JP4849069B2 - 電磁波シールドフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、CRT、PDPなどのディスプレイから発生する電磁波を遮蔽(シールド)する、光透過性を有する電磁波シールドフィルタに関する。
近年、電気電子機器の機能高度化と増加利用に伴い、電磁気的なノイズ妨害(Electro Magnetic Interference;EMI)が増え、陰極線管(CRTという)、プラズマディスプレイパネル(PDPという)などのディスプレイでも電磁波が発生する。この電磁波をシールドするために、ディスプレイ前面に配置する電磁波シールドフィルタが知られている。このような用途に用いる電磁波シールドフィルタでは、電磁波シールド性能と共に光透過性も要求される。そこで、基材に樹脂フィルムやガラス板等の透明基材を用い、この透明基材上に、金属箔のエッチングや金属メッキにより、導電性を備えたメッシュ層を形成した電磁波遮蔽シールドフィルタが知られている。
以上のように、メッシュ層を銅箔や銅メッキ層等を利用して形成した場合、外光等の不要光をメッシュ層が反射し、反射する金属光沢が透視画像の明室コントラストを低下させる。従って、通常、上記メッシュ層はその表面を黒化層で被覆する構成とするなど、外観が黒い黒化処理面が施されて、光反射を防止している(特許文献1、特許文献2)。その際、黒化処理面は黒化度が高く、光反射防止性能がよくなる点で、その表面粗さを規定するのが良いとされている。例えば、特許文献1には、表面粗さRaを0.10〜1.00μmが規定されている。また、特許文献2には、JIS B0601に定める算術平均粗さRaを0.02〜1.00μmの範囲が規定されている。
特開2000−286594号公報 特開2003−318596号公報
電磁波シールドフィルタは、メッシュ層が空気に直接露出した構造とすることは稀であり、通常、メッシュ層の保護や光学フィルタ機能の付加のために、メッシュ層を被覆するように透明樹脂層を設けることが多い。そのため、メッシュ層の透明樹脂層側の黒化処理面は、透明樹脂層が密着積層し、該透明樹脂層で言わば濡れた状態となる。このため、その黒化処理面は、空気に露出された時とは異なる概観(これを表面が液体で濡れたときの色にならって「濡れ色」と称する)を呈する。また、この濡れ色に見える現象は、透明基材上に、該透明基材側を黒化処理面とするメッシュ層を積層した構成でも同様である。
従って、通常使用される構成においては、黒化処理面の外観は、この濡れ色が直接的に影響し、従来技術のように算術表面粗さRaを規定しただけでは、黒化処理面の黒化度を充分に出せないことがあった。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、濡れ色を呈するような構成で用いられる場合であっても黒化度が充分で、光反射防止効果に優れた黒化処理面を有する電磁波シールドフィルタを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明に係る電磁波シールドフィルタは、透明基材上に、導電性メッシュ層を少なくとも有する電磁波シールドフィルタにおいて、当該導電性メッシュ層の少なくとも表裏面の何れか一面以上の面が黒化処理され、当該黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(RSCI)が10.8%以下で、且つ全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)が0.86以上1以下であることを特徴とする。
本発明に係る電磁波シールドフィルタは、黒化処理された導電性メッシュ層の黒化処理面について、全反射率と、全反射率に対する拡散反射率の比を上記特定の範囲とすることにより、濡れ色を呈するような構成で用いられる場合であっても、黒化度が充分で、光反射防止効果に優れた黒化処理面を有することができ、ディスプレイの画像の視認性を良好にすることができる。
本発明に係る電磁波シールドフィルタにおいては、前記黒化処理面が微小凹凸を有し、該微小凹凸の輪郭曲線に粗さ曲線を採用したときに、当該粗さ曲線の十点平均粗さRzJIS(JIS B0601(1994年版))が2μm以上であることが、黒化度が充分で光反射防止効果に優れた黒化処理面を有することができ、視認性を良好にすることができる点から、好ましい一態様として挙げられる。
本発明に係る電磁波シールドフィルタにおいては、前記黒化処理面を有する導電性メッシュ層の当該黒化処理面上に、透明樹脂層が積層されている構成であっても良い。このような構成を有する場合には、透明樹脂層下の黒化処理面を該透明樹脂層で腐食や傷つきなどから保護できる。更に、透明樹脂層下のメッシュ層の黒化処理面は、該透明樹脂層の接触で濡れ色となるが、本発明によれば、濡れ色となった黒化処理面においても光反射防止の点で優れたものとなるからである。
本発明に係る電磁波シールドフィルタは、黒化処理された導電性メッシュ層の黒化処理面について、全反射率と、全反射率に対する拡散反射率の比を上記特定の範囲とすることにより、濡れ色を呈するような構成で用いられる場合であっても、黒化度が充分で、光反射防止効果に優れた黒化処理面を有することができる。その結果、本発明に係る電磁波シールドフィルタによれば、光の反射が低減され、コントラスト感を出すことによりディスプレイの画像の視認性を向上することができる。
本発明に係る電磁波シールドフィルタの例を示す断面図である。 本発明に係る電磁波シールドフィルタのメッシュ層に於ける黒化処理面の組合せ例を示す断面図である。 (A)は輪郭曲線(粗さ曲線R)、(B)は確率密度関数ADFと負荷曲線BACで、(C)は(B)を確率密度が縦軸で上側正となる様に回転したグラフを示す図である。 確率密度関数ADFを滑らかにした(確率密度)曲線adcを示し、本発明において好適な上に凸の曲線形状例が(A)で、下に凸の曲線形状例が(B)である。
符号の説明
1 透明基材
2 メッシュ層
21 メッシュ状導電体層
22 黒化層
3 透明樹脂層
4 被着体
10 電磁波シールドフィルタ
ADF 確率密度関数
Adc 確率密度曲線
BAC 負荷曲線
ML 平均線
R 粗さ曲線
Rp (粗さ曲線の)最大山高さ
Rv (粗さ曲線の)最大谷深さ
