JP6710838B2 - 円盤体選別装置 - Google Patents

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Description

本発明は、円盤体の直径に基づいて真正円盤体と偽円盤体を選別する円盤体選別装置に関する。
詳しくは、円盤体の直径に基づいて真正円盤体と偽円盤体を選別する小型の円盤体選別装置に関する。
さらに詳しくは、挿入口に投入された円盤体を弾性的に斜め上方へ放出して、放出された円盤体が上方へ移動する過程において、直径に基づいて機械的に真正円盤体と偽円盤体に選別する小型の円盤体選別装置に関する。
なお、本明細書で使用する「円盤体」とは、所定の厚み、及び、直径を有する硬貨やトークン等の円板形状のものの他、英国の20ペンスや50ペンスの様な変形八角形等をも含む概念である。
この種の第1の従来技術として、本出願人の出願に係る、入口から出口に向けてコインを転動させるコイン通路と、前記コイン通路に突出して前記コインを前記コイン通路から排除するコイン排除位置と前記コイン通路から退出して前記コインの通過を許容するコイン受入位置とに変位可能なゲートと、前記ゲートよりも前記コイン通路の出口側に配置され支軸に回動自在に支持され、かつ、先端に前記ゲートを有する揺動レバーとを有するコインセレクターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種の第2の従来技術として、本出願人の出願に係る、挿入口に挿入されたICコインをその転動方向に対して前下がりのICコイン通路の奥側に向かって強制的に送り込む強制受入装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2012-160087(図1〜図11、段落0040〜0099) 特許第5309965号(図1〜図11、段落0072〜0083)
第1の従来技術において、コイン(円盤体)はコイン通路を構成する下側と上側とに配置されたガイドレールによって案内されるが、これらのガイドレールは、円盤体の転動方向に対して前下がりに構成されているので、入口に投入された円盤体は、重力に基づいてガイドレール上を転動し、この転動過程における直径選別部において真正円盤体と偽円盤体とに選別される。直径選別部において、円盤体は、円盤体通路の中間に対し、所定の付勢力で突出させられる逸らせ体によって、円盤体通路から押し出されるように横方向への押動力を受ける。真正円盤体である場合、円盤体通路を転動する円盤体は、逸らせ体によって横方向へ押動された場合であっても、その上側側面が上側ガイドレールに案内されるので、下側のガイドレール上から横ずれして落下することは無い。しかし、真正円盤体よりも小径の偽円盤体は、その上端部側面が上側ガイドレールに案内されないため、下側ガイドレールから落下させられて選別される。第1の従来技術は、円盤体が重力によって転動する過程において選別されるため、小型化には限界があった。すなわち、円盤体が転動するには、下側のガイドレールが所定角度以上、下向きに傾いている必要があり、さらに、円盤体の転動速度によっても、選別が影響を受けるため、挿入口に勢いよく円盤体が投入された場合であっても、直径選別部における転動速度が大凡一定になるよう、挿入口から直径選別部までの距離を長くとる必要があるため、小型化には限界があった。
第2の従来技術においては、挿入口に挿入されたICコイン(円盤体)は、強制受入装置によって、円盤体通路の奥側に向かって弾き入れられる。しかしながら、この弾き入れは、投入速度差によって生じる問題を解決するために、円盤体を強制受入装置、実施例においてはバネ体によって、円盤体の転動方向に対して前下がりの円盤体通路の奥部へ弾き入れる。したがって、この第2の従来技術を用いても、第1の従来技術同様に小型化には限界があり、円盤体選別装置の更なる小型化が強く要望されていた。
従来技術において、小型化には限界がある問題点を図13を参照して更に詳細に説明する。
円盤体選別装置2を小型化するため、第1の従来技術における円盤体4の挿入口6に続く前下がりの円盤体通路8に直径選別部12を配置する構成に、第2の従来技術における強制受入装置14を組み合わせることにより、挿入口6から直径選別部12に至る円盤体4の速度を大凡一定にするための円盤体通路8の長さを短縮することにより、円盤体選別装置2を小型化することができる。しかしながら、直径選別部12、及び、それに続く振分通路16は、円盤体4が必ず転動又は落下する必要があることから、所定角度以上の傾きが必要であり、小型化には限界がある問題がある。換言すれば、円盤体通路8は全長に亘って、少なくとも、所定の傾斜角度を有する前下がりの通路になるため、上下方向の小型化には限界がある問題がある。
本発明の第1の目的は、円盤体を選別できる小型の円盤体選別装置を提供することである。
本発明の従的な第2の目的は、円盤体を直径に基づいて選別する小型の円盤体選別装置を安価に提供することである。
本発明の従的な第3の目的は、円盤体を直径に基づく選別を正確に、かつ、安定して行うことができる、小型の円盤体選別装置を提供することである。
本発明の従的な第4の目的は、円盤体を直径に基づいて選別できると共に、鉄製の偽円盤体を選別できる、小型の円盤体選別装置を提供することである。
本発明の従的な第5の目的は、円盤体を直径に基づいて選別する小型の円盤体選別装置における円盤体の詰まりを容易に解消できる円盤体選別装置を提供することである。
本発明の従的な第6の目的は、円盤体を直径に基づいて選別すると共に、円盤体材質の相違をも加味して選別することができる、小型の円盤体選別装置を提供することである。
この目的を達成するため、請求項1に係る第1の発明は以下のように構成されている。
縦長に形成された挿入口に投入された円盤体が円盤体通路に沿って案内され、少なくとも前記円盤体通路に配置された円盤体選別手段によって真正円盤体と偽円盤体とに選別されるようにした円盤体選別装置であって、前記円盤体通路が前記挿入口に続いて前記挿入口から離れると共に、水平方向に向かう水平通路、又は、上方に向かうよう構成された上向き通路を含み、前記挿入口の下流に配置され、前記挿入口に投入された円盤体を前記水平通路、又は、上向き通路へ向かって放出する放出手段と、前記上向き通路、又は、前記水平通路に配置された前記円盤体選別手段と、を含むことを特徴とする円盤体選別装置である。
本発明に係る第2の発明は、縦長に形成された挿入口に投入された円盤体が円盤体通路に沿って案内され、少なくとも前記円盤体通路に配置された円盤体選別手段によって真正円盤体と偽円盤体とに選別されるようにした円盤体選別装置であって、前記円盤体通路が前記挿入口に続いて前記挿入口から離れると共に上方に向かうよう構成された上向き通路を含み、前記挿入口の下流に配置され、前記挿入口に投入された円盤体を前記上向き通路へ向かって放出する放出手段と、前記上向き通路、又は、前記上向き通路に続く下向き通路に配置された前記円盤体選別手段と、を含むことを特徴とする円盤体選別装置である。
