JP4850307B1 - ナット供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】汎用の抵抗溶接機を加工・改造することなく容易に取り付けることが可能であると共に、ナット位置精度の確保を可能とするナット供給装置を提供する。
【解決手段】ナット供給装置1は、上端のナット取込口2aから取り込んだナットNを下端のナット保持部2bに向けて滑落移送するシュート2と、シュート2を昇降する昇降機構と、シュート2を開閉する開閉機構とを備え、シュート2は、シュート2の軸線に沿って分割され互いに近接及び離間する一対の分割片2L、2Rよりなる。昇降機構及び開閉機構は、溶接機の可動部材である上部電極31と、溶接機の非可動部材との相対的な上下動により作動する。上部電極31が最下降してシュート2が最下降位置にあるときにシュート2の両分割片2L、2Rが互いに離間したシュート開状態となり、ナット保持部2bによるナットNの保持が解除されてナットNが下部電極32上に載置される。
【選択図】図3

Description

本発明は、ナット溶接機にナットを供給するナット供給装置に関し、詳しくは、プロジェクション溶接機あるいは定置式スポット溶接機等の抵抗溶接機の上下の電極間にナットを供給するナット供給装置に関するものである。
ナット溶接機の一つであるプロジェクションナット溶接機は、上部電極及び下部電極により抵抗溶接を行うプロジェクション溶接機にナット供給装置を取り付けた溶接機である。このナット溶接機による従来の溶接方法は、下部電極上に鋼板をセットした後、溶接開始のスイッチを入れることで、シリンダなどのナット供給装置により鋼板上のナット溶接位置にナットを供給・セットし、ナット供給装置が上下の電極間から回避した後に、上部電極を下降させてナットの加圧を行って、ナットの溶接を行うものであった。このような従来の溶接方法においては、上部電極を下降するのに要する時間とは別途に、ナット供給装置によりナットを供給するための時間が必要であった。したがって、ナット1個を溶接するための溶接作業時間を短縮するには限界があった。
そこで、ナット1個を溶接するための溶接作業時間を短縮し得るナット溶接機として、例えば、特許文献1〜3に記載のナット溶接機が開示されている。これらの文献に記載のナット溶接機は、いずれも、上部電極が下降を開始してから加圧位置まで下降する間に上下の電極間にナットを供給し、実質のナット供給時間をゼロとしたナット溶接機である。
図13に、引用文献1に記載のナット溶接機を示す。このナット溶接機70は、定置式スポット溶接機にナット供給装置71を取り付けた溶接機である。ナット供給装置71は、左右一対の親ヒンジ72L、72Rに回動可能に設けられた左右一対の子ヒンジ73L、73Rを備え、左右一対の子ヒンジ73L、73Rの間のナット待機位置N1に溶接用のナットNが1個保持される構造となっている。上部電極74の下降により両子ヒンジ73L、73R及び両親ヒンジ72L、72Rが左右に押し広げられてナットNの保持が解除され、保持が解除されたナットNの自由落下よりも早く上部電極74が下降することにより、ナットNが下部電極75上のナット溶接位置N2にセットされてナットの溶接が行われる。
特開平7−144281号公報 特開平7−236982号公報 特開平9−38780号公報
特許文献1〜3に記載のナット溶接機は、いずれも、ナット供給装置によってナット溶接位置の上空に保持されているナットを、上部電極が下降する途中で、上部電極の下端で受け取る構造からなる。したがって、上部電極がナットを受け取った後、上部電極がナット溶接位置まで下降する間に、ナットが上部電極からずれる又は外れるのを防止する必要がある。このため、下部電極の位置決めピン(例えば、図13の下部ガイドピン77)と同様に、上部電極の下端にもナットの位置決めピン(例えば、図13の上部ガイドピン76)が必要であり、上部電極をナット溶接専用の上部電極として加工・改造する必要があった。
また、特許文献1〜3に記載のナット溶接機においては、いずれも、ナット供給装置によってナット溶接位置の上空にナットが保持されている状態で、鋼板等のワークを下部電極上にセットする必要がある。このため、ナット供給装置によりワークの作業空間が制限されて、ワークの作業性が低下する場合があった。
ここで、ワークの作業性を確保するために、ナット溶接位置の上空に保持されているナットと下部電極との離隔を大きくする場合には、上部電極がナットを受け取った後のナットの落下距離が大きくなり、ナットの位置精度の悪化を招く虞があった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、汎用の抵抗溶接機を加工・改造することなく容易に取り付けることが可能であると共に、溶接作業時間の短縮、ワーク作業性の確保、及びナット位置精度の確保を可能とするナット供給装置を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、ナット供給装置の作動確実性が高く、実質のナット供給時間をゼロとするためには、上部電極の上下動を動力源として利用して、最小限の動作で作動するナット供給装置とするのがよいという考えに至った。以下、上記課題を解決するのに適した各手段につき、必要に応じて作用効果等を付記しつつ説明する。
(1)本発明のナット供給装置は、抵抗溶接機の上部電極と下部電極との間の下部電極上に溶接用のナットを供給するナット供給装置であって、前記ナット供給装置は、上端のナット取込口から取り込んだ前記ナットを下端のナット保持部に向けて滑落移送するシュートと、該シュートを昇降する昇降機構と、該シュートを開閉する開閉機構と、を備え、前記シュートは、該シュートの軸線に沿って分割され互いに水平方向に近接又は当接及び離間する一対の分割片よりなり、該シュートの前記ナット保持部は、前記上部電極及び前記下部電極の電極軸線上に配置されており、
前記昇降機構は、前記ナット保持部が前記下部電極から最も離れた最上昇位置と、該ナット保持部が該下部電極と略同一高さまで下降した最下降位置と、の間で前記上部電極の昇降に連動して前記シュートを昇降する機構であり、前記開閉機構は、前記シュートの前記一対の分割片が互いに近接又は当接することにより前記ナット保持部が形成されるシュート閉状態と、該シュートの該一対の分割片が互いに離間することにより該ナット保持部が形成されないシュート開状態と、を切替える機構であり、
前記昇降機構及び前記開閉機構は、前記抵抗溶接機の可動部材である前記上部電極と、該抵抗溶接機の非可動部材との相対的な上下動に連動した機械的な機構のみにより作動し、該上部電極が最上昇して前記シュートが前記最上昇位置にあるときに前記シュート閉状態となることにより前記ナット取込口から取り込んだ前記ナットが前記ナット保持部に向けて滑落移送され、該上部電極が最下降して該シュートが前記最下降位置にあるときに前記シュート開状態となることにより該ナット保持部による該ナットの保持が解除されて該ナットが前記下部電極上に載置されることを特徴とする。
このような構成によると、ナット保持部が下部電極と略同一高さまで下降した最下降位置においてシュート開状態となることによって、ナット保持部に保持されているナットを、上部電極の下端で受け取ることなく、ナットを下部電極上に載置することができる。したがって、汎用の抵抗溶接機の上部電極をナットの受け取りが可能なナット溶接専用の上部電極として加工・改造する必要がない。
