JP4848557B2 - 硬貨の保留払出装置及びその硬貨保留払出装置を有する硬貨入出金機 - Google Patents

硬貨の保留払出装置及びその硬貨保留払出装置を有する硬貨入出金機 Download PDF

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本発明は、多数の硬貨を保留し、かつ、所定数の硬貨を払い出す硬貨の保留払出装置に関する。
詳しくは、硬貨保留量が少なくなった場合であっても、硬貨をすばやく払い出すことができる硬貨払出装置に関する。
さらに詳しくは、可及的に多数の硬貨を保留でき、かつ、硬貨ジャムの発生がない硬貨の保留払出装置に関する。
さらに、本発明は硬貨の保留払出装置を備えた硬貨入出金機に関する。
なお、本明細書で使用する「硬貨」は、通貨の硬貨に加えてトークン及びメダル等を含み、かつ、形状は円形、及び、多角形を含んでいる。
第1の従来技術として、回転体により硬貨を一つずつ区分けして払い出す硬貨払出装置において、硬貨を全て払い出すため、棒状弾性部材を配置することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
第2の従来技術として、回転体により硬貨を一つずつ区分けして払い出す硬貨払出装置において、落下した硬貨が硬貨貯留ホッパ内に山形に堆積することによる硬貨保留量の減少を防止するため、硬貨を硬貨ランナーによって勢いよく弾き飛ばし、その勢いによってホッパ内に分散堆積するようにしたものが知られている。
第3の従来技術として、送り円板により硬貨を一つずつ区分けして払い出す硬貨送出装置において、落下した硬貨がホッパタンク内に山形に堆積することによる硬貨保留量の減少を防止するため、所定数の硬貨を受け入れた場合、送り円板を逆転させて保留硬貨を攪拌することにより保留硬貨を均すことが知られている(例えば、特許文献3参照)。
第4の従来技術として、底部に硬貨が通過する通孔を有する回転円盤を配置したホッパに入金硬貨を金種別に分類して金種毎にバルク状態で収納すると共に、前記回転円盤の正転により一つずつ区分けして出金する硬貨入出金機において、硬貨をホッパに入金する場合、前記回転円盤を逆転しながら入金することにより硬貨が偏って保留されないようにする技術が知られている(例えば、特許文献4参照)。
第5の従来技術として、硬貨を払い出す回転体をインナーロータ型ブラシレスDCモータにより駆動し、電気ブレーキを付与して停止することが知られている(例えば、特許文献5参照)。
特開2004−70660(図1―2、9頁) 特開平9−180020(図2−10、4頁) 特開平8−110960(図1−4、5−7頁) 特許第3187699号(図1−8、2―4頁) 特開2000−76507(図1−6、2―3頁)
第1の従来技術において、硬貨は最下部において回転体に係止されることから、この最下部に棒状弾性部材の先端を配置する必要がある。
この棒状弾性部材はそれ自体の弾性を利用して復帰動を行わせることから、所定長以上の長さが必要である。
したがって、棒状弾性部材は所定量以上の長さが必要なので、小型の硬貨払出装置には使用することができない。
また、棒状弾性部材は回転体によって擦られ、また、毎回弾性変形されることから、耐久性がないという問題がある。
また、長期間の使用によって棒状弾性部材が塑性変形し、硬貨を攪拌しなくなり、結果として硬貨ジャム(ブリッジ)が発生して硬貨を払い出すことができなくなる問題がある。
第2の従来技術は、硬貨ライナーを新たに配置しなければならないため、硬貨払出装置の小型化には不利であり、さらに、コスト高になり俄に採用することができない。
第3の従来技術は、回転体を逆転することにより山形に堆積した硬貨を均すため、新たな装置を付加しないので、小型化に適し、かつ、安価である。
しかし、硬貨が残り少なくなった場合(残り一、二枚の場合)、回転体の回転によって硬貨がランダムに跳ね上がる等により、回転体の受入部に速やかに受け入れられないことがある。
この場合、所定数の硬貨を速やかに払い出すことができないという問題がある。
硬貨を受入部に速やかに受け入れるため回転体を逆転した場合、硬貨を払い出さずに回転体の受入部に位置させることができる。
しかし、第3の従来技術は、硬貨の堆積量を逆転のきっかけにするため、前述のように残留する硬貨が極めて少量の場合、回転体の逆転のきっかけをつかむことができない。
第4の従来技術は、ホッパへの入金時に回転円盤を逆転させることによりバルク状態の硬貨を積極的に移動させて均すため、ホッパの収納容積に対する硬貨保留率を高めることができる利点がある。
しかし、前記第3の従来技術同様に硬貨が残り少なくなった場合、回転円盤の通孔に速やかに受け入れられず、所定数の硬貨を速やかに払い出すことができないという問題がある。
また、第5の従来技術は、単に回転体をDCブラシレスモータにより駆動して正転、逆転又は停止させることを開示するのみであり、残留した硬貨を回転体の受入部に受け入れさせる動機付けを何ら開示していない。
本発明の第1の目的は、硬貨保留部内の硬貨残量が少ない場合であっても、硬貨を速やかに送り出すことができる硬貨保留払出装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、硬貨ジャム(硬貨ブリッジ)を生じない硬貨保留払出装置を提供することである。
本発明の第3の目的は、所定の硬貨を所定数速やかに払い出すことができる硬貨保留払出装置を提供することである。
本発明の第4の目的は、複数金種の硬貨を受入れ、所定金種の所定数の硬貨を速やかに払い出すことができる硬貨入出金機を提供することである。
この目的を達成するため、請求項1の発明にかかる硬貨保留払出装置は次のように構成されている。
回転軸線からオフセットした位置において硬貨を積み上げて保留する保留部を有する回転体と、前記回転体を硬貨が払い出される正転方向と硬貨を払い出さない逆転方向に回転する駆動装置と、前記保留部を補給位置に停止する制動装置と、前記保留部を前記補給位置に移動させる場合、前記逆転方向に回転させる逆転指示信号を出力し、硬貨を払い出す場合、前記正転方向に回転させる正転指示信号を出力する回転方向指示装置と、を有することを特徴とする硬貨の保留払出装置である。
この構成において、硬貨は保留部に積み重なって保留される。
回転方向指示装置からの正転指示信号によって駆動装置によって回転体が正転され、保留部に保留されている硬貨が一つずつ払い出されるので、速やかに所定数の硬貨を払い出すことができる。
また、保留部に硬貨を保留する場合、回転方向指示装置からの逆転指示信号によって駆動装置によって回転体を逆転させて保留部を補給位置に移動させ、制動装置を作動させて停止する。
この場合、回転体が逆転されるから硬貨は払い出されることなく保留部が補給位置に移動される。
硬貨保留部が補給位置に位置した状態において、入金硬貨が保留部に落下し、保留される。
硬貨は、落下した後水平になり、積み重ねられる。
したがって、硬貨は常に回転体の保留孔に水平に位置しているので、保留枚数が少ない場合であっても直ぐさま払い出すことができる。
また、硬貨は保留部に積み重ねて保留されているので、硬貨ブリッジが発生することもない。
さらに、回転体の回転により所定数の硬貨を払出できるので、所定数の硬貨を迅速に払い出すことができる。
請求項1の硬貨の保留払出装置は、前記保留部が複数であることが好ましい。
本発明は硬貨の保留部が複数であるため、硬貨の保留量を大幅に増加できる利点がある。
硬貨保留部の数は、保留部の直径と回転体の直径とにより決定されるが、回転体の直径の範囲に収まる最大数が好ましい。
請求項2の硬貨の保留払出装置は、さらに、前記回転体の基準位置を検知する基準位置検知装置及び前記保留部の保留部位置検知装置を含み、前記保留部の一つを前記補給位置に移動させる場合、基準位置検知装置によって回転体の基準位置を検知した後、前記保留部位置検知装置によって所定の保留部の位置が補給位置に位置するよう前記制動装置を作動させる制御装置を含むことを特徴とする。
この構成において、補給位置に保留部を移動させる場合、回転体は基準位置検知装置によって毎回基準位置に戻されたことを検知されるまで逆転により移動された後、所定の保留部が補給位置に移動されたところで制動装置により停止される。
したがって、補給が必要とされる保留部が必ず補給位置に移動されるので、入金された硬貨を補給が必要な保留部に補給できる利点がある。
請求項1の硬貨の保留払出装置は、前記回転体が上下方向において複数に分割され、かつ、少なくとも一の分割回転体は回転軸線回りに個別に回動可能であり、当該回動可能な分割回転体は隣接する分割回転体に弾性体を介して連結されていることが好ましい。
この構成において、回転体は複数の分割体により構成され、硬貨が積み重なって保留される保留孔は前記分割回転体によって一本の垂立円柱状に形成される。
したがって、硬貨は前記保留孔に積み重なって円柱状に積み上げられる。
回転体が回転される場合、起動時において隣接する分割回転体を連結する弾性体が被動側分割回転体及び保留される硬貨の慣性質量により僅かに弾性変形して回転力を伝達される。
したがって、硬貨の保留部は駆動側分割回転体に対し被動側分割回転体が僅かにずれるが弾性体の自己弾発力による復帰により、直状円柱状に戻る。
また、回転体の停止時には、駆動側分割回転体が制動装置によって直接的に迅速に停止されるが、被動側分割回転体及び保留する硬貨の質量による慣性力が弾性体に加わる。
これにより、弾性体が変形し被動側分割回転体に加わる慣性力が緩和されると共に、変形に要する時間ずれを有して慣性力が制動装置に加わるので、制動装置の制動容量を少なくでき、もって、制動装置を小型化できる利点がある。
また、駆動装置に対する負荷のかかりが僅かにずれるため、駆動装置の起動トルクが小さくとも起動できる利点がある。
請求項5の硬貨入出金機は、硬貨投入口に投入された硬貨を通孔を有する回転体を正方向に回転させて前記通孔に落下した硬貨を前記回転体の回転により一つずつ区分けして払い出し、予め定められた数の硬貨を払出した後停止装置によって前記回転体を停止するようにした硬貨入出金機において、回転軸線からオフセットした位置において硬貨を積み上げて保留する保留部を有する回転体と、前記回転体を硬貨が払い出される正転方向と、硬貨が払い出されない逆転方向に回転する駆動装置と、前記保留部の回転経路に相対した補給位置における前記回転体の上方に配置された硬貨供給口と、前記保留部を前記補給位置に移動させる場合、前記逆転方向に回転させる逆転指示信号を出力し、硬貨を払い出す場合、前記正転方向に回転させる正転指示信号を出力する回転方向指示装置と、逆転指示信号を受けた時、前記保留部が前記補給位置に位置した状態で停止する停止装置と、を有することを特徴とする硬貨入出金機である。
この構成において、硬貨は回転体の保留部に積み重なって円柱状に保留される。
回転方向指示装置からの正転指示信号によって駆動装置によって回転体が正転され、保留部に保留されている硬貨が一つずつ払い出されるので、所定数の硬貨を払い出すことができる。
また、保留部に硬貨を保留する場合、回転方向指示装置からの逆転指示信号によって駆動装置によって回転体を逆転させて保留部を硬貨供給口の下方に移動させ、停止装置を作動させて停止する。
この場合、逆転であるから硬貨は払い出されることなく保留部が硬貨供給口の下方に案内される。
この状態において、硬貨供給口から保留部に硬貨が落下し、保留される。
硬貨は保留部の底又は積み上がっている硬貨の上面に落下した後、水平になり、積み重ねられる。
したがって、硬貨は回転体の保留孔に水平に位置しているので、保留枚数が少ない場合であっても直ぐさま払い出されることができる。
また、硬貨は保留部に積み重ねて保留されているので、硬貨ブリッジが発生することもない。
さらに、回転体の回転により所定数の硬貨を払出できるので、所定数の硬貨を迅速に払い出すことができる利点がある。
請求項6の発明は請求項5の発明において、前記硬貨供給口を開口及び閉口するシャッタを配置し、前記回転体が回転中の場合、前記シャッタが前記供給口を閉口することを特徴とする硬貨入出金機である。
この構成において、硬貨の供給口は回転体が回転中は、シャッタによって閉口されるので、この状態において硬貨の投入口に投入された硬貨は、シャッタにより保留部への落下を阻止されて保留される。
シャッタによって保留された硬貨は、回転体が停止し、かつ、所定の金種位置に移動し、停止した後のシャッタの開放位置への移動により保留部へ落下し、保留される。
したがって、回転体が回転中に受け入れた硬貨を、回転体が停止後所定の保留部に保留される利点がある。
回転軸線からオフセットした位置において硬貨を積み上げて保留する保留部を有する回転体と、前記回転体を硬貨が払い出される正転方向と硬貨を払い出さない逆転方向に回転する駆動装置と、前記保留部を補給位置に停止する制動装置と、前記保留部を前記補給位置に移動させる場合、前記逆転方向に回転させる逆転指示信号を出力し、硬貨を払い出す場合、前記正転方向に回転させる正転指示信号を出力する回転方向指示装置と、を有することを特徴とする硬貨の保留払出装置である。
図1は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金装置の概略図斜視図である。
図2は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の概略説明図である。
図3は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の概略斜視図である。
