JP4849506B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

遊技媒体が投入される投入口を有するスロットマシンに関する。
スロットマシンにおいて、投入口から投入された遊技媒体を、遊技の賭けの対象として受け入れるか、又は受け入れを拒否するかを定めるために、遊技媒体は、選別装置によって選別される。この選別装置には、遊技媒体が通過したことを検出するための通過センサが設けられている。
この通過センサは、投入された遊技媒体を受け入れるときには、遊技媒体の通過を検出し、通過したことを示す信号を発する(例えば、特許文献1参照)。
特許2657353号公報
上述したように、従来のスロットマシンでは、投入された遊技媒体を受け入れるときには、遊技媒体の通過を検出していたが、遊技媒体を拒否するときには、遊技媒体は外部に排出されるため、遊技媒体がセンサの近傍を通過することはあり得ないとして、遊技媒体の通過を検出していなかった。
このため、遊技媒体を拒否するときに、投入口から遊技媒体以外の異物が入れられた場合には、そのことを検出することができないため、あたかも遊技媒体が投入されたかのようにスロットマシンを誤認させる不正器具が投入口から入れられたときであっても、そのような器具が入れられたことを検出できず、不正行為を的確に防ぐことができなかった。
また、投入口からメダルが投入されたときに、内部でメダルが滞留する場合がある。このような場合に、メダルの存在を検出するセンサから所定時間以上信号が発せられ続けると、メダルの滞留が発生したと判別して、エラーを表示していた。しかし、その後、メダル滞留スイッチの操作等によってメダルの滞留を解除できた場合には、遊技者や管理者等の対応処理が煩雑になることを避けるため、エラーを自動的に解除するようにしていた。
さらに、メダルが滞留したときには、遊技媒体の受入を拒否するようにしていたが、上述したように不正行為を防止するために、メダルが滞留したときにおいても、常にセンサからの信号を検出して異物の存在を監視するようにした場合には、自動的にメダルの滞留を解除できたような場合であっても、異物が存在すると判別され、遊技者や管理者等を煩わせることにもなり得る。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技媒体の選別装置の状態にかかわらず、投入口からの物体の存在を検出し、不正行為を的確に防ぐとともに、メダルの滞留が生じたと判別されたときに、遊技者や管理者等を煩わせることなく、かつ、異物の存在を的確に検出することができるスロットマシンを提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明においては、存在信号に基づいて遊技媒体が滞留していると判別したときには、被検出物体が存在するか否かの監視を禁止する。
具体的には、本発明に係るスロットマシンは、
遊技媒体が投入される投入口を含み、前記遊技媒体が投入されたことに基づいて遊技が行われるスロットマシンであって、
投入口から投入された遊技媒体を選別する遊技媒体選別手段であって、投入された遊技媒体の受け入れを許可する許可状態、又は投入された遊技媒体の受け入れを拒否する拒否状態となる遊技媒体選別手段と、
前記遊技媒体を含む被検出物体の存在を検出し、前記被検出物体の存在を検出したときには存在信号を発する検出手段と、
前記遊技の進行に基づいて、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態にするための、または前記遊技媒体選別手段を前記拒否状態にするための制御信号を前記遊技媒体選別手段に発する選別制御手段と、を含み、かつ、
前記選別制御手段は、
前記存在信号に基づいて前記遊技媒体選別手段において前記遊技媒体が滞留したか否かを判別し、前記遊技媒体が滞留したと判別したことに基づいて、前記被検出物体の存在の監視を禁止する存在監視手段を含むことを特徴とする。
本発明に係るスロットマシンは、遊技媒体が投入される投入口を含む。この投入口に遊技媒体が投入されたことに基づいて、スロットマシンにおける遊技が行われる。ここで、遊技媒体は、スロットマシンにおける遊技の結果を反映させるものや賭けの対象となるものでありメダルやコイン等に対応する。
また、本発明に係るスロットマシンは、遊技媒体選別手段を含む。この遊技媒体選別手段は、投入口から投入された遊技媒体を選別する。具体的には、投入口から投入された遊技媒体が正規のものであるか否かを選別する。また、遊技媒体選別手段は、許可状態又は拒否状態となる。ここで、許可状態とは、投入された遊技媒体の受け入れを許可する状態である。受け入れられた遊技媒体は、遊技の進行に関与することができる。また、拒否状態とは、投入された遊技媒体の受け入れを拒否する状態である。受け入れが拒否された遊技媒体は、遊技の進行に関与することができない。
遊技媒体選別手段が可動部材を含み、許可状態又は拒否状態は、可動部材によって、実現するものが好ましい。例えば、可動部材が第1の位置に位置するときに、遊技媒体選別手段は許可状態となり、可動部材が第2の位置に位置するときには、遊技媒体選別手段は拒否状態となるものが好ましい。さらに、遊技媒体選別手段に含まれる可動部材は、制御手段によって、第1の位置と第2の位置とに移動できるように駆動制御されるものが好ましい。
さらに、本発明に係るスロットマシンは、検出手段を含む。この検出手段は、遊技媒体を含む被検出物体の存在を検出する。特に、検出手段は、遊技媒体のみならず、被検出物体が存在するか否かも検出する。検出手段は、被検出物体の有無に応じて検出信号を発する。この検出信号は、被検出物体が存在するときには、信号を発し、被検出物体が存在しないときには、信号を発しないものでもよい。また、被検出物体が存在するときには、第1の信号を発し、被検出物体が存在しないときには、第2の信号を発するものでもよい。
ここで、存在とは、検出手段の検出範囲に滞在する場合のみならず、検出手段の検出範囲を通過することも含む。検出範囲とは、検出手段が被検出物体を検出することができる空間的な範囲をいう。
また、検出手段から発せられる検出信号に応じて、滞在又は存在したか、通過したかを区別して処理してもよい。例えば、検出信号が検出手段から発せられていた時間が所定の時間よりも短いときには、通過とし、検出信号が発せられていた時間が所定の時間よりも長いときには、滞在又は存在として、これらを区別してもよい。これらの区別は、検出信号が供給された制御手段によって判断される。
さらに、検出手段は、被検出物体の有無を検出して信号を発することができるものであればよく、光学式のものや、機械的な接触式のもののみならず、電磁場等を発する電磁的なものでもよい。
さらにまた、本発明に係るスロットマシンは、選別制御手段を含む。この選別制御手段は、制御信号を遊技媒体選別手段に発する。この制御信号は、遊技媒体選別手段を許可状態にするか、遊技媒体選別手段を拒否状態にするかのための信号である。制御信号が供給された遊技媒体選別手段は、供給された制御信号に応じて、許可状態又は拒否状態になる。選別制御手段は、制御信号を遊技の進行に基づいて遊技媒体選別手段に発する。すなわち、遊技の進行状況から遊技媒体選別手段を許可状態にすべきと判断したときには、許可すべき制御信号を遊技媒体選別手段に供給する。また、遊技の進行状況から遊技媒体選別手段を拒否状態にすべきと判断したときには、拒否すべき制御信号を遊技媒体選別手段に供給する。
上述した選別制御手段は、存在監視手段を含む。この存在監視手段は、存在信号に基づいて遊技媒体選別手段において遊技媒体が滞留したか否かを判別する。さらに、存在監視手段は、原則として、被検出物体の存在を監視するが、一定の場合には、監視を禁止する。この一定の場合とは、遊技媒体選別手段において遊技媒体が滞留していると判別したことに基づく場合である。なお、「遊技媒体が滞留していると判別したとき」であり、実際に、「遊技媒体が滞留したとき」とは相違する。すなわち、遊技媒体選別手段において遊技媒体が滞留したときには、検出手段から検出信号が発せられる。しかし、この検出信号は、遊技媒体が単に通過したときにも発せられる。このため、遊技媒体の単なる通過と区別するために、所定の条件を満たしたときのみに、遊技媒体が滞留したと判別する。この所定の条件とは、例えば、検出手段から一定時間検出信号が発せられ続けたことなどがある。このようにすることで、遊技媒体の単なる通過と、滞留とを区別して処理することができる。
上述したように、遊技媒体が滞留していると判別したことに基づいて、被検出物体の存在の監視を禁止する。すなわち、被検出物体の存在の監視を禁止するのは、遊技媒体が滞留していると判別したことに基づいていればよい。遊技媒体が滞留していると判別し、さらに、他の条件を満たしたときに、被検出物体の存在の監視を禁止すればよい。この他の条件とは、例えば、遊技媒体が滞留していると判別したときから、さらに所定の時間経過したことなどがある。このようにしたときには、遊技媒体が滞留していると判別し、その後所定の時間経過してから、被検出物体の存在の監視を禁止する。この所定の時間経過するまでの間は、被検出物体の存在の監視してもよいし、しなくてもよい。さらに、遊技媒体が滞留していると判別して、直ちに被検出物体の存在の監視を禁止してもよい。
このようにしたことによって、滞留していた遊技媒体が除去されて、滞留状態が解除されたような場合に、異物が存在するという誤った監視をすることがなくなり、遊技者や管理者等を煩わせないようにできる。
また、前記選別制御手段は、前記存在信号が前記検出手段から発せられたときに、前記存在信号が発せられたときを基準にして第1の所定時間が経過した場合であって、前記存在信号が前記検出手段から継続して発せられていた場合には、前記遊技媒体選別手段において前記遊技媒体が滞留していると判別するのが好ましい。
選別制御手段は、第1の所定時間が経過してから、遊技媒体が滞留していると判別する。この第1の所定時間の基準時は、存在信号が検出手段から発せられたときである。このようにしたことで、遊技媒体の単なる通過と、滞留とを区別して処理することができる。
前記存在監視手段は、前記存在信号が前記検出手段から発せられたときに、前記存在信号が発せられたときから第1の所定時間に至るまでに、前記存在信号が前記検出手段から発せられなくなった場合であって、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態から前記拒否状態へ変更した場合には、前記存在信号の監視を開始するものが好ましい。
存在監視手段は、2つの条件を満たしたときには、存在信号の監視を開始する。第1の条件は、存在信号が発せられたときから第1の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段から発せられなくなったことである。第1の条件は、例えば、遊技媒体の滞留が生じたときに、その後、なんらかの理由により、滞留を解除することができ、存在信号が検出手段から発せられなくなったような場合がある。第2の条件は、遊技媒体選別手段を許可状態から拒否状態へ変更したことである。この拒否状態にしたときには、遊技媒体は受け入れられないはずであるが、意図的に異物が入れられた場合を想定して検出する必要があるからである。
このような処理をすることにより、滞留を解除できた場合であっても、異物が入れられたか否かを監視することができ、不正行為を的確に防ぐことができる。
前記選別制御手段は、前記存在信号が前記検出手段から発せられたことに基づいて、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態から前記拒否状態へ変更する許否変更手段を含み、
前記許否変更手段は、
前記許可状態から前記拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、前記存在信号が前記検出手段から発せられなくなったときには、前記遊技媒体選別手段を前記拒否状態から前記許可状態へ変更し、