また、ナット供給装置の昇降機構及び開閉機構は、抵抗溶接機の可動部材である上部電極と、抵抗溶接機の非可動部材との相対的な上下動により作動することから、上部電極が下降を開始してから下降を終了するまでの間に、下部電極上にナットを載置することができる。したがって、本発明のナット供給装置によれば、実質のナット供給時間はゼロであり、溶接作業時間の短縮に寄与することができる。
また、ナット供給装置の昇降機構及び開閉機構は、抵抗溶接機の可動部材である上部電極と、抵抗溶接機の非可動部材との相対的な上下動により機械的に作動することから、本発明のナット供給装置は、作動確実性が高く、また、ナット供給装置を作動させるための新たな動力源や電気的な連動システムが不要であるためランニングコストに優れる。
また、ナット供給装置の昇降機構によって、ナット保持部が下部電極から最も離れた最上昇位置と、ナット保持部が下部電極と略同一高さまで下降した最下降位置との間で上部電極の昇降に連動してシュートを昇降することが可能である。したがって、シュートが最上昇位置にあるときには、シュートが鋼板等のワークを下部電極上にセットする作業の邪魔になることはなく、シュートが最下降位置まで下降した状態で下部電極上にナットが載置されることから、ナットを下部電極上に正確に載置することができる。すなわち、本発明のナット供給装置によれば、ワーク作業性の確保とナット位置精度の確保とを両立することが可能である。
(2)本発明のナット供給装置において、好ましくは、前記昇降機構は、前記上部電極と前記シュートとの間に、該上部電極と該シュートとの相対的な上下摺動を可能とする摺動機構を備え、前記摺動機構によって、前記上部電極の昇降ストロークは、前記シュートの昇降ストロークよりも大きく、該上部電極が最上昇したときに、該シュートが前記最上昇位置に位置すると共に、該シュートが前記最下降位置まで下降した状態で該上部電極を更に下降させることが可能であることを特徴とする。
このような構成によると、シュートが最下降位置まで下降した状態で上部電極を更に下降させることが可能である。すなわち、シュートが最下降位置まで下降した状態においても、抵抗溶接機の可動部材である上部電極と、抵抗溶接機の非可動部材との相対的な上下動を活用することができる。
したがって、シュートが最下降位置まで下降した状態を保って、ナット供給装置の開閉機構によりシュートをシュート閉状態からシュート開状態に切替えることが可能である。これにより、下部電極とナットとが近接した位置でナット保持部によるナットの保持を解除することができるため、ナットを下部電極上により正確に載置することができる。
(3)本発明のナット供給装置において、好ましくは、前記摺動機構は、前記シュートがリニア軸受を介して前記上部電極に固定されていることにより該上部電極と該シュートとの相対的な上下摺動を可能とする機構であることを特徴とする。
リニア軸受は、固定部材と可動部材との間にベアリングが配置され、固定部材に対して可動部材が滑らかに直線運動をする転がり軸受である。したがって、このような構成によると、上部電極とシュートとの相対的な上下摺動が小さな摺動抵抗でがたつくことなく行われるため、ナット供給装置の作動確実性を高めることができる。
(4)本発明のナット供給装置において、好ましくは、前記開閉機構は、前記シュートの前記一対の分割片が自己の下端のそれぞれに取り付けられ互いに交差する一対のアームと、両該アームの交差位置に取り付けられ両該アームを回動可能に保持するヒンジピンと、前記上部電極に固定され該上部電極と連動して昇降する可動ガイド板と、前記抵抗溶接機の前記非可動部材に固定された固定ガイド板と、を備え、前記可動ガイド板は、各前記アームの各上端に摺接する可動摺接面を有し、前記上部電極と連動して該可動ガイド板が下降するときに、該可動摺接面が各該アームの各該上端を互いに離間する方向に押し広げることによって、前記シュートが前記シュート開状態となり、前記固定ガイド板は、各前記アームの各上端に摺接する固定摺接面を有し、前記上部電極と連動して前記シュートが上昇するときに、該固定摺接面が各該アームの各該上端を互いに近接する方向に押し狭めることによって、前記シュートが前記シュート閉状態となることを特徴とする。
このような構成によると、可動ガイド板の可動摺接面が各アームの各上端に摺接を開始するタイミングや可動摺接面の傾き、及び各アームの各上端が固定ガイド板の固定摺接面に摺接を開始するタイミングや固定摺接面の傾きを適宜設定することにより、開閉機構によりシュートが開閉を開始するタイミングやシュートの開閉に要する時間を制御することが可能となる。
(5)本発明のナット供給装置において、好ましくは、前記開閉機構は、前記シュートをシュート閉状態及び/又はシュート開状態に保持する開閉状態保持機構を備え、前記開閉機構は、前記開閉状態保持機構が前記シュートをシュート閉状態及び/又はシュート開状態に保持する保持力に抗して該シュートを開閉することが可能であることを特徴とする。
このような構成によると、開閉機構によりシュートの開閉が開始されるまでの間、開閉状態保持機構によって、シュートがシュート閉状態及び/又はシュート開状態に保持される。したがって、シュートがシュート閉状態に保持されているときは、シュートが不用意に開くことを防止して、シュートのナット保持部からナットが脱落することを防止できる。また、ナット溶接後にシュートを上昇させる際、シュートをシュート開状態に保持することによって、シュートと溶接後のナットとを接触させることなくシュートを上昇させることができる。
(6)本発明のナット供給装置において、好ましくは、前記ナット供給装置は、前記シュートの前記ナット取込口に前記ナットを1個ずつ供給するナット切り出し装置を備え、前記ナット切り出し装置は、前記抵抗溶接機の前記非可動部材に固定され複数個の前記ナットを自己の傾斜面上に整列して保持するナット整列部と、該ナット整列部の下端に固定され該ナット整列部に整列した複数個の該ナットのうちの最下方の該ナットの側面に当接することにより該ナットの滑落を阻止する堰き止めブロックと、該堰き止めブロックと隣接し該ナット整列部に整列した複数個の該ナットのうちの最下方の該ナットの下部に配置された上下可動の可動ブロックと、を備え、前記シュートと連動して前記可動ブロックが上昇することにより、該可動ブロック上の1個の前記ナットが上昇して、該ナットが前記堰き止めブロックを乗り越えて、該ナットが該シュートの前記ナット取込口に供給されることを特徴とする。
このような構成によると、ナット切り出し装置により、シュートのナット取込口にナットを1個ずつ確実に供給することができる。また、ナット切り出し装置は、ナット供給装置の昇降機構及び開閉機構と同様に、抵抗溶接機の可動部材である上部電極と、抵抗溶接機の非可動部材との相対的な上下動により機械的に作動することから、ナット切り出し装置は、作動確実性が高く、また、ナット切り出し装置を作動させるための新たな動力源や電気的な連動システムが不要であるためランニングコストに優れる。
本発明によれば、汎用の抵抗溶接機を加工・改造することなく容易に取り付けることが可能であると共に、溶接作業時間の短縮、ワーク作業性の確保、及びナット位置精度の確保を可能とするナット供給装置を提供することができる。
また、本発明のナット供給装置は、上部電極の動きと連動して機械的に作動するため作動確実性が高く、また、ナット供給装置を作動させるための新たな動力源や電気的な連動システムが不要であるためランニングコストに優れる。