図4は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の分解斜視図である。
図5は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の断面図である。
図6は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の概略正面図である。
図7は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の硬貨判別装置部の拡大正面図である。
図8は、図7におけるA―A線断面図である。
図9は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の分離送出装置、金種判別装置及び金種判別装置の駆動系統図である。
図10は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の選別部の一部拡大正面図である。
図11は、図10におけるB−B線断面図である。
図12は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の選別部の一部拡大斜視図である。
図13は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の一部の部品を削除した選別部の一部拡大斜視図である。
図14は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の第1選別部の硬貨センサの拡大断面図である。
図15は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の硬貨センサの拡大断面図である。
図16は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の一部の部品を削除した作動説明図である。
図17は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金装置の制御ブロック図である。
図18は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置のタイミングチャートである。
図19は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の待機処理フローチャートである。
図20は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の硬貨払出処理フローチャートである。
図21は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の硬貨入金処理フローチャートである。
最初に硬貨保留払出装置100を図2から図5を参照して説明する。
硬貨保留払出装置100は、保留する硬貨102を一つずつ区分けして払い出す機能を有し、ホッパ部104及び制御部105により構成される。
ホッパ部104は、硬貨を積み重ねて保留し、かつ、正転により所定数の硬貨を一つずつ払出し、逆転により硬貨の受入位置に移動させる機能を有する。
ホッパ部104は、硬貨102を保留するための円柱状の回転体106、回転体106の直下に配置され、回転体106によって連れ回りされる硬貨102がスライドする平板状のベース108、回転体106を正転若しくは逆転駆動するための駆動装置110であるモータ111、及び、硬貨102を弾き出す払出装置112を含んでいる。
まず回転体106を説明する。
回転体106は、硬貨102の面どうしが接触した状態で硬貨102を積み上げて保留すると共にベース108に案内される最下の硬貨102を連れ回りする機能を有する。
本実施例1において、回転体106は回転ディスク114と保留体116とを含んでいる。
次に回転ディスク114を説明する。
回転ディスク114は、硬貨102を連れ回りする機能を有する。
回転ディスク114は、硬貨102が落下可能な通孔118が等間隔で所定数形成され、ベース108の上面と平行に隣接して配置され、モータ111によって駆動される減速機120の出力軸122の上端部に固定されている。
回転ディスク114の裏面に硬貨102の押動突条123(図4参照)が形成されている。
回転ディスク114は硬貨102に対し摩擦接触するので、金属、例えば焼結法で一体成形することが好ましい。
通孔118に落下した硬貨102は、周面が回転ディスク114の外周に隣接して形成された円形壁124によって案内されると共に前記押動突条123によって押されるので、ベース108の上面を滑って回転ディスク114と共に回転する。
次に保留体116を説明する。
保留体116は、硬貨102の面どうしが接触した状態で積み上げて保留する機能を有する。
保留体116は円柱状であって、かつ、回転ディスク114の通孔118に対応して上下方向に延びる保留孔126a、126b、126c及び126dが等間隔で穿孔されている。
保留孔126a、126b、126c及び126dは一つであっても良いが、保留体116の直径との関係で可及的に多く設けた場合、単位容積当たりの硬貨102の保留量が多くなるので好ましい。
通孔118と保留孔126は保留する硬貨102の直径よりも僅かに大きい同一径に形成され、上下方向に重なって垂立する円柱状の保留部128を形成する。
換言すれば、回転ディスク114と保留体116は上記状態で締結具(図示せず)により一体化されている。
したがって、回転ディスク114と保留体116とが一体になって保留部128を構成している。
保留体116は軽量化のため、樹脂により一体成形することが好ましい。
本実施例1において、回転ディスク114と保留体116とを別体にて構成したが、樹脂により一体に形成することができる。
回転ディスク114を樹脂により一体成形する場合、硬貨102と接触する部分は、金属板や金属ピンを配置し、耐摩耗性を向上することが好ましい。
図4に示すように本実施例においては、保留孔126a、126b、126c、126dの保留体116の回転中心側の奥壁127が僅かに高く形成されている。
奥壁127は後述の選別孔から落下した硬貨102を衝突させるための壁であるが、硬貨を衝突させない場合、配置する必要はない。
次に払出装置112を説明する。
払出装置112は、回転ディスク114の下面の押出突条123によって押動される硬貨102を所定の位置から勢いを付けて弾き出す機能を有する。
払出装置112は、一方がベース108に対し固定状態に配置されたローラ140よりなる固定体142とベース108に対し移動可能に配置され、かつ、固定ローラ140に近づくよう付勢された可動ローラ144よりなる移動体146により構成され、回転ディスク114の側方近傍に配置されている。
固定体142は、回転ディスク114の回転方向の下流側に実質的に固定状態に配置されている。
移動体146は、固定体142に対し回転ディスク114の回転方向の上流側に配置され、固定体142に対し近づくよう弾性的に付勢され、通常、硬貨102の直径よりも小さい間隔においてストッパ(図示せず)により係止され、静止している。
前記のように押出突条123によって押動される硬貨102は、移動経路に配置された規制ピン147によって回転ディスク114の周方向に案内された後、固定体142によって案内される。
移動体146は、固定体142によって案内される硬貨102によって弾発力に抗して移動される。
硬貨102の直径部が固定体142と移動体146の間を通過した直後、移動体146に作用する弾発力により弾き出される。
固定体142及び移動体146はローラでなくともよいが、硬貨102の摺動抵抗を減らすためローラであることが好ましい。
駆動装置110は、電気モータ、エアモータ、オイルモータ等使用可能であるが、電気モータが小型化、制御のし易さから最も好ましい。
モータ111はホッパ部104を正転及び逆転可能であれば、回転ディスク114を直接又は回転方向切換機を介して間接的に駆動することができる。
回転ディスク114がモータ111によって直接駆動される場合、直流モータの回転方向切換機能によって回転方向を切り替えることが好ましい。
モータ111が交流式の場合、回転方向切換機を用い、回転ディスク114の回転方向を切り替えることが出来る。
好ましくは、ブラシレスDCモータが、小型化、メンテナンス性、耐久性及び電気的ノイズの観点から使用される。
次に制御部105を説明する。
制御部105は、ホッパ部106の回転によって一つずつ払い出された硬貨102を検知する出金検出器152、及び、外部からの払出信号NS及び出金検出器152からの検知信号CUに基づいてモータ111を選択的に正転、逆転、及び制動する制御装置154を含んでいる。
制御装置154は、回転体106の回転位置検出器156に基づいて演算する主制御装置158からの指令信号を受けて作動する正転装置160、制動装置162及び逆転装置164を含んでいる。
回転位置検出器156は、回転体106の回転位置を検出する機能を有している。
換言すれば、保留孔126の位置を検知する機能を有している。
回転位置検出器156は、保留部検知器163と基準位置検知器165とを有している。
保留部検知器163は、保留体116の外周面に通孔118に相対して周方向に突出した四本の検知アーム166a、166b、166c、166dと検知器168を含んでいる。
検知器168が検知アーム166a、166b、166c、166dの何れかを検知した場合、所定の保留孔126a、126b、126c、126dが所定位置に位置する。
基準位置検知器165は、所定の検知アーム166aに相対して保留体116の外周面に突出された基準アーム167と検知器168と相対して設けられた検知器169とにより構成されている。
基準位置検知器165の基準アーム167が検知器169に検知された位置が保留部128の基準位置である。
この位置において、保留孔126aが基準位置に位置する。
図4において、基準アーム167が基準位置にある位置から矢印NDの方向である正転方向に回転した場合、保留孔126d内の硬貨102が払出装置112によって弾き出される。
矢印CD方向の逆転方向に回転した場合、硬貨102は規制ピン147を乗り越えて移動するので、払い出されることなく回転体106と共に移動する。
なお、規制ピン147はベース108内に退避可能に弾性的に保持され、かつ、先端に傾斜面が形成され、前記のように逆転時に硬貨102によってベース108に対し下方へ移動可能に設けられている。
次に出金検出器152を説明する。
出金検出器152は、払出装置112によって払い出された硬貨102を検知し、検知信号CUを主制御装置158に出力する機能を有する。
出金検出器152は、硬貨102との接触により検知する接触式若しくは非接触で検知する非接触式を使用することができるが、耐久性及びメンテナンス性の観点から磁気センサ若しくは光電センサ等の非接触式を用いることが好ましい。
次に主制御装置158を説明する。
主制御装置158は、各硬貨保留払出装置100の出金検出器152から検知信号CUを受け、所定の処理を行って正転装置160に払出信号NS、制動装置162に制動信号SS、逆転装置164に逆転信号CS及び、後述のシャッタ装置496に入金信号RSを所定のタイミングで出力する。
したがって、主制御装置158はロジック回路やマイクロプロセッサを使用することができるが、小型化及び変更容易性の観点から、ROMに記憶されたプログラムに基づいて所定の処理を行うマイクロプロセッサ方式を用いることが好ましい。
次に、正転装置160を説明する。
正転装置160は、モータ111、したがって回転体106を所定の速度で正転させる機能を有する。
正転装置160は、主制御装置158から正転信号NSを受けた場合、モータ111を正転させる。
本実施例において、正転は図1及び2において反時計回り方向である。
モータ111は減速機120を介して出力軸122を回転し、回転体106を正転させる。
制動装置162は、主制御装置158から停止信号SSを受けた場合、モータ111を急停止する。
次に補給位置について説明する。
図2における保留孔126aの位置が補給位置である。
したがって、基準アーム167が基準位置検知器163によって検知され、かつ、検知アーム166aが検知器168に検知された場合、制動装置162によって制動され、その位置を維持する。
保留孔126bを補給位置に位置させる場合、まず基準アーム167が基準位置検知器165により検知され基準位置に停止される。
次に、逆転により回転体106が回転され、検知器168が検知アーム166d、166c及び166bが検知、換言すれば、検知器168から三つ目の信号が出力された場合、制動装置162を作動させて停止する。
保留孔126cを補給位置に位置させる場合、まず基準アーム167が基準位置検知器165により検知されて基準位置に停止される。
次に、逆転により回転体106が回転され、検知器168が検知アーム166d及び166cが検知、換言すれば、検知器168から二つ目の信号が出力された場合、制動装置162を作動させて停止する。
保留孔126dを補給位置に位置させる場合、まず基準アーム167が基準位置検知器165により検知され基準位置に停止される。
次に、逆転により回転体106が回転され、検知器168が検知アーム166dを検知、換言すれば、検知器168から一つ目の信号が出力された場合、制動装置162を作動させて停止する。
