JP5990785B2 - 複数金種硬貨保留装置及び複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置 - Google Patents

複数金種硬貨保留装置及び複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置 Download PDF

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Description

本発明は、異なる金種の硬貨を金種毎に保留し、所定の金額が保留された場合、保留した硬貨を開放できる複数金種硬貨の保留装置に関する。
詳しくは、直径の異なる金種の硬貨を所定数保留し、所定数保留した場合、自動的に開放するようにした機械式の複数金種硬貨の保留装置に関する。
さらには、大径硬貨(第2金種硬貨)と小径硬貨(第1金種硬貨)の真偽を機械的に選別した後、大径硬貨と小径硬貨とに分けて所定数保留し、保留硬貨が所定金額に達した場合、大径硬貨と小径硬貨とを自動的に開放する機械式の複数金種硬貨保留装置を備えた硬貨選別装置に関する。
さらにまた、直径及び重量が近似する大径硬貨及び小径硬貨の両方とも正貨と偽貨とに選別した後、大径硬貨と小径硬貨とに分けて所定数保留し、保留硬貨が所定金額に達した場合、自動的に開放する機械式の複数金種硬貨保留装置を備えた硬貨選別装置に関する。
更に詳しくは、直径及び重量が近似する日本円の10円硬貨及び100円硬貨の両方とも正貨と偽貨とに選別した後、10円硬貨と100円硬貨とに分けて所定数保留し、保留硬貨が所定金額に達した場合、自動的に開放する機械式の複数金種硬貨保留装置を備えた硬貨選別装置に関する。
なお、本明細書で使用する「硬貨」は、通貨であるコインの他、ゲーム機のメダルやトークン等の代用貨幣または類似のものを包含し、形状は円盤型及び英国20ペンス及び50ペンスのような多角形であるが実質円形状の硬貨を含む。
複数の金種の硬貨を機械的に選別する第1の従来技術として本出願人が提案した、垂直硬貨通路仕切板によって仕切られた小径硬貨及び大径硬貨選別通路を具え、小径硬貨選別用クレードルがその係合片を小径硬貨選別通路側板上に小径硬貨選別用クレードルがその係合片を小径硬貨選別通路内に突出させて枢支軸により取り付け、大径硬貨選別通路側板上に大径硬貨選別用クレードルが当該係合片を大径硬貨選別通路内に突出させて枢支軸により取付けられた硬貨選別装置において、
小径硬貨選別用クレードルが大径硬貨選別用クレードルよりも上方位置で大径硬貨選別用クレードルに向けて傾動可能に枢支され、小径硬貨選別用クレードルを正常作動位置に掛止する保持手段と規定大径硬貨より大径の硬貨が小径硬貨選別用クレードルの両係合片上に乗る際に保持手段の掛止を外す手段を具える硬貨選別装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この第1の従来技術においては、正貨として選別された硬貨は保留されることなく金庫に収納される。
正貨として受け入れた硬貨を保留して利用者に返却可能にするには、例えば、第2の従来技術として知られる、本出願人の出願に係る電気的アクチュエータを用いた硬貨の保留振分装置を追加設置して、当該正貨を保留し、利用者から返却要求があった場合返却し、商品が購入された場合は金庫に受け入れるようにすることが出来る。
第3の従来技術として、本出願人が提案した、上端開口と、この上端開口に連なるほぼ垂直の選別通路と、この選別通路の両側に設けられた正貨直径に実質的に対応する外径を有する環状のインダクタンス型近接スイツチ送信および受信コイルと、選別通路の下方に設けられた硬貨振分けゲートと、この振分ゲートによって振り分けられた正貨を受け入れる正貨保留通路および偽貨を通す返却通路と、正貨保留通路の出口端に常時突出される第1保留爪と、この第1保留爪との間に1枚の硬貨を保留し得る間隔で第1保留爪から離間した位置で正貨保留通路内に常時突出される第2保留爪と、少なくとも正貨保留通路出口端部の底板を下方返却口に対して開放可能に支持する返却操作部材と、正貨による近接スイツチの「オン」信号により正貨を正貨保留通路に案内する位置に振り分けゲートを電磁的に保持するよう接続して設けられたゲート制御用電磁石装置と、前記「オン」信号により第2保留爪を正貨保留通路外に所定時間電磁的に後退させるよう接続して設けられた第2保留爪作動用電磁石装置と、正貨受け入れ信号によりオンされて第1保留爪を正貨保留通路外に所定時間電磁的に後退させるよう接続して設けられた第1保留爪作動用電磁石装置を具え、第1保留爪作動用電磁石装置のオン―オフ後に第2保留爪作動用電磁石装置がオン―オフされるように接続してなることを特徴とする複数硬貨保留型硬貨選別装置を金種別に設けることが考えられる(例えば、特許文献3参照)。
さらに第4の従来技術として知られる、電気的に投入硬貨の正偽および正貨の金種を判別する硬貨判別手段と、判別された正貨を金種別に格別の硬貨通路へ振分ける複数の金種振分手段と、該格別の硬貨通路の下流に配設され、該格別の硬貨通路に案内された硬貨を該格別の硬貨通路内で電気的アクチュエータを用いて一時保留する硬貨保留手段とを具えた硬貨選別装置を用いることができる(例えば、特許文献4参照)。
実公平3―13819(図1〜図3、2頁〜3頁) 特公平6−75278(図1〜図3、2頁〜3頁) 実開昭62−129669(図1〜図2、2頁〜4頁) 特許第3954783号(図1〜図2、1頁〜3頁)
第1の従来技術と第2の従来技術を組み合わせる場合、硬貨選別装置と個別に保留振分装置を設けることから、装置が大型化する問題があり、また、保留振分装置は電気的アクチュエータによって作動されるため、電源が必要である問題がある。換言すれば、有線供給又は蓄電池による電源がなければ使用できない。
第2の従来技術においても、電磁石等を用いるため電源が必要である問題がある。
第3の従来技術においても、電気的アクチュエータを用いるため、電源が必要である問題がある。
本発明の第1の目的は、複数金種の硬貨を保留した後、開放できる機械式、換言すれば電源が無くとも複数金種の硬貨を保留し、所定金額になった場合開放できる硬貨保留装置を提供することを目的とする。
本発明の第2の目的は、複数金種の硬貨を保留した後、それぞれ所定個数になった場合開放できる小型の機械的な硬貨保留装置を提供することを目的とする。
本発明の第3の目的は、大径硬貨と小径硬貨との二金種を正貨と偽貨に選別できると共に、正貨を保留し、かつ、大径硬貨と小径硬貨とがそれぞれ所定数になった場合に開放できる機械式の硬貨選別装置を提供することである。
本発明の第4の目的は、10円硬貨と100円硬貨との二金種を正貨と偽貨に選別できると共に、正貨を保留し、かつ、10円硬貨と100円硬貨とがそれぞれ所定数になった場合に開放できる小型、及び安価な機械式の硬貨選別装置を提供することである。
この目的を達成するため、第1の発明は以下のように構成されている。
金種が異なる第1金種硬貨及び第2金種硬貨のそれぞれを保留し、保留された前記第1金種硬貨及び前記第2金種硬貨のそれぞれが所定の枚数に達した場合に前記第1金種硬貨及び第2金種硬貨を開放する複数金種硬貨保留装置であって、
垂立する案内板の第1側に設けられ、前記第1金種硬貨が案内される第1通路と、
前記案内板の前記第1側と反対の第2側に設けられ、前記第2金種硬貨が案内される第2通路と、
前記第1通路に配置され、重り又はバネ力によって付与されたモーメントによって前記第1金種硬貨が保留されていない第1待機位置、前記第1金種硬貨の重量によって前記第1金種硬貨が保留される第1保留位置及び保留された前記第1金種硬貨の保留状態を解除する第1解除位置に変位可能な第1硬貨保留装置と、
前記第2通路に配置され、重り又はバネ力によって付与されたモーメントによって前記第2金種硬貨が保留されていない第2待機位置、前記第2金種硬貨の重量によって前記第2金種硬貨が保留される第2保留位置及び保留された前記第2金種硬貨の保留状態を解除する第2解除位置に変位可能な第2硬貨保留装置と、
前記第1硬貨保留装置が前記第1待機位置に位置する場合に前記第2硬貨保留装置の前記第2保留位置から前記第2解除位置への変位を規制し、前記第2硬貨保留装置が前記第2待機位置に位置する場合に前記第1硬貨保留装置の前記第1保留位置から前記第1解除位置への変位を規制すると共に、前記第1硬貨保留装置の前記第1待機位置から前記第1保留位置への変位及び前記第2硬貨保留装置の前記第2待機位置から前記第2保留位置への変位に基づいて前記第1硬貨保留装置の前記第1保留位置から前記第1解除位置への変位及び前記第2硬貨保留装置の前記第2保留位置から前記第2解除位置への変位を可能にする第1連携装置と、を有し、
前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置、及び、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置に変位された場合、前記第1硬貨保留装置が前記第1解除位置及び前記第2硬貨保留装置が前記第2解除位置へ変位させられる
ことを特徴とする複数金種硬貨保留装置である。
第1の発明の第1の好ましい実施態様は、
さらに、
前記第2通路に配置され、重り又はバネ力によって付与されたモーメントによって前記第2金種硬貨が保留されていない第3待機位置、前記第2金種硬貨の重量によって前記第2金種硬貨が保留される第3保留位置及び保留された前記第2金種硬貨の保留状態を解除する第3解除位置、並びに、前記第3解除位置から前記第3待機位置へ変位可能な第3硬貨保留装置と、
前記第2硬貨保留装置が前記第2待機位置にある場合、前記第3硬貨保留装置の前記第3待機位置から前記第3保留位置への変位を規制すると共に、前記第2硬貨保留装置の前記第2待機位置から前記第2保留位置への変位に基づいて、前記第3硬貨保留装置の前記第3待機位置から前記第3保留位置への変位を可能にする第2連携装置と、を有し、
前記第1連携装置は、前記第3硬貨保留装置が前記第3待機位置に位置する場合に、前記第1硬貨保留装置の前記第1保留位置から前記第1解除位置への変位及び前記第2硬貨保留装置の前記第2保留位置から前記第2解除位置への変位を規制し、
前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置、及び、前記第3保留装置が前記第3保留位置に位置する場合、前記第1保留装置が前記第1解除位置へ、前記第2保留装置が前記第2解除位置へ、及び、前記第3保留装置が前記第3解除位置へ変位可能にし
ことを特徴とする請求項1に記載の複数金種硬貨保留装置である。
第2の発明は、
少なくとも異なる金種の第1金種硬貨及び第2金種硬貨を保留し、所定金額になった場合、当該保留された硬貨を開放するようにした複数金種硬貨保留装置において、
垂立する案内板の第1側に設けられた第1金種硬貨のための第1通路と、
前記案内板の第2側に設けられた第2金種硬貨のための第2通路と、
前記第1通路に配置され、前記第1金種硬貨を保留しない第1待機位置と前記第1金種硬貨を保留する第1保留位置及び保留した前記第1金種硬貨を解除する第1解除位置をとり得る第1硬貨保留装置、
前記第2通路に配置され、前記第2金種硬貨を保留しない第2待機位置と前記第2金種硬貨を保留する第2保留位置及び保留した前記第2金種硬貨を解除する第3解除位置をとり得る第2硬貨保留装置、
前記第2通路に配置され、前記第2金種硬貨を保留しない第2待機位置と前記第2金種硬貨を保留する第2保留位置及び保留した前記第2金種硬貨を解除する第3解除位置をとり得る第3硬貨保留装置、
前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置に位置する場合、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置、及び、前記第3硬貨保留装置が前記第3保留位置をとることは可能であるが、前記第2解除位置又は前記第3解除位置への移動を不能とし、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置に位置する場合、前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置、及び、前記第3硬貨保留装置が前記第3硬貨保留位置をとることは可能であるが、前記第1解除位置又は前記第3解除位置への移動を不能とし、並びに、前記第3硬貨保留装置が前記第3保留位置かつ、前記第1硬貨保留装置及び前記第2硬貨保留装置が第3保留位置に位置する場合、前記第1硬貨保留装置が前記第1硬貨保留位置並びに前記第2硬貨保留装置が前記第2硬貨保留装置をとることは可能であるが前記第1解除位置又は前記第2解除位置への移動を不能とするとと共に、前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置並びに前記第3硬貨保留装置が前記第3保留位置になった場合、前記第1解除位置、前記第2解除位置又は前記第3解除位置へ移動可能とする第1連携装置、
前記第2硬貨保留装置を第2待機位置に保持すると共に、前記第3硬貨保留装置が前記第3保留位置に移動した場合、前記第2硬貨保留装置の保持を解除し、前記第2保留位置へ移動可能とする第2連携装置、
前記第1硬貨留装置、前記第2硬貨保留装置及び第3硬貨保留位置がそれぞれ前記第1保留位置、前記第2保留位置及び前記第3保留位置をとった場合、前記第1連携装置を解除し、前記第1硬貨保留装置、前記第2硬貨保留装置、及び第3硬貨保留装置を前記第1解除位置、第2解除位置及び第3解除位置に位置可能とする第1解除装置、及び、
前記第2硬貨保留装置並びに前記第3硬貨保留装置を一体的に連結する一体化装置、
を有することを特徴とする複数金種硬貨保留装置である。
第3の発明は、
異なる金種の硬貨を保留し、所定金額になった場合、当該保留された硬貨を開放するようにした複数金種硬貨保留装置において、
垂立する案内板の第1側に設けられた第1金種硬貨のための第1通路と、
前記案内板の第2側に設けられた第2金種硬貨のための第2通路と、
前記案内板に対し第1側及び第2側において配置された保留第1軸と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記第1金種硬貨を保持する第1係止部が形成され、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成された第1待機規制部と第1保留規制部及び第1待機規制部と第1保留規制部との間の第1連携阻止部を形成された第1保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が第2金種硬貨を保持する第2保持部が形成され、他端部に解除カムを形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部と重なる位相をとる第2待機規制部及び前記第1保留規制部と重なる位相をとる第2保留規制部並びに前記第2待機規制部と前記第2保留規制部との間の第2連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第2保留体と、
中間を保留第1軸に回動自在に支持された揺動体の一端部に設けられた保留第1ストッパ及び他端部に設けられた保留第2ストッパを含み、前記保留第1ストッパが前記第1待機規制部と前記第2待機規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に接し、及び、前記保留第1ストッパが前記第1保留規制部と前記第2保留規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に相対しない
ことを特徴とする複数金種硬貨保留装置である。
第4の発明は、
異なる金種の硬貨を保留し、所定金額になった場合、当該保留された硬貨を開放するようにした複数金種硬貨保留装置において、
垂立する案内板の第1側に設けられた第1金種硬貨のための第1通路と、
前記案内板の第2側に設けられた第2金種硬貨のための第2通路と、
前記案内板に対し第1側及び第2側において同一軸線上に配置された保留第1軸と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記第1金種硬貨を保持する第1係止部が形成され、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成された第1待機規制部と第1保留規制部及び第1待機規制部と第1保留規制部との間の第1連携阻止部を形成された第1保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が第2金種硬貨を保持する第2保持部が形成され、他端部に解除カムを形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部と重なる位相をとる第2待機規制部及び前記第1保留規制部と重なる位相をとる第2保留規制部並びに前記第2待機規制部と前記第2保留規制部との間の第2連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第2保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記第2金種硬貨を保持する第3保留部が形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部及び第2待機規制部と重なる位相をとる第3待機規制部及び前記第1保留規制部並びに第2保留規制部と重なる位相をとる第3保留規制部並びに前記第3待機規制部と前記第3保留規制部との間の第3連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第3保留体と、
中間を保留第2軸に回動自在に支持された揺動体の一端部に設けられた保留第1ストッパ及び他端部に設けられた保留第2ストッパを含み、前記保留第1ストッパが前記第1待機規制部、前記第2待機規制部並びに第3待機規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部並びに第3連携阻止部に接し、及び、前記保留第1ストッパが前記第1保留規制部と前記第2保留規制部並びに第3連携阻止部に係止され際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部、前記第3連携阻止部に相対せず、
前記第3保留体の一部に形成された第6係止部、
前記第6係止部に対し係合離脱可能であって、前記第2保留体の回動によって前記解除カムによって前記係合が解除される第係止体と、
を含むことを特徴とする複数金種硬貨保留装置である。
第5の発明は、
硬貨の金種を判別し、第1金種硬貨を第1通路に、第2金種硬貨を第2通路に導いた後、保留するようにした複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置において、
垂立する案内板の第1側に設けられた前記第1金種硬貨のための前記第1通路と、
前記案内板の第2側に設けられた前記第2金種硬貨のための前記第2通路と、
前記案内板に対し前記第1側及び前記第2側において同一軸線上に配置された保留第1軸と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記第2金種硬貨を保持する第1係止部が形成され、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成された第1待機規制部と第1保留規制部及び前記第1待機規制部と前記第1保留規制部との間の第1連携阻止部が形成された第1保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記第2金種硬貨を保持する第2待機規制部が形成され、他端部に解除カム部が形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、前記第1係止部と重なる位相をとることができる第2係止部及び前記第1待機規制部と重なる位相をとることができる第2待機規制部、前記第1保留規制部と重なる位相をとることができる第2保留規制部並びに前記第2待機規制部と前記第2保留規制部との間の第2連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第2保留体と、
中間を保留第2軸に回動自在に支持された揺動体の一端部に設けられた保留第1ストッパ及び他端部に設けられた保留第2ストッパを含み、前記保留第1ストッパが前記第1待機規制部と前記第2待機規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に相対し、及び、前記保留第1ストッパが前記第1保留規制部と前記第2保留規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部と非相対位置になる
ことを特徴とする複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置である。
第6の発明は、
硬貨の厚みより僅かに大きい間隔で垂直に対向配置した平板状のベースボードとガイドボードとより画定され、硬貨口に続いて上下方向に延びる硬貨通路と、前記硬貨口の下方において前記硬貨通路に臨んで所定の選別すべき大径硬貨よりも僅かに小さい間隔で配置された第1係止体と第2係止体とを含み、選別する大径硬貨を保持した際、所定の横方向に回動する大径硬貨用クレードル、前記大径硬貨用クレードルよりも下流の前記硬貨通路に臨んで所定の選択すべき小径硬貨よりも僅かに小さい間隔で配置され第3係止体と第4係止体とを含み、選別する小径硬貨を保持した際、前記大径硬貨用クレードルと同じ横方向に回動される小径硬貨用クレードル、前記大径硬貨用クレードルの横方向下流側側方に、前下がりに配置された大径硬貨ガイドレール、前記小径硬貨用クレードルの前記横方向の下流側側方に、前下がりに配置された小径硬貨ガイドレール、
前記大径硬貨ガイドレールの下流に配置され、前記大径硬貨を前記ベースボートの第2側に案内する大径硬貨の落下口、
前記ベースボードの第1側に設けられた前記小径硬貨のための第1通路と、
前記落下口の下流に配置され、垂立するベースボードの第2側に設けられた前記大径硬貨のための第2通路と、
前記第1通路に配置され、前記小径硬貨を保留しない第1待機位置と前記小径硬貨を保留する第1保留位置及び保留した前記小径硬貨を解除する第1解除位置をとり得る第1硬貨保留装置、
前記第2通路に配置され、前記大径硬貨を保留しない第2待機位置と前記大径硬貨を保留する第2保留位置及び保留した前記大径硬貨を解除する第2解除位置をとり得る第2硬貨保留装置、
前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置に位置する場合、前記第2硬貨保留装置を前記第2保留位置をとることは可能であるが、前記第2解除位置への移動を不能とし、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置に位置する場合、前記第1硬貨保留装置を前記第1保留位置をとることは可能であるが、前記第1解除位置への移動を不能とし、かつ、前記第1硬貨保留装置及び前記第2硬貨保留装置が共に前記第1保留位置、前記第2保留位置になった場合、前記第1解除位置又は前記第2解除位置へ移動可能とする第1連携装置、
を備えることを特徴とする複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置である。
第7の発明は、
硬貨の厚みより僅かに大きい間隔で垂直に対向配置した平板状のベースボードとガイドボードとより画定され、硬貨口に続いて上下方向に延びる硬貨通路と、
前記硬貨口の下方において前記硬貨通路に臨んで所定の選別すべき大径硬貨よりも僅かに小さい間隔で配置された第1係止体と第2係止体とを含み、選別する大径硬貨を保持した際、所定の横方向に回動する大径硬貨用クレードル、
前記大径硬貨用クレードルよりも下流の前記硬貨通路に臨んで所定の選択すべき小径硬貨よりも僅かに小さい間隔で配置され第3係止体と第4係止体とを含み、選別する小径硬貨を保持した際、前記大径硬貨用クレードルと同じ横方向に回動される小径硬貨用クレードル、
前記大径硬貨用クレードルの前記横方向の回動方向下流側側方に、前下がりに配置された大径硬貨ガイドレール、
前記小径硬貨用クレードルの前記横方向の下流側側方に、前下がりに配置された小径硬貨ガイドレール、
前記大径硬貨ガイドレールの側方の前記ベースボードに開口した透孔、
前記透孔に続いて前記ベースボードの第2側に形成した大径硬貨通路、及び、
前記小径硬貨ガイドレールの下流に配置した小径硬貨通路、
前記ベースボードに対し第1側及び第2側において配置された保留第1軸と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記小径硬貨を保持する第1係止部が形成され、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成された第1待機規制部と第1保留規制部及び第1待機規制部と第1保留規制部との間の第1連携阻止部を形成された第1保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記大径硬貨を保持する第2保持部が形成され、他端部に解除カムを形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部と重なる位相をとる第2待機規制部及び前記第1保留規制部と重なる位相をとる第2保留規制部並びに前記第2待機規制部と前記第2保留規制部との間の第2連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第2保留体と、
