JP3118567B2 - 高沸点気体状分子導入用誘導結合プラズマトーチ - Google Patents

高沸点気体状分子導入用誘導結合プラズマトーチ

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JP3118567B2 JP11146362A JP14636299A JP3118567B2 JP 3118567 B2 JP3118567 B2 JP 3118567B2 JP 11146362 A JP11146362 A JP 11146362A JP 14636299 A JP14636299 A JP 14636299A JP 3118567 B2 JP3118567 B2 JP 3118567B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスクロマトグラ
フ(GC)や熱分解炉(パイロライザー)等の高温源から発せ
られる高沸点の気体状分子(分析されるべき試料を高沸
点の気体状分子にしたもの)を誘導結合プラズマ(ICP)
に導入して誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-ES)や誘導
結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)で分析する際に、高
沸点の気体状分子を冷却、凝縮することなく全て誘導結
合プラズマの中心部に効率よく導入するための製品に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスクロマトグラフやパイロライ
ザーから発せられる高沸点の気体状分子を誘導結合プラ
ズマに導入するためには、ガスクロマトグラフやパイロ
ライザーの出口と誘導結合プラズマトーチの入り口の間
の試料導入管のみをニクロム線等により電気的に高温に
加熱する一方、誘導結合プラズマトーチ内部の試料導入
管は電気的に加熱せずに外部の試料導入管からの熱伝導
によって高温を維持しようとするタイプのもの(例えば
文献 A. W. Kim, M. E. Foulkes, L. Ebdon, S.J. Hil
l, R. L. Patience, A. G. Barwise, S. J. Rowland:
J. Anal. At. Spectrom., 7, 1147-1149 (1992).のFig.
1に記述されたもの)が多く使われている。
【0003】又、金属製の試料導入管に直接電気を流し
て電気抵抗加熱することによりガスクロマトグラフやパ
イロライザーの出口と誘導結合プラズマトーチの入り口
の間の試料導入管だけでなく、誘導結合プラズマトーチ
内部の試料導入管まで加熱するタイプのもの(例えば文
献 L. Ebdon, E. H. Evans, W. G. Pretorius, S. J.Ro
wland: J. Anal. At. Spectrom., 9, 939-943 (1994).
のFig.1に記述されたもの)も使われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱伝導により誘導結合
プラズマトーチ内部の試料導入管の温度を上げるタイプ
のものでは、つぎのような問題があった。 (1)トーチ内部の試料導入管の温度を均一に保つこと
は難しく先端部ほど温度が下がって高沸点化合物の凝縮
が起こる。このため高沸点化合物の分析ができなくなっ
たり、ガスクロマトグラフで分離された化合物の分離度
が低下する。一方、金属製の試料導入管に直接電気を流
して加熱するタイプでは金属の電気抵抗が小さいため大
電流が流れ感電の危険性が高い。 (2)金属を誘導結合プラズマに近づけると放電が起こ
り、バックグラウンドシグナルの上昇や金属製試料導入
管の消耗が激しい。 (3)上記のいずれのタイプでも試料導入管を誘導結合
プラズマトーチの中心位置に設定することが難しく、従
って試料導入管から出される高沸点化合物が誘導結合プ
ラズマの中心部に導入されないため分析感度や精度が低
下する。 (4)ヒーターの設定温度が高いと、ヒーター線に供給
されている電流が漏洩し、メークアップガスを流すため
の金属製チューブに漏洩電流が流れる。このため、金属
製チューブがICP及びICPに電力を供給している誘導コイ
ルの近くに設置されていると、漏洩電流による電磁場
が、誘導コイルにより形成されている電磁場に乱れを引
き起こし、ICP中心部にメークアップガスが導入されな
