容量が発生せず、他の任意の、リードによって発生する悪影響がほぼ打ち消される。
図10bは、タッチレス・スイッチの集合の第3の例示的回路実装1000bを示している。これには、周期的に変動する電圧源G1と、演算増幅器A0と、静電容量測定回路1002a1〜1002anと、起動遅延セクション203と、スイッチング決定セクション205と、スイッチング出力セクション207とが含まれる。静電容量測定回路1002a1〜1002anのそれぞれと演算増幅器A0との組合せは、静電容量測定回路1002a(図10aを参照)と同様であり、タッチレス・スイッチの集合の各タッチレス・スイッチに対応することに注意されたい。具体的には、演算増幅器A0の反転入力と結合された電極E2が、タッチレス・スイッチの集合の共通外側電極に対応し、電圧源G1の出力Vsと結合された電極E3が、タッチレス・スイッチの集合の共通ガード電極に対応する。電極E11〜E1nのそれぞれが、各タッチレス・スイッチの中央電極に対応する。さらに、図10bの演算増幅器A0は、図4bの演算増幅器A0と同様であり、図10bの演算増幅器A11〜A1nは、それぞれ、図4bの演算増幅器A11〜A1nと同様であり、図10bの差動増幅器A21〜A2nは、それぞれ、図4bの差動増幅器A21〜A2nと同様であり、図10bの抵抗R2は図4bの抵抗R2と同様であり、図10bの抵抗R11〜R1nは、それぞれ、図4bの抵抗R11〜R1nと同様であり、図10bの周期的に変動する電圧源G1は、図4bの周期的に変動する電圧源G1と同様である。差動増幅器A21〜A2nは、それぞれ、出力信号Vd1〜Vdnをスイッチング決定セクション205に与え、スイッチング決定セクション205は、信号Vd1〜Vdnのそれぞれに基づいて各スイッチを作動させるタイミングを決定する。スイッチング決定セクション205は、その各決定を表す論理信号206をスイッチング出力セクション207に与え、スイッチング出力セクション207が、各スイッチに必要なスイッチング動作を実施する。スイッチング出力セクション207は、スイッチごとに、任意の好適な数の論理出力(通常はハイまたはロー)、固体スイッチ出力、および/またはドライ接点出力(通常は開または閉)を任意の好適なスイッチング・モードで用いて実装可能であり、これらのスイッチング・モードには、パルス・モード、瞬時モード、トグル・モードなどが含まれ、これらに限定されないことに注意されたい。また、スイッチング出力セクション207は、各スイッチの状態を示す音声および/または映像出力を発生させるように構成されることも可能である。図10bの起動遅延セクション203は、図10aの起動遅延セクション203と同様であり、回路実装1000b(図10bを参照)の各スイッチは、回路実装1000a(図10aを参照)のスイッチと同様に動作する。
ここまで例示的実施形態を説明してきたが、他の代替実施形態や変形形態も可能である。たとえば、本明細書で開示される、タッチレス・スイッチの回路実装のそれぞれを、より大きな人間の外肢または他の導体、たとえば、人間の手のひら、の近接を検出するように大型化することが可能である。また、上記の例示的実施形態を導体、たとえば、人間の外肢、の位置または動きを検出するように適合させることも可能であり、それは、前述の静電容量測定手法のいずれかを用いて、導体と、センサ電極の各アレイとの間の静電容量を測定し、その結果を、適切な電子回路または適切にプログラムされたコンピュータを用いて解析することによって可能である。
タッチレススイッチの外側電極は、特定の用途に応じて、中央電極または中央電極の集合に対して、その前、背面、または他の任意の好適な場所に位置することが可能であることに注意されたい。また、前述のように、電極は任意の好適な形状、形態、またはサイズとすることができ、固形体である必要はない。例えば、屋外環境で使用される近接センサの用途では、近接センサは、その外表面に配置された、絶縁された導電性メッシュの形をした外側電極と、近接センサの表面の内側において、外側電極の背面に配置された中央電極とを有することができる。そのような用途では、人間の外肢または他の導体が、中央電極の前で近接センサの近くまたは直前にあると、中央電極に関連付けられた静電容量が外側電極に関連付けられた静電容量よりも大きくなる。中央電極に関連付けられた静電容量と外側電極に関連付けられた静電容量との相対変化があらかじめ設定されたしきい値を越える条件は、前述の静電容量測定回路の実施形態の1つを使用して検出することができる。水または湿気が近接センサの外表面に付着するとき、それは外側電極の絶縁された導電性メッシュに付着する。その結果、水または湿気は、外側電極の絶縁の厚さだけ離れている外側電極により近いという事実により、同じ表面積の中央電極に関連付けられた静電容量よりも外側電極に関連付けられた静電容量に大きな影響をもたらす。外側電極は、メッシュの形をしているので、水または湿気に接触している外側電極の表面積は、水または湿気のために、通常、中央電極に向いている面積よりかなり小さい。近接センサの2つの電極の表面積の相対サイズおよび両電極間の間隔を適切に設定することにより、近接センサのの表面上の水または湿気の存在に基づく、2つの電極に関連付けられた静電容量の相対変化があらかじめ設定されたしきい値を決して越えないようにすることができ、荒れ模様の天候状態の屋外での近接センサの動作を可能にする。近接センサの表面の溝または凹部の領域に、絶縁された外側電極の導電性メッシュを配することにより、絶縁された導電性メッシュが、近接センサの近傍の人間の外肢または他の導体には接触しないが、近接センサの表面に付着した水または湿気に接触するようにできる。このようにして、近接センサの表面の単なる水はまたは湿気の存在により、静電容量の相対的な変化があらかじめ設定されたしきい値を越えないが、近接センサの表面に接触している人間の外肢または導体に基づく、2つの電極に関連付けられた静電容量の相対的な変化があらかじめ設定されたしきい値を越えるようにすることができる。