上記課題を解決すべく、本発明に係る電磁波シールドフィルタは、透明基材上に、導電性メッシュ層を少なくとも有する電磁波シールドフィルタにおいて、当該導電性メッシュ層の少なくとも表裏面の何れか一面以上の面が黒化処理され、当該黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(RSCI)が14%以下で、且つ全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)が0.8以上であることを特徴とする。
本発明における黒化処理面は、電磁波シールドフィルタがディスプレイに用いられる形態において観察者が当該電磁波シールドフィルタを見る側に、少なくとも設けられるものである。また、本発明における黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(RSCI)は、JIS Z8722に準拠して、分光測色計(例えば、コニカミノルタセンシング株式会社製、CM−3600d)を反射モードに設定し、光源は標準の光D65、視野2°を用いて、検出器を、反射光のうち拡散反射光と鏡面反射光の両方を総合した全反射光の(積分)強度を測定するようなSCI(Specular Compenent Include)モードに設定して、Y値(3刺激値XYZのY)を測定したものである。また、黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した拡散光線反射率(RSCE)は、同様に分光測色計を用いて、光源及び視野は上記と同じにして、検出器を、反射光のうち拡散反射光のみの(積分)強度を測定するようなSCE(Specular Compenent Exclude)モードに設定して、Y値(3刺激値XYZのY)を測定したものである。
本発明に係る電磁波シールドフィルタは、黒化処理面を上記のような特定の反射特性を有するように最適化することにより、濡れ色においてもより黒く見え、且つ、黒光りをすることなく、導電性メッシュ層面での外光反射による透視画像の黒レベルの低下が防止され、その黒レベルを向上させることができる。従って、本発明に係る電磁波シールドフィルタを備えると、透視画像の明室コントラスト感を出すことによりディスプレイの画像の視認性を向上することができる。
〔層構成〕
先ず、図1は本発明による電磁波シールドフィルタ10について、基本的な形態を例示する断面図である。
図1(A)は、透明基材1上に導電性メッシュ層2(以下単に「メッシュ層」とも略称する)が積層されている構成である。また、図1(B)は、透明基材1上に導電性メッシュ層2が積層され、更に導電性メッシュ層2上に透明樹脂層3が積層された構成である。また、図1(C)のように、透明樹脂層3上に被着体層4が積層されていても良いし、図1(D)のように、透明基材1側に被着体層4が積層されていても良い。また、これら図1では、導電性メッシュ層2は、メッシュ状導電体層21と黒化層22とからなり、メッシュ層の黒化処理面はメッシュ状導電体層の面に形成した黒化層22の面として形成されている。なお、図1は、黒化処理面は導電体メッシュ層2の線条部分(ライン部)の表面(図面上方)及び両側面に形成した形態での説明図である。黒化処理面は、導電性メッシュ層の表裏面のうち少なくとも1面以上に設け、処理面の組み合わせは図2で後述するように各種ある。なお、上記被着体層4とは、例えば、シート状や板状或いは塗膜状の、反射防止フィルタ、近赤外吸収フィルタ等の各種光学フィルタ、保護フィルム、或いはディスプレイ自体の構成部品となる前面基板等の任意の機能を有する層である。
なお、電磁波シールドフィルタとして、その他の層を必要に応じて適宜、設けても良い。例えば、導電性メッシュ層の錆が懸念される場合に防錆層で被覆するなど、従来公知の電磁波シールドフィルタにおける各種の層や処理は、本発明の目的及び効果を逸脱しない範囲で追加しても良い。
ここで、本発明において「表側」「表面」とは、透明基材に対して導電性メッシュ層が形成された側を「表側」(図面上方を向く側でもある)、導電性メッシュ層が形成された側と同じ向きとなる面(図面の上方の面でもある)を「表面」という。「裏側」「裏面」は、各々上記「表側」「表面」とは逆となる側(図面下方を向く側でもある)乃至面(図面の下方の面でもある)をいう。
また、ディスプレイ用途等に適用した場合において、観察者側の面は、本発明で定義する表面ではなく、裏面であっても良い。
以上の例示は、本発明の電磁波シールドフィルタの態様を限定するものではない。本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明の電磁波シールドフィルタについて、透明基材から、各層毎に順に説明する。
[透明基材]
透明基材1は、機械的強度が弱い銅メッシュ層を補強するための層である。従って、機械的強度と共に光透過性を有すれば、その他、耐熱性、絶縁性等も適宜勘案した上で、用途に応じたものを選択使用すれば良い。透明基材の具体例としては、例えば、透明樹脂等の有機材料からなる板及びシート(乃至フィルム。以下同様。)等、並びに、ガラス等の無機材料からなる板等である。
上記透明樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。
なお、これら樹脂は、樹脂材料的には、単独、又は複数種類の混合樹脂(ポリマーアロイを含む)として用いられ、また層的には、単層、又は2層以上の積層体として用いられる。また、樹脂シートの場合、1軸延伸や2軸延伸した延伸シートが機械的強度の点でより好ましい。
また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
また、ガラスとしては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラスなどがあり、より好ましくは熱膨脹率が小さく寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカリガラス等が挙げられ、ディスプレイの前面基板等とする電極基板と兼用することもできる。
なお、透明基材の厚さは、用途に応じたものとすれば良く特に制限は無く、透明樹脂から成る場合は、通常12〜1000μm程度であるが、好ましくは50〜500μmである。一方、透明基材がガラス板である場合には、通常1〜5mm程度が好適である。いずれの材料においても、上記未満の厚さとなると機械的強度が不足して反りや弛み、破断などが起こり、上記を超える厚さとなると過剰性能でコスト高となる上、薄型化が難しくなる。
また、透明基材は、ディスプレイ本体の一構成要素である前面基板と兼用しても良いが、前面基板の前に配置する前面フィルタとして電磁波シールドフィルタを用いる形態では、薄さ、軽さの点で、板よりもシートが優れており、また割れない等の点でも、ガラス板よりも樹脂シートが優れている。