くなり、分析感度や精度が低下する。
【0005】上記(1)〜(3)の問題を解決するため
に、本発明者等が特開平11−31598号公報に開示
する発明をすでに提案している。本発明は、このすでに
提案している発明のさらに改良を加えた発明であり、上
記(1)〜(3)の問題の解決を図るとともに、さら
に、上記(4)の問題の解決を図ることを目的とするも
のである。
【0006】即ち、本発明は、誘導結合プラズマトーチ
のインジェクターチューブ内部を室温から例えば400℃
の高温域間で自由に温度制御可能な構造するものであ
り、インジェクターチューブ及び金属製パイプを有する
誘導結合プラズマトーチであって、メークアップガスを
流すための金属製チューブ、該金属製チューブ内に同芯
的に置かれ高沸点気体状分子をキャリアガスとともに流
すためのキャピラリーチューブ、ヒーター線、温度セン
サー及び保温剤の全てを上記金属製パイプ内に納めて一
体化したものを、上記インジェクターチューブの先端部
内に同芯的に挿入して設け、上記金属製チューブの先端
が石英ガラスガイドの軸方向の途中に設けられた接続面
まで挿入されるように構成された石英ガラスガイドを金
属製チューブの先端部に同芯的に密着して装着し、上記
金属製チューブを上記インジェクターチューブの中心位
置に固定し、上記石英ガラスガイドの金属製チューブと
の接触側の端部と接続面との間の領域までキャピラリー
チューブを挿入する構成として、誘導結合プラズマと金
属製チューブとの間に生じる放電を防ぎ、誘導結合プラ
ズマへ電力を供給する誘導コイルの電磁場の乱れを減少
することにより、高沸点化合物を誘導結合プラズマの中
心部に効率よく導入でき、しかもガスクロマトグラフや
パイロライザー等の外部の高温源と容易に接続や脱着が
可能な誘導結合プラズマトーチを実現することを課題と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、インジェクターチューブ及び金属製パイ
プを有する誘導結合プラズマトーチであって、メークア
ップガスを流すための金属製チューブ、該金属製チュー
ブ内に同芯的に置かれ高沸点気体状分子をキャリアガス
とともに流すための試料導入管としてのキャピラリーチ
ューブ、ヒーター線、温度センサー及び保温剤の全てを
上記金属製パイプ内に納めて一体化したものを上記イン
ジェクターチューブの先端部内に同芯的に挿入して設
け、上記金属製チューブの先端部に石英ガラスガイドの
基端部を同芯的に密着して装着し、上記金属製チューブ
を上記インジェクターチューブの中心位置に固定し、上
記石英ガラスガイドの基端部まで上記キャピラリーチュ
ーブを挿入する構成とすることにより、誘導結合プラズ
マと上記金属製チューブとの間に生じる放電を防ぎ、上
記誘導結合プラズマへ電力を供給する誘導コイルの電磁
場の乱れを減少させるとともに、上記メークアップガス
と混合されたキャリアーガスを上記誘導結合プラズマ中
心部に正確に導入可能とすることを特徴とする誘導結合
プラズマトーチを提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照
して説明する。図1は本発明の誘導結合プラズマトーチ
を示す図であり、図1(a)は全体図であり、図1
(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図1
(a)において、アルゴンガス等のメークアップガスを
流すための金属製チューブ3の中に、分析されるべき試
料の気体状分子を導入するためのキャピラリーチューブ
4を同芯的に設け、金属製チューブ3及びキャピラリー
チューブ4をヒーター線1、温度センサー2及び保温剤
15と一緒に金属製パイプ(金属製パイプ5、6、7を
溶接して一本のパイプにしたもの)内に納めて、一体化
したものを誘導結合プラズマトーチのインジェクターチ
ューブ11の先端部内に同芯的に挿入するとともにコネ
クター付きのボールジョイント12を用いてインジェク
ターチューブ11と結合する。
【0009】上記金属製パイプの金属材料としてはステ
ンレス鋼が用いられるが、耐熱性があり非腐食性のもの
であれば他の金属、或いはセラミックスを用いてもよ
い。キャピラリーチューブ4としては、ガスクロマトグ
ラフで使用される内面が不活性化されたシリカキャピラ
リーが用いられるが、内面が不活性化されたものであれ
ば他の材質を用いてもよい。金属製チューブ3の先端部
に石英ガラスガイド10の基端部10’を同芯的に装着