らに、本発明は、ハードウェア部品を用いて実施可能であるが、本発明の実施に必要な1つ又はそれ以上の機能は、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、プログラマブル論理アレイ、または他の任意の好適なハードウェアおよび/またはソフトウェアを用いることにより、ハードウェアまたはソフトウェアまたはこれらの何らかの組合せを用いて、全体的または部分的に代替実施することが可能であることを理解されたい。
当業者であれば、本明細書において開示された発明概念から逸脱することなく、先述の線形静電容量測定およびタッチレス・スイッチのさらなる修正および変形が可能であることを理解されたい。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲および趣旨によって限定される以外は、限定されると見なされてはならない。
人体と、アース・グラウンドと、静電容量センス回路に結合されたセンサ電極との間に形成される様々な等価静電容量を示す図である。 本発明による第1の静電容量測定回路の概略図を示す図である。 図2aの第1の静電容量測定回路を用いて、あるコンデンサの静電容量と他の1つまたは複数の様々なコンデンサの静電容量とのそれぞれの比の変化に対する線形応答を発生させる回路の概略図である。 本発明による第2の静電容量測定回路の概略図を示す図である。 図3aの第2の静電容量測定回路を用いて、あるコンデンサの静電容量と他の1つまたは複数の様々なコンデンサの静電容量とのそれぞれの比の変化に対する線形応答を発生させる回路の概略図である。 本発明による第3の静電容量測定回路の概略図を示す図である。 図4aの第3の静電容量測定回路を用いて、あるコンデンサの静電容量に第1の定数係数を乗じたものと、他の1つまたは複数の様々なコンデンサの静電容量のそれぞれに、それぞれの第2の定数係数を乗じたものとの間の、それぞれの差の変化に対する線形応答を発生させる回路の概略図である。 本発明によるタッチレス・スイッチの前面の例示的形状の斜視図である。 本発明によるタッチレス・スイッチの前面の例示的形状の斜視図である。 本発明によるタッチレス・スイッチの前面の例示的形状の斜視図である。 本発明によるタッチレス・スイッチの前面の例示的形状の斜視図である。 図5aのタッチレス・スイッチの、2つのセンサ電極および前面の例示的配置およびそれらの相対位置を示す断面図である。 図5bのタッチレス・スイッチの、2つのセンサ電極および前面の例示的配置およびそれらの相対位置を示す断面図である。 図5cのタッチレス・スイッチの、2つのセンサ電極および前面の例示的配置およびそれらの相対位置を示す断面図である。 図5dのタッチレス・スイッチの、2つのセンサ電極および前面の例示的配置およびそれらの相対位置を示す断面図である。 本発明によるタッチレス・スイッチの2つのセンサ電極、前面、およびガード電極の例示的配置およびそれらの相対位置を示す断面図である。 図2aの第1の静電容量測定回路を用いるタッチレス・スイッチを示す図である。 図2aの第1の静電容量測定回路を用いるタッチレス・スイッチの集合を示す図である。 図3aの第2の静電容量測定回路を用いるタッチレス・スイッチを示す図である。 図3aの第2の静電容量測定回路を用いるタッチレス・スイッチの集合を示す図である。 図4aの第3の静電容量測定回路を用いるタッチレス・スイッチを示す図である。 図4aの第3の静電容量測定回路を用いるタッチレス・スイッチの集合を示す図である。

Claims (54)

  1. 少なくとも1つの第1のコンデンサ(C1)の静電容量と少なくとも1つの第2のコンデンサ(C2)の静電容量との相対的変化を検出する装置であって、前記少なくとも1つの第1のコンデンサおよび前記少なくとも1つの第2のコンデンサはそれぞれ第1端部および第2端部を有しており、前記装置は、
    少なくとも1つの周期的な出力信号を、これに対応する少なくとも1つの電源出力において与えるように動作する少なくとも1つの電源、ならびに
    少なくとも1つの演算増幅器(A0、A1)および少なくとも1つの差動増幅器(A2)を含み、前記少なくとも1つの第1のコンデンサの第1端部と前記少なくとも1つの第2のコンデンサの第1端部に連結される電気回路を備え、
    前記少なくとも1つの第1のコンデンサの第2端部と前記少なくとも1つの第2のコンデンサの第2端部が同時に共有グラウンドに電気的に接続され、
    前記少なくとも1つの電源出力は、前記少なくとも1つの第1のコンデンサと前記少なくとも1つの第2のコンデンサを充電するように動作し