「停止」とは、モータ111に電気的ブレーキを付与すること、モータ111の電源を遮断すると共に機械的制動装置(図示せず)を回転体106若しくは出力軸122に作用させて回転を停止することであり、制動装置162は直接的又は間接的に回転体106を停止する。
逆転装置164は主制御装置158から逆転信号CSを受けた場合、前記正転とは逆方向にモータ111を回転させ、回転体106を逆転させる。
したがって、モータ111が正転している時に逆転装置164によりモータ111に逆転力を生じさせることは、前記制動を兼ねている。
換言すれば、逆転装置164は制動装置162の機能を兼用することができる。
次に本発明の実施例の硬貨保留払出装置100を図1の硬貨入出金装置200に適用した例を説明する。
硬貨入出金装置200は、ユーロ硬貨8金種を自動的に入金し、かつ、払出すことができる硬貨入出金装置である。
すなわち、1セント硬貨、2セント硬貨、10セント硬貨、5セント硬貨、20セント硬貨、1ユーロ硬貨、50セント硬貨及び2ユーロ硬貨をバラ状態で受け入れた後、金種毎に硬貨保留払出装置100に保留すると共に、払出信号NSに基づいて自動的に所定金種を所定数払い出すことができる硬貨入出金装置200である。
図1において硬貨入出金装置200は、硬貨入金装置202、分離送出装置204、金種判別装置206、硬貨選別装置207、硬貨保留部208、出金装置210及び出金トレイ212を含んでいる。
まず硬貨入金装置202を説明する。
硬貨入金装置202は、D形の投入口220にバラ状態で投入された複数金種の硬貨を、次行程の分離送出装置204の機能が阻害されない量を超えない範囲で次行程の分離送出装置204に送り出す機能を有する。
硬貨入金装置202は、入金平ベルト222、崩しローラ224及び入金平ベルト222を駆動する電気モータ226を含んでいる。
入金平ベルト222は、最大硬貨直径の約二倍の幅を有し、一対のローラ間に張設され、かつ、僅かに上り傾斜に設けられている。
この入金平ベルト222は、電気モータ226により硬貨を前方に搬送する正転方向及び硬貨を戻す逆転方向に移動可能である。
崩しローラ224は、入金平ベルト222の中間部の上方に、平ベルト222との間に最薄硬貨の厚みの約3倍の隙間を空けて配置されている。
崩しローラ224は、入金平ベルト222が搬送方向に進行する場合、その下面が入金平ベルト222の進行方向と逆方向に回転し、入金平ベルト222が戻り方向に移動した場合、静止状態になるよう構成されている。
しかし、入金平ベルト222が戻り方向に移動した場合、崩しローラ224の下面が同方向に戻るよう回転させてもよい。
これにより、平ベルト222上に最薄の硬貨が三枚以上重なって崩しローラ224に到達した場合、最上の硬貨は崩しローラ224によって戻り方向に移動されてズリ落とされ、多量の硬貨が一気に分離送出装置204に落下しないように規制している。
投入口220の下方の入金平ベルト222の僅か上方をその光軸が横断するよう光電センサが配置され、入金検知装置228を構成する。
入金検知装置228の光軸が遮断された場合、硬貨が投入されたとみなし、モータ226を起動して入金平ベルト222を入金方向に移動させる。
また、後述の分離送出装置204のフルセンサ236がフル状態を検知した場合、モータ226は停止される。
したがって、分離送出装置204は、入金装置202からフル量以上の硬貨を受けることが無く、安定して一つずつ区分けして送り出すことができる。
なお、入金検知装置228は、入金平ベルト222の下側に設置した磁気センサに変更若しくは組み合わせることが出来る。
次に分離送出装置204を説明する。
分離送出装置204は、入金装置202からバラ状態で受け入れた複数金種の硬貨を一つずつ分離して次行程へ送り出す機能を有する。
分離送出装置204は、硬貨入金装置202の下方に配置され、図6ないし図9に示すように回転板230、保留ボウル232、受取体234及びフルセンサ236を含んでいる。
回転板230は、硬貨を一つずつ受け入れる受入部238を有し、所定の角度で傾斜配置され、かつ、所定の速度で回転される。
この受入部238は、回転円板240の上面に等間隔に3つの凹部242を形成したY字形のプレート246を回転円板240と同心に固定してある。
プレート246の厚みは最も薄い硬貨の厚みよりも僅かに薄くし、最薄硬貨の上に他の硬貨が載り、プレート246で強制的に押動されないように構成してある。
なお、円板240の直径を大きくした場合、受入部238の数は4以上にすることが出来、円板240の直径を小さくした場合、受入部238の数は2以下にすることが出来る。
しかし、回転円板240の直径を大きくすることは硬貨入出金装置200の大型化につながるため好ましくなく、受入部238の数を3未満にした場合、単位時間当たりの硬貨の送り出し数が少なくなるので硬貨の入金処理に時間を要することになるので、受入部238の数は3が最も好ましい。
また、凹部242の一側にはピボット運動する押出体248が配置されている。
換言すれば、押出体248と凹部242によってほぼ半円形の受入部238が形成されている。
受入部238は、最小径硬貨が二つ並んで受入られることができず、かつ、最大径硬貨が一枚のみ受け入れられる大きさに設定されている。
押出体248は、通常は受入部238を形成するように凹部242の一側に寄った位置に静止状態に位置し、ピボット運動して所定位置に移動した場合、保持されていた硬貨を回転円板240の周方向へ送り出す。
この押出体248の移動は、回転円板240の回転動を利用して溝カムなどで行うことが好ましい。
回転板230の受入部238は、保留ボウル232に相対する下部においてバラ状態で保留された硬貨を一つずつ受入れ、押出体248は回転中心よりも上方の所定の位置において受入部238の硬貨を周方向へ押し出し、ナイフ形状の受取体234に受け渡す。
図6及び図9に示すように、回転板230は、側方に配置した電気モータ250によって減速機252を介して回転されるギヤ254によって回転円板240の下部周面に形成された被動ギヤ258を介して所定の速度で回転される。
フルセンサ236は、保留ボウル232内の硬貨量が所定量以上になった場合、フル信号を出力する機能を有し、例えば、透過形の光電センサである。
保留ボウル232内の硬貨量が所定量よりも多い場合、Y形プレート246及び押出体248による硬貨の攪拌効果が低下するため、受入部238への硬貨の受入効率が低下する欠点を解消するためである。
フルセンサ236がフル信号を出力した場合、電気モータ226が停止され、入金装置202からの硬貨の供給が停止される。
フルセンサ236がフル信号を出力しなくなった場合、電気モータ226は再起動され、入金平ベルト222上の硬貨102が保留ボウル232に供給される。
次に、金種判別装置206を図7及び図8を参照して説明する。
金種判別装置206は、分離送出装置204から一つずつ送り出された硬貨の真偽及び金種を判別する機能を有する。
金種判別装置206は、磁気センサ260から取得した検知データに基づいて硬貨の真偽及び金種を判別する機能を有する。
具体的には、硬貨の材質センサ、厚みセンサ及び直径センサからの検知データに基づいて硬貨の真偽及び金種を判別する機能を有する。
金種判別装置206は、コイルと所定形状のフェライトコアにより構成した材質センサ、厚みセンサ及び直径センサからの信号を用いて、硬貨の真偽及び金種判別を行う。
金種判別装置206は、磁気センサ260、回転円板240の上面と同一平面内に配置されたスライドベース270、硬貨を送るための回転体272及び基準ガイド274を含んでいる。
まず、スライドベース270を説明する。
スライドベース270は、ベース278上面に傾斜して配置され、回転体272によって押動される硬貨の一面を案内する機能を有する。
スライドベース270は、非磁性材料、例えば樹脂で成形された平板状のベース278の上面に形成された円形穴280の底面であり、表面は平面状である。
しかし、スライドベース270に硬貨の移動方向に伸びる凸条を設け、硬貨のスライド抵抗を減少することができる。
次に回転体272を説明する。
回転体272は、送出分離装置204から受け取った硬貨を移動させ、一つずつ磁気センサ260部を通過させる機能を有する。
さらに回転体272は、磁気センサ260部を通過した硬貨を搬送装置209へ受け渡す。
回転体272は、非磁性材料、例えば樹脂により成形され、円形穴280の中心部に突出する回転軸282に固定され、スライドベース270と平行であって、かつ、近接した平面内において回転可能である。
回転体272は、受入部238と同数の等間隔に配置された三本の押動レバ284によって硬貨受入部285を形成し、Y字形をしている。
次に基準ガイド274を説明する。
基準ガイド274は、磁気センサ260に相対して通過する硬貨を直線的に案内し、磁気センサ260に対する金種別硬貨の位置を一定にする機能を有する。
基準ガイド274は、受取体234に続いて形成された弧状部286及び弧状部286に続いて形成された直線ガイド部288を有し、回転体272の回転経路の外周に位置し、押動レバ284によって押動される硬貨を案内する。
基準ガイド274は、硬貨を案内するため耐磨耗性に優れた樹脂であるポリオキシメチレンにて成形することが好ましい。
また、基準ガイド274は製造効率と精度の向上のためスライドベース270と一体に成形することができる。
次に磁気センサ260を説明する。
磁気センサ260は、基準ガイド274によって案内される硬貨の真偽及び金種を判別するためのデータを取得する機能を有する。
磁気センサ260は、基準ガイド274に案内されつつ押動レバ284によって移動される硬貨の移動通路290の上下に配置されている。
磁気センサ260は、直径センサ266、厚みセンサ264及び材質センサ262を含んでいる。
直径センサ266は、回転体272によって移動される硬貨102の直径に関するデータを取得する機能を有する。
ユーロ硬貨は、8金種であり、最大直径の2ユーロ硬貨は最小の1セントの約二倍であるため、一つの直径センサだけでは精度の高いデータを得ることが困難である。
そこで、本実施例においは複数の直径センサにより構成されている。
具体的には、第1直径センサ292、第2直径センサ294及び第3直径センサ296により構成されている。
図7及び図8に示すように、材質センサ262、厚みセンサ264及び第2直径センサ294は、円筒状の中央筒298及び外周を囲うほぼ円筒状の外壁300を有するフェライトからなるコア302の中央筒298にコイル304を巻き付けて構成された磁気センサ260である。
磁気センサ260は、コイルとコア及び高周波の印可回路等により構成することができるので、精度の高いデータを取得可能であるにもかかわらず、入手性に優れ、かつ、安価であるため、金種判別装置に適している。
図7に示すように、第1直径センサ292及び第3直径センサ296は円筒状の中央筒298及び直線ガイド部288に相対する部分の外壁300が削除された外壁を有し、ほぼ矩形に形成されている。
このように矩形にすることにより、第1直径センサ292及び第3直径センサ296を近接配置することが可能になり、精度の高い直径判別をするためのデータを得ることができるからである。
各センサ262、264、292、294及び296は、中央筒298の孔をスライドベース270の裏面から突出する円柱状の位置決めピン306に嵌めあわせ、接着剤等により固定されている。
位置決めピン306と中央筒298の孔とにより各センサ262、264、292、294及び296の位置が決定されるので、センサの位置が容易に精度よく位置決めされる利点がある。
厚みセンサ264及び第2直径センサ294は、受取体234の直近に配置され、直線ガイド部288に対し直交する第1直線L1上に配置されている。
厚みセンサ264は基準ガイド274の近くに配置され、中央筒298の端面が全金種の硬貨面と相対する。
第2直径センサ294は、最大径の2ユーロ硬貨の約四分の一と相対するように配置され、かつ、判別可能な最大径硬貨のほぼ全面と相対する位置に配置されている。
材質センサ262は、直線L1の下流であって、かつ、直線ガイド部288にほぼ直交する第2直線L2上に配置されている。
第1直径センサ292及び第3直径センサ296は、第2直線L2の直ぐ下流であって、かつ、直線ガイド部288にほぼ直交する第3直線L3上に配置されている。
回転体272の押動レバ284の硬貨の押出部306の延長線が、硬貨の最大径部が材質センサ262、第1直径センサ292及び第3直径センサ296と相対するまで鋭角に交差するよう設定し、押出部306によって押される硬貨102が直線ガイド部288に押し付けられる分力を受けるように設定してある。
硬貨が常に直線ガイド部288に接触しつつ案内されることにより、直径検出の精度を高めるためである。
材質センサ262は、基準ガイド274の直近に配置され、その中央筒298の端面は全金種の硬貨102の面と相対する。
第1直径センサ292は、直線ガイド288に案内される最小径の1セント硬貨の上部と僅かに相対するように配置されている。
第3直径センサ296は、最大径の2ユーロ硬貨が相対した場合、第3直径センサ296の下半分が2ユーロ硬貨の上端部に相対するよう配置されている。
厚みセンサ264、材質センサ262、第1直径センサ292、第2直径センサ294及び第3直径センサ296は、それぞれ硬貨の移動通路290の上下に配置された一対の磁気センサにより構成されている。
一対の磁気センサの一方は、スライドベース270の裏面に固定され、他方は上カバ308に固定されている。
次に上カバ308を説明する。
上カバ308は、分離送出装置204の上方であって、かつ、円形穴280の側方に配置した軸310にピボット運動可能に取り付けられている。