本発明に係る第3の発明は、前記円盤体選別手段は、直径選別手段であることを特徴とする第1又は第2の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第4の発明は、前記放出手段は、前記挿入口に対し下側に配置された弾出体と、前記弾出体に対して上側に配置された固定体を含むことを特徴とする第1乃至第3の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第5の発明は、前記弾出体は、ローラーであって、支軸に回転自在に支持されると共に、弾性体よって一方向に回動力を付勢された放出レバーの、前記支軸よりも前記挿入口近くに位置する一端に回転自在に取付けられていることを特徴とする第4の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第6の発明は、前記レバーが受け入れるべき円盤体の直径に対応する位置よりも僅かに回動した位置において移動を制限される移動制限体を含むことを特徴とする第5の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第7の発明は、前記上向き通路は、少なくとも上側案内体と下側案内体によって構成され、前記上側案内体の上側案内面はサイコロイド曲線に形成されていることを特徴とする第6の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第8の発明は、前記上向き通路に相対して偽円盤体吸着磁石が配置されていることを特徴とする第1乃至第7の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第9の発明は、前記上側案内体は、略垂立する平板状の本体に対し上端部が軸支されると共に、下端部が前記本体に対し離れる方向に回動自在に取り付けられたドアに固定されていることを特徴とする第7の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第10の発明は、前記上向き通路に続いて下向き通路が設けられ、前記下向き通路に相対して材質選別永久磁石が配置されていることを特徴とする第8又は第9の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第11の発明は、前記下向き通路に突出すると共に、前記挿入口に対する距離が調整可能に設けられた振分体を含むことを特徴とする第の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第12の発明は、前記円盤体選別手段は、直径選別手段であり、所定の付勢力によって前記上向き通路又は前記水平通路に突出する押動体を含むことを特徴とする第の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第13の発明は、前記押動体は、バネによって所定の付勢力が付与されることを特徴とする第12の発明の円盤体選別装置である。
本発明に係る第14の発明は、縦長に形成された挿入口に投入された円盤体が円盤体通路に沿って案内され、少なくとも前記円盤体通路に配置された直径選別手段によって真正円盤体と偽円盤体とに選別されるようにした円盤体選別装置であって、少なくとも、前記挿入口、及び、当該挿入口の下方に円盤体の返却口が形成された板状の前面体と、前記前面体に対し平面視略直角に取り付けられた板状の本体と、前記本体の上端部に対し、上端部を回動自在に取り付けられ、通常は前記本体に対し略平行に配置されるドアと、を含み、前記円盤体通路は、前記本体、前記ドア、前記ドアに取り付けた上側案内体、及び、前記ドア又は本体に取り付けた下側案内体により、前記本体と前記ドアとの間に上向きの通路を含んで構成され、前記挿入口の下流に配置され、前記挿入口に投入された円盤体を前記上向きの円盤体通路へ向かって放出する放出手段と、前記円盤体通路における上向の通路に配置された前記直径選別手段と、を含むことを特徴とする円盤体選別装置である。
本発明に係る第15の発明は、前記放出手段は、固定体と弾出体によって構成され、前記前面体の前面には、前記挿入口の上下方向の中間において、前記挿入口の長手方向に対し直交方向に延在する押込溝が形成され、当該押込溝の押込溝底部は、前記円盤体の中心を通り、前記固定体と円盤体との第1接点、及び、前記弾出体と前記円盤体との第2接点とを結んだ直線に対し、前記円盤体の中心が前記挿入口から前記直径選別手段側に超えた位置において形成されてなることを特徴とする第14の発明の円盤体選別装置である。
第1の発明によれば、挿入口に投入された円盤体は、当該挿入口の下流に配置された放出手段によって円盤体通路の上向き通路又は水平通路へ向かって放出され、当該上向き通路又は水平通路に配置された円盤体選別手段によって選別される。換言すれば、円盤体通路は、挿入口に続く上向きの通路、又は、水平通路に円盤体選別手段が配置されることから、円盤体選別手段は、挿入口の下端よりも上方に配置されることができる。換言すれば、円盤体選別手段は少なくとも挿入口の下端に対して、水平方向において上方に配置されることから、円盤体選別装置の上下方向の大きさを短縮でき、本発明の第1の目的を達成できる利点がある。
第2の発明によれば、挿入口に投入された円盤体は、当該挿入口の下流に配置された放出手段によって円盤体通路の上向き通路へ向かって放出され、当該上向き通路に配置された円盤体選別手段、又は、上向き通路に続いて設けられた下向き通路に配置された円盤体選別手段によって選別される。換言すれば、円盤体通路は、挿入口に続く上向きの通路、又は、上向き通路に続く下向き通路に円盤体選別手段が配置されることから、円盤体選別手段は、挿入口の下端よりも上方に配置されることができる。換言すれば、円盤体選別手段は少なくとも挿入口の下端に対して、水平方向において上方に配置されることから、円盤体選別装置の上下方向の大きさを短縮でき、本発明の第1の目的を達成できる利点がある。
第3の発明は、第1又は2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。さらに、第3の発明においては、円盤体選別手段が直径選別手段である。直径選別手段は比較的安価に構成できるので、本発明の第2の目的を達成できる利点がある。
第4の発明は、第1又は2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。さらに、第4の発明においては、放出手段は、挿入口に対し下側に配置された弾出体と、弾出体に対して上側に配置された固定体を含んでいる。したがって、上側に配置された固定体は移動しないことから、挿入口に挿入される円盤体によって、弾出体が固定体から離れる方向へ移動された後、ついには付勢力によって固定体へ近づく方向へ勢いよく移動される。換言すれば、弾出体は勢いよく移動されるので、円盤体はこの弾出体の移動によって、勢いよく上方又は水平の円盤体通路である上向き通路又は水平通路へ放出される。したがって、挿入口の下流に配置された固定体と弾出体とによって放出手段が構成されるので、構成が簡単であり、安価に製造でき、本発明の第2の目的を達成できる利点がある。
第5の発明は、第第1又は2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。さらに、第5の発明においては、弾出体は、支軸に回動自在に支持されると共に、付勢手段によって一方向に回動力を付勢された放出レバーと、前記支軸よりも前記挿入口の近くに位置する前記レバーの一端部に回転自在に取付けられたローラーである。したがって、弾出体は、放出レバー、ローラー、及び、付勢手段によって構成されているので、構成が簡単であり、安価に製造でき、本発明の従的目的である第2の目的を達成できる利点がある。
第6の発明は、第1又は第2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第6の発明においては、さらに、前記レバーが受け入れるべき円盤体の直径に対応する位置よりも僅かに回動した位置において、移動を制限される移動制限体を含むので、実質的に受け入れるべき円盤体の直径を超える大径の円盤体は、挿入口を通過されることが出来ない。したがって、所定の円盤体よりも大径の円盤体を正確にかつ安定して排除することが出来、本発明の従的目的である第3の目的を達成できる利点がある。
