JP4849935B2 - 内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定方法及び寿命推定装置 - Google Patents

内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定方法及び寿命推定装置 Download PDF

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Description

本発明は、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の初期内部抵抗値を推測することにより内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命を推定する鉛蓄電池の寿命測定方法並びに寿命測定装置に関するものである。
近年、鉛蓄電池、特に制御弁式鉛蓄電池が保守の容易さ、配置の自由度等のメリットから産業分野で広く採用されるようになってきている。
この制御弁式鉛蓄電池を、商用電源に停電等の異常事態が発生した時、商用電源に代わり負荷へ電力を供給する非常時用(バックアップ用)電源として使用する場合は、その信頼性が非常に重要となる。もし、制御弁式鉛蓄電池に異常が発生し、期待(設計上)の性能が発揮できないような事態が生じた時には関連部門に多大の影響を与えることとなり、その損害は非常に大きくなる。そのため非常時用(バックアップ用)電源としては、通常10年とか15年補償と称し、10年とか15年経過後は鉛蓄電池が良かろうが悪かろうが交換時期到来として無条件で交換される。従って、何時設置したかは重要な事項であり記録されている。非常時用(バックアップ用)電源によってはその間一度も使用(放電)されずに交換されるものもある。また、例えば10年補償品で9年目に停電が発生したが鉛蓄電池が劣化して負荷への電力供給がなされず関連部門に多大の影響を与えるケースもある。
このため、制御弁式鉛蓄電池の性能を常にチェックし、期待の性能が発揮できているか否かを確認することは極めて重要な作業となっている。しかし、制御弁式鉛蓄電池を組み込んだ電源設備においては、制御弁式鉛蓄電池のチェック時に得られる情報は電圧と温度のみに限定され、しかも、制御弁式鉛蓄電池は常時微小電流で充電が継続されているため、制御弁式鉛蓄電池の電圧は外部電源に支配され、電圧だけでは正確に電池の状態を判断することができず、直接制御弁式鉛蓄電池の状態を知ることはできない。この現状は鉛蓄電池においても同様である。
商用電源のバックアップ電源として使用中の鉛蓄電池や制御弁式鉛蓄電池の性能チェック(以下寿命判定と言うこともある)には種々の方法が提案されている。
例えば、本出願人は特許文献1で、鉛蓄電池の内部抵抗と残存容量の関係を研究し、内部抵抗値が低い初期の状態では、内部抵抗と残存容量の関係に明確な相関はなく、ある程度内部抵抗が高くなるとその相関関係はより明確になることを突き止め、内部抵抗値が低い状態の数値は削除し、ある一定値以上になってから以後の内部抵抗値と残存容量の相関関係を近似式で求め寿命判定を行う方法を提案している。即ち、鉛蓄電池の内部抵抗を測定することにより、内部抵抗値が低い期間は残存容量が100%であると推認し、ある一定値以上になってから以後は両者の相関関係を利用して、鉛蓄電池の内部抵抗により鉛蓄電池の充電状態を監視する手法を提案した。
また、これら据置用(バックアップ用)鉛蓄電池は、商用電源異常時に負荷への充分な電力量を供給し得る残存容量が要求され、それを下回った場合は、これを寿命として交換する必要があるため、上記内部抵抗の測定による鉛蓄電池の状態監視に加えて、鉛蓄電池の寿命末期を予測する必要があり、前記特許文献1では、測定時期から過去の一定期間の内部抵抗を基に、新たな近似式を提案し、これを基に寿命時期を予測する手法を提案している。
また、本出願人は特許文献2で、鉛蓄電池の内部抵抗の変化率、即ち、直前の内部抵抗値とそれ以前に測定した内部抵抗値とを比較し、どれだけ内部抵抗値が変化したかを見ることで、鉛蓄電池の寿命を推定する手法を提案している。
更に、特許文献3で、内部抵抗が初期値の所定倍となったときに寿命末期と判定する方法が提案されている。
特開2002−334725号公報 特開2002−343444号公報 特開平4−104481号公報
上述した手法では鉛蓄電池の内部抵抗を測定し、内部抵抗の増加度を基準にその寿命を判定している。しかし、鉛蓄電池の内部抵抗は電池の極板構成、接続構成、容量等により大きく影響を受けるため、判断に誤差が生じる可能性がある。また、内部抵抗の測定値が同じ測定値でも、測定周波数によって判定結果が異なる場合がある。即ち、同じ形式の鉛蓄電池でも、製造メーカの違い、測定方法の違い等で、判定結果が一律でなくなるという問題点がある。