中間を保留第1軸に回動自在に支持された揺動体の一端部に設けられた保留第1ストッパ及び他端部に設けられた保留第2ストッパを含み、前記保留第1ストッパが前記第1待機規制部と前記第2待機規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に接し、及び、前記保留第1ストッパが前記第1保留規制部と前記第2保留規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に相対しない
ことを特徴とする複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置である。
第8の発明は、
硬貨の厚みより僅かに大きい間隔で垂直に対向配置した平板状のベースボードとガイドボードとより画定され、硬貨口に続いて上下方向に延びる硬貨通路と、
前記硬貨口の下方において前記硬貨通路に臨んで所定の選別すべき大径硬貨よりも僅かに小さい間隔で配置された第1係止体と第2係止体とを含み、選別する大径硬貨を保持した際、所定の横方向に回動する大径硬貨用クレードル、
前記大径硬貨用クレードルよりも下流の前記硬貨通路に臨んで所定の選択すべき小径硬貨よりも僅かに小さい間隔で配置され第3係止体と第4係止体とを含み、選別する小径硬貨を保持した際、前記大径硬貨用クレードルと同じ横方向に回動される小径硬貨用クレードル、
前記大径硬貨用クレードルの前記横方向の回動方向下流側側方に、前下がりに配置された大径硬貨ガイドレール、
前記小径硬貨用クレードルの前記横方向の下流側側方に、前下がりに配置された小径硬貨ガイドレール、
前記大径硬貨ガイドレールの側方の前記ベースボードに開口した透孔、
前記透孔に続いて前記ベースボードの裏面側に形成した大径硬貨通路、及び、
前記大径硬貨通路の下端部に形成された大径硬貨口、
前記小径硬貨ガイドレールの下流に配置したアンビル、
前記アンビルに並列に配置された振分体、
前記振分体よりも前記アンビルに近い位置に形成した小径硬貨偽貨口、前記振分体よりも前記アンビルに対し遠い位置に形成した小径硬貨正貨口を含み、
前記小径硬貨正貨口に続いてベースボードの第1側に設けられた前記小径硬貨のための第1通路と、
前記大径硬貨口に続いて前記ベースボードの第2側に設けられた前記大径硬貨のための第2通路と、
前記ベースボードに対し前記第1側及び前記第2側において配置された第1軸と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記小径硬貨を保持する第1係止部が形成され、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成された第1待機規制部と第1保留規制部及び第1待機規制部と第1保留規制部との間の第1連携阻止部を形成された第1保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記大径硬貨を保持する第2保持部が形成され、他端部に解除カムを形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部と重なる位相をとる第2待機規制部及び前記第1保留規制部と重なる位相をとる第2保留規制部並びに前記第2待機規制部と前記第2保留規制部との間の第2連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第2保留体と、
中間を保留第1軸に回動自在に支持された揺動体の一端部に設けられた保留第1ストッパ及び他端部に設けられた保留第2ストッパを含み、前記保留第1ストッパが前記第1待機規制部と前記第2待機規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に接し、及び、前記保留第1ストッパが前記第1保留規制部と前記第2保留規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に相対しない
ことを特徴とする複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置である。
第9の発明は、
硬貨の厚みより僅かに大きい間隔で垂直に対向配置した平板状のベースボードとガイドボードとより画定され、硬貨口に続いて上下方向に延びる硬貨通路と、
前記硬貨口の下方において前記硬貨通路に臨んで配置された第1係止体と第2係止体を含み、前記第1係止体は前記ベースボードに対し固定状態に取付けられ、前記第2係止体は選別すべき大径硬貨よりも僅かに小さい間隔で前記第1係止体から離れて配置され、前記第1係止体を中心として前記ガイドボードに対し横方向に回動可能に取り付けられ、
待機状態においては前記第1係止体に対し水平方向側方に位置するよう所定の回動力を付与されると共に、ストッパによって係止されて静止され、更に選別する大径硬貨を前記第1係止体と協働して保持した際、下方向に回動する大径硬貨用クレードル、
前記大径硬貨用クレードルよりも下流の前記硬貨通路に臨んで所定の選択すべき小径硬貨よりも僅かに小さい間隔で配置された第3係止体と第4係止体とが形成され、前記ベースボードに対し前記横方向と同じ方向へ回動可能に取り付けられると共に、ストッパによって前記第3係止体及び第4係止体が大凡横方向にならんで並置される待機位置に保持され、選別すべき小径硬貨を前記第3係止体及び前記第4係止体によって保持した際、前記大径硬貨用クレードルと同じ横方向に回動される小径硬貨用クレードル、
前記大径硬貨用クレードルの前記回動方向下流側側方に、前下がりに配置された大径硬貨ガイドレール、
前記小径硬貨用クレードルの前記回動方向下流側側方に、前下がりに配置された小径硬貨ガイドレール、
前記大径硬貨ガイドレールの側方の前記ベースボードに開口した透孔、
前記透孔に続いて前記ベースボードの裏面側に形成した大径硬貨通路、
前記大径硬貨通路の下端部に形成された大径硬貨口、
前記小径硬貨ガイドレールの下流に配置したアンビル、
前記アンビルに並列に配置された振分体、
前記振分体よりも前記アンビルに近い位置に形成した小径硬貨偽貨口、及び、前記振分体よりも前記アンビルに遠い位置に形成した小径硬貨正貨口を含み、
前記大径硬貨口に続いて前記ベースボードの第2側に設けられた前記大径硬貨のための第2通路と、
前記小径硬貨正貨口に続いてベースボードの第1側に設けられた前記小径硬貨のための第1通路と、
前記ベースボードに対し第1側及び第2側において配置された保留第1軸と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記小径硬貨を保持する第1係止部が形成され、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成された第1待機規制部と第1保留規制部及び第1待機規制部と第1保留規制部との間の第1連携阻止部を形成された第1保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記大径硬貨を保持する第2保持部が形成され、他端部に解除カムを形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部と重なる位相をとる第2待機規制部及び前記第1保留規制部と重なる位相をとる第2保留規制部並びに前記第2待機規制部と前記第2保留規制部との間の第2連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第2保留体と、
中間を保留第1軸に回動自在に支持された揺動体の一端部に設けられた保留第1ストッパ及び他端部に設けられた保留第2ストッパを含み、前記保留第1ストッパが前記第1待機規制部と前記第2待機規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に接し、及び、前記保留第1ストッパが前記第1保留規制部と前記第2保留規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部に相対しない
を含むことを特徴とする複数金種硬貨保留装置を有する複数金種選別装置である。
第1の発明によれば、第1金種硬貨と第2金種硬貨は、案内板の第1側に形成された第1通路、第2側に形成された第2通路に導かれる。
第1通路に案内された第1金種硬貨は、第1待機位置に位置する第1硬貨保留装置によって第1通路に、第2金種硬貨は第2待機位置に位置する第2硬貨保留装置によって第2通路に保留される。第1硬貨保留装置と第2硬貨保留装置が第1金種硬貨、第2金種硬貨を保留する場合、それぞれ待機位置から保留位置へ移動される。
第1硬貨保留装置と第2硬貨保留装置とは、第1連携装置によって、第1硬貨保留装置と第2硬貨保留装置の両方が保留位置へ移動した場合、解除位置へ移動可能になる。何れか一方が保留位置へ移動し、他方が待機位置に位置する場合、第1連携装置によって、前記他方は保留位置への移動は可能であるが、解除位置へは移動することができない。したがって、第1硬貨保留装置と第2硬貨保留装置の両方が保留位置へ移動した場合、両者とも解除位置へ移動可能になる。換言すれば、第1金種硬貨と第2金種硬貨が所定数(所定金額)保留された場合、第1硬貨保留装置と第2硬貨放流装置は硬貨の解除位置へ移動される。これによって、第1硬貨保留装置と第2硬貨保留装置から開放された第1金種硬貨及び第2金種硬貨は、次工程へ受け渡される。次工程とは、例えば、金庫である。
第1硬貨保留装置又は第2硬貨保留装置の何れか一方が保留位置に位置する状態において、第1硬貨保留装置又は第2硬貨保留装置を返却位置へ移動させた場合、保留されている各硬貨はそれぞれの返却口へ案内され、返却される。
したがって、第1の発明によれば、電源を使用することなく硬貨を金種別に保留し、収納すること、又は、返却することができる利点がある。
本発明の第1の好ましい実施態様によれば、第1金種硬貨と第2金種硬貨は、案内板の第1側に形成された第1通路、第2側に形成された第2通路に導かれる。
第1通路に案内された第1金種硬貨は、第1待機位置に位置する第1硬貨保留装置によって第1通路に、最初の第2金種硬貨は第2待機位置に位置する第2硬貨保留装置を第2保留位置に移動させて当該第2硬貨保留装置によって第2通路に保留される。第2硬貨保留装置の第2保留位置への移動によって、第2連携装置による第3硬貨保留装置の係止が解除され、第3硬貨保留装置が第3保留位置へ移動可能になる。しかし、第1硬貨保留装置と第2硬貨保留装置が第1保留位置、及び、第2硬貨保留装置が第2保留位置に移動した場合であっても、第3硬貨保留装置は第3待機位置に位置している。
第1硬貨保留装置、第2硬貨保留装置、及び、第3硬貨保留装置は、何れか一つが第1待機位置、第2待機位置又は第3待機位置に位置する場合、第1連携装置によって、第1解除位置、第2解除位置、第3解除位置へ移動することができない。したがって、第1硬貨保留装置と第2硬貨保留装置によってそれぞれ保持された硬貨は、保留状態を継続する。続いて第2金種硬貨が第2通路に供給された場合、第3硬貨保留装置がその重量によって第3待機位置へ移動される。これにより、第1硬貨保留装置、第2硬貨保留装置及び第3硬貨保留装置は第1連携装置による第1保留位置、第2保留位置、第3保留位置への移動規制を解除され、三者とも各硬貨の重量によって解除位置へ移動可能になる。換言すれば、第1金種硬貨が一枚、第2金種硬貨が二枚保留された場合、第1硬貨保留装置、第2硬貨保留装置及び第3硬貨保留装置は各硬貨の重量によってそれぞれ第1解除位置、第2解除位置及び第3解除位置へ移動される。これによって、第1硬貨保留装置、第2硬貨保留装置及び第3硬貨保留装置から解除された第1金種硬貨、及び、第2金種硬貨は次工程へ受け渡される。次工程とは、例えば、金庫である。
第1金種硬貨が第1硬貨保留装置に、又は、第1金種硬貨が第1硬貨保留装置に保留され、さらに、一枚の第2金種硬貨が第2硬貨保留装置に保留された状態において、それらを返却位置へ移動させた場合、保留されている各硬貨は返却口へ案内され、返却されることができる。
したがって、第2の発明によれば、電源を使用することなく硬貨を金種別に保留し、収納することができる利点がある。
の発明は、第2の発明に対し、第2硬貨保留装置及び第3硬貨保留装置の一体化装置が付加されたものである。
すなわち、一体化装置によって、第2硬貨保留装置と第3硬貨保留装置を一体化装置により一体化し、第2発明の複数金種硬貨保留装置を第1発明の複数金種硬貨保留装置に容易に変更することができる。換言すれば、第2金種の保留個数を一つ又は二つに変更することができる。
したがって、第2の発明の効果に加え、第2金種硬貨の保留数を容易に変更できる利点がある。
の発明によれば、硬貨が投入されない待機状態にあっては、第1保留体は保留第1軸の回り、第2保留体は保留第1軸回りの自己モーメント又は付勢力によって同一方向に回動され、保留第1ストッパによって係止されてそれぞれ第1待機位置、第2待機位置に静止状態に保持される。
この待機位置において、第1硬貨通路には第1保留体の第1係止部が位置し、第2硬貨通路には第2保留体の第2係止部が位置する。しかし、第1保留体の第1係止部、及び、第2保留体の第2係止部にそれぞれ第1金種硬貨、第2金種硬貨が載った場合、載置硬貨の重量によって、それぞれ第1保留位置、第2保留位置へ回動されることは出来る。
第1金種硬貨が第1保留体の第1係止部に載置された場合、第1金種硬貨の重量によって、第1保留体は保留第1軸回りに回動され、第1保留規制部が保留第1ストッパによって係止され、第1保留位置に保持される。この状態において、保留第2ストッパは第2保留体の第2連携阻止部によって移動を阻止され、第2解除位置へは移動することが出来ない。したがって、第1保留体は第1保留位置に保持され、第2保留体は、第2保留位置への移動は可能であるが、係止位置に位置する第1ストッパによって第2保留位置に保持され、第2解除位置までは移動することができない。
この状態において、第2金種硬貨が第2保留体の第2係止部に載った場合、その重量によって第2保留体は保留第1軸回りに回動され、第1ストッパに第2保留規制部が係止されて第2保留位置に保持される。
一方、保留第2ストッパが第1連携阻止部から外れた場合、保留第1ストッパは前記係止の解除方向への回動力を有するので、第1保留体及び第2保留体は、第1金種硬貨又は第2金種硬貨の重量によって第1解除位置及び第2解除位置へ回動される。これによって、第1金種硬貨及び第2金種硬貨は開放され、自重によって下方へ落下し、次工程、例えば金庫へ受け渡される。
第1金種硬貨又は第2金種硬貨による回動力を受けなくなった第1保留体及び第2保留体は、自己モーメント又は付勢力によって、第1待機位置及び第2待機位置へ向かって回動する。
この回動途上において、保留第2ストッパが第1保留体の第2凸部の傾斜カム及び第2保留体の傾斜カムに係合しして当該保留第2ストッパを解除位置へ移動させる。これによって、第1保留体の第1待機規制部、第2保留体の第2待機規制部は、保留第1ストッパによって係止され、第1保留体及び第2保留体はそれぞれ第1待機位置真又は第2待機位置に静止され、待機状態になる。
先に第2金種硬貨が投入された場合、第2保留体の第2係止部上に載置され、保持されるが、保留第1ストッパが第2保留規制部を係止するので、第2保留体は第2保留位置に保持される。これにより、第2保留体の第2連携阻止部は保留第2ストッパと相対しなくなる。
次に第1金種硬貨が投入された場合、第1係止部に第1金種硬貨が載置され、第1保留体が第1保留位置へ回動されるので、第1連携阻止部も保留第2ストッパと相対しなくなる。これによって、第1保留体は第1解除位置へ、第2保留体は第2解除位置へ回動可能になる。これにより、第1保留体及び第2保留体が第1保留位置及び第2保留位置へ回動した場合、前述のように保留第2ストッパが第1保留規制部、及び第2保留規制部の係止を解除し、それぞれ第1解除位置又は第2解除位置へ回動することができるようになる。これによって、前述同様に第1金種硬貨及び第2金種硬貨を次工程へ受け渡される。
第1保留体又は第2保留体が第1保留位置又は第2保留位置に位置する状態において、それらを第1解除位置及び第2解除位置方向と逆方向へ回動させることにより、解除位置とは異なる出口に落下させることができるので、保留した第1金種硬貨又は第2金種硬貨を返却することができる。
さらに、第1保留体、第2保留体と一体にそれぞれ第1係止部、第2係止部を設けたので、保留装置を小型にすることができる。
の発明において、第1金種硬貨は第1通路に、第2金種硬貨は第2通路に導かれる。
第1通路に案内された第1金種硬貨は、第1待機位置に位置する第1保留体によって第1通路に、第2金種硬貨は第2待機位置に位置する第2保留体又は第3保持体によって第2通路に保留される。
第1保留体、第2保留体又は第3保持体が第1金種硬貨、第2金種硬貨を保留する場合、それぞれ待機位置から保留位置へ移動される。
第1保留体と第2保留体とは、第1連携装置及び第2連携装置によって、第1保留体、第2保留体及び第3保持体の全てが保留位置へ移動した場合、それぞれ解除位置へ移動可能になる。第1保留体、第2保留体及び第3保持体の何れか一つ又は二つが保留位置へ移動した場合、その他の一つ又は二つの保持体は保留位置への移動は可能であるが、解除位置へは移動することができない。したがって、第1保留体、第2保留体及び第3保持体の全てが保留位置へ移動した場合、何れも解除位置へ移動可能になる。換言すれば、一つの第1金種硬貨と二つの第2金種硬貨が保留された場合、第1保留体、第2保留体及び第3保持体は解除位置へ移動される。これによって、第1保留体、第2保留体及び第3保持体から解除された第1金種硬貨及び第2金種硬貨は、次工程へ受け渡される。次工程とは、例えば、金庫である。
第1保留体、第2保留体又は第3保持体が保留位置に位置する状態において、それらを返却位置へ移動させた場合、保留されている硬貨は解除とは異なる返却口へ案内され、返却される。
したがって、第5の発明によれば、電気を使用することなく、第1金種又は第2金種の硬貨に選別し、当該選別した一つの第1金種硬貨、及び二つの第2金種硬貨をそれぞれ金種別に保留し、次工程へ受け渡すこと、又は、返却することができる複数金種硬貨保留装置が実現できる。
の発明によれば、第1金種の硬貨は第1側の第1通路へ、第2金種の硬貨は第2側の第2通路へ案内される。
第1通路において第1金種硬貨が第1保留体の第1保持部に載置された場合、第1金種硬貨の重量によって、第1保留体は保留第1軸回りに回動され、第1保留規制部が保留第1ストッパによって係止され第1待機位置に保持される。この状態において、保留第2ストッパは第2保留体の第2連携阻止部に移動を阻止されて係止解除位置へは移動することが出来ない。したがって、第1保留体は第1保留位置に保持され、第2保留体は、第2保留位置への移動は可能であるが、係止位置に位置する保留第2ストッパによって係止され、第2解除位置までは移動することができない。
この状態において、第2金種硬貨が第2保留体の第2係止部に載った場合、その重量によって第2保留体は保留第1軸回りに回動され、第2保留位置へ移動される。
一方、保留第2ストッパが第1連携阻止部及び第2連携阻止部から外れた場合、保留第1ストッパ第1保留規制部及び第2保留規制部から係止の解除方向への回動力を受けるので、それぞれ係止解除位置へ回動され、第1金種硬貨又は第2金種硬貨の重量によって第1保留体及び第2保留体は第1解除位置及び第2解除位置へ回動される。これによって、第1金種硬貨及び第2金種硬貨は開放され、自重によって下方へ落下し、次工程、例えば金庫へ受け渡される。
第1金種硬貨又は第2金種硬貨による回動力を受けなくなった第1保留体及び第2保留体は、自己モーメント又は付勢力によって、第1待機位置及び第2待機位置へ向かって回動する。
この回動途上において、保留第2ストッパが、第1カム、第2カムと係合すると、保留第1ストッパは係止位置に移動される。これによって、第1保留体及び第2保留体はそれぞれ第1待機位置又は第2待機位置に静止され、待機状態になる。
先に第2金種硬貨が投入された場合、第2保持部上に載置され、保持されるが、保留第1ストッパが第2保留規制部を係止するので、第2保留体は第2保留位置に保持される。
次に第1金種硬貨が投入された場合、第1係止部に第1金種硬貨が載置することにより、第1保留体が第1保留位置へ回動されるので、第2保留体の第1保留規制部の係止を解くと共に第2保留位置へ向けて回動する。これによって、第2保留体は第2解除位置へ回動可能になる。第1保留体及び第2保留体が第1保留位置及び第2保留位置へ回動した場合、前述のように保留第2ストッパが第1保留規制部、第2保留規制部の係止を解除し、それぞれ第1解除位置又は第2解除位置へ回動することができるようになる。これによって、前述同様に第1金種硬貨及び第2金種硬貨を次工程へ受け渡すことができる。
第1保留体又は第2保留体が第1保留位置又は第2保留位置に位置する状態において、それらを第1解除位置及び第2解除位置方向と逆方向へ回動させることにより、解除位置とは異なる出口に落下させることができるので、保留硬貨の返却をすることができる。
さらに、第1保留体、第2保留体と一体にそれぞれ第1係止部、第2係止部を設けたので、保留装置を小型にすることができる。結果として、保留機能を有する機械式の硬貨選別装置を世界的デファクトスタンダードである3.5インチのサイズおいて実現できる利点がある。
の発明において、硬貨口に投入された第2金種硬貨における正貨としての大径硬貨は、第1金種硬貨としての小径硬貨用クレードルに達する前に大径硬貨用クレードルを構成する一対の第1係止体と第2係止体とにより支持される。これにより大径硬貨用クレードルは、大径硬貨の重量によってモーメントが発生し、所定方向へ、換言すれば大径硬貨ガイドレール側へ回動される。しかし、投入された硬貨が大径硬貨所定の直径を有しない場合、第1係止体と第2係止体とにより支持されずに落下し、偽貨として選別される。大径硬貨用クレードルが所定の横方向へ回動された場合、当該大径硬貨は回動方向の側方へ転がり落ちる。転がり落ちた大径硬貨は、大径硬貨ガイドレールを転動した後、大径硬貨通路へ案内され、当該大径硬貨通路を落下し、最終的に大径硬貨落下口から落下する。換言すれば、所定の直径及び所定の重量以上の大径硬貨は、大径硬貨通路によって案内される。大径硬貨落下口から落下した大径硬貨は、引き続いて第2通路を落下する。
小径硬貨は、大径硬貨用クレードルの第1係止体と第2係止体とに支持されずにそれらの間を落下した後、小径硬貨用クレードルに達する。この小径硬貨が真正の直径及び重量を有する場合、第3係止体と第4係止体とによって保持されることにより、小径硬貨用クレードルに所定の方向のモーメントが発生するので、小径硬貨用クレードルは所定方向に回動され。保持された小径硬貨は横方向に転動され、小径硬貨ガイドレール上に落下する。所定の直径を有するが、所定の重量よりも軽量である場合、小径硬貨用クレードルは転動されずに静止状態を保つ、換言すれば、小径硬貨は小径硬貨用クレードルの第3係止体と第4係止体上に保持された状態を継続する。
横方向に転動された小径硬貨は、小径硬貨ガイドレール上を転動した後、小径硬貨正貨口又は小径硬貨偽貨口に振り分けられる。小径硬貨正貨口から落下した小径硬貨は、第1通路を落下する。
大径硬貨及び小径硬貨が投入されない待機状態にあっては、第1保留体及び第2保留体は第1軸回りの自己モーメント又は付勢力によって同一方向に回動し、保留第1ストッパによって第1待機規制部及び第2待機規制部が係止され、それぞれ待機状態を維持する。
第1通路において小径硬貨が第1保留体の第1係止部に載置された場合、小径硬貨の重量によって、第1保留体は保留第1軸回りに回動され、第1保留規制部が保留第1ストッパによって係止され、第1待機位置に保持される。この状態において、保留第2ストッパは第2保留体の第2連携阻止部に移動を阻止され、保留第1ストッパは第1解除位置へは移動することが出来ない。したがって、第1保留体は第1保留位置に保持され、第2保留体は、第2保留位置への移動は可能であるが、係止位置に位置する保留第1ストッパによって第2解除位置までは移動することができない。
この状態において、大径硬貨が第2保留体の第2係止部に載った場合、その重量によって第2保留体は保留第1軸回りに回動され、第2保留位置へ移動される。
一方、保留第2ストッパが第1連携阻止部から外れ、かつ、保留第1ストッパは第1保留規制部又は第2保留規制部から係止を解除する方向の回動力を受けるので、非係止位置へ回動し、小径硬貨又は大径硬貨の重量によって第1保留体及び第2保留体は第1解除位置及び第2解除位置へ回動される。これによって、小径硬貨及び大径硬貨は開放され、自重によって下方へ落下し、次工程、例えば金庫へ受け渡される。
小径硬貨又は大径硬貨による回動力を受けなくなった第1保留体及び第2保留体は、自己モーメント又は付勢力によって、第1待機位置及び第2待機位置へ向かって回動する。
