JP4848951B2 - 路車間通信の判定システム及びその方法とこれに用いる車載機、光ビーコン - Google Patents
路車間通信の判定システム及びその方法とこれに用いる車載機、光ビーコン Download PDFInfo
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Description
具体的には、車両の保持するビーコン間の旅行時間情報等を含むアップリンク情報が車載機からインフラ側の光ビーコンに送信され、逆に、渋滞情報、区間旅行時間情報、事象規制情報及び車線通知情報等を含むダウンリンク情報が光ビーコンから車載機に送信されるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
なお、実際に設置されている光ビーコンでは、ダウンリンク領域DAの上流端が、アップリンク領域の上流端よりも上流側に設定されている場合がある。
また、前記路車間通信では、車載機に対して信号機情報等を送信する条件として、アップリンク領域において車載機が送信したアップリンク情報を光ビーコンが確実に受信する必要があるため、光ビーコンによるアップリンク情報の受信確率を高い状態に維持することが必要である。
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度
この場合、前記判定装置の判定部は、受信した実測数値と前記アップリンク情報の送信周期を用いて前記アップリンク領域の推定領域長さを算出した上で、この推定領域長さが所定の範囲内にあるか否かによって路車間通信の適否を判定するため、数値による的確な判断を行うことができる。
このように、前記推定領域長さを用いた適否判定方法によって、アップリンク領域長さ及びアップリンク情報の受信確率のうち少なくとも1つが適切か否かを判断することができる。
この停止部を有する車載機によれば、路車間通信が不適であると判断された場合に、停止部が安全運転支援を停止させるので、不正確な情報等に基づいて安全運転支援が行われてしまうのを未然に防止できる。
さらに、この場合、車載機に、前記支援停止部が作動して安全運転支援が停止したことをドライバに報知する出力部を備えていてもよく、この場合には、ドライバがその旨を認識することができる。なお、この出力部としては、ドライバに視覚で注意喚起するディスプレイや、音声で注意喚起するスピーカ装置等を採用することができる。
本発明によれば、アップリンク領域の長さが適切でないと判断される場合に支援制御部の動作を停止させ、ドライバに運転を委ねることができるため、ドライバ自身の運転によって車両を停止線の手前に停止させることが可能となる。
この場合、判定装置の通知部が、路車間通信が不適であること或いはその可能性が高いことを光ビーコンに通知するので、当該光ビーコンが運用を停止するための停止部を備えている場合には、その運用の停止を迅速に行うことができる。なお、この場合の運用停止とは、光ビーコンが全く動作しないように制御することが含まれるのは勿論のこと、単に車載機との路車間通信を停止するだけの場合や、特定の情報(例えば、停止線までの距離情報や信号情報)を車載機に送信するのを停止するだけの場合も含まれる。
なお、上記出力部としては、路車間通信が不適と判定された光ビーコンをシステム管理者に視覚で注意喚起するディスプレイや、その光ビーコンを音声で注意喚起するスピーカ装置等を採用することができる。
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度
〔システムの全体構成〕
図1は、光ビーコンを含む路車間通信システムの全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、この路車間通信システムは、インフラ側の交通管制システム1と、道路Rを走行する各車両Cに搭載された車載機2とから構成されている。
中央装置3は、電話回線等の通信回線5を介して各光ビーコン4と接続された通信インタフェースである通信部3aと、この通信部3aが接続された管理コンピュータ3bと、管制室のシステム管理者に対するヒューマンインタフェースとしてのディスプレイ3c及びスピーカ装置3dとを備えている。