させる。金属製チューブ3の基端部はコネクター13で
高温源からの金属製チューブ14と接続される。そし
て、石英ガラスガイド10の基端部までキャピラリーチ
ューブ4を挿入する構成とする。
【0010】ヒーター線1は電気抵抗加熱により熱を供
給する働きをし、温度センサー2は温度を測定する働き
をする。温度センサー2により測定された温度と設定温
度の差はヒーター線1に供給される電流の調整に用いら
れる。金属製パイプ5、6、7は上記の温度センサーと
保温剤15を収納してその内部の温度を均一に保つ働き
をする。コネクター付きのボールジョイント12は、金
属製パイプのインジェクターチューブ11に対する位置
を調整し結合可能とする。又、外部の空気が誘導結合プ
ラズマトーチのインジェクターチューブ11に浸入して
くるのを防ぐ働きをする。
【0011】石英ガラスガイド10は石英ガラス管を加
工したもので、その外径はインジェクターチューブ11
の内径に等しく、金属製チューブ3と接続する側の内径
は金属製チューブの外径と等しくし、メークアップガス
がスムーズに流れるよう、金属製チューブと石英ガイド
のつなぎ目の段差をなくしておく。
【0012】なお、石英ガラスガイド10は熱伝導によ
り加熱する必要があるため、金属製チューブ3と密着し
て設ける。又、このガイドの材質としては石英ガラスが
加工が簡単で清浄なものが得られるのでよく使用される
が、石英ガラスと同様に熱伝導性が良く且つ電気の絶縁
体であれば他の材料、例えばセラミックス等を使用して
もよい。
【0013】
【作用】上記のように構成された誘導結合プラズマトー
チの作用を以下説明する。ガスクロマトグラフやパイロ
ライザー等の高温源から発せられた高沸点の気体状分子
と、この高沸点気体状分子を誘導結合プラズマに運ぶた
めのHeガス等のキャリヤーガスは、キャピラリーチュ
ーブ4を通り図面右方向の誘導プラズマの方向へ導入さ
れる。メークアップガスは、キャピラリーチューブ4を
破損しないよう保護する働きをする金属製チューブ3内
を通り図面右方向に導入される。メークアップガスは、
石英ガラスガイド10において、高沸点気体状分子及び
キャリヤーガスの流れと混合され、上記気体状分子を誘
導結合プラズマの中心部に送り込む。
【0014】石英ガラスガイド10は、メークアップガ
ス用の金属製チューブ3をインジェクターチューブ11
の中心位置に固定する機能を有するが、同時に、金属製
チューブ3をICP及び誘導コイル8から遠ざけることに
より、誘導コイル8により形成されている電磁場が、金
属製チューブ3に流れる漏洩電流により乱されることを
防ぐ働きをしている。特に、本発明では、キャピラリー
チューブ4の石英ガラスガイド10内への挿入は基端部
10’までとする構成により、誘導結合プラズマと、上
記金属製チューブ3の先端との間に生じる放電を防ぐだ
けでなく、上記誘導結合プラズマへ電力を供給する誘導
コイルの電磁場の乱れを一層減少させ、且つキャピラリ
ーチューブ4が金属製チューブ3の中心に必ずしも設置
されていなくても、キャピラリーチューブ4を通過した
キャリヤーガスが金属製チューブ3を通過したメークア
ップガスと混合された後、プラズマの中心位置に正確に
導入されることを可能とする。
【0015】又、石英ガラスガイド10は電気的に絶縁
体であり、誘導結合プラズマに近づけても放電しないた
め、誘導結合プラズマと金属製チューブ3の間に設置す
ることにより、その間の放電を防止する働きをしてい
る。石英ガラスガイド10には、金属製チューブ3から
の熱伝導により供給される熱と、高温のメークアップガ
スから熱伝導により供給される熱と、誘導結合プラズマ
から供給される輻射熱があり、しかも石英ガラスガイド
の大きさは例えば全長5〜20 mmと小さいため、この部分
の温度は殆ど下がらず、従って、高沸点化合物の凝縮も
起こらない。以上の作用により、高温源からの高沸点の
気体状分子を効率よく誘導結合プラズマの中心部に導入
することが可能となり、これらの分子を分析できるよう
になる。
【0016】
【実施例】さらに、本発明を実施例で詳細に説明する。
気体状分子を導入するためのキャピラリーチューブ4と
しては、例えばガスクロマトグラフで使用されている内
面を不活性化した内径が0.32 mm、外径が約0.5 mmのシ
リカキャピラリーを用いることができるが、耐熱性が高
く且つ内面が不活性化されたものであれば、他の材質並
びに他の内径、外径のものを用いてもよい。
【0017】金属製チューブ3としては、例えば外径1.