本実施形態のナット供給装置を備えたナット溶接機の斜視図であって、(a)は全体斜視図、(b)は(a)における要部Aを拡大した斜視図を示している。 本実施形態のナット供給装置の側面図であって、シュートが最上昇位置から下降する直前の状態を示している。 本実施形態のナット供給装置の側面図であって、シュートが最下降位置まで下降した直後の状態を示している。 本実施形態のナット供給装置の正面図であって、シュートが最上昇位置から下降する直前の状態を示している。 本実施形態のナット供給装置の正面図であって、シュートが最下降位置まで下降した直後の状態を示している。 本実施形態のナット供給装置の正面図であって、シュートの最下降位置において、シュートを構成する分割片が互いに離間した状態を示している。 本実施形態のナット供給装置の正面図であって、シュートが最下降位置から上昇して、シュートを構成する分割片が互いに近接し始める状態を示している。 本実施形態のナット供給装置の正面図であって、シュートが上昇するにつれて、シュートを構成する分割片が互いに近接していく状態を示している。 本実施形態のナット供給装置に備わるナット切り出し装置の側面図であって、シュートが最上昇位置に位置している状態を示している。 本実施形態のナット供給装置に備わるナット切り出し装置の側面図であって、シュートが最下降位置に位置している状態を示している。 他の実施形態のナット供給装置の正面図であって、シュートが最上昇位置から下降する直前の状態を示している。 別の他の実施形態のナット供給装置の側面図であって、(a)はシュートが最下降位置に近づいた状態、(b)はシュートが最下降位置まで下降する直前の状態を示している。 従来のナット供給装置を備えたナット溶接機の要部正面図である。
以下、本発明のナット供給装置の一実施形態について図面を参照しつつ詳しく説明する。
(1)ナット供給装置1の基本構造
図1に本実施形態のナット供給装置を備えたナット溶接機の斜視図を示す。また、図2及び3に本実施形態のナット供給装置の側面図を示す。また、図4〜8に本実施形態のナット供給装置の正面図を示す。ここで、図1〜8においては、下部電極上に載置される鋼板等のワークを図示していない。なお、以下の説明において、上下前後左右とは、図1における上下前後左右を指す。
図1に示すように、ナット溶接機40は、上部電極31及び下部電極32により抵抗溶接を行う汎用のプロジェクション溶接機30(抵抗溶接機)にナット供給装置1を取り付けた溶接機である。
プロジェクション溶接機30は、直方体状を呈する溶接機本体33と、溶接機本体33の前面の上部に設けられ前方に向かって突出した直方体状を呈する上部支持部34と、溶接機本体33の前面の上部と下部との中間部に設けられ前方に向かって突出した直方体状を呈する下部支持部35と、上部支持部34の前方に固定された作動シリンダ36と、作動シリンダ36によって昇降する上部電極31と、下部支持部35の前方に固定された下部電極32とを備えている。上部電極31及び下部電極32の電極軸線は同一の鉛直線上にある。
プロジェクション溶接機30において、作動シリンダ36によって昇降する部材がプロジェクション溶接機30の可動部材であり、可動部材以外の部材はプロジェクション溶接機30の非可動部材である。
図2に示すように、上部電極31は、電極部31aと電極部31aを保持するシャフト31bとを備えている。また、下部電極32は、下部電極32の上面中央に、弾性部材によって上方に付勢された位置決めピン32aを備えている。この位置決めピン32aをガイドとすることによって、鋼板等のワークや溶接用のナットNを下部電極32上の正しい位置に載置することができる。上部電極31は、作動シリンダ36によって下部電極32に接触するまで下降することが可能であり、このとき位置決めピン32aは、上部電極31の下端に押されて下降して、下部電極32内に没入する。
ナット供給装置1は、プロジェクション溶接機30の上部電極31と下部電極32との間の下部電極32上のナット溶接位置N2に溶接用のナットNを供給する装置である。
ナット供給装置1を構成する各部材は、プロジェクション溶接機30の可動部材である上部電極31のシャフト31b、及びプロジェクション溶接機30の非可動部材である上部支持部34のうちのいずれか一方に固定されている。したがって、シャフト31bに固定された部材と、上部支持部34に固定された部材との間には、シャフト31bと上部支持部34との相対的な上下動に連動して相対的な変位を発生させることができる。
ナット供給装置1は、溶接用のナットNを滑落移送するシュート2と、シュート2を昇降する昇降機構と、シュート2を開閉する開閉機構と、シュート2にナットNを1個ずつ供給するナット切り出し装置20とを備えている。後述するように昇降機構及び開閉機構は、ナット供給装置1に備わる多数の部材により構成されており、昇降機構及び開閉機構の双方の機構に関与する部材がある。
シュート2は、シュート2の軸線に沿って分割され互いに水平方向に近接及び離間する左右一対の分割片2L、2Rよりなる。分割片2Lは、シュート2の軸線の左側に配置されており、分割片2Rは、シュート2の軸線の右側に配置されている。両分割片2L、2Rは、いずれも断面コ字状の棒部材であり、シュート2の軸線に対して左右対称な形状を呈している。両分割片2L、2Rが互いに近接している状態において、両分割片2L、2Rのフランジ同士が互いに近接することによって、シュート2は、内空断面が矩形の棒部材となる。
以下、シュート2の左右一対の分割片2L、2Rが互いに最も近接した状態をシュート閉状態と呼び、両分割片2L、2Rが互いに最も離間した状態をシュート開状態と呼ぶ。
シュート閉状態におけるシュート2の内空断面の矩形の寸法は、矩形の短辺がナットNの厚みよりも若干大きく、矩形の長辺がナットNの最小幅(基準寸法)よりも若干大きく設定されている。これにより、ナットNは、姿勢を崩すことなく、滑らかにシュート2内を通過する。
シュート閉状態において、シュート2の上端には、矩形の開口であるナット取込口2aが形成されており、シュート2の下端には、矩形の開口が塞がれたナット保持部2bが形成されている。ナット保持部2bは、上部電極31及び下部電極32の電極軸線上に配置されており、ナット保持部2bの上面及び下面(両分割片2L、2Rの各上フランジ及び各下フランジ)には、電極軸線を中心として、ナットNのねじ穴よりも径が大きく上下に貫通した円孔が形成されている。
シュート2の軸線は、水平に対して30度傾斜している。このシュート2の傾斜によって、ナット取込口2aから取り込まれたナットNが、ナット保持部2bに向けてシュート2内を滑落し、ナットNがナット待機位置N1に位置するナット保持部2bで停止して待機状態となる。この状態において、ナットNの中心軸と電極軸線とが重なっており、ナット保持部2bの上面及び下面に形成されている各円孔からナットNのねじ穴を視認することができる。
シュート開状態においては、両分割片2L、2Rが互いにナットNの最小幅よりも大きく離間することによって、ナット取込口2a及びナット保持部2bは形成されず、ナット保持部2bによるナットNの保持が解除されてナットNがシュート2から離脱する。
(2)シュート2を昇降する昇降機構の構造
シュート2を昇降する昇降機構は、シュート2のナット保持部2bが下部電極32から最も離れた最上昇位置と、ナット保持部2bが下部電極32と略同一高さまで下降した最下降位置との間で上部電極31の昇降に連動してシュート2を昇降する機構である。図2及び4は、上部電極31が最上昇してシュート2が最上昇位置にある状態を示している。また、図3及び図5は、上部電極31が下降してシュート2が最下降位置にある状態を示している。
