JP4848601B2 - 表面処理ハイドロタルサイト類とこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

表面処理ハイドロタルサイト類とこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、表面処理ハイドロタルサイト類と、その製造方法と、上記表面処理ハイドロタルサイト類を含み、熱安定性にすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
塩化ビニル系重合体は、加工性、着色性、印刷適性、透明性、強度等にすぐれるので、従来、軟質、半硬質又は硬質樹脂に応じて、フィルム、シート、チューブ、ホース、化粧板、建材、電線被覆、パイプ、継手、自動車や電気製品の部品等、種々の分野において広く用いられている。
【0003】
しかし、塩化ビニル系重合体は、熱及び光に対する安定性に難があり、主として、脱塩化水素に起因する分解等を起こしやすく、特に、加熱溶融して成形加工する際に、熱分解を起こして、得られた成形品の機械的性質の劣化や着色等を招き、製品価値を著しく損なうことがある。また、得られる種々の成形品も、熱や光によって経時的に劣化や分解を起こしやすい。
【0004】
そこで、塩化ビニル系重合体のこのような問題を解決するために、従来、塩化ビニル系重合体に種々の安定剤を配合して、成形加工の際の熱分解を抑制することが行われている。このような安定剤としては、従来、有機酸の鉛、カドミウム、スズ、亜鉛、カルシウム、バリウム等の金属塩類が一般に用いられている。しかし、近年、これらの安定剤のあるものは、安定剤として有効であるが、その毒性から、使用が殆ど禁止されるに至り、また、あるものは、毒性が比較的少なく、低廉でもあるが、効果が十分でない等の問題を有している。
【0005】
かくして、これらに代わる有効な安定剤が強く要望されるなかで、最近になって、例えば、特開昭57−80444号公報、特開昭60−104141号公報、特開昭61−265347号公報、特開平3−234748号公報、特開平7−126465号公報、特開平10−219055号公報等に記載されているように、ハイドロタルサイト類を塩化ビニル系重合体に安定剤として配合して、その熱安定性を改善することが提案されている。しかし、従来より知られているハイドロタルサイト類によっては、塩化ビニル系重合体の熱安定性を十分に改善することができず、依然として、新たな有効な安定剤が強く要望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記要望に応えて、上述したような塩化ビニル系重合体の従来の安定剤における問題を解決するためになされたものであって、それを安定剤として塩化ビニル系重合体に配合することによって、その熱安定性を格段に改善することができる表面処理ハイドロタルサイト類と、そのような表面処理ハイドロタルサイト類の製造方法と、そのような表面処理ハイドロタルサイト類を含み、熱安定性にすぐれる塩化ビニル系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、アルカノールアミン類にて表面処理してなるハイドロタルサイト類が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、上記ハイドロタルサイト類0.1〜20重量部を含むことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物が提供される。
【0009】
更に、本発明によれば、ハイドロタルサイト類とアルカノールアミン類とを混合することを特徴とする表面処理ハイドロタルサイト類の製造方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明による表面処理ハイドロタルサイト類は、ハイドロタルサイト類をアルカノールアミン類にて表面処理してなるものである。
【0011】
本発明において、ハイドロタルサイト類は、好ましくは、一般式(I)
2+ 1-X 3+ X (OH)2n- X/n・mH2
(式中、M2+はMg2+、Zn2+、Ca2+、Fe2+、Mn2+、Co2+、Ni2+及びCu2+から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンを示し、M3+はAl3+、Fe3+、Cr3+及びCo3+から選ばれる少なくとも1種の3価金属イオンを示し、An-はn価のアニオンを示し、xは0<x≦1/3の範囲の数であり、mは0≦m≦2の範囲の数である。)
で表される不定比化合物である。
【0012】
上記一般式(I)において、An-の具体例としては、例えば、OH-、CO3 2-、SO4 2-、NO3 -、Cl-、F-、Br-、Fe(CN)6 3-、酢酸イオン、シュウ酸イオン、サリチル酸イオン等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0013】
特に、本発明においては、上記一般式(I)で表されるハイドロタルサイト類のなかでも、M2+がMg2+及びZn2+からから選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンであり、M3+がAl3+であるものが好ましい。即ち、本発明において好ましく用いられるハイドロタルサイト類として、一般式(II)
2+ 1-X Al3+ X (OH)2n- X/n・mH2
(式中、M2+はMg2+及びZn2+から選ばれる少なくとも1種の2価金属イオンを示し、An-はn価のアニオンを示し、xは0<x≦1/3の範囲の数であり、mは0≦m≦2の範囲の数である。)
で表される。An-はOH- とCO3 2- を含むものが好ましい。
【0014】
このようなハイドロタルサイト類は、天然品でも合成品でもよく、合成品としては、例えば、市販品である「アルカマイザー」(協和化学工業(株)製)が好ましく用いられる。
【0015】
本発明による表面処理ハイドロタルサイト類は、アルカノールアミン類にて表面処理されてなるものであり、このアルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンのようなエタノールアミン類、n−プロパノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン又はトリ−n−プロパノールアミンのようなn−プロパノールアミン類、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン又はトリイソプロパノールアミンのようなイソプロパノールアミン類が用いられるが、なかでも、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンのようなエタノールアミン類が好ましく用いられる。本発明によれば、特に、トリエタノールアミンが好ましく用いられる。