この回動途上において、第1連携阻止部端部の端部の第1傾斜カム又は第2連携阻止部の第2傾斜カムが保留第2ストッパに係合し、保留第2ストッパを非係止位置へ案内するので、第1保留体及び第2保留体は更に待機位置へ向けて回動できる。これによって、保留第1ストッパは係止位置へ移動されるので、第1保留体の第1待機規制部、及び、第2保留体の第2待機規制部は保留第1ストッパによって係止され、それぞれ第1待機位置真又は第2滝位置に静止され、待機状態になる。
先に大径硬貨が投入された場合、第2係止部上に載置され、保持されるが、保留第1ストッパが第2保留規制部を係止するので、第2保留体は第2保留位置に保持される。また、保留第2ストッパは第1連携阻止部によって回動を規制されるので保留第1ストッパは係止位置を継続し、
第1保留体は第1解除位置へは移動されない。
次に小径硬貨が投入された場合、第1係止部に小径硬貨が載置されることにより、第1保留体が第1保留位置へ回動されるので、保留第2ストッパは傾斜カムによって係止を解除する方向へ押動され、第2保留体の回動係止を解くことにより第2保留位置へ向けて回動する。これによって、保留第1ストッパは非係止位置へ移動するので、第1保留体及び第2保留体はそれぞれ第1解除位置又は第2解除位置へ回動する。これによって、前述同様に小径硬貨及び大径硬貨を次工程へ受け渡すことができる。
第1保留体又は第2保留体が第1保留位置又は第2保留位置に位置する状態において、それらを第1解除位置及び第2解除位置方向と逆方向へ回動させることにより、解除位置とは異なる出口に落下させることができるので、保留硬貨の返却をすることができる。
したがって、電気を用いることなく、大径硬貨と小径硬貨を選別し、かつ、一時保留することができる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置を得ることができる。
の発明によれば、硬貨口に投入された正貨としての大径硬貨は、小径硬貨用クレードルに達する前に大径硬貨用クレードルを構成する一対の第1係止体と第2係止体とにより支持される。これにより大径硬貨用クレードルは、大径硬貨の重量によってモーメントが発生し、所定方向へ、換言すれば大径硬貨ガイドレール側へ回動される。しかし、大径硬貨が所定の直径を有しない場合、第1係止体と第2係止体とにより支持されずに落下し、偽貨として選別される。大径硬貨用クレードが所定の方向へ回動された場合、当該大径硬貨は回動方向の側方へ転がり落ちる。転がり落ちた大径硬貨は、大径硬貨ガイドレールを転動した後、透孔を通って当該大径硬貨ガイドレールに対し横方向に位置する、ベースボードの裏面側に形成された大径硬貨通路へ案内された後、当該通路を落下し、最終的に大径硬貨落下口から落下する。換言すれば、所定の直径及び所定の重量以上の大径硬貨は、硬貨通路に対し横方向にずれ、ベースボードの裏面側に形成された大径硬貨通路によって案内される。大径硬貨落下口から落下した大径硬貨は引き続いて第2通路を落下する。
小径硬貨は、大径硬貨用クレードルの第1係止体と第2係止体とに支持されずにそれらの間を落下した後、小径硬貨用クレードルに達する。この小径硬貨が真正の直径及び重量を有する場合、第3係止体と第4係止体とによって保持されることにより、小径硬貨用クレードルに所定の方向のモーメントが発生するので、小径硬貨用クレードルは所定方向に回動され。保持された小径硬貨は横方向に転動され、小径硬貨ガイドレール上に落下する。所定の直径を有するが、所定の重量よりも軽量である場合、小径硬貨用クレードルは転動されずに静止状態を保つ、換言すれば、小径硬貨は小径硬貨用クレードルの第3係止体と第4係止体上に保持された状態を継続する。
当該小径硬貨は、小径硬貨ガイドレール上を転動した後、ベースボードの表側に形成された小径硬貨通路を自由落下し、アンビルに衝突して衝突速度及び硬貨重量によって定まる跳ね返り量に基づいて小径硬貨正貨口又は小径硬貨偽貨口に振り分けられる。詳述すれば、真正の小径硬貨は、所定の速度で小径硬貨ガイドレール上を転動した後、所定の速度でアンビルに衝突することから、その落下速度、重量及びアンビルと小径硬貨の硬度によって、アンビルに衝突した際の跳ね返り量が定まる。したがって、小径硬貨が正貨と異なる材質の場合、正貨の場合よりも跳ね返り量が小さいか又は大きいので、小径硬貨小径硬貨正貨口には落下しない。小径硬貨小径硬貨正貨口から落下した小径硬貨は第1通路を落下する。
例えば、日本円における100円硬貨及び10円硬貨を正貨として選別する場合、100円硬貨は直径23ミリ、10円硬貨は直径23.5ミリであるので、10円硬貨が大径硬貨、100円硬貨が小径硬貨である。
この場合、10円硬貨は大径硬貨用クレードルによって大凡直径及び重量によって選別され、ベースボードに対し横方向の裏面側に配置された大径硬貨通路によって案内される。
100円硬貨は、大径硬貨用クレードルを通過した後、小径硬貨用クレードルによって保持され、直径及び重量によって小径硬貨ガイドレール上に案内された後、ベースボードの表側に形成された小径硬貨通路によって案内される。
換言すれば、価値が高い100円硬貨は直径及び重量によって厳しい条件において選別される。一方価値が低い10円硬貨は大凡直径によって選別される。したがって、仮に自動販売機において、10円硬貨と同径に形成された偽貨によって110円の物を不正に取得された場合であっても、10円の損になるだけで損害額を極小にすることができる。また、大径硬貨と小径硬貨とをベースボードによって区分けされた異なる出口から出すことができるので、金種毎の金庫に保管できる利点がある。
大径硬貨及び小径硬貨が投入されない待機状態にあっては、第1保留体及び第2保留体は第1軸回りの自己モーメントによって同一方向に回動し、保留第2ストッパによって第2係止部及び第3係止部が係止されそれぞれ待機状態を保持する。
この状態において、保留第1ストッパは第2保留体の第1係止部を係止し、もし、第2保留体を待機位置へ移動させるように外力が作用した場合であっても、保留位置へ回動できない。この待機位置において、第1硬貨通路には第1保留体の第1係止部が位置し、第2硬貨通路には第2保留体の第2係止部が位置する。しかし、第1保留体の第1係止部、及び第2保留体の第2係止部にそれぞれ小径硬貨、例えば100円硬貨、大径硬貨、例えば10円が載った場合、それぞれ保留位置へ回動することは出来る。
100円硬貨の重量によって第1保留体が第1待機位置から第1保留位置へ回動され、保留第2ストッパは第2連携阻止部によって係止されて係止位置を継続する。
この状態において、10円硬貨が第2保留体の第2係止部に載った場合、その重量によって第2保留体は保留第1軸回りに回動され、保留第2ストッパに第2保留規制部が係止されて保留位置に静止される。一方、保留第2ストッパは第2保留体の第2連携阻止部に移動を阻止されなくなるので、第1ストッパは解除位置へ移動可能になる。保留第1ストッパは、第1連携阻止部及び又は第2連携阻止部のカムによって、解除方向への回動力を受けるため、それらは100円硬貨、10円硬貨の重量によって、それぞれ解除位置へ回動される。これによって、100円硬貨及び10円硬貨は開放され、自重によって下方へ落下し、次工程、例えば金庫へ受け渡される。
100円硬貨又は10円硬貨による回動力を受けなくなった第1保留体及び第2保留体は、自己に作用する回動力によって、待機位置へ向かって回動する。
この回動途上において、第1連携阻止部及び又は第2連携阻止部の第1傾斜カム及び又は第2傾斜カムが係合し、保留第2ストッパを非係止位置へ向けて案内するので、第1保留体及び第2保留体は更に待機位置へ向けて回動可能になり、保留第1ストッパは係止位置に移動する。これによって、第1保留体の第1待機規制部、第2保留体の第2待機規制部は保留第1ストッパによって係止されるので、第1保留体及び第2保留体はそれぞれ第1待機位置、第2待機位置に保持され、待機状態になる。
先に大径硬貨が投入された場合、第2係止部上に載置され、保持されるが、第1連携阻止部によって保留第1ストッパの移動が制限されるため解除位置へは回動されない。
次に100円硬貨が投入された場合、第1阻止部に100円硬貨が載置されることにより、第1保留体が保留位置へ回動されるので、第1保留体のカム部によって第1ストッパが移動されて第2保留体の第1係止部の係止を解くと共に待機位置へ向けて回動する。これによって、第2保留体は待機位置へ回動可能になる。第1保留体及び第2保留体が保持位置へ回動した場合、前述のように第2ストッパが第2係止部、第3係止部の係止を解除し、解除位置へ回動することができる。これによって、前述同様に100円硬貨及び10円硬貨を次工程へ受け渡すことができる。
第1保留体又は第2保留体が保留位置に位置する状態において、それらを解除方向と逆方向へ回動させることにより、解除とは異なる出口に落下させることができるので、保留硬貨の返却をすることができる。
さらに、第1保留体、第2保留体と一体に係止部を設けたので、保留装置が小型である。
したがって、電気を用いることなく、10円硬貨と100円硬貨を選別し、かつ、一時保留することができる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置を得ることができる。
の発明において、硬貨口に投入された正貨としての大径硬貨は、小径硬貨用クレードルに達する前に大径硬貨用クレードルを構成する一対の第1係止体と第2係止体とにより支持される。これにより大径硬貨用クレードルは、その重量によってモーメントが発生し、所定の横方向へ、換言すれば大径硬貨ガイドレール側へ回動される。しかし、大径硬貨が所定の直径を有しない場合、第1係止体と第2係止体とにより支持されずに落下し、偽貨として選別される。大径硬貨用クレードが所定の方向へ回動された場合、当該大径硬貨は回動方向の側方へ転がり落ちる。転がり落ちた大径硬貨は、大径硬貨ガイドレールを転動した後、当該大径硬貨ガイドレールの横方向へ落下された後、大径硬貨通路を落下し、最終的に大径硬貨落下口から落下する。換言すれば、所定の直径及び所定の重量以上の大径硬貨は、硬貨通路に対し横方向にずれた大径硬貨通路によって案内される。
小径硬貨は、大径硬貨用クレードルの第1係止体と第2係止体とに支持されずにそれらの間を落下した後、小径硬貨用クレードルに達する。この小径硬貨が真正の直径及び重量を有する場合、第3係止体と第4係止体とによって保持されることにより、小径硬貨用クレードルに所定の方向のモーメントが発生するので、小径硬貨用クレードルは所定方向に回動され。保持された小径硬貨は横方向に転動され、小径硬貨ガイドレール上に落下する。所定の直径を有するが、所定の重量よりも軽量である場合、小径硬貨用クレードルは転動されずに静止状態を保つ、換言すれば、小径硬貨用クレードルの第3係止体と第4係止体上に保持された状態を継続する。
当該小径硬貨は、小径硬貨ガイドレール上を転動した後、自由落下し、アンビルに衝突して衝突速度及び硬貨重量によって定まる跳ね返り量に基づいて小径硬貨小径硬貨正貨口と小径硬貨小径硬貨偽貨口に振り分けられる。詳述すれば、真正の小径硬貨は、所定の速度で小径硬貨ガイドレール上を転動した後、所定の速度でアンビルに衝突することから、その落下速度、重量及び硬度によって、アンビルに衝突した際の跳ね返り量が定まる。したがって、小径硬貨が正貨と異なる材質の場合、正貨の場合よりも跳ね返り量が小さいか又は大きいので、小径硬貨小径硬貨正貨口には落下しない。
以上のように、大径硬貨と小径硬貨とを異なる硬貨口に振り分けすることができる。
例えば、日本円における100円硬貨及び10円硬貨を正貨として選別する場合、100円硬貨は直径23ミリ、10円硬貨は直径23.5ミリであるので、10円硬貨が大径硬貨、100円硬貨が小径硬貨である。
この場合、10円硬貨は大径硬貨用クレードルによって大凡直径及び重量によって選別され、硬貨通路に対し横方向に配置された大径硬貨通路に案内される。
100円硬貨は、大径硬貨用クレードルを通過した後、小径硬貨用クレードルによって保持され、直径及び重量によって小径硬貨ガイドレール上に案内される。
換言すれば、価値が高い100円硬貨は直径及び重量によって厳しい条件において選別される。一方価値が低い10円硬貨は大凡直径によって選別される。したがって、仮に自動販売機において、10円硬貨と同径に形成された偽貨によって110円の物を不正に取得された場合であっても、10円の損になるだけで損害額を極小にすることができる。
一方、硬貨保留装置においては、大径硬貨及び小径硬貨が投入されない待機状態にあっては、第1保留体及び第2保留体は第1軸回りの自己モーメントによって同一方向に回動し、保留第1ストッパによって第1待機規制部及び第2待機規制部が係止され、それぞれ待機状態を保持する。
この状態において、保留第2ストッパは第1保留体の第1連携阻止部及び第2保留体の第2連携阻止部に相対する。したがって、もし、第1保留体又は第2保留体に第1解除位置又は第2解除位置へ移動させる外力が作用した場合であっても、保留第1ストッパによって第1解除位置又は第2解除位置への移動は阻止される。第1待機位置及び第2待機位置において、第1硬貨通路には第1保留体の第1係止部が位置し、第2硬貨通路には第2保留体の第2係止部が位置する。しかし、第1保留体の第1係止部、及び第2保留体の第2係止部にそれぞれ小径硬貨、例えば100円硬貨、大径硬貨、例えば10円が載った場合、それぞれ第1待機位置又は第2待機位置へ回動することは出来る。
小径硬貨口から落下した100円硬貨が第1保留体の第1係止部に載置された場合、第1保留体は回動され、その第1保留規制部が保留第1ストッパによって係止され、第1保留位置をとる。しかし、第2保留体の第2連携阻止部が保留第2ストッパに相対しているので、第1解除位置へ移動することはできない。一方、第2保留体は、第2保留位置へ回動することができる。
この状態において、10円硬貨が第2保留体の第2係止部に載った場合、その重量によって第2保留体は第1軸回りに回動され、保留第1ストッパに第1保留規制部が係止されて第2保留位置に静止される。一方、保留第2ストッパは第2保留体の第2連携阻止部に相対しなくなり、その移動を阻止されなくなるので、保留第1ストッパは非係止位置へ移動可能になる。第1保留規制部及び又は第2保留規制部の傾斜カムによって、保留第1ストッパは解除方向への回動力を受けるので、第2保留体の第2保留位置への回動によって、第1保留体及び第2保留体は第1解除位置及び第2解除位置へ回動可能になるので、それらは100円硬貨、10円硬貨の重量によって、それぞれの解除位置へ回動される。これによって、100円硬貨及び10円硬貨は開放され、自重によって下方へ落下し、次工程、例えば金庫へ受け渡される。
100円硬貨又は10円硬貨による回動力を受けなくなった第1保留体及び第2保留体は、自己に作用する回動力によって、第1待機位置及び第2待機位置へ向かって回動される。
この回動途上において、第2ストッパに第1保留体の第1傾斜カム及び又は第2保留体の第2傾斜カムが係合し、保留第2ストッパを非係止位置へ移動させるので、第1保留体及び第2保留体は更に待機位置へ向けて回動し、保留第1ストッパは係止位置へ移動する。これによって、第1保留体の第1待機規制部、第2保留体の第2待機規制部は保留第1ストッパによって係止されるので、第1保留体及び第2保留体はそれぞれ第1待機位置、第2待機位置に保持され、待機状態になる。
先に大径硬貨が投入された場合、第2係止部上に載置され、保持されるが、第1連携阻止部が保留第2ストッパに相対し、保留第1ストッパは係止位置に保持されるため、第2保留体は第2解除位置へは回動されない。
次に100円硬貨が投入された場合、第1係止部に100円硬貨が載置することにより、第1保留体が第1保留位置へ回動されるので、第1保留体のカム部によって保留第1ストッパが非係止位置へ移動されて第1保留体の第1解除位置への移動を可能する。これによって、第2保留体は第2解除位置へ回動可能になる。第1保留体及び第2保留体が第1解除位置又は第2解除位置へ回動した場合、前述同様に100円硬貨及び10円硬貨を次工程へ受け渡すことができる。
第1保留体又は第2保留体が第1保留位置及び第2保留位置に位置する状態において、それらを解除方向と逆方向へ回動させることにより、解除とは異なる出口に落下させることができるので、保留硬貨の返却をすることができる。
さらに、第1保留体、又は、第2保留体と一体に係止部を設けたので、保留装置が小型にできる。
したがって、電気を用いることなく、大径硬貨(10円硬貨)と小径硬貨(100円硬貨)を選別し、かつ、一時保留することができる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置を得ることができる。
の発明において、ベースボードとガイドボードとより画定された硬貨口に続いて上下方向に延びる硬貨通路が形成され、硬貨口に投入された正貨としての大径硬貨は、小径硬貨用クレードルに達する前に大径硬貨用クレードルを構成する、前記ベースボードに固定された第1係止体と、この第1係止体を中心に回動自在に設けられた第2係止体とにより支持される。これにより第2係止体には大径硬貨の重量によってモーメントが発生し、第1係止体を中心として所定の横方向へ、換言すれば大径硬貨ガイドレール側へ回動される。しかし、大径硬貨が所定の直径よりも小さい場合、大径硬貨は第1係止体と第2係止体とによって支持されずに落下し、偽貨として選別される。
大径硬貨用クレードルが所定の方向へ回動された場合、当該大径硬貨は回動方向の側方へ転がり落ちる。転がり落ちた大径硬貨は、大径硬貨ガイドレールを転動した後、当該大径硬貨ガイドレールの横方向へ逸らされた後、大径硬貨通路を落下し、最終的に大径硬貨落下口から落下する。換言すれば、所定の直径以上の大径硬貨は、硬貨通路に対し横方向にずれた大径硬貨通路によって案内される。
小径硬貨は、大径硬貨用クレードルの第1係止体と第2係止体とに支持されずにそれらの間を落下した後、ベースボードに対し回動可能に取り付けられた小径硬貨用クレードルに達する。
この小径硬貨が真正の直径及び重量を有する場合、小径硬貨用クレードルの第3係止体と第4係止体とによって保持されることにより、小径硬貨用クレードルは、その支軸回りに所定の方向のモーメントが発生するので、小径硬貨用クレードルは当該所定方向に回動される。この回動により、小径硬貨用クレードルに保持された小径硬貨は、横方向に転動され、小径硬貨ガイドレール上に落下する。
所定の直径を有するが、所定の重量よりも軽い小径硬貨が第3係止体及び第4係止体によって支持された場合、小径硬貨用クレードルは小径硬貨ガイドレール側には転動されず、静止状態を保つ、換言すれば、小径硬貨用クレードルは静止状態に保持され、その第3係止体と第4係止体上に保持された状態を継続する。
小径硬貨ガイドレール上に落下させられた小径硬貨は、小径硬貨ガイドレール上を転動した後、自由落下し、アンビルに衝突する。
衝突した小径硬貨は、その衝突速度及び硬貨重量によって定まる跳ね返り量に基づいて小径硬貨正貨口又は小径硬貨偽貨口に振り分けられる。
詳述すれば、真正の小径硬貨は、所定の速度で小径硬貨ガイドレール上を転動した後、所定の速度でアンビルに衝突することから、その落下速度、重量及びアンビル硬度に基づいて、小径硬貨がアンビルに衝突した際の跳ね返り量が定まる。したがって、小径硬貨が正貨と異なる材質の場合、正貨の場合よりも跳ね返り量が小さいか又は大きいので、小径硬貨正貨口には落下せず、小径硬貨偽貨口に振り分けられる。
硬貨保留装置においても、第の発明と同様に保留され、受入、返却がなされる。
したがって、第の発明と同様に、電気を用いることなく、大径硬貨(10円硬貨)と小径硬貨(100円硬貨)を選別し、かつ、一時保留することができる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置を得ることができる。
図1は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の正面図である。 図2は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の脊面図である。 図3は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の平面図である。 図4は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の底面図である。 図5は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1のベースボードの斜視図である。 図6は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の図3におけるX―X線断面図である。 図7は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の硬貨口周辺の部分拡大図である。 図8は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の大径硬貨用クレードルの拡大図である。 図9は、図2におけるY―Y線一部断面図である。 図10は、図2におけるZ―Z線一部断面図である。 図11は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の分解斜視図である。 図12は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の大径硬貨の選別を説明するための説明図(保持された状態)である。 図13は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の大径硬貨の選別を説明するための説明図(解放直前状態)である。 図14は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の大径硬貨の選別を説明するための説明図(大径硬貨ガイドレールに落下した状態)である。 図15は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の小径硬貨の選別を説明するための説明図(保持された状態)である。 本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の硬貨保留装置の正面図である。 図17は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の硬貨保留装置であって(A)は分解斜視図、(B)は一体化装置に断面図である。 図18は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第1硬貨保留装置の正面図である。 図19は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第1硬貨保留装置の待機状態の正面図である。 図20は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第1硬貨保留装置の第1金種硬貨保留状態の正面図である。 図21は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第1硬貨保留装置の第1金種硬貨開放状態の正面図である。 図22は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第1硬貨保留装置の硬貨返却時の正面図である。 図23は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の硬貨保留装置の背面図である。 図24は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第2硬貨保留装置の待機状態の正面図である。 図25は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第2貨保留装置の保留状態の正面図である。 図26は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第2貨保留装置の解除状態の正面図である。 図27は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第2貨保留装置のキャンセル状態の正面図である。 図28は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第3硬貨保留装置の待機状態の正面図である。 図29は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第3貨保留装置の保留状態の正面図である。 図30は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第3貨保留装置の解除状態の正面図である。 図31は、本発明にかかる硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例1の第3貨保留装置のキャンセル状態の正面図である。
本発明の硬貨保留装置の最良の形態は、