特許文献1或いは特許文献3に記載されるように、鉛蓄電池の寿命判断では内部抵抗の初期値が重要である。しかし、既に設置された鉛蓄電池に途中から寿命を判断すべき判定装置を取り付ける場合、内部抵抗の初期値が不明な場合がある。そのような場合には内部抵抗の初期値から寿命を判断する判定装置を設けることができない、という課題がある。
本発明は、かかる従来の手法に改良を施し、既に設置された鉛蓄電池に途中から寿命判定装置を設置するような状態であっても内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の内部抵抗初期値を求めることができ、この推された初期値により、寿命を判定するようにしたもので、鉛蓄電池の製造メーカの違い、製造ロッドの違い、測定方法の違い等があっても、判定結果が一律な、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の劣化判定手法(内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定方法び寿命推定装置)を提供するものである。
本発明の内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定方法は、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の内部抵抗値を経時的に複数回測定し、該複数の内部抵抗測定値とその測定時の設置経過年数との関係から設置経過年数に応じて1次または2次どちらかの多項式近似式を求め、該近似式から内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の初期の内部抵抗値を算出して推測し、該推測した初期の内部抵抗推測値に所定の係数を掛けて寿命末期の内部抵抗値を算出し、この寿命時の内部抵抗値から、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命年数を推定する。
また、本発明の鉛蓄電池の寿命推定装置は、内部抵抗測定手段と、該内部抵抗測定手段で経時的に測定した複数回の内部抵抗測定値から、該複数の内部抵抗測定値とその測定時の設置経過年数との関係から設置経過年数に応じて1次または2次どちらかの多項式近似式を計算する近似式演算手段と、該演算手段で近似した近似式から内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の初期の内部抵抗値を算出して推測する推測手段と、該推測手段で推測した初期の内部抵抗推測値に所定の係数を掛けて寿命末期の内部抵抗値を算出する算出手段と、この寿命時の内部抵抗値から、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命年数を推定する内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定手段を有する。
このように本発明は、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の設置年数と測定した複数の内部抵抗値とから1次または2次どちらかの多項式近似式を求め、該近似式により鉛蓄電池の初期内部抵抗値を算出して推測する。そして、推測した初期内部抵抗値に所定の係数を掛けて寿命時期の内部抵抗値を算出し、この寿命時の内部抵抗値から内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命年数を推定するものである。
本発明によれば、鉛蓄電池の製造メーカの違い、製造ロッドの違い、測定方法の違い等があっても、鉛蓄電池の劣化判定が一律にできる寿命測定方法並びに寿命測定装置を提供することができる。また、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池にも適用して容易に内部抵抗の増加度を基準にその寿命を判定することができる。
鉛蓄電池は設置後の経過と共に少しずつ劣化が進行する。そこで、その劣化判定を鉛蓄電池の内部抵抗値で判断する。
鉛蓄電池の内部抵抗は、該鉛蓄電池の製造メーカの違い、特に国際化に伴う海外電池の流入等で製造メーカは多様化し、また、同一メーカの製造した電池でも製造ロット(時期)や設計変更で違い、一律ではない。鉛蓄電池の初期の内部抵抗値は製造メーカによっては記録を保存しているところもあるが、ほとんどは時間の経過と共に不明となる場合が多い。
本発明は、初期の内部抵抗値が不明な鉛蓄電池に対し、現在の内部抵抗測定値から鉛蓄電池の初期内部抵抗値を推測し、その結果を基に鉛蓄電池の寿命を推定する内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の初期内部抵抗値の推方法、該内部抵抗値推方法を備えた内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定(劣化判定)装置である。