    前記少なくとも1つの演算増幅器は、前記少なくとも1つの第1のコンデンサと前記少なくとも1つの第2のコンデンサが前記少なくとも1つの電源出力により充電されている間、負帰還を用いて前記少なくとも1つの第1のコンデンサの第1端部と前記少なくとも1つの第2のコンデンサの第1端部とを前記共有グラウンドに対してほぼ等しい電圧電位に保つように構成され、
    前記少なくとも1つの差動増幅器は、少なくとも1つの電気信号(Vd)を与えるように動作し、
    前記少なくとも1つの電気信号と指定された算術関数との間にほぼ線形関係が存在し、前記指定された算術関数は、前記少なくとも1つの第1のコンデンサの静電容量と前記少なくとも1つの第2のコンデンサの静電容量との割合、および前記少なくとも1つの第1のコンデンサの静電容量に第1の定数係数を乗じたものと前記少なくとも1つの第2コンデンサの静電容量に第2の定数係数を乗じたものとの差、のいずれかを含む、装置。
  2. 前記少なくとも1つの電源は、第1のノード(101)において前記第1のコンデンサに接続された第1の抵抗(R1)を駆動し、第2のノード(102)において前記第2のコンデンサに接続された第2の抵抗(R2)を駆動するように動作する、周期的に変動する電圧源(G1)を備え
    前記少なくとも1つの演算増幅器が第1の演算増幅器(A1)を含み、
    前記第1のノードにおける電圧電位が前記第1の演算増幅器の反転入力に与えられ、前記第2のノードにおける電圧電位が前記第1の演算増幅器の非反転入力に与えられ、
    前記第1の演算増幅器の出力と前記第1のノードとの間に第3の抵抗(R3)が接続され、それによって、前記第3の抵抗を流れる帰還電流(I3)が、前記第1のノードにおける電圧電位と、前記第2のノードにおける電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    前記第1および第2のノードのいずれか一方における電圧電位が前記差動増幅器の第1の差動入力に与えられ、前記第1の演算増幅器の出力が、前記差動増幅器の第2の差動入力に与えられ、
    定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号が、時間の周期関数である、前記第2の抵抗を流れる電流(I2)を値(c1/c2−r2/r1)で変調したものを表す信号にほぼ比例し、c1が前記第1のコンデンサの静電容量であり、c2が前記第2のコンデンサの静電容量であり、r1が前記第1の抵抗の抵抗値であり、r2が前記第2の抵抗の抵抗値である、請求項1に記載の装置。
  3. 定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号の周期のある定刻における前記電気信号と、前記値(c1/c2−r2/r1)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項2に記載の装置。
  4. 定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号の正および/または負の周期の平均絶対値と、前記値(c1/c2−r2/r1)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項2に記載の装置。
  5. 同期復調器をさらに含み、前記周期的に変動する電圧源が正弦波電圧源であり、前記同期復調器が、同期復調によって、前記差動増幅器により与えられる電気信号から、前記値(c1/c2−r2/r1)にほぼ比例する信号を抽出するように動作する、請求項2に記載の装置。
  6. 前記少なくとも1つの電源は、前記第1のコンデンサに第1の出力電流(I1)を与えるように動作する、第1の周期的に変動する電流源(G1)、および前記第2のコンデンサに第2の出力電流(I2)を与えるように動作する、第2の周期的に変動する電流源(G2)を備え、前記第1のコンデンサは第1のノード(101)において、前記第1の周期的に変動する電流源に接続され、前記第2のコンデンサは第2のノード(102)において、前記第2の周期的に変動する電流源に接続され、
    前記第1の出力電流の大きさが、前記第2の出力電流の大きさの定数K倍に等しく、
    前記少なくとも1つの演算増幅器が第1の演算増幅器(A1)を含み、
    前記第1のノードにおける電圧電位が前記第1の演算増幅器の反転入力に与えられ、前記第2のノードにおける電圧電位が前記第1の演算増幅器の非反転入力に与えられ、
    前記第1の演算増幅器の出力と前記第1のノードとの間に第1の抵抗(R1)が接続され、それによって、前記第1の抵抗を流れる帰還電流(I3)が、前記第1のノードにおける電圧電位と、前記第2のノードにおける電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    前記第1および第2のノードのいずれか一方における電圧電位が前記差動増幅器の第1の差動入力に与えられ、前記第1の演算増幅器の出力が、前記差動増幅器の第2の差動入力に与えられ、