異なる金種の硬貨を保留し、所定金額になった場合、当該保留硬貨を開放するようにした複数金種硬貨保留装置において、垂立する案内板の第1側に設けられた第1金種硬貨のための第1通路と、前記案内板の第2側に設けられた第2金種硬貨のための第2通路と、前記案内板に対し第1側及び第2側において同一軸線上に配置された保留第1軸と、前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記第1金種硬貨を保持する第1係止部が形成され、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成された第1待機規制部と第1保留規制部及び第1待機規制部と第1保留規制部との間の第1連携阻止部を形成された第1保留体と、
前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が第2金種硬貨を保持する第2保持部が形成され、他端部に解除カムを形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部と重なる位相をとる第2待機規制部及び前記第1保留規制部と重なる位相をとる第2保留規制部並びに前記第2待機規制部と前記第2保留規制部との間の第2連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第2保留体と、前記保留第1軸に中間を回動自在に支持され、かつ、一端部が前記第2金種硬貨を保持する第3保留部が形成され、かつ、前記保留第1軸の軸心に対し同一円上に形成され、第1待機規制部及び第2待機規制部と重なる位相をとる第3待機規制部及び前記第1保留規制部並びに第2保留規制部と重なる位相をとる第3保留規制部並びに前記第3待機規制部と前記第3保留規制部との間の第3連携阻止部を形成されると共に前記第1保留体と同方向に回動力を付勢された第3保留体と、中間を保留第2軸に回動自在に支持された揺動体の一端部に設けられた保留第1ストッパ及び他端部に設けられた保留第2ストッパを含み、前記保留第1ストッパが前記第1待機規制部、前記第2待機規制部並びに第3待機規制部を係止する際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部並びに第3連携阻止部に接し、及び、前記保留第1ストッパが前記第1保留規制部と前記第2保留規制部並びに第3連携阻止部に係止され際は前記保留第2ストッパは前記第1連携阻止部と前記第2連携阻止部、前記第3連携阻止部に相対せず、前記第3保留体の一部に形成された第6係止部、前記第6係止部に対し係合離脱可能であって、前記第2保留体の回動によって前記解除カムによって前記係合が解除される第係止体と、を含むことを特徴とする複数金種硬貨保留装置である。
次に本発明に係る硬貨保留装置及び硬貨保留装置を有する硬貨選別装置の実施例を、本発明の一実施例である硬貨保留装置付き硬貨選別装置10によって説明する。
硬貨保留装置付き硬貨選別装置10は、硬貨選別装置100によって第2金種硬貨C2としての一種類の大径硬貨LCと、第1金種硬貨C1としての一種類の小径硬貨SCとを機械的に選別して正貨と偽貨とに振り分けた後、硬貨保留装置20によって金種別に所定数保留した後、受入又は返却する機能を有する。
本実施例1は日本円の例であり、第1金種硬貨C1は、小径硬貨SCとしての100円硬貨であり、第2金種硬貨C2は、大径硬貨LCとしての10円硬貨である。
換言すれば、本実施例1に係る硬貨選別装置100は、大径硬貨LCよりも小径硬貨SCの方が高価値の硬貨である場合に適している。
しかし、大径硬貨LCに対し小径硬貨SCの方が低価値である場合も適用することができる。
まず硬貨選別装置100を説明する。
硬貨選別装置100は、大まかには本体たるべースボード102、ガイドボード104、硬貨口106、硬貨位置規制装置108、大径硬貨用クレードル110、小径硬貨用クレードル112、小径硬貨リミッタ114、大径硬貨ガイドレール116、小径硬貨ガイドレール118、アンビル122、硬貨制動装置124、振分体126及びキャンセル装置128を含んでいる。しかし、小径硬貨リミッタ114、硬貨制動装置124、振分体126及びキャンセル装置128は必須の発明特定事項ではない。
まずべースボード102を図1乃至6を参照して説明する。
べースボード102は、ガイドボード104と共に薄板状の空間である硬貨通路132を形成し、また、ガイドボード104、大径硬貨用クレードル110、アンビル122、振分体126及びキャンセル装置128が取り付けられる機能を有する。したがって、べースボード102は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例1に開示された構成から当業者が推考しうる技術思想の範囲を含むものである。
べースボード102は、垂立状態に配置された平板状の垂立ボード103と、その両サイドを前方に直角に折り曲げた左サイドボード134及び右サイドボード136によって上下方向に延在する装着凹溝138を構成している。換言すれば、ベースボード102は垂立方向に延在するチャンネル型をしている。ベースボード102は、板金又は樹脂成形によって形成される。
なお、本明細書において、特に言及しない場合、単にベースボード102と言った場合、垂立ボード103を指しているものとする。
次に、ガイドボード104が主に図1又は図6を参照して説明される。
ガイドボード104は、硬貨位置規制装置108、大径硬貨用クレードル110、小径硬貨用クレードル112、大径硬貨ガイドレール116、小径硬貨ガイドレール118等が取付られる機能を有する。したがって、ガイドボード104は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された構成から当業者が推考しうる技術思想の範囲を含むものである。
ガイドボード104は平板矩形状であって、ベースボード102に対して回動可能かつ着脱可能に取り付けられる。硬貨通路132の清掃、メンテナンス等のためである。
本実施例においては、右サイドボード136の上下方向の中間から左サイドボード134側へ水平に突出する第1軸受142及び第2軸受144にそれぞれ設けられた縦向きU形状の第1軸溝143、第2軸溝145にその上下端部を挿入し、後述の第1スプリング154の中間をベースボード102の孔155を通して裏面に係止させることにより、第1軸溝143、第2軸溝145の底部に押し付けて垂直に保持された第1軸152が設けられている。
第1軸受142と第2軸受144との間の第1軸152に、ガイドボード104の右端部の第3軸受146、第4軸受148が回動可能に取り付けられている。第3軸受146及び第4軸受148は第1軸受142及び第2軸受144間に密に挿入され、ベースボード102に対して上下方向に移動しないように構成されている。
この構成によって、ガイドボード104は第1軸152を中心として縦軸回りに回動可能であるが、当該第1軸152に巻き付けられ、一端を後述の磁石保持体376に係止され、他端がガイドボード104に係止された第1スプリング154によってべースボード102側へ近づくように回動され(図3において時計方向)、ガイドボード104がべースボード102に対し平行になった状態でガイドボード104の左端部、換言すれば、左サイドボード134に隣接した位置からベースボード102へ向かって直角に延在するように形成されたL形状の投入口規制片156がべースボード102に当接して静止される。
このガイドボード104の静止位置が硬貨Cが投入される通常位置NPである。
これにより、べースボード102とガイドボード104とは大径硬貨LC又は小径硬貨SCのうち最も厚い硬貨の厚みよりも僅かに大きい間隔で平行に配置され、上下方向に延在する硬貨通路132を形成する。なお、硬貨通路132と表現する場合、特に言及しなければ後述の大径硬貨通路254、及び、小径硬貨通路344をも含んでいる。
次に硬貨口106が主に図3及び図6を参照して説明される。
硬貨口106は、選別すべき硬貨Cを受け入れる機能を有する。したがって、硬貨口106は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例1に限られるものではなく、少なくとも本実施例1に開示された構成から当業者が推考しうる技術思想の範囲を含むものである。
本実施例1における硬貨口106は、左サイドボード134の近くであって、装着凹溝138の上面に相対する位置において、受け入れるべき大径硬貨LCの直径よりも僅かに長く、かつ、受け入れるべき大径硬貨LC又は小径硬貨SCのうち厚い方の厚みよりも僅かに長いスリット状に形成されている。
硬貨口106はべースボード102、ガイドボード104及び投入口規制片156及び固定投入口構成体162によって平面視、横長矩形のスリット状に形成され、縦断面においては大凡下すぼまりの漏斗状に形成される。
具体的には、ガイドボード104の左端部上端部のべースボード102側に突出して上下方向に所定の長さで延在する投入口規制片156とベースボード102、ガイドボード104及び固定投入口構成体162とによって構成されている。
投入口規制片156の反左サイドボード134側の上端部は、上端から下方に向かって左サイドボード134から遠ざかる第1斜面166に形成されている。
次に固定投入口構成体162を図6及び図8を参照して説明する。
固定投入口構成体162は、第1斜面166と共に投入される硬貨を所定の直径以下の硬貨に制限する機能及び硬貨が投入される位置を規制する機能を有する。したがって、固定投入口構成体162は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された構成から当業者が推考しうる技術的思想の範囲を含むものである。
本実施例における固定投入口構成体162は、大凡円筒体であって、円筒部168と平面部172とによって構成され、第1斜面166に相対する部位は円筒部168であるように形成され、ガイドボード104のベースボード102側にあてがってベースボード102に貫通固定されている支軸としての第2軸170に固定されている。
これにより、固定投入口構成体162の円筒部168と第1斜面166との最短の第1距離L1は、受け入れるべき大径硬貨LCの直径よりも僅かに長く設定されている。
次に硬貨位置規制装置108を主に図7を参照して説明する。
硬貨位置規制装置108は、硬貨口106に投入された硬貨を所定位置に移動させる機能及び所定直径以上の硬貨を通過させない機能を有する。したがって、硬貨位置規制装置108は同様の機能を有する構成全てを含み本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された構成から当業者が推考しうる技術的思想の範囲を含むものである。
本実施例において、硬貨位置規制装置108は、硬貨規制体174及び第1付勢装置188を含んでいる。
まず硬貨規制体174を説明する。
硬貨規制体174は、硬貨口106を通過した硬貨を固定投入口構成体162に密接させ、かつ、受け入れを許容する大径硬貨LCの直径を超える許容外大径硬貨の硬貨通路132への進行を阻止する機能を有する。
換言すれば、固定投入口構成体162の円筒部168の周面180と第1斜面166との間を通過した硬貨であっても、受け入れるべきでない大径硬貨は通過出来ないようにすると共に、硬貨をその周面が固定投入口構成体162に接した位置において落下させる機能を有する。
更に換言すれば、投入された硬貨を固定投入口構成体162の円筒部168の周面180に押し付ける(密接させる)機能を有する。
したがって、硬貨規制体174は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された構成から当業者が推考しうる技術的思想の範囲を含むものである。
本実施例における硬貨規制体174は、ガイドボード104の表面側の左サイドボード134の近くにおいて水平に固定された支軸としての第3軸176に下端部が回動自在に支持された回動レバ178の先端がベースボード102側に折り曲げられ、水平に延在する棒状体182によって構成されている。
硬貨規制体174は、ガイドボード104において、左サイドボード134に近接し、かつ、固定投入口構成体162の水平方向側方に形成された弧状の第1通孔184及びベースボード102に相対して形成した第2通孔186を貫通して第1斜面166の下方であって、かつ、固定投入口構成体162の円筒部168の大凡水平方向側方に配置されている。換言すれば、硬貨規制体174は、硬貨通路132を横断している。
回動レバ178は、正面視大凡三角形であり、図7において反時計方向へ所定角度回動された場合、第1通孔184及び第2通孔186の端縁187に係止されてそれ以上回動されない大径硬貨規制位置MP1に静止されるようになっている。
すなわち、大径硬貨規制位置MP1に位置する硬貨規制体174と固定投入口構成体162の周面180との第2距離L2は、受け入れるべき大径硬貨LCの直径よりも僅かに大きく設定され、大径硬貨LCは後述するように硬貨規制体174を移動させて通過(落下)可能である。換言すれば、直径が第2距離L2を超える大径硬貨は、固定投入口構成体162と硬貨規制体174との間を通過することが出来ない。さらに換言すれば、直径が第2距離L2を超える大径硬貨は偽貨として硬貨口106から僅かに落下した位置において移動を阻止される。
次ぎに硬貨規制体174の第1付勢装置188を説明する。
第1付勢装置188は、硬貨規制体174を固定投入口構成体162側に弾性的に近づくように付勢する機能を有する。したがって、第1付勢装置188は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された構成から当業者が推考しうる技術的思想の範囲を含むものである。
本実施例における第1付勢装置188は、第2スプリング190である。第2スプリング190の一端は回動レバ178の係止孔191に係止され、他端はガイドボード104の正面側に突出する部分、本実施例では後述する係止ピン222に係止されている。
この構成によって、回動レバ178は、図7において時計方向に所定の力で回動するよう付勢される。所定の力とは、大径硬貨LC又は小径硬貨SCがそれらの自重によって移動される力であり、結果として硬貨規制体174と固定投入口構成体162との間を通過可能である。
硬貨規制体174は、第2スプリング190の付勢力によって、第1通孔184の反左サイドボード134側の側縁である第1ストッパ192に係止されて静止している。
この静止位置が硬貨規制体174の第1待機位置SP1である。
硬貨規制体174が第1待機位置SP1に位置する場合、固定投入口構成体162と硬貨規制体174との最短距離である第3距離L3は、受け入れるべき小径硬貨SCの直径よりも僅かに小さい間隔になるように設定される。換言すれば、硬貨口106に大径硬貨LC、又は、小径硬貨SCの正貨の何れが投入された場合であっても、当該大径硬貨LC又は小径硬貨SCの周面が硬貨規制体174に接触し、大径硬貨LC又は小径硬貨SCの自重によって硬貨規制体174を大径硬貨規制位置MP1へ向けて押動することにより通過(落下)することができる。
大径硬貨LC又は小径硬貨SCが硬貨規制体174を押動する際、それら硬貨は反力によって固定投入口構成体162側へ押動され、その円筒部168の周面180に密接させられ、その密接した位置から落下する。換言すれば、大径硬貨LC又は小径硬貨SCはそれぞれ一定の位置から、真下に位置する大径硬貨用クレードル110、又は大径硬貨用クレードル110を通過してその真下に位置する小径硬貨用クレードル112に落下するので、それぞれ大径硬貨用クレードル110又は小径硬貨用クレードル112に確実に保持される利点がある。
また、大径硬貨LC又は小径硬貨SCは、硬貨規制体174と固定投入口構成体162とによって挟まれるので、もし、それらの硬貨が勢いを付けて硬貨口106に投入され、周方向又は面方向に振動している場合であっても、硬貨規制体174と固定投入口構成体162とによって挟まれることによってその振動が抑制された後、それぞれ大径硬貨用クレードル110又は小径硬貨用クレードル112に落下するので確実に保持される利点がある。
さらに、硬貨規制体174に対する付勢力は、第1待機位置SP1よりも大径硬貨規制位置MP1に近づくにしたがって順次大きくなるようにすることが好ましい。これにより、投入された大径硬貨LC又は小径硬貨SCの円滑な落下を確保すると共に固定投入口構成体162へ確実に密接することができる。
なお、第1付勢装置188として、第2スプリング190に代えて重り又は磁石の吸引力若しくは反発力等を利用した付勢装置を採用することができる。
次ぎに磁性偽貨保持装置194を説明する。
磁性偽貨保持装置194は、鉄等の磁石によって吸着される材料にて製造した偽硬貨を吸着して硬貨口106の下方の大径硬貨用クレードル110に達しないようにする機能を有する、したがって、磁性偽貨保持装置194は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例における磁性偽貨保持装置194は、丸棒状の第1永久磁石196からなる。
第1永久磁石196は、ガイドボード104の正面側の硬貨口106の側方に水平に固定されたブラケット198の貫通孔202に当該第1永久磁石196の一端部を挿通して止めねじ200によって固定し、他端部の先端204をガイドボード104に形成した第3通孔206内に臨ませてあるが、ガイドボード104のベースボード102側内面よりは突出していない。換言すれば、第1永久磁石196の先端は硬貨口106下方の硬貨通路132には突出していない。
第3通孔206は図6に示すように、固定投入口構成体162と第1待機位置SP1に位置する硬貨規制体174との最短距離を結ぶ第1直線SL1の側方に面するように形成される、換言すれば、第1永久磁石196の先端204は第1直線SL1の側方に位置する。
この構成により、鉄板等の安価な材料で製造された偽硬貨が投入された場合、第1永久磁石196の磁力によって当該偽硬貨は吸着され、それ以上落下できない。すなわち鉄製等の偽硬貨は第1永久磁石196の磁力によってガイドボード104の内面に圧接された摩擦力が、重力による落下力を上回り、落下できない状態になる。例え当該偽硬貨を硬貨口106に押し込んだ場合であっても、押し込み出来なくなった後は当該磁力によるガイドボード104の内面にとの間の摩擦力によって落下することができない。
次ぎに大径硬貨用クレードル110を主に図7及び図8を参照して説明する。
大径硬貨用クレードル110は、硬貨口106に投入され、硬貨規制体174と固定投入口構成体162との間を落下した大径硬貨LCを保持すると共に、横方向に案内する機能を有する。したがって、大径硬貨用クレードル110は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例の大径硬貨用クレードル110は、第1係止体207及び第2係止体209を含んでいる。
第1係止体207は、投入された大径硬貨LCを第2係止体209と共同して保持し、かつ、保持した大径硬貨LCを横方向へ移動させる機能を有する。
本実施例において、第1係止体207は固定投入口構成体162と共用している。詳述すれば、固定投入口構成体162を構成する円筒部168の周面180が第1係止体207を構成する。第1係止体207と固定投入口構成体162とを共用にすることにより、設置スペースの削減による小型化、及びコスト低減の利点がある。
第2係止体209は、投入された大径硬貨LCを第1係止体207と共同して保持、かつ、保持した大径硬貨LCを横方向へ移動させる機能を有する。
第2係止体209は、第2軸170のガイドボード104の表面側において一端を回動自在に支持された第2レバ208の他端部を直角に折り曲げ、ガイドボード104に、第2軸170を中心として形成された弧状の第4通孔210を貫通して硬貨通路132を横断し、ベースボード102に形成された第4通孔210に相対して同形状に形成された第5通孔212に突出している棒状の支え体214である。
第2レバ208は第2付勢装置216によって図1及び図8において時計方向に回動されるよう付勢される。
第2付勢装置216は第3スプリング218でありその一端は第2レバ208の側面から横向きに突出する係止ピン222に係止され、他端は回動レバ178の係止孔191に係止されている。本実施例において、第3スプリング218は第2スプリング190と共用、換言すれば、第1付勢装置188と第2付勢装置216とは共用している。したがって、第2スプリング190(第3スプリング218)は、回動レバ178及び第2レバ208に対して図7において時計方向へ回動するよう付勢している。
本実施例において、第3スプリング218による第2レバ208に対する付勢力は、支え体214が第2待機位置SP2に位置する時が最も小さく、順次大きくなるように設定されている。大径硬貨LCが支え体214と第1係止体207とによって保持された場合、第2レバ208の回動を円滑に行い、大径硬貨LCの選別を精度良く行うため、及び、第2レバ208の第2待機位置SP2への復帰動を素速く行うためである。第2レバ208の復帰動が素速い場合、大径硬貨LCに連続して投入された小径硬貨SCをも精度良く選別することができるからである。
第2レバ208は、第3スプリング218の付勢力によって、図7において時計方向のモーメントを付与され、第5通孔212の上端縁である第2ストッパ226に係止されて静止状態に保たれている。この静止位置が大径硬貨用クレードル110の第2待機位置SP2である。
なお、第3スプリング218は、第2スプリング190とは独立して設けることができ、スプリングではなく重り又は磁石の吸引力若しくは反発力等を利用した付勢装置によって代替えすることができる。しかし、本実施例のように、硬貨規制体174の付勢用の第2スプリング190と第3スプリング218とを共用にすることにより、硬貨規制体174に対する付勢力は大径硬貨規制位置MP1へ近づくほど大きくなり、投入された大径硬貨LC又は小径硬貨SCを固定投入口構成体162へ押し付けることができるので、選別すべき硬貨の位置を固定投入口構成体162に接触した一定位置にすることができ、硬貨の落下位置が一定に保たれ、硬貨選別の正確性を高めると共に、部品数が減少するのでコストを低減できる効果がある。
第2レバ208は、第4通孔210及び第5通孔212の範囲内において移動可能である。換言すれば、支え体214は、第2待機位置SP2から、固定受入口構成体162の大凡真下位置、詳しくは、図6に図示するように固定受入口構成体162の外周縁の下方の大径解放位置RP1まで移動可能である。
さらに換言すれば、図8に示すように第2レバ208は支え体214の上端が第2軸170の中心を通る水平線HLのわずか下方位置において第2ストッパ226に係止されて第2待機位置SP2に静止される。この第2待機位置SP2は、図6に示すように支え体214の上端が水平線HLから僅かに下がった硬貨規制体174の直ぐ下方位置において設定するのが好ましい。大凡垂直に落下する大径硬貨LCの直径による選別精度を高めるためである。この状態において、支え体214は硬貨規制体174よりも固定投入口構成体162からの直線距離が長く、硬貨口106に投入された大径硬貨LC又は小径硬貨SCに対して硬貨規制体174の影になる位置に設定されることが好ましい。硬貨口106に勢いをつけて投入された小径硬貨SCが、大径硬貨用クレードル110によって横方向へ移動されることを防止するためである。
次ぎに、第1係止体207たる固定投入口構成体162を主に図6及び図8を参照して説明する。
固定投入口構成体162は、スリット形の硬貨口106の短辺の一方を画定すると共に、支え体214と共に大径硬貨用クレードル110を構成する機能を有する。
本実施例において、固定投入口構成体162は全体として円柱状の周面180を有し、一部に平坦部172を形成した軸線に対し直交方向の断面がD形状を有する。
具体的には、金属製の円筒体234の一部を切削して平坦部172を形成し、当該平坦部172が支え体214側に向かって斜め下向きに配置されている。
第2待機位置SP2に位置する支え体214と円筒体234の周面180とは第4距離L4の長さ離れている。
この第4距離L4は、受け入れるべき大径硬貨LCの直径よりも僅かに小さい。換言すれば、第4距離L4は10円硬貨の直径よりも僅かに小さい。
したがって、受け入れるべき大径硬貨LCは支え体214と固定投入口構成体162の円弧状の周面180間を通過することができない。換言すれば、真正の大径硬貨LCは大径硬貨用クレードル110の第1係止体207と第2係止体209によって保持された後、横方向へ移動されて選別される。
すなわち、選別されるべき大径硬貨LCは周面180と支え体214との間に支えられて保持され、第2レバ208には支え体214に作用する大径硬貨LCの重量によって、図8において反時計回り方向のモーメントが作用する。
このモーメントは、大径硬貨LCが正貨である場合、第3スプリング218(第2スプリング190)による時計回りのモーメントよりも大きく設定されるので、真正の大径硬貨LCは第2レバ208の回動と共に固定投入口構成体162回りを反時計方向へ円弧状に移動される。
第2レバ208が第2待機位置SP2から大凡45度回動して大径解放位置RP1に近づいた場合、大径硬貨LCの周面が相対する固定投入口構成体162の周面は、平坦部172になり、支え体214と平坦部172との間の直線距離は第5距離L5となり、大径硬貨LCの直径よりも大きくなる。
第5距離L5は大径硬貨LCの直径よりも大きいので、大径硬貨LCは自己重量による転動力によって第2レバ208の回動方向へ向かって支え体214上から転げ落ちる。換言すれば、真正の大径硬貨LCは大径硬貨用クレードル110によって横方向へ移動(転動)される。