【0016】
本発明による表面処理ハイドロタルサイト類は、好ましくは、ハイドロタルサイト類とアルカノールアミン類とを溶剤の不存在下、常温にて混合、攪拌することによって得ることができる。ハイドロタルサイト類とアルカノールアミン類とを混合、攪拌する間、必要に応じて、加熱してもよい。ハイドロタルサイト類とアルカノールアミン類とを混合する前、又は混合した後、又は混合の前後に(表面処理した)ハイドロタルサイト類を適宜の手段にて粉砕することが好ましい。
【0017】
本発明によれは、アルカノールアミン類によるハイドロタルサイト類の表面処理量は、ハイドロタルサイト類に対して、通常、0.1〜10重量%の範囲である。アルカノールアミン類によるハイドロタルサイト類の表面処理量がハイドロタルサイト類に対して0.1重量%よりも少ないときは、これを塩化ビニル系重合体に配合しても、得られる樹脂組成物の成形加工の際の熱安定性を改善する効果が不十分である。他方、アルカノールアミン類によるハイドロタルサイト類の表面処理量がハイドロタルサイト類に対して10重量%よりも多いときは、得られる樹脂組成物が電気絶縁性において劣るようになるので、例えば、電線被覆等に用いる際に不都合を生じる。特に、本発明によれば、アルカノールアミン類によるハイドロタルサイト類の表面処理量は、0.2〜5重量%の範囲であることが好ましい。
【0018】
本発明によれば、ハイドロタルサイト類は、アルカノールアミン類による処理の前に、予め、適宜の表面処理剤にて表面処理されていることが好ましい。このように、ハイドロタルサイト類を予め表面処理した後、アルカノールアミン類にて処理することによって、樹脂に対する分散性を改善し、また、得られる樹脂組成物の加工性を改善することができる。
【0019】
本発明によれば、上記表面処理剤として、例えば、高級脂肪酸、高級脂肪酸金属塩(金属石ケン)、アニオン界面活性剤、リン酸エステル、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤等のカップリング剤を挙げることができ、なかでも、高級脂肪酸又は高級脂肪酸金属塩が好ましく用いられる。
【0020】
上記表面処理剤の具体例として、例えば、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の高級脂肪酸、これら高級脂肪酸のリチウム塩ナトリウム塩、カリウム塩等の金属塩、ステアリルアルコール、オレイルアルコール等の高級アルコールの硫酸エステル塩、ポリエチレングリコールエーテルの硫酸エステル塩、アミド結合硫酸エステル塩、エーテル結合スルホン酸塩、エステル結合スルホネート、アミド結合アルキルアリールスルホン酸塩、エーテル結合アルキルアリールスルホン酸塩等のアニオン界面活性剤、オルトリン酸とオレイルアルコール、ステアリルアルコール等のモノ又はジエステル又はこれらの混合物であって、それらの酸型又はアルカリ金属塩又はアミン塩等のリン酸エステル、ビニルエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート等のチタンカップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルカリカップリング剤を挙げることができる。
【0021】
このような表面処理剤は、ハイドロタルサイト類に対して、0.1〜15重量%、好ましくは、0.5〜5重量%の範囲で用いて、ハイドロタルサイト類を表面処理することが好ましい。
【0022】
ハイドロタルサイト類を上記表面処理剤にて表面処理するための方法は、特に限定されるものではなく、従来より知られている湿式法や乾式法等、適宜の方法によることができる。湿式法によるときは、ハイドロタルサイト類のスラリーに上記表面処理剤を溶液やエマルジョンとして加え、攪拌下、必要に応じて、100℃までの温度に加熱しながら十分に混合した後、ハイドロタルサイト類を濾過し、水洗し、乾燥すればよい。
【0023】
他方、乾式法によるときは、ハイドロタルサイト類に上記表面処理剤を溶液やエマルジョンとして加え、ヘンシェルミキサー等の混合装置を用いて、必要に応じて、加熱下に混合すればよい。
【0024】
本発明による樹脂組成物は、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、上述した表面処理ハイドロタルサイト類0.1〜20重量部を含むものである。表面処理ハイドロタルサイト類の塩化ビニル系重合体への配合割合が塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.1重量部よりも少ないときは、得られる塩化ビニル系樹脂組成物において、熱安定性の改善効果に乏しい。しかし、配合割合が塩化ビニル系重合体100重量部に対して20重量部を越えるときは、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性を却って損なうことがある。特に、本発明によれば、表面処理の配合割合は、塩化ビニル系重合体への配合割合がポリ塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0025】
本発明において、塩化ビニル系重合体は、塩化ビニルの単独重合体と種々の共単量体との共重合体を含み、また、その製造方法も、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等、特に、限定されるものではない。
【0026】
従って、このような塩化ビニル系重合体として例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリテン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニリトル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−イソプレン共重合体、塩化ビニル−塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ビニルエーテル共重合体等を挙げることができる。また、これらの混合物も、塩化ビニル系重合体として用いられる。更に、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体、これらの混合物と非塩化ビニル系重合体、例えば、アクリロニトリル−スチレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチル(メタ)アクリリレート共重合体、ポリエステル等との混合物も塩化ビニル系重合体として用いられる。特に、本発明においては、塩化ビニル系重合体として、上述したなかでも、ポリ塩化ビニルが好ましく用いられる。
【0027】