前記許可状態から前記拒否状態へ変更したときを基準にして前記第2の所定時間に至った後に、前記存在信号が前記検出手段から発せられなくなったときには、前記遊技媒体選別手段を前記拒否状態に維持するものが好ましい。
選別制御手段は、許否変更手段を含む。この許否変更手段は、存在信号が検出手段から発せられたことに基づいて、遊技媒体選別手段を許可状態から拒否状態へ変更する。
さらに、この許否変更手段は、以下の2つの動作をする。
第1の動作は、許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段から発せられなくなったときには、遊技媒体選別手段を拒否状態から許可状態へ変更する。「許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段から発せられなくなったとき」とは、例えば、遊技媒体が滞留し、それに基づいて、遊技媒体選別手段を許可状態から拒否状態へ変更し、変更したときから第2の所定時間に至るまでに、遊技媒体の滞留が解除できたような場合である。
第2の動作は、許可状態から拒否状態へ変更したときを基準にして第2の所定時間に至った後に、存在信号が検出手段から発せられなくなったときには、遊技媒体選別手段を拒否状態に維持する。この第2の動作は、第1の動作と異なり、例えば、許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至った後に、遊技媒体の滞留を解除できても、遊技媒体選別手段を拒否状態に維持する。
このようにしたことにより、第2の所定時間に至るまでに、遊技媒体の滞留が解除できた場合には、自動的に拒否状態から許可状態へ変更するので、遊技者やスロットマシンの管理者の手を煩わせることなく、遊技を続行することができる。これに対して、第2の所定時間に至った後に、遊技媒体の滞留が解除できたとしても、自動的に拒否状態から許可状態へ変更されず、拒否状態に維持されるので、スロットマシンを誤認させる不正器具が遊技媒体選別手段に入れられた場合に、そのような器具が入れられたことを的確に検出することができ、不正行為を防止することができる。
さらに、所定のエラーの発生を監視するエラー監視手段と、
前記エラー監視手段による監視結果に関する情報を表示する情報表示手段と、を含み、
前記選別制御手段は、
前記存在信号が前記検出手段から発せられたことに基づいて、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態から前記拒否状態へ変更したときには、不適切な状態が発生したことを示す発生情報を前記情報表示手段に表示する表示制御手段を含み、
前記表示制御手段は、
前記許可状態から前記拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、前記存在信号が前記検出手段から発せられなくなったときには、前記発生情報の表示を解除し、
前記許可状態から前記拒否状態へ変更したときを基準にして前記第2の所定時間に至った後に、前記存在信号が前記検出手段から発せられなくなったときには、前記発生情報の表示を維持するものが好ましい。
エラー監視手段は、所定のエラーの発生を監視する。エラーは、遊技者が遊技を進めるのに、不適切な状態になったり、困難な状態になったりしたことや、装置として異常が生じたこと等の不具合が発生したことを意味する。例えば、スロットマシンの状態を検出するための状態検出手段から発せられる信号を検出したり、遊技制御手段に設けられている記憶手段に記憶されている情報を読み出したりして、スロットマシンが適切な状態であるか否かを判断する。
さらに、本発明に係るスロットマシンは、情報表示手段を含む。情報表示手段は、上述したエラー監視手段による監視結果に関する情報を表示する。特に、監視結果が、スロットマシンに好ましくないものであるときに、その旨を情報表示手段に表示するものが好ましい。
上述した選別制御手段は、表示制御手段を含む。この表示制御手段は、所定の条件を満たしたときに、不適切な状態が発生したことを示す発生情報を情報表示手段に表示する。この所定の条件とは、存在信号が検出手段から発せられたことに基づいて、遊技媒体選別手段を許可状態から拒否状態へ変更したときである。
さらに、この表示制御手段は、以下の2つの動作をする。
第1の動作は、許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段から発せられなくなったときには、発生情報の表示を解除する。例えば、遊技媒体が滞留し、それに基づいて、遊技媒体選別手段を許可状態から拒否状態へ変更し、変更したときから第2の所定時間に至るまでに、遊技媒体の滞留が解除できたような場合には、滞留が発生したことを示す発生情報の表示を解除する。
第2の動作は、許可状態から拒否状態へ変更したときを基準にして第2の所定時間に至った後に、存在信号が検出手段から発せられなくなったときには、発生情報の表示を維持する。第2の所定時間に至った後に、遊技媒体の滞留が解除できたとしても、自動的に発生情報の表示を解除せずに、発生情報の表示を維持するので、不正行為が行われているような場合に、的確に発見して防止することができる。
また、操作者の操作によって、動作状態を初期化する初期化手段を含み、かつ、
前記許否変更手段によって、前記遊技媒体選別手段が前記拒否状態に維持されたときには、前記初期化手段の操作によって、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態に変更するものが好ましい。
本発明に係るスロットマシンは、初期化手段を含む。この初期化手段は、操作者の操作によって、動作状態を初期化する。
本発明に係るスロットマシンは、許否変更手段によって、遊技媒体選別手段が拒否状態に維持されたときには、初期化手段の操作によって、遊技媒体選別手段を前記許可状態に変更する。
上述した許否変更手段の第2の動作によって、第2の所定時間に至った後に、存在信号が検出手段から発せられなくなったときには、遊技媒体選別手段は拒否状態に維持される。このような場合は、不正行為による可能性が高いので、スロットマシンの管理者等によって、初期化しなければ、遊技を続行することができないようにしたものである。このようにすることで、不正行為をより的確に防ぐことができる。
前記許否変更手段は、前記存在信号が前記検出手段から発せられたときを基準にして第1の所定時間に至ったときに、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態から前記拒否状態へ変更するものが好ましい。
存在信号が検出手段から発せられたときには、遊技媒体を含む何らかの被検出物体が存在するので、遊技媒体の受入を拒否するのが好ましく、不正行為をより的確に防ぐことができる。
遊技媒体の選別装置の状態にかかわらず、投入口からの物体の存在を検出し、不正行為を的確に防ぐとともに、メダルの滞留が生じたと判別されたときに、遊技者や管理者等を煩わせることなく、かつ、異物の存在を的確に検出することができる。
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
<<スロットマシン10の構成>>
図1は、本実施形態に係るスロットマシン10の前面を示す正面図である。また、図2は、スロットマシン10の内部構造を示す図である。
図1及び図2に示すように、スロットマシン10は、箱形形状の基体部20と、前面扉40と、を含む。前面扉40は、基体部20の左側側部で枢支されて、基体部20の前面側で開閉可能に設けられている。図1は、前面扉40を基体部20に対して閉じた状態を示し、図2は、前面扉40を基体部20に対して略180度開放した状態を示す。
<前面扉40の前面>
前面扉40は、閉じられたときに基体部20の前面を覆うように、基体部20に開閉可能に取り付けられている。図1に示すように、前面扉40の前面には、主に、操作に関する部材と、表示に関する部材とが設けられている。また、前面扉40の背面には、主に、制御用の回路基板が設けられている。
<操作に関する部材>
図1に示すように、前面扉40の前面側(遊技者側)の略中央には、水平方向に伸長する操作パネル41が設けられている。操作パネル41の前面側には、スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cが設けられている。操作パネル41の上面側には、1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66や、メダル投入口46が設けられている。前面扉40の下部には、遊技の結果に基づいて払い出されたメダルを受けるための受け皿48も設けられている。
スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cは、遊技を進めるために遊技者によって操作されるスイッチである。スタートスイッチ42を遊技者が操作することによって、後述する3つのリール30L、30C及び30Rの回動が開始される。また、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを遊技者が操作することによって、操作されたストップスイッチに対応するリール30L〜30Rが停止される。
尚、1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66の機能については後述する。
操作パネル41の前面のメダル投入口46の近傍には、滞留解除ボタン43が設けられている。後述するように、メダル投入口46から投入されたメダルが内部で滞留したときに、この滞留解除ボタン43を押動操作することにより、滞留したメダルをメダル排出口49を介して受け皿48に戻すことができる。
<リール表示窓50とリール30L,30C,30R>
図1及び図2に示すように、前面扉40の前面の略中央部には、リール表示窓50が形成されている。図2に示すように、3つのリール30L〜30Rは、リールユニット28内に回転可能に収容されている。リールユニット28は、前面29が開放されており、後述するように、遊技者はリールユニット28の前面29に位置した図柄の種類を視認することができる。リールユニット28は、基体部20に固定された支持板26によって支持されている。前面扉40が閉じられたときには、リール表示窓50は、リールユニット28の前面29の前方に位置する。リール表示窓50は、透明な部材で覆われており、前面扉40が閉じられたときには、遊技者は、リール表示窓50を介してリール30L〜30Rに描かれている図柄の種類を視認することができる。
3つのリール30L〜30Rの各々には複数種類の図柄が付されている。図柄の種類は、例えば、数字の「7」や、果物の「チェリー」等の遊技者が識別できるものである。また、後述するように、3つのリール30L〜30Rが停止したときには、リール表示窓50において、9個の図柄が視認可能に停止表示される。
<リール30L,30C,30Rとストップスイッチ44a,44b,44c>
左リール30Lは、左側のストップスイッチ44aに対応し、中リール30Cは、中央のストップスイッチ44bに対応し、右リール30Rは、右側のストップスイッチ44cに対応する。これにより、左側のストップスイッチ44aを遊技者が操作したときには左リール30Lが停止し、中央のストップスイッチ44bを遊技者が操作したときには中リール30Cが停止し、右側のストップスイッチ44cを遊技者が操作したときには右リール30Rが停止する。
<リール表示窓50と入賞ラインL1〜L5>
上述したように、リール表示窓50は透明な部材で覆われている。図1に示すように、リール表示窓50には、5本の入賞ラインL1〜L5が描かれている。このようにすることで、遊技者は、リール表示窓50を介して図柄の種類を視認することができるとともに、リール表示窓50上の5本の入賞ラインL1〜L5をも視認することができる。