次ぎに大径硬貨LCのための大径硬貨ガイドレール116を主に図5、6及び図10を参照して説明する。
大径硬貨ガイドレール116は、大径硬貨用クレードル110から転がり落ちた大径硬貨LCを下流へ案内する機能を有する。
したがって、大径硬貨ガイドレール116は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例において、大径硬貨ガイドレール116は、ベースボード102に形成された五角形状の大径硬貨LC用の透孔238の直線状の透孔下縁242に沿って配置されている。
本実施例において、大径硬貨ガイドレール116は、ガイドボード104の裏面からベースボード102へ向かって所定量横向きに突出する第1大径ガイドレール244及びベースボード102側に形成された第2大径ガイドレール246により構成されている。しかし、第2大径ガイドレール246は必要に応じて設ければよい。換言すれば、第1大径ガイドレール244のみで大径硬貨ガイドレール116を構成することが出来る。
また、ベースボード102のガイドボード104側の透孔238の下側の側面には保護プレート232を貼付することが好ましい。
まず第1大径ガイドレール244が説明される。
第1大径ガイドレール244はガイドボード104の下端部からベースボード102側へ透孔238の透孔下縁242に沿って所定巾で細長板状に突出し、ベースボード102側へ向かって前下がりに傾斜すると共に硬貨の進行方向に対しても前下がりに傾斜している。換言すれば、第1大径ガイドレール244は大径硬貨LCの転動方向に対し前下がりであって、かつ、ベースボード102に近づくほど下降するように傾斜している。
以下、大径硬貨LCの転動方向の傾斜を「長手方向傾斜」、ベースボード102側への傾斜を「短手方向傾斜」という。
具体的には、第1大径ガイドレール244は柱状であって、かつ、図10に示すように断面形状が台形状であって、ガイドボー104と一体に形成され又は別体に形成されて一体化されている。
具体的には、第1大径ガイドレール244は、長手方向傾斜が約20度の角度で傾斜している。換言すれば、第1大径ガイドレール244は大径硬貨用クレードル110から遠ざかるにしたがって一定比率で前下がりになるように形成されている。
一方、短手方向傾斜は約30度の角度で傾斜している。換言すれば、第1大径ガイドレール244はベースボード102に近づくにしたがって一定比率で前下がりになるよう傾斜している。
この構成により、第1大径ガイドレール244上を転動する大径硬貨LCは、長手方向傾斜によって第1大径ガイドレール244上を大径硬貨用クレードル110から遠ざかる方向に転動しつつ、短手方向傾斜によって(硬貨面に対する)横方向へ移動しつつ転動するので、ついには大径硬貨LCは第1大径ガイドレール244上から落下する。
第1大径ガイドレール244は、所定の幅、好ましくは、大径硬貨LCの厚みの約2倍の幅、換言すれば、硬貨通路132の幅と一致して形成されることが好ましい。しかし、第1大径ガイドレール244の先端は透孔238内に突出させることができるが、後述の大径硬貨LCの垂立通路294の厚みを増加させねばならないので、透孔238内に突出させない方が好ましい。
次に第2ガイドレール246を説明する。
第2大径ガイドレール246は、大凡ベースボード102の透孔238を構成する透孔下縁242の構成部分によって構成されている。本実施例においては、ベースボード102の裏側において固定された金属製の保護プレート232によっても構成されているが、保護プレート232は必要に応じて設けられるので、必須の構成ではない。
ベースボード102の透孔下縁242の上端は、ベースボード102の裏側へ向かって前下がりに傾斜する直線状の斜面288に形成されている。以下、この傾斜も短手方向傾斜といい、傾斜角度は約60度である。
保護プレート232の上端も斜面288に連続する斜面に形成されている。
保護プレート232は、図5に示すように倒立台形であって、ベースボード102の表面側に接着等により固定され、その上端縁は透孔下縁242に重なっている。
斜面288は、平面視で大径硬貨LCの大凡一枚分の厚みである。
第2大径ガイドレール246は、第1大径ガイドレール244の直ぐ下方にその上端が配置されているので、第1大径ガイドレール244と第2大径ガイドレール246とは、平面視、一枚板状に見える。
詳細には、第2大径ガイドレール246の延長線ELは、第1大径ガイドレール244に交差するように配置されている。
換言すれば、第1大径ガイドレール244の短手方向下端に対し第2大径ガイドレール246の短手方向上端とが段差をなした階段状に形成されている。
そして、第1大径ガイドレール244の短手方向の下端と垂立面250とは滑らかな曲線によって接続されている。大径硬貨LCが第1大径ガイドレール244から落下する際、大径硬貨LCの面が円滑に案内されてスムーズに落下できるようにするためである。
次ぎに透孔238を主に図5を参照して説明する。
透孔238は、選別された真正の大径硬貨LCが大径硬貨出口252へ案内される大径硬貨通路254の入口256としての機能を有する。換言すれば、透孔238は、下方の大径硬貨通路254に落下するための落下口258である。
さらに、透孔238は、大径硬貨LCを確実に落下させるため、大径硬貨LCの直径部全体が透孔238に相対しない状態では透孔238に落下しないように後述の案内体270と協働して大径硬貨LCの落下を制御する機能を有している。
透孔238は、全体として台形状であり、詳細にはその透孔下縁242は直線状であり、大径硬貨LCの直径に対し約二倍の長さを有し、大径硬貨用クレードル110側から大径硬貨LCの転動方向下流に向かって前下がりに形成されている。換言すれば、透孔下縁242は、第1大径ガイドレール244の僅か下方において当該第1大径ガイドレール244と平行に斜めに形成されている。
透孔上縁262は、全体として波形に形成され、大径硬貨LCが転動する硬貨通路132の上流側から下流側に向かって、最小の第1高さH1から小さな増加率で拡大する小増加部264、その小増加部264に続いて、小増加部264よりも大きな増加率で拡大する大増加部266が形成されて第2高さH2に形成され、次いで順次小減少率で第3高さH3になるまで低くなる減少部268とによって形成されている。
第3高さH3部は、透孔下縁242に対し直角に上方に延在する下流縁272の高さである。
第1高さH1は上流縁273の高さであり、大径硬貨LCの半径よりも僅かに小さく、第2高さH2は大径硬貨LCの直径とほぼ同一の高さであり、第3高さH3は大径硬貨LCの半径よりも僅かに大きく設定されている。
次ぎに案内体270を説明する。
案内体270は、後述の大径硬貨通路体286の垂立部282から横向きにベースボード102側に向かって突出する板状の突起であり、小増加部264に相対した位置において透孔238に突出し、案内体270の案内端面278は、平坦であって、かつ、ベースボード102の硬貨通路132を構成する壁面と同一の平面内に配置される。換言すれば、案内端面278は大径硬貨LCの硬貨通路132を構成している。
案内体270と透孔上縁262とで落下規制装置279を構成している。
落下規制装置279は、大径硬貨LCが後述する大径硬貨通路254に円滑に落下するように規制する機能を有する。
本実施例においては、特に透孔上縁262が前述のように形成されているため、大径硬貨LCは当該第1大径ガイドレール244のベースボード102側への短手方向への傾斜によって、ベースボード102に大径硬貨LCの面部が案内されつつ転動するが、小増加部264に相対している間、転動する大径硬貨LCは、その中心の下側は案内体270の案内端面278によって案内され、かつ、中心よりも上方の面は小増加部264に相対するベースボード102に面接触し、さらに、その下端部後ろ側部は同様にベースボード102によって案内されるので、透孔238内に進入することができない。
大径硬貨LCが透孔上縁262の大増加部266に相対した場合、案内端面278は存在せず、かつ、大径硬貨LCの中心よりも上側の面とベースボード102との接触部が徐々に減少すると共に大径硬貨LCの転動方向の全体が透孔238に相対するので、大径硬貨LCは第1大径ガイドレール244のベースボード102側への短手方向傾斜によって、ベースボード102の裏面方向へ滑り落ちることが可能になり、その下端部が透孔238内へ進行する。
次いで大径硬貨LCの下端は第2大径ガイドレール246上へ移った後、その第2大径ガイドレール246の傾斜によって、その上からも落下する。状況によっては、大径硬貨LCは第2大径ガイドレール246上に落下せずに大径硬貨通路254へ落下することもある。
これにより、大径硬貨LCは透孔238内へ落下し、ベースボード102に対し第2側280である裏面側の大径硬貨通路254へ案内される。
次ぎに逸らせ体274を主に図5及び図9を参照して説明する。
逸らせ体274は、大径硬貨LCが大径硬貨ガイドレール116上を転動している最中に透孔238に落下しない場合、強制的に透孔238内に進行(落下)するよう案内する機能を有する。
したがって、逸らせ体274は同様の機能を有する構成全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例において、逸らせ体274は、下流縁272からガイドボード104側、かつ、硬貨転動の上流側に向かって斜めに延在している小さな矩形板276である。
矩形板276はベースボード102と一体又は別体に、樹脂又は板金成型され、接着、スクリュウ等によってベースボード102に一体化され、その先端は、ガイドボード104に形成された開口277に突入されている。
大径硬貨LCが仮に透孔238に落下しなかった場合、大径硬貨LCの前側周面が逸らせ体274に衝突する。
これにより、大径硬貨LCの先端は逸らせ体274のベースボード102へ近づく方向の傾斜によって、ベースボード102側へ強制的に移動されるので、大径硬貨LCの下端部は透孔238内へ進行し、その後落下する。
次に大径硬貨通路254主に図2及び図11を参照して説明する。
大径硬貨通路254は、大径硬貨用クレードル110によって選別された後、透孔238に落下した大径硬貨LCを所定位置に案内する機能を有する。
したがって、大径硬貨通路254は同様の機能を有する構成の全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された構成から当業者が推考しうる技術的思想の範囲を含むものである。
本実施例において、大径硬貨通路254はべースボード102の背面側、換言すれば、ベースボード102に対し第2側280に形成される。
具体的には、大径硬貨通路254は、べースボード102の背面側に板状の垂立部282と板状の水平部284とにより倒立T字形状をしている板状の大径硬貨通路体286を固定することにより形成されている。
垂立部282の左右側縁には大径硬貨LCの厚みの約2倍の突出量の左側壁288及び右側壁292が形成されているが上端は開口されている。
垂立部282、左側壁288及び右側壁292によって上下方向に延在する垂立通路294が形成される。
右側壁292は透孔238の下流縁272に相対して形成されている。換言すれば、大径硬貨ガイドレール116上を転動する大径硬貨LCの進行方向に対し直角をなすよう形成されている。
左側壁288は上流縁に相対して配置され、下方に行くにしたがって順次右側壁292に近づくよう形成され、最下端部は大径硬貨LCの直径よりも僅かに大きくして、大径硬貨LCの大径硬貨出口252を構成している。
水平部284の幅は、ベースボード102の幅よりも僅かに狭く形成され、その水平部下端はベースボード102の下端と一致する位置に設定されている。水平部284の左右端部からそれぞれベースボード102側に向かって第2左側壁298、第2右側壁302が突出形成され、大径硬貨出口252の下方に連なる板状の空間304を画定形成する。
空間304の下端面は解放され、大径硬貨落下口306が形成される。
大径硬貨落下口306の下端に連続して第2通路504が形成され、硬貨保留装置20の一部を構成する第2硬貨保留装置508が配置されている。
この構成により、透孔238から落下した大径硬貨LCは左側壁288と右側壁292とにより案内されて垂立通路294を落下し、大径硬貨出口252から落下して、後述の第2硬貨保留装置508に保留される。
次に小径硬貨用クレードル112を主に図1及び図6を参照して説明する。
小径硬貨用クレードル112は、小径硬貨SCの直径及び重量によって正貨と偽貨に選別する機能を有する。
したがって、小径硬貨用クレードル112は同様の機能を有する構成の全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例においては、小径硬貨用クレードル112は、従来公知のクレードルを用いることにより、小径硬貨SC(100円硬貨)の直径及び重量を機械的手段により判別し、正貨と偽貨とに選別する機能を有する。
具体的には、大径硬貨用クレードル110を構成する第1係止体207たる固定投入口構成体162と第2係止体209たる第2レバ208の支え体214との間を通過した小径硬貨SCが、小径硬貨用クレードル112に保持された場合、小径硬貨用クレードル112がその重量によって横方向へ転動され、小径硬貨SCを後述の小径硬貨ガイドレール118へ案内する。
小径硬貨用クレードル112は、大径硬貨用クレードル110の直下の硬貨通路132に配置されている。
小径硬貨用クレードル112は、小径硬貨クレードル本体312、一対の第3係止体316及び第4係止体318及び小径付勢体320を含んでいる。
小径硬貨クレードル本体312は、板金製であり、ガイドボード104の第1側321である表面側に横向き水平に突出固定された支軸としての第3軸314に回転自在に支持され、ガイドボード104と平行な垂立平面内において回転可能である。
第3係止体316及び第4係止体318は、小径硬貨クレードル本体312から第3軸314を挟んで反対方向に延在する一対の棒体の先端部をベースボード102側に折り曲げて形成され、大径硬貨用クレードル110の直ぐ下方に、所定の第6距離L6で配置された第1爪324及び第2爪326によって構成されている。
第6距離L6は、真正の小径硬貨SCが第1爪324及び第2爪326によって保持された後、小径硬貨用クレードル112が回動され、図6において当該小径硬貨SCの軸心が第2爪326よりも右方へ移動し、自重によって転動可能になった場合、自身の転動力によって当該第2爪326上から転げ落ちることが可能に設定される。この小径硬貨用クレードル112の回動位置が小径解放位置RP2である。
第3係止体316(第1爪324)は、第3軸314の上方において当該第3軸314を中心にガイドボード104に弧状に形成された第6通孔328を通って硬貨通路132に突出している。
第4係止体318(第2爪326)は、第3係止体316と同様にガイドボード104に弧状に形成された第7通孔332を通って硬貨通路132に突出している。
これにより、大径硬貨用クレードル110に係止されずに落下した真正の小径硬貨SCは、第3係止体316(第1爪324)と第4係止体318(第2爪326)とによって保持(載置)される。
小径付勢体320は、本実施例では錘322である。
小径硬貨用クレードル112は、小径硬貨SCが載置されない状態において、錘322によって図1において反時計方向(図6においても反時計方向)のモーメントを受け、反時計回りに回動されると共に、第4係止体318(第2爪326)が第7通孔332の上端縁たる第3ストッパ334に係止され、第3待機位置SP3に静止される。
小径硬貨用クレードル112に所定直径及び所定重量の真正の小径硬貨SCが保持された場合、当該小径硬貨SCの重量によって小径硬貨用クレードル112は図1において時計方向に転動され、小径硬貨SCの重心が第4係止体318の外方(図6において右方)へ移動した場合、当該小径硬貨SCは自重による転動力によって転がって、第4係止体318から斜め右下方へ落下する。
小径硬貨SCが小径硬貨用クレードル112から落下した場合、錘322によるモーメントによって、小径硬貨用クレードル112は第3待機位置SP3に戻される。
次に小径硬貨リミッタ114を主に図1及び図6を参照して説明する。
小径硬貨リミッタ114は、小径硬貨用クレードル112によって横方向に転向された小径硬貨SCが受け入れることが出来ない直径であることを判別する機能を有する。
換言すれば、受け入れるべき正貨の大径硬貨LCよりも小径であるが、受け入れるべき正貨の小径硬貨SCよりは大径の受け入れるべきでない偽小径硬貨を排除する機能を有する。
したがって、小径硬貨リミッタ114は同様の機能を有する構成の全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例において、小径硬貨リミッタ114は、ガイドボード104の表面側から横向きに突出する第4軸336に回動自在に支持されたL形の規制レバ338である。規制レバ338の先端はべースボード102側へ横向きに折り曲げられ、大凡水平に配置された棒状の規制体342を有し、ガイドボード104の第8通346及びベースボード102の透孔238の小増加部264に対応する部分を貫通し、小径硬貨用クレードル112の直ぐ下流の小径硬貨通路344を横断している。
本実施例において、小径硬貨用クレードル112の直ぐ下流とは、図6に示すように、小径硬貨用クレードル112の第3待機位置SP3における第4係止体318に対して直上の僅かに下流側に配置されている。
規制レバ338は、自重によって図1において反時計方向の自己モーメントを有し、規制体342が第8通孔346の端縁348に係止された状態で静止される。この規制レバ338の静止位置が第4待機位置SP4である。
第4待機位置SP4に位置する規制体342は、小径硬貨用クレードル112が保持した小径硬貨SCの重量によって転動した場合、小径硬貨SCの小径解放位置RP2における第4係止体318との第7距離L7が、真正の小径硬貨SCの直径よりも僅かに大きい間隔に設定されている。
規制体342は、第8通孔346内において移動できる。
この構成によって、小径硬貨用クレードル112に支持された小径硬貨SCであっても、真正の小径硬貨SCよりも僅かに大径の偽小径硬貨は規制体342と第4係止体318との間を通過することができず、その位置において滞留する。
次に小径硬貨ガイドレール118を主に図1及び図6を参照して説明する。
小径硬貨ガイドレール118は、小径硬貨用クレードル112によって横方向に転向(移動)された小径硬貨SCを所定方向へ案内する機能を有する。
したがって、小径硬貨ガイドレール118は同様の機能を有する構成の全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例において小径硬貨ガイドレール118は、図6に示すように小径硬貨用クレードル112の横方向の斜め下方に位置調整自在に配置された、所定の長さ、すなわち、大凡小径硬貨SCの直径よりも僅かに短かく構成された矩形の案内体352である。
案内体352は、その表側に突出するスライダ350がガイドボード104の下端部に形成された小径硬貨用クレードル112から離れるにしたがって斜め下方向に前下がりに傾斜する直状の長孔である第9通孔354内においてスライド可能に挿入され、所定位置でガイドボード104にスクリュウ356により固定される。
案内体352は、ベースボード102の左サイドボード134と右サイドボード136の中間に配置され、その下流側にはその下流端と右サイドボード136との間に小径硬貨SCの直径以上の距離、好ましくは小径硬貨SCの直径の約1.5倍の距離が存する小径硬貨落下口358が形成されている。
案内体352は、ポリアセタール等の耐摩耗性を有する樹脂で成形されているが、金属であってもよい。
案内体352の上面は、小径硬貨SCの厚みとほぼ同一の幅を有し、小径硬貨SCの転動方向に対して前下がりの直線状斜面を呈している。
小径硬貨用クレードル112から落下した小径硬貨SCは案内体352の上面359に落下し、その上を転動した後、小径硬貨落下口358に落下する。
次にアンビル122が図6を参照して説明される。
アンビル122は、案内体352によって案内された小径硬貨SCを跳ね返らせて所定方向へ案内する機能を有する。
したがって、アンビル122は同様の機能を有する構成の全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例においてアンビル122は、スクリュウ359によってベースボード102の下端部の右サイドボード136に隣接した位置に固定されている。
アンビル122は、横向き五角形の山形形状であり、小径硬貨ガイドレール118に面する、換言すれば小径硬貨落下口358の下方に位置する上向きの第3斜面360を有する。案内体352から落下した小径硬貨SCは、第3斜面360に所定の速度で衝突し、上向きの反対方向、換言すれば、小径硬貨ガイドレール118の下側に向かって跳ね返る。
小径硬貨SCの正貨たる100円硬貨がアンビル122に衝突し、跳ね返った場合、当該100円硬貨は、左サイドボード134側へ向かって所定量跳ね返り、小径硬貨SCの正貨通路362であり、かつ、小径硬貨SCを保留するための保留通路たる第1通路502に達する。換言すれば、正貨通路362と第1通路502とは同一通路を表すが、機能的には第1金種硬貨C1を保留するため通路であるので、第1通路502を主に用いる。
第1通路502に保留された第1金種硬貨C1は、下端の小径硬貨正貨口364から落下する。正貨でない場合、アンビル122に近い偽貨通路368に達し、その下端の第1金種返却口567から落下する。
次に硬貨制動装置124を主に図1及び図6を参照して説明する。
硬貨制動装置124は、小径硬貨ガイドレール118によって案内された後の小径硬貨SCの速度を減速する機能を有する。
したがって、硬貨制動装置124は同様の機能を有する構成の全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例において、硬貨制動装置124は従来公知の永久磁石374によって構成されている。
すなわち、硬貨通路132の側方に永久磁石374を配置することにより、着磁性を有する硬貨Cを引き寄せ、硬貨通路132を構成するガイドボード104との摺動抵抗を増加させることにより、当該硬貨Cの移動(転動)速度を減速するものである。
硬貨制動装置124は、磁石保持体376及び永久磁石374を含んでいる。
磁石保持体376は、大凡矩形の板状であり、図3において明らかなように、ガイドボード104の外側に並列配置され、その右端部の第3軸受378、第4軸受382に第1軸152を貫通させて縦軸回りに回動自在に支持され、第1スプリング154の一端を係止することによって、ガイドボード104に近づくように回転力が付与されている。
磁石保持体376の中間の下端部にベースボード102側に突出する矩形箱形の磁石保持部380が形成され、当該磁石保持部380の内底部に永久磁石374が固定されている。
磁石保持部380の小径硬貨通路344側は、垂立平面状に形成された平坦部384に形成され、小径硬貨SCの転動方向において小径硬貨ガイドレール118とほぼ同程度の長さを有し、案内体352と平行に配置され、その硬貨転動方向の上流側端部は、案内体352の中央部に相対し、下流側端部は案内体352よりも下流に位置し、下端縁は案内体352の上面359の直上に配置されている。
磁石保持部380に相対するガイドボード104には第10通孔386が開口され、磁石保持部380が挿入されて、永久磁石374の磁力線が硬貨通路132に効率的に作用するようにしてある。
平坦部384は、通常、小径硬貨通路344に対し平行をなすよう位置調整装置388によって調整される。
次に位置調整装置388を主に図1及び図3を参照して説明する。
位置調整装置388は、磁石保持体376の表面先端部から上方へ向かって延長された第1ステー392、調整ねじ394及びベースボード102の上端部中央に配置した突き当て部396により構成されている。
第1ステー392の上端部にはネジ孔393が形成され、棒状の調整ねじ394がねじ込まれ、ガイドボード104に一体に構成された突き当て部396側へ向かって進退可能にねじ込まれている。
突き当て部396は、ベースボード102が樹脂により成型される場合、金属製円柱状の受け床398が埋め込まれ、調整ねじ394の先端が受け床398の平端面に当接するように構成される。
この構成により、調整ネジ394の先端が受け床398の平端面に突き当てられることにより、第1軸152を支点に第1スプリング154によってべースボード102に近づくよう付勢されている磁石保持体376の回動を停止させ、べースボード102との間隔を調整することにより、換言すれば小径硬貨通路344を転動する小径硬貨SCとの距離を調整することにより、真正な小径硬貨SCに適当な制動力を付与し、アンビル122による跳ね返り量を調整し、正貨通路362へ到達するように調整する。
次ぎにリジェクト装置402が主に図1及び図6を参照して説明される。
リジェクト装置402は、投入された硬貨が硬貨通路132又は小径硬貨通路344において(ジャムした)滞留した場合、具体的には、磁性偽貨保持装置194の第1永久磁石196に偽貨が吸着された場合、大径硬貨用クレードル110に保持され続けた場合、小径硬貨用クレードル112に保持された偽貨が所定の重量を有さないため小径硬貨用クレードル112が転動しない場合、若しくは小径硬貨リミッタ114に偽小径硬貨が転動を阻止された場合、それら滞留硬貨を落下させる機能を有する。