鉛蓄電池の内部抵抗値は一般に、設置初期はほぼ一定であり、その後直線状に緩やかに増加し、寿命末期に近づくと急速に増加することが知られている。即ち、鉛蓄電池の内部抵抗値は、種々の測定実績より設置後2〜3年程度までは初期値を維持していることが実証されている。本発明では、かかる実証結果より、設置後の経過年数と現在の内部抵抗測定値とのトレンドから、1次または2次式にて設置後2〜3年目または5年目の内部抵抗値を算出して推測し、これを初期値とし、この初期値と現在の測定値から鉛蓄電池の寿命を推定する。
鉛蓄電池の設置年数は、上述したように記録に残っているが、残っていない場合でも、例えば設置現場の記録、或いは保存年数が決められている請求書や納品書により確認している。
本発明は、鉛蓄電池の内部抵抗値が経時的に変化することに基づき、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の設置年数と内部抵抗値との関係から鉛蓄電池の初期内部抵抗値を推測し、推測した初期内部抵抗値と測定値とを比較し、例えば160%増加し、或いは200%増加した時点で寿命である、との寿命推定(劣化判定)を行う。
以下、本発明を実施形態に基づき詳細に説明する。
<実施形態1>
図1は期待寿命が7年の代表的な制御弁式鉛蓄電池(以下単に鉛蓄電池という)の設置年数と内部抵抗値との関係と、設置年数と電池容量比との関係を示すもので、図においてグラフ1は内部抵抗値の変化を、グラフ3は電池容量比の変化を示している。このグラフから分かるように、鉛蓄電池の内部抵抗値は1〜3年程度の設置初期には内部抵抗値はほとんど変化しない。設置年数が4〜5、6年になると内部抵抗値は直線的に増加し、更に6、7年を過ぎ寿命に近づくと2次式に近似して増加する。
図1に示す内部抵抗値と設置年数との関係を1年目の測定値を100として表1及び図2に示す。
表1、図2より、鉛蓄電池の設置年数が3年以内は内部抵抗の測定値は100である。設置年数が4、5年目の鉛蓄電池の内部抵抗測定値から3年目の初期内部抵抗の推測値「Y」を推すると、設置年数を「X」とすると1次近似式は次の通りとなる。
Y=6X+80
この式より、3年目の推値「Y」は
Y=6×3+80=98
となり、表1の実測値「100」に近似した数値となる。
設置年数が5年以上については、表1の実測データ(5年経過後以降のデータを適用)に基づいて図2より2次近似式を求めた。設置年数を「X」、推測値を「Y」とすると2次近似式は次の通りである。
Y=1.5833X−9.5167X+111.33
この式より、3年目の推測値「Y」を推測すると、
Y=1.5833×32−9.5167×3+111.33=97
となり、表1の実測値「100」に近似した数値となる。
上述したように、内部抵抗の実測値を設置年数にしたがってグラフ化し、そこから1〜3年目は測定値を初期値とし、3、4年目は測定値から1次近似式で3年目の内部抵抗値を推測し、5年目以降は2次近似式で3年目の内部抵抗値を推測する。そして、かかる初期内部抵抗の推測値から、該初期内部抵抗値と実際の測定値との比率において、例えば初期内部抵抗値の160%或いは200%を越えた時点で電池寿命であると判定する。
このように、設置年数により1次近似式、または2次近似式どちらかにより正確に初期内部抵抗値を推測し、その推測結果に一定の係数(例えば1.6、2.0)を掛けて寿命末期の内部抵抗値を算出し、この寿命時の内部抵抗算出値から電池寿命を判定することができる。
また、上記2次近似式により所定設置年数経過後の内部抵抗値を算出して推測し、その値が一定値を超える時点を鉛蓄電池の寿命と判定し、その時点で例えば警報で、ランプ表示で、或いは画面表示等で警告するように計測装置をセットすることができる。
具体的には、図2において、初期内部抵抗値の160%〜200%に達する時期は設置後10〜11年目であり、この推測結果から例えば設置後10年経過時点で警報するように計測装置をセットする。または、初期値の160%を越える内部抵抗値を測定した時点で警報するように計測装置をセットする。
<実施形態2>
期待寿命が12年の代表的な制御弁式鉛蓄電池(以下単に鉛蓄電池という)の内部抵抗の測定結果を、設置年数1年目の測定値を100として表2及び図3に示す。なお、電池寿命はその期待寿命が12年でも12年以上持つように製作されているので、本実施形態では15年目までの測定値を示している。
鉛蓄電池の内部抵抗値はその設置、運用開始から5年以内ではほぼ一定である。したがって、設置から5年以内であれば、測定した内部抵抗値を初期内部抵抗値とみなして問題がない。
設置後5年以降については、その間の時間経過にしたがって内部抵抗は増加傾向を示す。この増加傾向は、設置後5年から8年目までは1次近似式に従った増加となり、9年目以降は2次近似式に従った増加を示す。
設置年数が5年〜8年目からの初期内部抵抗の推測値「Y」を推する1次近似式は、設置年数を「X」とすると次の通りである。