本発明において、樹脂組成物は、所謂軟質又は半硬質塩化ビニル系樹脂組成物とする場合には、従来より知られている可塑剤を含む。このような可塑剤としては、例えば、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタレート系可塑剤、ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペート等のアジペート系可塑剤、トリクレジルホスフェート等のホスフェート系可塑剤、ポリエステル系可塑剤、塩素化パラフィン系可塑剤、トリメリテート系可塑剤、ピロメリテート系可塑剤、ビフェニルテトラカルボキシレート系可塑剤等を挙げることができるが、しかし、これらに限定されるものではない。このような可塑剤は、通常、ポリ塩化ビニル100重量部に対し、通常、10〜150重量部、好ましくは、20〜100重量部の範囲で用いられる。
【0028】
このように、本発明によれば、ポリ塩化ビニルに可塑剤を配合して、軟質又は半硬質の塩化ビニル樹脂組成物を得る場合には、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、表面処理ハイドロタルサイト類を1〜15重量部の範囲で配合するのが好ましく、特に、2〜10重量部の範囲で配合するのが好ましい。他方、ポリ塩化ビニルに可塑剤を配合することなく、硬質の塩化ビニル樹脂組成物を得る場合には、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、表面処理ハイドロタルサイト類を0.1〜10重量部の範囲で配合するのが好ましく、特に、0.2〜5重量部の範囲で配合するのが好ましい。
【0029】
更に、本発明によれば、塩化ビニル系重合体と共に、従来より、塩化ビニル系重合体用安定剤又は添加剤として知られている種々の添加剤を含むことができる。
【0030】
このような添加剤の一つとして、β−ジケトン類を挙げることができる。本発明によれば、上述した表面処理ハイドロタルサイト類と共に、このβ−ジケトン類を安定剤として用いることによって、塩化ビニル系樹脂組成物の熱安定性を一層高めることができる。
【0031】
上記β−ジケトン類としては、例えば、デヒドロ酢酸、デヒドロプロピオニル酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、ジベンゾイルメタン、ベンゾイルアセトン、パルミトイルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、ベンゾイルアセチルメタン等を挙げることができる。
【0032】
本発明によれば、このようなβ−ジケトン類は、塩化ビニル系重合体100重量部について、通常、0.01〜5重量部の範囲で配合され、好ましくは、0.05〜2重量部の範囲で配合される。
【0033】
更に、別の添加剤として、滑剤を挙げることができる。この滑剤としては、例えば、好ましくは、カルボン酸金属塩、好ましくは、高級脂肪酸金属塩が用いられる。
【0034】
上記カルボン酸の具体例としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸等や、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸、綿実油脂肪酸等天然脂肪酸、安息香酸、p−第三ブチル安息香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、サリチル酸、5−t−オクチルサリチル酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸等を挙げることができる。また、金属塩を形成するための金属種としては、例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、バリウム、マグネシウム、ストロンチウム、亜鉛、カドミウム、スズ、セシウム、アルミニウム等を挙げることができる。なかでも、ステアリン酸亜鉛やステアリン酸カルシウムが好ましく用いられるが、しかし、これらに限定されるものではない。
【0035】
このような滑剤は、塩化ビニル系重合体100重量部に対して、通常、0.1〜10重量部の範囲で配合される。特に、軟質又は半硬質の塩化ビニル樹脂組成物の場合には、滑剤の配合量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.01〜5重量部の範囲が好ましく、硬質塩化ビニル樹脂組成物の場合には、滑剤の配合量は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.01〜10重量部の範囲が好ましい。しかし、最も好ましい滑剤の配合量は、軟質、半硬質及び硬質の塩化ビニル樹脂組成物のいずれについても、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、0.1〜5重量部の範囲である。
【0036】
本発明によれば、ハイドロタルサイト類と前記β−ジケトンと上記滑剤、特に、ステアリン酸のような高級脂肪酸のカルシウムや亜鉛塩を用いることによって、得られる塩化ビニル樹脂組成物の熱安定性を一層改善することができる。
【0037】
ポリ塩化ビニルに可塑剤を配合して、軟質塩化ビニル樹脂組成物とする場合、充填剤は、特に、配合しないが、しかし、必要に応じて、例えば、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ケイ酸カルシウム、珪藻土、カーボンブラック等の充填剤をポリ塩化ビニル100重量部に対して50重量部以下、好ましくは、20重量部以下の範囲で配合してもよい。充填剤は、上記例示したものに限定されるものではない。
【0038】
しかし、ポリ塩化ビニルに可塑剤を配合せず、硬質塩化ビニル樹脂組成物とする場合には、上記滑剤と共に、充填剤を配合することが好ましい。この充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、ケイ酸カルシウム、珪藻土、カーボンブラック等を挙げることができる。充填剤は、上記例示したものに限定されるものではない。このような充填剤は、ポリ塩化ビニル100重量部に対して、通常、0.1〜100重量部の範囲で配合され、好ましくは、1〜80重量部の範囲で配合される。
【0039】
本発明による樹脂組成物は、上記以外の添加剤として、例えば、多価アルコール類、有機ホスファイト類、フェノール系又は硫黄系抗酸化剤、ヒンダードアミン類、紫外線吸収剤等の適量を含んでもよい。
【0040】
上記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトール、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトール、マンニトール、イノシトール等を挙げることができる。
【0041】