したがって、リジェクト装置402は同様の機能を有する構成の全てを含み、本実施例に限られるものではなく、少なくとも本実施例に開示された技術的思想から当業者が推考しうる範囲を含むものである。
本実施例において、リジェクト装置402は第1リジェクトピン404及び第2リジェクトピン406を含んでいる。
第1リジェクトピン404及び第2リジェクトピン406は、前記滞留硬貨を落下させるため、ガイドボー104がベースボード102から離れるように移動された場合、当該滞留硬貨を硬貨通路132に留め置く機能、換言すれば、滞留硬貨が磁性偽貨保持装置194、大径硬貨用クレードル110、小径硬貨用クレードル112又は小径硬貨リミッタ114と共に移動することを防止する機能を有する。
第1リジェクトピン404は、第1ステー392と一体に大凡対称に形成した第2ステー408の先端をベースボード102側に向けて屈曲させた直状の棒体によって構成されている。
第2リジェクトピン406は、磁石保持体376の先端から下方に延在する第3ステー412の先端をベースボード102側に向けて屈曲させた直状の棒体によって構成されている。
第1リジェクトピン404の先端は、図7に示すように硬貨口106の直下の第1永久磁石196の側方であって、かつ、第2レバ208の直上に相対して形成された第11通孔414を通って硬貨通路132の側方に配置されている。
第2リジェクトピン406の先端はガイドボード104に形成された長孔形状の第12通孔416を貫通し、図6に示すように第3待機位置SP3における第1爪324と第2爪326との上端を直線で結んだ第2直線L2の僅か上方における硬貨通路132の側方に静止される。
したがって、第1リジェクトピン404及び第2リジェクトピン406の先端は、硬貨通路132には突出しないので、投入された硬貨と係合することはない。
この構成によって、ガイドボード104が回動された場合、当該ガイドボード104の所定の回動範囲内ではガイドボード104のみが回動し、磁石保持体376は静止状態に保持される。結果として、相対的に第1リジェクトピン404が硬貨口106の直下の硬貨通路132側に突出し、及び第2リジェクトピン406が相対的に小径硬貨用クレードル112における硬貨通路132側に突出する。
これにより、例えば固定投入口構成体162と硬貨規制体174との間に挟まれて静止している偽の大径硬貨は、相対的に第1リジェクトピン404によって、その面をベースボード102側に押されて固定投入口構成体162と硬貨規制体174上から外される結果、自重によって落下し、後述のキャンセル通路428に落下して後、顧客に対する返却口へ戻される。
一方、第1爪324と第2爪326との間に保持された、又は、小径硬貨リミッタ114によって移動を阻止された偽の小径硬貨は第2リジェクトピン406によって押し出され、それらの間から外されて落下させられ、前述同様にキャンセル通路428に落下して後、返却口へ戻される。
次に振分体126を主に図6を参照して説明する。
振分体126は、アンビル122によって跳ね返った小径硬貨SCを小径硬貨正貨口364又は第1金種返却口567に案内する機能を有する。
振分体126はL形棒状であってべースボード102の下端部背面中央において水平方向に延在する第13通孔418を貫通した状態において、図示しないスクリュウをべースボード102にねじ込むことにより位置調整可能に固定されている。
スクリュウを緩めることにより、第13通孔418の範囲において、振分体126を図6において右又は左方向に位置調整可能である。
図6において、振分体126の左側が小径硬貨正貨口364であり、右側が第1金種返却口567である。
したがって、通常、小径硬貨SCが100円硬貨である場合、アンビル122の第3斜面360によって跳ね返った100硬貨は、振分体126の左側に達する。達しない場合であっても、100円硬貨の重心よりも右側下の硬貨周面が振分体126に当たった場合、小径硬貨正貨口364へ案内される。小径硬貨正貨口364から落下した100円硬貨は第1通路502へ案内され、第1硬貨保留装置506によって保留される。偽貨である場合、跳ね返り量が小さく、振分体126の右側の第1金種返却口567に落下する。
第1金種返却口567から落下した偽の小径硬貨は、後述のキャンセル通路428を経由して返却口(図示せず)へ戻される。
次にキャンセル装置128を主に図2又は図3を参照して説明する。
キャンセル装置128は、リジェクト装置402を作動させる機能、還元すれば、硬貨通路132においてジャムした硬貨をキャンセル通路428へ落下させる機能を有する。
キャンセル装置128は、キャンセルレバ422、押動棒424、ガイドボード104に形成されたカム面426及び戻しスプリング430を含んでいる。
まずキャンセルレバ422を説明する。
キャンセルレバ422は、べースボード102の背面に固定した支軸としての第5軸432に回動自在に取り付けられると共に戻しスプリング430によって図2において時計方向へ回動力を付与され、通常、水平状態(ベースボード102の上縁に一致した位置)において図示しないストッパによって静止される。
次に押動棒424を説明する。
押動棒424は、キャンセルレバ422の先端部側面からべースボード102の第14通孔434を貫通してガイドボード104側へ突出する棒体である。押動棒424の先端は半球形に形成され、ガイドボード104の静止位置におけるカム面426に近接配置される。
押動棒424の貫通位置は、硬貨通路132を外れており、硬貨の進行(転動)に対し何ら悪影響を及ぼさない。
次にカム面426を説明する。
カム面426はガイドボード104の背面に形成され、第5軸432を中心とし、かつ押動棒424に相対する位置において所定の幅(円弧運動を行う押動棒424が回動しても接触を継続し得る幅)を持った垂立溝状に形成され、下側ほどべースボード102に近づく斜面に形成されている。
換言すれば、キャンセルレバ422を下方に押し下げた場合(図2おいて反時計方向に回動させた場合)、キャンセルレバ422から突出する押動棒424がガイドボード104の裏面に形成したカム面426を押すので、ガイドボード104は第1軸152を支点にべースボード102から離れるように回動される。
この回動範囲においてガイドボード104は、磁石保持体376には当接しないように設定されている。
この回動によって、第1リジェクトピン404及び第2リジェクトピン406は、相対的に滞留した硬貨を前述のように押し出してリジェクトすることができる。
次にキャンセル通路428を主に図11を参照して説明する。
キャンセル通路428は、キャンセルレバ422の操作によって硬貨通路132から落下させられた偽の大径硬貨、偽の小径硬貨又は硬貨通路132に詰まった(ジャムした)正貨の大径硬貨LC若しくは小径硬貨SCを第1金種返却口567に並置されたキャンセル落下口436へ案内する機能を有する。
キャンセル通路428は、ガイドボード104の下方においてべースボード102に固定された案内樋438によって構成される。
案内樋438は、小径硬貨用クレードル112の下方において、べースボード102から離れる方向に下向きに傾斜する第4斜面442が形成され、その下方の右サイドボード136側、換言すれば第1金種返却口567に並んだ位置へ所定の角度で傾斜するキャンセルガイドレール444を有する。
キャンセルガイドレール444に続く第1金種返却口567に相対する反べースボード102側にはキャンセル落下口436が形成されている。
キャンセルレバ422が押し下げられ、硬貨通路132から落下する硬貨は、第4斜面442によって案内されて案内樋438内に落下した後、キャンセルガイドレール444上を転動した後、キャンセル落下口436から落下して返却口(図示せず)に戻される。
次に本実施例の硬貨選別装置100の作用を図12〜図15をも参照しつつ説明する。
まず、受け入れすべき大径硬貨LCである10円硬貨10Cが硬貨口106に投入された場合が説明される。
硬貨口106に投入された10円硬貨10Cは、固定投入口構成体162の周面180と硬貨規制体174によって挟まれる。詳述すれば、10円硬貨10Cが固定投入口構成体162側に寄せられて投入された場合、10円硬貨10Cの周面は固定投入口構成体162の周面180に最初に接触するので硬貨規制体174側へ寄せられて、落下する。これにより、10円硬貨10Cは第2スプリング190の弾発力に抗して硬貨規制体174を押しやり、これらの間を落下する。他方、10円硬貨10Cが最初に硬貨規制体174に当接した場合、10円硬貨10Cは硬貨規制体174によって固定投入口構成体162側へ案内されつつ硬貨規制体174を第3軸176を支点に図7において第2スプリング190の弾発力に反して反時計方向へ回動させつつ、又は、回動させずに固定投入口構成体162側へ移動されてその周面が固定投入口構成体162に接触し、最終的に硬貨規制体174を図7において反時計方向へ回動させてそれらの間を落下する。
真正の10円硬貨10Cは、固定投入口構成体162の周面180と支え体214とによって支えられ、それらの間を通過できない(図12参照)。
10円硬貨10Cの重量により、大径硬貨用クレードル110は、第2スプリング190(第3スプリング218)の弾発力に反して図8に示す第2待機位置SP2から大径解放位置RP1へ第2軸170回りに時計方向へ回動される(図13参照)。
これにより、10円硬貨10Cは固定投入口構成体162の周囲を反時計方向へ回動してその周面が平坦部172に相対する。平坦部172と支え体214との第5距離L5は10円硬貨10Cの直径よりも大きいので、10円硬貨10Cは支え体214上から第1大径ガイドレール244上へ落下する。
第1大径ガイドレール244上へ落下した10円硬貨10Cは、その長手方向傾斜によって右サイドボード136側へ向かって転動すると共に、第1大径ガイドレール244の短手方向傾斜によってベースボード102側へ落下する力を受けるが、ベースボード102及び案内体270に凭れつつ転動するので透孔238には落下しない(図14参照)。
10円硬貨10Cが更に第1大径ガイドレール244上をその長手方向に転動した場合、案内体270は無くなり、大増加部266に相対するので、10円硬貨10Cは第1大径ガイドレール244の短手方向傾斜によって横方向へ滑り落ち、透孔238内に落下する。これにより、10円硬貨10Cは第2大径ガイドレール246上を横方向に滑って垂通路294へ落下し、ついには大径硬貨口252を経由して大径硬貨落下口306から落下し、金庫(図示せず)に保留される。
大径硬貨用クレードル110は、10円硬貨10Cが落下した後、第2スプリング190(第3スプリング218)の弾発力によって第2待機位置SP2に戻り、待機状態になる。
次に小径硬貨SCである100円硬貨100Cが投入された場合を説明する。
100円硬貨100Cが投入された場合、前述の10円硬貨10Cが投入された場合と同様に、硬貨規制体174の回動力によって100円硬貨100Cの一部を固定投入口構成体162の周面180に押し付け、この反力によって硬貨規制体174を第3軸176回りに回動させて落下する。
100円硬貨100Cは固定投入口構成体162と支え体214との第4距離L4よりも小さいので、大径硬貨用クレードル110には支持されずにそれらの間を落下した後、小径硬貨用クレードル112の第1爪324と第2爪326とに保持される(図15参照)。
小径硬貨用クレードル112は、保持した100円硬貨100Cの重量によって図6において時計方向へ回動され、所定角度回動した場合、100円硬貨100Cは第4係止体318(第2爪326)上から落下する。
落下した100円硬貨100Cは、小径硬貨ガイドレール118の上面359を転動した後、小径硬貨落下口358からアンビル122に向かって落下する。この転動及び落下途上において、100円硬貨100Cは第2永久磁石374によって引き寄せられるので、ガイドボード104の壁面との摺動によって減速される。
結果として100円硬貨100Cは、アンビル122の第3斜面360に衝突し、逆方向に跳ね返って正貨通路362へ到達した後、小径硬貨正貨口364から落下した後、100円硬貨100Cの金庫に保留される。
なお、10円硬貨10Cと100円硬貨100Cとの金庫を共通にしてもよい。
受け入れすべき大径硬貨LCである10円硬貨10Cよりも所定量以上大径の偽貨は硬貨口106における硬貨規制体174と第1斜面166との間を通過できず、硬貨口106において選別される。換言すれば、この偽貨は、硬貨口106を通過できずに引っ掛かり硬貨口106において滞留する。
この場合、キャンセルレバ422を押し下げてガイドボード104を第1軸152回りに回動させ、第1リジェクトピン404によって当該偽貨を固定投入口構成体162と第1斜面166との間から相対的に押し出し、キャンセル通路428へ落下させてキャンセル落下口436から返却口(図示せず)へ戻す。
10円硬貨10Cよりも小径であって、かつ100円硬貨100Cよりも大径である偽貨が投入された場合、大径硬貨用クレードル110を通過し、小径硬貨用クレードル112の第1爪324と第2爪326に保持される。
小径硬貨用クレードル112は所定量回動するが、規制体342によって係止されて小径硬貨用クレードル112から落下できず、この位置に滞留する。
この場合、キャンセルレバ422を押し下げ、ガイドボード104を第1軸152回りに回動させることにより、当該偽貨を第2リジェクトピン406によって相対的にべースボード102側へ押し出してキャンセル通路428へ落下させ、キャンセル落下口436から落下させて返却口(図示せず)に戻す。
100円硬貨100Cよりも小径の偽貨が投入された場合、小径硬貨用クレードル112の第1爪324と第2爪326に保持されず、さらに下方へ落下する。これにより、第4斜面442によってキャンセル通路428へ案内されて返却口(図示せず)へ戻される。
直径及び重量とも100円硬貨100Cと同様であるが、磁性金属によって製造された偽貨が投入された場合、磁性偽貨保持装置194の第1永久磁石196に吸着され、硬貨口106に滞留する。
この場合、キャンセルレバ422を押し下げてガイドボード104を第1軸152回りに回動させ、第1リジェクトピン404によって当該偽貨を第1永久磁石196から相対的に押動して離すことにより、第1永久磁石196の吸着から解放してキャンセル通路428へ落下させ、キャンセル落下口436から返却口(図示せず)へ戻す。
次に直径及び重量とも100円硬貨100Cと同様であるが、非着磁性金属により製造された偽貨を投入したケースを説明する。
当該偽貨は、前述同様小径硬貨用クレードル112及び小径硬貨ガイドレール118上を転動して第2永久磁石374の側方に達する。
しかし、当該偽硬貨は非着磁性であるため、第2永久磁石374に吸着されることは無いが、第2永久磁石374による制動力が大きくなり、正貨の場合よりも大きく減速される結果、第3斜面360による跳ね返り量が小さく、小径硬貨正貨口364に達することなく第1金種返却口567に落下し、キャンセル通路428を介して返却口(図示せず)に戻される。
100円硬貨100Cの転がり速度のバラツキ等により、完全に小径硬貨正貨口364に達することができず、振分体126上に落下することがある。
この状況において、硬貨の右側の弧状周面が振分体126に接触した場合、その弧状周面の傾斜によって図6において左方へガイドされて小径硬貨正貨口364へ案内される。
100円硬貨100Cの左側の弧状周面が振分体126に接触した場合、図6において右方へガイドされ、第1金種返却口567へ案内される。
振分体126は、第2永久磁石374による不完全な振り分けを補完して正確な硬貨選別に寄与する。
次に硬貨保留装置20を主に図16〜図31を参照して説明する。
硬貨保留装置20は、異なる金種の硬貨をそれぞれ所定数保留し、少なくとも所定金額になった場合に受入れする機能を有し、好ましくは所定金額を保留する以前には保留した硬貨を返却する機能を有することが好ましい。特に、電源を用いることなく異なる金種の硬貨をそれぞれ所定数保留し、受入れる機能を有する。
更には、硬貨選別装置において正貨として選別された第1金種硬貨C1と第2金種硬貨C2をそれぞれ個別に所定数(金額)保留し、少なくとも受入れる機能を有する。
硬貨保留装置20は、第1金種硬貨C1としての小径硬貨SC、本実施例では100円硬貨100Cを所定数保留し、少なくとも受入、好ましくは更に返却する第1硬貨保留装置506、及び、第2金種硬貨C2としての大径硬貨LC、本実施例では10円硬貨10Cを所定数保留し、少なくとも受入、好ましくは更に返却する第2硬貨保留装置508、第3硬貨保留装置510、並びに、第1硬貨保留装置506及び第2硬貨保留装置508、必要に応じ、第3硬貨保留装置510の動きを規制する第1連携装置512、第2連携装置513を有する。
まず第1硬貨保留装置506を図16乃至図22を参照して説明する。
第1硬貨保留装置506は、ベースボード102の第1側(表側)321における第1通路502に配置され、第1金種硬貨C1、本実施例においては相対的に小径硬貨である100円硬貨100Cを一時的に保留し、相対的に大径硬貨である第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cともども所定数(所定金額)が保留された場合、それぞれ所定の正貨口に受け入れる機能を有し、所定数の硬貨が保留されない間は、それぞれの返却口に落下させ得る機能を有することが好ましい。
第1硬貨保留装置506は、第1保留体514、第1固定側保持体516及び第1連携装置512を含んでいる。
第1保留体514は、本実施例において案内板518としてのベースボード102から水平方向の横向き水平に突出する保留第1軸522に中間を回転自在に支持された板状体である。
第1保留体514は、第1軸孔524の周囲に形成された大凡楕円形の第1動作連携部526、及び、第1動作連携部526の一部から第1軸孔524の半径方向に直線的に所定長にて延在する第1係止部528を含んでいる。
第1保留体514は、ベースボード102と後述の案内樋438のベースボード102側の側板との間に配置され、その厚みは100円硬貨100Cの厚みよりも薄く設定されている。ベースボード102と後述の案内樋438のベースボード102側の側板との間隔は、100円硬貨100Cの厚みを超えると共に100円硬貨100Cの厚みの二倍未満の範囲であるが、100円硬貨100Cの厚みの1.1〜1.5倍の範囲が好ましい。
図18に示すように、第1動作連携部526は、その楕円形の周縁の一部であって、第1係止部528の反対側に扇形状の第1凸部532が形成され、第1凸部532と第1係止部528との中間に扇形の第2凸部534が形成されている。これにより第1凸部532と第2凸部534との間には第1凹部536、第2凸部534と第1係止部528との間に第2凹部538が形成されている。
第1動作連携部526には前記の凹凸を利用して、第1待機規制部542、第1保留規制部544、第1回動規制部546及び第1連携阻止部548が形成されている。しかし、本発明においては少なくとも、第1待機規制部542、第1保留規制部544、及び、第1連携阻止部548が形成されていれば良い。
第1保留体514は、第1係止部528が保留第1軸522回りに第1金種硬貨C1の解除方向とは逆方向、図18において反時計方向のモーメントを有するように、重り又はバネ力が作用される。本実施例においては、保留第1軸522回りに巻回されたバネ530(図17参照)によって上記モーメントが付与されている。
まず第1待機規制部542を説明する。
第1待機規制部542は、第1連携装置512と連携して第1保留体514を第1待機位置SB1に静止させる機能を有する。したがって、前記機能と同一の作用、効果を有すれば、実施例に限定されることなく、第1待機規制部542に相当する。
図19に示すように、第1待機規制部542は、第1軸孔524の軸心を中心とした所定の第1半径R1の第1仮想円VC1上において、第1軸孔524に対し半径方向に離れて位置する。本実施例において、第1待機規制部542は第1凸部532の第1連携阻止部548に相対する端面である。
第1待機規制部542が第1連携装置512の保留第1ストッパ552に係止された場合、第1保留体514は第1待機位置SB1に静止される。
したがって、第1金種硬貨C1である小径硬貨SCである100円硬貨100Cが第1保留体514の第1係止部528に載った場合、100円硬貨100Cの重量によって図19において時計方向へ回動される。
次ぎに第1保留規制部544を説明する。
第1保留規制部544は、第1連携装置512と連携して第1保留体514を第1保留位置ST1(図20参照)に静止させる機能を有する。したがって、前記機能と同一の作用、効果を有すれば、実施例に限定されることなく、第1保留規制部544に相当する。
第1保留規制部544は、第1軸孔524の軸心を中心とした第1仮想円VC1上において、第1軸孔524に対し半径方向に離れて位置する。本実施例において、第1保留規制部544は第2凸部534の第1凸部532側の端面である。
第1保留規制部544が第1連携装置512の保留第1ストッパ552に係止された場合、第1保留体514は第1保留位置ST1に静止される。
したがって、第1保留体514が100円硬貨100Cの重量によって図18において時計方向へ回動された場合、第1保留規制部544が保留第1ストッパ552に係止されて第1保留位置ST1に静止されるので、振分体126、従って第1固定保持体516との協働によって100円硬貨100Cは第1硬貨保留装置506において保留される(図20参照)。なお、第1保留規制部544は、後述の保留第1ストッパ552に接触した場合、保留第1ストッパ552による係止を解除するように、揺動体556に回動力を付与するように第1傾斜カム550に形成されている。
次ぎに第1回動規制部546を説明する。
第1回動規制部546は、保留した第1金種硬貨C1を開放する際、第1保留体514が所定量以上回動しないように規制する機能を有する。したがって、前記機能と同一の作用、効果を有すれば、実施例に限定されることなく、第1回動規制部546に相当する。
第1回動規制部546は、第1軸孔524の軸心を中心とした第1仮想円VC1上において、第1軸孔524に対し半径方向に離れて位置する。本実施例において、第1回動規制部546は第1係止528の第1凸部532側の端面である。
第1回動規制部546が第1連携装置512の保留第2ストッパ554に係止された場合、第1保留体514は第1解除位置RE1に静止される(図21参照)。
したがって、第1保留体514が100円硬貨100Cの重量によって図21において第1保留位置ST1からさらに時計方向へ回動された場合、第1係止部528が振分体126から100円硬貨100Cの直径よりも離れた位置まで回動することができるので、保留された100円硬貨100Cは第1保留体514と振分体126との間を通過して第1金種正貨口565、すなわち小径硬貨正貨口364から落下することができる。
次ぎに第1連携阻止部548が図18を参照して説明される。
第1連携阻止部548は、第1保留体514が第1待機位置SB1に位置する場合、第2硬貨保留装置508又は第3硬貨保留装置510の第2解除位置RE2(図26参照)又は第3解除位置RE3(図30参照)への移動を阻止する機能を有する。換言すれば、第1硬貨保留装置506乃至第3硬貨保留装置510が全て第1保留位置ST1乃至第3保留位置ST3に位置する場合のみ、第1硬貨保留装置506乃至第3硬貨保留装置510が第1解除位置RE1〜第3解除位置RE3へ移動することができるようにする機能を有する。
本実施例において、第1連携阻止部548は第1軸孔524、従って保留第1軸522を中心として第1仮想円VC1よりも大きな第2半径R2を有する第2仮想円VC2上に位置する第2凸部534の周面によって構成される。第2凸部534は、所定の角度αの範囲で形成されている。所定の角度αは、保留第1待機規制部542が保留第1ストッパ552に係止され、第1保留体514が第1待機位置SB1に位置している場合、保留第2ストッパ554は第1連携阻止部548に相対するその外側に位置し、第1保留規制部544が保留第1ストッパ552に係止され、第1保留体514が第1保留位置ST1に位置する場合(図20参照)、保留第2ストッパ554は第1連携阻止部548との相対から外れて第2部534に相対するように構成される。
これにより、保留第2ストッパ554が第1連携阻止部548乃至後述の第2連携阻止部598又は第3連携阻止部668に相対している間、保留第1ストッパ552は第1保留規制部544を解除することは無い。換言すれば、第1保留体514、第2硬貨保留装置508及び第3硬貨保留装置510の全てが第1保留位置ST1、第2保留位置ST2及び第3保留位置ST3に位置する場合、保留第2ストッパ554が第1連携阻止部548乃至第3連携阻止部668に進行を阻止されずに移動(回動)できるので、第1解除位置RE1乃至第3解除位置RE3へ移動することができる。