第7の発明は、第1又は第2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第7の発明においては、さらに、上向き通路は、少なくとも上側案内体と下側案内体によって構成され、前記上側案内体はサイコロイド曲線に形成されている。これにより、弾出体によって放出された円盤体は、主に上側案内面のサイコロイド曲線によって案内される。詳述すれば、円盤体は上側案内体の案内面に案内されつつ移動する。よって、円盤体がサイコロイド曲線に形成された案内面に当接した場合、接線方向に案内されるので、円盤体は上側案内体と下側案内体とによってスムーズに案内される。また、円盤体が弾出体によって上向き角度がやや小さく弾き出された場合には下側案内体によって案内された後、前述のように上側案内体によって案内されるようになるので、安定した円盤体の直径による選別を行うことができ、本発明の第3の目的を達成できる利点がある。
第8の発明によれば、第2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第7の発明においては、さらに、上向き通路に相対して偽円盤体吸着磁石が配置されているので、直径及び厚みが正規の円盤体と同一であるが材質が鉄製の偽円盤体は、当該偽円盤体吸着磁石によって吸着して選別することができ、本発明の第4の目的を達成できる利点がある。
第9の発明は、第1又は2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第9の発明においては、さらに、略垂立する平板状の本体に下側案内体が一体的に設けられ、上側案内体は略垂立する平板状の本体に対し上端部が軸支されると共に、下端部が前記本体に対し離れる方向に回動自在に取り付けられたドアに一体化されている。これにより、円盤体が円盤体通路において詰まった場合、本体に対しドアを回動させて上側案内体を円盤体通路の上側位置から移動させることにより、垂直面に対して斜めにして落下させることができるので、円盤体の詰まりを容易に解消でき、本発明の第5の目的を達成できる利点がある。
第10の発明は、第1又は第2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第10の発明においては、さらに、上向き通路に続いて下向き通路が設けられ、下向き通路に相対して材質選別永久磁石が配置されているので、第8の発明における偽円盤体吸着磁石に吸着されなかった、真正円盤体よりも高電気伝導性材料により製造された偽円盤体に対し、渦電流を生起させて制動力を付与することで大きく減速させて選別することができ、本発明の第6の目的を達成できる利点がある。
第11の発明は、第第1又は第2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第11の発明においては、さらに、第10の発明において、下向き通路に突出すると共に、前記上側案内体に対する距離が調整可能に設けられた振分体を含んでいるので、円盤体選別装置の個体差や設置状態の差による、速度差に対応して振分体位置を調整して適切な選別を行うことができるので、本発明の第6の目的を達成できる利点がある。
第12の発明は、第第1又は第2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第12の発明においては、さらに、所定の付勢力によって前記上向き通路に突出する押動体を含んでいるので、真正円盤体よりも小径の偽円盤体を、早期に円盤体通路から逸らすことができ、一層確実に選別でき、もって、本発明の第1の目的をより一層達成できる利点がある。
第13の発明は、第1又は第2の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1の目的を達成することができる。第13の発明においては、さらに、押動体は、バネによって所定の付勢力が付与されることから、迅速に押動体に対する付勢力を作用させることができ、もって、一層確実に円盤体を選別できるので、本発明の第1の目的をより一層達成できる利点がある。
第14の発明は、板状の前面体において、縦長に形成された挿入口に投入された円盤体は、放出手段によって上向き通路へ放出され、上向き通路を含む円盤体通路に沿って案内される。円盤体は、挿入口に続いてその下流に配置された放出手段によって円盤体通路の上向き通路へ向かって放出され、当該上向き通路に配置された直径選別手段によって選別される。直径選別手段によって選別された小径の偽円盤体は、挿入口の下方に配置された返却口に返却される。上向き通路において詰まった円盤体は、ドアを本体の上部設けた支軸を支点として回動させて下部の間隔を拡大させて落下させた後、返却口に返却される。よって、本発明の第1乃至第3の目的を達成できる利点がある。
第15の発明は、第14の発明と基本的構成は同一であるので、本願発明における第1乃至第3の目的を達成することができる。第15の発明においては、さらに、前記放出手段は、固定体と弾出体によって構成され、前記前面体の前面には、前記挿入口の上下方向の中間において、前記挿入口の長手方向に対し直交方向に延在する押込溝が形成され、当該押込溝の押込溝底部は、前記円盤体の中心を通り、前記固定体と円盤体との第1接点、及び、前記弾出体と前記円盤体との第2接点とを結んだ直線に対し、前記円盤体の中心が前記挿入口から前記直径選別手段側に超えた位置において形成されている。この構成によって、円盤体は毎回同一の条件で弾出体によって放出されるので、選別が一層安定する効果がある。
図1は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置の右上方からの斜視図である。 図2は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置の正面図である。 図3は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置の左側面図である。 図4は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置の右側面図である。 図5は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置であり、(A)は図2におけるX―X線断面図、(B)は(A)におけるZ―Z線断面図である。 図6は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置のドアの裏面図である。 図7は、図4におけるY一Y線断面図である。 図8は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置の拡大説明図である。 図9は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置に用いられる押動体の右下方からの斜視図である。 図10は、本発明にかかる実施例1の円盤体選別装置の円盤体の選別方法を説明するための説明図である。 図11は、本発明にかかる実施例2の説明用概要図である。 図12は、本発明にかかる実施例3の説明用概要図である。 図13は、従来技術を説明するための説明図である。
本発明に係る円盤体送出装置の最良の形態は、縦長に形成された挿入口に投入された円盤体が円盤体通路に沿って案内され、少なくとも前記円盤体通路に配置された直径選別手段によって真正円盤体と偽円盤体とに選別されるようにした円盤体選別装置であって、少なくとも、前記挿入口、及び、当該挿入口の下方に円盤体の返却口が形成された板状の前面体と、前記前面体に対し平面視略直角に取り付けられた板状の本体と、前記本体の上端部に対し、上端部を回動自在に取り付けられ、通常は前記本体に対し略平行に配置されるドアと、を含み、前記円盤体通路は、前記本体、前記ドア、前記ドアに取り付けた下側案内体、及び、前記ドア又は本体に取り付けた上側案内体により、前記本体と前記ドアとの間に上向きの通路を含んで構成され、前記挿入口の下流に配置され、前記挿入口に投入された円盤体を前記上向きの円盤体通路へ向かって放出する放出手段と、前記円盤体通路における上向の通路に配置された前記直径選別手段と、を含み、前記前面体の前面には、前記挿入口の上下方向の中間において、前記挿入口の長手方向に対し直交方向に延在する押し込み溝が形成され、当該押し込み溝の底部は、前記固定体と円盤体との第1接点、及び、前記弾出体と前記円盤体との第2接点とを結んだ直線に対し、前記円盤体の中心が前記挿入口から僅かに離れた位置において形成されてなることを特徴とする円盤体選別装置である。