59 mm、内径1.00 mmのステンレス鋼チューブが使用でき
るが、これと近似した寸法のものを使用してもよい。金
属製チューブ3の基端はコネクター13で高温源からの
金属製チューブ14と接続される。この接続部分でも高
沸点化合物の凝縮が起こらないよう加熱、保温すること
は当然である。金属製チューブ3はヒーター線1と温度
センサー2と一緒に金属製パイプ(金属製パイプ5、
6、7を溶接して一本のパイプにしたもの)に納め、内
部に熱を均一に伝えるため保温剤15詰める。保温剤と
してはセラミックパウダーやガラスビーズ或いは金属線
を短く切ったもの等が用いられる。保温剤が金属製パイ
プ7からこぼれないよう、端面は金属製栓9を嵌め込む
か耐熱性のあるセラミック接着剤等で固めておくとよ
い。
【0018】金属製パイプ5、6、7としては各々、例
えば外径2.11 mm×内径1.69 mm、外径3.40 mm×内径2.8
4 mm、外径6.35 mm×内径4.75 mmのステンレス鋼パイプ
が用いられるが、誘導結合プラズマトーチのインジェク
ターチューブ11の内部に納まり且つヒーター1と温度
センサー2と金属製チューブ3を収納できるものであれ
ば適当な管径のパイプを用いてもよい。通常の溶液噴霧
で用いられる誘導結合プラズマトーチのインジェクター
チューブの内径は先端部を除いて約4 mm、外径は約6 mm
のものが多いため、金属製パイプ5及び6の外径を4 mm
以下に抑えることが望ましい。又、通常の溶液噴霧で用
いられるインジェクターチューブの先端部は内径が2.0
mmから3.0 mmの間の値となるものが多いため、金属製チ
ューブ3の外径は2 mm以下であることが望ましい。
【0019】金属製パイプ7は、コネクター12により
誘導結合プラズマトーチと結合されるが、コネクター1
2のねじ部(コネクター12の図面中左側の部分)によ
り金属性パイプ5のチューブ11内での軸方向の位置を
調節することができる。又、コネクター12のボールジ
ョイント部(コネクター12の図面中右側の部分)によ
り金属製パイプ5がチューブ11と平行になるように角
度を調整することができる。金属製チューブ3及び金属
製パイプ5は溶接により強度を強めてある。溶接の代わ
りに銀ろうや接着剤を使用してもよい。
【0020】石英ガラスガイド10は例えば図2に示す
ように、金属製チューブ3と正確に接続するため片側の
内径を金属製チューブ3の外径と等しくし、且つメーク
アップガスがスムーズに流れるよう、金属製チューブと
石英ガラスガイドのつなぎ目の段差をなくしておく。石
英ガラスガイド10の外径はインジェクターチューブ1
1に正確に納まるようにインジェクターチューブ11の
内径と等しくした。石英ガラスガイド10は金属製チュ
ーブ3からの熱伝導をよくするためできる限り密着して
接合させる。このガイドとしては、石英ガラスが加工が
簡単で清浄なものが得られるのでよく使用されるが、石
英ガラスと同様に熱伝導性が良く且つ電気の絶縁体であ
れば他の材料、例えばセラミックス等を使用してもよ
い。
【0021】石英ガラスガイド10は、最初から金属製
チューブ3に接合し、インジェクターチューブ11に挿
入してもよいし、金属製チューブ3を納めた金属製パイ
プ(金属製パイプ5,6,7を溶接して一本のパイプに
したもの)をインジェクターチューブ11に挿入した
後、インジェクターチューブ11先端から金属製チュー
ブ3に嵌め込んでもよい。このとき金属製チューブ3
と、ICP及び誘導コイル8の距離が短い場合にヒーター
温度を上げていくと、高温(例えば240℃以上)で、そ
れまでICP中心部に正確に導入されていたメークアップ
ガスが中心からずれる現象がみられる。
【0022】この原因としては、ヒーターからの漏洩電
流が金属製チューブ3に流れ、これが誘導コイル8によ
り形成されている電磁場を乱すことが一つの原因ではな
いかと考えられる。この乱れをなくすためには金属製チ
ューブ3を誘導コイル8から離す必要があり、その目安
としては、金属製チューブ3の先端をインジェクターチ
ューブ11の先端から、例えば5 mm以上(使用するICP
装置により異なる)離すとよい。又、キャピラリーチュ
ーブ4の石英ガラスガイド10内への挿入は基端部1
0’までとし、キャピラリーチューブ4の金属製チュー
ブ3内における中心位置からのズレが、メークアップガ
スと混合されたキャリヤーガスの誘導結合プラズマ中心
部への導入効率の低下を引き起こさないようにする。な