第1連携阻止部548の第1回動規制部546側の端面は、保留第2ストッパ554が接触した場合、当該保留第2ストッパ554を保留第2軸557回りに回動させ、保留第2ストッパ554による係止を解除できるように第4傾斜カム540が形成されている。換言すれば、第1保留体514が第1待機位置SB1へ戻る場合、保留第2ストッパ554が第2凸部534の回動位置に位置する場合であっても、第4傾斜カム540によって第2凸部534の回動範囲から押し出され、かつ、これに伴って保留第1ストッパ552が係止位置へ動されることから、第1保留体514は第1待機位置SB1へ移動し、保持される。
しかし、第1保留体514の第1回動規制部546が保留第2ストッパ554に係止された場合、第1保留体514はそれ以上の回動が制限される。
次に第1固定側保持体516を説明する。
第1固定側保持体516は、第1保留体514と協働して第1金種硬貨C1を第1通路502に保留する機能を有する。
第1固定側保持体516は振分体126であり、本実施例では実質的に固定状態に設けられた棒体558である。したがって、棒体558は第1待機位置SB1に位置する第1保留体514との間の第距離L8(図19参照)、及び、第1保留位置ST1に位置する第1保留体514との間の第距離L9(図20参照)は、第1金種硬貨C1の直径、すなわち100円硬貨100Cの直径よりも小さい距離において横方向に配置される。
図20に示すように、第1金種硬貨C1、すなわち100円硬貨100Cは第1保留体514の第1係止部528と第1固定側保持体516によって左右の下部周面を支えられて第1通路502に保留される。
本実施例において第1固定側保持体516は、棒スプリング560の先端を直角に折り曲げるた先端部である。
棒スプリング560は、後端部を折り曲げて楕円リング部561を形成し、当該楕円リング部561及び案内樋438の下端部壁を貫通させた二本のスクリュウ563(図1)をベースボード102にねじ込むことにより、スクリュウ563の頭部によって楕円リング部561を下端部壁に押し付けて固定してある。この状態において、棒スプリング560はベースボード102の中央部の下端部に相対して位置する。したがって、棒スプリング560上に第1金種硬貨C1たる100円硬貨100Cが落下した場合、棒スプリング560の弾性によって直状部562が撓んで当該落下の衝撃を吸収し、100円硬貨100Cは跳ね上がることなく短時間で第1通路502において静止状態になる。
本実施例のように、第1固定側保持体516を弾性的に構成することにより、落下した第1金種硬貨C1が短時間で静止状態なる利点がある。
図16において、第1解除位置RE1に位置する第1保留体514と振分体126(第1固定側保持体516)との間が第1金種正貨口565であり、振分体126とアンビル122の間が第1金種返却口567である。
従って、第1金種硬貨C1たる100円硬貨100Cは、第1金種正貨口565又は第1金種返却口567から重力によって落下する。
次に第2硬貨保留装置508を主に図23乃至図27を参照して説明する。
第2硬貨保留装置508は、ベースボード102の裏側たる第2側280における第2通路504に配置され、第2金種硬貨C2、本実施例においては100円硬貨100Cに対し相対的に大径硬貨たる10円硬貨10Cを一時的に保留し、第1金種硬貨C1ともども所定数(金額)が保留された場合、それぞれ所定の正貨口に受け入れる機能を有し、好ましくは、さらに、所定数の硬貨が保留されない間は、それら硬貨を返却口に返却させ得る機能を有する。
第2硬貨保留装置508は、第2保留体564、第2固定保持体566及び第1連携装置512を含んでいる。
第2保留体564は、本実施例において保留第1軸522に中間を回転自在に支持された板状体である。したがって、保留第1軸522は、ベースボード102を貫通し、ベースボード102の第1側321及び第2側280に位置する。
まず第2保留体564を説明する。
第2保留体564は、第2軸孔572の周囲に形成された大凡楕円形の第2動作連携部574、第2動作連携部574の一部から第2軸孔572の半径方向に直線的に所定長延在する第2係止部576、解除カム578、及び、一体化装置580を含んでいる。しかし、後述するように、第2金種硬貨C2である10円硬貨10Cを一枚のみ保留する場合、解除カム578、及び、一体化装置580を設ける必要はない。
図2に示すように、第2保留体564は、大径硬貨通路体286の水平部284とベースボード102の裏面との空間に配置されるが、その厚みは10円硬貨10Cの厚みよりも薄く設定され、ベースボード102の裏面と水平部284との間隔は10円硬貨10Cの厚みを超え、当該厚みの二倍未満に設定され、好ましくは10円硬貨10Cの厚みの1.1〜1.5倍の間隔である。
第2動作連携部574は、その楕円形の周縁の一部であって、第2係止部576の反対側に一体化装置580が形成され、一体化装置580と第2係止部576との中間に扇形の第3凸部584が形成されている。これにより一体化装置580と第3凸部584との間には第3凹部586、第3凸部584と第2係止部576との間に第4凹部588が形成されている。
第2動作連携部574には前記の凹凸を利用して、第2待機規制部592、第2保留規制部594、第2回動規制部596及び第2連携阻止部598が形成されている。
具体的には、第2待機規制部592は第3凹部586の一体化装置580側の半径方向に延在する端部であり、第2保留規制部594は第3凸部584の一体化装置580側の半径方向に延在する端部であり、第2回動規制部596は第2係止部576の第3凸部584側の半径方向に延在する端部である。
本発明においては少なくとも、第2待機規制部592、第2保留規制部594、及び、第2連携阻止部598が形成されていれば良い。
また、第1保留体514の第1待機規制部542、第1保留規制部544、第1回動規制部546及び第1連携阻止部548のそれぞれと、第2保留体564の第2待機規制部592、第2保留規制部594、第2回動規制部596及び第2連携阻止部598のそれぞれとは、同位相になった場合、完全に又は大凡重なるように形成されている。換言すれば、第1動作連携部526と第2動作連携部574は同一形状に形成されている。
第2保留体564は、第2係止部576が保留第1軸522回りに第2金種硬貨C2の解除方向とは逆方向、図24において時計方向のモーメントを有するように、重り、又は、バネによってモーメントが作用される。本実施例においては、重り(図示せず)によって上記モーメントが付与されている。
また、第2保留規制部594は、保留第1ストッパ552が保留第1軸522から離れる方向の力を受けるように第2傾斜カム595に形成されている。同様に、第3凸部584の第2回動規制部596側の端面は、保留第2ストッパ554が保留第1軸522から離れる方向の力を受けるように第5傾斜カム590に形成されている。
次ぎに解除カム578が説明される。
解除カム578は、後述の第3硬貨保留装置510の第3保留体634に対する第2連携装置513としての係止体612を非係止位置NEP(図25参照)へ移動させる機能を有する。
解除カム578は、第3凸部584に対し大凡保留第1軸522の点対称に形成され、第2動作連携部574の楕円形の一部を構成する直線的斜面であり、第2保留体564が第2待機位置SB2から第2保留位置ST2(図25参照)へ回動される過程において、係止体612を下方から押上げて係止位置EPから非係止位置NEP(図25参照)へ移動(回動)させる。
次ぎに一体化装置580を主に図17を参照して説明する。
一体化装置580は、第2保留体564を後述の第3保留体634と一体化させる機能を有する。
一体化装置580は、第2保留体564側に設けた第2保留体側一体化部614と、第3保留体634側に設けた第3保留体側一体化部616により構成される。したがって、ここでは第2保留体側一体化部614の構成を説明する。
第2保留体側一体化部614は、第2係止部576に対し反対方向へ延在する支持体618の先端に横向き水平な円筒部622、円筒部622に摺動自在に挿入された摺動体624、及び、摺動体624を不動に係止するストッパ626を含んでいる。
次ぎに摺動体624が図17を参照して説明される。
摺動体624は円柱状の摺動部628、及び、摺動部628に続いて摺動部628と同軸であって、かつ、摺動部628よりも大径に形成したそろばん玉状の第4係止部630を含んでいる。
円筒部622の貫通孔629には、摺動部628が摺動自在に挿入され、第4係止部630の基部が円筒部622の端面に接した場合、摺動部628の先端が円筒部622の他側から突出するように摺動部628の長さが設定されている。
摺動体624は、貫通孔629の軸線方向にスライドすることにより、その先端が他側から突出した一体化位置MPと、先端が円筒部622内に引っ込んだ別体化位置SPに選択的に移動することができる。
次ぎにストッパ626を説明する。
ストッパ626は、摺動体624を一体化位置MP又は別体化位置SPに保持する機能を有する。したがって、ストッパ626は同様の機能を有すれば実施例以外の機構を採用することができる。
ストッパ626は、本実施例において、支持体618から円筒部622に対し所定の間隔で平行に設けられた片持ち棒状体の先端に形成された三角形のフック632である。
摺動体624が一体化位置MPに位置する場合、フック632は円筒部622の端部と第4係止部630との間に位置し、第4係止部630によって摺動部628が円筒部622から抜け出る方向の移動を規制し、一体化位置MPを保持する。
摺動体624が別体化位置SPに位置する場合、フック632は第4係止部630の外面に移動を阻止され、一体化位置MPへ移動できないように規制し、別体化位置SPを保持させる。
次ぎに第2緩衝装置568が主に図23を参照して説明される。
第2緩衝装置568は、大径硬貨出口252から第2通路504に落下した第2金種硬貨C2の勢いを、第2保留体564に達する際の衝撃を緩衝する機能を有する。換言すれば、第2通路504を落下する第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cの落下速度を減速させ、第2保留体564の第2係止部576上に落下する際の速度を減速させ、第2係止部576に対する衝撃を緩衝する機能を有する。
本実施例において、第2緩衝装置568は所定のモーメントを付与された緩衝体674であるが、前記機能を有すれば、本実施例に限らず他の機構を採用することができる。
本実施例における緩衝体674は、ベースボード102の背面から横向き水平に突出する丸棒状の第4軸676に中間の折曲部を回転自在に支持され、角柱状の衝突部678と扇形の重錘部682とが所定の角度で一体化された「く」字形のレバである。
緩衝体674は、重錘部682の重量によって図23において反時計方向に所定のモーメントを付与され、ベースボード102の背面に位置する大径硬貨通路体286の水平部284の上縁角部を構成するストッパ683(図2参照)によって、重錘部682がほぼ水平であって、衝突部678が第2通路504において先端下がりの状態において静止されている。
大径硬貨出口252から落下する10円硬貨10Cは、衝突部678と第2係止部576との中間に垂直に落下するように配置されている。
図24を参照して説明すれば、第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cの中心を通る垂線PLに対し右側下部の弧状縁が第2係止部576に接し、左側下部の弧状縁が衝突部678に遅くとも第2係止部576と同時に接するように配置される。これにより、衝突部678上に10円硬貨10Cが落下した場合、衝突部678には、その傾斜角度に基づく分力によって時計方向へ回動される分力を受け、重錘部682による反時計方向のモーメントに反して時計方向へ回動される。結果として、10円硬貨10Cの落下速度は減速され、第2係止部576に衝突する際の衝撃力が緩衝される。衝突部678の時計方向への回動及び第2係止部576の反時計方向への回動によって、それらの先端間距離が10円硬貨10Cの直径よりも大きくなる結果、10円硬貨10Cは第2係止部576と衝突部678との先端間を落下し、10円硬貨10Cは短時間で第2係止部576と第2固定保持体566上に静止し、保留状態になる。
次ぎに第2固定保持体566が主に図17を参照して説明される。
第2固定保持体566は、第2保留体564と協働して第2金種硬貨C2、本実施例では10円硬貨10Cを第2通路504に保留する機能を有する。
第2固定保持体566は、細長板状の板金製であって、長手部602に対し先端を直角に折り曲げてL形に形成した短手部であり、水平部284の裏面下端部に長手部602を水平に宛い、第2固定保持体566は水平部284に形成した溝部604(図2)を介して第2通路504に配置されている。長手部602に形成した複数の長孔606に水平部284から横向き背面側に突出する位置決めピン608を挿入し、位置決めすることができる。
図24に示すように、第2固定保持体566は、その上端縁566Uよりも下端縁566Lが第2保留体564から離れるように水平線に対し約45度の角度で傾斜している。第2金種硬貨C2が第2金種正貨口577、すなわち大径硬貨落下口306からスムーズに落下できるようにするためである。
また、長孔606によって第2金種硬貨C2の直径に合わせて第2固定保持体566の位置を微調整することができるように構成することが好ましい。
したがって、図26に示すように、第2解除位置RE2に位置する第2係止部576と第2固定保持体566との間が第2金種正貨口577になる。
また、第2固定保持体566の左側が第2金種返却口579である。
第2保留体564と第2固定保持体566とにより保留されている第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cを第2金種返却口579に返却する場合、キャンセル手段(図示せず)によって第2保留体564を図27に示すように時計方向に回動させることにより、10円硬貨10Cを第2固定保持体566の左方へ押しやり、それよって、10円硬貨10Cの中心(重心)を第2固定保持体566の上端縁566Uよりも保留第1軸522から離すことにより、10円硬貨10Cの自重によってに左方へ転動させる。これによって、10円硬貨10Cは緩衝体674を時計方向へ回動させて第2金種返却口579から自重で落下し、図示しないガイド通路によって返却口へ案内される。
次ぎに第3硬貨保留装置510を図28乃至図31を参照して説明する。
第3硬貨保留装置510は、第2側280における第2通路504に配置され、二枚目の第2金種硬貨C2、本実施例においては二枚目の10円硬貨10Cを一時的に保留し、第1金種硬貨C1及び一枚目の第2金種硬貨C2ともども所定数が保留された場合、それぞれ所定の正貨口に受け入れられるようにする機能を有し、好ましくは、所定数の硬貨が保留されない間は、返却口に落下させ得る機能を有することが好ましい。
第3硬貨保留装置510は、第3保留体634、第3固定側保持体636、第3緩衝装置638及び第1連携装置512を含んでいる。
第3保留体634は、本実施例において保留第1軸522に中間を回転自在に支持された板状体である。
まず第3保留体634を説明する。
第3保留体634は、第3軸孔642の周囲に形成された大凡楕円形の第3動作連携部644、第3動作連携部644の一部から第3軸孔642の周方向に直線的に所定長にて延在する第3係止部646、及び、第3保留体側一体化616を含んでいる。しかし、後述するように、第2金種硬貨C2である10円硬貨10Cを一枚のみ保留する場合、第3保留体634を設ける必要はない。
第3保留体634は、ベースボード102と第2保留体564との間に隣接配置されるが、ベースボード102と第3保留体634との間及び第2保留体564と第3保留体634との間は、10円硬貨10Cの厚みよりも小さく設定されている。10円硬貨10Cがそれらの間に挟まれないようにするためである。
第3動作連携部644は、その楕円形の周縁の一部であって、第3動作連携部644の反対側に第3保留体側一体化部616が形成され、第3保留体側一体化部616と第3係止部646との中間に扇形の第4凸部654が形成されている。これにより第3保留体側一体化部616と第4凸部654との間には第5凹部656、第4凸部654と第3係止部646との間に第6凹部658が形成されている。
第3動作連携部644には前記の凹凸を利用して、第3待機規制部662、第3保留規制部664、第3回動規制部666及び第3連携阻止部668が形成されている。
具体的には、第3待機規制部662は第5凹部656の第3保留体側一体化部616側の周方向に延在する端部であり、第3保留規制部664は第4凸部654の第3保留体側一体化部616側の半径方向に延在する端部であり、第3回動規制部666は第3係止部646の第4凸部654側の半径方向に延在する端部である。
本発明においては、少なくとも、第3待機規制部662、第3保留規制部664、及び、第3連携阻止部668が形成されていれば良い。
また、第1保留体514の第1待機規制部542、第1保留規制部544、第1回動規制部546並びに第1連携阻止部548、第2保留体564の第2待機規制部592、第2保留規制部594、第2回動規制部596、並びに第2連携阻止部598、及び、第3保留体634の第3待機規制部662、第3保留規制部664、第3回動規制部666並びに第3連携阻止部668は、同位相になった場合、完全に又は大凡重なるように形成されている。換言すれば、第1動作連携部526、第2動作連携部574及び第3動作連携部644は同一形状に形成されている。
第3保留体634は、第3係止部646が保留第1軸522回りに第2金種硬貨C2の解除方向とは逆方向、図28において時計方向のモーメントを有するように、重り、又は、バネによってモーメントが作用される。本実施例においては、重りによって上記モーメントが付与されている。
さらに、第3係止部646の上面は、第2係止部576に向かって斜め下向きの傾斜面670に形成されている。したがって、傾斜面670上に載った10円硬貨10Cは、自重によって第2保留体564側へ滑り落ちるように設定されている。さらに、傾斜面670の下端縁の下方に第2保留体564の第2係止部576が位置するように設定されている。
また、第3保留規制部664は、保留第1ストッパ552が保留第1軸522から離れる方向の力を受けるように第3傾斜カム665に形成されている。同様に、第4凸部654の第3回動規制部666側の端面は、保留第2ストッパ554が保留第1軸522から離れる方向の力を受けるように第6傾斜カム680に形成されている。
次ぎに第3保留体側一体化616を説明する。
第3保留体側一体化616は、第3保留体634を第2保留体564と一体化する機能を有する。
第3保留体側一体化616は、第3係止部646に対し反対方向へ延在する支持体618の直線状先端には弧状の係止凹部672が形成され、摺動体624の摺動部628の先端部が係合するようになっている。
係止凹部672に摺動部628が係合した場合、第2保留体564と第3保留体634とは一体化され、一体になって保留第1軸522の回りを回動する。
次ぎに第3固定側保持体636を説明する。
第3固定側保持体636は、第3保留体634と共に、第2通路504において第2金種硬貨C2、本実施例では10円硬貨10Cを保留する機能を有する。
本実施例においては、第2金種硬貨C2を二枚保留するため、第3固定側保持体636は第2固定保持体566と共通である。
10円硬貨10Cを一枚のみ保留する場合には、第3固定側保持体636を設ける必要はない。
次ぎに第3緩衝装置638を説明する。
第3緩衝装置638は、第3保留体634に保留される第2金種硬貨C2、本実施例では10円硬貨10Cの落下速度を減速させ、10円硬貨10Cが第2通路504において暴れることを可及的に抑制する機能を有する。したがって、同機能を有すれば、実施例と異なる構造を取りうる。
本実施例において、第3緩衝装置638は第2緩衝装置568と共用である。
すなわち、衝突部678の幅は第2通路504の幅よりも僅かに狭く形成され、10円硬貨10Cが二枚並んだ状態において接触できるように、換言すれば、10円硬貨10Cが二枚並んで立った状態において衝突できるように構成されている。
次ぎに第2連携装置513が図28を参照して説明される。
第2連携装置513は、第2硬貨保留装置508が第2金種硬貨C2を保留する迄は、第3硬貨保留装置510が第3保留位置ST3に移動できないようにする機能を有する。
本実施例においては、第2連携装置513は、第2保留体564が第2保留位置ST2に移動するまで第3保留体634が第3保留位置ST3に移動できないようにする機能を有する。換言すれば、第2硬貨保留装置508が第2金種硬貨C2を保留しない場合、第3硬貨保留装置510に第2金種硬貨C2が保留されないようにする機能を有する。
第2連携装置513は、係止体612及び第3保留体634に形成された第6係止部684を含んでいる。
係止体612は、係止位置EPに位置する場合、第6係止部684を係止し、第3保留体634が第3保留位置ST3(図29参照)に移動できないようにする機能を有する。
係止体612は、ベースボード102の背面に横向き水平に固定した保留3軸686に回動自在に一端部を支持された棒状体であり、図28に示す係止位置EPに位置する場合、その先端が第6係止部684に当接して第3保留体634の第3待機位置SB3から第3保留位置ST3への回動を阻止する。
係止体612が、図28において反時計方向へ回動されて非係止位置NEPに移動した場合(図29参照)、第6係止部684は係止体612によって係止されないので、第3保留体634は図28において時計方向に回動し、第3保留位置ST3へ移動することができる(図29)。
次ぎに第1連携装置512を主に図17を参照して説明する。
第1連携装置512は、第1硬貨保留装置506、第2硬貨保留装置508及び第3硬貨保留装置510をそれらが全て第1保留位置ST1、第2保留位置ST2及び第3保留位置ST3になった場合、それら全てが第1解除位置RE1、第2解除位置RE2及び第3解除位置RE3へ移動可能とする機能を有する。換言すれば、第1硬貨保留装置506、第2硬貨保留装置508及び第3硬貨保留装置510に所定数(金額)の硬貨が保留されない場合、各保留硬貨を受け入れることが出来ないようにする機能を有する。
第1連携装置512は、前述した保留第1ストッパ552、保留第2ストッパ554、揺動体556及び保留第2軸557を含んでいる。
まず保留第2軸557を図18を参照して説明する。
保留第2軸557は、ベースボード102の裏面側において横向き水平に固定された丸棒状の軸であり、樹脂、金属等により作られ、保留第1軸522に対し斜め下方に配置されている。
次ぎに揺動体556を説明する。
揺動体556は、保留第1ストッパ552及び保留第2ストッパ554を保留第1軸522に対し平行に保持すると共にそれらを待機保留位置SSP又は解除位置REPに移動させる機能を有する。
揺動体556は、保留第2軸557側に向かって両端部が突出するチャンネル形に形成され、それら突出部の先端に保留第1ストッパ552、保留第2ストッパ554が水平横向きであって、保留第1軸522に平行に支持され、かつ、第1保留体514の第1動作連携部526、第2保留体564の第2動作連携部574及び第3保留体634の第3動作連携部644の全てに相対する長さに形成されている。詳述すれば、揺動体556はベースボード102に対し第1側321に配置され、保留第1ストッパ552及び保留第2ストッパ554はその一端部を揺動体556の端部にそれぞれ固定され、貫通孔559を貫通してベースボード102の裏面である第2側280に突出し、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634の全ての側方に位置するようそれらの長さが設定されている。
第1連携装置512は、図23に図示した反時計回りに回動した待機保留位置SSPと反時計方向に回動した解除位置REP(図21参照)に位置することができる。
第1連携装置512が待機保留位置SSPに位置する場合、保留第1ストッパ552は第1凹部536(図18)、第3凹部586(図24)及び第5凹部656(図28)に位置し、第1待機規制部542又は第1保留規制部544、第2待機規制部592又は第2保留規制部594、及び、第3待機規制部662又は第3保留規制部664に係止可能である。
通常状態に置いて第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634は、保留第1ストッパ552側に回動するモーメントを有するので、保留第1ストッパ552は第1待機規制部542、第2待機規制部592又は第3待機規制部662を係止し、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634はそれぞれ第1待機位置SB1、第2待機位置SB2又は第3待機位置SB3において静止され、保留第2ストッパ554は第1連携阻止部548、第2連携阻止部598又は第3連携阻止部668に相対し、その位置以上に保留第1軸522側に回動できない。