本実施例1に係る円盤体選別装置100は、挿入口122に挿入された円盤体Dが、放出手段104によって上方へ向かって放出され、上方への移動途中に円盤体選別手段102によって選別される機能を有し、少なくとも、円盤体通路108、上向き通路172、放出手段104、及び、円盤体選別手段102を含んでいる。
まず円盤体通路108を主に図1乃至図6を参照しつつ説明する。
円盤体通路108は、薄板状の空間であって、挿入口122から挿入された円盤体Dが返却通路136又は受入通路176まで案内される機能を有し、板状の本体114と板状のドア116によって形成されている。
まず本体114を説明する。
本体114は、ドア116の他の各種の部品が取り付けられると共に、円盤体通路108の一側面を画定する機能を有し、大まかには、垂立する平板状体によって構成されている。本体114は、縦長矩形の板状の前面体118の裏面側中央部に一端面が突き立て有られるように固定され、平面視において、前面体118と本体114とはT字型をなすように構成されている。
次に前面体118を説明する。
前面体118は、円盤体Dを挿入する利用者に対面し、利用者とのやりとりを行うインターフェース機能部品が配置される機能を有し、大凡縦長矩形の板状体によって構成され、挿入口122、返却口124、及び、返却レバー126が配置されている。
挿入口122は、円盤体Dが挿入される機能を有し、前面体118の正面視における中央部、換言すれば、上下方向及び左右方向における大凡中央部に形成された縦長矩形のスリット状の開口であって、選別対象の所定の円盤体Dの直径及び厚みよりも僅かに大きく形成されている。したがって、使用が想定される円盤体Dの直径又は厚みを超える円盤体Dは挿入口122を通過することができない。挿入口122の上下方向の中間には、挿入口122の延在方向に対し直交する方向、換言すれば、水平方向に延在する押込溝128が所定の幅(垂直方向)で所定の長さ(水平方向)によって大凡横長矩形に形成されている。押込溝128は、その押込溝底部128Bの位置が重要であり、その位置は後述の放出手段104の説明と共に行う。押込溝底部128Bは、垂立する平面壁状を呈している。
次に、返却口124を説明する。
返却口124は、偽円盤体FD、又は、円盤体Dの処理の途上において、処理を中止したい場合に後述の返却レバー126が操作された際、円盤体Dが戻される縦長矩形の開口である。返却口124の前方には円盤体保持体132が並置されている。
円盤体保持体132は、返却口124から排出された円盤体Dを立った状態で保持する機能を有し、下面、前面、上面、及び、左側面が閉止され、右側面の下部の一部が閉止され、上部が開口された袋状の構成体である。左側面の内面には右側面側への案内突条134が形成され、円盤体Dは左側面から浮き上がらせられるように案内される。
次に、返却レバー126を説明する。
返却レバー126は、円盤体Dの処理の途上において、処理を中止したい場合に操作され、当該操作に連動して円盤体通路108に位置する円盤体Dを戻す機能を有し、支軸回りに回動可能にされたレバーである。
次に本体114の他の部分を主に図5を参照しつつ説明する。
本体114は、円盤体通路108を画定する本体内面114iは平面状に形成されている。なお、本体114は耐摩耗性を有する樹脂によって成形され、又は、安価な樹脂によって本体114を成型し、円盤体通路108を構成する部分には、金属などの耐摩耗性を有する板状体を埋め込んで構成することができる。本実施例1において、本体114には、その垂立する本体内面114iに、大凡、円盤体通路108の円盤体通路上縁108uと正面視形状が一致する上向き湾曲状の円盤体通路凹部138が所定の深さで形成されているが、円盤体通路108の下側は開放されている。換言すれば、本体114の本体内面114iは、上段114u、中段114m、及び、下段114lとからなる三段構成の平板である。上段114uは、大凡、円盤体通路108を画定するように、円盤体通路108の外周に配置される。中段114mは、円盤体通路108の一側、本実施例1においては右側側面を画定する。円盤体通路凹部138は上段114uと中段114mによって構成されている。円盤体通路凹部138の所定の深さとは、挿入口122の横幅Wとほぼ同一である。したがって、円盤体通路108の右側壁108Rは、円盤体通路凹部138の底壁138Bである。しかし、円盤体通路凹部138を構成することは必須の構成ではない。下段114lは後述の円盤体保持体132が受け入れられる、中段114mに対してさらに一段掘り下げられた凹部であり円盤体保持板166よりもやや大きく相似形に形成されている。本体114の円盤体通路凹部138の底壁138Bから横向きに下側案内体154が突出形成されている。本体114の下端部には、円盤体通路108の下方において、返却通路底壁136Bが前面体118側に向かって前下がりの返却通路136が形成されている。この返却通路136において、円盤体Dは立った状態におい、自己の重量によって返却口124側へ転がり落ちることができる。下段114lは、後述の上側案内体152の外側に配置される円盤体保持板166を受け入れる凹部である。換言すれば、円盤体Dが選別可能状態である場合、上段114u(本体内面114i)は後述のドア116のドア内面116iと接触し、中段114mは真正円盤体TDの厚みよりも僅かに離れた距離で平行に配置され、下段114lは中段114mよりも更に離れた距離で平行に配置される。
次に円盤体保持板166を説明する。
円盤体保持板166は、円盤体通路108の一部を構成する機能、及び、偽円盤体吸着磁石146に吸着された偽円盤体FDを円盤体通路108から排除する機能を有し、本実施例1においては、矩形板状に磁性ステンレス材によって形成され、上端部が上側案内体152の反ドア側側面に固定されている。したがって、円盤体保持板166の一面は、上側案内体152の反ドア116側面に密着して固定されている。この構成よって、図10に示すように、円盤体通路108を内蔵する仮想平面VPは円盤体保持板166よりもドア116側に偏った位置に配置される。円盤体保持板166の円盤体通路108に面した位置に、偽円盤体吸着磁石146用の円形の磁石開口168が形成されている。この構成により、偽円盤体吸着磁石146の先端が磁石開口168に円盤体通路108に突出することなく位置する。これにより、本体114に固定された偽円盤体吸着磁石146によって、円盤体保持板166が吸引されるので、円盤体保持板166と一体化されているドア116が本体114側に回動され、本体内面114iとドア内面116iとが密接した状態で静止状態を維持する。換言すれば、偽円盤体吸着磁石146と円盤体保持板166はドア116を円盤体Dの選別が可能な状態に保持する機能を有するが、この機能は、バネなどによって代替することができる。また、磁性材料で製造された偽円盤体FDは、偽円盤体吸着磁石146の側方を通過する際、偽円盤体吸着磁石146の磁力によって吸着され、円盤体保持板166に密着した状態で保持される。換言すれば、磁性を有する偽円盤体FDは、一側面が円盤体保持板166の一面に密着した状態で保持される。ドア116が本体支軸142を支点に回動された場合、ドア116の下部ほど本体114から離れるよう移動する。ドア116と一体に上側案内体152及び円盤体保持板166も回動される。これにより、偽円盤体吸着磁石146は本体114に固定されているので、ドア116の回動と共に偽円盤体FDから離れるので、偽円盤体FDに対する吸引力が低下し、最終的に、偽円盤体吸着磁石146による吸着力が低下し、円盤体保持板166と偽円盤体FDとの間の摩擦力に基づく保持力よりも、偽円盤体FDの重量が大きくなり、下方の返却通路136へ落下させられ、返却口124を経由して、円盤体保持体132へ戻される。