上記管理コンピュータ3bは、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有する汎用大型コンピュータ(メインフレーム)よりなり、各種の交通情報の収集・処理・記録、信号制御及び情報提供を統括的に行っている。
ディスプレイ3cは、管理コンピュータ3bが管理する全ての信号機や光ビーコン4等の道路地図上での位置が表示された表示画面を有しており、不適と判断される光ビーコン4に対応するランプや画面上の図柄等を点滅等させることにより、システム管理者に当該光ビーコン4の異常とその位置を報知するようになっている。また、スピーカ装置3dは、光ビーコン4の異常発生を同時に音声でシステム管理者に報知する。
光ビーコン4は、電話回線等の通信回線5を介して中央装置3と接続された通信インタフェースである通信部6と、この通信部6が接続されたビーコン制御機7と、この制御機7のセンサ用インタフェースに接続された複数の投受光器8とを備えている。
各投受光器8は、筐体9の内部に発光ダイオード(LED)10、フォトセンサ11を収納して構成されている(図3参照)。このうち、LED10は、近赤外線よりなるダウンリンク情報を後述する通信領域Aに発光し、フォトセンサ11は、車載機2からの近赤外線よりなるアップリンク情報を受光する。
図2に示すように、本実施形態の光ビーコン4は、同じ方向の複数(図例では4つ)の車線R1〜R4を有する道路Rに設置されており、各車線R1〜R4に対応して設けられた前記複数の投受光器8と、これら投受光器8を一括制御する制御部である一台の前記ビーコン制御機7とを備えている。
上記ビーコン制御機7は、CPU、メモリ(RAM)及び記憶装置(ROM)を有するマイコンにより構成されており、通信部6による中央装置3との双方向通信と、投受光器8による車載機2との路車間通信を行う通信制御部として機能する。なお、このビーコン制御機7による路車間通信の内容については後述する。
各投受光器8のLED10は、各車線R1〜R4の直下よりも上流側に向けて近赤外線を発光しており、これにより、車載機2との間で路車間通信を行うための通信領域Aが当該投受光器8の上流側(図2の右側)に設定されている。
また、ビーコン制御機7は、所定の各機能を実行するプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムが実行する機能部として、制御部7a、判定部7b、及び通知部7cを備えている(図4参照)。なお、これらの各機能部7a〜7cは、後述する通信領域を判定するための処理を行うためのものであり、その処理内容については後述する。
図3に示すように、この通信領域Aは、後述する車載機2の車載ヘッド20(図4参照)がダウンリンク情報を受信することができるダウンリンク領域(図3において実線のハッチングを設けた領域)DAと、光ビーコン4の投受光器8がアップリンク情報を受信することができるアップリンク領域(図3において破線のハッチングを設けた領域)UAとからなる。
また、上記規格では、一般道向けの光ビーコン4の場合で、ダウンリンク領域DAの正式な下流端aは、投受光器8の直下の1.0〜1.3m上流側に位置し、ダウンリンク領域DAの正式な下流端aからアップリンク領域UAの正式な下流端bまでの距離は2.1mと規定されている。また、アップリンク領域UAの正式な下流端bから同領域UAの正式な上流端cまでの距離は1.6mと規定されている。この場合、正式な通信領域Aの車両進行方向の全長(ac間の長さ)は3.7mとなる。もっとも、各領域DA,UAの車両進行方向長さは上記各数値に限定されない。
図4は、光ビーコン4、及び、これと路車間通信する車載機2が搭載された車両Cの概略構成図である。
図4に示すように、この車両Cは、ドライバの搭乗席(図示せず)を有する車体15と、この車体15に搭載された前記車載機2と、車両Cの各部を統合制御する電子制御装置(ECU)16と、車体15を駆動するエンジン17と、車体15を制動するブレーキ装置18と、車両Cの現時の速度を常時検出している速度検出器26とを備えている。ECU16は、ドライバのアクセル操作に基づくエンジン17の駆動制御や、ブレーキ操作に基づく制動制御等、車両Cに対する各種の制御を行う。