上カバ308は大凡平面視台形状を呈し、下面312はフラットであって、その一部が基準ガイド274の上面に面接触して位置決めされる。
換言すれば、スライドベース270と下面312との間隔は、上カバ308の下面312と基準ガイド274の上面とが面接触することにより、小間隔で平行に保たれる。
スライドベース270と下面312との間隔は、取扱われる硬貨の最大厚みに余裕代を加えて設定される。
上カバ308は、基準ガイド274の上面に面接触した状態でフック(図示せず)によって固定される。
したがって、金種判別装置206において、硬貨はスライドベース270と下面312及び基準ガイド274によって画定された薄い移動通路290を押動レバ284によって押動される。
押動レバ284の厚みは、スライドベース270と下面312間の間隔よりも僅かに小さく、かつ、最大厚み硬貨の厚みよりも僅かに厚く形成されている。
強度及び耐摩耗性向上及び製造容易化のためである。
図6に示すように、回転軸282のスライドベース270を貫通した下端部に押動レバーギヤ316が固定され、回転板240と一体に形成された被動ギヤ258と噛み合っている。
被動ギヤ258と押動レバーギヤ316のギヤ比は1対1であり、押出体248が硬貨を受入部285の外方に押し出して受取体234に受け渡した直後に押動レバ284が前記受け取られた硬貨を押動するようにタイミングが設定される。
次に第1タイミングセンサ276を説明する。
第1タイミングセンサ276から押動レバ284の通過毎に出力される信号は、磁気センサ260によって検知されたデータに基づいて判別された硬貨102の真偽及び金種の判別情報を記憶するための関連付け信号として用いられる。
第1タイミングセンサ276は、ベース278に固定されている。
実施例において、タイミングセンサ276は反射型の光電センサであって、押動レバ284と相対した場合「H」の押動レバタイミング信号を出力し、相対しない場合「L」の信号を出力する。
次に第2タイミングセンサ317を説明する。
第2タイミングセンサ317は、回転体272が回転した場合、第1タイミングセンサ276よりも小角度の所定回転角度毎にタイミング信号を出力する機能を有する。
本実施例においては、押動レバーギヤ316に回転軸心を中心とする同一円上に所定角度毎に穿孔された透孔318とギヤ316の下に投光素子が配置され、かつ、ギヤ316の上側に受光素子が配置された透過型の光電センサ319により構成されている。
透孔318は、例えば等間隔に24個穿孔されている。
したがって、投光素子からの投光が透孔318を透過して受光素子に入光した場合、第2タイミングセンサ317は「H」の第2タイミング信号を出力し、投光素子からの投光が押動レバーギヤ316に遮られた場合、第2タイミングセンサ317は「L」の信号を出力する。
換言すれば、第1タイミングセンサ276の一周期の間に八個の第2タイミング信号が出力されるようして回転体272の回転角度の分解能を高めている。
次に搬送装置209を説明する。
搬送装置209は、真偽及び金種を判別された硬貨を選別装置207に搬送する機能を有する。
換言すれば、後述のスライドプレート324によって一面を、ガイドレール326によって周面を支えられている硬貨を押動して所定の方向に移動する機能を有する。
搬送装置209は、同一平面内を一方向に移動する無端搬送体320を含んでいる。
無端搬送体320は、本実施例において、所定の間隔で配置された第1スプロケット328と第2スプロケット330との間に張設されたチェーン332である。
チェーン332は、扁平なランニングトラック形状に設置され、第1スプロケット328は金種判別装置206の回転体272の直近側方に配置されている。
チェーン332は、金属製チェーンであることが耐久性及びコストの観点で好ましいが、樹脂製にすることができる。
チェーン332は、水平線に対し約45度傾斜した平面内を所定の方向へ循環移動される。
チェーン332の連結ピン334(図11参照)から外方へ突出するプレート336に対し直交する上方へ突出する押動ピン338が所定の間隔で固定されている。
したがって、押動ピン338は約45度で傾斜する平面P2内を所定の方向へ循環移動される。
押動ピン338は、押動レバ284の間隔に対応した間隔でチェーン332に複数取り付けられている。
第1スプロケット328が固定された軸337の下部に被動ギヤ339が固定され、押動レバーギヤ316と噛み合っている。
ギヤ339とギヤ316のギヤ比は1対3である。
換言すれば、押動レバ284と押動ピン338は、所定の関係で連動する。
具体的には、押動レバ284によって押動ピン338の移動経路340に押動された硬貨は、直ぐに押動ピン338によって押動されるように設定される。
したがって、硬貨102は押動ピン338によって搬送されるので、搬送装置209の最小単位は押動ピン338であり、本明細書において、搬送装置209という場合、押動ピン338のみを指す場合がある。
移動経路340は、無端搬送体320を囲うように位置した扁平ループ形を呈し、かつ、無端搬送体320が配置された傾斜平面に対し僅か上方に平行に位置している。
次にスライドプレート324を図12から図16を参照して説明する。
スライドプレート324は、搬送装置209によって搬送される硬貨の下面を案内する機能を有する。
具体的には、押動ピン338の移動経路340の側方かつ下側に第1のスライドガイド342、側方かつ上側に第2のスライドガイド344が移動経路340に沿って配置されている。
図12に示すように、第1スライドガイド342と第2スライドガイド344とは、複数種の硬貨の中で最も小径の1セント硬貨1Cの直径よりも小さい間隔で平行に配置され、かつ、第1スライドガイド342は押動ピン338の移動経路340よりも上下方向において下方であり、第2スライドガイド344は移動経路340よりも上方に配置されている。
詳述すれば、第1スライドガイド342と第2スライドガイド344の上面を結んだ平面P2は、平面P1内に位置し、約45度で傾斜している。
したがって、搬送装置209によって搬送される硬貨102は、第1スライドガイド342と第2スライドガイド344によって下面を支えられ、水平線に対し約45度傾斜しつつ搬送される。
硬貨入出金装置200全体を小型化するには、前記角度は約45度が好ましい。
スライドプレート324は硬貨102を下側から支えれば良いので、細い棒を小間隔で並置し、全体としてプレート状にしたもの等硬貨を案内する機能を有すれば良い。
本実施例においては、スライドプレート324は、耐摩耗性を有する樹脂にて成形し、硬貨とスライドする部分に硬貨の進行方向に延びる突条345を形成し、硬貨102の進行抵抗を小さくしている。
次に第1スライドガイド342を説明する。
本実施例において第1スライドガイド342は、狭幅の直線状板であり、かつ、その上面は約45度傾斜し、押動ピン338によって移動される全ての硬貨102の下面を支える。
第1スライドガイド342は、押動ピン338の移動経路の下方、かつ、講中角第2スライドガイド344の上方に、それらに平行に配置された細長棒状のプレートであり、その上面は平面P2内に位置している。
次に第2スライドガイド344を説明する。
本実施例において、第2スライドガイド344は、金種判別装置206側から順に固定状態に所定の間隔で配置された第1固定ガイドプレート346-1、第2固定ガイドプレート346-2、第3固定ガイドプレート346-3、第4固定ガイドプレート346-4及び第5固定ガイドプレート346-5及びそれら固定ガイドプレートの間に配置した第1可動ガイドプレート348-1、第2可動ガイドプレート348-2、第3可動ガイドプレート348-3及び第4可動ガイドプレート348-4と、により構成されている。
各可動ガイドプレート348-1、348-2、348-3及び348-4が案内位置GP(図11)にある場合、各固定ガイドプレート346-1、346-2、346-3、346-4及び346-5と一直線状を成し、かつ、ガイドレール326に対し最小径の1セント硬貨の直径よりも小さい間隔で位置するため、押動ピン338によって移動される全ての硬貨102の下面を支えて案内する。
可動ガイドプレート348-1、348-2、348-3及び348-4は、後述するように第1選別部360をも構成する。
次にガイドレール326を説明する。
ガイドレール326は、搬送装置209によって搬送される硬貨の下側周面を案内する機能を有する。
本実施例において、ガイドレール326はスライドプレート324、具体的には第1スライドガイド342に対し大凡直角をなし、移動経路340の下方であって、かつ、第1スライドガイド342の上面に近接した状態で移動経路340に対しほぼ平行に延びている。
詳述すれば、ガイドレール326は平面P1内に大凡位置し、最大硬貨の厚みよりも僅かに大きい厚みを有している。
換言すれば、ガイドレール326は第1スライドガイド342の上面から取扱硬貨の最大厚みよりも僅かに直交方向に突出している。
したがって、押動ピン338によって押される硬貨102は、その下面がスライドプレート324によって案内され、かつ、下端周面はガイドレール326によって案内される。
ガイドレール326は、固定状態に所定の間隔で配置された第1固定ガイドレール352-1、第2固定ガイドレール352-2、第3固定ガイドレール352-3、第4固定ガイドレール352-4、第5固定ガイドレール352-5及び第6固定ガイドレール352-6と各固定ガイドレールの間に配置された第1可動ガイドレール354-1、第2可動ガイドレール354-2、第3可動ガイドレール354-3、第4可動ガイドレール354-4及び第5可動ガイドレール354-5により構成されている。
第1可動ガイドレール354-1、第2可動ガイドレール354-2、第3可動ガイドレール354-3、第4可動ガイドレール354-4及び第5可動ガイドレール354-6は、後述の第2選別部362も構成する。
次に選別装置207を説明する。
選別装置207は、搬送装置209によって移動される硬貨102を所定の金種毎に選別する機能を有している。
選別装置207は、移動通路340の上側であって、かつ、移動通路340に沿って配置された第1選別部360、及び、移動通路340の下側であって、かつ、ガイドレール326に沿って配置された第2選別部362を有している。
第1選別部360は、搬送装置209の進行方向の上流から下流に向かって順に2セント選別孔364、5セント選別孔366、10セント選別孔368、20セント選別孔370及びオーバーフロー選別孔372が配置されている。
第2選別部362は、搬送装置209の進行方向の上流から下流に向かって順にリジェクト選別孔374、1セント選別孔376、2ユーロ選別孔378、50セント選別孔380及び1ユーロ選別孔382が配置されている。
2セント選別孔364は、所定の間隔で配置された第1固定ガイドプレート346-1と第2固定ガイドプレート346-2の間に画定され、5セント選別孔366は第2固定ガイドプレート346-2と第3固定ガイドプレート346-3との間に画定され、10セント選別孔368は第3固定ガイドプレート346-3と第4固定ガイドプレート346-4との間に画定され、20セント選別孔370は第4固定ガイドプレート346-4と第5固定ガイドプレート346-5との間に画定される。
各選別孔364、366、368、370及び372は矩形を呈し、そのガイドレール326からの高さ及び移動通路340に沿った長さは最大径の2ユーロ硬貨の直径よりも僅かに大きく形成されるが、長さは最大径硬貨の1.5倍程度が良い。
詳述すると、各選別孔364、366、368、370及び372において硬貨102はその下面から選別孔に自重で落下するため、最大直径の長さが必要なためである。
リジェクト選別孔374は所定間隔で配置された第1固定ガイドレール352-1と第2固定ガイドレール352-2との間に画定され、1セント選別孔376は所定間隔で配置された第2固定ガイドレール352-2と第3固定ガイドレール352-3との間に画定され、2ユーロ選別孔378は第3固定ガイドレール352-3と第4固定ガイドレール352-4との間に画定され、50セント選別孔380は第4固定ガイドレール352-4と第5固定ガイドレール352-5との間に画定され、1ユーロ選別孔382は第5固定ガイドレール352-5と第6固定ガイドレール352-6との間に画定される。
前記各固定ガイドプレート346-2、346-3、346-4及び346-5、並びに、各固定ガイドレール352-1、352-2、352-3、352-4、352-5及び352-6の所定の間隔は、所定の速度で移動する硬貨を確実に落下させるため、硬貨の搬送速度とも関係するが、使用される硬貨の最大直径の約1.5倍以上であることが好ましい。
もちろん、各選別孔364、366、368、370、372、374、376、378及び380に対応する硬貨102に固定する場合、各対応する硬貨直径の1.5倍以上に設定することができる。
各選別孔364、366、368、370、372、374、376、378及び380には、所定金種の硬貨を選択的に選別するため、電気的に制御されるゲートが配置されている。
前述した第1可動ガイドプレート348-1が2セント用ゲート386であり、第2可動ガイドプレート348-2が5セント用ゲート388であり、第3可動ガイドプレート348-3が10セント用ゲート体390であり、そして第4可動ガイドプレート348-4が20セント用ゲート392である。