次に下側案内体154を図5を参照して説明する。
下側案内体154は、円盤体通路108における下側案内108lを構成する機能を有し、本実施例1においては、大凡、楕円形をしており、その下側案内体上縁154uが下側案内面154gを構成している。下側案内面154gは、受入案内面154e、受入案内面154eの下流側に連続して位置する下側弧状案内面154s、及び、下側弧状案内面154sに続く出口案内面154tによって構成されている。受入案内面154eは、直線的に形成され、挿入口122から離れるにしたがって上昇する前上がりの斜面に形成されている。受入案内面154eは、円盤体Dが後述する直径選別手段106に円滑に案内されるように、入口をラッパ状に広げるために設けられる。よって、受入案内面154eは弧状であっても良い。下側弧状案内面154sは、後述する上側案内体152の上側案内面152sと同一の間隔を維持するように弧状に形成されている。出口案内面154tは、挿入口122から離れるにしたがって下方になる前下がりの短い直線的な斜面であるが、弧状であっても良い。
次に返却通路136を主に図5を参照して説明する。
返却通路136は、後述する直径選別手段106によって判別された偽円盤体FD、を利用者に対し戻す機能を有し、本実施例1において返却通路136は、断面が縦向きコ字型であって、前下がりの溝状に形成されている。詳述すれば、返却通路136は、図5(B)に示すように、左壁136L、右壁136R、及び、返却通路底壁136Bによって、断面が倒立コ字型の溝型であって、前面体118側に向かって前下がりに構成され、偽円盤体FDは、前下がりに傾斜する返却通路底壁136B上を左壁136L、及び、右壁136Rによって案内されつつ返却口124に向かって転動する。左壁136Lの上端は、前述の円盤体保持体132によって落下される偽円盤体FDを返却通路136へ誘導するため、上方にラッパ状に拡開されている。なお、本明細書において、前下がりとは,円盤体Dの転動方向の前方が基準とする位置よりも上下方向において下方に位置することをいう。
次にドア116を主に図6を参照しつつ説明する。
ドア116は、本体114と共に円盤体通路108を構成する機能、及び、円盤体通路108に滞留した円盤体Dを返却通路136へ落下させる機能を有し、本実施例1においては、本体114よりも小型の大凡矩形の板状体によって構成され、ドア内面116iは、平面であって、通常は本体内面114iに対し、真正円盤体TDの厚みよりも僅かに広い間隔W2(図7)をおいて平行に配置されている。ドア116の上端部は、本体114の上端部に一体化された本体支軸142(図3)に回動自在に軸支され、ドア116の下端部116Lが本体114から離れるように回動可能である。ドア116は、ドア付勢手段144(偽円盤体吸着磁石146及び円盤体保持板166)によって、下端部116Lが本体114側に近づくように回動力を受け、ドア内面116iが本体内面114iに当接することによって、ドア内面116iと本体内面114iとが平行になるように設定されている。なお、ドア116はその上端部が、本体114の上端部に、その軸線が本体内面114iに対し平行に設けた、本体支軸142に対し着脱自在、かつ、所定範囲において回動自在に構成されている、ドア116は、通常状態においては、後述のドア付勢手段144によって、所定の付勢力によってドア内面116iが本体内面114iに押し付けられ、中段114mとドア内面116iとが間隔W2でもって平行状態を呈するように構成されている。本実施例1において、ドア116には挿入口122の近傍から離れ、かつ、上方に向かって弧状に延在する落下開口158が形成されている。さらに、挿入口122側の上端部に上側案内体152が取り付けられている。
次に落下開口158を主に図6及び図10を参照して説明する。
落下開口158は、円盤体Dが円盤体通路108を進行する過程において、後述する押動体184によって当該円盤体通路108から押し出されることを可能とする機能を有し、本実施例1においては、所定の長さを有する弧状開口を呈している。落下開口158は、後述の円盤体通路108の一側面、本実施例1においては左側面に配置され、同一の中心Cから第1半径R1によって形成された落下開口下側縁158lと、第1半径R1よりも大きな第2半径R2によって形成された落下開口上側縁158uとによって形成されている。第1半径R1と第2半径R2との差、換言すれば、落下開口158の開口高さHは、真正円盤体Dの直径よりも僅かに小さく設定されている。落下開口下側縁158lは、ドア内面116iと面一に配置された横向きJ型の下縁案内体162の上縁によって構成されている。落下開口上側縁158uは、上側案内体152の上側案内面152sによって構成されている。上側案内体152は、所定の厚み、具体的には、真正円盤体TDの厚みよりも僅かに厚く形成され、ドア内面116iに固定されている。したがって、図10に示すように、上側案内体152の左端と下縁案内体162の右端は同一の仮想平面VPの左端面に位置している。換言すれは、円盤体Dの上側周面は落下開口上側縁158uに位置する上側案内面152sによって案内され、下側周面は落下開口下側縁158lよりも僅かに下方に位置する下側案内体154の下側案内面154gによって案内される。本実施例1において、ドア116における落下開口158の外方、換言すれば、反本体114側には、落下開口158から落下する偽円盤体FDを返却通路136へ案内するためのカバー164が一体に設けられている。カバー164の下端縁164lは開放され、偽円盤体FDが落下可能である。さらに、前面体118側のカバー164の下端縁164lとドア116の間にはガイド板170が配置されている。換言すれば、ドア付勢手段144、したがって、偽円盤体吸着磁石146の直下のカバー164とドア116との間にはガイド板170を配置し、ドア付勢手段144から落下した偽円盤体FDはガイド板170によって反前面体118側へ案内された後、落下口180から落下するように構成されている。
次に上側案内体152を説明する。
上側案内体152は、放出手段104によって上方へ向かって放出された円盤体Dの上側周面を案内する機能を有し、本実施例1においては、下側案内体154に対し、真正円盤体TDの直径よりも僅かに大きな距離をおいて配置された大凡台形型に形成され、その案内面が弧状の上側案内面152sとして形成されている。本実施例1において、上側案内体152は耐摩耗性を考慮してステンレス板によって製造されているが、これに限らない。上側案内面152sは、サイコロイド曲線にすることが好ましい。円盤体Dが衝突した場合、その衝突方向が概ね接線方向にできるため、円盤体Dが大きな角度で跳ね返らず、円盤体Dが円滑に案内されるからである。
次に円盤体通路108を主に図5及び図7を参照して説明する。
円盤体通路108は、放出手段104によって放出された円盤体Dを案内する機能、本実施例1においては、必要な時期に円盤体Dの左側面DL、右側面DR、下周面DD、及び/又は、上周面DU(図9)を案内する機能を有し、本実施例1においては、本体114(本体内面114i)、ドア116(ドア内面116i)、上側案内体152(上側案内面152s)、及び、下側案内体154(下側案内面154g)によって構成さている。具体的には、円盤体通路108は挿入口122に連続して形成された上向き通路172、この上向き通路172に続いて形成された下向き通路174によって構成されている。
まず、上向き通路172を説明する。