シュート2を昇降する昇降機構は、プロジェクション溶接機30の可動部材である上部電極31の昇降に連動して昇降する部材として、シュート2の左右一対の分割片2L、2Rが自己の下端のそれぞれに取り付けられ互いに交差する左右一対のアーム3L、3Rと、両アーム3L、3Rの交差位置に取り付けられ両アーム3L、3Rを回動可能に保持するヒンジピン4と、ヒンジピン4の後端が固定されるヒンジベース5と、上部電極31のシャフト31bを挟み込むことにより上部電極31に固定されたクランプ6と、ヒンジベース5とクランプ6との間に固定されたリニア軸受7とを備えている。
また、シュート2を昇降する昇降機構は、プロジェクション溶接機30の非可動部材である上部支持部34に固定された不動の部材として、上部電極31と溶接機本体33との間に水平に配置された矩形板状のベースプレート8と、ベースプレート8の下面に取り付けられ上部電極31に向けて延びる左右一対の矩形板状のサイドプレート9L、9Rと、ベースプレート8を上部支持部34に固定する固定治具10とを備えている。
アーム3Lとアーム3Rとは、それぞれの中間部で重ねられることにより、正面から見てX字状に交差している。そして、シュート2の左側の分割片2Lの中間部が、アーム3Lの下端に固定されており、シュート2の右側の分割片2Rの中間部が、アーム3Rの下端に固定されている。各アーム3L、3Rの交差位置には、それぞれ枢支孔が形成されており、両枢支孔に前方から後方に向かってヒンジピン4が挿入されて、ヒンジピン4の後方がヒンジベース5の前面下方に固定されている。これにより、両アーム3L、3Rは、ヒンジピン4を中心にX字状が変形するように回動可能となっている。
ヒンジベース5は板状の部材であり、ヒンジベース5の前面の上方は下方よりも前方に張り出している。リニア軸受7の可動ベース7bがヒンジベース5の前面上方に固定されている。ヒンジベース5の左側の中間部には、左方に突出した第一ストッパー5aが形成されている。また、ヒンジベース5の右側の上方には、右方に突出した第二ストッパー5bが形成されている。
図1(b)に示すように、クランプ6は、上部電極31のシャフト31bをボルト締めにより前後から挟み込む部材である。クランプ6は、半円弧状の凹面を持つ前後一対の板部材と、これら前後一対の板部材の各凹面をシャフト31bの外周面に当接させた状態で、これら前後一対の板部材同士を締結するボルトとよりなる。
リニア軸受7は、ヒンジベース5とクランプ6との相対的な上下摺動を可能とする摺動機構であり、固定部材である上下に延びるレール7aと、レール7aに摺動可能に固定された可動部材である可動ベース7bと、レール7aが固定された板状のリニアベース7cとよりなる。リニア軸受7の可動ベース7bは、ヒンジベース5の上方に固定されており、レール7aは、リニアベース7cに固定されており、リニアベース7cは、クランプ6に固定されている。レール7aには、ベアリングが配置されており、このベアリングによって、可動ベース7bが滑らかかつがたつくことなく摺動する。
リニアベース7cの右側の後面には、後方に突出した第二ストッパー受け7dが形成されている。この第二ストッパー受け7dに前述のヒンジベース5の第二ストッパー5bが上方から当接する。したがって、図2に示すように、上部電極31が最上昇しているとき、リニア軸受7の可動ベース7bは、ヒンジベース5の自重によってレール7aの下方にあり、第二ストッパー5bと第二ストッパー受け7dとが当接することによって、レール7aに対して可動ベース7bの位置が固定されている。
ベースプレート8は矩形板状を呈し、上部支持部34の下方に上部支持部34の下面と距離をおいて水平に固定されている。なお、本実施形態においては、ベースプレート8を上部支持部34に取り付けているが、ベースプレート8をプロジェクション溶接機30の非可動部材である溶接機本体33や下部支持部35に取り付けてもよい。
左右一対のサイドプレート9L、9Rは矩形板状の棒部材であり、各サイドプレート9L、9Rは、ベースプレート8の下面にボルトにより取り付けられている。左側のサイドプレート9Lの前方には、高さ調節が可能な第一ストッパー受け9aが取り付けられている。この第一ストッパー受け9aに前述のヒンジベース5の第一ストッパー5aが上方から当接する。したがって、図3に示すように、上部電極31の下降に連動してヒンジベース5が下降すると、第一ストッパー5aが第一ストッパー受け9aに当接して、ヒンジベース5のこれ以上の下降が不能となる。この状態が、シュート2が最下降位置まで下降した状態となる。
図1に示すように、固定治具10は、ベースプレート8を上部支持部34に固定する部材であり、上部支持部34の上方に配置され4隅に貫通孔が形成された固定プレート10aと、上部支持部34の下方に配置され4隅に貫通孔が形成されたタッププレート10bと、平行に配置された固定プレート10a及びタッププレート10bの4隅の各貫通孔に挿入された4本の長ボルト10cと、長ボルト10cを固定するナットとよりなる。
固定治具10は、上部支持部34を固定プレート10a及びタッププレート10bで上下方向から挟み込むことにより固定されている。4本の長ボルト10cは、タッププレート10bの下面から更に下方に延長されている。この4本の長ボルト10cの下端を、ベースプレート8の4隅に形成された各貫通孔に挿入してナット固定することにより、ベースプレート8が上部支持部34に固定されている。
シュート2を昇降する昇降機構が、上述の構成よりなることによって、シュート2は、上部電極31の昇降と連動して昇降することが可能となっている。そして、摺動機構としてのリニア軸受7を備えていることによって、上部電極31の昇降ストロークは、シュート2の昇降ストロークよりも大きく、上部電極31が最上昇したときに、シュート2が最上昇位置に位置すると共に、シュート2が最下降位置まで下降した状態で上部電極31を更に下降させることが可能となっている。
(3)シュート2を開閉する開閉機構の構造
シュート2を開閉する開閉機構は、シュート2の左右一対の分割片2L、2Rが互いに最も近接したシュート閉状態と、両分割片2L、2Rが互いに最も離間したシュート開状態との間で上部電極31の昇降に連動してシュート2を開閉する機構である。図4及び5は、シュート2がシュート閉状態にある状態を示している。図6及び7は、シュート2がシュート開状態にある状態を示している。また、図8は、シュート2がシュート開状態からシュート閉状態に切り替わりつつある状態を示している。
前述のシュート2を昇降する昇降機構に備わる部材である左右一対のアーム3L、3R、ヒンジピン4、ヒンジベース5、クランプ6、リニア軸受7、ベースプレート8、左右一対のサイドプレート9L、9R、及び固定治具10は、いずれもシュート2を開閉する開閉機構にも関与する部材である。
本実施形態のナット供給装置1は、シュート2を開閉する開閉機構として、これらの部材に加えて、両アーム3L、3Rのそれぞれの上端に取り付けられている左右一対のカムフォロア11L、11Rと、リニア軸受7のリニアベース7cの下部に形成されている左右一対の可動ガイド板7L、7Rと、両サイドプレート9L、9Rのそれぞれの前端に取り付けられている左右一対の固定ガイド板12L、12Rと、シュート2の開閉状態を保持する開閉状態保持機構とを備えている。
シュート2の左側の分割片2Lが固定されているアーム3Lの上端には、カムフォロア11Rが取り付けられている。また、シュート2の右側の分割片2Rが固定されているアーム3Rの上端には、カムフォロア11Lが取り付けられている。各カムフォロア11L、11Rは、回転軸を前後方向に向けて、電極軸線に対して左右対称な位置に取り付けられている。両カムフォロア11L、11R同士の間隔が広がることによって、シュート2の両分割片2L、2Rが互いに離間し、両カムフォロア11L、11R同士の間隔が狭くなることによって、シュート2の両分割片2L、2Rが互いに近接する。