上記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2' −メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4' −ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン−ビス〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等を挙げることができる。
【0042】
上記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステル等のジアルキルチオジプロピオネート類、ペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)等のポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類等を挙げることができる。
【0043】
また、上記有機ホスファイト類としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4' −イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C1215混合アルキル)−4,4' −イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、水素化−4,4' −イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス〔4,4' −n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4' −ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド等を挙げることができる。
【0044】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5'−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2' −メチレンビス(4−t−オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステル等の2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類、フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類、2−エチル−2' −エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4' −ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類、エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類等を挙げることができる。
【0045】
また、ヒンダードアミン類としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン等を挙げることができる。
【0046】
更に、必要に応じて、本発明による樹脂組成物には、上記に加えて、その他の添加剤、例えば、架橋剤、発泡剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、難燃剤、防曇剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤等を配合することができる。
【0047】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【0048】
比較例1
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及びMg0.67Al0.33(OH)2 (CO3 0.167 ・0.47 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類(以下、未処理ハイドロタルサイト類という。)2重量部を加えて、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を8インチロールを用いて170℃で5分間混練した後、シートに圧延した。このシートを4cm×3cmの試験片に裁断し、これをギアオーブン試験に供した。
【0049】
ギアオーブン試験においては、180℃の温度条件下に試験片が黒色になるまでの時間を測定した。
【0050】
また、上記混合物を8インチロールを用いて170℃で5分間混練した後、シートに圧延し、このシートを適宜に裁断し、180℃で5分間予熱した後、圧力5MPaの下で5分間プレスして、厚み1mmの試験片を調製し、これについて、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。
【0051】
上記プレス初期着色性は、上記試験片をカラーコンピュータにて黄味の度合い(YI値)を測定した。即ち、先ず、白色標準板を用いて、装置の校正を行った後、試験片の上に白色標準板をバックグラウンドとして載置して、YI値を測定した。この際、試験片の3点を任意に選び、その3点における測定値の平均値をその試験片のYI値とした。黄味の度合いが大きければ大きい程、YI値が大きく、黄味の度合いが小さければ小さい程、YI値が小さい。YI値が20未満を「優」、YI値が20以上、30未満を「良」とした。
【0052】
体積抵抗率は、JIS K 6723に従って測定した。
【0053】
ブルーム性は次のようにして調べた。即ち、上記試験片を温度50℃、湿度70%の恒温恒湿器内に1週間、放置した後、試験片の表面のべとつき等の噴出物を指触にて判断した。試験片の表面に殆どべとつきのないときを「優」、幾らかべとつきのあるときを「良」、著しいべとつきのあるときを「不良」とした。結果を表1に示す。
【0054】
比較例2
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
約85℃の温水1Lにステアリン酸ナトリウム30gを加え、約85℃を保ちながら、攪拌して、ステアリン酸ナトリウムの水溶液を調製した。
【0055】
別に、Mg0.67Al0.33(OH)2 (CO3 0.167 ・0.47 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類1Kgを水10Lに加え、攪拌して、スラリーを調製し、これを約85℃に加温した。
【0056】
このハイドロタルサイト類のスラリーに約85℃の温度を保ちながら、上記ステアリン酸ナトリウムの水溶液を加え、攪拌して、ハイドロタルサイト類を処理した。この後、ハイドロタルサイト類を濾過し、水洗し、約95℃の温度で一昼夜、加熱乾燥した後、粉砕して、ステアリン酸ナトリウム3重量%にて表面処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類という。