Y=aX+b
この式と表2より
8年目の測定値からは 105=8a+b
6年目の測定値からは 102=6a+b
なり、
a=1.5、 b=93
従って
Y=1.5X+93
この式より、5年目の推値Yは
Y=1.5×5+93=100.5
となり、表2の5年目の実測値「101」と一致する。
設置年数が9年以上については、図3から2次近似式を求めると次の通りとなる。
Y=0.8202X−8.0539X+115.96
この式より、5年目の推値「Y」は、
Y=0.8202×5−8.0539×5+115.96=96.2
となり、表2の5年目の実測値「101」と5%程度の誤差で推することができる。
上述したように、内部抵抗の実測値を設置年数にしたがってグラフ化し、そこから1〜5年目は測定値を初期値とし、5年目以降8年目までは測定値から1次近似式で5年目の内部抵抗値を推測し、9年目以降は2次近似式で5年目の内部抵抗値を推測する。そして、かかる初期内部抵抗の推測値から、該初期内部抵抗値と実際の測定値との比率において、例えば初期内部抵抗値の160%或いは200%を越えた時点で電池寿命であると判定する。
このように、設置年数により1次近似式、または2次近似式どちらかにより正確に初期内部抵抗値を推測し、その推測結果に一定の係数(例えば1.6、2.0)を掛けて電池寿命を判定することができる。
また、上記2次近似式により所定設置年数経過後の内部抵抗値を、図3にグラフ2(実線)で示すように算出して推測し、その値が一定値を超える時点を鉛蓄電池の寿命と判定し、その時点で例えば警報で、ランプ表示で、或いは画面表示等で警告するように計測装置をセットすることができる。計測装置をセットする手法は実施形態1と同様である。
<実施形態3>
期待寿命12年の初期内部抵抗値が0.23mΩの制御弁式鉛蓄電池につき、加速寿命試験により設置年数が6年目相当時期の内部抵抗値を測定し、0.25mΩの測定値をた。次いで、8年目相当時期の内部抵抗値を測定した結果、0.28mΩの測定値をた。この結果から2次近似式を表計算ソフト、MICROSOFT EXCEL(登録商標)で計算し、3年目の内部抵抗値を算出した結果、0.24mΩの計算値が算出され、この数値は鉛蓄電池の初期内部抵抗値とほぼ一致した。
<実施形態4>
期待寿命が15年の制御弁式鉛蓄電池(以下単に鉛蓄電池という)の内部抵抗を、加速寿命試験(45℃)で実施し、常温換算(25℃)での経過年数に相当する内部抵抗値を測定し、その測定値を表3に、その推移を図4のグラフ1に示す。
図4の全データから2次近似式を求めると次の通りとなる。
Y=0.0026X+0.00225X+0.3317
この近似式で求めた各年度の計算値を表3と図4にグラフ2としてそれぞれ併記した。
この鉛蓄電池につき、設置後4年間の測定データがなく、5年目から10年目までのデータが得られたと仮定した場合、設置年数と内部抵抗値の関係は表4、図5で示すようになる。
この表4、図5から鉛蓄電池の設置年数を「X」、内部抵抗の推測値を「Y」とし2次近似式を求めると次の通りとなる。
Y=0.0025X+0.0002X+0.298
この近似式から算出した設置1年目〜4年目の推測値、及び5年目以降の推測値並びに推測値と測定値の誤差率を表4に併記した。
表4より明らかなように、3年目の推測値(計算値)と実測値との誤差は4%以内であり、この推値から電池寿命を初期値の160%増加として寿命を計算すると、13年目となり、実測値の13年目の値(173%)とほぼ一致する。
図6は期待寿命10年の制御弁式鉛蓄電池の電池寿命を判定するフローチャートである。
ステップ1(ST1)
内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の内部抵抗値を内部抵抗測定手段で測定する。内部抵抗の測定手段は公知の方法(手段)で測定することができる。内部抵抗は時間をおいて2回乃至複数回測定する。測定はその回数が多ければ近似式も正確になるが、2乃至3回測定すれば、その値から次式または次式を作成できる。測定間隔は何時間かずらせば理論上は可能であるが、近似式の正確さを求めると、週単位、或いは月単位、年単位で測定することが好ましい。
ステップ2(ST2)
鉛蓄電池の設置年数が3年以内か否かを判断する。設置年数は上述したように、現場における記録、或いは購入伝票等で、容易に知ることができる。電池の設置年数が3年以内であればその測定値を鉛蓄電池の初期内部抵抗値と見做し、記録する(ST3)。電池の設置年数が3年以上経過している場合にはステップ4(ST4)に進む。
ステップ4(ST4)
測定結果をグラフ化し、グラフから電池の設置年数に基づき近似式演算手段、例えばエMICROSOFT EXCEL(登録商標)等の表計算ソフトにより近似式を求める。
ステップ5(ST5)
近似式は、設置後5年以内であれば1次近似式を、5年以上であれば2次近似式を導き出し、初期内部抵抗推測手段で近似式から3年目の内部抵抗値を推測する。