リニアベース7cの下部には、リニアベース7cと一体に形成され上部電極31と連動して昇降する左右一対の可動ガイド板7L、7Rが形成されている。両可動ガイド板7L、7Rは、いずれも下方に突出した板状の棒部材であり、電極軸線に対して左右対称な形状を呈している。
左側の可動ガイド板7Lの左側面は、左側のカムフォロア11Lの外周面に右側から摺接する可動摺接面7Sとなっている。可動摺接面7Sは、上方の鉛直側面と、鉛直側面の下端から右斜め下に向けて傾斜した傾斜側面とよりなる。右側の可動ガイド板7Rの右側面は、右側のカムフォロア11Rの外周面に左側から摺接する可動摺接面7Tとなっている。可動摺接面7Tは、上方の鉛直側面と、鉛直側面の下端から左斜め下に向けて傾斜した傾斜側面とよりなる。
図4に示すように、上部電極31と共にリニアベース7cが最上昇しているとき、左側のカムフォロア11Lの外周面の右上方と、左側の可動摺接面7Sの下方の傾斜側面とが当接している。また、右側のカムフォロア11Rの外周面の左上方と、右側の可動摺接面7Tの下方の傾斜側面とが当接している。図6に示すように、前述した摺動機構としてのリニア軸受7の作用によって、両カムフォロア11L、11Rに対して、両可動ガイド板7L、7Rが相対的に下方に摺動すると、両可動摺接面7S、7Tが両カムフォロア11L、11Rを互いに離間する方向に押し広げることによって、シュート2がシュート開状態となる。
両サイドプレート9L、9Rのそれぞれの前端には、左右一対の固定ガイド板12L、12Rがボルトにより固定されている。両固定ガイド板12L、12Rは、いずれも前方及び後方に面を持つ板状部材であり、電極軸線に対して左右対称なくさび形状を呈している。
左側の固定ガイド板12Lの右側面は、左側のカムフォロア11Lの外周面に左側から摺接する固定摺接面12Sとなっている。固定摺接面12Sは、上方の鉛直側面と、鉛直側面の下端から左斜め下に向けて傾斜した傾斜側面とよりなる。右側の固定ガイド板12Rの左側面は、右側のカムフォロア11Rの外周面に右側から摺接する固定摺接面12Tとなっている。固定摺接面12Tは、上方の鉛直側面と、鉛直側面の下端から右斜め下に向けて傾斜した傾斜側面とよりなる。
図8に示すように、上部電極31と共に両アーム3L、3Rが上昇するにつれて、両固定摺接面12S、12Tが両カムフォロア11L、11Rを互いに近接する方向に押し狭めることによって、シュート2の両分割片2L、2Rが互いに近接していく。
シュート2の開閉状態を保持する開閉状態保持機構は、シュート2をシュート閉状態で保持、及びシュート2をシュート開状態で保持する機構であり、各アーム3L、3Rの後面と、ヒンジベース5の前面との間に備わっている。
開閉状態保持機構は、各アーム3L、3Rのそれぞれの後面のヒンジピン4よりも上方に取り付けられた左右一対のボールプランジャー13L、13Rと、シュート閉状態及びシュート開状態において、ヒンジベース5の前面の各ボールプランジャー13L、13Rと対向した位置に形成された4箇所の凹部(図示せず)とよりなる。
両ボールプランジャー13L、13Rは、いずれも雄ねじの中心を刳り抜いた穴に圧縮ばねをセットして鋼球で蓋をした構造よりなる。そして、各アーム3L、3Rの後面から前方に向けて切削された2つのねじ穴(図示せず)に、各ボールプランジャー13L、13Rがねじ込まれることによって、各アーム3L、3Rに各ボールプランジャー13L、13Rが取り付けられている。
ヒンジベース5の前面に形成された4箇所の凹部は、各ボールプランジャー13L、13Rの各鋼球の直径よりも少し小さい直径の穴となっている。4箇所の凹部は、ヒンジピン4を中心とした円弧上に並んでおり、電極軸線に対して左右対称な位置に各2箇所ずつ形成されている。シュート閉状態においては、各ボールプランジャー13L、13Rの各鋼球が、上方の2箇所の凹部のそれぞれに嵌り込んでシュート閉状態が保持される。また、シュート開状態においては、各ボールプランジャー13L、13Rの各鋼球が、下方の2箇所の凹部のそれぞれに嵌り込んでシュート開状態が保持される。
この開閉状態保持機構によってシュート2をシュート閉状態及びシュート開状態に保持する保持力は、前述の開閉機構によってシュート2を開閉する開閉力よりも小さく、開閉機構によって、開閉状態保持機構の保持力に抗してシュート2を開閉することが可能となっている。
(4)ナット切り出し装置20の構造
ナット切り出し装置20は、シュート2にナットNを1個ずつ供給する装置であり、図1〜3に示すように、シューター2の後方に配置されている。
ナット切り出し装置20は、前述したベースプレート8に固定され複数個のナットNを保持するナット整列部21と、ナット整列部21の下端に固定された堰き止めブロック22と、堰き止めブロック22と隣接した上下可動の可動ブロック23と、可動ブロック23を下方に付勢する付勢手段24と、可動ブロック23を付勢手段24の付勢力に抗して上昇させる上昇手段25と、ナット整列部21をベースプレート8に取り付けるための取付治具26とを備えている。
ナット整列部21は、ナットNが流れてくる上流側に位置する内空断面が矩形のシュート部21aと、下流側に位置する内空断面が矩形の切り出し部21bとが連結された構造よりなる。シュート部21a及び切り出し部21bの内空断面の矩形の寸法は、前述のシュート2と略同一寸法とされている。シュート部21a及び切り出し部21bの内空は、段差なく連続しており、内空断面の下面は、水平に対して30度傾斜した傾斜面となっている。圧縮空気によって上流側からシュート部21aに送られてきた複数個のナットNが、この傾斜面の傾斜によって滑落移送されて、シュート部21a及び切り出し部21bの傾斜面上に整列する。切り出し部21bは、板材を30度曲げ加工した取付治具26によってベースプレート8に取り付けられている。
図9及び10に示すように、堰き止めブロック22は、台形の側面形状を呈するブロックであり、台形の下底22aを斜め上方、上底22bを斜め下方に向けて、切り出し部21bの下端に固定されている。堰き止めブロック22の台形の下底22a及び上底22bは、水平に対して30度傾斜している。また、堰き止めブロック22の台形の下底22a及び上底22bの後方の辺は、下底22a及び上底22bの後端から直角に延びている。この下底22a及び上底22bの後方の辺は、ナット整列部21に整列した複数個のナットNのうちの最下方のナットN(先頭のナットN)の側面に当接することにより、ナットNの滑落を阻止する堰き止め面22cとなっている。
堰き止めブロック22の台形の下底22aと、切り出し部21bの内空断面の上面及び側面とにより内空断面が矩形の通路が形成されており、この通路の下流側の矩形の開口がナット出口21cとなっている。図2及び9に示すように、シュート2が最上昇位置に位置している状態において、シュート2のナット取込口2aと、ナット切り出し装置20のナット出口21cとは、高さも角度も一致しており、ナットNが滞ることなくシュート2に乗り移ることが可能となっている。
図9及び10に示すように、可動ブロック23は、矩形の側面形状を呈するブロックであり、矩形の長辺23aが水平に対して30度傾斜した状態で、堰き止めブロック22の上方に隣接して配置されている。可動ブロック23の矩形の長辺23aの長さは、ナットNの対角寸法よりも若干短く、ナット整列部21に整列した複数個のナットNのうちの最下方のナットN(先頭のナットN)が長辺23a上に載置される。図1(b)に示すように、可動ブロック23は、切り出し部21bの右側の外面から右側に張り出している。堰き止めブロック22の堰き止め面22cと、可動ブロック23の矩形の短辺23bとが摺接していることによって、可動ブロック23は、水平に対して60度傾斜した斜め上下方向に昇降可能となっている。