お、メークアップガスを効率よくICPの中心部に導入す
るためには、石英ガラスガイド10の先端位置をインジ
ェクターチューブ11の先端と一致させるとよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の高沸点気体
状分子導入用誘導結合プラズマトーチは、従来ガスクロ
マトグラフやパイロライザー等の高温源から発せられた
高沸点気体状分子を誘導結合プラズマ発光分析法や誘導
結合プラズマ質量分析法で分析する際に問題となってい
た、誘導結合プラズマトーチへの凝縮による感度低下や
ガスクロマトグラフの分離能の低下、試料導入管と誘導
結合プラズマの間の放電によるバックグラウンドシグナ
ルの増加と試料導入管の消耗、試料導入管の振動や中心
位置からのズレによる精度と感度の低下、ヒーター温度
が高いときの漏洩電流によると考えられる電磁場の乱れ
といった問題を全て解決することができる。
【0024】特に、本発明の誘導結合プラズマトーチで
は、金属製チューブの先端部に石英ガラスガイドの基端
部を同芯的に密着して装着し、この金属製チューブをイ
ンジェクターチューブの中心位置に固定し、キャピラリ
ーチューブを石英ガラスガイドの基端部まで挿入する構
成により、誘導結合プラズマと上記金属製チューブとの
間に生じる放電を防ぐとともに、上記誘導結合プラズマ
へ電力を供給する誘導コイルの電磁場の乱れを減少さ
せ、且つキャピラリーチューブの位置がズレても、誘導
結合プラズマ中心部に正確にキャリアーガスを導入する
ことができる。
【0025】又、これらの効果を発揮するために必要な
構成要素を全て一体化することにより誘導結合プラズマ
トーチへの取付や取外し、位置調整、ガスクロマトグラ
フやパイロライザー等の高温源との接続も容易に行うこ
とが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高沸点気体状分子導入用誘導結合プラ
ズマトーチの全体の断面図及びそのA−A断面図であ
る。
【図2】本発明の石英ガラスガイドを金属製チューブに
装着し、インジェクターチューブに設置した状態を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ヒーター線 2 温度センサー 3 メークアップガス用の金属製チューブ 4 試料導入用のキャピラリーチューブ 5、6、7 金属製パイプ 8 誘導コイル 9 金属製栓 10 石英ガラスガイド 11 誘導結合プラズマトーチのインジェクターチュー
ブ 12 ボールジョイント付きコネクター 13 コネクター 14 高温源からの金属製チューブ 15 保温剤
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/62 - 21/74 G01N 27/62 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インジェクターチューブ及び金属製パイ
    プを有する誘導結合プラズマトーチであって、 メークアップガスを流すための金属製チューブ、該金属
    製チューブ内に同芯的に置かれ高沸点気体状分子をキャ
    リアガスとともに流すためのキャピラリーチューブ、ヒ
    ーター線、温度センサー及び保温剤の全てを上記金属製
    パイプ内に納めて一体化したものを、上記インジェクタ
    ーチューブの先端部内に同芯的に挿入して設け、上記金
    属製チューブの先端が石英ガラスガイドの軸方向の途中
    に設けられた接続面まで挿入されるように構成された石
    英ガラスガイドを金属製チューブの先端部に同芯的に密
    着して装着し、上記金属製チューブを上記インジェクタ
    ーチューブの中心位置に固定し、上記石英ガラスガイド
    の金属製チューブとの接触側の端部と接続面との間の領
    域までキャピラリーチューブを挿入する構成とすること
    により、誘導結合プラズマと上記金属製チューブとの間
    に生じる放電を防ぎ、上記誘導結合プラズマへ電力を供
    給する誘導コイルの電磁場の乱れを減少させるととも
    に、上記メークアップガスと混合されたキャリアーガス
    を上記誘導結合プラズマ中心部に正確に導入可能とする
    ことを特徴とする誘導結合プラズマトーチ。
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