保留第1ストッパ552が第1保留規制部544、第2保留規制部594及び第3保留規制部664を係止する場合、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634は、それぞれ第1保留位置ST1、第2保留位置ST2及び第3保留位置ST3に移動し、保留第2ストッパ554は第1連携阻止部548、第2連携阻止部598及び第3連携阻止部668とは相対しない、換言すれば、第1連携阻止部548、第2連携阻止部598及び第3連携阻止部668に相対する半径方向の延長上に保留第2ストッパ554は位置しない。これにより、保留第2ストッパ554は、それぞれ第2凹部538、第4凹部588及び第6凹部658へ進行可能になる。一方、保留第1ストッパ552はそれぞれ、第1保留規制544である第1傾斜カム550、第2保留規制部594である第2傾斜カム595、及び、第3保留規制部664である第3傾斜カム665から押されて保留第2軸557回りに回動され、解除位置REPへ移動される。換言すれば、保留第1ストッパ552は、第1凹部536、第3凹部586、及び、第5凹部656から退出し、第1保留規制部544、第2保留規制部594又は第3保留規制部664を係止しない解除位置REPへ移動するので、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634は第1解除位置RE1、第2解除位置RE2及び第3解除位置RE3へ回動可能になる。
保留第1ストッパ552が解除位置REPへ移動した場合、その移動の原因となる第1保留体514、第2保留体564又は第3保留体634は、第1保留位置ST1、第2保留位置ST2又は第3保留位置ST3に位置した直後に第1連携阻止部548、第2連携阻止部598、又は、第3連携阻止部668が保留第2ストッパ554に対し相対しなくなるので、実質的にそれらによる第1金種硬貨C1たる100円硬貨100C又は第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cの保留が解除され、第1通路502又は第2通路504に実質的に保留されなくなる。
換言すれば、保留第2ストッパ554が第1連携阻止部548、第2連携阻止部598又は第3連携阻止部668に相対する場合、保留第2ストッパ554はそれらに阻止されて保留第1軸522側に近づくことはできず、保留第1ストッパ552は待機保留位置SSPに留められ、解除位置REPへ移動することができない。なお、保留第1ストッパ552が解除位置REPへ移動するきっかけとなる第1保留体514、第2保留体564又は第3保留体634の回動の原因となる第1金種硬貨C1又は第2金種硬貨C2は、第1係止部528、第2係止部576又は第3係止部646上に一瞬保留され、実質的には保留されないが、説明の便宜上、この場合も保留されるとして説明する。
さらに換言すれば、第1保留体514、第2保留体564又は第3保留体634のうち何れか一つが第1待機位置SB1、第2待機位置SB2又は第3待機位置SB3に位置する場合、その他の第1保留体514、第2保留体564又は第3保留体634は、第1保留位置ST1、第2保留位置ST2又は第3保留位置ST3に移動することはできるが、第1解除位置RE1、第2解除位置RE2又は第3解除位置RE3には移動できない。
金種を基準に説明すれば、第1金種硬貨C1が一つ、及び、第2金種硬貨C2が二つ保留されない場合、第1金種硬C1及び第2金種硬貨C2とも第1金種正貨口565又は第2金種正貨口577から落下することができない。
さらに、第1金種硬貨C1たる100円硬貨100Cが第1保留体514と振分体126とによって保留され、第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cが第2保留体564に保留されている場合、第1保留体514及び第2保留体564をそれぞれ第1返却位置CP1(図22)及び第2返却位置CP2(図27)に移動させることにより100円硬貨100Cを第1金種返却口567及び10円硬貨10Cを第2金種返却口579から落下させ、それぞれ案内通路に案内させて返却口(図示せず)に返却することができる。
第1保留体514及び第2保留体564をそれぞれ第1返却位置CP1(図22)及び第2返却位置CP2(図27)へ強制的に移動させるキャンセル装置692としては、図2に示す第5軸432を支点とするキャンセルレバ422の回動をリンク機構694によって第1保留体514、及び、第2保留体564を前記第1返却位置CP1、及び、第2返却位置CP2へ移動させる動力として用いることができる。
次ぎに本実施例の作用を図18乃至図31を参照して説明する。
最初に、第1金種硬貨C1の100円硬貨100C及び第2金種硬貨C2の10円硬貨10Cが投入されない場合、第1保留体514はバネ530の付勢力によって、図18において反時計方向に回動され、第2保留体564は図24において、また、第3保留体634は図28において自己重量によるモーメントによって時計方向に回動され、第1待機規制部542、第2待機規制部592及び第3待機規制部662が待機保留位置SSPに位置する保留第1ストッパ552によって係止され、それぞれ第1待機位置SB1、第2待機位置SB2及び第3待機位置SB3に位置している。これにより、係止体612が自重によるモーメントによって図24において時計方向に回動され、その先端下端は解除カム578に当接し(図24)、かつ、先端は第6係止部684に面接して第3保留体634の反時計方向の回動を阻止している(図28)。換言すれば、第3保留体634は第3保留位置ST3へ回動することができない。さらに、換言すれば、保留第2ストッパ554は第3連携阻止部668に相対し、移動を阻止されることから、保留第1ストッパ552は待機保留位置SSPに継続保持される。よって、第1保留体514及び第2保留体564とも第1保留位置ST1及び第2保留位置ST2までは回動できるが、第1解除位置RE1、第2解除位置RE2へは回動できないので、投入された第1金種硬貨C1、第2金種硬貨C2とも保留される。
最初に、第1金種硬貨C1であるに100円硬貨100Cが投入された事例を説明する。
100円硬貨100Cは前述のように、正貨通路362に案内され小径硬貨落下口358から斜め下方へ落下し、アンビル122の第3斜面360に衝突し、逆方向へ反射して正貨通路362たる第1通路502に達する。
その後第1通路502を斜め下方に落下する100円硬貨100Cは、図16に示すように右下側周面が振分体126に、左下側周面が第1係止部528の下端部上に載置される。
これにより、第1保留体514は100円硬貨100Cの重量によって図18において時計方向に回動され、第1保留規制部544が保留第1ストッパ552に係止されて第1保留位置ST1に保持される。この状態において、第1係止部528の先端と振分体126との間隔は第距離L9であり、第1金種硬貨C1たる100円硬貨100Cの直径よりも小さいので、100円硬貨100Cは第1係止部528の先端部と振分体126との上に載った状態で第1通路502に保留される(図16、図20参照)。換言すれば、100円硬貨100Cが第1硬貨保留装置506によって、第1通路502に保留される。なお、振分体126は棒スプリング560によって構成されているので、100円硬貨100Cはそのバネ力によって落下した衝撃を緩衝され、100円硬貨100Cは短時間に静止状態になる。
第1保留体514が第1保留位置ST1に移動した場合であっても、保留第2ストッパ554は第2保留体564の第2連携阻止部598、及び、第3保留体634の第3連携阻止部668と相対しているので、保留第1ストッパ552は待機保留位置SSPに継続して留められる。
次ぎに、第1金種硬貨C1に続いて第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cが投入された事例を説明する。
10円硬貨10Cは前述のように、第1係止体207と支え体214とによって横向きに転向されて第1大径ガイドレール244上に落下した後、その上を転動し、透孔238からベースボード102の裏側の大径硬貨通路254に達して垂直に落下した後、大径硬貨出口252から第2通路504に落下する。
その後10円硬貨10Cは、第3保留体634の第3係止部646又は第2保留体564の第2係止部576上に落下する。10円硬貨10Cが第3係止部646に落下した場合、10円硬貨10Cはその重量によって傾斜面670上を横方向に滑り落ち、第2係止部576上に達する。
10円硬貨10Cの落下途上において、10円硬貨10Cの左側周面の下部はまず緩衝体674の衝突部678に衝突し、緩衝体674を図24において時計方向に回動させることにより、その衝撃が緩和される。次いで、10円硬貨10Cの左下側周面は第2固定保持体566によって支えられる。
10円硬貨10Cの右下側周面は第2保留体564の第2係止部576又は第3保留体634の第3係止部646上に落下する。第3係止部646に落下した場合はその傾斜面670上を滑って第2係止部576上に位置する。これにより、第2保留体564は図24において反時計方向へ回動されるが、第2保留規制部594が保留第1ストッパ552に係止されるので、第2保留体564は第2保留位置ST2に保持される(図25参照)。
したがって、10円硬貨10Cは第2硬貨保留装置508によって第2通路504に保留される。
第2保留体564が第2保留位置ST2に位置する場合(図25参照)、解除カム578は係止体612の先端に接触して押動(押上)し、係止体612を反時計方向へ回動させる(図25参照)。これにより、係止体612は非係止位置NEPに移動され、係止体612の先端は第6係止部684の移動経路から外され、第3保留体634が第3保留位置ST3へ回動可能になる。
次に枚目の10円硬貨10Cが投入された場合を説明する。
枚目の10円硬貨10Cは、1枚目と同様に大径硬貨出口252から落下し、緩衝体674に衝突して落下速度を減速された後、第3保留体634の第3係止部646に落下する(図29参照)。
3係止部646の上面は傾斜面670であるが、既に枚目の10円硬貨10Cが第2保留体564上に保留されているため、その傾斜方向への落下を阻止されて第3係止部646上に保持される。
これにより第3保留体634は第3保留位置ST3へ回動され(図29参照)、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634の全てが第1解除位置RE1、第2解除位置RE2及び第3解除位置RE3へ回動するので、保留第2ストッパ554は、第1連携阻止部548、第2連携阻止部598及び第3連携阻止部668には相対しなくなり、保留第1ストッパ552は第1保留規制部544、第2保留規制部594又は第3保留規制部664の傾斜カムによって押されて解除位置REPへ移動さる。
これにより、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634は、保留第1ストッパ552によって係止されなくなるので、それぞれ載置した硬貨の重量によって第1解除位置RE1、第2解除位置RE2又は第3解除位置RE3へ回動するので100円硬貨100Cは、第1金種正貨口565から落下し、二枚の10円硬貨10Cは第2金種正貨口577から落下する。
第1保留体514、第2保留体564又は第3保留体634は、第1回動規制部546、第2回動規制部596又は第3回動規制部666が保留第2ストッパ554に係止されるため、第1解除位置RE1、第2解除位置RE2又は第3解除位置RE3を超えて回動することはできない。
各100円硬貨100C及び10円硬貨10Cが落下すると、第1保留体514はバネ530のバネ力により、第2保留体564及び第3保留体634は自己モーメントにより、第1待機位置SB1、第2待機位置SB2及び第3待機位置SB3へ戻るように回動する。
この過程において、保留第2ストッパ554は第4傾斜カム540、第5傾斜カム590又は第6傾斜カム680から押されて解除位置REPへ移動される(図18、図24、図28参照)。保留第2ストッパ554の解除位置REPへの移動に伴って保留第1ストッパ552は待機保留位置SSPへ回動するので、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634の第1待機規制部542、第2待機規制部592及び第3待機規制部662と係合し、それらを第1待機位置SB1、第2待機位置SB2及び第3待機位置SB3に静止させる。
次に第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cが一番目に投入された事例を説明する。
10円硬貨10Cは、大径硬貨出口252から落下し、前述のように第2保留体564の第2係止部576上に載置される。
そして前述のように、第2保留規制部594が保留第1ストッパ552に係止され、10円硬貨10Cは第2硬貨保留装置508によって第2通路504に保留される。第2保留体564の第2保留位置ST2への回動によって、前述のように解除カム578によって係止体612が回動されて非係止位置NEPに移動するので、第3保留体634は第3保留位置ST3へ回動可能になる。しかし、保留第2ストッパ554が第1連携阻止部548及び第3連携阻止部668に相対しているので、保留第1ストッパ552は待機保留位置SSPを継続する。
次に枚目の10円硬貨10Cが投入された場合、前述のように第3硬貨保留装置510によって枚目の10円硬貨10Cに大凡重なった状態で第2通路504に保留される。この場合も、第3保留規制部664が保留第2ストッパ554に係止され、保留第1ストッパ552は待機保留位置SSPを継続する。
次に100円硬貨100Cが投入された場合、前述のように、100円硬貨100Cが第1硬貨保留装置506によって、第1通路502に保留される。
そして、第1保留体514が第1保留位置ST1に位置した場合、第1連携阻止部548も保留第2ストッパ554との相対位置から外れる(図20参照)。
これにより、第1連携阻止部548、第2連携阻止部598及び第3連携阻止部668の全てが保留第2ストッパ554との相対位置から外れるので、保留第1ストッパ552は解除位置REPへ移動可能になる。そして各保留された10円硬貨10C、100円硬貨100Cの重量によって第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634がそれぞれ保留第1軸522回りにモーメントを有するので、保留第1ストッパ552は第1傾斜カム550、第2傾斜カム595又は第3傾斜カム665によって押されて解除位置REPへ移動されることから、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634は第1解除位置RE1、第2解除位置RE2及び第3解除位置RE3へ回動し、10円硬貨10Cが第2金種正貨口577から、100円硬貨100Cが第1金種正貨口565から落下し、図示しない案内通路によっって案内されて第1金種硬貨C1と第2金種硬貨C2との金種別の金庫に保管される。なお、第1金種硬貨C1と第2金種硬貨C2とは、一つの金庫に保管することもできる。
第1金種硬貨C1及び第2金種硬貨C2が落下した後、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634は前述のように、各自のモーメントによって第1待機位置SB1、第2待機位置SB2及び第3保留位置ST3へ戻される。
次に、最初に第2金種硬貨C2たる一枚の10円硬貨10Cが第2硬貨保留装置508に保留された後、第1金種硬貨C1たる100円硬貨100Cが投入され、最後に二枚目の10円硬貨10Cが投入された事例を説明する。
100円硬貨100Cは、前述のように、100円硬貨100Cが第1硬貨保留装置506によって、第1通路502に保留される。
第1保留体514が第1保留位置ST1に位置した場合、第1連携阻止部548も保留第2ストッパ554との相対位置から外れる。しかし、第3保留体634は第3保留位置ST3に位置するため、第3連携阻止部668が保留第2ストッパ554に相対しているため保留第1ストッパ552は待機保留位置SSPを継続するので、第1保留体514及び第2保留体564はそれぞれ第1解除位置RE1又は第2解除位置RE2へ回動することができず、1枚目の10円硬貨10C及び100円硬貨100Cは第2通路504又は第1通路502に留められる。
次に枚目の10円硬貨10Cが投入された場合、前述のように第3保留体634によって一枚目の10円硬貨10Cに大凡重なった状態で第2通路504に保留される。次いで、第3連携阻止部668が保留第2ストッパ554との相対から外れるため保留第1ストッパ552は解除位置REPへ移動する。
これにより、前述のように第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634がそれぞれ第1解除位置RE1、第2解除位置RE2及び第3解除位置RE3へ回動し、10円硬貨10Cが第2金種正貨口577から、100円硬貨100Cが第1金種正貨口565から落下し、金種別の金庫に保管される。
保留された各硬貨が落下した後、第1保留体514、第2保留体564及び第3保留体634は前述のように、各自のモーメントによって第1待機位置SB1、第2待機位置SB2及び第3保留位置ST3へ戻される。
次に実施例の硬貨保留装置付き硬貨選別装置10を用いて110円を受け入れるように設定する事例を主に図17を参照して説明する。
換言すれば、第1金種硬貨C1たる100円硬貨100Cを一枚、及び、第2金種硬貨C2たる10円硬貨10C一枚を保留して受け入れることが出来る様にした硬貨保留装置付き硬貨選別装置である。
この場合、第2保留体564と第3保留体634とを第2保留体側一体化部614及び第3保留体側一体化部616を用いて一体化する。
具体的には、ストッパ626を撓ませて第4係止部630の移動経路からフック632を退避させる。
次いで、摺動体624をフック632を越えて貫通孔629内に進行させ、摺動体624の先端を貫通孔629から第3保留体634側へ突出させ、第3保留体634の弧状係止凹部672に嵌め合わせる。この嵌め合わせ状態において、フック632の変形を解いて自己弾力によって元に戻す。これにより、フック632が第4係止部630の反第3保留体634側を係止し、摺動体624先端の突出状態を維持するように摺動体624の戻り動が制限される。
また、係止体612の係止凹部613をベースボード102の裏面に横向き水平に突出させた円柱突起688に抱かせることにより、その先端が解除カム578に接触しない位置に保持する。換言すれば、係止位置EPよりも第2保留体564から離れた位置において保持する。これにより、第2金種硬貨C2たる10円硬貨10Cが第2保留体564の第2係止部576及び・又は第3保留体634の第3係止部646に載った際、一体的に回動される。
これにより、100円硬貨100Cが先に第1保留体514によって保留されている場合、第2連携阻止部598は保留第2ストッパ554に相対しなくなるので、保留第1ストッパ552が解除位置REPに移動する。これにより、第1保留体514及び第2保留体564と第3保留体634は第1解除位置RE1及び第2解除位置RE2並びに第3解除位置RE3に回動し、100円硬貨100C及び10円硬貨10Cはそれぞれの第1金種正貨口565、又は、第2金種正貨口577から落下する。
100円硬貨100Cのみが保留されている状態において、キャンセルレバ422を操作して第1保留体514を図20において反時計方向へ回動させることにより前述のように第1金種正貨口565から落下させることができる。
10円硬貨10Cが先に投入された場合も、引き続いて100円硬貨100Cが投入された場合、前述と同様に10円硬貨10Cと100円硬貨100Cとは第1金種正貨口565、又は、第2金種正貨口577から落下する。
したがって、110円を受け入れる場合、第3保留体634を配置せずに第2保留体564のみを配置することができる。この場合、第2保留体564の厚みを増加してベースボード102又は水平部284との隙間にはまりこまないようにする必要がある。また、第2係止部576の上面を前述のように傾斜させる必要もない。
LC 大径硬貨
SC 小径硬貨
SP1 第1待機位置
102 ベースボード
104 ガイドボード
106 硬貨口
110 大径硬貨用クレードル
112 小径硬貨用クレードル
116 大径硬貨ガイドレール
118 小径硬貨ガイドレール
122 アンビル
126 振分体
132 硬貨通路
209 第2係止体
168 円筒部
172 平面部
174 硬貨規制体
176 第3軸
178 回動レバ
188 付勢装置
190 スプリング
196 永久磁石
207 第1係止体
238 透孔
254 大径硬貨通路
280 第2側
252 大径硬貨
316 第3係止体
318 第4係止体
321 第1側
344 小径硬貨通路
364 小径硬貨正貨口
C1 第1金種硬貨
C2 第2金種硬貨
RE1 第1解除位置
RE2 第2解除位置
RE3 第3解除位置
SB1 第1待機位置
SB2 第2待機位置
SB3 第3待機位置
ST1 第1保留位置
ST2 第2保留位置
ST3 第3保留位置
502 第1通路
504 第2通路
506 第1硬貨保留装置
508 第2硬貨保留装置
510 第3硬貨保留装置
512 第1連携装置
513 第2連携装置
514 第1保留体
518 案内板
522 保留第1軸
528 第1係止部
542 第1待機規制部
544 第1保留規制部
548 第1連携阻止部
552 保留第1ストッパ
554 保留第2ストッパ
556 揺動体
564 第2保留体
576 第2係止
578 解除カム
580 一体化装置
592 第2待機規制部
594 第2保留規制部
598 第2連携阻止部
634 第3保留
662 第3待機規制部
664 第3保留規制部
668 第3連携阻止部

Claims (2)

  1. 金種が異なる第1金種硬貨及び第2金種硬貨のそれぞれを保留し、保留された前記第1金種硬貨及び前記第2金種硬貨のそれぞれが所定の枚数に達した場合に前記第1金種硬貨及び第2金種硬貨を開放する複数金種硬貨保留装置であって、
    垂立する案内板の第1側に設けられ、前記第1金種硬貨が案内される第1通路と、
    前記案内板の前記第1側と反対の第2側に設けられ、前記第2金種硬貨が案内される第2通路と、
    前記第1通路に配置され、重り又はバネ力によって付与されたモーメントによって前記第1金種硬貨が保留されていない第1待機位置、前記第1金種硬貨の重量によって前記第1金種硬貨が保留される第1保留位置及び保留された前記第1金種硬貨の保留状態を解除する第1解除位置に変位可能な第1硬貨保留装置と、
    前記第2通路に配置され、重り又はバネ力によって付与されたモーメントによって前記第2金種硬貨が保留されていない第2待機位置、前記第2金種硬貨の重量によって前記第2金種硬貨が保留される第2保留位置及び保留された前記第2金種硬貨の保留状態を解除する第2解除位置に変位可能な第2硬貨保留装置と、
    前記第1硬貨保留装置が前記第1待機位置に位置する場合に前記第2硬貨保留装置の前記第2保留位置から前記第2解除位置への変位を規制し、前記第2硬貨保留装置が前記第2待機位置に位置する場合に前記第1硬貨保留装置の前記第1保留位置から前記第1解除位置への変位を規制すると共に、前記第1硬貨保留装置の前記第1待機位置から前記第1保留位置への変位及び前記第2硬貨保留装置の前記第2待機位置から前記第2保留位置への変位に基づいて前記第1硬貨保留装置の前記第1保留位置から前記第1解除位置への変位及び前記第2硬貨保留装置の前記第2保留位置から前記第2解除位置への変位を可能にする第1連携装置と、を有し、
    前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置、及び、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置に変位された場合、前記第1硬貨保留装置が前記第1解除位置及び前記第2硬貨保留装置が前記第2解除位置へ変位させられる
    ことを特徴とする複数金種硬貨保留装置。
  2. さらに、
    前記第2通路に配置され、重り又はバネ力によって付与されたモーメントによって前記第2金種硬貨が保留されていない第3待機位置、前記第2金種硬貨の重量によって前記第2金種硬貨が保留される第3保留位置及び保留された前記第2金種硬貨の保留状態を解除する第3解除位置、並びに、前記第3解除位置から前記第3待機位置へ変位可能な第3硬貨保留装置と、
    前記第2硬貨保留装置が前記第2待機位置にある場合、前記第3硬貨保留装置の前記第3待機位置から前記第3保留位置への変位を規制すると共に、前記第2硬貨保留装置の前記第2待機位置から前記第2保留位置への変位に基づいて、前記第3硬貨保留装置の前記第3待機位置から前記第3保留位置への変位を可能にする第2連携装置と、を有し、
    前記第1連携装置は、前記第3硬貨保留装置が前記第3待機位置に位置する場合に、前記第1硬貨保留装置の前記第1保留位置から前記第1解除位置への変位及び前記第2硬貨保留装置の前記第2保留位置から前記第2解除位置への変位を規制し、
    前記第1硬貨保留装置が前記第1保留位置、前記第2硬貨保留装置が前記第2保留位置、及び、前記第3保留装置が前記第3保留位置に位置する場合、前記第1保留装置が前記第1解除位置へ、前記第2保留装置が前記第2解除位置へ、及び、前記第3保留装置が前記第3解除位置へ変位可能にし
    ことを特徴とする請求項1に記載の複数金種硬貨保留装置。
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