【0057】
比較例1において、未処理ハイドロタルサイト類に代えて、上記ステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類2重量部を用いた以外は、比較例1と同様にして、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表1に示す。
【0058】
実施例1
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
Mg0.67Al0.33(OH)2 (CO3 0.167 ・0.47 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類に対して、0.5重量%のトリエタノールアミンを加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、トリエタノールアミンで表面処理したハイドロタルサイト類を得た。これをトリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0059】
比較例1において、未処理ハイドロタルサイト類に代えて、上記トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類2重量部を用いた以外は、比較例1と同様にして、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表1に示す。
【0060】
実施例2
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類に対して、0.5重量%のトリエタノールアミンを加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、トリエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0061】
比較例1において、未処理ハイドロタルサイト類に代えて、上記ステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類2重量部を用いた以外は、比較例1と同様にして、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
Figure 0004848601
【0063】
比較例3
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び未処理ハイドロタルサイト類0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表2に示す。
【0064】
比較例4
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表2に示す。
【0065】
実施例3
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び実施例1において調製したトリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類2重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表2に示す。
【0066】
実施例4
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び実施例2において調製したステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類2重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表2に示す。
【0067】
【表2】
Figure 0004848601
【0068】
比較例5
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類2重量部を加えて、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表3に示す。
【0069】
実施例5〜8
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類に対して、それぞれ、0.1重量%、0.5重量%、5.0重量%及び10.0重量%のトリエタノールアミンを加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、それぞれトリエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0070】
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類2重量部を加えて、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表3に示す。
【0071】
【表3】
Figure 0004848601
【0072】
比較例6
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。
【0073】
実施例9〜12
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類に対して、それぞれ、0.1重量%、0.5重量%、5.0重量%及び10.0重量%のトリエタノールアミンを加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、それぞれトリエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0074】
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表4に示す。
【0075】
【表4】
Figure 0004848601
【0076】
比較例7
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類2重量部を加えて軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。
【0077】
実施例13〜15
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類に対して、それぞれ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン0.5重量%を加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、それぞれエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/モノ、ジ又はトリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0078】