    定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号が、時間の周期関数である、前記第2のコンデンサに流れ込む電流(I2)を値(c1/c2−K)で変調したものを表す信号にほぼ比例し、c1が前記第1のコンデンサの静電容量であり、c2が前記第2のコンデンサの静電容量である、請求項1に記載の装置。
  7. 定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号の周期のある定刻における前記電気信号と、前記値(c1/c2−K)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項6に記載の装置。
  8. 定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号の正および/または負の周期の平均絶対値と、前記値(c1/c2−K)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項6に記載の装置。
  9. 同期復調器をさらに含み、前記第1および第2の周期的に変動する電流源がそれぞれ正弦波電流源であり、前記同期復調器が、同期復調によって、前記差動増幅器により与えられる電気信号から、前記値(c1/c2−K)に比例する信号を抽出するように動作する、請求項6に記載の装置。
  10. 前記少なくとも1つの演算増幅器が第1および第2の演算増幅器(A1、A0)を含み、
    前記少なくとも1つの電源は、前記第1の演算増幅器の非反転入力と、前記第2の演算増幅器の非反転入力とに出力電圧(Vs)を与えるように動作する、周期的に変動する電圧源(G1)を備え、
    第1のノード(101)において、前記第1の演算増幅器の出力と前記第1のコンデンサとの間に第1の抵抗(R1)が接続され、
    前記第1の演算増幅器の反転入力に、前記第1のノードにおける電圧電位が与えられ、それによって、前記第1の抵抗を流れる帰還電流(I1)が、前記第1のノードにおける電圧電位と、前記周期的に変動する電圧源の出力電圧の電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    第2のノード(102)において、前記第2の演算増幅器の出力と前記第2のコンデンサとの間に第2の抵抗(R2)が接続され、
    前記第2の演算増幅器の反転入力に、前記第2のノードにおける電圧電位が与えられ、それによって、前記第2の抵抗を流れる帰還電流(I2)が、前記第2のノードにおける電圧電位と、前記周期的に変動する電圧源の出力電圧の電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    前記第1の演算増幅器の出力が、前記差動増幅器の第1の差動入力に与えられ、前記第2の演算増幅器の出力が、前記差動増幅器の第2の差動入力に与えられ、
    定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号が、時間の周期関数である、前記周期的に変動する電圧源の出力電圧の時間導関数を値(r1*c1−r2*C2)で変調したものを表す信号にほぼ比例し、c1が前記第1のコンデンサの静電容量であり、c2が前記第2のコンデンサの静電容量であり、r1が前記第1の抵抗の抵抗値であり、r2が前記第2の抵抗の抵抗値である、請求項1に記載の装置。
  11. 定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号の周期のある定刻における前記電気信号と、前記値(r1*c1−r2*c2)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項10に記載の装置。
  12. 定常状態では、前記差動増幅器により与えられる電気信号の正および/または負の周期の平均絶対値と、前記値(r1*c1−r2*c2)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項10に記載の装置。
  13. 同期復調器をさらに含み、前記周期的に変動する電圧源が正弦波電圧源であり、前記同期復調器が、同期復調によって、前記差動増幅器により与えられる電気信号から、前記値(r1*c1−r2*c2)にほぼ比例する信号を抽出するように動作する、請求項10に記載の装置。
  14. 前記少なくとも1つの第1のコンデンサのそれぞれが容量性トランスデューサである、請求項1に記載の装置。
  15. 前記少なくとも1つの第2のコンデンサのそれぞれが容量性トランスデューサである、請求項1に記載の装置。
  16. 前記少なくとも1つの第1のコンデンサのそれぞれが容量性センサである、請求項1に記載の装置。
  17. 前記少なくとも1つの第2のコンデンサのそれぞれが容量性センサである、請求項1に記載の装置。
  18. 前記演算増幅器は、反転入力および非反転入力を有し、前記少なくとも1つの第2のコンデンサのそれぞれが、前記演算増幅器の反転入力および非反転入力の1つに関連付けられた内部静電容量に対応する、請求項1に記載の装置。
  19. 第1および第2のセンサ電極(E1、E2)をさらに含み、前記第1のコンデンサが、前記第1のセンサ電極に近接した人間の外肢によって形成され、前記第2のコンデンサが、前記第2のセンサ電極に近接した前記人間の外肢によって形成され