この様な点で、透明基材としては樹脂シートが好ましい材料であるが、樹脂シートのなかでも、特に、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂シートが、透明性、耐熱性、コスト等の点で好ましく、より好ましくは2軸延伸ポリエチレンテレフタレートシートが最適である。なお、透明基材の透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光線透過率で80%以上となる光透過性が良い。
なお、樹脂シート等の透明基材は、適宜その表面に、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの公知の易接着処理を行ってもよい。
また、透明基材は色素等で着色しても良い。着色により、近赤外線吸収、ネオン光吸収、色調整、外光反射防止等が図れる。例えば、樹脂の透明基材に対しては、近赤外線吸収剤、ネオン光吸収剤、色調整用色素、外光反射防止用色素等の従来公知の各種色素を添加すればよい。
[導電性メッシュ層]
導電性メッシュ層2は、電磁波遮蔽機能を担う層であり、またそれ自体は不透明性であるが、メッシュ状の形状で開口部を設けることで、電磁波遮蔽性能と光透過性を両立させている層である。本発明における導電性メッシュ層は、表面及び裏面のうち少なくとも1面以上を黒化処理による黒化処理面とし、且つ当該黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(RSCI)が14%以下、より好ましくは12%以下で、且つ全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)が0.8以上のものである。本発明においては、黒化処理面に上記特定の反射特性を付与するために、通常、導電性メッシュ層の本体とする金属箔等から形成した導電性のメッシュ状導電体層21の必要な面に、黒化処理によって黒化層22を形成し、該黒化層の露出面を黒化処理面とする。なお、黒化層以外にメッシュ層の形状的特徴であるメッシュ形状が維持される点で、適宜、後述する防錆層等のその他の層を導電性メッシュ層の構成層として設けても良い。電磁波シールドフィルタがディスプレイに用いられる形態において観察者が当該電磁波シールドフィルタを見る側の最表面に当該防錆層等のその他の層が形成される場合には、当該最表面の層が黒化処理面となり、上記特定の反射特性を有する必要がある。
(メッシュ状導電体層)
メッシュ状導電体層21は、一般的には金属箔のエッチングで形成した物が代表的であるが、これ以外のものでも、電磁波シールド性能に於いては意義を有する。従って、本発明では、メッシュ状導電体層の材料及び形成方法は特に限定されるものでは無く、従来公知の光透過性の電磁波シールドフィルタに於ける各種メッシュ状導電体層を適宜採用できるものである。例えば、印刷法やめっき法等を利用して透明基材上に最初からメッシュ状の形状でメッシュ状導電体層を形成したもの、或いは、最初は透明基材上に全面に、めっき法で導電体層を形成後、エッチング等でメッシュ状の形状にしてメッシュ状導電体層としたもの等でも構わない。
例えば、メッシュ状導電体層のメッシュ形状をエッチングで形成する場合は、透明基材に積層した金属層をエッチングでパターンニングして開口部を空けてメッシュ状にすることで形成できる。透明基材に金属層を積層するには、金属箔として用意した金属層を接着剤で透明基材にラミネートしたり、或いはラミネート用接着剤は用いずに、金属層を蒸着、スパッタ、めっき等の1或いは2以上の物理的或いは化学的形成手法を用いて透明基材上に積層したりすることもできる。なお、エッチングによるメッシュ状導電体層は、透明基材に積層前の金属箔単体をエッチングでパターニングしてメッシュ状のメッシュ状導電体層とすることも可能である。この層単体のメッシュ状導電体層は、接着剤等で透明基材に積層する。これらのなかでも、機械的強度が弱いメッシュ状導電体層の取扱が容易で且つ生産性にも優れ、また、市販の金属箔を利用できる等の点で、金属箔を接着剤で透明基材に積層した後、エッチングでメッシュ状に加工して、透明基材上に接着剤を介して積層された形態となる、メッシュ状導電体層は代表的である。この場合の接着剤としては、粘着性の無い接着剤、或いは粘着剤(粘着剤層)等の公知の接着剤を採用すれば良い。
メッシュ状導電体層は、電磁波シールド性能を発現するに足る導電性を有する物質であれば、特に制限は無いが、通常は、導電性が良い点で金属層が好ましく、金属層は上記のように、蒸着、めっき、金属箔ラミネート等により形成することができる。金属層乃至は金属箔の金属材料としては、例えば、金、銀、銅、鉄、ニッケル、クロム等が挙げられる。また金属層の金属は合金でも良く、金属層は単層でも多層でも良い。例えば、鉄の場合には、低炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼などの低炭素鋼、Ni−Fe合金、インバー合金、等が好ましい。一方、金属が銅の場合は、金属材料は銅や銅合金となり、銅箔としては圧延銅箔や電解銅箔があるが、薄さ及びその均一性、黒化層との密着性等の点からは、電解銅箔が好ましい。
なお、金属層によるメッシュ状導電体層の厚さは、1〜100μm程度、好ましくは2〜20μmである。厚さがこれより薄くなり過ぎると電気抵抗上昇により十分な電磁波シールド性能を得難くなり、厚さがこれより厚くなり過ぎると高精細なメッシュ形状が得難くなり、メッシュ形状の均一性が低下する。
また、メッシュ状導電体層となる金属層の表裏面は、透明基材と接着積層させる為の透明接着剤層等の隣接層との密着性向上が必要な場合は当該面を粗面とすると良い。
また、メッシュ状導電体層となる金属層の表面は、当該面に黒化層を追加的に形成する場合、黒化層がより薄くても所望の微小凹凸や低反射特性を有することが容易となりやすい点から、表面粗さは、メッシュ状導電体層となる金属層の表面の輪郭曲線として粗さ曲線を採用した時に、当該輪郭曲線の十点平均粗さRzJIS(JIS B0601(1994年版))が1μm以上であることが好ましい。
(黒化処理)