換言すれば、第1選別部360の2セント選別孔364に第1可動ガイドプレート348-1が配置され、5セント選別孔366に第2可動ガイドプレート348-2が配置され、10セント選別孔368に第3可動ガイドプレート348-3が配置され、20セント選別孔370に第4可動ガイドプレート348-4が配置されている。
第1可動ガイドプレート348-1、第2可動ガイドプレート348-2、第3可動ガイドプレート348-3及び第4可動ガイドプレート348-4が案内位置GPに位置している場合、それらはガイドレール326から所定の距離、具体的には最小径の1セント硬貨の直径よりも小さく、かつ、最大径硬貨である2ユーロ硬貨の重心よりも離れた位置に配置される。
したがって、各可動ガイドプレート348-1、348-2、348-3及び348-4が案内位置GPに位置する場合、押動ピン338によって押され、かつ、ガイドレール326にガイドされつつ移動する硬貨102は、下面の下端部を第1スライドガイド342によって、さらに、下面の上部をそれら可動ガイドプレートに348-1、348-2、348-3及び348-4よって支えられるため、第1選別部360の選別孔364、366、368及び370に落下しない。
これら可動ガイドプレート348-1、384-2、348-3及び348-4は、円柱形であることが好ましい。
なぜなら、可動ガイドプレート348-1、384-2、348-3及び348-4と硬貨の下面との接触が線接触になり、また、可動ガイドプレート348-1、384-2、348-3及び348-4が移動した場合であっても硬貨102の下面との接触が線接触を保つことができ、硬貨のスライド抵抗を最小にできるからである。
第2選別部362のリジェクト選別孔374に第1可動ガイドレール354-1が配置され、1セント選別孔376に第2可動ガイドレール354-2が配置され、2ユーロ選別孔378には第3可動ガイドレール354-3が配置され、50セント選別孔380には第4可動ガイドレール354-4が配置され、1ユーロ選別孔382には第5可動ガイドレール354-5が配置されている。
第1可動ガイドレール354-1、第2可動ガイドレール354-2、第3可動ガイドレール354-3、第4可動ガイドレール354-4及び第5可動ガイドレール354-5が案内位置GP2に位置する場合、それらの上面である案内面383は第1固定ガイドレール352-1、第2固定ガイドレール352-2、第3固定ガイドレール352-3、第4固定ガイドレール352-4、第5固定ガイドレール352-5及び第6固定ガイドレール352-6と実質的に一直線をなす。
また、2セント選別孔364は金種判別装置206から第1所定距離において、移動経路340における中心線L1(図6)に対し直交をなす線LR1に沿って、移動経路340の上側に配置され、リジェクト選別孔374が移動経路340の下側に配置されている。
金種判別装置206から第1所定距離よりも遠い第2所定距離において、中心線L1に対し直交をなす線LR2に沿って、5セント選別孔366が移動経路340の上側に配置され、1セント選別孔376が下側に配置されている。
金種判別装置206から第2所定距離よりも遠い第3所定距離において、中心線L1に対し直交をなす線LR3に沿って、10セント選別孔368が移動経路340の上側に配置され、2ユーロ選別孔378が下側に配置されている。
金種判別装置206から第3所定距離よりも遠い第4所定距離において、中心線L1に対し直交をなす線LR4に沿って、20セント選別孔370が移動経路340の上側に配置され、50セント選別孔382が下側に配置されている。
金種判別装置206から第4距離よりも遠い第5所定距離において、中心線L1に対し直交をなす線LR5に沿って2ユーロ選別孔382が移動経路340の下側に配置されている。
金種判別装置206から第5所定距離よりも遠い第6所定距離において、移動経路340の上側にオーバーフロー選別孔372が配置されている。
前記第1所定距離から第4所定距離は、押動レバ284の間隔と関連づけられて、具体的には押動ピン338の間隔と同一に設定されている。
次に、第1選別部360の2セント選別孔364、5セント選別孔366、10セント選別孔368及び20セント選別孔370のゲートである可動ガイドプレート348-1、384-2、348-3及び348-4を説明する。
可動ガイドプレート348-1、348-2、348-3及び348-4は、選択的に硬貨を案内する案内位置GP又は案内しない不案内位置NPに移動されることができる。
また、可動ガイドプレート348-1、348-2、348-3及び348-4は同一構造であるので、可動ガイドプレート348-1及び348-2を代表して説明する。
可動ガイドプレート348-1は、両端から直角方向に伸びるバー392、394、及びバー392、394の下端から側方に突出する軸396、398を含み、全体として門形のゲート体390の上端に位置し、前述のように丸棒形である。
軸396、398は、固定軸受400、402によってピボット運動可能に支持されている。
可動ガイドプレート348-1は、アクチュエータ404によってリンケージ406を介して案内位置GPと不案内位置NPとに移動される。
しかし、可動ガイドプレート348-1はアクチュエータ404によってダイレクトに移動されることができる。
アクチュエータ404は、本実施例ではソレノイド408と鉄心410からなる電磁式アクチュエータである。
電磁式アクチュエータ404は、配線を考慮すれば配置の自由度が高く、かつ、小型で出力が大きいので好ましい。
次にリンケージ406を説明する。
リンケージ406は、軸398から周方向に延びるクランク414の一端部に軸398と平行に固定されたクランクピン416と、鉄芯410の先端に固定され、かつ、その先端部の溝418に前記クランクピン416を受け入れるレバ420及び鉄芯410を突出するよう駆り立てるスプリング422とを含んでいる。
この構成によれば、ソレノイド408が励磁されていない場合、鉄芯410がスプリング422によって突出するよう駆り立てられているので、クランクピン416はレバ420によって図13において軸396、398を中心に時計方向にピボット運動される。
ゲート体390のバー392は、選別孔364の側壁に突出する第1ストッパ424(図12参照)によって進行を阻止されて静止し、案内位置GPに保持される。
図11に示すように可動ガイドプレート348-1が案内位置GPに位置する場合、ガイドレール326に案内される最小径の1セント硬貨1Cは、その下面の上端部が可動ガイドプレート348-1によって案内され、かつ、押動ピン338は硬貨の中心よりも僅かに上側を押す。
したがって、小径かつ軽量の硬貨が使用される場合、当該硬貨は上向き円弧を押動ピン338によって押されるので、当該硬貨は下向きの力、換言すればガイドレール326に押し付けられる分力を受けるので、硬貨102がガイドレール326からジャンプすること無く搬送される。
大径の硬貨は、押動ピン338によって円弧の下方から押し上げられるように移動するが、大径であるため重く、跳ね上がることなくガイドレール326に沿って移動される。
可動ガイドプレート348-1が不案内位置NPに位置する場合、2セント選別孔364において、2セント硬貨は可動ガイドプレート348-1によってその上端部下面が案内されない。
したがって、2セント硬貨は上端部から下方に落下し、後述する案内通路423によって後述の2セント用硬貨保留払出装置100-2Cへ案内される。
次に、第1可動ガイドレール354-1、第2可動ガイドレール354-2、第3可動ガイドレール354-3、第4可動ガイドレール354-4及び第5可動ガイドレール354-5を説明する。
これら可動ガイドレールは、同一構造であるので、第1可動ガイドレール354-1及び第2可動ガイドレール354-2を代表して説明する。
第1可動ガイドレール354-1は、両端から直交方向に伸びるバー430、432、及びバー430、432の下端から側方に突出する軸436、438を含み、全体として門形の第2ゲート体440の上端に位置し、前述のように細幅の平板形である。
第2可動ガイドレール354-1の断面は、図11に示すように、軸438の軸心を中心とする円弧に形成されている。
第1スライドガイド342の上面に対し僅かに鋭角を成すよう配置することにより、案内される硬貨にスライドプレート324に対し押し付ける分力を与え、硬貨102が可動ガイドレール354-1から落下しないようにするためである。
また、第1可動ガイドレール354-1から下方に向かう落下案内面439が形成されている。
第1可動ガイドレール354-1によって案内されずに落下する硬貨102を案内し、確実に出金装置210若しくは保留部100-Xに導くためである。
軸436、438は、固定軸受442、444によってピボット運動可能に支持されている。
第2ゲート体440はガイドレール326に対し直角をなす直線LR1に沿って配置されている。
可動ガイドレール354-1は、アクチュエータ446によってリンケージ448を介して案内位置GP2と不案内位置NP2とに移動される。
しかし、可動ガイドレール354-1はアクチュエータ446によってダイレクトに移動されることができる。
アクチュエータ446は、本実施例ではソレノイド450と鉄心452からなる電磁式アクチュエータ454である。
電磁式アクチュエータ454は、配線を考慮すれば配置の自由度が高く、かつ、小型で出力が大きいので好ましい。
次にリンケージ448を説明する。
リンケージ448は、アクチュエータ446の動きを可動ガイドレール354-1に伝達する機能を有する。
リンケージ448は、軸438から周方向に延びるクランク456の一端部に軸438と平行に固定されたクランクピン458と、鉄芯452の先端部の溝460に受動部を挿入し、かつ、前記クランクピン458を受け入れる溝を有するレバ462及び鉄芯452を突出するよう駆り立てるスプリング465とを含んでいる。
この構成によれば、ソレノイド454が励磁されていない場合、鉄芯452がスプリング465によって突出するよう駆り立てられているので、クランクピン458はクランク456によって図13において軸436、438を中心に時計方向に回動される。
第2ゲート体440は、第2固定ガイドレール352-2の側面に形成された第2ストッパ460(図2参照)によって進行を阻止されて静止し、第2案内位置GP2に保持される。
この場合、可動ガイドレール354-1は、第1固定ガイドレール352-1と第2固定ガイドレール352-2とほぼ一直線状をなすよう整列する。
また、可動ガイドレール354-1が傾斜しているため第2固定ガイドレール352-2との間に段差を生じる。
このため、硬貨102が第2固定ガイドレール352-2から第2可動ガイドレール354-2へ移動する際にスムーズに移動できるよう、第2可動ガイドレール354-2の上流側端面に上流側から下流側に向かって上向きの案内斜面362を形成してある。
また、下流側の第3固定ガイドレール352-3にも上流側から下流側に向かって上向きの固定案内斜面363が形成されている。
可動ガイドレール352-1が第2案内位置GP2に位置する場合、スライドプレート324に下面が接しつつ移動する硬貨の下側周面は第1固定ガイドレール352-1に続いて第1可動ガイドレール354-1に案内される。
硬貨102は、可動ガイドレール352-1において、その上面の案内面383が傾斜しているため第1スライドガイド342及び第1可動スライドガイド348-1に更に押し付けられるように分力を受ける。
したがって、硬貨102は固定ガイドレール352-1及び第1可動ガイドレール354-1によって下側周面を案内されつつ押動ピン338によって移動される。
所定金種の硬貨102は、押動ピン338によって押されて移動する過程において、可動ガイドレール354-1、354-2、354-3、354-4又は354-5が不案内位置NP2に移動した場合、当該可動ガイドレール354-1、354-2、354-3、354-4又は354-5によって案内されないため、硬貨102は下端から下方へ自重でズリ落ちる。
落下した硬貨102は、案内通路470に案内されて後述の所定の硬貨保留払出装置110または、出金装置210を経て出金トレイ212に返却される。
本発明のように、搬送装置209の一側方に第1選別部360を配置し、他側方に第2選別部362を配置した場合、搬送装置209の金種判別装置206から同様の距離において搬送装置209の一側と他側、具体的には上側と下側に硬貨102を振り分けできるので、硬貨102の搬送距離を短くでき、硬貨入出金装置200を小型化できる利点がある。
各硬貨選別孔364、366、368、370、374、376、378、380及び382に相対するゲート体390、440は、金銭判別装置206によって検知されたデータによって判別された真偽及び金種情報に基づいて、第1タイミングセンサ276及び第2タイミングセンサ317からのタイミング信号によって選択的に案内位置GP及びGP2若しくは不案内位置NP及びNP2に移動される。
次に硬貨保留部208を説明する。
硬貨保留部208は、硬貨選別装置207によって金種毎に選別された硬貨を保留する機能を有する。
硬貨保留部208は、前述した硬貨保留払出装置100が金種毎に配置されている。
