JP4848832B2 - ナノインプリント装置及びナノインプリント方法 - Google Patents
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この位置合わせの方法としては、幾つかの方法が知られているが、その1つとして、「Molecular Imprints, Inc.」のナノインプリント装置に採用されている位置合わせ方法について説明する。この方法は、まず、被転写基板の被転写面と、型の凹凸が形成された転写面とを対向して配置すると共に、その間の間隙に低粘性の液体を満たしている。そして、被転写面及び型の上方から、被転写面に対して垂直な光軸を持つアライメント光学系によって2つのアライメントマーク(被転写面及び転写面に設けられているマーク)を読みとり、その観測結果を用いて型と被転写基板との位置合わせを行う方法である。
即ち、従来の位置合わせ方法では、位置合わせ時にアライメントマークを検出するためのアライメントマーク検出用受光装置を、型の直上若しくは被転写基板と型との間に挿入する必要があった。そのため、型の上方から光を照射する際に、アライメント検出用受光装置を露光の妨げにならないように待避する必要がある。その結果、スループットが低下してしまっていた。
また、重ね合わせを厳密に行うためには、型と被転写基板との平行度が出ている事が必要である。ところが、従来の位置合わせ方法では、型と被転写基板との平行度を考慮していないので、正確な位置合わせを行うことが難しかった。
本発明に係るナノインプリント装置は、表面に凹凸パターンが形成された型を被転写基板に押し付けて、凹凸パターンを被転写基板の表面に塗布されたレジスト膜に転写するナノインプリント装置であって、濃淡像を形成する第1のアライメントマークが表面上に形成された前記被転写基板を保持する第1の保持台と、濃淡像を形成する第2のアライメントマーク及び前記凹凸パターンが表面上に形成された前記型を、該凹凸パターンが前記被転写基板の表面に対向するように保持する第2の保持台と、前記第1の保持台及び前記第2の保持台を、水平面に平行なXY軸及び該XY軸に直交するZ軸方向と、これらXYZ軸回りとにそれぞれ独立に変位可能な変位機構と、前記第2の保持台の上方に設けられ、該位置から前記Z軸方向に光軸を有する照明光を前記第1及び第2のアライメントマークに照射すると共に、該照明光の照射によって得られた両アライメントマークの前記濃淡像をそれぞれ観察するアライメント光学系と、該アライメント光学系による観察結果に基づいて前記第1及び第2のアライメントマークの相対位置を算出し、前記Z軸方向に沿って両アライメントマークを位置合わさせると共に、位置合わせ後、前記被転写基板と前記型とをZ軸方向に沿って相対的に接近させて型を被転写基板に押し付けるように前記変位機構を制御する制御装置と、前記被転写基板の表面に向けて、前記レジスト膜を硬化させる光を照射する光照射装置と、を備え、前記アライメント光学系は、前記光照射装置が照射する前記光の光路外に配置され、前記第1のアライメントマーク及び前記第2のアライメントマークは、それぞれ粗調用アライメントマークを具備し、前記制御装置は、前記第1のアライメントマーク及び前記第2のアライメントマークが前記アライメント光学系の観察視野内に導入されるように、前記粗調用アライメントマークを利用して前記変位機構を制御し、前記被転写基板及び前記型の粗調アライメントを行わせ、且つ、前記位置合わせを行う前に、前記アライメント光学系による観察結果に基づいて、前記被転写基板及び前記型の表面をそれぞれ前記水平面に一致させるように前記変位機構を制御して傾斜補正を行わせ、その後、前記アライメント光学系による観察結果に基づいて、前記第1及び第2のアライメントマークの前記濃淡像の重心位置をそれぞれ算出し、それら重心位置のずれ量が最も小さくなるように前記変位機構を制御することで前記位置合わせを行うことを特徴とするものである。
次いで、第2の保持台の上方に設けられたアライメント光学系から、水平面に対して直交するZ軸方向に光軸を有する照明光を、被転写基板及び型に向けて照射する。照射された照明光は、被転写基板の表面に形成された第1のアライメントマーク及び型の表面に形成された第2のアライメントマークを照明する。アライメント光学系は、この照明光の照明によって得られた両アライメントマークの濃淡像をそれぞれ観察する。
次いで、制御装置は、被転写基板と型とをZ軸方向に沿って相対的に接近するように変位機構を制御すると共に、型を被転写基板に押し付ける押し付け工程を行う。この押し付け工程によって、レジスト膜は凹凸パターンの形状にならって変形する。次いで、光照射装置は、被転写基板の表面に向けてレジスト膜を硬化させる光(紫外線等)を照射し、レジスト膜の露光を行う転写工程を行う。この転写工程によって、レジスト膜は凹凸パターンの形状にならった状態で硬化する。最後に、制御装置は、被転写基板と型とがZ軸方向に沿って相対的に離間するように変位機構を制御する離間工程を行う。