黒化処理は上記導電性メッシュ層の面の光反射を防ぐためのものであり、黒化処理で形成された黒化処理面により、導電性メッシュ層面での外光反射による透視画像の黒レベルの低下を防いで、その黒レベルを向上させ、また、透視画像の明室コントラスト感を出すことによりディスプレイの画像の視認性を向上するものである。黒化処理面は、導電性メッシュ層のライン部(線条部分)の全ての面に設けることが好ましいが、本発明では表裏両面のうち少なくとも何れか1面以上は黒化処理面とする。本発明に係る電磁波シールドフィルタは、当該黒化処理面を有する側を、観察者が見る側としてのディスプレイの前面に設置される。
なお、黒化処理面は、単層の導電性メッシュ層の面自体であっても良い。つまり、導電性メッシュ層が単層で、該単層の表面が上記特定の反射特性を有するものであれば、その表面は付加的な黒化処理は不要である。本発明においては、このような付加的な黒化処理なしでも、表面が上記特定の反射特性を有するものであれば、結果として同じ表面物性を有するから、その面も「黒化処理面」として本発明に含めることにする。
但し、通常は、電磁波シールド機能に必要な導電性の点で、導電性メッシュ層には金属層等の導電体層が採用され、またこのような導電体層は、通常その表面色は金属色等であって黒色ではなく、上記本発明における黒化処理面にならないことが多い。従って、このような場合には、その表面に後述する黒化層を形成するなどの黒化処理を施して、該形成された黒化層の表面で黒化処理面を実現した構成とする。また、表面に黒化層を設けるとは、該表面を構成する層(メッシュ状導電体層等)にメッキ等で付加的に設ける他、エッチング等で表面から内部に向かって該表面を構成する層自体を黒化層に変化させても良い。従って、通常、導電体メッシュ層2は、導電性により電磁波シールド機能を担うメッシュ状導電体層21とその少なくとも表裏面のうち1面以上の面には黒化層22を設けた層とする(図2参照)。
従って、前記本発明に係る特定の反射特性を有する黒化処理面の対象面を黒化層22の形成面で例示すると、導電性メッシュ層2のライン部の表裏両面(図2(A))、表面だけ(図2(B))、裏面だけ(図2(C))、表面と側面(両側或いは片側)だけ、裏面と側面(両側或いは片側)だけ、全面(表裏両面と両側面)(図2(D))等である。但し、これは前記特定の反射特性を有する黒化処理面について示したのであって、上記示した黒化処理面以外に、通常では黒化処理された面の範疇に入るが前記所望の反射特性を有しない黒化処理された面を有していても良い。例えば、全面が通常では黒化処理された面の範疇に入るが、表面だけが本発明で規定する所望の反射特性を有する黒化処理面である等である。
(黒化処理面)
本発明における導電性メッシュ層の黒化処理面は、黒乃至は黒に近い色(褐色、紺色、深緑色等。これも含めて黒ということにする。)を呈し、JIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(RSCI)が14%以下、好ましくは12%以下で、且つ全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)が0.8以上であるという光学特性を有する。
黒化処理面を上記のような特定の反射特性を有するように最適化することにより、濡れ色においてもより黒く見え、且つ、黒光りをすることなく、導電性メッシュ層面での外光反射による透視画像の黒レベルの低下が防止され、その黒レベルを向上させることができる。これらは黒化処理面に透明樹脂層が更に積層された濡れ色においても達成でき、本発明に係る電磁波シールドフィルタを備えると、透視画像の明室コントラスト感を出すことによりディスプレイの画像の視認性を向上することができる。
本発明における黒化処理面の上記全光線反射率は、14%以下であるが、好ましくは12%以下、更に好ましくは8%以下である。上記全反射率は低いほど、濡れ色においてもより黒くみえることが可能な点から好ましい。技術的に達成が困難な点から黒化処理面の上記全反射率は通常0.1%以上である。
また、本発明における黒化処理面の全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)は、0.8以上であるが、好ましくは、0.9以上、更に好ましくは0.95以上である。全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)は、1に近いほど全反射における拡散反射の成分が多くなり、鏡面反射の成分が少なくなる点から、所謂黒光りをすることなく、黒レベルを向上させることができる。
本発明に係る黒化処理面の反射特性を上記特定の反射特性とするためには、黒化処理の条件を適宜調整して黒化の色及び微小凹凸の形状を調整することが好ましい。
本発明に係る黒化処理面の反射特性を上記特定の反射特性とするための一態様として、黒化処理面の形状は、微小凹凸を有することが、拡散反射成分を増やす点から好ましい。上記特定の反射特性は、黒化処理面の微小凹凸の様々な特性に依存するものである。
当該微小凹凸のうち、上記特定の反射特性を得るための好ましい形状の一形態としては、黒化処理面の表面の輪郭曲線として粗さ曲線を採用した時に、当該輪郭曲線の十点平均粗さRzJIS(JIS B0601(1994年版))が1μm以上、更に2μm以上であることが好ましい。ここで黒化処理面の輪郭曲線としては、断面曲線、粗さ曲線、うねり曲線があるが、本発明においては、うねり曲線を断面曲線から差し引いた粗さ曲線Rを採用する。黒化処理面が上記のように輪郭曲線の十点平均粗さRzJIS(JIS B0601(1994年版))が特に2μm以上である場合には、上記特定の反射特性を有しやすい。当該輪郭曲線の十点平均粗さRzJIS(JIS B0601(1994年版))は、更に好ましくは2〜5μmである。なお、導電性メッシュ層の強度、及び電磁波遮蔽性の確保の点から、RzJISの値は導電性メッシュ層の厚みの半分程度以下の値とすることが好ましい。
また、当該微小凹凸のうち、上記特定の反射特性を得るための好ましい形状の一形態としては、微小凹凸の輪郭曲線に粗さ曲線を採用したときの該輪郭曲線の確率密度関数〔JIS B0601(2001年版)規定〕において、確率密度のピーク付近の形状が、該確率密度関数を滑らかにした曲線にて、確率密度を縦軸にとり且つ上方向にとったときに(横軸は粗さ曲線の凹凸の振幅値)、上に凸の曲線形状となる場合が挙げられる。なお、上に凸の「上」とは、前記確率密度を縦軸にとり且つ上方向を確率密度の正の値にとった時の上である。