    前記差動増幅器により与えられる電気信号に基づいて第1の制御信号(206)を発生させるように動作するスイッチング決定セクション(205)と、
    前記第1の制御信号に応答して状態条件を示すように動作するスイッチング出力セクション(207)とをさらに備える、請求項1に記載の装置。
  20. 安定状態条件になるまで、前記スイッチング決定セクションによる前記第1の制御信号の発生を遅らせるように動作する起動遅延セクション(203)をさらに備える、請求項19に記載の装置。
  21. ガード電極(E3)をさらに備え、前記ガード電極が前記第1および第2のセンサ電極から電気的に隔離され、前記ガード電極が、前記第1および第2のセンサ電極とほぼ同じ電圧電位に保たれ、前記ガード電極が、前記第1および第2のセンサ電極の背面および側面を囲むように構成されている、請求項19に記載の装置。
  22. 前記第1のセンサ電極が中央電極であり、前記第2のセンサ電極が外側電極であり、前記中央電極が、前記外側電極と間隔をおいて配置され、前記外側電極に少なくとも部分的に囲まれている、請求項19に記載の装置。
  23. 底面および縁を有するコンテナの形で面をさらに含み、前記面は2つの側面を有し、前記第1および第2のセンサ電極がそれぞれ前記面の2つの側面の1つに配置され、前記第1のセンサ電極が前記コンテナの前記底面の近くに配置され、前記第2のセンサ電極が前記コンテナの前記縁の近くに配置されている、請求項19に記載の装置。
  24. 前記少なくとも1つの第2のコンデンサが、複数の第2のコンデンサのうちの選択された1つである、請求項1に記載の装置。
  25. 前記少なくとも1つの第1のコンデンサが、第1のコンデンサ(C11〜C1n)の集合のうちの1つを備え
    前記少なくとも1つの演算増幅器が、複数の第1の演算増幅器(A11〜A1n)を備え、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれが、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれに関連付けられ、
    前記少なくとも1つの差動増幅器が、複数の差動増幅器(A21〜A2n)を備え、前記複数の差動増幅器のそれぞれが、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれに関連付けられ、
    第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれに関連付けられた、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれが、負帰還を用いて、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれと、前記第2のコンデンサとをほぼ等しい電圧電位に保ち、
    前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれが、前記複数の差動増幅器のそれぞれの入力に直接または間接に出力を与えるように動作し、
    前記複数の差動増幅器のそれぞれが、複数の電気信号(Vd1〜Vdn)のそれぞれを与えるように動作し、各電気信号と、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれの静電容量および前記第2のコンデンサの静電容量の、指定された算術関数との間にほぼ線形関係が存在する、請求項1に記載の装置。
  26. 第1のコンデンサの前記集合が、第1のコンデンサの複数の集合の中の選択された1つである、請求項25に記載の装置。
  27. 前記少なくとも1つの電源は、複数の第1の抵抗(R11〜R1n)を駆動するように動作する、周期的に変動する電圧源(G1)を備え、各第1の抵抗が、複数の第1のノードのそれぞれにおいて、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれに接続され、第2のノードにおいて前記第2のコンデンサに接続された第2の抵抗(R2)を駆動し、
    前記複数の第1のノードのそれぞれにおける電圧電位が、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの反転入力に与えられ、前記第2のノードにおける電圧電位が、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの非反転入力に与えられ、
    複数の第3の抵抗(R31〜R3n)のそれぞれが、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの出力と、前記複数の第1のノードのそれぞれとの間に接続され、それによって、前記複数の第3の抵抗のそれぞれを流れる帰還電流が、前記複数の第1のノードのそれぞれにおける電圧電位と、前記第2のノードにおける電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    前記第2のノードにおける電圧電位が、前記複数の差動増幅器のそれぞれの第1の差動入力に与えられ、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの出力が、前記複数の差動増幅器のそれぞれの第2の差動入力に与えられ、