上向き通路172は、挿入口122の下縁122lよりも上方に向かう通路であり、本実施例1においては、挿入口122に対して上方に向かうと共に、前面体118から離れる方向に形成されている。具体的には、放出手段104から前述の上側案内体152と下側案内体154に達するまでの通路、及び、上側案内体152と下側案内体154とによって画定された通路、換言すれば、上側案内面152sと下側案内面154gによって挟まれた通路とによって構成されている。上側案内面152sと下側案内面154gは前述したように、真正円盤体TDの直径よりも僅かに大きな間隔で平行に配置されている。換言すれば、真正円盤体TDは上下の周面を上側案内面152sと下側案内面154gによって案内されつつ、右側面DRを中段114m、左側面DLをドア内面116iに案内されつつ下流の下向き通路174へ達することができる。しかし、真正円盤体TDよりも大径の偽円盤体FDは上側案内面152sと下側案内面154gとの間を通過することができず、上向き通路172を通過することができない。一方、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDは後述する押動体184によって横方向へ押動され、上向き通路172から逸らされて落下開口158から落下される。本実施例1において、上側案内面152sと下側案内面154gは弧状に形成されているが、直線状であってもよい。本実施例1においては、この上向き通路172に相対して直径選別手段106が配置されている。直径選別手段106を上向き通路172に相対配置することにより、円盤体選別装置100の上下方向及び前後方向の寸法を小型化できる利点がある。
次に下向き通路174を説明する。
下向き通路174は、上向き通路172に続いて形成され、上向き通路172における直径選別手段106を通過した円盤体Dを偽円盤体FDとして返却通路136へ案内するか、真正円盤体TDとして受け入れるため受入通路176へ振り分ける機能を有し、少なくとも、下向き通路174に突出する振分体178が配置される。本実施例1においては、振分体178までの下向き通路174に更なる偽円盤体FDを選別するための材質選別永久磁石175が配置されている。下向き通路174は、上向き通路172における上向き状態から、逆に円盤体Dを下方へ案内する通路であり、本実施例1においては、上向き通路172を通過した円盤体Dがその勢いにのって、斜め下方、又は、下方へ自然落下できるように構成されている。したがって、少なくとも、円盤体Dの左側面DL及び右側面DRを案内する、中段114m及びドア内面116iがあれば良い。
次に材質選別永久磁石175を説明する。
材質選別永久磁石175は、直径選別手段106を通過した円盤体Dの材質が真正円媒体Dの所定の材質であるかを磁気電気的に選別する機能を有し、本実施例1においては、下向き通路174の入り口部の側方の本体114の背面に比較的強力な磁力を発生する磁石が用いられている。すなわち、材質選別永久磁石175によって形成された磁界を導電性を有する円盤体Dが横切る際、円盤体Dを構成する材質の導電性に応じた渦電流が円盤体Dの内部に発生し、円盤体Dには渦電流の大きさに比例して制動力が作用する。したがって、直径選別手段106を通過した円盤体Dが所定の材質で無く、導電率が高い材料である場合、材質選別永久磁石175の作用によって大きな制動力が発生し、移動速度が遅くなり、上向き通路172を出た直後に大凡垂直下方へ落下する。一方、所定の材質の円盤体Dである場合、制動力は弱く、移動速度の減速が小さいので放物線を描いて落下する。したがって、選別する円盤体Dの材質に基づいて選別されるので、材質選別永久磁石175は必須構成ではないが、例えば、日本円の100円硬貨を真正円盤体TDとして判別する場合、直径を100円硬貨と同一に細工した5円硬貨に対し選別するには必須の構成となる。なお、材質選別永久磁石175を用いる場合、本体114は非磁性体、例えば、樹脂により製造される。
次に振分体178を説明する。
振分体178は、直径選別手段106を通過した円盤体Dを偽円盤体FDとして返却通路136、又は、受入通路176に案内する機能を有し、下向き通路174に配置される。本実施例1においては、材質選別永久磁石175の下流側端部の直下に配置される断面矩形の小片である。本実施例1において、振分体178は本体114の裏面に固定され、本体114に形成された透孔182を介して下向き通路174に突出され、直径選別手段106(前面体118)に対する距離を調整可能に本体114の裏面に固定されている。
次に円盤体選別手段102を説明する。
円盤体選別手段102は、円盤体Dの特徴に基づいて真正円盤体TD又は偽円盤体FDに選別する機能を有し、本実施例1においては機械的に構成された直径選別手段106が用いられている。しかし、円盤体選別手段102は、同様の機能を有する他の装置に変更することができる。選別に用いる円盤体Dの特徴は、直径、厚み、材質、又は、それらの2以上の組み合わせを用いることができ、当該特徴の検出手段は、機械的構造、電気的センサー、電気磁気的センサー、又は、光学的センサー、光学カメラ等を用いることが出来る。これらのセンサーを用いる場合、当該センサーを上向き通路172に相対して配置し、真正円盤体TD又は偽円盤体FDの振分手段をセンサーよりも下流側の上向き通路172又は下向き通路174に配置することができる。公知の電気磁気的センサーを用いる場合、例えば、本出願人の出願に係る特許第5608898号に開示されたフェライトコアを用いることができる。
次に直径選別手段106を説明する。
直径選別手段106は、直径によって真正円盤体TDと偽円盤体FDに選別する機能を有し、本実施例1においては、上向き通路172に配置された上側案内体152、下側案内体154、押動体184、及び、円盤体側面案内体186によって構成されている。換言すれば、挿入口122に挿入され、後述の放出手段104によって放出され、上向き通路172を通過する円盤体Dの一側面を押動体184によって押動することにより、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDを円盤体通路108、したがって、上向き通路172から押し出して選別するようになっている。直径選別手段106は、同様の機能を有する他の装置に置き換えることができる。
まず、押動体184を主に図9を参照して説明する。
押動体184は、円盤体通路108を移動する円盤体Dの側面を押動し、円盤体通路108から押し出す機能を有し、本実施例1においては、本体114の裏面側に水平に、かつ、円盤体通路108と平行に固定された回動軸188(図4)に下端部の軸受け部184sが回動自在に軸支され、上端部に押動部184pが形成されている。押動部184pは、平面視が台形状、側面視円弧状であり、本体114の上向き通路172に面して形成された弧状の通孔192を介して円盤体通路108、したがって、上向き通路172に突出可能にされる。押動部184pの円盤体通路108側の端縁である押動縁184eは、円盤体通路108の最上流側に位置する導入部184ei、導入部184eiの下流側に連続し、円盤体通路108側へ湾曲する逸らせ部184ed、及び、逸らせ部184edの下流側に連なり、落下開口158に位置可能な突出部184epを含み、押動縁184eは全体として斜面によって結合された階段状をなしている。また、押動体184は、回動軸188に巻き付けられたバネ194によって、押動部184pが本体114に形成された弧状の通孔192を通って円盤体通路108へ突出するように付勢されると共に、この付勢によって、押動体184は、導入部184eiが通孔192に位置し、逸らせ部184edが円盤体通路108を斜めに横断し、突出部184epが落下開口158に位置するように、通常は、ストッパ(図示せず)によって静止されている。バネ194の付勢力は、真正円盤体TDが通過する際は、真正円盤体TDが押動体184を円盤体通路108から押し出して通過できるように設定されている。この付勢力はバネ以外の手段、例えば、磁力、重り等によって付加することができる。
次に円盤体側面案内体186を主に図6及び図8を参照しつつ説明する。