入賞ラインL1は、水平方向に延びる中段の直線であり、入賞ラインL2は、水平方向に延びる上段の直線であり、入賞ラインL3は、水平方向に延びる下段の直線である。また、入賞ラインL4は、左上から右下へ向かって延びる直線であり、入賞ラインL5は、左下から右上へ向かって延びる直線である。
<ベットスイッチ62,64及び66と入賞ラインL1〜L5>
上述した操作パネル41のメダル投入口46に規定枚数以上のメダルが投入されると、メダルカウンタ(図示せず)により投入されたメダルの枚数が計数され、その枚数はクレジット数として記憶される。上述した1ベットスイッチ62は、記憶されたクレジット数のうちの1枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。また、2ベットスイッチ64は、クレジット数のうちの2枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチであり、最大ベットスイッチ66は、クレジット数のうちの3枚のメダルを遊技の賭けの対象とするためのスイッチである。
上述したように、リール表示窓50には5本の入賞ラインL1〜L5が描かれている。1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、5本の入賞ラインのうちの1本、例えば入賞ラインL1が有効化される。2ベットスイッチ64を操作したときには、5本の入賞ラインのうちの3本、例えば入賞ラインL1、L2及びL3が有効化される。最大ベットスイッチ66を操作したときには、5本の入賞ラインの全て、即ちL1、L2、L3、L4及びL5が有効化される。このように3つのベットスイッチ62,64及び66は、遊技の賭けの対象となるメダルの枚数を定めるとともに、入賞ラインL1〜L5を有効化する選択手段として機能する。
<有効ライン>
上述したように、3つのベットスイッチ62,64及び66は、遊技者が操作することにより、入賞ラインL1〜L5を有効化する選択手段として機能する。1ベットスイッチ62を遊技者が操作したときには、入賞ラインL1が有効化され、2ベットスイッチ64を操作したときには、入賞ラインL1、L2及びL3が有効化され、最大ベットスイッチ66を操作したときには、入賞ラインL1〜L5の全てが有効化される。上述したように、有効化された入賞ラインを有効ラインと称する。
有効ライン上に停止した図柄の組合せが、入賞したか否かの判断と対象となる。例えば、上述した有効ラインL1上に「7」−「7」−「7」の組合せが揃ったときには、ビッグボーナスという役に入賞したと判断される。尚、役の種類については、後述する。また、有効ラインL1上に役を構成しない図柄の組合せが停止したときには、入賞しなかったと判断される。これに対して、入賞ラインであっても、その入賞ラインが有効化されていないときには、その入賞ライン上に「7」−「7」−「7」の組合せが揃った場合であっても、その入賞ラインは入賞したか否かの判断の対象とはされない。
<エラー表示装置45>
3つのリール30L〜30Rの下方には、エラー表示装置45が設けられている。スロットマシン10において、遊技者が遊技を進めるのに、不適切な状態になったり、困難な状態になったりしたときや、異常が生じたときに、生じた現象に応じてエラーコードがエラー表示装置45に表示される。
例えば、メダル投入口46から投入されたメダルが滞留したと判別されたときには、エラーコードとして「CE」という文字列がエラー表示装置45に表示される。また、後述するメイン制御基板32に設けられているRAM(ランダム・アクセス・メモリ)の内容が、電源投入時に適切でないと判別されたときには、エラーコードとして「E1」という文字列がエラー表示装置45に表示される。
<基体部20>
図2に示す基体部20は、木材等によって組み立てられて、前面が開口された箱形に形成されている。基体部20の内部の下部には、スロットマシン10に搭載された種々の装置に電源を供給する電源ユニット22や、メダルを貯留しておくホッパーを含むメダル払出し装置24が設けられている。また、これらの電源ユニット22及びメダル払出し装置24の上方には、支持板26が設けられている。この支持板26によって、リール30L、30C及び30Rを回転可能に収容するリールユニット28が支持されている。さらに、基体部20の内部の上部には、スロットマシン10で行われる遊技を全体的に制御するメイン制御基板32が設けられている。
<メイン制御基板32>
メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rの回転の開始及び停止制御をするとともに、スロットマシン10で行われる遊技の進行等の遊技全体を制御するための制御基板である。さらに、メイン制御基板32は、後述するメダル選別装置70のソレノイド95のコイル(図示せず)に電流を供給したり、コイルに供給していた電流を遮断したりする制御信号をメダル選別装置70に供給する。また、メイン制御基板32は、後述する2つのフォトセンサ96a及び96bからの検出信号を検出して、メダル選別装置70の内部にメダル等の被検出物体が存在するか否かを判断する。
このメイン制御基板32は、演算等を行うCPU(中央処理装置)(図示せず)、遊技プログラムを記憶したROM(リードオンリーメモリー)(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリー)(図示せず)等を含む。
例えば、ROMは、後述する図8、図9及び図10に示すプログラムを実行するためのプログラムを記憶する。また、RAMは、このプログラムで用いられる変数の値を記憶する。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バスによって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。
また、メイン制御基板32は、上述したベットスイッチ62,64及び66と電気的に接続されている。ベットスイッチ62,64及び66を遊技者が操作したときには、ベット指示信号がベットスイッチ62,64及び66の各々からメイン制御基板32へ発せられる。
さらに、メイン制御基板32は、上述したスタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cと電気的に接続されている。スタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを遊技者が操作したときには、操作信号がスタートスイッチ42や、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cからメイン制御基板32へ発せられる。スタートスイッチ42から信号がメイン制御基板32に発せられたときには、メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rの回転制御をする。また、ストップスイッチ44a、44b又は44cから信号がメイン制御基板32に発せられたときには、メイン制御基板32は、3つのリール30L、30C及び30Rのうち、操作されたストップスイッチに対応したリールの停止制御をする。
<メダル選別装置70>
図2に示すように、リール表示窓50の下方には、メダル選別装置70が取り付けられている。後述する図3に示すメダル選別装置70の入口76が、メダル投入口46と連通するように、メダル選別装置70は、メダル投入口46の下部に設けられている。メダル選別装置70は、後述するように、メダル投入口46から投入されたメダルの適否を選別する。メダル選別装置70の下方には、ガイド部材54とガイド部材56とが設けられている。ガイド部材54は、メダル選別装置70によって受け入れられた正規のメダルをホッパ装置58へ案内する。一方、ガイド部材56は、メダル選別装置70によって拒否されたメダル(又は異物)をメダル排出口49へ案内する。
以下では、図3〜図6を用いてメダル選別装置70について説明する。図3は、メダル選別装置70の構造を示す正面図である。なお、この図3は、後述するカバー78の一部を破断して示す図である。図4は、メダル選別装置70に入ったメダルの動きを示すための正面図である。図5は、図4に示した線X−X’についての断面図である。図6は、滞留解除ボタン43によって、滞留したメダルを除去する様子を示すために、メダル選別装置70の上方からみた平面図である。
メダル選別装置70は、ケース71と、ゲートプレート74と、カバー78と、を含む。ケース71は、硬質プラスチック等の合成樹脂で一体的に形成された矩形状のケースである。ゲートプレート74は、外形が略台形の金属板から形成され、ケース71の略上半分を覆うように、ケース71に対して開閉可能に取り付けられている。カバー78は、合成樹脂で形成され、ケース71の略下半分を開閉可能に覆うように設けられている。
[ゲートプレート74,メダル案内通路77,入口76,出口80]
ゲートプレート74は、ケース71の右端部に設けられた軸部79aに軸支されている。この軸部79aには、コイルバネ79が巻回されている。ゲートプレート74は、コイルバネ79によって、ケース71の奥側に向かって付勢される。ケース71の奥側の壁面には、投入されたメダルを案内する案内面72が形成されている。また、ゲートプレート74の下部には、投入されたメダルを移動可能に支持する支持壁67が形成されている。図5に示すように、ゲートプレート74が、ケース71の奥側に向かって付勢されたときには、ケース71の案内面72とゲートプレート74の支持壁67とは互いに対向するとともに、案内面72と支持壁67とによって、間隙98が形成される。メダル選別装置70の左上端には、メダルをメダル選別装置70の内部に導く入口76が形成され、メダル選別装置70の右下端には、メダルをメダル選別装置70の外部に排出するための出口80が形成されている。上述した間隙98によって、入口76から出口80に向うメダル案内通路77が形成される。後述するように、メダル選別装置70の内部では、メダル案内通路77に沿ってメダルが移動する。
[メダル排除口81]
図3及び図5に示すように、ゲートプレート74の下端部分は、ケース71の奥側に向かって折り曲げられている。この折り曲げられた部分によって、直線状の案内レール部75が形成される。また、ケース71には、ケース71の奥側に向かって折り曲がる折曲部73が形成されている。図5に示すように、この折曲部73は、案内レール部75よりも若干上側に位置しており、折曲部73と案内レール部75とによって、間隙99が形成される。この間隙99によってメダル排除口81が形成される。
[セレクト機構]
入口76の近傍には、投入されたメダルが正規のものか否かを判別するためのセレクト機構が設けられている。このセレクト機構は、最大径規制手段と最小径規制手段と板厚規制手段とからなる。最大径規制手段は、規定の直径より大きい直径を有するメダルを排除するためのものである。最小径規制手段は、規定の直径より小さい直径を有するメダルを排除するためのものである。板厚規制手段は、規定の厚さよりも厚いメダルを排除するためのものである。
[最大径規制手段]
最大径規制手段は、一組の外径規制爪85aと85bとからなる。外径規制爪85a及び85bは、入口76の付近に、ゲートプレート74からケース71の奥側に向かって突設されている。外径規制爪85aと85bとの間隔は、正規のメダルの外径とその寸法公差とを考慮した最大外径相当の幅に設定されている。このため、規定以上の外径を有するメダルが入口76から入れられたときには、外径規制爪85aと85bとによってメダル案内通路77への落下が阻止される。
[板厚規制手段]