その結果、レジスト膜に凹凸パターンが転写された被転写基板を得ることができる。
本実施形態のナノインプリント装置1は、表面2aに図示しない凹凸パターンが形成された型2をウエハ(被転写基板)3の表面3aに塗布された紫外線硬化型のレジスト膜4に転写する装置である。
即ち、ナノインプリント装置1は、図1に示すように、保持部5と、アライメント光学系6と、これら保持部5及びアライメント光学系6を収納するチャンバ7と、チャンバ7の外部に配置された光照射装置8及び制御装置9とを備えている。
なお、図1において、紙面に対して左右方向をX軸、紙面に対して垂直方向をY軸、紙面に対して上下方向をZ軸として、以下説明する。
つまり、粗調用アライメントマーク21a、21bは、ウエハ2及び型3の両方に形成されている。
同様に型アライメントマーク22a、22bは、例えばY軸方向に延びているL/Sパターンであり、その線幅は型2に形成されているパターンの最小デザインルールで作成されたもので、図の例ではピッチが200nmであり、それぞれ10本のラインで構成されている。なお、L/Sパターンの長さは、図の例では5μm、中心間距離は15μmである。
なお、両アライメントマーク20、22a、22bをデザインされた最小寸法で形成するのは、露光操作、離型操作の際に発生する合わせずれをより厳密に計測できるようにするためである。また、両アライメントマーク20、22a、22bは、パターン形成領域の複数の位置に形成可能であり、その配置位置は制約されるものではない。但し、型アライメントマーク22a、22bは、対応するウエハアライメントマーク20と設計レベルで同一の位置にあるものとする。
一方、型アライメントマーク22a、22bは、石英ガラス面上にパターニングして形成される。この際、型アライメントマーク22a、22bの立体的な構造は、型2のパターン部と同一であることが望ましいが、アライメント光学系6における観察波長に対して、不透明な物質(SiOXやCr等)が堆積している場合もある。
一方、型保持台駆動機構14、15のうち、一方の駆動機構14は、型保持台13のX軸、Y軸の平行成分及びZ軸に平行な軸を中心とした回転成分(TZ)を調整している。また、他方の駆動機構15は、型保持台13のZ軸方向の平行成分、X軸に平行な軸を中心とした回転成分(Tx)及びY軸に平行な軸を中心とした回転成分(Ty)を調整している。
つまり、ウエハ保持台駆動機構11、12及び型保持台駆動機構14、15は、ウエハ3及び型2を、水平面に平行なXY軸及び該XY軸に直交するZ軸と、これらXYZ軸回りとにそれぞれ独立に変位可能とする変位機構25を構成している。
アライメント光学系6から照射された照明光は、少なくとも一部が透明な型2を通過した後、型2の表面2aに形成された型アライメントマーク22a、22bに照明されるようになっている。更に、この照明光は、型2を通過した後、ウエハ3の表面3aに形成されたウエハアライメントマーク20にも到達するようになっている。そして、アライメント光学系6は、顕微鏡及びアライメントマーク検出装置を介して、両アライメントマーク20、22a、22bを検出している。そして、アライメント光学系6は、両アライメントマーク20、22a、22bの観察結果を電子的な情報である画像信号として制御装置9に出力している。
また、制御装置9は、ウエハ3と型2との位置合わせを行った後、ウエハ3と型2とをZ軸方向に沿って相対的に接近させて、型2をウエハ3に押し付けるようにウエハ保持台駆動機構11、12及び型保持台駆動機構14、15を制御するようになっている。
また、アライメント光学系6は、光照射装置8が照射する光Lの光路外に配置されており、該光路外から照明光を照射するようになっている。
まず、型2を型保持台13に保持した後、型2に形成した粗調用アライメントマーク21a、21bを用いて型2単体の位置決めを行う。図3に示した粗調用アライメントマーク21a、21bのうち、一方のマーク21aはY方向及びTZ方向の位置合わせを行い、他方のマーク21bはX方向の位置合わせを行う。
これにより微調用の型アライメントマーク22a、22bを、高倍率のアライメント光学系6の視野内に導入することができるようになる。なお、粗調用アライメントマーク21a、21bは、上記の手順で位置を計測できればどのような形状のものでも良い。
これにより、微調用のウエハアライメントマーク20を高倍率のアライメント光学系6の視野内に導入することができるようになる。なお、粗調用アライメントマーク21a、21bは、上記の手順で位置を計測できればどのような形状のものでも良い。
次いで、制御装置9は、ウエハ3と型2とをZ軸方向に沿って相対的に接近させるようにウエハ保持台駆動機構12及び型保持台駆動機構15を制御すると共に、型2をウエハ3に押し付ける押し付け工程を行う。この押し付け工程によって、レジスト膜4は凹凸パターンの形状にならって変形する。
また、補正工程によって、ウエハ3と型2との平行だしを行って、互いの位置関係を平行状態にした後に位置合わせを行うので、より正確な位置あわせを行うことができ、凹凸パターンの転写を高精度に行うことができる。