円盤体側面案内体186は、直径選別手段106に相対する円盤体通路108を真正円盤体TDが通過する際、当該真正円盤体TDが落下開口158へ落下させられないように案内する機能を有し、本実施例1において、円盤体側面案内体186は図10に示すように、下側案内体154の側方のドア116に固定された板状のガイド板である下縁案内体162の一部によって構成されている。円盤体側面案内体186の案内体上縁186uは、下側案内体154の下側弧状案内面154sに対し僅かに上方、例えば、0.3〜1.0ミリメートル、好ましくは0.5ミリメートル上方に配置されている。換言すれば、案内体上縁186uは下側弧状案内面154sに対し相似形に弧状に形成され、それらの間の間隔は、全長に亘って、例えば、下側弧状案内面154sの全長に亘って0.5ミリメートルの等間隔に形成される。本実施例1において、円盤体側面案内体186は、下縁案内体162と一体に構成されている。この構成によって、円盤体Dが円盤体通路108を移動する際、通常は、円盤体Dの上側周面が落下開口上側縁158uに案内され、下側周面は下側弧状案内面154sと僅かな隙間をもって移動する。この際、円盤体Dの下側側面は、円盤体側面案内体186の側面と僅かな量、相対しつつ移動する。したがって、円盤体Dは押動部184pによってその先端部中央部を横方向へ押動された場合であっても、落下開口上側縁158uと上側周面との摩擦力、及び、下端側面は円盤体側面案内体186によって案内されるので、円盤体通路108から押しだされることはない。しかし、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDは、下端側面が円盤体側面案内体186によって案内されてないため、落下開口158へ押し出され、選別される。
次に、放出手段104を主に図4及び図10を参照して説明する。
放出手段104は、円盤体Dを上方へ放出する機能を有し、本実施例1においては、挿入口122の近傍における上下方向において、挿入口122の下縁122lの近傍に配置された弾出体196と、この弾出体196に対して上側に配置された固定体198を含んでいる。
まず弾出体196を説明する。
弾出体196は、上方へ弾性的に移動され、円盤体Dを上向き通路172へ放出する機能を有し、本実施例1においては放出機構212によって弾性的に放出力を付与されている。放出機構212は、後述の放出レバー218の一端から横向き水平方向へ突出するローラー支軸202に回転自在に支持されたローラー204によって構成され、本体114に形成され、上下方向に延在する弧状長孔206を介して円盤体通路108、したがって、上向き通路172に突出している。弾出体196は放出レバー218の先端から突出する円柱体でも良いが、ローラー204を用いることにより、円盤体Dとの摩擦抵抗が減少し、放出方向が安定すると共に、放出速度を高められる利点がある。換言すれば、ローラー204を用いることにより、放出力が小さい放出機構212を用いることができるので、安価に構成できる利点がある。なお、ドア116の前面体118側の下端部には、弾出体196の先端部を受け入れる弧状溝214が形成されている。弾出体196は、後述の待機ストッパ224に放出レバー218が係止されている場合、その上側周面は挿入口122の下縁122lよりも上方に位置し、固定体198との間隔は、真正円盤体TDの直径よりも小さく設定されている。
本実施例1において放出機構212は、少なくとも、放出支軸216、放出レバー218、放出弾性体222、待機ストッパ224を含んでいるが、更に、移動制限体226を含むことが好ましい。しかし、放出機構212は本実施例1における放出支軸216回りに回動自在な放出レバー218に換えて、垂直上方又は斜め上方に向かって弾性的に直線運動される機構を用いることができる。
まず、放出支軸216を図4を参照しつつ説明する。
放出支軸216は、本体114の表面から外方へ向かって横向き水平に突出する支軸であり、本実施例1においては、片持ち支軸であるが、両持ち支軸であっても良い。
次に放出レバー218を説明する。
放出レバー218は、ローラー支軸202を介して弾出体196を支持すると共に、放出弾性体222からの弾発力を受け取る機能を有し、本実施例1においては直状棒状体に形成され、中間を放出支軸216によって軸支され、円盤体Dが挿入されない場合、放出支軸216よりも前面体118の近傍の本体114に固定された待機ストッパ224に係止されて大凡水平な待機状態を呈する(図4鎖線示)。
円盤体Dが挿入された場合、ローラー204が押し下げられるので、放出レバー218は図4において放出支軸216を中心に反時計方向へ回動された後、放出弾性体222によって弾性的に時計方向へ回動され、固定体198との間で挟持した円盤体Dを斜め上方へ放出する。
次に放出弾性体222を説明する。
放出弾性体222は、弾出体196を弾性的に付勢し、円盤体Dを放出する力を付与する機能を有し、本実施例1においては放出弾性体222の一端を放出レバー218の一端に係止され、当該放出レバー218に図4において時計方向の回動力を付与している。放出弾性体222としては、バネの他、ゴム、ガススプリング等を用いることができる。
次に移動制限体226を図4を参照して説明する。
移動制限体226は、弾出体196の円盤体Dによる移動量、換言すれば、放出レバー218の回動量を制限する機能を有し、本実施例1においては、本体114の表面に形成したかまぼこ形の突起であり、真正円盤体TDによって弾出体196を介して放出レバー218が回動された場合、移動制限体226によってその回動は制限されないが、真正円盤体TDよりも僅かに大径の偽円盤体FDが挿入された場合、放出レバー218が移動制限体226に係止され、それ以上回動されないため、所定の直径以上の円盤体Dは、放出手段104によって放出されない。
次に固定体198を主に図8を参照しつつ説明する。
固定体198は、静止状態に設けられ、弾出体196との間で円盤体Dを挟み、放出する機能を有し、本実施例1においては、金属製円柱体によって構成されているが、ローラーであっても良い。固定体198は、挿入口122の上縁122uの近傍にその下端縁が位置するように本体114に固定されている。
図5及び図8から明らかなように、固定体198は弾出体196に対し上方であって、かつ、挿入口122に近く配置されている。このように、弾出体196が挿入口122に対し固定体198よりも遠くに位置している場合、図8に示すように、円盤体Dと固定体198との第1接点P1と弾出体196の第2接点P2とを結んだ直線Lを円盤体Dの中心CDが超えた瞬間に弾出体196によって円盤体Dが弾き出される。この際、円盤体Dはその挿入口122側の下端部の円弧周面を弾出体196によって押されるので、斜め上方、換言すれば上向き通路172へ向かって放出される。なお、押込溝128の押込溝底部128Bは、円盤体中心CDが直線Lを超えた直後に円盤体Dの後端と面一になるように構成されている。これにより、円盤体Dは弾出体196に作用する放出弾性体222の付勢力によってのみ放出されることになり、円盤体Dを勢い良く挿入口122に挿入させることによる誤選別を防止している。
次に実施例1の円盤体選別装置100の作用を説明する。
本実施例1においては、100円硬貨を真正円盤体TDとし、その他の硬貨及び材質の異なる円盤体を偽円盤体FDとして説明する。
円盤体Dが挿入口122に挿入されない場合、ドア116は一体に取り付けられた円盤体保持板166が偽円盤体吸着磁石146によって吸引され、本体114の本体内面114iとドア116のドア内面116iとが密接し、中段114mとドア内面116iとが真正円盤体TDである100円硬貨の厚みよりも僅かに広い間隔で平行に垂立している。弾出体196は放出レバー218が待機ストッパ224に係止されることにより、待機位置SBP(図8)に位置し、押動体184は、バネ194の付勢力によって、押動体184が円盤体通路108、具体的には、逸らせ部184edが上向き通路172を斜めに横断するように位置している。