上記車載ヘッド20は、光ビーコンの投受光器8と同様に、発光ダイオード(LED)とフォトセンサを備えている(図示せず)。このうち、LEDは、近赤外線よりなるアップリンク情報を発光し、フォトセンサは、通信領域Aに発光された近赤外線よりなるダウンリンク情報を受光する。
また、車載コンピュータ19は、所定の各機能を実行するプログラムを記憶装置に格納しており、このプログラムが実行する機能部として判定用アップリンク情報生成部23、支援制御部24及び支援停止部25を備えている。
図5は、通信領域Aにおいて光ビーコン4の投受光器8と車載機2の車載ヘッド20との間で行われる双方向での路車間通信の手順を示している。以下、図5を参照しつつ、この路車間通信の内容を説明する。
まず、光ビーコン4のビーコン制御機7は、各車線R1〜R4に対応する各投受光器8から、ダウンリンクの切り替え前の第一情報として、車線通知情報を含む第一のダウンリンク情報28を、各車線R1〜R4のダウンリンク領域DAに所定の送信周期で常に送信し続けている(図5のF1)。なお、この段階では、車線通知情報には未だ車両IDは格納されていない。
なお、車載コンピュータ19は、ビーコン間の旅行時間情報を有している場合には、この情報もアップリング情報29に含ませる。また、車載コンピュータ19は、光ビーコン4のビーコン制御機7がダウンリンクの切り替えを行ったことを認識するまで、当該アップリンク情報29を送信し続ける。
上記車線通知情報には、車線R1〜R4ごとに車両IDを格納するフィールドがあり、各車両IDに対して車線番号を付与することができる。このため、異なる車線R1〜R4を走行する各車両Cの車載コンピュータ19は、その格納フィールド内のいずれに自車両の車両IDが含まれるかを判断することにより、自車両がどの車線R1〜R4を走行しているかを認識できる。
この支援情報には、光ビーコン4の下流側の信号機の灯色が変わるタイミング情報である前記信号機情報や、ダウンリンク領域DAから光ビーコン4の下流側の所定位置(例えば、前方の交差点手前にある停止線)までの長さ情報である距離情報等が含まれる。
最小フレーム31の送信周期は約1msである。従って、例えば、三つの最小フレーム31で一つのダウンリンク情報30を構成する場合には、ダウンリンク情報30の送信周期は約3msになるので、当該ダウンリンク情報30は所定の送信可能時間(250m)の間に約80回繰り返して送信されることになる。
このように、車載機2の車載コンピュータ19は、支援情報を含むダウンリンク情報30を受け、この支援情報に基づいて安全運転支援の制御を開始する(図5のF8)。
上記安全運転支援は、光ビーコン4の投受光器8よりも車両走行方向の下流側にある所定位置において、車両Cを所定の速度に自動的に減速させたり、車両Cを自動的に停止させたりすることができる操作である。
図6は、支援情報を得た車両において行われる安全運転支援の制御を説明するための図である。この実施形態では、道路Rの前方の交差点Bにある信号機35の灯色に応じて車両を自動的に減速させ、交差点Bの手前に設けられている停止線Pに従って車両Cを自動的に停止させることができる安全運転支援である。このために、受信する支援情報としては、前方の信号機35の灯色の情報及びその灯色の表示継続期間に関する情報を含む信号機情報、及び、ダウンリンク領域DAから前方の停止線Pまでの長さ情報である距離情報(図6のL)を少なくとも含んでいる。なお、この距離情報は、例えばダウンリンク領域DAの上流端cから停止線Pまでの距離とすることができ、また、この距離情報は光ビーコン4を設置する際に測定したものであり、ビーコン制御機7に記憶させてある。
すなわち、補正後の距離情報は、車載機2からのアップリンク情報29を投受光器8が受信したときを基準として補正し算出されている。このため、アップリンク領域UAは、補正後の距離情報の算出基準となるアップリンク情報29の受信時における車両Cの存在しうる位置を定める範囲となる。
次に、本実施形態の路車間通信の判定システムによる、路車間通信の適否の判定方法について説明する。
図7は、車両Cが判定用アップリンク情報を投受光器8に対して送信する際の態様を説明するための模式図である。
図7において、車両Cは、車載コンピュータ19の有する、判定用アップリンク情報生成部23(図4)によって生成される判定用アップリンク情報40を所定の送信周期で送信しながら走行している。