    定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号が、時間の周期関数である、前記第2の抵抗を流れる電流をそれぞれの値(c1/c2−r2/r1)で変調したものを表す信号にほぼ比例し、c1が、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれの静電容量であり、c2が前記第2のコンデンサの静電容量であり、r1が、前記複数の第1の抵抗のそれぞれの抵抗値であり、r2が前記第2の抵抗の抵抗値である、請求項25に記載の装置。
  28. 定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号の周期のある定刻における前記電気信号と、前記各値(c1/c2−r2/r1)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項27に記載の装置。
  29. 定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号の正および/または負の周期の平均絶対値と、前記各値(c1/c2−r2/r1)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項27に記載の装置。
  30. 前記周期的に変動する電圧源が正弦波電圧源であり、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号から、各値(c1/c2−r2/r1)にほぼ比例する信号のそれぞれを同期復調によって抽出するように動作する同期復調器をさらに含む、請求項27に記載の装置。
  31. 前記少なくとも1つの電源は、複数の第1の周期的に変動する電流源(G11〜G1n)を備え、前記第1の周期的に変動する電流源のそれぞれが、第1の出力電流(I11〜I1n)を、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれに与えるように動作し、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれが、複数の第1のノードのそれぞれにおいて、前記第1の周期的に変動する電流源のそれぞれに接続され、
    第2の出力電流(I2)を前記第2のコンデンサに与えるように動作する第2の周期的に変動する電流源(G2)をさらに備え、前記第2のコンデンサが、第2のノードにおいて、前記第2の周期的に変動する電流源に接続され、
    前記第1の出力電流のそれぞれの大きさが、前記第2の出力電流の大きさの、それぞれの定数K倍に等しく、
    前記複数の第1のノードのそれぞれにおける電圧電位が、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの反転入力に与えられ、前記第2のノードにおける電圧電位が、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの非反転入力に与えられ、
    複数の第1の抵抗(R11〜R1n)のそれぞれが、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの出力と、前記複数の第1のノードのそれぞれとの間に接続され、それによって、前記複数の第1の抵抗のそれぞれを流れる帰還電流が、前記複数の第1のノードのそれぞれにおける電圧電位と、前記第2のノードにおける電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    前記第2のノードにおける電圧電位が、前記複数の差動増幅器のそれぞれの第1の差動入力に与えられ、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの出力が、前記複数の差動増幅器のそれぞれの第2の差動入力に与えられ、
    定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号が、時間の周期関数である、前記第2のコンデンサに流れ込む電流をそれぞれの値(c1/c2−K)で変調したものを表す信号にほぼ比例し、c1が第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれの静電容量であり、c2が前記第2のコンデンサの静電容量である、請求項25に記載の装置。
  32. 定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号の周期のある定刻における前記電気信号と、各値(c1/c2−K)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項31に記載の装置。
  33. 定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号の正および/または負の周期の平均絶対値と、各値(c1/c2−K)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項31に記載の装置。