図3で説明すれば、図3(A)が輪郭曲線としての粗さ曲線Rを示し、図中、符号MLは平均線である。なお、輪郭曲線としては、断面曲線、粗さ曲線、うねり曲線があるが、うねり曲線を断面曲線から差し引いた粗さ曲線Rを本発明では採用する。そして、図3(B)が図3(A)の粗さ曲線Rの輪郭曲線から算出された、粗さ曲線の確率密度関数ADFと、粗さ曲線の負荷曲線BAC(累積曲線)である。図中、Rpは粗さ曲線の最大山高さ、Rvは粗さ曲線の最大谷深さを示す。そして、図3(C)が、図3(B)を確率密度が図面上側正方向の縦軸となる様に時計回り逆方向に90度回転させたグラフである。なお、図3(C)中、水平軸のRpとRv間、確率密度の縦軸は、真数目盛りであり対数目盛りではない。確率密度関数ADFが示す形状は、図3(C)の様に細かく凸凹する形状なので、図4(A)の様に、これを滑らかな曲線化したのが確率密度曲線Adcである。表面を測定して得られる確率密度関数ADFは、図3(B)及び(C)の如く、棒グラフの様なギザギサなグラフとなるので、これを最小二乗法等によって滑らか確率密度曲線として、測定表面の微小凹凸の特徴を捉える。なお、確率密度関数を滑らかな曲線化するとは、表面の測定を無限回数繰り返せば、ギザギザしたグラフは平均化し、最終的には確率密度関数は滑らかな曲線に近づき、この最終的な曲線を1回乃至は少ない測定回数の結果から近似的に求めることに該当する。そして、図4(A)で示す確率密度曲線Adcの様に、その確率密度曲線のピーク付近の形状が、上に凸の曲線形状からなる黒化処理面が、図4(B)の様なピーク付近の形状が尖った形状で尖点を有し、ピークの頂点を通り縦軸に平行な直線に対して左右に位置する曲線がいずれも下に凸の曲線形状からなっている黒化処理面よりも、より優れた反射防止性能を与える。
上記のような確率密度関数の曲線形状は、多くは、例えば、当該微小凹凸が粗い凹凸に細かい凹凸が重畳した場合に得られる。
黒化処理面の微小凹凸を上述のような特定の微小凹凸とするためには、後述するような黒化層を形成する際の黒化処理の条件を適宜調整するか、或いは黒化処理する対象面、すなわち黒化処理面の下地面の表面の微小凹凸具合を調整する。なお、下地面は鏡面よりも微小凹凸面を有する場合の方が、黒化層を追加的に形成する場合では、より薄くても所望の微小凹凸や反射特性を有することが容易となりやすい。下地面の微小凹凸として好ましい形状は、上記記載したとおりである。黒化層を形成する際の黒化処理の好ましい条件としては後述する。
また、該黒化処理面の好ましい黒濃度は0.6以上である。なお、黒濃度の測定方法は、COLOR CONTROL SYSTEMのGRETAG SPM100−11(キモト社製、商品名)を用いて、観察視野角10度、観察光源D50、照明タイプとして濃度標準ANSITに設定し、白色キャリブレイション後に、試験片を測定する。
(黒化層)
黒化層22は前述した黒化処理面を付与する為に設ける層であり、黒等の暗色を呈し、密着性等の基本的物性を満足するものであれば良く、公知の黒化層を適宜採用し得る。
従って、黒化層としては、金属等の無機材料、黒着色樹脂等の有機材料等を用いることができ、例えば無機材料としては、金属、合金、金属酸化物、金属硫化物の金属化合物等の金属系の層として形成する。金属系の層の形成法としては、従来公知の各種黒化処理法を適宜採用できる。なかでも、めっき法による黒化処理は密着性、均一性、容易性等で好ましい。めっき法の材料は、例えば、銅、コバルト、ニッケル、亜鉛、モリブデン、スズ、クロム等の金属や金属化合物等を用いる。これらは、密着性、黒さ等の点でカドミウム等による場合よりも優れている。
なお、メッシュ状導電体層が銅箔等、銅による場合、黒化層形成の為の黒化処理として好ましいめっき法には、銅からなるメッシュ状導電体層(メッシュ状とする前に行うのであればその前の導電体層)を、硫酸、硫酸銅及び硫酸コバルト等からなる電解液中で、陰極電解処理を行いカチオン性粒子を付着させるカソーディック電着めっき法がある。この方法によれば、カチオン性粒子の付着で黒色と同時に粗面も得られる。カチオン性粒子としては、銅粒子、銅合金粒子を採用できる。銅合金粒子としては、銅−コバルト合金粒子が好ましく、更にその平均粒子径は0.001〜1μmが好ましい。銅−コバルト合金粒子により、銅−コバルト合金粒子層からなる黒化層が得られる。カソーディック電着法では、付着させるカチオン性粒子の平均粒子径0.001〜1μmに揃えられる点でも好ましい。平均粒子径が上記範囲超過では、付着粒子の緻密さが低下し黒さの低下やムラが起こり、粒子脱落(粉落ち)が発生し易くなる。一方、平均粒子径が上記範囲未満でも、黒さが低下する。なお、カソーディック電着法は処理を高電流密度で行うことで、処理面がカソーディックとなり、還元性水素発生で活性化し、銅面とカチオン性粒子との密着性が著しく向上する。
また、黒化層として、黒色クロム、黒色ニッケル、ニッケル合金等も好ましく、該ニッケル合金としては、ニッケル−亜鉛合金、ニッケル−スズ合金、ニッケル−スズ−銅合金である。特に、ニッケル合金は黒色度合いと導電性が良い上、黒化層に防錆機能も付与でき(黒化層兼防錆層となる)、防錆層を省略することもできる。しかも、通常、黒化層の粒子は針状のために、外力で変形して外観が変化しやすいが、ニッケル合金による黒化層では粒子が変形し難く、後加工工程で外観が変化し難くい利点も得られる。なお、黒化層として、ニッケル合金の形成方法は、公知の電解または無電解メッキ法でよく、ニッケルメッキを行った後に、ニッケル合金を形成してもよい。
或いは、メッシュ状導電体層が銅の場合、これをアルカリ性溶液と反応させて酸化させ、酸化銅微粒子を表面易析出させる方法も有る。例えば、特開2002−9484号公報記載のように、銅のメッシュ層を、ピロリン酸銅水溶液、ピロリン酸カリウム水溶液、及びアンモニア水溶液との混合液に浸漬する方法等が挙げられる。
本発明において、黒化処理面が特に上記反射特性を有するようにするためには、メッシュ状導電体層の表面の状態により黒化層の形成方法を適宜選択して行なう。
例えば、銅からなるメッシュ状導電体層の表面の粗さが比較的大きくRzJISが1μm以上であるときは、黒色ニッケルめっきにより黒化層を形成することが好ましい。また、メッシュ状導電体層の表面の粗さが比較的小さくRzJISが1μm未満であるときは、平均粒子径1nm〜1μm程度の銅粒子や銅−コバルト合金粒子を用いたカソーディック電着法、或いは、アルカリ性溶液による平均粒子径1nm程度の酸化銅微粒子形成により黒化層を形成することが好ましい。
(メッシュ形状)