図3の破線で示すように、板厚規制手段は、ケース71の案内面72に設けられたスクリュ84からなる。スクリュ84は、ゲートプレート74に向かって(手前側に向かって)突出するように設けられている。スクリュ84の先端からゲートプレート74の背面までの間隙は、正規のメダルの最大厚さに設定されている。このため、規定以上の厚みを有するメダルが板厚規制手段に投入されると、スクリュ84によってメダル案内通路77への落下が阻止される。
[最小径規制手段]
最小径規制手段は、押付けレバー87からなる。押付けレバー87は、図示しないコイルバネによってゲートプレート74に向かって(手前側に向かって)付勢されている。ケース71には、開口91が形成されており、押付けレバー87は、コイルバネの付勢力によって開口91から手前側に向かって突出している。規定の外径よりも小さい外形のメダルが、入口76から入れられたときには、メダルは、押付けレバー87によって倒され、メダル排除口81から落下するようになされている。
[速度緩和機構]
入口76の付近には、速度緩和機構が設けられている。速度緩和機構は、金属製のスイングレバー97とコイルバネ(図示せず)とからなる。スイングレバー97は、ゲートプレート74の壁面に沿って回動自在に軸支されている。コイルバネは、このスイングレバー97を右回転方向へ常に付勢するように設けられている。スイングレバー97は、入口76から落下してきたメダルの落下速度を、コイルバネの付勢力によって緩和させる。
[ブロッカ82]
メダル案内通路77には、メダル案内通路77を移動するメダルを、メダル排除口81から落下させて強制的に排除するためのブロッカ82が設けられている。このブロッカ82は、ブロッカプレート92とソレノイド95と案内レバー88とからなる。
図5に示すように、ケース71の背面側には、略L字形状のプレート部材93が固着されている。プレート部材93の上側の一部93aは、上に向かって折り曲げられており、折り曲げられた先端には、コイルバネ94の一端が係止されている。コイルバネ94の他端は、ブロッカプレート92の上端部に係止されている。また、プレート部材93の上側の残りの部分93bは、前方に向かって突出し、ブロッカプレート92と当接する。この当接した箇所を支点にしてブロッカプレート92は、揺動することができる。コイルバネ94は、ブロッカプレート92の端部92aが、メダル案内通路77に向かって突出するように、ブロッカプレート92の端部92bを付勢する。
ブロッカプレート92の背面には、ソレノイド95が設けられている。ソレノイド95の前面には、磁極部95aが設けられている。ソレノイド95は、メイン制御基板32と電気的に接続されており、メイン制御基板32からの制御信号によってオンオフ動作をする。メイン制御基板32からの制御信号によって、ソレノイド95のコイル(図示せず)に電流が供給されている状態が、ソレノイド95のオン状態である。また、メイン制御基板32からの制御信号によって、コイルへの電流が遮断されて、ソレノイド95のコイルに供給されていない状態が、ソレノイド95のオフ状態である。ソレノイド95がオン状態となったときには、ソレノイド95に供給された電流によって、磁極部95aから磁場が発せられる。ソレノイド95がオフ状態となったときには、磁極部95aからは磁場は発せられない。
ソレノイド95がオン状態となって、磁極部95aから磁場が発せられたときには、コイルバネ94の付勢力に抗して、ブロッカプレート92は、磁力によって磁極部95aに引き寄せられ、端部92aは、退避した位置(奥側の位置)に移動する。一方、ソレノイド95がオフ状態となって、磁極部95aから磁場が発せられなくなったときには、コイルバネ94の付勢力によって、ブロッカプレート92は、磁極部95aから離隔し、端部92aは、案内面72から突出した位置(手前側の位置)に移動する。なお、図5に示した例は、ソレノイド95がオフ状態となっているときのもので、ブロッカプレート92は、端部92aは、案内面72から突出している。
案内レバー88は、コイルバネ90の軸部90aに回転自在に軸支されている。案内レバー88は、コイルバネ90の付勢力によって、ブロッカプレート92に向かって付勢される。案内レバー88の背面には、突出片89aがブロッカプレート92と当接するように形成されている。案内レバー88は、コイルバネ90の付勢力によって、ブロッカプレート92に向かって付勢されているので、突出片89aの先端は、ブロッカプレート92に常に当接する。このため、ソレノイド95がオン状態となったときには、ブロッカプレート92の移動とともに、案内レバー88もソレノイド95に向かって(奥側に向かって)移動する。また、ソレノイド95がオフ状態となったときには、ブロッカプレート92の移動とともに、案内レバー88もソレノイド95から離隔するように(手前側に向かって)移動する。
案内レバー88の背面には、他の突出片89bがブロッカプレート92に向かうように形成されている。上述したように、突出片89aの先端は、ブロッカプレート92に常に当接する。突出片89aの先端が、ブロッカプレート92に当接した状態で、突出片89bとブロッカプレート92の端部92aとの間には、間隙68が形成される。この間隙68は、メダルが移動可能な程度に形成されている。
上述したように、ソレノイド95がオン状態となったときには、ブロッカプレート92と案内レバー88とは、ソレノイド95に引き寄せられた位置に移動する。このとき、突出片89bとブロッカプレート92の端部92aとによって形成される間隙68より、メダル案内通路77において、メダルを出口80に案内する。一方、ソレノイド95がオフ状態となったときには、ブロッカプレート92と案内レバー88とは、ソレノイド95から離隔した位置に移動する。このとき、ブロッカプレート92の端部92aは、メダル案内通路77から突出し、端部92aによってメダルをメダル案内通路77から排除し、メダル排除口81に導く役割をする。
ソレノイド95がオン状態となり、ブロッカプレート92と案内レバー88とが、ソレノイド95に引き寄せられた位置に移動した状態が、メダルの受け入れの許可状態となる。一方、ソレノイド95がオフ状態となり、ブロッカプレート92と案内レバー88とが、ソレノイド95から離隔した位置に移動した状態が、メダルの受け入れの拒否状態となる。
[フォトセンサ96a及び96b]
メダル案内通路77の下流の出口80の付近には、2つのフォトセンサ96a及び96bが、メダル案内通路77に沿って並置されている。2つのフォトセンサ96a及び96bの双方は、発光部と受光部とを有する反射型のセンサである。
2つのフォトセンサ96a又は96bの前方に、メダル等の被検出物体が通過したり、存在したりするときには、発光部から発光された光は、被検出物体によって反射され、反射された光が受光部によって受光される。このとき、2つのフォトセンサ96a又は96bは、センサの前面に被検出物体が存在することを示す検出信号を発する。
一方、2つのフォトセンサ96a又は96bの前方に、被検出物体が存在しない場合には、発光部から発光された光は、反射されることがないので、受光部によって光を受光することはない。この場合には、2つのフォトセンサ96a又は96bから、検出信号は発せられない。
2つのフォトセンサ96a及び96bは、メイン制御基板32に電気的に接続されており、2つのフォトセンサ96a又は96bの前方に被検出物体が存在するとして発せられた検出信号は、メイン制御基板32に供給される。
[メダル選別装置70の動作]
以下に、メダル選別装置70の動作を説明する。
図4のM1に示すように、メダル投入口46にメダルが投入されると、メダルは、メダル選別装置70の入口76へ案内される。入口76からメダル選別装置70のメダル案内通路77へ案内されたメダルは、セレクト機構の最大径規制手段と板厚規制手段とによって、所定の外径以下で所定の厚さのメダルのみが、最小径規制手段に案内される。このとき、スイングレバー97によって、落下するメダルの速度が緩和される。セレクト機構の最大径規制手段、板厚規制手段又は最小径規制手段によって、正規のメダルでないとされたメダルは、メダル排除口81を介してメダル選別装置70の下方へ排除される。
次に、上述したセレクト機構を通過した正規のメダル(図4のM2参照)は、案内レール部75に沿って流下してブロッカ82の位置まで進む(図4のM3参照)。ブロッカ82は、上述したように、メイン制御基板32からの制御信号に応じて、許可状態と拒否状態とのいずれかの状態となっている。ブロッカ82が許可状態となっているときには、メダル案内通路77を流下するメダルをメダル検出部96の位置まで案内する。一方、ブロッカ82が拒否状態となっているときには、メダルをメダル案内通路77からメダル排除口81へ落下させる。
ブロッカ82を通過したメダルは、2つのフォトセンサ96a及び96bの前方を横切る(図4のM4参照)。このとき、2つのフォトセンサ96a又は96bから検出信号が発せられる。メイン制御基板32は、2つのフォトセンサ96a及び96bから発せられた検出信号を、正規のメダルが投入されたことを示すメダル受付け信号として受信し、受信したことを計数して、その値をクレジット数に加算する。
一方、メダルがメダル案内通路77からメダル排除口81へ導かれたときには、メダルは、2つのフォトセンサ96a及び96bの前方を横切ることはないので、2つのフォトセンサ96a又は96bから検出信号は発せられない。
2つのフォトセンサ96a及び96bの前方を横切ったメダルは、出口80へ到達し(図4のM5参照)、上述したホッパ装置58へ案内されて貯留される。
[メダルの滞留及び滞留の解除]
入口76からメダル選別装置70に入ったメダルは、原則として上述したように、出口80から排出されるか、メダル排除口81から排除される。しかし、メダルが入口76から入るタイミングや、上述した各部材の動作のタイミングによって、メダル選別装置70の内部で滞留する場合がある。この滞留とは、メダルに付着した汚れなどによってメダルの移動が抑止されたり、メダル案内通路77で複数のメダルが互いに重なりあったりして、メダルが移動することができない状態になることをいう。メダルの滞留が生じたときには、メダルをメダル選別装置70から強制的に排除する必要がある。
図6に示すように、ゲートプレート74の背面には、背面から突出する突出部69が設けられている。この突出部69の先端部は、上述した滞留解除ボタン43の先端部と当接するようになされている。図1に示したスロットマシン10の前面から滞留解除ボタン43を押動操作することにより、図6に示すように、ケース71の案内面72に対して、ゲートプレート74を開放して、間隙98を大きくすることができる。メダルの滞留が生じたときには、ゲートプレート74を開放することによって、滞留したメダルをメダル排除口81に導きメダル選別装置70から排除することができる。
<設定スイッチ25>
図2に示すように、リール表示窓50の下部には、設定スイッチ25が設けられている。この設定スイッチ25は、スロットマシン10の管理者等が操作するスイッチであり、遊技者がメダルを獲得し易いか、獲得し難いかの難易度を決定するスイッチである。例えば、設定1〜設定6の6段階の設定を定めることができる場合には、設定1が最も難しく、値が大きくなるに従って容易になるようにすることができる。この設定を変更することによって、後述する役抽選手段120で選択される確率テーブル(図示せず)が変更される。この確率テーブルを変更することによって、遊技者がメダルを獲得する難易度を変更することができる。
<リセットスイッチ27>
上述した電源ユニット22の前面には、リセットスイッチ27が設けられている。リセットスイッチ27は、スロットマシン10を初期化するためのものである。スロットマシン10にエラーが発生したときに、リセットスイッチ27が操作された場合には、スロットマシン10の状態は、エラーが発生する前の状態に復帰される。
<スロットマシン10における遊技>