  34. 同期復調器をさらに含み、前記複数の第1の周期的に変動する電流源および前記第2の周期的に変動する電流源がそれぞれ正弦波電流源であり、前記同期復調器が、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号から、それぞれの値(c1/c2−K)にほぼ比例する信号のそれぞれを同期復調によって抽出するように動作する、請求項31に記載の装置。
  35. 前記少なくとも1つの演算増幅器は、第2の演算増幅器(A0)をさらに備え、
    前記少なくとも1つの電源は、前記複数の第1の演算増幅器の各非反転入力と、前記第2の演算増幅器の非反転入力とに出力電圧(Vs)を与えるように動作する、周期的に変動する電圧源(G1)を備え
    数の第1のノードのそれぞれにおいて、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの出力と、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれとの間に、複数の第1の抵抗(R11〜R1n)のそれぞれが接続され、
    前記複数の第1のノードのそれぞれにおける電圧電位が、前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの反転入力に与えられ、それによって、前記複数の第1の抵抗のそれぞれを流れる帰還電流が、前記複数の第1のノードのそれぞれにおける電圧電位と、前記周期的に変動する電圧源の出力電圧の電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    第2のノードにおいて、前記第2の演算増幅器の出力と前記第2のコンデンサとの間に第2の抵抗が接続され、
    前記第2の演算増幅器の反転入力に、前記第2のノードにおける電圧電位が与えられ、それによって、前記第2の抵抗を流れる帰還電流が、前記第2のノードにおける電圧電位と、前記周期的に変動する電圧源の出力電圧の電圧電位とをほぼ等しく保ち、
    前記複数の第1の演算増幅器のそれぞれの出力が、前記複数の差動増幅器のそれぞれの第1の差動入力に与えられ、前記第2の演算増幅器の出力が、前記複数の差動増幅器のそれぞれの第2の差動入力に与えられ、
    定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号が、時間の周期関数である、前記周期的に変動する電圧源の出力電圧の時間導関数をそれぞれの値(r1*c1−r2*C2)で変調したものを表す信号にほぼ比例し、c1が第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれの静電容量であり、c2が前記第2のコンデンサの静電容量であり、r1が前記複数の第1の抵抗のそれぞれの抵抗値であり、r2が前記第2の抵抗の抵抗値である、請求項25に記載の装置。
  36. 定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号の周期のある定刻における前記電気信号と、各値(r1*c1−r2*c2)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項35に記載の装置。
  37. 定常状態では、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号の正および/または負の周期の平均絶対値と、各値(r1*c1−r2*c2)との間にほぼ線形関係が存在する、請求項35に記載の装置。
  38. 同期復調器をさらに含み、前記周期的に変動する電圧源が正弦波電圧源であり、前記同期復調器が、前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号から、各値(r1*c1−r2*c2)にほぼ比例する信号のそれぞれを同期復調によって抽出するように動作する、請求項35に記載の装置。
  39. 第1のセンサ電極(E11〜E1n)の集合と、第2のセンサ電極(E2)とをさらに含み、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれが、第1のセンサ電極の前記集合の中のそれぞれに近接した人間の外肢によって形成され、前記第2のコンデンサが、前記第2のセンサ電極に近接した前記人間の外肢によって形成され
    前記複数の差動増幅器のそれぞれにより与えられる電気信号に基づいて、複数の第1の制御信号(206)のそれぞれを発生させるように動作するスイッチング決定セクション(205)と、
    前記複数の第1の制御信号のそれぞれに応答して状態条件のそれぞれを示すように動作するスイッチング出力セクション(207)とをさらに備える、請求項25に記載の装置。
  40. 安定状態条件になるまで、前記スイッチング決定セクションによる前記複数の第1の制御信号のそれぞれの発生を遅らせるように動作する起動遅延セクション(203)をさらに備える、請求項39に記載の装置。
  41. ガード電極(E3)をさらに備え、前記ガード電極が第1のセンサ電極の前記集合および前記第2のセンサ電極から電気的に隔離され、