具体的には、2セント硬貨選別孔364の下方に2セント硬貨保留払出装置100-2C、5セント硬貨選別孔366の下方に5セント硬貨保留払出装置100-5C、10セント硬貨選別孔368の下方に10セント硬貨保留払出装置100-10C、20セント硬貨選別孔370の下方に20セント硬貨保留払出装置100-20C、1セント硬貨選別孔374の下方に1セント硬貨保留払出装置100-1C、2ユーロ硬貨選別孔378の下方に2ユーロ硬貨保留払出装置100-2E、50セント硬貨選別孔380の下方に50セント硬貨保留払出装置100-50C、1ユーロ硬貨選別孔382の下方に1ユーロ硬貨保留払出装置100-1E、オーバーフロー選別孔372の下方にはボックス形のオーバーフロー保留装置100-OFが配置され、リジェクト硬貨選別孔374は、ガイド通路387を介して出金装置210上に連通される。
2セント硬貨保留払出装置100-2C、5セント硬貨保留払出装置100-2C、10セント硬貨保留払出装置100-10C、20セント硬貨保留払出装置100-20C及びオーバーフロー保留装置100-OFが出金装置210の一側に出金トレイ212側から順に一列に配置されている。
1セント硬貨保留払出装置100-1C、2ユーロ硬貨保留払出装置100-2E、50セント硬貨保留払出装置100-50C及び1ユーロ硬貨保留払出装置100-1Eが出金装置210の他側に出金トレイ212側から順に一列に配置されている。
各選別孔364、366、368、370、374、376、378、380及び382と各硬貨保留払出装置100-5C、100-10C、100-20C、100-20C、100-1C、100-2E、100-50C及び100-1Eの間には、案内保留装置490が配置されている。
案内保留装置490は選別孔364、366、368、370、374、376、378、380及び382によって選別された所定金種の硬貨を所定の硬貨保留払出装置100の保留孔126に案内すると共に、所定の保留部128が補給位置に無い場合、一時的に受け入れた硬貨を保留する機能を有する。
各案内保留装置490は、同様構成であるので、2セント硬貨のための案内保留装置を代表して説明する。
しかし、回転体106の保留孔126a〜126dの大きさは、保留硬貨の直径に適合するよう適宜設定される。
案内保留装置490は対応する選別孔364に連通し、かつ、円柱状の傾斜する案内通路423、傾斜案内通路423の下端に連通し、かつ、補給位置における保留孔126a〜126dの上端に連通する姿勢制御通路494及び姿勢制御通路494の下端部に配置され、かつ、姿勢制御通路494を開閉するシャッタ装置496を含んでいる。
まず傾斜案内通路423を説明する。
傾斜案内通路423は、選別孔364に落下した2セント硬貨を姿勢制御通路494に案内する機能を有し、2セント硬貨に対し僅かに大きい直径を有する円筒形であって、かつ、硬貨102が滑落し得る角度で傾斜している。
したがって、同様の機能を有すれば、円筒形でなくともよい。
次に姿勢制御通路494を説明する。
姿勢制御通路494は、傾斜案内通路423から落下した硬貨102が後述のシャッタ498上に保持された場合、硬貨102をほぼ水平に、かつ、積み重ねて保持する機能を有し、2セント硬貨の直径よりも僅かに大きい直径を有する垂立する所定の長さを有する円柱形である。
よって、同様の機能を有するよう案内通路423と姿勢制御通路494は、一体的に形成することができる。
次にシャッタ装置496を説明する。
シャッタ装置496は姿勢制御通路494を開放及び閉止する機能を有し、姿勢制御通路494の下端に続いて配置され、姿勢制御通路494の下端を実質的に閉じる閉止位置と、開放位置に移動する板状のシャッタ498と駆動手段としてのアクチュエータ500とを含んでいる。
アクチュエータ500は、例えば電磁ソレノイドである。
実施例において、シャッタ498は、姿勢制御通路494の直下に配置したが、同様の機能を有する場合、姿勢制御通路494の下端部に配置することができる。
案内保留装置490において、シャッタ装置496が姿勢制御通路494の下端を閉止している場合、落下する2セント硬貨102は傾斜案内通路423から姿勢制御通路494に案内され、シャッタ498上に落下した後、最も安定した状態であるシャッタ498の上面に面接触した状態で静止する。
続いて落下する2セント硬貨も同様に積み重なり、保留される。
シャッタ498が開放位置に移動した場合、シャッタ498上の硬貨は、水平に積み上がった状態を維持して補給位置における保留孔126a〜126d内に落下し、保留される。
次に、リジェクト選別孔374を説明する。
リジェクト選別孔374は、偽貨を出金トレイ212に返却する機能を有する。
すなわち、金種判別装置206において偽貨と判別された場合、第1可動ガイドレール354-1が不案内位置NPに移動されるため、搬送装置209によって搬送される硬貨は、リジェクト選別孔374に落下し、ガイド通路387に案内されて出金装置210上に落下する。
次に、オーバーフロー選別孔372を説明する。
オーバーフロー選別孔372は、2セント選別孔364、リジェクト選別孔374、5セント選別孔366、1セント選別孔376、10セント選別孔368、2ユーロ選別孔378、20セント選別孔370、50セント選別孔380及び1ユーロ選別孔382に選別されなかった硬貨102を全て受け入れる機能を有する。
オーバーフロー選別孔372に落下した硬貨は、案内通路502に案内されてオーバーフロー保留装置100-OFに落下し、保留される。
次に、出金装置210を説明する。
出金装置210は、各硬貨保留払出装置100-5C、100-10C、100-20C、100-20C、100-1C、100-2E、100-50C及び100-1Eから払い出された硬貨102を出金トレイ212に搬送する機能を有する。
出金装置210は、例えばモータ510によって循環される平ベルト512であって各硬貨保留払出装置の列の間に配置され、各装置から払い出された硬貨102を出金トレイ212に向けて搬送する機能を有する。
次に第1通過センサ520、第2通過センサ522、第3通過センサ524、第4通過センサ526、第5通過センサ528及び第6通過センサ530を説明する。
通過センサ520、522、524、526、528及び530は、搬送装置209によって移送経路を移動される硬貨102を検出する機能を有する。
ガイドレール326に案内される硬貨が移動する通路532に相対する通路カバ534には、2セント選別孔364及びリジェクト選別孔374の直前の通路532及び押動ピン338の移動通路310に面して第1通過センサ520が配置されている。
5セント選別孔366の直前には、5セント選別孔366及び1セント選別孔376のための第2通過センサ522が第1通過センサ520と同様に配置されている。
10セント選別孔368の直前には、10セント選別孔368及び2ユーロ選別孔378のための第3通過センサ524が第1通過センサ520と同様に配置されている。
20セント選別孔370の直前には、20セント選別孔370及び50セント選別孔380のための第4通過センサ526が第1通過センサ520と同様に配置されている。
1ユーロ選別孔382の直前には、1ユーロ選別孔382のための第5通過センサ528が第1通過センサ520と同様に配置されている。
オーバーフロー選別孔372の直前には、オーバーフロー到達センサ530が第1通過センサ520と同様に配置されている。
オーバーフロー選別孔372は、硬貨保留部208がオーバーフローになった所定金種の硬貨を収納するため、使用が想定される最大硬貨が落下可能な大きさに形成され、ゲートは配置されない。
次に通過センサ520、522、524、526、528及び530の構造を主に図14を参照して説明する。
通過センサ520、522、524、526、528及び530は、通路532及び移動通路310を移動する物を検知する機能を有する。
通過センサ520、522、524、526、528及び530は同一構成であるので、第1通過センサ520を代表して説明する。
通路532の上側に配置されるセンサベース542に固定された投光素子544、受光素子546および受光面548が各固定スライドプレート346と面一に配置され、かつ、投光面550が固定スライドプレート346から僅かに下方に配置された光ガイド560を有している。
光ガイド560は、例えば、透明樹脂製のプリズムである。
したがって、投光素子544から投光された光は、硬貨の通路532を横断して受光面548に入光した後、光ガイド560によって案内されて投光面550から投光されて硬貨の通路532を再び横断し、受光素子546に入光する。
したがって、通過センサ520は光透過形センサであることが好ましい。
投受光面のメンテナンスや、塵埃等による検知不良が少ないためである。
通過センサ520、522、524、526、528及び530からの硬貨検知信号は、主制御装置158に入力され、硬貨が所定の選別孔に選別されたことの判別に使用される。
次に主制御装置158における硬貨が所定の選別孔に落下したことの判別方法について説明する。
金種判別装置206によって金種を判別された正貨が、第1選別部360の選別孔に落下したことを、選別孔の上流にに配置した通過センサと下流に配置した通過センサとにより間接的に判別する。
例えば、2セント硬貨が2セント選別孔364に落下したことは、第1通過センサ520が硬貨の通過を検知し、第2通過センサ522が第1通過センサ520の検知から所定時間の間に硬貨の通過を検知しなかった場合、落下したものと判別する。
他の通過センサについても同様に判別される。
次に通過センサ582、584、586、588及び590の構造を説明するが、それらの構造は同一であるので、図15に示す通過センサ582を参照して説明する。
通過センサ582は、案内通路470の上側に配置されるセンサベース592に固定された投光素子594、受光素子596および各スライド板440と面一に配置された受光面598及び投光面600を有する光ガイド602を有している。
光ガイド602は、例えば、透明樹脂製のプリズムである。
したがって、投光素子594から投光された光は、案内通路470を横断して受光面598に入光した後、光ガイド602によって案内されて投光面600から投光されて案内通路470を再び横断し、受光素子596に入光する。
したがって、各通過センサ582、584、586、588及び590は光透過形センサであることが好ましい。
投受光面のメンテナンスや、塵埃等による検知不良が少ないためである。
各通過センサ582、584、586、588及び590からの硬貨検知信号は、主制御装置158に入力され、硬貨が所定の選別孔に選別されたことの判別に使用される。
例えば、偽硬貨がリジェクト選別孔374に落下したことは、通過センサ582の投光素子594から受光面598への投射光、又は、投光面600から受光素子596への投射光の一方又は両方が硬貨によって遮られることにより検知する。
図17に示すように、各硬貨払出装置の基準位置検出器165、保留部検知器163、出金検出器152は、硬貨入出金装置200の主制御装置158の入力ポートに接続され、モータ111、硬貨選別ソレノイド408、450、アクチュエータ500等は、主制御装置158の出力ポートに接続され、制御される。
次に本発明の作用を説明する。
まず、入金処理を説明する。
複数金種の硬貨を投入口220に投入した場合、投入硬貨は入金平ベルト222上に落下する。
これにより、入金検知装置228の光軸が投入硬貨により遮られるため、入金検知信号を出力し、モータ226が入金検知信号によって回転される。
したがって、入金平ベルト222の上面が分離送出装置204側へ移動するので、硬貨は入金平ベルト222の端部から落下して分離送出装置204の保留ボウル232内に落下する。
硬貨102が重なって搬送される場合、崩しローラ224が逆転しているのでローラ224の下面が入金平ベルト222の上面と逆方向に移動するので、積み上がっている硬貨102は、崩しローラ224によって進行を阻止され、落下させられる。
落下させられた硬貨は、入金平ベルト222の進行によって再度分離送出装置204に向かって前述同様に搬送される。
入金検知装置128が硬貨を検知しなくなった場合、モータ226は停止され、入金平ベルト222の駆動が停止される。
さらに、入金検知装置228の入金検知信号によりモータ250が回転され、減速機252を介してギヤ254が所定の速度で回転を開始する。
したがって、ギヤ254と噛み合う被動ギヤ258が回転され、円板240が図7において反時計方向へ回転される。
また、被動ギヤ258の回転よってこれと噛み合う押動レバーギヤ316が時計方向に同期して回転する。
すなわち、回転体272が円板240に伝達比1対1にて連動して図7において時計方向に回転する。
さらに、ギヤ316によって被動ギヤ339が回転されるので、軸337を介して第1スプロケット328が図9において反時計方向に回転される。
これにより、チェーン332が反時計方向に循環される。
したがって、保留ボウル232内に落下した硬貨102は、プレート246及び押出体248によって攪拌されて様々に姿勢を変えられる。
その姿勢変化の過程において、一枚の硬貨のみが各受入部238に受け入れられる。
すなわち、硬貨の一面が回転円板240に面接触した状態で受入部238に位置し、プレート246の一部側面により押されて回転円板240の回転と共に移動する。
受入部238が最上位置を通過した直後に押出体248が反時計方向にピボット運動し、回転円板240の周方向へ移動する。
これにより、押出体248によって受入部238に位置する硬貨は回転円板240の周方向へ押し出される。
押し出された硬貨102は、受取体234によってガイドされた直後に、回転円板240に連動して回転する回転体272の押動レバ284によって押されるようになる。
