JP4849127B2 - ガスクロマトグラフ - Google Patents
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Description
2は試料導入部のガラスインサートであり、その先端にはキャピラリーカラム6の一端が接続されている。キャピラリーカラム6の他端は検出器8に接続されている。試料導入部の基端部にはキャリアガス導入管10が接続されており、圧力が調節されたキャリアガスが試料導入部の基端部に供給される。
液体試料はニードルを介してガラスインサート2の上部から注入され、キャリアガスとともに下方に流され、ガラスウール53と接触する。ガラスウール53は加熱ブロック51によって250℃程度に加熱されている。そのため、ガラスウールを流れる液体試料はミキシングされると同時に加熱されて、気化される。
気化された試料はキャピラリーカラム6とスプリット流路11に分岐する。キャピラリーカラム6を流れる試料は分離された後、検出器8によって検出される。
また、ガラスウールは洗浄することができないため、交換することが必要であるが、交換の前後でガラスウールの大きさが変化してしまうことがある。そのような場合、フェルールを用いたとしても、ガラスウールをガラスインサート2中の同位置に固定することは困難になり、測定の再現性に影響を及ぼしてしまう。さらに、キャリアガス圧力変化時にガラスインサート中のガラスウールの位置が変わり、測定の再現性に影響する。
その多孔質シリコンは、例えばフッ化水素酸中でシリコンを陽極酸化することにより形成することができる。
その矩形断面をもつパターンは、例えばシリコンにディープイオンエッチングを行なうことにより形成することができる。
その針状突起物は、例えばシリコンに異方性ドライエッチングを行うことにより形成することができる。
針状突起物の一例は、ブラックシリコンである。
その凹凸部の形状としては、矩形断面、針状突起物、円形断面等がある。
それらの形状は、射出成形を用いることによっても形成することができる。
4 試料気化部
5 ガラス管
6 キャピラリーカラム
7 オーブン
8 検出器
10,11 キャリアガス流路
12 セプタムパージ流路
13 スプリット流路
14 セプタム
16 試料注入器
18 ニードル
22 基体
24 流路
26 凹凸部
27 電源装置
図1はガスクロマトグラフの概略斜視図である。
2は試料導入部のガラスインサートであり、その先端には試料気化部4の一端が接続されている。試料気化部4の他端はガラス管5を介してキャピラリーカラム6の一端に接続され、キャピラリーカラム6の他端は検出器8に接続されている。キャピラリーカラム6は一定温度に保つためのオーブン7内に配置されている。
セプタムパージ流路12にはまた、試料導入部の基端部の圧力を検出する圧力センサ20が設けられている。キャリアガス導入口10の圧力調節機構は、圧力センサ20の検出出力を取り込んでキャリアガスの流量を調節する。
凹凸部26の材質は、シリコン、無機ケイ素化合物、金属、炭素及びセラミックからなる郡から少なくとも一つを選んだもの、又はこれらの複合体を用いることができるが、それぞれの材質を用いた場合の加工方法や凹凸部26の形状等については後述する。
21はガラス基板、23はシリコン基板である。シリコン基板23の片面には流路24と、流路24の試料排出口となる貫通穴29が形成されている。ガラス基板21には、流路24の試料導入部となる貫通穴28が形成されている。
基板21,23は、流路24が形成されている面が内側になるように対面させ、接合する。接合された試料気化部4の上面及び下面は、ガスケット30,32を介してジグ34,36により挟みこまれている。ガスケット30,32として、oリングを用いることもできる。
キャピラリーカラム6を一定温度に制御するため、オーブン7を150℃に設定する。凹凸部26は電源装置27により通電され、250℃に加熱されている。
ガラスインサート2内に導入される余分なキャリアガスはセプタムパージ流路12を経て外部に捨てられる。
実施例では試料注入器16からニードル18を介して液体試料を注入したが、オートサンプラやオートインジェクタ、マイクロシリンジなどにより、試料注入口から凹凸部26の表面に試料を1μL程度滴下するようにしてもよい。
ガスクロマトグラフの装置構成は図1の実施例と同じであり、ガラスインサート2の先端には試料気化部4の一端が接続され、試料気化部4の他端はガラス管5を介してキャピラリーカラム6の一端に接続され、キャピラリーカラム6の他端は検出器8に導かれるようになっている。ガラス管5には、キャリアガス導入管11とキャリアガスの一部を放出するスプリット流路13が設けられている。
凹凸部26を外部からの輻射熱により加熱するために、エネルギー源31とエネルギー源31から発せられるエネルギーを集光する集光レンズ30が試料気化部4の近傍に備えられている。
液体試料は、試料注入器16からニードル18を介してガラスインサート2内に注入され、キャリアガス導入管10から導入されるキャリアガスとともに試料気化部4に導入される。試料気化部4内の凹凸部26はエネルギー源31による輻射熱により250℃に加熱されているため、液体試料は凹凸部26の発熱により気化される。
気化された試料はキャリアガスによって流路24中を試料排出側へ運ばれ、スプリット比200:1でスプリット流路13とキャピラリーカラム6に分岐する。オーブン7により一定温度(150℃)に制御されたカラム6内に入った試料は、カラム内で分離されて検出器8で検出される。
[凹凸部の形成方法1(多孔質シリコン)]
図4は試料気化部に多孔質シリコンを形成する工程フローを示している。
(A)シリコン基板23を用意する。