    前記ガード電極が、第1のセンサ電極の前記集合および前記第2のセンサ電極とほぼ同じ電圧電位に保たれ、
    前記ガード電極が、第1のセンサ電極の前記集合および前記第2の電極の背面および側面を囲むように構成されている、請求項39に記載の装置。
  42. 第1のセンサ電極の前記集合の中のそれぞれが、中央電極の集合の中のそれぞれであり、前記第2のセンサ電極が共通外側電極であり、
    中央電極の前記集合の中のそれぞれが、前記共通外側電極と間隔をおいて配置され、前記共通外側電極に少なくとも部分的に囲まれている、請求項39に記載の装置。
  43. それぞれが底面および縁を有するコンテナの形である多数のくぼみ領域を含む面をさらに含み、前記面は2つの側面を有し、前記第2のセンサ電極と、第1のセンサ電極の前記集合とが、各々前記面の2つの側面の1つに配置され、
    第1のセンサ電極の前記集合のそれぞれが前記コンテナのそれぞれの前記底面の近くに配置され、前記第2のセンサ電極が前記コンテナの前記縁の近くに配置されている、請求項39に記載の装置。
  44. 第1のセンサ電極の集合をさらに含み、第1のコンデンサの前記集合のそれぞれが、第1のセンサ電極の前記集合のなかのそれぞれに近接した導体によって形成され
    前記複数の差動増幅器により与えられる前記複数の電気信号が、前記第1のセンサ電極に対する前記導体の近接を表す、請求項25に記載の装置。
  45. 第1のセンサ電極の集合をさらに含み、第1のコンデンサの前記集合の中のそれぞれが、第1のセンサ電極の前記集合の中のそれぞれに近接した導体によって形成され、
    第1のセンサ電極の前記集合が配列を形成するように構成され、
    前記複数の差動増幅器により与えられる前記複数の電気信号が、前記第1のセンサ電極に対する前記導体の位置または動きを示す、請求項25に記載の装置。
  46. 第2のセンサ電極をさらに含み、前記第2のコンデンサが、前記第2のセンサ電極に近接した導体によって形成される、請求項25に記載の装置。
  47. 前記演算増幅器が反転入力および非反転入力を有し、前記少なくとも1つの第1のコンデンサのそれぞれが前記演算増幅器の前記反転入力および非反転入力の1つに関連付けられた内部静電容量を備える、請求項1に記載の装置。
  48. センサ電極をさらに含み、前記第1のコンデンサが、前記センサ電極に近接した導体によって形成され、
    前記差動増幅器により与えられる電気信号が、前記センサ電極に対する前記導体の近接を表す、請求項1に記載の装置。
  49. センサ電極をさらに含み、前記第2のコンデンサが、前記センサ電極に近接した導体によって形成され
    前記差動増幅器により与えられる電気信号が、前記センサ電極に対する前記導体の近接を表す、請求項1に記載の装置。
  50. 第1および第2のセンサ電極(E1、E2)をさらに含み、前記第1のコンデンサが、前記第1のセンサ電極に近接した導体によって形成され、前記第2のコンデンサが、前記第2のセンサ電極に近接した導体によって形成され
    前記差動増幅器により与えられる電気信号が、前記第1および第2のセンサ電極に対する前記導体の近接を表す、請求項1に記載の装置。
  51. 導体の近接に応答して少なくとも1つの論理信号を発生する容量性センス装置であって、
    前記導体の近接によって第1の静電容量を生じさせる少なくとも1つの第1のセンサ電極、
    前記導体の近接によって第2の静電容量を生じさせる少なくとも1つの第2のセンサ電極、および、
    前記少なくとも1つの第1のセンサ電極と前記第2のセンサ電極とを共有グラウンドに対してほぼ等しい電圧電位に維持し、かつ前記第2の静電容量に対する前記第1の静電容量の相対的な変化を検知するように構成された装置を備え、
    前記少なくとも1つの論理信号が、前記第1および第2の静電容量の相対的な変化があらかじめ設定された閾値を越える状態条件を表す、装置。
  52. 前記少なくとも1つの第1のセンンサ電極と前記少なくとも1つの第2のセンサ電極がそれぞれ面の2つの側面の1つに配置され、
    前記面が、それぞれが底面および縁を有するコンテナの形である少なくとも1つのくぼみ領域を含み、
    前記少なくとも1つの第1のセンサ電極が、前記少なくとも1つのくぼみ領域に対応するコンテナの底面の近くに配置され、
    前記第2のセンサ電極が、各コンテナの前記縁の近くに配置されている、請求項51に記載の装置。
  53. ガード電極をさらに備え、前記ガード電極が、前記少なくとも1つの第1のセンサ電極および前記第2の電極から電気的に隔離され、
    前記ガード電極が、前記少なくとも1つの第1のセンサ電極および前記第2のセンサ電極とほぼ同じ電圧電位に維持され、かつ
    前記ガード電極が、前記少なくとも1つの第1のセンサ電極および前記第2のセンサ電極を、少なくとも部分的に囲むように構成されている、請求項51記載の装置。
  54. 前記第2のセンサ電極が導電性メッシュであり、前記少なくとも1つの第1のセンサ電極の前に配置されている請求項51の装置。
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