保留ボウル232に落下した硬貨が所定量以上の場合、フルセンサ236からフル信号が出力される。
このフル信号によって、モータ226は入金検知装置228が投入硬貨を検知していても停止され、分離送出装置204への硬貨の過投入を防止する。
回転板130の回転によって保留ボウル232内の硬貨が送り出され、フルセンサ236からフル信号が出力されなくなり、かつ、入金検知装置228が入金信号を出力している場合、モータ226は再起動され、入金平ベルト222上の硬貨を分離送出装置204へ供給する。
押動レバ284によって押される硬貨102は、スライドベース270にその一面が接触しつつ移動経路290を移動する。
このとき硬貨は押出部206が基準ガイド274に対する角度が鋭角であるため周方向へ押し出される力を受けること、及び、硬貨自身の遠心力により、硬貨周面が基準ガイド274の直線ガイド部288に押し付けられつつ移動する。
この移動過程において、まず、硬貨の上下面は上下の厚みセンサ264に相対する。
同時に、1セント等の小径硬貨は相対しないが、50セントや2ユーロ硬貨等の中及び大径硬貨は上下の第2直径センサ294に硬貨の上部が相対する。
押動される硬貨は、次に上下の材質センサ262に上下の全面が相対し、僅かに遅れて上下の第1直径センサ292及び上下の第3直径センサ296の全面又は一面と相対する。
したがって、厚みセンサ264のコイルの出力は、硬貨の厚みの影響を受けて変化し、第2直径センサ294、第1直径センサ292及び第3直径センサ296の各コイルは、硬貨102との相対面積に影響を受けて出力が変化し、材質センサ262は硬貨の材質の影響を受けて出力が変化する。
よって、これらセンサ262、264、292、294及び296の出力を基準値と比較することにより、各硬貨の真偽及び金種を判別することができる。
特に、硬貨は基準ガイド274の直線ガイド部288に常にガイドされるので、硬貨と各センサとの相対位置は毎回同一になる。
換言すれば、同一金種の硬貨のサンプリングデータは同一になるため、精度の高い判別をすることができる。
また、スライドベース270、回転体272及び上カバ208は何れも非磁性材料により作られているため、各センサのコイルによって発生する磁束はこれらの影響を受けないので、硬貨の金属特性によってのみコイルの出力が影響を受ける。
したがって、これによってもサンプリングデータの品質が高いので、精度の高い判別をすることができる。
図7に示すように、硬貨102の最大径部が第1直径センサ292及び第3直径センサ296に相対した直後に金種判別装置206の判別回路(図示せず)が第1金種信号DIS-1を出力する。
硬貨102が連続して判別された場合、第2金種信号DIS-2が出力され、以降同様に金種信号DIS-3、DIS-4、DIS-5・・・が出力される。
第1金種信号DIS-1が出力された直後に一つの押動レバ284によって第1タイミングセンサ276の光軸が遮断されるため、タイミングセンサ276は「H」のタイミング信号T1-1を出力する。
このタイミング信号T1-1に関連づけられて第1金種信号DIS-1が主制御装置158において記憶される。
同様に第2金種信号DIS-2等が主制御装置158において記憶される。
材質センサ262と相対した後、硬貨102は押動レバ284によって搬送装置209の押動ピン338の移動通路340に押し出される。
硬貨102は、移動通路340に押し出された直後にチェーン332によって移動される押動ピン338によって押動されるようになる。
これにより、硬貨102は周面がガイドレール326にガイドされつつスライドプレート324に一面を面接触しつつ通路340を移送される。
硬貨が通路340を移送される途中において、第1タイミングセンサ276のタイミング信号T1-1、T1-2・・・に関連づけられて記憶された金種及び第2タイミングセンサ317のタイミング信号T2-1・・・T2-8に基づいて、前述のように各選別孔364、366、368、370、374、376、378、380及び382に対応するゲート体348-1、348-2、348-3、348-4、354-1、354-2、354-3、354-4及び354-5が作動され、所定金種の硬貨102が所定の選別孔364、366、368、370、374、376、378、380及び382に落下される。
具体的には図18に示すように、偽貨FCが判別された場合、判別信号DISが出力された後の第1タイミング信号T1-1の立ち上がりに関連づけて記憶され、その後に出力される第2タイミング信号T2の所定数目の立ち上がり信号、本例では最初の第2タイミング信号T2-1に基づいて、ソレノイド450−REを励磁し、第1ガイドレール354-1を不案内位置NP2に移動させる(図13参照)。
第2タイミング信号T2が所定数出力された場合、本例では7個目の第2タイミング信号T2-7の立ち下がり信号に基づいてソレノイド450-REが消磁され、第1ガイドレール354-1が案内位置GP2に移動される。
第1ガイドレール354-1が不案内位置NP2に移動された直後、押動ピン338によって押されて移動する偽、偽硬貨FCが、第1可動ガイドレール354-1に達する。
これにより、ガイドレール326に沿って移動される偽貨FCは第1可動ガイドレール354-1によって案内されないのでずり落ちるようにリジェクト選別孔374に落下し、案内通路370に案内されて平ベルト512上に落下し、入金検知装置228の入金信号によって起動されて搬送運動している平ベルト512によって出金トレイ212に戻される。
判別された金種が2セント硬貨102-2Cの場合、選別孔364のゲート体386が第1タイミングセンサ276から出力される信号T1-1の立ち上がり信号後最初の第2タイミングセンサ317から出力される信号T2-1の立ち上がり信号に基づいて、第1可動ガイドプレート348-1が不案内位置NPに移動される。(図13、16参照)
よって、ガイドレール326に案内されつつ移動される2セント硬貨102-2Cは倒れるように選別孔364に落下した後、傾斜案内通路423により案内されて2セント用保留払出装置100-2Cに保留される。
他の金種の場合、前述同様に第1タイミングセンサ276及び第2タイミングセンサ317からの信号T1及びT2に基づいて各ゲート体388、390、392、374、376、378、380及び382が不案内位置NP及び案内位置GPに移動される。
次に保留払出装置100の作用を図19及び図20のフローチャートをも参照して説明する。
各硬貨保留払出装置100の作用は同様であるので、図2に示す2セント用硬貨保留払出装置100-2Cを例に説明する。
硬貨保留払出装置100-2Cの回転体106は、通常、基準位置において静止される。
すなわち、主制御装置158において、2セント出金検出器152-2Cからの検知信号CUをカウントすることにより所定数の2セント硬貨102-2Cが払い出されたことを判別した場合、払出終了信号FSが出力される。
図19に示す待機処理フローチャートに示すように、ステップS11において払出終了信号FSが判別された場合、ステップS12に進む。
ステップS12において、主制御装置158は保留払出装置100-2Cの逆転装置164に逆転信号CSを出力し、ステップS13に進む。
逆転信号CSを受けた逆転装置164は、モータ111を逆転させる。
モータ111の逆転により、回転体106が緩速度で逆転される(図2において時計方向)。
回転体106の逆転によって通孔118に保持されている2セント硬貨102-2Cが連れ回りされる。
この逆転により硬貨102-2Cによって規制ピン147が押された場合、規制ピン147がベース108内に押し下げられるため、硬貨102-2Cは払い出されることなく回転体106によって連れ回りされる。
回転体106の外周に突出している基準アーム167も一体に逆転し、基準位置検知器165の検知器169によって検知され、検知器169は基準位置信号SPを出力する。
同様に保留部検知器163の検知アーム166aが検知器168に検知され、基準保留部信号STを出力する。
ステップS13において基準位置信号SPが判別された場合、ステップS14に進み、制動装置162に停止信号SSを出力して処理を終了する。
制動装置162は停止信号SSによって制動作用を開始するので回転体106は直ぐさま回転を停止し、静止状態になる。
この静止状態において、回転体106の保留孔126は姿勢制御通路494の下端開口の真下に位置する。
したがって、保留孔126aと姿勢制御通路494は垂直方向に一本の円柱状に連なる。
通常、シャッタ装置496のアクチュエータとしてのソレノイド500は消磁され、シャッタ498はスプリング(図示せず)により姿勢制御通路494の下端開口を閉止する位置に保持され、保留信号が出力された場合、所定時間の間、ソレノイド500が励磁されるたシャッタ498が姿勢制御通路494の開放位置に移動される。
次に出金処理を図20のフローチャートを参照して説明する。
まずステップS21において、払出信号NSがあるか判別し、払出信号NSがない場合、ステップS21をループする。
払出指令DSが存在する場合、ステップS22に進み、正転装置160に正転信号NSを出力する。
これにより、モータ111に正転方向の回転磁界が発生され、回転体106が正転される。
回転体106の正転により、通孔118に落下して裏面の押出部123により押動され、ベース108の上面をスライドしている硬貨102-2Cは、規制ピン147によって周方向へ案内される。
これにより硬貨102-2Cは、固定ローラ140と可動ローラ144によって挟まれ、直径部がそれらの間を通過した直後、スプリング(図示せず)の弾発力によってはじき出される。
出金検出器152は、はじき出された硬貨102-2Cを検知し、検知信号CUを出力する。
出金検出器152からの検知信号CUはカウントされ、ステップS23において払出指示数と比較される。
カウント数が払出指示数に満たない場合、ステップS23をループし、払出指示数になった場合、ステップS24に進む。
ステップS24において、逆転装置164に逆転信号CSを出力する。
逆転装置164は、モータ111に前記正転方向と逆方向に回転する回転磁界を発生させる。
これにより、モータ111に制動力が作用して急停止した後、直ぐさま逆転する。
したがって、回転体106が急停止して硬貨102-2Cの過払出が防止された後、直ぐさま逆転される。
この逆転はステップS25において所定時間経過するまで継続され、次いでステップS26において制動装置162に停止信号SSが出力される。
制動装置162は、モータ111への給電を停止するので、回転体106は僅かに逆転した後、自然停止する。
回転体106の僅かの逆転により、保留部128内の硬貨102-2Cは、前述のように払出開口から払い出されることがない。
次に入金処理を図21に示すフローチャートを参照し、説明する。
まずステップS31において入金検知装置228が投入口220に投入された硬貨を検知した場合、ステップS32に進み、検知しない場合ステップS31をループする。
ステップS32において払出指令DSを判別した場合、ステップS33に進む。
払出信号NSが出力されている場合、保留払出装置100-2C、100-5C、100-10C、100-20C、100-1C、100-2E、100-50C及び100-1Eの内の少なくとも一つの回転体106が回転され、姿勢制御通路494から保留部128に硬貨102を落下させることが出来ないので、シャッタ498上に姿勢制御通路494において積み上げて一時的に保留しておくためである。
ステップS33において、硬貨入金装置202のモータ226、分離送り出し装置204、搬送装置209等の駆動用のモータ250及び出金装置210のモータ510を作動させた後、ステップS34に進む。
これらモータの起動により、前述のように投入された硬貨は、その真偽及び金種が金種判別装置206によって判別された後、選別部207へ搬送される。
偽貨は、前述のようにリジェクト選別孔374において選別されてガイド通路387及び出金装置210を介して出金トレイ212に戻さる。
正貨は、前述のように金種毎に所定のゲートが開かれ、傾斜案内通路423を通って姿勢制御通路494に達し、シャッタ498上に落下した後、シャッタ498上に水平に静止し、保留される。
ステップS34において、入金検知装置228の入金信号が有るか判別し、入金信号がある場合入金処理を継続し、入金信号がない場合ステップS35に進む。
ステップS35において、前記待機処理S11からS14を行って回転体106を基準位置に復帰させた後、ステップS36に進む。
ステップS36において、保留孔126a、126b、126c及び126dにおける保留硬貨が満杯であるか判別し、保留孔126aが満杯でない場合ステップS37に進む。
すなわち、回転体106は基準位置検知器169によって基準アーム167が検知されている待機位置から払出のための回転が開始される。
したがって、保留孔126a、126b、126c及び126dへの入金数と出金検出器152によって検知された各保留孔126a、126b、126c及び126dからの出金数とから演算することにより、間接的に各保留孔126a、126b、126c及び126dにおける保留硬貨量を演算できる。
ステップS37において、換言すれば保留孔126aに空きがある場合、ソレノイド500が所定時間励磁される。
ソレノイド500の励磁によって、シャッタ498が開口位置に移動するため、シャッタ498上に水平に載置されていた硬貨102-2Cは落下し、保留孔126a内に保留される。