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム/モノ、ジ又はトリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類2重量部を加えて軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表5に示す。
【0079】
【表5】
Figure 0004848601
【0080】
比較例8
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。
【0081】
実施例16〜18
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理したハイドロタルサイト類に対して、それぞれ、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン0.5重量%を加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、それぞれエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/モノ、ジ又はトリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0082】
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム/モノ、ジ又はトリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表6に示す。
【0083】
【表6】
Figure 0004848601
【0084】
実施例19〜22
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類に対して、トリエタノールアミン0.5重量%を加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、トリエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0085】
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部と共に、表7に示す量にて上記ステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類を加えて、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表7に示す。
【0086】
【表7】
Figure 0004848601
【0087】
実施例23〜26
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
比較例2において調製したステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類に対して、トリエタノールアミン0.5重量%を加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、トリエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類という。
【0088】
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、炭酸カルシウム3重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部と共に、表8に示す量にて上記ステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表8に示す。
【0089】
【表8】
Figure 0004848601
【0090】
比較例9〜11
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
Mg0.667 Al0.333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.487 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類A、Mg0.692 Al0.308(OH)2 (CO3 0.154 ・0.538 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類B及びMg0.584 Zn0.083 Al0 .333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.498 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類Cをそれぞれ比較例2と同様にして3重量%のステアリン酸ナトリウムで予め表面処理した。以下、これをステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類A、B又はCという。
【0091】
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類A、B又はC2重量部を加えて、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。結果を表9に示す。
【0092】
実施例27〜29
(軟質塩化ビニル樹脂組成物)
Mg0.667 Al0.333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.487 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類A、Mg0.692 Al0.308(OH)2 (CO3 0.154 ・0.538 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類B及びMg0.584 Zn0.083 Al0.333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.498 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類Cをそれぞれ比較例2と同様にして3重量%のステアリン酸ナトリウムで予め表面処理した。
【0093】
これらのステアリン酸ナトリウム処理したハイドロタルサイト類に対して、それぞれ、トリエタノールアミン0.5重量%を加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、トリエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類A、B又はCという。