付勢手段24は、切り出し部21bの下方に固定され水平に対して60度傾斜した円筒部材24aと、可動ブロック23の下端に連結され円筒部材24aの内部を摺動する軸部材24bと、軸部材24bの下端に形成されたフランジ24cと、円筒部材24aの下端とフランジ24cとの間に圧縮状態で介装された圧縮ばね24dとを備えている。この圧縮ばね24dの弾発力が付勢力となることによって、可動ブロック23が下方に付勢されている。
上昇手段25は、前述したヒンジベース5の右側の側面に固定されL形の側面形状を呈するL形部材25aと、L形部材25aの後方に取り付けられたカムフォロア25bとよりなる。L形部材25aは、鉛直辺及び水平辺よりなり、鉛直辺は、ヒンジベース5に固定されており、水平辺は、ヒンジベース5の後面から後方に張り出している。L形部材25aの水平辺の後方の左面には、回転軸を左右方向に向けてカムフォロア25bが取り付けられている。カムフォロア25bは、可動ブロック23の右側に張り出している部位の下面に離接可能となっている。
図9に示すように、上部電極31と共にL形部材25aが最上昇しているときに、カムフォロア25bが、可動ブロック23を付勢手段24の付勢力に抗して斜め上方に上昇させる。このとき可動ブロック23は、可動ブロック23の上方の長辺23aと、堰き止めブロック22の台形の下底22aとが一直線に揃う高さまで上昇している。そして、可動ブロック23の長辺23a上に載置されている1個のナットNが、堰き止めブロック22の堰き止め面22cを乗り越えて滑落し、ナット出口21cを経由して、シュート2のナット取込口2aに供給される。
なお、カムフォロア25bを使用することにより、カムフォロア25bの鉛直方向の上昇動作を、可動ブロック23の斜め方向への上昇動作に滑らかに変換することが可能となっている。
図10に示すように、上部電極31と共にL形部材25aが最下降しているときには、カムフォロア25bと、可動ブロック23とが離間している。そして、付勢手段24の付勢力によって、可動ブロック23が斜め下方に下降していることによって、可動ブロック23の長辺23a上に上流側から再び1個のナットNが滑落してくる。
(5)ナット供給装置1の動作
ナット供給装置1の動作について、図2及び3に示すナット供給装置1の側面図、及び図4〜8に示すナット供給装置1の正面図を参照しつつ説明する。なお、ナット切り出し装置20の動作については、前記(4)で詳細に説明しているため、ここでの説明は省略する。
図2及び4に示すように、ナットNの溶接開始時において、上部電極31が最上昇してシュート2が最上昇位置にある。このときシュート2はシュート閉状態となっており、開閉状態保持機構によってシュート閉状態が保持されている。また、リニアベース7cの第二ストッパー受け7dにヒンジベース5の第二ストッパー5bが上方から当接していることにより、上部電極31に対して、シュート2が相対的に最も下方に位置している。そして、ナット切り出し装置20からナット取込口2aに送り込まれたナットNが、シュート2内を滑落して、ナットNがナット待機位置N1に位置するナット保持部2bで停止して待機状態となっている。
続いて、開閉状態保持機構によって、シュート2がシュート閉状態に保持されつつ、上部電極31が下降を開始する。そして、図3及び5に示すように、左側のサイドプレート9Lに固定された第一ストッパー受け9aにヒンジベース5の第一ストッパー5aが上方から当接することにより、シュート2が最下降位置まで下降した状態となる。この状態において、ナット保持部2bに保持されているナットNのねじ穴に、下部電極32の位置決めピン32aの上端が僅かに挿入されてナットNが位置決めされている。
シュート2が最下降位置まで下降した状態において、図6に示すように、摺動機構としてのリニア軸受7の作用によって、上部電極31が更に下降すると、第二ストッパー5bと第二ストッパー受け7dとが離間して、両カムフォロア11L、11Rに対して、両可動ガイド板7L、7Rが相対的に下方に摺動する。このとき両可動摺接面7S、7Tが両カムフォロア11L、11Rを互いに離間する方向に押し広げることによって、シュート2がシュート開状態となる。これにより、ナット保持部2bによるナットNの保持が解除されて、下部電極32上のナット溶接位置N2にナットNが載置される。そして、上部電極31は、シュート2の両分割片2L、2Rの間を通過して、ナットNに当接するまで更に下降して、ナットNの溶接が開始される。
ナットNの溶接後、上部電極31が上昇するにつれて、ヒンジベース5の第二ストッパー5bとリニアベース7cの第二ストッパー受け7dとが再び当接して、上部電極31の上昇に連動してヒンジベース5が上昇する。このとき開閉状態保持機構によって、シュート2がシュート開状態に保持されている。
その後、上部電極31が更に上昇すると、図7に示すように、両アーム3L、3Rの上端に取り付けられている両カムフォロア11L、11Rが、両固定ガイド板12L、12Rの両固定摺接面12S、12Tに当接する。その後、上部電極31が上昇するにつれて、図8に示すように、両固定摺接面12S、12Tが両カムフォロア11L、11Rを互いに近接する方向に押し狭めることによって、シュート2の両分割片2L、2Rが互いに近接していく。
上部電極31が最上昇してシュート2が最上昇位置に復帰すると、図2に示すように、シュート2のナット取込口2aと、ナット切り出し装置20のナット出口21cとの高さが揃い、ナット切り出し装置20からシュート2に向けて新たなナットNが送り込まれてくる。
(6)ナット供給装置1の効果
このような本実施形態の構成によると、ナット保持部2bが下部電極32と略同一高さまで下降した最下降位置においてシュート開状態となることによって、ナット保持部2bに保持されているナットNを、上部電極31の下端で受け取ることなく、ナットNを下部電極32上に載置することができる。したがって、汎用のプロジェクション溶接機30(抵抗溶接機)の上部電極31をナットNの受け取りが可能なナット溶接専用の上部電極として加工・改造する必要がない。
また、ナット供給装置1の昇降機構及び開閉機構は、プロジェクション溶接機30の可動部材である上部電極31と、プロジェクション溶接機30の非可動部材である上部支持部34との相対的な上下動により作動することから、上部電極31が下降を開始してから下降を終了するまでの間に、下部電極32上にナットNを載置することができる。したがって、本実施形態のナット供給装置1によれば、実質のナット供給時間はゼロであり、溶接作業時間の短縮に寄与することができる。
また、ナット供給装置1の昇降機構及び開閉機構は、プロジェクション溶接機30の可動部材である上部電極31と、プロジェクション溶接機30の非可動部材である上部支持部34との相対的な上下動により機械的に作動することから、本実施形態のナット供給装置1は、作動確実性が高く、また、ナット供給装置1を作動させるための新たな動力源や電気的な連動システムが不要であるためランニングコストに優れる。