なお、メッシュ層2のメッシュ状としての形状は、任意で特に限定されないが、そのメッシュの開口部の形状として、正方形が代表的である。開口部の平面視形状は、例えば、正三角形等の三角形、正方形、長方形、菱形、台形等の四角形、六角形、等の多角形、或いは、円形、楕円形などである。メッシュはこれら形状からなる複数の開口部を有し、開口部間は通常幅均一のライン状のライン部となり、通常は、開口部及びライン部は全面で同一形状同一サイズである。具体的サイズを例示すれば、開口率及びメッシュの非視認性の点で、開口部間のライン部の幅は5〜25μmが良い。また、開口部サイズは〔ライン間隔或いはラインピッチ〕−〔ライン幅〕であるが、この〔ライン間隔或いはラインピッチ〕で言うと150μm〜500μm、且つ開口率(開口部の面積の合計/メッシュ部の全面積)を80〜95%とするのが、光透過性と電磁波遮蔽性との両立性の点で好ましい。
なお、バイアス角度(メッシュのライン部と電磁波シールドフィルタの外周辺との成す角度)は、ディスプレイの画素ピッチや発光特性を考慮して、モアレが出難い角度に適宜設定すれば良い。
なお、メッシュ層2は電磁波シールドフィルタの全面に亘ってメッシュ状としても良いが、光透過性が必要な部分をメッシュ状のメッシュ部として、その他の部分(例えば4辺全周囲を額縁状に囲う様な)非メッシュ部としても良い。非メッシュ部は、前記メッシュ部以外の部分であり、光透過性が面として必要でない領域となる。通常、メッシュ部の外周部に非メッシュ部を設ける。また、非メッシュ部は通常アースを取るのに利用される。アースに利用する非メッシュ部は通常、四辺全周囲に額縁状とする。また、額縁状の非メッシュ部は、ディスプレイ画像等のメッシュ部を透して見る画像に対して、その周囲を(例えば黒枠等として)額縁状に囲って該画像を引き立たせ見栄えを良くする外枠としても利用できる。なお、非メッシュ部は、アースを取る場合は少なくともその一部において導体層を露出させるのが好ましい。
なお、非メッシュ部の具体的大きさは使われ方によるが、額縁状でアース部や外枠とする場合、額縁の幅は15〜100mm程度で、なかでも30〜40mmとするのが一般的である。
(防錆層)
メッシュ層2としては、必要に応じ適宜その他の層の形成、乃至は処理を施しても良い。例えば、錆びに対する耐久性が不十分な場合は、防錆層を設けると良い。防錆層は、また前述した黒化層もそうであったが、それがメッシュ層の形状的特徴であるメッシュ形状を維持する限り、メッシュ層に含まれるメッシュ層の構成層として本発明では捉える。
防錆層はメッシュ層の表面の錆び易い面に施せば良いが、黒化処理面上に更に施す場合は、施された後の黒化処理面(実際は防錆層面であるが)でも、本発明では表裏両面のうち少なくとも1面以上は、所望の反射特性を有する面とする。防錆層によるメッシュ層の被覆面は、表面だけ、裏面だけ、表裏両面、側面(両側或いは片側)だけ、表面と両側面、裏面と両側面、表裏両面と両側面等である。
防錆層は、それで被覆するメッシュ状導電体層よりも錆び難いものであれば、金属等の無機材料、樹脂等の有機材料、或いはこれらの組合せ等、特に限定されるものではない。また場合によっては、黒化層をも防錆層で被覆することで、黒化層の粒子の脱落や変形を防止し、黒化層の黒さを高めることもできる。この点では、メッシュ状導電体層を金属箔で形成する場合、透明基材上の金属箔に黒化処理で黒化層を設けておく場合には、該黒化層の脱落や変質防止の意味で、透明基材と金属箔との積層前に設けておくのが好ましい。
防錆層は、従来公知のものを適宜採用すれば良く、例えば、クロム、亜鉛、ニッケル、スズ、銅等の金属乃至は合金、或いは金属酸化物の金属化合物の層等である。これらは、公知のめっき法等で形成できる。ここで、防錆効果及び密着性等の点で好ましい防錆層の一例を示せば、亜鉛めっきした後、クロメート処理して得られるクロム化合物層が、挙げられる。
なお、クロムの場合はクロメート(クロム酸塩)処理等でもよい。なお、クロメート処理は、処理面にクロメート処理液を接触させて行う。
また、クロメート処理は、該処理前に亜鉛めっきするのが、密着性、防錆効果の点で好ましい。また、防錆層中には、エッチングや酸洗浄時の耐酸性向上の為に、シランカップリング剤等のケイ素化合物を含有させることもできる。
なお、防錆層の厚さは通常0.001〜2μm程度、好ましくは0.01〜1μmである。
〔透明樹脂層〕
透明樹脂層3は、図1(B)の断面図で例示のように、導電性メッシュ層2による表面凹凸を埋めてメッシュ層側の表面を平坦化することにより、メッシュ層側で被着体と接着剤等で積層する場合に気泡抱き込み等を防いだり、メッシュ層を外力から保護したりする為に、必要に応じて設ける層である。なお、該保護の点では、この透明樹脂層は表面保護層でもある。また、図1(C)のように、透明樹脂層3は、被着体4と導電性メッシュ層2との間に介在し、両者を接着させる接着剤層として用いることもできる。この様な透明樹脂層3は、透明基材1上に積層した導電性メッシュ層2による凹凸表面に対して、樹脂を含む液状組成物を塗布等で施すことで形成できる。該液状組成物としては、透明な樹脂を含むものであれば特に限定は無く、公知の樹脂を適宜採用すれば良い。例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電離放射線硬化性樹脂等である。例えば、熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、酢酸ビニル系樹脂等であり、熱硬化性樹脂としては、熱硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性アクリル樹脂等であり、電離放射線硬化性樹脂としては紫外線や電子線で硬化するアクリレート系樹脂等である。なかでも、メッシュ層による凹凸を埋め易い点では、無溶剤或いは無溶剤に近い状態で塗工形成したりできる、電離放射線硬化性樹脂は好ましい樹脂である。
なお、透明樹脂層は平坦化目的の点では、導電性メッシュ層の開口部のみを埋めれば足りるが、図1(B)のようにメッシュ層のライン部直上も含めて形成しても良い。ライン部直上も含めて透明樹脂層を設けた場合、透明樹脂層に接するメッシュ層の面が黒化処理面の場合、透明樹脂層によって濡れ色となる。特に、本発明ではこの濡れ色の場合でも、光反射防止効果が高いので、ライン部直上も含めて透明樹脂層を形成した構成は、好適な構成の一つである。
〔その他の層:被着体、光学フィルタ層、表面保護層、透明接着剤層等〕