(B)シリコン基板23の上側表面を熱酸化して、シリコン基板23の表面にシリコン酸化膜41を形成する。
(D)シリコン基板23の上側からイオンエッチングを行なうことにより、酸化膜パターン41aをマスクにしてシリコン基板23に流路24を形成する。
(E)試料気化部26の形成部分以外のシリコン基板23上に、フォトレジストを塗布し、試料気化部形成領域に開口をもつフォトレジストパターン43を写真製版技術により形成する。
(G)フォトレジストパターン43を基板23の両面から除去する。
(H)流路24の試料排出口に対応する位置に超音波加工を施し、貫通穴29を形成する。貫通穴の形成方法の他の例として、サンドブラスト法を用いてもよい。
他のガラス基板21に対しては、例えばサンドブラスト法などの加工法により、凹凸部26に対応する位置に貫通穴28を形成しておく。
(J)最後に、ガラス基板21とシリコン基板23の上面とを流路24を間に挟むように重ね合わせ、陽極接合によって貼り付ける。接合の他の方法として、シリコン基板23上にシリコン酸化膜を形成した状態でフッ化水素酸によって接合してもよい。
図5は試料気化部としてのチップに多孔質シリコンを形成する他の工程フローであり、左側に断面図、右側に上面図を示している。
(A)シリコン基板23を用意する。
(B)シリコン基板23の上側表面を熱酸化して、シリコン基板23の表面にシリコン酸化膜41を形成する。
(E)シリコン基板23に対し、凹凸部26側から写真製版技術とイオンエッチングを行なうことで、流路24を形成する。
(G)流路24の試料排出側にサンドブラスト法によって貫通穴29を形成する。シリコン基板23の上面と、流路24の試料導入側に貫通穴28が形成されているガラス基板21とを接合する。
上記の(G)ではフッ化水素酸による接合を説明したが、陽極接合を行なってもよい。
凹凸部26は異方性ドライエッチングにより形成することもでき、例えばブラック表面手法(非特許文献4参照。)を用いれば、シリコン基板上に針状突起物(ブラックシリコン(非特許文献5参照。))を形成することができる。
例えば、RIE(リアクティブイオンエッチング)装置により印加パワーを50W、エッチング圧力を2.7Pa、SF6ガス流量を20sccm、O2ガス流量を15ccmに設定して加工を行う。ブラックシリコンの形成条件は非特許参考文献4又は5に記載されているように、装置において凹凸部が異なる条件となる。
金属粉末射出成形法により凹凸部を作製する。作製方法として、金属粉末(例えば、ステンレス、セラミック、鉄、チタン、チタン合金、鉄−ニッケル合金、タングステン合金又はこれらの混合物)とプラスチック系バインダを混合し、射出成形後に脱脂・焼結して金属製凹凸部を完成する(非特許文献6参照。)。
その一例として、予め流路を形成したステンレス板に、凹凸部となる構造体(例えばポーラスシリコン)を設置すればよい。
貫通穴35が形成されたステンレス製ジグ34と、貫通穴37及び流路24が形成されたステンレス製ジグ36が、流路24を挟み込むように接合されている。流路24の一部は凹凸部26となっており、電源装置27に接続されている。
微細構造である凹凸部26、流路24、貫通穴35,37は、放電加工により作製することができ、ジグ34,36は溶接、圧着、ろう接、接着剤のいずれかで固定することができる。
また他の例として、ステンレス基板そのものを加工して、凹凸部26や流路24を形成するようにしてもよい。
Claims (8)
- 基体、該基体内に形成された流路、及び該流路内に微細加工により形成され、試料を気化するための凹凸部を有する試料気化部と、
前記凹凸部を加熱するエネルギーを供給するエネルギー供給部と、
前記試料気化部に接続され、前記試料気化部からキャリアガスとともに送られてきた試料成分を分離するカラムと、
前記カラムの溶出側に接続され、溶出した試料成分を検出する検出器と、を備え、
前記凹凸部は、以下の(A)から(E)のうちのいずれかであるガスクロマトグラフ。
(A)多孔質シリコン、
(B)前記流路の表面に形成された矩形断面をもつパターン、
(C)シリコンに異方性ドライエッチングを行うことにより形成された針状突起物、
(D)ブラックシリコンからなる針状突起物、
(E)射出成形により形成され、矩形断面、針状突起物又は円形断面の形状をもつもの。 - 前記多孔質シリコンはフッ化水素酸中でシリコンを陽極酸化することにより形成されたものである請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
- 前記矩形断面をもつパターンはシリコンにディープイオンエッチングを行なうことにより形成されたものである請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
- 前記凹凸部は金属からなるものであり、
前記エネルギー供給部は前記凹凸部につながる電極、及びその電極を介して前記凹凸部に電流を供給する電源装置である請求項1に記載のガスクロマトグラフ。 - 前記エネルギー供給部は前記凹凸部に輻射によるエネルギーを与えるエネルギー源である請求項1に記載のガスクロマトグラフ。
- 前記エネルギー源と前記凹凸部の間にはエネルギー源からのエネルギーを収束させるレンズが備えられている請求項5に記載のガスクロマトグラフ。
- 前記基体は少なくとも2枚の基板を貼り合わせて接合したものであり、前記流路は前記基板の少なくとも1枚に形成されている請求項1から5のいずれか一項に記載のガスクロマトグラフ。
- 前記基板の一方はシリコン基板、他方はガラス基板である請求項7に記載のガスクロマトグラフ。
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