また、ナット供給装置1の昇降機構によって、ナット保持部2bが下部電極32から最も離れた最上昇位置と、ナット保持部2bが下部電極32と略同一高さまで下降した最下降位置との間で上部電極31の昇降に連動してシュート2を昇降することが可能である。したがって、シュート2が最上昇位置にあるときには、シュート2が鋼板等のワークを下部電極32上にセットする作業の邪魔になることはなく、シュート2が最下降位置まで下降した状態で下部電極32上にナットNが載置されることから、ナットNを下部電極32上に正確に載置することができる。すなわち、本実施形態のナット供給装置1によれば、ワーク作業性の確保とナット位置精度の確保とを両立することが可能である。
また、本実施形態のナット供給装置1は、ヒンジベース5とクランプ6との間に摺動機構としてリニア軸受7を備えている。これにより、上部電極31とシュート2との相対的な上下摺動が小さな摺動抵抗でがたつくことなく行われるため、ナット供給装置1の作動確実性を高めることができる。また、シュート2が最下降位置まで下降した状態を保って、ナット供給装置1の開閉機構によりシュート2をシュート閉状態からシュート開状態に切替えることが可能となる。これにより、下部電極32とナットNとが近接した位置でナット保持部2bによるナットNの保持を解除することができるため、ナットNを下部電極32上に正確に載置することができる。
また、本実施形態のナット供給装置1の開閉機構によれば、両可動ガイド板7L、7Rの両可動摺接面7S、7Tが各アーム3L、3Rの各上端に取り付けられた各カムフォロア11L、11Rに摺接を開始するタイミングや両可動摺接面7S、7Tの傾きを適宜設定することができる。また、各カムフォロア11L、11Rが両固定ガイド板12L、12Rの両固定摺接面12S、12Tに摺接を開始するタイミングや両固定摺接面12S、12Tの傾きを適宜設定することができる。したがって、開閉機構によりシュート2が開閉を開始するタイミングやシュート2の開閉に要する時間を制御することが可能となる。
また、本実施形態のナット供給装置1の開閉状態保持機構によれば、開閉機構によりシュート2の開閉が開始されるまでの間、シュート2がシュート閉状態及び/又はシュート開状態に保持される。したがって、シュート2がシュート閉状態に保持されているときは、シュート2が不用意に開くことを防止して、シュート2のナット保持部2bからナットNが脱落することを防止できる。また、ナット溶接後にシュート2を上昇させる際、シュート2をシュート開状態に保持することによって、シュート2と溶接後のナットNとを接触させることなくシュート2を上昇させることができる。
また、本実施形態のナット供給装置1に備わるナット切り出し装置20によれば、シュート2のナット取込口2aにナットNを1個ずつ確実に供給することができる。また、ナット切り出し装置20は、ナット供給装置1の昇降機構及び開閉機構と同様に、プロジェクション溶接機30の可動部材である上部電極31と、プロジェクション溶接機30の非可動部材である上部支持部34との相対的な上下動により機械的に作動することから、ナット切り出し装置20は、作動確実性が高く、また、ナット切り出し装置20を作動させるための新たな動力源や電気的な連動システムが不要であるためランニングコストに優れる。
(7)その他の実施形態
本発明のナット供給装置は、上述した一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができることは言うまでもない。
例えば、本実施形態においては、ナット供給装置1の開閉機構を、可動ガイド板7L、7R、固定ガイド板12L、12R、及びカムフォロア11L、11Rにより構成しているが、開閉機構は、この構成に限定されない。例えば、開閉機構を、ワイヤーやリンクにより作動する構成とすることもできる。
また、本実施形態においては、ナット供給装置1の摺動機構として、リニア軸受7を用いているが、摺動機構は、リニア軸受7に限定されない。例えば、摺動機構を、鉛直方向に長い長穴が形成された部材をクランプ6の後方に取り付け、この長穴に挿入される水平軸をヒンジベース5の前方に取り付け、水平軸が長穴に沿って上下に摺動する構成とすることもできる。
また、摺動機構を備えない構成とすることもできる。この場合、上部電極31の昇降と完全に連動してシューター2が昇降することになる。このため、シューター2のナット保持部2bがナット溶接位置N2に達する前に、両分割片2L、2Rが互いに離間し始め、上部電極31が最下降してシューター2が最下降位置に達したのと同時に、シューター2が全開してシュート開状態となる構成とする必要がある。
このようにナット供給装置1に摺動機構を備えていない場合の開閉機構は、例えば、図11に示すとおりである。図11は、他の実施形態のナット供給装置51の正面図であって、シュート2が最上昇位置から下降する直前の状態を示している。ナット供給装置51においては、ナット供給装置1に備わっていたリニア軸受7を撤去して、クランプ6にヒンジベース5が直接固定されている。
ナット供給装置51の両固定ガイド板52L、52Rは、シュート2の両分割片2L、2Rを互いに離間させる機能と、互いに近接させる機能との双方の機能を兼ね備えている。両固定ガイド板52L、52Rは、いずれも前方及び後方に面を持つ板状部材であり、電極軸線に対して左右対称なJ字形状(フック形状)を呈している。各固定ガイド板52L、52RのJ字形状の各凹面は対向しており、この各凹面が各固定摺接面52S、52Tとなっている。各カムフォロア11L、11Rは、各固定摺接面52S、52Tに誘導されて、図中に破線で示している各カムフォロア11L’、11R’の位置まで下降する。これにより、両分割片2L、2Rは、図中に破線で示している各カムフォロア2L’、2R’の位置まで互いに離間する。
また、本実施形態においては、ナット供給装置1の開閉状態保持機構として、各アーム3L、3Rの後面とヒンジベース5の前面との間にボールプランジャー13L、13Rを取り付けているが、ボールプランジャーの取り付けは、この位置に限定されない。例えば、ボールプランジャーを両アーム3L、3R同士が重なっている隙間に配置することもできるし、ヒンジピン4の外周に配置することもできる。また、ボールプランジャーの代わりに、ゴム等の摺動抵抗発生部材を配置して、両アーム3L、3Rの開閉時に開閉抵抗が発生する構成とすることもできる。
また、開閉状態保持機構を備えない構成とすることもできる。この場合、シュート2を上昇させる際に、シュート2と溶接後のナットNとが接触する場合がある。しかし、シュート2が上昇を開始した直後においては、両カムフォロア11L、11Rと両固定ガイド板12L、12Rとが摺接していないため、シュート2が強制的に閉じられることはない。したがって、たとえシュート2と溶接後のナットNとが接触したとしても接触圧は非常に小さく、シュート2を上昇させる際の支障となることはない。
さらに、本実施形態におけるナット供給装置1のシュート2は、ナット取込口2aからナット保持部2bまで一律勾配の棒部材とされているが、シュートの勾配は一律勾配に限定されない。例えば、図12に示すナット供給装置61のように、側面から見てくの字に折れ曲がったシュート62とすることができる。
ナット供給装置61において、シュート62以外の構造は、本実施形態のナット供給装置1と同一である。シュート62は、本実施形態のシュート2と同様に、左右一対の分割片62L、62Rよりなる。シュート62のナット保持部62bは、シュート62の下部を水平方向にくの字に折り曲げることにより形成されている。ナットNは、ナット保持部62bに水平に保持される。