なお、上記被着体とは、例えば光学フィルタ層(フィルム、シート、板)、表面保護層(フィルム、シート、板)等である。光学フィルタ層の光学フィルタ機能としては、近赤外線吸収、反射防止(含む防眩)、色調調整(ネオン光吸収、色再現性向上)、外光反射防止等である。また、表面保護層の機能としては、防汚染、耐擦傷性等である。これらは、従来公知のものを適宜採用すれば良い。また、光学フィルタ層、表面保護層は透明樹脂層の被着体としてではなく、塗布等によってメッシュ層上、透明樹脂層上、光学フィルタ層の場合は別の光学フィルタ層上に形成することもできる。
また、被着体4は、図1(C)とは逆に、図1(D)のように透明基材1側に積層されていても良い。透明基材と被着体間は、これら同士に接着性がない場合には適宜透明な透明接着剤層を間に介して積層する。透明接着剤層としては、粘着性の無い接着剤、或いは粘着剤(粘着剤層)等の公知の接着剤を採用すれば良い。該透明接着剤層は、透明樹脂層の1形態といえる。また、被着体はディスプレイ用電磁波シールドフィルタの表裏両面に積層しても良い。その場合、表裏で被着体の種類(機能)を使い分けることができる。
〔その他〕
なお、透明基材、透明樹脂層、透明接着剤層、被着体等の電磁波シールドフィルタを構成する樹脂中には、外光反射防止用色素、ネオン光吸収剤、色調整用色素、等の電磁波シールドフィルタに於いて公知の色素を適宜添加しても良い。
また、メッシュ層の詳細を説明する図1、黒化処理面を説明する図2は、例示であり、本発明の電磁波シールドフィルタの形態を限定するものではない。本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例を示して具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。尚、実施例中、部は特に特定しない限り重量部を表す。
<実施例1>
まず、透明基材1として、連続帯状で無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ100μm)の表側とする面に、厚さ10μmの電解銅箔を、2液硬化型ウレタン樹脂系接着剤を用いてドライラミネートして、連続帯状の銅貼積層シートを作製した。
次いで、上記銅貼積層シートの銅箔に対して、フォトリソグラフィー法を利用したエッチングで、メッシュ状に加工し、透明基材1上にメッシュ状導電体層21が形成されたメッシュ積層シートを作成した。
次いで、このメッシュ積層シートのメッシュ状導電体層側の面に対して、黒色ニッケルめっきによる黒化層22を形成する黒化処理を施して、導電性メッシュ層2の表面(及び両側面)に表1に示す反射特性の黒化処理面を有する、図1(A)の様な電磁波シールドフィルタ10を作製した。なお、形成したメッシュの形状は、その開口部が正方形でライン部のライン幅25μm、ラインピッチ150μmである。また、メッシュ部の四辺全周は額縁状の非メッシュ部とした。
更に、上記電磁波シールドフィルタ10のメッシュ層側の面に対して、接着剤層を兼用する透明樹脂層3として、アクリル樹脂系塗液を非メッシュ部は部分的に露出させる様にその内周一部も含めて間欠ダイコート法でメッシュ層上に間欠塗工した。次いで、塗液の溶剤乾燥後の塗膜に、被着体として厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを基材とし其の表面に弗素樹脂系の低屈折率層を反射防止層として形成してなる反射防止フィルムを、其の基材側がメッシュ層側を向く(反射防止層が最表面に露出する)様にしてラミネートし、反射防止機能付きの所望の電磁波シールドフィルタを作製した。
<実施例2〜5>
実施例1において電解銅箔を各々変更した他は、実施例1と同様にして、表1に示す反射特性の黒化処理面を有する図1(A)の様な電磁波シールドフィルタ10を作製した。次いで、実施例1と同様にして、反射防止機能付きの電磁波シールドフィルタを作製した。
<実施例6>
実施例1において電解銅箔を変更し、更に、黒色ニッケルめっきによる黒化層22を形成する代わりに、カソーディック電着めっき法により平均粒子径1nmの銅粒子を付着して黒化層22を形成した他は、実施例1と同様にして、表1に示す反射特性の黒化処理面を有する図1(A)の様な電磁波シールドフィルタ10を作製した。次いで、実施例1と同様にして、反射防止機能付きの電磁波シールドフィルタを作製した。
<実施例7>
実施例1において電解銅箔を変更し、更に、黒色ニッケルめっきによる黒化層22を形成する代わりに、カソーディック電着めっき法により平均粒子径0.1μmの銅−コバルト合金粒子を付着して黒化層22を形成した他は、実施例1と同様にして、表1に示す反射特性の黒化処理面を有する図1(A)の様な電磁波シールドフィルタ10を作製した。次いで、実施例1と同様にして、反射防止機能付きの電磁波シールドフィルタを作製した。
<実施例8>
実施例1において電解銅箔を変更し、更に、黒色ニッケルめっきによる黒化層22を形成する代わりに、カソーディック電着めっき法により平均粒子径0.2μmの銅−コバルト合金粒子を付着して黒化層22を形成した他は、実施例1と同様にして、表1に示す反射特性の黒化処理面を有する図1(A)の様な電磁波シールドフィルタ10を作製した。次いで、実施例1と同様にして、反射防止機能付きの電磁波シールドフィルタを作製した。
<実施例9>
実施例1において電解銅箔を変更し、更に、黒色ニッケルめっきによる黒化層22を形成する代わりに、カソーディック電着めっき法により平均粒子径1μmの銅粒子を付着し、その後更にコバルトめっきを行なって黒化層22を形成した他は、実施例1と同様にして、表1に示す反射特性の黒化処理面を有する図1(A)の様な電磁波シールドフィルタ10を作製した。次いで、実施例1と同様にして、反射防止機能付きの電磁波シールドフィルタを作製した。
<実施例10>
まず、透明基材1として、厚さ100μmで片面にポリエステル樹脂系プライマー層を形成した、連続帯状の無着色透明な2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。この透明基材のプライマー層上に、スパッタ法で、順次、厚さが0.1μmのニッケル−クロム合金層及び厚さが0.2μmの銅層を設けて導電処理層とした。該導電処理層面に、硫酸銅浴を用いた電解メッキ法で厚さが2.0μmの銅メッキ層を設け、導電処理層及び銅メッキ層からなる導電体層が透明基材上に接着剤層を間に介さずに直接形成された、銅貼積層シートを作製した。次いで、上記銅貼積層シートの銅箔に対して、フォトリソグラフィー法を利用したエッチングで、メッシュ状に加工し、透明基材1上にメッシュ状導電体層21が形成されたメッシュ積層シートを作成した。次いで、このメッシュ積層シートのメッシュ状導電体層側の面に対して、ピロ燐酸銅水溶液、ピロ燐酸カリウム水溶液、及びアンモニア水の混合溶液を用いた酸化により平均粒子径0.1μmの酸化銅微粒子を析出させる黒化処理を施して、導電性メッシュ層2の表面(及び両側面)に表1に示す反射特性の黒化処理面を有する、図1(A)の様な電磁波シールドフィルタ10を作製した。その他は、実施例1と同様にして、反射防止機能付きの電磁波シールドフィルタを作製した。