スロットマシン10における遊技は、停止した複数のリール30L、30C又は30Rの停止位置により定まる図柄の組合せによって遊技結果が定まる遊技である。遊技者は、有効ライン上に停止させる図柄の組合せが、所定の役を構成する図柄の組合せとなるように、3つのストップスイッチ44a、44b及び44cを操作して、リール30L、30C又は30Rを停止させる。役は、後述する役抽選手段120の抽選処理によって定められる。後述するように、抽選処理は、当り又は外れを定めるものであり、当りとは、複数の種類の役のうちから少なくとも一種類の役が定められることをいう。
また、スロットマシン10で行われる遊技は、スタートスイッチ42を遊技者が操作する度に行われ、複数のリール30L、30C又は30Rの回転開始から回転停止までを単一の行程として繰り返され得る遊技である。この単一の行程の遊技を単位遊技と称する。
上述した役の種類には、例えば、特別役や、小役、及び再遊技役等の種類がある。特別役は、通常遊技から特別遊技(遊技者にとって有利な遊技)に移行することができる役である。この特別役には、ビックボーナス(以下、BB役と称する。)及びレギュラーボーナス(以下、RB役と称する。)がある。
上述したBB役は、特別遊技の1つであるBB遊技に移行させる役である。このBB遊技は、特典遊技に複数回移行できるようにしたゲームである。この特典遊技とは、所定役が高確率で当選する遊技を行うゲームであり、遊技者がより多くのメダルを取得する可能性を高めた特典を遊技者に付与し得るゲームである。このBB遊技は、所定の終了条件を満たすまで、例えば、払い出されるメダルの枚数が所定の枚数を超えるまで、特典遊技を繰り返し行える。
また、RB役は、特別遊技の1つであるRB遊技に移行させる役である。このRB遊技は、BB遊技中の特典遊技に相当するゲームを1セット、即ち、所定役が高確率で当選する遊技を一定条件下で所定回数行うゲームである。
さらに、小役とは、予め定めた枚数のメダルの払出しを行う役である。小役には複数の種類の役が有り、3つのリール30L、30C又は30Rに付された図柄の種類を用いて役の名称とする場合が多い。例えば、図柄の種類には、「スイカ」、「ベル」、「チェリー」等がある。このため、有効ライン上に図柄「スイカ」が揃う小役をスイカ役と称し、有効ライン上に図柄「ベル」が揃う小役をベル役と称する。また、左リール30Lの図柄「チェリー」が有効ライン上に停止表示されたときには、中リール30C及び右リール30Rの図柄の種類に拘らず入賞したとする。この役をチェリー役と称する。
さらにまた、再遊技役とは、現在行われた遊技での賭数(ベット枚数)を維持した再遊技(以下、リプレイ又はRPと称する。)が行えるようにした役である。
<<スロットマシン10の機能>>
図7は、スロットマシン10における主要な制御機能の概略を示す機能ブロック図である。図7に示すように、スロットマシン10は、主に、操作手段500と、選択手段600と、遊技媒体選別手段700と、設定操作手段800と、初期化手段900と、メイン制御手段100と、図柄表示手段400と、情報表示手段300と、を含む。
<操作手段500>
操作手段500は、遊技者によって操作されるもので、操作された旨の信号を後述するメイン制御手段100に遊技者の操作に基づいて発する。操作手段500は、スタートスイッチ42と、ストップスイッチ44a〜44cと、を含むものが好ましい。スタートスイッチ42は、遊技者によって操作されたときに、操作されたことを示す信号を後述するメイン制御手段100に発する。また、ストップスイッチ44a〜44cの各々も、遊技者によって操作されたときに、操作されたことを示す信号を後述するメイン制御手段100に発する。
上述したように、複数のリール30L、30C又は30Rが回転してから停止するまでに行われる単一の工程の遊技を単位遊技と称する。スタートスイッチ42からメイン制御手段100に発せられた信号によって、3つのリール30L、30C及び30Rの回動が始まり、単位遊技の開始の契機が定められる。このスタートスイッチ42からメイン制御手段100に発せられる信号を開始信号と称する。
また、ストップスイッチ44a〜44cの各々からメイン制御手段100に発せられた信号によって、3つのリール30L、30C及び30Rのうち対応したリールが停止し、単位遊技の終了の契機が定められる。このストップスイッチ44a〜44cの各々からメイン制御手段100に発せられる信号を終了信号と称する。従って、上述した開始信号が発せられたことに基づいて単位遊技が開始され、終了信号が発せられたことに基づいて単位遊技が終了する。
<選択手段600>
選択手段600も、操作手段500と同様に、遊技者によって操作されるもので、遊技者の操作に基づいて操作された旨の信号を後述するメイン制御手段100に発する。操作手段500からメイン制御手段100へ発せられた信号に基づいて、複数の入賞ラインL1〜L5のうちのいずれのものを有効化するかが定められる。
選択手段600も、遊技者によって操作されるものであればよい。選択手段600は、好ましくは、上述した1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66からなる。
1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64又は最大ベットスイッチ66からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、遊技の賭けの対象とするメダルの枚数が定められる。例えば、1ベットスイッチ62からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、1枚のメダルを遊技の賭けの対象とし、2ベットスイッチ64からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、2枚のメダルを遊技の賭けの対象とし、最大ベットスイッチ66からメイン制御手段100へ発せられた信号によって、3枚のメダルを遊技の賭けの対象とする。
<遊技媒体選別手段700>
遊技媒体選別手段700は、メダル投入口46から投入されたメダル等の遊技媒体を選別する遊技媒体選別手段である。遊技媒体選別手段700は、許可状態又は拒否状態のいずれかの状態となる。許可状態は、投入された遊技媒体の受け入れを許可する状態である。拒否状態は、投入された遊技媒体の受け入れを拒否する状態である。遊技媒体選別手段700は、上述したメダル選別装置70からなるのが好ましい。
遊技媒体選別手段700は、駆動手段710と検出手段720とを含む。
<駆動手段710>
駆動手段710は、遊技媒体選別手段700が、許可状態又は拒否状態のいずれかの状態となるようにブロッカ82を駆動する。
駆動手段710は、上述したソレノイド95を含むものが好ましい。駆動手段710は、メイン制御手段100と電気的に接続されている。メイン制御手段100からの制御信号は、ソレノイド95のコイル(図示せず)に電流を供給したり、コイルへの電流を遮断したりする。
ソレノイド95に電流が供給されている状態が、遊技媒体の受け入れの許可状態となる。一方、ソレノイド95に電流が供給されていない状態が、遊技媒体の受け入れの拒否状態となる。
<検出手段720>
検出手段720は、メダル等の遊技媒体を含む被検出物体の存在を検出し、被検出物体の有無に応じて検出信号を発する。被検出物体には、遊技媒体のみならず、メダル選別装置70内に存在し得る物体が含まれる。
検出手段720は、上述した2つのフォトセンサ96a及び96bからなるものが好ましい。2つのフォトセンサ96a又は96bの前方に、メダル等の被検出物体が通過したり、存在したりするときには、2つのフォトセンサ96a又は96bは、センサの前面に被検出物体が存在することを示す検出信号を発する。
2つのフォトセンサ96a又は96bの前方に、被検出物体が存在しない場合には、2つのフォトセンサ96a又は96bからは、検出信号は発せられない。
検出手段720は、後述するメイン制御手段100に電気的に接続されており、2つのフォトセンサ96a又は96bの前方に被検出物体が存在するとして発せられた検出信号は、メイン制御手段100に供給される。
<設定操作手段800>
設定操作手段800は、スロットマシン10における遊技の難易度を決定するための操作手段である。この遊技の難易度は、遊技者がメダル等の遊技媒体を獲得し易いか、獲得し難いかの程度を示す度合いである。設定操作手段800は、主に、スロットマシン10の管理者等によって操作されて設定が変更される。設定操作手段800が操作されたときには、設定操作手段800から設定信号が発せられる。発せられた設定信号は、後述するメイン制御手段100の設定手段195に供給される。設定手段195では、供給された設定信号に応じて設定が変更される。設定が変更されたときには、後述する役抽選手段120で選択される確率テーブル(図示せず)が変更される。この確率テーブルを変更することによって、遊技の難易度を変更することができる。
設定操作手段800は、上述した設定スイッチ25からなるのが好ましい。
<初期化手段900>
初期化手段900は、操作者の操作によって、動作状態を初期化する。
スロットマシン10にエラーが発生したときに、初期化手段900が操作された場合には、スロットマシン10の状態は、エラーが発生する前の状態に復帰される。
この初期化手段900は、上述したリセットスイッチ27からなるのが好ましい。
<メイン制御手段100(遊技制御手段、選別制御手段)>
メイン制御手段100には、上述した操作手段500と選択手段600と遊技媒体選別手段700と設定操作手段800と初期化手段900のほか、図柄表示手段400が電気的に接続されている。メイン制御手段100は、遊技の進行等の遊技全体を制御したり、投入されたメダルの選別をする制御したりする。このメイン制御手段100は、上述したメイン制御基板32からなるのが好ましい。
上述したように、メイン制御手段100には操作手段500が電気的に接続されている。操作手段500のストップスイッチ44a〜44cの各々からは、メイン制御手段100に終了信号が発せらる。ストップスイッチ44a〜44cの各々から発せられた終了信号の順番やタイミングを検出することによって、メイン制御手段100は、3つのストップスイッチ44a〜44cの複数の種類の操作態様を得ることができる。
また、メイン制御手段100には選択手段600が電気的に接続されている。選択手段600の1ベットスイッチ62、2ベットスイッチ64及び最大ベットスイッチ66の各々からは、メイン制御手段100にベット信号が発せられる。発せられたベット信号を検出することによって、賭けの対象とするメダルの枚数や、有効ラインの設定の制御をする。
さらに、メイン制御手段100には駆動手段710が電気的に接続されている。メイン制御手段100は、駆動手段710のソレノイド95のコイルに電流を供給したり、電流を遮断したりするための制御信号を駆動手段710に供給する。ソレノイド95に電流を供給する制御をすることによって、遊技媒体選別手段700を遊技媒体の受け入れの許可状態にする。一方、ソレノイド95への電流を遮断する制御をすることによって、遊技媒体選別手段700を遊技媒体の受け入れの拒否状態にする。メイン制御手段100は、遊技の進行の状況に応じて、遊技媒体選別手段700を許可状態にするか、拒否状態にする。
さらにまた、メイン制御手段100には検出手段720が電気的に接続されている。検出手段720の2つのフォトセンサ96a及び96bからは、被検出物体が存在することを示す検出信号が発せられる。発せられた検出信号を検出することによって、メダル選別装置70の内部に被検出物体が存在するか否かを判断することができる。
また、メイン制御手段100は、役抽選手段120と、リール駆動制御手段130と、図柄検出手段150と、表示制御手段164と、存在監視手段166と、許否変更手段168と、入賞処理手段170と、エラー監視手段180と、設定手段195と、からなる。
<役抽選手段120(抽選手段)>