ナット保持部62bを構成する両分割片62L、62Rは、いずれも断面L字状を呈しており、両分割片62L、62Rが互いに近接している状態において、ナット保持部62bは、上方に開いた断面コ字状を呈している。したがって、ナット保持部62bの上部には、ナットNの挿通が可能な開口部62cが形成されている。また、ナット保持部62bの下面には、電極軸線を中心として、ナットNのねじ穴よりも径が大きく上下に貫通した円孔62dが形成されている。
シュート62の効果は次のとおりである。例えば、図12(a)に示すように、ナット保持部62bに保持されるナットNの中心と、上部電極31及び下部電極32の電極軸線(図中の一点鎖線)とがずれている場合を想定する。図12(a)に示す状態から、シュート62が下降すると、下部電極32の位置決めピン32aの先端が、ナットNのねじ穴に干渉する。ここで、シュート62においては、ナットNがナット保持部62bに水平に保持されているため、ナットNが傾いた状態で保持される場合よりも、位置決めピン32aとナットNとが干渉しにくい。
また、図12(a)に示す状態から、シュート62がさらに下降すると、ナットNが位置決めピン32aにより持ち上げられて、図12(b)に示すようにナットNが傾く。このとき、ナットNがシュート62の内壁等に引っ掛かることなく、ナットNの一部が開口部62cから上方に露出するため、ナットNを位置決めピン32aに載置する際のエラーが発生しにくい。
1 … ナット供給装置 2 … シュート
2a … ナット取込口 2b … ナット保持部
2L、2R … 分割片 3L、3R … アーム
4 … ヒンジピン 7 … リニア軸受(摺動機構)
7L、7R … 可動ガイド板 7S、7T … 可動摺接面
12L、12R … 固定ガイド板 12S、12T … 固定摺接面
13L、13R … ボールプランジャー(開閉状態保持機構)
20 … ナット切り出し装置 21 … ナット整列部
22 … 堰き止めブロック 23 … 可動ブロック
30 … プロジェクション溶接機(抵抗溶接機)
31 … 上部電極(可動部材) 32 … 下部電極
34 … 上部支持部(非可動部材) 51 … ナット供給装置
52L、52R … 固定ガイド板 52S、52T … 固定摺接面
61 … ナット供給装置 62 … シュート
62b … ナット保持部 62L、62R … 分割片
N … ナット N1 … ナット待機位置
N2 … ナット溶接位置

Claims (6)

  1. 抵抗溶接機の上部電極と下部電極との間の下部電極上に溶接用のナットを供給するナット供給装置であって、
    前記ナット供給装置は、上端のナット取込口から取り込んだ前記ナットを下端のナット保持部に向けて滑落移送するシュートと、該シュートを昇降する昇降機構と、該シュートを開閉する開閉機構と、を備え、
    前記シュートは、該シュートの軸線に沿って分割され互いに水平方向に近接又は当接及び離間する一対の分割片よりなり、該シュートの前記ナット保持部は、前記上部電極及び前記下部電極の電極軸線上に配置されており、
    前記昇降機構は、前記ナット保持部が前記下部電極から最も離れた最上昇位置と、該ナット保持部が該下部電極と略同一高さまで下降した最下降位置と、の間で前記上部電極の昇降に連動して前記シュートを昇降する機構であり、
    前記開閉機構は、前記シュートの前記一対の分割片が互いに近接又は当接することにより前記ナット保持部が形成されるシュート閉状態と、該シュートの該一対の分割片が互いに離間することにより該ナット保持部が形成されないシュート開状態と、を切替える機構であり、
    前記昇降機構及び前記開閉機構は、前記抵抗溶接機の可動部材である前記上部電極と、該抵抗溶接機の非可動部材との相対的な上下動に連動した機械的な機構のみにより作動し、該上部電極が最上昇して前記シュートが前記最上昇位置にあるときに前記シュート閉状態となることにより前記ナット取込口から取り込んだ前記ナットが前記ナット保持部に向けて滑落移送され、該上部電極が最下降して該シュートが前記最下降位置にあるときに前記シュート開状態となることにより該ナット保持部による該ナットの保持が解除されて該ナットが前記下部電極上に載置されることを特徴とするナット供給装置。
  2. 前記昇降機構は、前記上部電極と前記シュートとの間に、該上部電極と該シュートとの相対的な上下摺動を可能とする摺動機構を備え、
    前記摺動機構によって、前記上部電極の昇降ストロークは、前記シュートの昇降ストロークよりも大きく、該上部電極が最上昇したときに、該シュートが前記最上昇位置に位置すると共に、該シュートが前記最下降位置まで下降した状態で該上部電極を更に下降させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載のナット供給装置。
  3. 前記摺動機構は、前記シュートがリニア軸受を介して前記上部電極に固定されていることにより該上部電極と該シュートとの相対的な上下摺動を可能とする機構であることを特徴とする請求項2に記載のナット供給装置。
  4. 前記開閉機構は、前記シュートの前記一対の分割片が自己の下端のそれぞれに取り付けられ互いに交差する一対のアームと、両該アームの交差位置に取り付けられ両該アームを回動可能に保持するヒンジピンと、前記上部電極に固定され該上部電極と連動して昇降する可動ガイド板と、前記抵抗溶接機の前記非可動部材に固定された固定ガイド板と、を備え、
    前記可動ガイド板は、各前記アームの各上端に摺接する可動摺接面を有し、前記上部電極と連動して該可動ガイド板が下降するときに、該可動摺接面が各該アームの各該上端を互いに離間する方向に押し広げることによって、前記シュートが前記シュート開状態となり、
    前記固定ガイド板は、各前記アームの各上端に摺接する固定摺接面を有し、前記上部電極と連動して前記シュートが上昇するときに、該固定摺接面が各該アームの各該上端を互いに近接する方向に押し狭めることによって、前記シュートが前記シュート閉状態となることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載のナット供給装置。
  5. 前記開閉機構は、前記シュートをシュート閉状態及び/又はシュート開状態に保持する開閉状態保持機構を備え、
    前記開閉機構は、前記開閉状態保持機構が前記シュートをシュート閉状態及び/又はシュート開状態に保持する保持力に抗して該シュートを開閉することが可能であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載のナット供給装置。
  6. 前記ナット供給装置は、前記シュートの前記ナット取込口に前記ナットを1個ずつ供給するナット切り出し装置を備え、
    前記ナット切り出し装置は、前記抵抗溶接機の前記非可動部材に固定され複数個の前記ナットを自己の傾斜面上に整列して保持するナット整列部と、該ナット整列部の下端に固定され該ナット整列部に整列した複数個の該ナットのうちの最下方の該ナットの側面に当接することにより該ナットの滑落を阻止する堰き止めブロックと、該堰き止めブロックと隣接し該ナット整列部に整列した複数個の該ナットのうちの最下方の該ナットの下部に配置された上下可動の可動ブロックと、を備え、
    前記シュートと連動して前記可動ブロックが上昇することにより、該可動ブロック上の1個の前記ナットが上昇して、該ナットが前記堰き止めブロックを乗り越えて、該ナットが該シュートの前記ナット取込口に供給されることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか1項に記載のナット供給装置。
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