保留孔126aが満杯の場合、ステップS38において逆転装置164に逆転信号CSを出力し、モータ111を逆転させてステップS39に進む。
ステップS39において他の保留孔126b、126c及び126dの内、前記演算により求められている最も近い空きのある保留孔に相対する検知アーム166b、166c、166dの検知器168による検知信号を判別した場合、ステップS40に進む。
ステップS40において、制動装置162に制動信号SSを出力し、ステップS37に進む。
制動信号SSにより回転体106は制動され、空きのある保留部が補給位置に位置した状態で停止する。
例えば、保留孔126dが空きがある場合、回転開始後検知器168からの最初の信号検知を入力した場合、制動装置162に制動信号SSを出力し、保留孔126dを姿勢制御通路494の下方に移動させる。
ステップS37において、前述のようにシャッタ装置496のソレノイド500を励磁し、シャッタ498上に載置されていた硬貨102-2Cを保留孔126dに落下させ、保留する。
したがって、シャッタ498上に水平に保留された硬貨102-2Cは自然落下し、保留孔126d内に水平に積み重なって保留される。
ステップS32において払出指令DSを判別しない場合、ステップS41へ進み、ソレノイド500を励磁し、ステップS36へ進む。
ステップS36において、前述のように保留孔126aが満杯の場合、ステップS38からS40により空き保留孔126を補給位置へ移動させた後、前述のように空き保留部に補給する。
図22は、本発明の実施例2の硬貨の保留払出装置の回転体の斜視図である。
図23は、本発明の実施例2の硬貨の保留払出装置の分解斜視図である。
実施例2は、実施例1の硬貨保留払出装置100の回転体106を分割し、弾性体によって連結した例である。
すなわち、保留されている硬貨102によって回転体106には起動時に静的慣性力が作用し、モータ111は大きな起動トルクを必要とし、停止時には動的慣性力が一気に作用し、制動装置162は大きな制動力を必要とするため、それら慣性力に僅かな位相差を発生させることにより、モータ111の起動トルク及び制動装置162の制動容量を抑制し、もって、装置の耐久性及びコストダウンを図るものである。
実施例2の回転体600は、上下方向に三分割された最下回転体602L、中間回転体602M及び最上回転体602Uによって円柱状に形成され、実施例1と同様に円柱形の保留孔604a、604b、604c及び604dが上下方向に形成されている。
最下回転体602Uの上面に、最下回転体602Uの回転軸心に対し点対称に弧状凹部606a及び606bが形成され、コイルスプリング608a及び608bの下半分が嵌め込まれている。
中間回転体602Mの下面には、凹部606a及び606bに相対して凹部(図示せず)が形成され、コイルスプリング608a及び608bの上半分が嵌め込まれている。
最下回転体602Lの側面に形成された凹部610a、610b(図示せず)に連通し、かつ、最下回転体602Lの上面に回転軸心を中心とする円弧長孔612a及び612bが形成されている。
中間回転体602Mの側面に形成された凹部614a、614b(図示せず)に連通し、かつ、中間回転体602Mの下面に回転軸心を中心とする円弧長孔616a及び616b(図示せず)が形成されている。
最下回転体602Lと中間回転体602Mは、円弧長孔612aと616aにピン618a及び円弧長孔612bと616bにピン618bが貫通され、これらピン618a及び618bの大径頭部と下端部に嵌め込んだ保持リング(図示せず)によって、上下方向に密接した状態で相対的に小角度で回転可能に組み付けられている。
同様に中間回転体602Mの上面に凹部620a、620bが形成され、コイルスプリング622a、622bの下半分が嵌め込まれている。
最上回転体602Uの下面には凹部620a、620bに相対して凹部(図示せず)が形成され、コイルスプリング622a、622bの上半分が嵌め込まれている。
さらに、中間回転体602Mの側面に形成された凹部624a、624b(図示せず)に連通し、かつ、最上回転体602Uの下面に回転軸心を中心とする円弧長孔626a及び626b(図示せず)が形成されている。
最上回転体602Uと中間回転体602Mは、円弧長孔626a及び627a(図示せず)にピン628a及び円弧長孔626a及び627b(図示せず)にピン628b(図示せず)が貫通され、これらピン628a及び628bの大径頭部と下端部に嵌め込んだ保持リング(図示せず)によって、上下方向に密接した状態で相対的に回転可能に組み付けられている。
したがって、最下回転体602L、中間回転体602M及び最上回転体602Uは、上下方向に密接した状態で同一軸心を中心に相対的に回転可能に組み付けられている。
最下回転体602Lの外周面には、実施例1と同様に基準アーム630及び検知アーム632a、632b、632c及び632dが固定されている。
次に実施例2の作用を説明する。
この構造において、硬貨の払出のため回転体600が正転された場合、回転ディスク110から最下回転体602Lに伝達され、最下回転体602Lから中間回転体602Mにスプリング608a、608bを介して弾性的に伝達され、中間回転体602Mから最上回転体602Uにスプリング622a、622bを介して弾性的に伝達される。
したがって、中間回転体602Mに作用する保留孔604a、604b、604c及び604d内の硬貨102の静的慣性力は、スプリング608a、608bが弾性によって撓む僅かな時間遅れをもって最下回転体602Lに加わる。
同様に、最上回転体602Uから中間回転体602Mに作用する保留孔604a、604b、604c及び604d内の硬貨102の静的慣性力は、スプリング622a、622bが弾性に撓む僅かな時間遅れをもって中間回転体602M、したがって最終的に最下回転体602Lに時間遅れをもって加わる。
例えば、各回転体602L、602M、602Uに満杯に硬貨102が保留されている場合、硬貨重量の三分の一に基づく静止慣性力が僅かな時間遅れをもって最下回転体602Lに加わる。
よって、静的慣性力が一気にモータ111に加わらないので、モータ111の起動トルクはその分小さくともよいので、より低出力のモータ111を使用することができる。
したがって、低コストのモータ111を使用できる利点がある。
また回転体600の停止時は、前記と逆に動的慣性力が僅かな時間差を以て最下回転体602L、中間回転体602M及び最上回転体602Uの順に制動装置162に加わる。
よって、動的慣性力が一気に制動装置162に加わらないので、小さい制動容量の制動装置162を使用することができるから、低コストの制動装置162を使用できる利点がある。
本発明において、硬貨入金装置、分離送出装置、搬送装置、硬貨選別装置及び出金装置は実施例に限定されることなく他の方式と組み合わせることができる。
また、実施例2において回転体は上下方向に三分割されているが、二分割若しくは四分割以上にすることが出来る。
図1は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金装置の概略図斜視図である。 図2は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の概略説明図である。 図3は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の概略斜視図である。 図4は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の分解斜視図である。 図5は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の断面図である。 図6は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金装置の概略正面図である。 図7は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金装置の硬貨判別装置部の拡大正面図である。 図8は、図7におけるA―A線断面図である。 図9は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の分離送出装置、金種判別装置及び金種判別装置の駆動系統図である。 図10は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の選別部の一部拡大正面図である。 図11は、図10におけるB−B線断面図である。 図12は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の選別部の一部拡大斜視図である。 図13は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の一部の部品を削除した選別部の一部拡大斜視図である。 図14は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の第1選別部の硬貨センサの拡大断面図である。 図15は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の硬貨センサの拡大断面図である。 図16は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金機の金種別振り分け装置の一部の部品を削除した作動説明図である。 図17は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置を採用した硬貨入出金装置の制御ブロック図である。 図18は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置のタイミングチャートである。 図19は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の待機処理フローチャートである。 図20は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の硬貨払出処理フローチャートである。 図21は、本発明の実施例1の硬貨の保留払出装置の硬貨入金処理フローチャートである。 図22は、本発明の実施例2の硬貨の保留払出装置の回転体の斜視図である。 図23は、本発明の実施例2の硬貨の保留払出装置の分解斜視図である。
符号の説明
CS 逆転指示信号
NS 正転指示信号
102 硬貨
106 回転体
110 駆動装置
118 通孔
128 保留部
158 主制御装置
162 制動装置
163 保留部位置検知装置
165 基準位置検知装置
220 硬貨投入口
494 姿勢制御通路
498 シャッタ

Claims (6)

  1. 回転軸線からオフセットした位置において硬貨(102)を積み上げて保留する保留部(128)を有する回転体(106)と、
    前記回転体を硬貨が払い出される正転方向と硬貨を払い出さない逆転方向に回転する駆動装置(110)と、
    前記保留部を補給位置に停止する制動装置(162)と、
    前記保留部を前記補給位置に移動させる場合、前記逆転方向に回転させる逆転指示信号(CS)を出力し、硬貨を払い出す場合、前記正転方向に回転させる正転指示信号(NS)を出力する制御装置(570)と、
    を有することを特徴とする硬貨の保留払出装置。
  2. 前記保留部が複数であることを特徴とする請求項1の硬貨の保留払出装置。
  3. さらに、前記回転体の基準位置を検知する基準位置検知装置(165)及び前記保留部の保留部位置検知装置(163)を含み、前記保留部の一つを前記補給位置に移動させる場合、基準位置検知装置によって回転体の基準位置を検知した後、前記保留部位置検知装置によって所定の保留部の位置が補給位置に位置するよう前記制動装置を作動させる制御装置(158)を含むことを特徴とする請求項2の硬貨の保留払出装置。
  4. 前記回転体が上下方向において複数に分割され、かつ、少なくとも一の分割回転体は回転軸線回りに個別に回動可能であり、当該回動可能な分割回転体は隣接する分割回転体に弾性体を介して連結されていることを特徴とする請求項1の硬貨の保留払出装置。
  5. 硬貨投入口(220)に投入された硬貨(102)を通孔(118)を有する回転体(106)を正転方向に回転させて前記通孔に落下した硬貨(102)を前記回転体の回転により一つずつ区分けして払い出し、予め定められた数の硬貨を払出した後制動装置(162)によって前記回転体を停止するようにした硬貨入出金機において、
    回転軸線からオフセットした位置において硬貨を積み上げて保留する保留部を有する回転体と、
    前記回転体を硬貨が払い出される正転方向と、硬貨が払い出されない逆転方向に回転する制御装置と、
    前記保留部の回転経路に相対した補給位置における前記回転体の上方に配置された硬貨供給口(494)と、
    前記保留部を前記補給位置に移動させる場合、前記逆転方向に回転させる逆転指示信号を出力し、硬貨を払い出す場合、前記正転方向に回転させる正転指示信号を出力する制御装置と、
    逆転指示信号を受けた時、前記保留部が前記補給位置に位置した状態で停止する制動装置と、
    を有することを特徴とする硬貨入出金機。
  6. 前記硬貨供給口を開口及び閉口するシャッタ(498)を配置し、前記回転体が回転中の場合、前記シャッタが前記供給口を閉口することを特徴とする請求項5の硬貨入出金機。
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