車載コンピュータ19(図4)は、例えば、上記で説明した、通常の路車間通信及び安全運転支援を行うための通常モードの他、アップリンク領域の推定領域長さを算出しながら路車間通信及び安全運転支援を行うための判定モードに切り替えることができるように構成されており、この判定モードを選択することで、判定用アップリンク情報生成部23は、判定用アップリンク情報40を生成し、車載コンピュータ19は、この生成された判定用アップリンク情報40を所定の周期で送信する。
判定モードにおいて送信される判定用アップリンク情報40は、図5で示したアップリンク情報29と同様に、第一のダウンリンク情報28を受信した後に送信が開始される。
その後、第二のダウンリンク情報30を受信したときには、アップリンク情報29の場合は送信を中止するが、判定用アップリンク情報40を送信する場合には、第二のダウンリンク情報30を受信したとしても、車載コンピュータ19は、判定用アップリンク情報40の送信を継続する。
また、判定用アップリンク情報40であることを光ビーコン4に認識させるための認識情報等を判定用アップリンク情報40に格納してもよい。この場合、光ビーコン4は、通常モードによるアップリンク情報29を受信したのか、判定用アップリンク情報40を受信したのかを判断することが容易となる。
そして、投受光器8は、車載機2からの判定用アップリンク情報40の受信を開始し、車両Cが、現状のアップリンク領域UA´を退出すると、投受光器8は、判定用アップリンク情報40の受信を止める。
ここで、判定用アップリンク情報40は所定の送信周期で送信されているため、投受光器8が判定用アップリンク情報40を受信した受信回数をN、判定用アップリンク情報40を受信している間の車両Cの走行速度をV、判定用アップリンク情報40の送信周期をPとすると、現状のアップリンク領域UA´の推定領域長さUは、下記式(1)によって示すことができる。
(N−1)×P×V≦U≦N×P×V ・・・(1)
現状のアップリンク領域UA´の推定領域長さUは、上記式(1)のように上下限値をもって示すことができる。
ビーコン制御機7の制御部7a(図4)は、図7に示すように、車載機2から所定周期で連続して送信される判定用アップリンク情報40を受信したときに、その受信回数をカウントし、実測数値としての受信回数Nを取得する。さらに制御部7aは、この受信回数Nと、判定用アップリンク情報40に格納された実測数値としての車両Cの走行速度V、及び判定用アップリンク情報40の送信周期Pと、車載機2の設定高さH等を含んだ実測情報70を生成し、ビーコン制御機7の記憶装置又はメモリに記憶させる。
なお、このとき、ビーコン制御機7が連続して受信した判定用アップリンク情報40が同一の車両Cから送信されたものであるかを判断する必要があるが、ビーコン制御機7は、連続送信される判定用アップリンク情報40に格納された車両IDを参照することで、同一の車両Cから送信されたものか否かを判断する。そして、例えば、連続して受信している同一の車両IDを有する判定用アップリンク情報40が、所定時間(例えば1秒程度)以上経過しても次の同一の車両IDを有する判定用アップリンク情報40を受信しない場合に受信回数のカウントを中止し、受信回数を確定する。
具体的には、ビーコン制御機7は、光ビーコン設置時の実測値又は前記「近赤外線式インターフェイス規格」で定められた基準値として、アップリンク領域UAの正規の距離U1を記憶しており、判定部7bは、推定領域長さU(の上限値及び下限値)が、例えば下記式(2)、及び式(3)を満たせば正常であると判断し、その範囲外であれば異常と判断する。もっとも、正規の距離U1に対する係数は、下記の0.8や1.2に限定されるものではない。
0.8×U1≦(N−1)×P×V ・・・(2)
N×P×V ≦1.2×U1 ・・・(3)
また、ビーコン制御機7の判定部7bが、現状の路車間通信の状態が不適であると判定したとき、ビーコン制御機7の通知部7c(図4)は、現状の路車間通信の状態が不適と判定されたことを通知する通知情報71を生成する。ビーコン制御機7は、この通知情報71を、車両Cの車両IDを格納した第二のダウンリンク情報30に格納して、車両Cの車載機2に送信する。