【0094】
平均重合度1300のポリ塩化ビニル100重量部に可塑剤(ジオクチルフタレート)50重量部、ステアリン酸亜鉛1重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類A、B又はC2重量部を加えて、軟質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性、体積抵抗率及びブルーム性を調べた。
【0095】
【表9】
Figure 0004848601
【0096】
比較例12〜14
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
Mg0.667 Al0.333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.487 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類A、Mg0.692 Al0.308(OH)2 (CO3 0.154 ・0.538 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類B及びMg0.584 Zn0.083 Al0.333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.498 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類Cをそれぞれ比較例2と同様にして3重量%のステアリン酸ナトリウムで予め表面処理した。これをステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類A、B又はCという。
【0097】
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部、炭酸カルシウム3重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム処理ハイドロタルサイト類A、B又はC0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表10に示す。
【0098】
実施例30〜32
(硬質塩化ビニル樹脂組成物)
Mg0.667 Al0.333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.487 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類A、Mg0.692 Al0.308(OH)2 (CO3 0.154 ・0.538 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類B及びMg0.584 Zn0.083 Al0.333(OH)2 (CO3 0.167 ・0.498 H2 Oで表されるハイドロタルサイト類Cをそれぞれ比較例2と同様にして3重量%のステアリン酸ナトリウムで予め表面処理した。
【0099】
これらのステアリン酸ナトリウム処理したハイドロタルサイト類に対して、それぞれ、トリエタノールアミン0.5重量%を加え、常温にてヘンシェルミキサーを用いて均一に攪拌、混合した後、粉砕して、トリエタノールアミン処理したハイドロタルサイト類を得た。これをステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類A、B又はCという。
【0100】
平均重合度1000のポリ塩化ビニル100重量部にステアリン酸カルシウム0.2重量部、ステアリン酸亜鉛0.5重量部、ジベンゾイルメタン0.1重量部、炭酸カルシウム3重量部及び上記ステアリン酸ナトリウム/トリエタノールアミン処理ハイドロタルサイト類A、B又はC0.5重量部を加えて、硬質塩化ビニル樹脂組成物用の混合物を調製した。この混合物を比較例1と同様にして混練し、試験片を調製し、同様にして、ギアオーブン試験に供すると共に、プレス初期着色性を調べた。結果を表10に示す。
【0101】
【表10】
Figure 0004848601
【0102】
【発明の効果】
以上のように、本発明に従ってアルカノールアミン類にて表面処理したハイドロタルサイト類を塩化ビニル系樹脂組成物に配合することによって、成形加工時の熱安定性を改善することができ、しかも、軟質塩化ビニル系樹脂組成物の場合には、可塑剤のブルームをもよく抑えることができる。

Claims (10)

  1. アルカノールアミン類にて表面処理してなるハイドロタルサイト類。
  2. アルカノールアミン類がモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載のハイドロタサイト類。
  3. 高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩で予め表面処理されている請求項1又は2に記載のハイドロタルサイト類。
  4. ハイドロタルサイト類とアルカノールアミン類とを混合することを特徴とする表面処理ハイドロタルサイト類の製造方法。
  5. アルカノールアミン類がモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種である請求項4に記載の表面処理ハイドロタサイト類の製造方法。
  6. ハイドロタルサイト類が高級脂肪酸又はそのアルカリ金属塩で予め表面処理されている請求項4又は5に記載のハイドロタルサイト類の製造方法。
  7. 塩化ビニル系重合体100重量部に対して、請求項1から3のいずれかに記載のハイドロタルサイト類0.1〜20重量部を含むことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物。
  8. 塩化ビニル系重合体100重量部に対して、更に、β−ジケトン類0.01〜5重量部を含む請求項7に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  9. ポリ塩化ビニル100重量部に対して、請求項1から3のいずれかに記載のハイドロタルサイト類1〜15重量部を含むと共に、可塑剤10〜150重量部、高級脂肪酸金属塩からなる滑剤0.01〜5重量部及びβ−ジケトン類0.01〜5重量部を含む軟質乃至半硬質塩化ビニル樹脂組成物。
  10. ポリ塩化ビニル100重量部に対して、請求項1から3のいずれかに記載のハイドロタルサイト類0.1〜10重量部を含むと共に、高級脂肪酸金属塩からなる滑剤0.01〜10重量部、β−ジケトン類0.01〜5重量部及び充填剤0.1〜100重量部を含む硬質塩化ビニル樹脂組成物。
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