役抽選手段120は、予め定められている役の抽選を行う。役には、上述したように、特別役、小役、及び再遊技役がある。
特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。特別遊技は、通常遊技において獲得できるメダルの数よりも多くのメダルを獲得できる可能性が高くなった遊技であり、遊技者にとって有利となる遊技である。特別役としては一般に、BB役(ビックボーナス)及びRB役(レギュラーボーナス)が挙げられる。これらのBB役又はRB役は、それぞれ、特別遊技の1つであるBB遊技又はRB遊技に移行させる役である。
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役である。上述したように、小役の種類には、スイカ役やベル役やチェリー役等の複数の種類がある。抽選処理によって小役が抽選されるときには、これらのうちの1つの種類の小役が定められる。小役の種類に応じて、メダルの払出し枚数が異なるように予め設定されている。
さらに、再遊技役は、前回行われた遊技で投入されたメダルの枚数(ベット枚数)を維持したまま、今回の遊技を行うことができる、即ち再遊技を行うことができるようにした役である。
役抽選手段120は、例えば、乱数発生手段(図示せず)と、乱数抽出手段(図示せず)と、乱数判定手段(図示せず)とを含む。乱数発生手段は、役抽選用の乱数(ハードウェア乱数等)を発生させる。乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発せられた乱数を抽出する。乱数判定手段は、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する。この役抽選手段120によって、「抽選手段」が構成され、「抽選処理」が行われる。
「抽選処理」は、遊技についての当り又は外れを定める抽選処理である。
<リール駆動制御手段130>
リール駆動制御手段130は、上述したスタートスイッチ42から発せられた開始信号や、ストップスイッチ44a〜44cから発せられた終了信号に基づいて、3つのリール30L〜30Rの回転制御と停止制御とを行う。リール駆動制御手段130は、リール回転制御手段(図示せず)とリール停止制御手段(図示せず)とからなる。このリール駆動制御手段130から「リール駆動制御手段」が構成される。
リール回転制御手段は、上述した操作手段500、好ましくはスタートスイッチ42から発せられた開始信号を検出したときに、モータ86a、86b及び86cに回転制御信号を発する。後述するように、モータ86aは左リール30Lを駆動し、モータ86bは中リール30Cを駆動し、モータ86cは右リール30Rを駆動する。リール回転制御手段は、開始信号を検出したときには、これらの3つのモータ86a、86b及び86cに回転制御信号を発する。この回転制御信号によって、3つのリール30L〜30Rは、回転を開始する。
リール停止制御手段は、上述した操作手段500、好ましくはストップスイッチ44a〜44cから発せられた終了信号を検出したときに、モータ86a、86b又は86cに停止制御信号を発する。上述したように、左リール30Lはストップスイッチ44aに対応し、中リール30Cはストップスイッチ44bに対応し、右リール30Rはストップスイッチ44cに対応する。即ち、リール停止制御手段は、ストップスイッチ44aから終了信号が発せられたときには、左リール30Lを駆動するモータ86aに停止制御信号を発して左リール30Lを停止させる。また、ストップスイッチ44bから終了信号が発せられたときには、中リール30Cを駆動するモータ86bに停止制御信号を発して中リール30Cを停止させる。さらに、ストップスイッチ44cから終了信号が発せられたときには、右リール30Rを駆動するモータ86cに停止制御信号を発して右リール30Rを停止させる。
このリール停止制御手段は、上述した乱数判定手段によって、乱数の値に基づいて遊技用確率テーブル(図示せず)が参照されて当選役が判定されたときには、その当選役が入賞するように、3つのリール30L,30C及び30Rの停止制御をする。
<図柄検出手段150>
図柄検出手段150は、操作手段500から発せられた終了信号に基づいて一定の回転基準位置に至った又は至り得る図柄を検出する。即ち、遊技者が、操作手段500を操作することに応じて、リール駆動制御手段130は、左リール30L、中リール30C又は右リール30Rの停止制御を開始する。図柄検出手段150は、上述した一定の回転基準位置に位置した図柄を検出することによって、リール30L〜30Rの停止制御をする際に、一定の回転基準位置に停止する可能性のある図柄を検出すること、即ち、一定の回転基準位置に至った又は至り得る図柄を検出することができる。
<入賞処理手段170>
入賞処理手段170は、複数のリールが停止したときに、役抽選手段120によって抽選された役に入賞した場合には、メダル等の遊技媒体の払い出しを含む入賞処理を入賞した役に応じて行う。具体的には、役抽選手段120の抽選処理によって当選した役に対応した図柄の配列が、有効化された入賞ラインに揃ったときに、当選した役に入賞したとして、その当選した役に対応した処理を実行する。例えば、所定の小役に入賞したときには、その小役の種類に応じた枚数のメダルの払い出しをする処理を行う。また、BB役等の特別役に入賞したときには、ボーナスゲームへ移行させるために、変数等の書き換えの処理を実行する。また、再遊技役に入賞したときには、直前に行われた遊技での賭数(ベット枚数)を維持したまま、引き続き遊技を行えるように処理をする。
<存在監視手段166>
存在監視手段166は、検出手段720から発せられた存在信号に基づいて遊技媒体選別手段700においてメダルが滞留したと判別したことに基づいて、被検出物体の存在の監視を禁止する。
ここで、「遊技媒体が滞留していると判別したとき」であり、実際に、「遊技媒体が滞留したとき」とは相違する。すなわち、遊技媒体選別手段700においてメダルが滞留したときには、検出手段720から検出信号が発せられる。しかし、この検出信号は、メダルが単に通過したときにも発せられる。このため、メダルの単なる通過と区別するために、所定の条件を満たしたときのみに、メダルが滞留したと判別する。この所定の条件とは、例えば、検出手段720から一定の時間検出信号が発せられ続けたことなどがある。このようにすることで、メダルの単なる通過と、滞留とを区別して処理することができる。
また、メダルが滞留していると判別したことに基づいて、被検出物体の存在の監視を禁止する。すなわち、被検出物体の存在の監視を禁止するのは、メダルが滞留していると判別したことに基づいていればよい。メダルが滞留していると判別し、さらに、他の条件を満たしたときに、被検出物体の存在の監視を禁止すればよい。この他の条件とは、例えば、メダルが滞留していると判別したときから、さらに所定の時間経過したことなどがある。このようにしたときには、メダルが滞留していると判別し、その後所定の時間経過してから、被検出物体の存在の監視を禁止する。この所定の時間経過するまでの間は、被検出物体の存在の監視してもよいし、しなくてもよい。さらに、メダルが滞留していると判別して、直ちに被検出物体の存在の監視を禁止してもよい。
さらに、存在監視手段166は、存在信号が検出手段720から発せられたときに、存在信号が発せられたときから第1の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段720から発せられなくなった場合であって、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更した場合には、存在信号の監視を開始するものが好ましい。
この存在監視手段166は、2つの条件を満たしたときには、存在信号の監視を開始する。第1の条件は、存在信号が発せられたときから第1の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段720から発せられなくなったことである。第1の条件は、例えば、メダルの滞留が生じたときに、その後、なんらの理由により、滞留を解除することができ、存在信号が検出手段720から発せられなくなったような場合がある。第2の条件は、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更したことである。この拒否状態にしたときには、メダルは受け入れられないはずであるが、意図的に異物が入れられた場合でも検出する必要があるからである。
<許否変更手段168>
許否変更手段168は、存在信号が検出手段720から発せられたことに基づいて、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更する。
さらに、この許否変更手段168は、以下の2つの動作をする。
第1の動作は、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段720から発せられなくなったときには、遊技媒体選別手段700を拒否状態から許可状態へ変更する。「許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段から発せられなくなったとき」とは、例えば、メダルが滞留し、それに基づいて、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更し、変更したときから第2の所定時間に至るまでに、メダルの滞留が解除できたような場合である。
第2の動作は、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更したときを基準にして第2の所定時間に至った後に、存在信号が検出手段720から発せられなくなったときには、遊技媒体選別手段700を拒否状態に維持する。この第2の動作は、第1の動作と異なり、例えば、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至った後に、メダルの滞留を解除できても、遊技媒体選別手段700を拒否状態に維持する。
<エラー監視手段180>
エラー監視手段180は、所定のエラーの発生を監視する。エラー監視手段180は、スロットマシン10に設けられている各種のセンサから発せられる信号を検出したり、メイン制御手段100のCPU(図示せず)の状態を検出したり、RAM(図示せず)の内容を読み出したりし、スロットマシン10が適切な状態であるか否かを判断する。
例えば、上述したメダル投入口46から投入されたメダルが滞留したか否かを監視したり、メイン制御基板32に設けられているRAMの内容が、電源投入時に適切であるか否かを監視したりする。
エラー監視手段180によって、スロットマシン10が適切な状態でないと判別されたときには、エラーが生じたとして、後述する表示制御手段164を介して情報表示手段300にその旨を表示する。
<表示制御手段164>
表示制御手段164は、上述したエラー監視手段180によって、スロットマシン10が適切な状態でないと判別されたときに、情報表示手段300にその旨を表示するために、情報表示手段300の制御を行う。
この表示制御手段164は、所定の条件を満たしたときに、不適切な状態が発生したことを示す発生情報を情報表示手段300に表示する。この所定の条件とは、存在信号が検出手段720から発せられたことに基づいて、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更したときである。
さらに、この表示制御手段164は、以下の2つの動作をする。
第1の動作は、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、存在信号が検出手段720から発せられなくなったときには、発生情報の表示を解除する。例えば、メダルが滞留し、それに基づいて、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更し、変更したときから第2の所定時間に至るまでに、メダルの滞留が解除できたような場合には、滞留が発生したことを示す発生情報の表示を解除する。