車載機2の車載コンピュータ19は、通知情報71を受信すると、その旨の注意喚起表示をディスプレイ21に表示させたり、或いは、その旨の音声出力をスピーカ装置22から発声させたりして、ドライバに報知する。なお、ディスプレイ21とスピーカ装置22の双方で、路車間通信が不適であると判断されたことをドライバに報知することもできる。
本実施形態によれば、推定領域長さUが適切でないと判断される場合に支援制御部24の動作を停止させ、その旨をドライバに報知することで当該ドライバに運転を委ねることができるため、ドライバ自身の運転によって車両Cを停止線の手前に停止させることが可能となる。
また、管理コンピュータ3bの停止部3b2は、識別部3b1よって路車間通信が不適と判定された光ビーコン4の存在が認識されると、その光ビーコン4の運用を停止するための運用停止情報を当該光ビーコン4に送信する。このようにすることで、路車間通信が不適と判定された場合にも速やかに当該光ビーコン4の運用を停止し、不正確な情報を車載機2等に送信するのを防止できる。
また、仮に、現状のアップリンク領域の推定領域長さUが所定の範囲内であったとしても、判定用アップリンク情報40の受信確率が低下している場合には、判定用アップリンク情報40の受信回数が本来受信すべき回数よりも小さくなるため、結果的に推定領域長さUは実際の長さよりも小さく算出される。
このように、推定領域長さUを用いた適否判定方法によって、推定領域長さU、及びアップリンク情報の受信確率のうち少なくとも1つが適切か否かを判断することができる。
また、アップリンク情報の送信周期Pは、光ビーコン4がアップリンク情報を順次受信する受信間隔を計測して取得するようにしても良い。光ビーコン4側で、M番目のアップリンクを受信した時点と(M+1)番目のアップリンクを受信した時点の時間差を順次測定する場合、例えば、通常の前記時間差は30msであるのに時間差が60msとなる場合が含まれているならば、その60msの間に1度アップリンクの受信に失敗している可能性がある。そのような現象を確認した場合には、アップリンク受信確率が低下していると判断して、路車間通信領域が不適であると判定しても良い。
このように、車載機から継続して送信されるアップリンクの実測情報を生成することにより、路車間通信の適否を判定することが可能となる。
この場合、中央装置3の管理コンピュータ3bが、判定部3b3及び通知部3b4を機能的に有しており、光ビーコン4から送信されてくる実測情報70に基づいて現状のアップリンク領域UA´の推定領域長さUを算出するとともに、路車間通信の適否を判定する。現状のアップリンク領域UA´に異常が認められ、路車間通信が不適であると判定された場合には、通知情報71や、光ビーコン4に対して運用停止を指示する指示情報等を光ビーコン4に送信し、さらに光ビーコン4を介して車載機2にも送信する。
この場合、中央装置3によって、システム全体を集中的に管理することができる。
図9は、本発明の第二実施形態の路車間通信の判定システムの側面図である。
本実施形態のシステムが第一実施形態のシステムと異なる点は、道路Rの各車線それぞれに配置されるとともに、アップリンク領域UA内に車両Cの走行速度を検知するための検知領域Kを設定する車速センサ61を有する走行速度検知装置60を設けた点にある。
この走行速度検知装置60は、検知領域Kを車両が通過すると車速センサ61がその車両の走行速度を検知し、この走行速度の情報を含んだ車速情報をビーコン制御機7の判定部7bに送信するように構成されている。
なお、上記検知領域Kは、現状のアップリンク領域UA´内に確実に位置するようにするために、例えば、正規のアップリンク領域のほぼ中心付近に設定される。
図10は、本発明の第三の実施形態の路車間通信の判定システムの光ビーコン4、及び車載機2が搭載された車両Cの概略構成図である。
本実施形態のシステムが第一実施形態(図4)のシステムと異なる点は、車載機2の車載コンピュータ19が、現状のアップリンク領域UA´の推定領域長さUを算出し路車間通信の適否を判定する判定部19aと、現状の路車間通信が不適と判定されたことを通知するための通知情報71を生成する通知部19bを機能的に有している点にある。
すなわち、上記第一の実施形態では、光ビーコン4のビーコン制御機7が、路車間通信の適否を判定する判定装置を兼ねていたが、本実施形態では、車載機2の車載コンピュータ19が判定装置を兼ねる構成となっている。