M1 第1のアライメントマーク
M2 第2のアライメントマーク
1 ナノインプリント装置
2 型
3 ウエハ(被転写基板)
4 レジスト膜
6 アライメント光学系
8 光照射装置
9 制御装置
10 ウエハ保持台(第1の保持台)
13 型保持台(第2の保持台)
25 変位機構
Claims (2)
- 表面に凹凸パターンが形成された型を被転写基板に押し付けて、凹凸パターンを被転写基板の表面に塗布されたレジスト膜に転写するナノインプリント装置であって、
濃淡像を形成する第1のアライメントマークが表面上に形成された前記被転写基板を保持する第1の保持台と、
濃淡像を形成する第2のアライメントマーク及び前記凹凸パターンが表面上に形成された前記型を、該凹凸パターンが前記被転写基板の表面に対向するように保持する第2の保持台と、
前記第1の保持台及び前記第2の保持台を、水平面に平行なXY軸及び該XY軸に直交するZ軸方向と、これらXYZ軸回りとにそれぞれ独立に変位可能な変位機構と、
前記第2の保持台の上方に設けられ、該位置から前記Z軸方向に光軸を有する照明光を前記第1及び第2のアライメントマークに照射すると共に、該照明光の照射によって得られた両アライメントマークの前記濃淡像をそれぞれ観察するアライメント光学系と、
該アライメント光学系による観察結果に基づいて前記第1及び第2のアライメントマークの相対位置を算出し、前記Z軸方向に沿って両アライメントマークを位置合わさせると共に、位置合わせ後、前記被転写基板と前記型とをZ軸方向に沿って相対的に接近させて型を被転写基板に押し付けるように前記変位機構を制御する制御装置と、
前記被転写基板の表面に向けて、前記レジスト膜を硬化させる光を照射する光照射装置と、を備え、
前記アライメント光学系は、前記光照射装置が照射する前記光の光路外に配置され、
前記第1のアライメントマーク及び前記第2のアライメントマークは、それぞれ粗調用アライメントマークを具備し、
前記制御装置は、
前記第1のアライメントマーク及び前記第2のアライメントマークが前記アライメント光学系の観察視野内に導入されるように、前記粗調用アライメントマークを利用して前記変位機構を制御し、前記被転写基板及び前記型の粗調アライメントを行わせ、
且つ、前記位置合わせを行う前に、前記アライメント光学系による観察結果に基づいて、前記被転写基板及び前記型の表面をそれぞれ前記水平面に一致させるように前記変位機構を制御して傾斜補正を行わせ、
その後、前記アライメント光学系による観察結果に基づいて、前記第1及び第2のアライメントマークの前記濃淡像の重心位置をそれぞれ算出し、それら重心位置のずれ量が最も小さくなるように前記変位機構を制御することで前記位置合わせを行うことを特徴とするナノインプリント装置。 - 表面に凹凸パターンが形成された型を被転写基板に押し付けて、凹凸パターンを被転写基板の表面に塗布されたレジスト膜に転写するナノインプリント方法であって、
濃淡像を形成する第1のアライメントマークが表面上に形成された前記被転写基板と、濃淡像を形成する第2のアライメントマーク及び前記凹凸パターンが表面上に形成された前記型とを、該凹凸パターンを被転写基板の表面に対向させると共に両者間を所定距離だけ離間させた状態で配置する配置工程と、
該配置工程後、水平面に対して直交するZ軸方向に光軸を有する照明光を、前記第1及び前記第2のアライメントマークに照射すると共に、該照明光の照射によって得られた両アライメントマークの前記濃淡像をそれぞれ観察する観察工程と、
観察工程による観察結果に基づいて、前記被転写基板及び前記型の表面をそれぞれ水平面に一致させるように傾斜補正を行う補正工程と、
前記観察工程による観察結果に基づいて、前記第1及び第2のアライメントマークの前記濃淡像の相対位置及びその重心位置をそれぞれ算出し、それら重心位置のずれ量が最も小さくなるように互いの平行関係を維持したまま前記被転写基板及び前記型の相対位置を補正し、前記Z軸方向に沿って両アライメントマークを位置合わせさせる位置合わせ工程と、
該位置合わせ工程後、前記被転写基板と前記型とを前記Z軸方向に沿って相対的に接近させ、型を被転写基板に押し付ける押し付け工程と、
該押し付け工程後、前記被転写基板の表面に向けて前記レジスト膜を硬化させる光を照射し、前記凹凸パターンを前記レジスト膜に転写させる転写工程と、
該転写工程後、前記型を前記被転写基板から離間させる離間工程と、を備え、
前記照明光は、前記転写工程時に照射される前記光の光路外から照射され、
前記第1のアライメントマーク及び前記第2のアライメントマークは、それぞれ粗調用アライメントマークを具備し、
前記観察工程の際、前記第1のアライメントマーク及び前記第2のアライメントマークが観察視野内に導入されるように、前記粗調用アライメントマークを利用して前記被転写基板及び前記型の粗調アライメントを行うことを特徴とするナノインプリント方法。
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