ステップ6(ST6)
1次近似式、或いは2次近似式で推測した3年目の内部抵抗推測値に所定の係数を掛けて寿命末期の内部抵抗値を算出する算出手段と、この寿命時の内部抵抗算出値から鉛蓄電池の寿命年数を推定する電池寿命推定手段で鉛蓄電池の寿命を推定する。例えば初期内部抵抗値の160%で寿命と判定するときには、推測した初期値の1.6倍の数値を上回る内部抵抗値になった時点で鉛蓄電池の寿命年数である、と推定する。
或いは、近似式にて寿命年数を推定し、その年数になった時点で寿命である、との判定を下す。
ステップ7(ST7)
判定結果より、内部抵抗値で判定を下すときには寿命時点の内部抵抗値を例えば計測装置に記憶させ、内部抵抗値が寿命の数値に達したときに警報、表示等でその寿命を知らせる。
寿命判定を年数で判定したときには、年数経過時点で適宜な方法により、寿命であることを知らせる。
以上のように、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命を判定(推定)したならば、設置現場に寿命を知らせる手段を設ける。例えば、電池寿命が来たことを知らせる警報装置を設置する。
或いは、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池を監視する測定器内に本発明のデータ演算プログラム(演算機能)をセットし、定期的にプログラムを作動させて内部抵抗値から寿命判定を行い、寿命と判断したときに上記警報手段、或いはLEDの点灯等々の方法で表示し、電池寿命による事故を未然に防ぐことができる。
以上は鉛蓄電池の期待寿命により5年目、9年目で近似計算式を変える実施形態につき説明したが、電池の性能は長い経験から、その内部抵抗値の変化を推することができ、経験に基づく内部抵抗値の変化により、1次近似式を採用するか、2次近似式のどちらを採用するか、その分岐点を判断することができる。
本発明によれば、鉛蓄電池の製造メーカの違い、製造ロッドの違い、測定方法の違い等を問わずに、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の劣化判定を一律にできる寿命測定方法並びに寿命測定装置を提供することができる、優れた効果を発揮することができる。
期待寿命7年の鉛蓄電池の内部抵抗値測定結果と電池容量の測定結果を示すグラフである。 期待寿命7年の鉛蓄電池の内部抵抗値測定結果と近似式による算出結果を示すグラフである。 期待寿命12年の鉛蓄電池の内部抵抗値測定結果と近似式による算出結果を示すグラフである。 期待寿命15年の鉛蓄電池の内部抵抗値測定結果と近似式による算出結果を示すグラフである。 期待寿命15年の鉛蓄電池において、設置後5年〜10年の内部抵抗値測定結果を示すグラフである。 本発明の内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命を判定する手順を示すフローチャートである。
1 実測結果のグラフ
2 推測値(計算値)のグラフ

Claims (2)

  1. 内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の内部抵抗値を経時的に複数回測定し、該複数の内部抵抗測定値とその測定時の設置経過年数との関係から設置経過年数に応じて1次または2次どちらかの多項式近似式を求め、該近似式から内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の初期の内部抵抗値を算出して推測し、該推測した初期の内部抵抗推測値に所定の係数を掛けて寿命末期の内部抵抗値を算出し、この寿命末期の内部抵抗値から、内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命年数を推定する内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定方法。
  2. 内部抵抗測定手段と、該内部抵抗測定手段で経時的に測定した複数回の内部抵抗測定値から、該複数の内部抵抗測定値とその測定時の設置経過年数との関係から設置経過年数に応じて1次または2次どちらかの多項式近似式を計算する近似式演算手段と、該演算手段で近似した近似式から内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の初期の内部抵抗値を算出して推測する推測手段と、該推測手段で推測した初期の内部抵抗推測値に所定の係数を掛けて寿命末期の内部抵抗値を算出する算出手段と、この寿命時の内部抵抗値から内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命年数を推定する電池寿命推定手段とからなる内部抵抗の初期値が不明な鉛蓄電池の寿命推定装置。
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