第2の動作は、遊技媒体選別手段700を許可状態から拒否状態へ変更したときを基準にして第2の所定時間に至った後に、存在信号が検出手段720から発せられなくなったときには、発生情報の表示を維持する。第2の所定時間に至った後に、メダルの滞留が解除できたとしても、自動的に発生情報の表示を解除せずに、発生情報の表示を維持するので、不正行為が行われているような場合に、的確に発見して防止することができる。
<設定手段195>
設定手段195は、上述した設定操作手段800から発せられた設定信号に基づいて設定を定める。具体的には、設定手段195は、設定信号に基づいて、役抽選手段120によって選択される確率テーブルを変更する。この確率テーブルを変更することによって、遊技の難易度を変更することができる。上述したように、この遊技の難易度は、遊技者がメダル等の遊技媒体を獲得し易いか、獲得し難いかの程度を示す度合いである。
<図柄表示手段400>
図柄表示手段400は、リール30L、30C及び30Rを含む。リール30L、30C及び30Rの各々には、所定数、例えば21個の図柄がリールの回転方向に沿って配置されている。
リール30Lは、リール30Lを回転駆動するためのモータ86aと、リール30Lの回転角度を検出するための回転角度センサ83aとからなる。リール30Cは、リール30Cを回転駆動するためのモータ86bと、リール30Cの回転角度を検出するための回転角度センサ83bとからなる。リール30Rは、リール30Rを回転駆動するためのモータ86cと、リール30Rの回転角度を検出するための回転角度センサ83cとからなる。
回転角度センサ83a〜83cは、リール30L、30C及び30Rが回転した角度に対応する信号を発する。リール30L〜30Rが回転方向における所定の回転位置にあるときを回転方向の原点として、回転角度センサ83a〜83cは、その原点から回転した角度に対応する信号を発する。例えば、リール30L、30C及び30Rの1回転分、即ち360度を400個のステップに等分に分割した構成とする。この場合には、回転角度センサ83a〜83cは、リール30L、30C及び30Rが回転した角度に応じて0〜399までのステップを示す信号を発する。具体的には、リール30L〜30Rが原点に位置するときには、0ステップ目であることを示す信号を発し、原点から90度だけ回転した回転位置にあるときには、99ステップ目であることを示す信号を発する。このように、回転角度センサ83a〜83cから発せられる信号から、リール30L〜30Rが原点からどれだけ回転した回転位置にいるかを得ることができる。尚、上述した説明は、回転角度センサ83a〜83cから発せられる信号について概念的に説明するためのものであり、スロットマシン10においては、リール30L〜30Rの位置を得るために回転角度センサ83a〜83cから発せられる信号を検出するのではなく、後述するように、図柄番号や図柄の種類を得たり、所定の図柄の位置を特定したりするために検出する。
上述したように、図柄検出手段150は、図柄番号と、図柄番号に対応した図柄の種類と、の対応関係を定めた図柄対応テーブル(図示せず)を記憶する。ここで、図柄番号は、例えば、1つのリールに周方向に沿って21個の図柄が付されている場合には、リール30L〜30Rにおける一定の位置をリール基準位置として、そのリール基準位置に配置されている図柄を0コマ目の図柄とする。この原点を基準にして周方向に沿って、順に1コマ目の図柄、2コマ目の図柄、・・・とし、最後の21個目の図柄を20コマ目の図柄とする。図柄検出手段150に記憶されている図柄対応テーブルは、この図柄番号と、この図柄番号に対応する図柄の種類と、の対応関係を記憶する。例えば、左リール30Lについては、0コマ目は図柄「プラム」であり、8コマ目は図柄「リプレイ」であり、16コマ目は図柄「青チェリー」であるような対応関係を図柄対応テーブルは記憶する。
このような構成としたことにより、回転角度センサ83a〜83cから発せられた信号に基づいて、この図柄対応テーブルを検索して図柄の種類を取得することができる。例えば、回転角度センサ83aから発せられた信号に基づいて、入賞ラインL3の位置におけるリール30Lの図柄番号を得、この図柄番号から、入賞ラインL3の位置に位置する図柄の種類を得ることができる。このようにすることで、リール30L〜30Rが回転している場合であっても、停止している場合であっても、有効ラインL1〜L5に位置する図柄の種類や、有効ラインL1〜L5に停止し得る図柄の種類を特定することができる。
<情報表示手段300>
情報表示手段300は、上述したエラー監視手段180による監視結果に関する情報を表示する。また、検出手段720からの信号を検出し、被検出物体が存在すると判別されたときには、そのことを示す情報が判別結果として情報表示手段300に表示される。
具体的には、エラー監視手段180による監視結果をエラーとして、そのエラーに対応したエラーコードが情報表示手段300に表示される。
例えば、メダル投入口46から投入されたメダルが滞留したと判別されたときには、エラーコードとして「CE」という文字列が情報表示手段300に表示される。また、メイン制御手段100のRAMの内容が、電源投入時に適切でないと判別されたときには、エラーコードとして「E1」という文字列が情報表示手段300に表示される。
この情報表示手段300は、エラー表示装置45からなるのが好ましい。
<<制御処理>>
以下に、上述したメイン制御手段100(メイン制御基板32)において行われる制御について説明する。図8、図9及び図10は、メイン制御手段100における制御処理を実行するためのサブルーチンである。
尚、以下においては、スロットマシン10は予め起動されており、上述したメイン制御手段100においては、制御に用いられる種々の変数の初期化等の起動処理を終えて、スロットマシン10は定常動作しているものとする。また、この図8、図9及び図10に示すフローチャートは、メイン制御手段100における制御処理を実行するための1つの例を示したにすぎず、この処理手順には限られない。
<ブロッカ82の状態検出処理>
図8は、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられたときを時間計測の基準時として、経過時間を計測するための処理を実行するサブルーチンである。このサブルーチンは、メイン制御基板32において、所定の時間毎に呼び出されて実行される。
最初に、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられた直後であるか否かを判断する(ステップS11)。フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられた直後であると判別したときには、メイン制御基板32に設けられているタイマー(図示せず)を起動し、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられた直後からの経過時間の計時を開始し(ステップS12)、本サブルーチンを終了する。
ステップS11の判断処理で、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられた直後でないと判別したときには、タイマーを既に起動しているか否かを判断する(ステップS13)。タイマーを起動していないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、タイマーを起動していると判別したときには、経過時間が滞留検出時間に至っていないか否かを判断する(ステップS14)。この滞留検出時間は、「第1の所定時間」に対応し、例えば、0.2秒〜0.5秒が好ましい。経過時間が滞留検出時間に至っていないと判別したときには、ブロッカ82をオフ状態にすることを禁止し(ステップS15)、本サブルーチンを終了する。
ステップS14の判断処理で、経過時間が滞留検出時間に至ったと判別したときには、経過時間が滞留検出時間に至った直後であるか否かを判断する(ステップS16)。経過時間が滞留検出時間に至った直後であると判別したときには、ブロッカ82をオフ状態にすることを許可し(ステップS17)、本サブルーチンを終了する。
上述したステップS14〜S17の処理を行うことによって、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられてから滞留検出時間を経過するまでは、メダルが滞留したとは判別せず、フォトセンサ96a又は96bの前方をメダルが通過したとする。一方、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられてから滞留検出時間を経過してもなお、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられているときには、メダル選別装置70の内部にメダルが滞留したとする。上述したように、メダルの滞留とは、メダル案内通路77で複数のメダルが互いに重なりあって、メダルが移動することができない状態をいう。このような判断処理を実行することにより、メダルが単に通過している状態なのか、メダルが滞留した状態なのかを判別することができる。
ステップS16の判断処理で、経過時間が滞留検出時間に至った直後でないと判別したときには、経過時間が自動解除有効時間を経過したか否かを判断する(ステップS18)。この自動解除有効時間は、「第2の所定時間」に対応し、例えば、0.5秒〜2秒が好ましい。
経過時間が自動解除有効時間を経過していないと判別したときには、自動解除を有効にし(ステップS19)、経過時間が自動解除有効時間を経過したと判別したときには、自動解除を無効にし(ステップS20)、本サブルーチンを終了する。この自動解除を有効にするか無効にするかの設定は、所定のフラグ等の変数に記憶される。例えば、ステップS19で、自動解除を有効にするとしたときには、変数の値を「1」に設定し、ステップS20で、自動解除を無効にするとしたときには、変数の値を「0」に設定する。
<センサ信号検出処理>
図9は、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられた信号を検出してブロッカ82の状態を変更する等の処理を実行するサブルーチンである。このサブルーチンも、メイン制御基板32において、所定の時間毎に呼び出されて実行される。
最初に、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられているか否かを判断する(ステップS31)。この判断は、メダルを含む被検出物体が除去されたか否かの判断に相当する。フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられていると判別したときには、上述した図8のフローチャートのステップS15又はS17の処理によって、ブロッカ82をオフ状態にすることを許可されているか、禁止されているか否かを判断する(ステップS32)。すなわち、被検出物体が除去されていないと判別したときには、図8のステップS15によって、滞留検出時間に至らずブロッカ82をオフにすることを禁止されているか、または、図8のステップS17によって、滞留検出時間に至ってブロッカ82をオフにすることを許可されているか否かを判断する。
図8のフローチャートのステップS17の処理によって、ブロッカ82をオフ状態にすることを許可されていると判別したときには、ブロッカ82をオフ状態に変更し(ステップS33)、エラーを情報表示手段300に表示し(ステップS34)、本サブルーチンを終了する。すなわち、滞留検出時間に至ってブロッカ82をオフにすることを許可されているときには、ブロッカ82をオン状態からオフ状態にするとともに、メダルの滞留が発生したことを示すエラーを表示する。