<比較例1、比較例2>
実施例1において電解銅箔を各々変更した他は、実施例1と同様にして、電磁波シールドフィルタを作製した。
〔性能評価〕
先ず、実施例及び比較例の電磁波シールドフィルタについて、黒化処理面の特性と、性能評価結果を、表1に示す。
なお、黒化処理面の反射特性及び微小凹凸は、メッシュ層のメッシュ部の外周に在る非メッシュ部のメッシュ層表面の黒化処理面で評価した。また、光反射防止性能もメッシュ部の開口部の影響を削除できる点で、非メッシュ部の部分(但し、透明樹脂層を介して反射防止フィルムが積層され濡れ色となる内周部分)で行った。
(1)黒化処理面の反射特性
黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(%)は、分光測色計(例えば、コニカミノルタセンシング株式会社製、CM−3600d)を反射モードに設定し、光源は標準の光D65、視野2°を用いて、検出器を、反射光のうち、拡散反射光と鏡面反射光の両方を総合した全反射光の(積分)強度を測定するようなSCIモードに設定して、Y値(3刺激値XYZのY)を測定した。また、黒化処理面のJIS Z8722による拡散光線反射率(%)は、同様に分光測色計を用いて、光源及び視野は同じくして、鏡面反射光を光トラップで吸収遮断することによって、検出器が反射光のうち拡散反射光のみの(積分)強度を測定するようなSCEモードに設定して、Y値(3刺激値XYZのY)を測定した。
(2)光反射防止性能
電磁波シールドフィルタの光反射防止性能の評価は、透明樹脂層及び光反射防止フィルムを積層した後の濡れ色となった状態で、黒化処理面側の全光線反射率(%)を、反射防止フィル側から測定した(表中「AR」)。全光線反射率の測定方法は、(1)における全光線反射率の測定方法と同様に行なった。濡れ色となった状態での全光線反射率(AR)は小さい方が好ましく、全光線反射率が5%未満である場合が、光反射防止性能として許容範囲である。
(3)黒化処理面の十点平均粗さRzJIS、Ra
黒化処理面の微小凹凸は、微小凹凸の輪郭曲線に粗さ曲線を採用したときの、当該輪郭曲線の十点平均粗さRzJIS(JIS B0601(1994年版)、単位はμm)により評価した。また、参考値として、該微細凹凸の中心線平均粗さRa(JIS B0601、単位はμm)も合わせて測定した。
(4)確率密度曲線
黒化処理面の微小凹凸に関し、微小凹凸の輪郭曲線に粗さ曲線を採用したときの、当該輪郭曲線の確率密度関数〔JIS B0601(2001年版)規定〕において、確率密度のピーク(頂上部)付近の形状が、該確率密度関数を滑らかにした曲線にて、確率密度を縦軸にとり且つ上方向にとったときに(横軸は粗さ曲線の凹凸の振幅値)、上に凸の曲線から成る形状となるか否かをみた。そして、図4(A)のように、ピーク付近の形状が上に凸の曲線からなる場合を「上に凸」、また図4(B)のように、ピーク付近の形状が尖った形状で尖点を有し、ピークの頂点を通り縦軸に平行な直線に対して左右に位置する曲線がいずれも下に凸の曲線形状からなっている場合を「下に凸」と略記した。
Figure 0004849069
<結果のまとめ>
表1に示すように、黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(RSCI)が14%以下で、且つ全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)が0.8以上である各実施例はいずれも、これらの反射特性を満たさない各比較例に比べて、濡れ色となった状態での全光線反射率(AR)が小さく、より優れた光反射防止性能が得られた。実施例8〜10以外の実施例及び比較例は、表面の算術平均粗さRaでは、0.2〜1.0μmの範囲内で、従来ならばいずれも良好とされて来た範囲であるが、反射特性によって、性能差がある事が判明した。また、実施例8〜10により、従来ならば良好とされてきた表面の算術平均粗さRaの範囲外であっても、良好な光反射防止性能が得られることが明らかになった。

Claims (5)

  1. 透明基材上に、導電性メッシュ層を少なくとも有する電磁波シールドフィルタにおいて、当該導電性メッシュ層の少なくとも表裏面の何れか一面以上の面が黒化処理され、当該黒化処理面のJIS Z8722に準拠して測定した全光線反射率(RSCI)が10.8%以下で、且つ全光線反射率(RSCI)に対する拡散光線反射率(RSCE)の比(RSCE/RSCI)が0.86以上1以下であることを特徴とする電磁波シールドフィルタ。
  2. 前記黒化処理面が微小凹凸を有し、該微小凹凸の輪郭曲線に粗さ曲線を採用したときに、当該粗さ曲線の十点平均粗さRzJIS(JIS B0601(1994年版))が2μm以上であることを特徴とする、請求項1に記載の電磁波シールドフィルタ。
  3. 前記黒化処理面を有する導電性メッシュ層の当該黒化処理面上に、透明樹脂層が積層されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の電磁波シールドフィルタ。
  4. 前記黒化処理面が微小凹凸を有し、該微小凹凸の輪郭曲線に粗さ曲線を採用したときの、該輪郭曲線の確率密度関数〔JIS B0601(2001年版)規定〕において、確率密度のピーク付近の形状が、確率密度を縦軸にとり且つ上方向にとり、粗さ曲線の凹凸の振幅値を横軸にとったときに、上に凸の曲線形状となることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルタ。
  5. 前記黒化処理面が、黒色ニッケルめっき、カソーディック電着めっき法による銅粒子付着、カソーディック電着めっき法による銅−コバルト合金粒子付着、コバルトめっき、酸化銅微粒子析出よりなる群から選ばれる黒化処理によって形成されたものであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の電磁波シールドフィルタ。
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