また、ビーコン制御機7の制御部7aは、判定用アップリンク情報40を受信すると、その受信回数をカウントし、得られた受信回数Nと、そのときアップリンク情報40に格納されている車両の走行速度Vをその都度ごとに更新される第二のダウンリンク情報30に格納する。すなわち、制御部7aは、実測情報70として、アップリンク情報の受信回数N、及び車両の走行速度V(アップリンク情報を受信中の走行速度V)を車載機2に送信する。
ビーコン制御機7は、判定用アップリンク情報40を受信するたびに第二のダウンリンク情報30を更新するため、これに格納される受信回数Nは、更新のたびに増加する。車載コンピュータ19は、第二のダウンリンク情報30格納された受信回数Nが、所定時間(例えば、送信周期Pの2倍)以上変化しないと判断すると、受信回数Nの値を確定する。
なお、本実施形態の車載機2は、アップリンク情報の送信と同時にダウンリンク情報を受信できるように構成されている。
なお、このときの車両Cの走行速度は、車両Cの速度検出器26から得る構成とすることもできる。
例えば、上記各実施形態では、車両Cの車載機2は、判定モードにおいては、判定用アップリンク情報40を連続的に送信しつつ、安全運転支援を行うように構成されたものを示したが、例えば、現状の路車間通信の適否を判定することに特化した車載機2を用いることもできる。
この判定処理に特化した車載機2としては、例えば、上記第一及び第二の実施形態においては、判定用アップリンク情報40を連続的に送信する機能のみを有するものとすることができる。第一及び第二の実施形態では、光ビーコン4のビーコン制御機7が、路車間通信の適否の判定を行う判定装置を兼ねているためである。
このような判定処理に特化した車載機2を搭載した車両を用いることで、路車間通信システムのメンテナンスを行うに際しての現状把握を容易に行うことができる。
光ビーコン4は、前記特殊ID番号を含むアップリンク情報を受信した場合には、そのアップリンク情報の受信の都度、受信した回数の累積値を前記特殊ID番号と対応付けて保守カーに通知するようにすると良い。
この場合、前記累積値を通知された保守カーは、自身の走行速度と、アップリンク領域の領域長さから前記累積値が妥当か否か、前記累積値のカウントアップされる間隔が自身のアップリンク情報の送信周期と比較して妥当か否か等を判定することができる。
当該判定結果は、光ビーコン4を識別する情報(設置地点の情報等)と共に記録できるようにしておくと良い。また、判定に用いた前記累積値等も、前記車載機の記憶部に記録すると共に、ディスプレイ等に表示して、前記保守カーの搭乗者に通知すると良い。
前記保守カーで複数の地点を定期的に走行し、前記記録を取り出して分析することで、容易に各光ビーコン4の路車間通信の適否を判定することができる。
2 車載機
3b3 判定部
3b4 通知部
4 光ビーコン
6 通信部
7 ビーコン制御機
7a 情報生成部
7b 判定部
7c 通知部
8 投受光器
19 車載コンピュータ
19a 判定部
19b 通知部
20 車載ヘッド
24 支援制御部
25 支援停止部
28 第一のダウンリンク情報
29 アップリンク情報
30 第二のダウンリンク情報
40 判定用アップリンク情報
60 走行速度検知装置
C 車両
K 検知領域
N 判定用アップリンク情報の受信回数
P 判定用アップリンク情報の送信周期
R 道路
V 車両の走行速度
U 推定領域長さ
UA (正規の)アップリンク領域
UA´ 現状のアップリンク領域
Claims (11)
- 道路を走行する車両の車載機と、
前記道路の所定範囲にアップリンク領域を設定する投受光器を有し、前記車載機との間で路車間通信を行う光ビーコンと、前記路車間通信の通信状態を判定する判定装置とを備えた路車間通信の判定システムであって、
前記光ビーコンは、前記車載機から所定周期で連続して送信されるアップリンク情報を受信したときに、前記アップリンク情報の受信状況に関する実測情報を生成し、この実測情報を前記判定装置に送信する制御部を備え、
前記実測情報は、次の(1)及び(2)の実測数値を含んでおり、
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度