一方、図8のフローチャートのステップS15の処理によって、ブロッカ82をオフ状態にすることを禁止されていると判別したときには、ブロッカ82をオン状態に維持し(ステップS35)、本サブルーチンを終了する。すなわち、滞留検出時間に至らないときには、滞留検出時間を経過するまでは、メダルの滞留が生じたのか否かの判断をせずに待機するために、ブロッカ82をオン状態に維持する。
上述したステップS31の判断処理で、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられていないと判別したときには、上述した図8のフローチャートのステップS19又はS20の処理によって、自動解除が有効とされているか、無効とされているか否かを判断する(ステップS36)。すなわち、既に、メダル等の被検出物体が除去されて、フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられていないときには、自動解除有効時間が経過したか否かを判断する。自動解除有効時間が経過していないときには、図8のステップS19で自動解除は有効にされており、自動解除有効時間が経過しているときには、図8のステップS20で自動解除は無効にされているので、ステップS36の判断は、自動解除が有効になっているか、無効になっているかを判断すればよい。
図8のフローチャートのステップS19の処理で、自動解除が有効にされていると判別したときには、自動解除するために、ブロッカ82をオフ状態からオン状態に変更し(ステップS37)、メダルの滞留が発生したことを示すエラー表示を解除し(ステップS38)、異常検出実行フラグをオンにし(ステップS39)、本サブルーチンを終了する。
ここで、異常検出実行フラグは、異常検出処理を実行するか否かを定めるためのフラグであり、異常検出実行フラグがオンのときには、異常検出処理(図示せず)を実行することを意味し、オフのときには、異常検出処理を実行しないことを意味する。
一方、図8のフローチャートのステップS20の処理によって、自動解除が無効にされていると判別したときには、ブロッカ82をオフ状態に維持し(ステップS40)、異常検出実行フラグをオフにし(ステップS41)、本サブルーチンを終了する。すなわち、自動解除有効時間が経過しているときには、自動解除をせず、後述する図10に示すリセットスイッチの操作をしなければ、ブロッカ82はオフ状態からオン状態へ変更されず、また、エラー表示も解除されない。このようにすることで、メダルが単に滞留したのか、異物が入れられたのかを区別することができる。また、メダルが滞留したと判別したときには、異常検出実行フラグをオフのままにすることにより、遊技者や管理者等を煩わせないようにするとともに、その後、自動解除有効時間が経過したときにも、異常検出実行フラグをオフのままに維持するが、後述するリセットスイッチ27の操作を要するようにすることで、不正行為を的確に防止することができる。
<リセットスイッチ操作処理>
図10は、リセットスイッチ27が押動操作されたとき実行される処理を実行するサブルーチンである。このサブルーチンは、メイン制御基板32において、所定の時間毎に呼び出されて実行される。
最初に、図8のフローチャートのステップS20の処理によって、自動解除が無効にされているか否かを判断する(ステップS51)。
自動解除が無効にされていないと判別したとき、すなわち、図8のフローチャートのステップS19の処理によって、自動解除が有効にされていると判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
一方、自動解除が無効にされていると判別したときには、リセットスイッチ27がスロットマシン10の管理者等によって操作されたか否かを判断する(ステップS52)。リセットスイッチ27が操作されていないと判別したときには、直ちに本サブルーチンを終了する。
リセットスイッチ27が操作されたと判別したときには、ブロッカ82をオフ状態からオン状態へ変更し(ステップS53)、メダルの滞留が発生したことを示すエラー表示を解除し(ステップS54)、本サブルーチンを終了する。
<<具体例>>
図11は、各種の状態に応じて、エラー表示が許可されている、又は許可されていないタイミングを示す具体的なタイムチャートである。
図11(a)は、エラー表示が許可されている状態、又は許可されていない状態を示すタイムチャートである。図11(b)は、ブロッカ82が許可状態となっているか、拒否状態となっているかを示すタイムチャートである。図11(c)は、フォトセンサ96aから発せられる検出信号の変化を示すタイムチャートである。図11(d)は、フォトセンサ96bから発せられる検出信号の変化を示すタイムチャートである。図11(e)は、異常検出実行フラグの状態の変化を示すタイムチャートである。図11(f)は、異常検出フラグの状態の変化を示すタイムチャートである。図11(g)は、リセット操作のを示すタイムチャートである。
図11(c)に示すように、時刻t1で、フォトセンサ96aは、被検出物体の存在を検出して存在信号を発する。図11(d)に示すように、時刻t1からやや遅れて、時刻t2で、フォトセンサ96bも、被検出物体の存在を検出して存在信号を発する。その後、存在信号が発せられたときを時間計測の基準時として、滞留検出時間が経過した時刻t3で、図11(b)に示すように、ブロッカ82を許可状態から拒否状態へ変更する。この時刻t3で同時に、図11(a)に示すように、エラー表示を開始する。
その後、自動解除有効時間が経過し、時刻t4で、被検出物体が存在しなくなることにより、図11(c)及び(d)に示すようにフォトセンサ96aと96bとから存在信号が発せられなくなる。しかし、このような場合には、自動解除有効時間を経過しているので、上述した図9のフローチャートのステップS36の判断処理で、「No」と判別されて、ブロッカ82は、拒否状態が維持されることになる。
この後、図11(g)に示すように、時刻t5でリセットスイッチ27が操作されることによって、上述した図10の処理が実行されて、図11(a)に示すようにエラー表示は解除され、図11(b)に示すようにブロッカ82は、拒否状態から許可状態へ変更される。
なお、この図11に示した例では、自動解除有効時間が経過した後に、被検出物体が存在しなくなる場合を示す。このため、図9のステップS41の処理によって、図11(e)に示すように、異常検出実行フラグは、常にオフのままである。したがって、この例の場合には、異常検出を実行することはないので、図11(f)に示すように、メダル選別装置70内に異物が入って異常が生じたか否かを示す異常検出フラグも、常にオフのままである。
本実施形態に係るスロットマシン10の前面を示す正面図である。 スロットマシン10の内部構造を示す図である。 後述するカバー78の一部を破断して示す図である。 メダル選別装置70に入ったメダルの動きを示すための正面図である。 図4に示した線X−X’についての断面図である。 滞留解除ボタン43によって、滞留したメダルを除去する様子を示すための平面図である。 スロットマシン10における主要な制御機能の概略を示す機能ブロック図である。 フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられたときを時間計測の基準時として、経過時間を計測するための処理を実行するサブルーチンを示すフローチャートである。 フォトセンサ96a又は96bから信号が発せられた信号を検出してブロッカ82の状態を変更する処理を実行するサブルーチンを示すフローチャートである。 エラー表示を許可するか否かの判断をするための処理を実行するサブルーチンを示すフローチャートである。 各種の状態に応じて、エラー表示を許可するか、禁止するかのタイミングを示す具体的なタイムチャートである。
符号の説明
10 スロットマシン
30L,30C,30R リール
42 スタートスイッチ
44a,44b,44c ストップスイッチ
100 メイン制御手段(遊技制御手段、選別制御手段)
120 役抽選手段
164 表示制御手段
166 存在監視手段
168 許否変更手段
170 入賞処理手段
180 エラー監視手段
300 情報表示手段
700 遊技媒体選別手段
720 検出手段
800 設定操作手段
900 初期化手段

Claims (1)

  1. 遊技媒体が投入される投入口を含み、前記遊技媒体が投入されたことに基づいて遊技が行われるスロットマシンであって、
    投入口から投入された遊技媒体を選別する遊技媒体選別手段であって、投入された遊技媒体の受け入れを許可する許可状態、又は投入された遊技媒体の受け入れを拒否する拒否状態となる遊技媒体選別手段と、
    前記遊技媒体を含む被検出物体の存在を検出し、前記被検出物体の存在を検出したときには存在信号を発する検出手段と、
    前記遊技の進行に基づいて、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態にするための、または前記遊技媒体選別手段を前記拒否状態にするための制御信号を前記遊技媒体選別手段に発する選別制御手段と、
    前記スロットマシンの筐体内に設けられたリセットスイッチを有し、前記リセットスイッチの操作によって、前記スロットマシンの動作状態を初期化する初期化手段と、
    所定のエラーの発生を監視するエラー監視手段と、
    前記エラー監視手段による監視結果に関する情報を表示する情報表示手段と、を含み、かつ、
    前記選別制御手段は、
    前記存在信号が前記検出手段から発せられた後に、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態から前記拒否状態へ変更する許否変更手段と、
    前記存在信号に基づいて前記遊技媒体選別手段において前記遊技媒体が滞留したか否かを判別し、前記遊技媒体が滞留したと判別したことに基づいて、前記被検出物体の存在の監視を禁止する存在監視手段と、
    前記存在信号が発せられたことに基づいて、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態から前記拒否状態へ変更したときには、不適切な状態が発生したことを示す発生情報を前記情報表示手段に表示する表示制御手段と、を含み、
    (1)前記存在信号が発せられてから第1の所定時間が経過した後も、前記存在信号が発せられているときには、i)前記否変更手段が、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態から前記拒否状態へ変更するとともに、ii)前記存在監視手段が、前記遊技媒体選別手段において前記遊技媒体が滞留していると判別し、前記被検出物体の存在の監視を禁止し、
    (2)前記許可状態から前記拒否状態へ変更したときから第2の所定時間に至るまでに、前記存在信号が発せられなくなったときには、i)前記否変更手段が、前記遊技媒体選別手段を前記拒否状態から前記許可状態へ変更するとともに、ii)前記存在監視手段が、前記被検出物体の存在の監視を再開し、iii)前記表示制御手段が、前記発生情報の表示を解除し、
    (3)前記第2の所定時間が経過した後も、前記存在信号が発せられているときには、i)前記否変更手段が、前記遊技媒体選別手段の拒否状態を維持するとともに、ii)前記表示制御手段が、前記発生情報の表示を維持し、
    (4)前記許否変更手段によって、前記遊技媒体選別手段が前記拒否状態に維持されたときには、前記初期化手段の操作によって、前記遊技媒体選別手段を前記許可状態に変更する、
    ことを特徴とするスロットマシン。
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