前記判定装置は、受信した前記実測数値と前記アップリンク情報の送信周期に基づいて前記アップリンク領域の推定領域長さを算出し、この推定領域長さが所定範囲にあるか否かによって前記路車間通信の適否を判定する判定部を備えていることを特徴とする路車間通信の判定システム。 - 前記車両の走行速度を検知するための検知領域を前記アップリンク領域に設定するとともに検知した走行速度を含む車速情報を前記光ビーコンの制御装置に送信する走行速度検知装置をさらに備えている請求項1に記載の路車間通信の判定システム。
- 前記判定装置は、前記判定部によって前記路車間通信が不適と判定された場合に、前記判定の結果を通知する通知情報を、前記車載機に送信する通知部を備えている請求項1又は2に記載の路車間通信の判定システム。
- 前記車載機は、受信したダウンリンク情報に含まれる支援情報に基づいてドライバに対する安全運転支援の制御を行う支援制御部と、前記通知情報を受信した場合に前記支援制御部による安全運転支援を停止させる支援停止部とを備えている請求項3に記載の路車間通信の判定システム。
- 前記車載機は、前記支援停止部が作動して安全運転支援が停止したことをドライバに報知する出力部を備えている請求項4に記載の路車間通信の判定システム。
- 前記判定装置の通知部は、前記判定部によって前記路車間通信が不適と判定された場合に、前記通知情報、又は前記光ビーコンに対して運用停止を指示する指示情報を前記光ビーコンに送信する請求項3に記載の路車間通信の判定システム。
- 前記光ビーコンは、前記通知情報又は指示情報を受信した場合に、当該光ビーコンの運用を停止する停止部を備えている請求項6に記載の路車間通信の判定システム。
- 前記判定装置は、前記判定部によって前記路車間通信が不適と判定された場合に、不適と判定された光ビーコンをシステム管理者に報知するための出力部を備えている請求項1〜7のいずれか1項に記載の路車間通信の判定システム。
- 道路を走行する車両の車載機と、前記道路の所定範囲にアップリンク領域を設定する光ビーコンの投受光器との間で行われる路車間通信の判定方法であって、
前記車載機から所定周期で連続して送信されるアップリンク情報を前記光ビーコンの投受光器が受信したときに、下記(1)及び(2)の実測数値を含む、前記アップリンク情報の受信状況に関する実測情報を生成し、前記実測数値と前記アップリンク情報の送信周期に基づいて前記アップリンク領域の推定領域長さを算出し、この推定領域長さが所定範囲にあるか否かによって前記路車間通信の適否を判定することを特徴とする路車間通信の判定方法。
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度 - 道路を走行する車両に搭載され、前記道路の所定範囲に設定された通信領域において光ビーコンに対してアップリンク情報を所定の周期で連続して送信する車載機であって、
下記(1)及び(2)の実測数値を含む、前記アップリンク情報の受信状況に関する実測情報を前記光ビーコンから受信し、前記実測数値と前記アップリンク情報の送信周期に基づいて前記アップリンク領域の推定領域長さを算出し、この推定領域長さが所定範囲にあるか否かによって前記路車間通信の適否を判定する判定部を備えていることを特徴とする車載機。
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度 - アップリンク領域を道路の所定範囲に設定する投受光器を有し、前記道路を走行する車両の車載機との間で路車間通信を行う光ビーコンであって、
前記車載機から所定周期で連続して送信されるアップリンク情報を受信したときに、下記(1)及び(2)の実測数値を含む、前記アップリンク情報の受信状況に関する実測情報を生成する制御部と、
前記アップリンク情報の送信周期と、前記制御部により生成される実測数値に基づいて前記アップリンク領域の推定領域長さを算出し、この推定領域長さが所定範囲にあるか否かによって前記路車間通信の適否を判定する判定部とを備えていることを特徴とする光ビーコン。
(1)前記アップリンク情報の受信回数
(2)前記アップリンク情報を前記光ビーコンが受信中の前記車両の走行速度
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