次に真正円盤体TD(100円硬貨)を挿入口122に挿入する。これにより、円盤体Dの下側周面が弾出体196に接触し、上側周面は固定体198の下側周面によって、案内されるので、弾出体196は円盤体Dによって下方へ移動させられ、円盤体Dは固定体198と弾出体196との間へ進入する。
円盤体Dの円盤体中心CDが第1接点P1と第2接点P2とを結んだ直線Lを超えた直後、放出レバー218に作用する放出弾性体222の弾性力によって、弾出体196は放出支軸216回りに急速に、図4において時計方向へ回動され、円盤体Dを上方へ放出する。
放出された円盤体Dは、基本的には上側案内体152の上側案内面152sにその
上側周面が案内されつつ上向き通路172を進行する。放出手段104による放出方向がぶれた場合、円盤体Dは受入案内面154e、又は、下側弧状案内面154sによって案内された後、上側案内面152sに案内されつつ進行する。
円盤体Dは、上向き通路172を通過する過程において、直径選別手段106を構成する押動体184、具体的には、円盤体Dの進行前位周面が円盤体通路108に対し斜めに位置する押動体184の押動縁184eによって横方向へ逸らされる力を受ける。しかし、真正円盤体Dである100円硬貨の下端部側面は側方に位置する円盤体側面案内体186によって案内されると共に、上側周面は上側案内面152sに接しているので横方向の移動に対して摩擦抵抗があるので、円盤体通路108から押し出されることはない。よって、円盤体Dは押動体184を円盤体通路108から押し出して、直径選別手段106を通過し、所定の速度で下向き通路174へ達する。下向き通路174に達した円盤体Dは、移動速度と重量に基づく慣性力と重力に基づいて下向き通路174を斜め下方へ落下、図8においては、左斜め下方へ落下する。真正円盤体TDは、その右側の下側弧状周縁が振分体178に当接し、振分体178の左側へ跳ね飛ばされて受入通路176へ案内され、真正円盤体TDとして選別される。
次に10円硬貨が挿入口122へ挿入される場合を説明する。
10円硬貨(23.5mm)は、100円硬貨(22.6mm)よりも直径が0.9mm大きい。この場合、10円硬貨は挿入口122への挿入は可能で有るが、弾出体196は100円硬貨よりも直径差の0.9mmに関連した量、さらに下方へ移動されようとするが、その回動途中において、放出レバー218は移動制限体226に当接して回動を阻止されるので、結果として、挿入口122へ挿入することはできない。
次に5円硬貨が挿入口122へ挿入される場合を説明する。
5円硬貨は、直径が22mmであるため、0.6mm直径を外見上大きく見せかけることにより、真正円盤体TDとして受け入れられる可能性がある。しかし、当該5円硬貨は、下向き通路174において、材質選別永久磁石175の側方を通過する際、当該材質選別永久磁石175の磁束によって内部に渦電流が生成され、これが5円硬貨に対し制動力として作用する。100円硬貨も導電性であるため、同様に内部に渦電流が生じ、制動力を受ける。しかし、5円硬貨は黄銅製であるため、白銅製の100円硬貨よりも渦電流の発生量が大きく、制動力が大きい。これによって、5円硬貨は、図8において、その左側下端部の円弧周面が振分体178に当接し、振分体178の右側へ案内され、返却通路136に達し、返却通路底壁136B上を転動して返却口124から円盤体保持体132に達し、保持される。
次に100円硬貨と同一の直径及び厚みに形成した鉄製の偽円盤体FDを挿入口122に挿入した場合を説明する。
鉄は強磁性体であるため、弾出体196によって放出された偽円盤体FDは、円盤体通路108における偽円盤体吸着磁石146の前方において、当該偽円盤体吸着磁石146の磁力によって吸着され、円盤体通路108に保持される。この場合、返却レバー126を操作して、ドア116を本体支軸142を中心に回動させてドア116の下端部を本体114から離隔させる。これにより、円盤体保持板166も円盤体通路108を横切って本体114から離れるため、偽円盤体FDは偽円盤体吸着磁石146から離される。これにより、偽円盤体吸着磁石146による吸着力が弱まった偽円盤体FDは、自重によって返却通路136へ落下し、返却口124へ戻され、円盤体保持体132に保持される。
本実施例1においては、上向き通路172に直径選別手段106が配置されているので、上下方向、及び、前後方向の大きさを小型化できる利点がある。
次に本発明に掛かる実施例2を図11を参照しつつ説明する。
実施例1と同一機能部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。実施例2と実施例1との相違は、実施例2においては直径選別手段106(第2直径選別手段242)が第2下向き通路236に配置されている構成である。
本実施例2において、円盤体通路108は第2上向き通路234、及び、第2下向き通路236によって構成されている。
第2上向き通路234は、放出手段104によって上方へ放出された円盤体Dが上方及び前面体118から離れる方向に案内される機能を有する通路であるが、直径選別手段106が配置されていない構成が実施例1とは異なる。
第2上向き通路234に続いて第2下向き通路236が形成されている。本実施例2における第2下向き通路236は前下がりに直線的に傾斜する下側案内レール238に沿って構成され、第2下向き通路236に面して第2直径選別手段242が配置されている。第2下向き通路236の下流部分に振分体178が配置されている。
次に第2直径選別手段242を説明する。
第2直径選別手段242は、下側案内レール238、上側案内レール240、上側側面案内レール244、及び、押動体184によって構成されている。この構成により、落下開口158は下側案内レール238と上側側面案内レール244の下縁の間に形成される。落下開口158に面し、実施例1と同様に落下開口158の中間に押動体184が配置されている。下側案内レール238と上側側面案内レール244の下縁との間隔は、真正円盤体TDの直径よりも小さく、真正円盤体TDよりも僅かに小さい偽円盤体FDよりも大きい。換言すれば、真正円盤体TDの上端部側面は上側側面案内レール244に案内され、小径の偽円盤体FDは押動体184によって落下開口158に押し出されて円盤体通路108から落下させられる。
次に実施例2の作用を説明する。
挿入口122に挿入された円盤体Dが放出手段104によって上向きに放出され、第2上向き通路234によって案内された後、第2下向き通路236に達する。第2下向き通路236において、円盤体Dは自重によって下側案内レール238上を転動する。この転動過程において、円盤体Dは押動体184によって先端部周縁を横方向へ押される。しかし、真正円盤体TDは、上端部側面を上側側面案内レール244によって案内されるので、下側案内レール238から落下することは無い。一方、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDは、上側側面案内レール244によって案内されないため、下側案内レール238から落下させられ、返却通路136を介して返却口124へ戻される。
実施例2においては、第2直径選別手段242が挿入口122の下縁122lよりも上方に配置されることが出来るので、上下方向の大きさを小型化できる効果がある。
なお実施例2において、第2直径選別手段242における円盤体通路108(第2下向き通路236)を垂立状態から傾斜状態にして、第2直径選別手段242における円盤体Dの側面に重力が作用するようにし、真正円盤体TDの上端側面が上側側面案内レール244によって案内され、小径の偽円盤体FDは上側側面案内レール244によって案内されないことから、自重によって円盤体通路108から落下するようにし、押動体184を用いない構成にすることができる。
次に本発明に係る実施例3を図12を参照しつつ説明する。
実施例1又は実施例2と同一機能部には同一符号を付して説明を省略し、異なる構成を説明する。実施例3と実施例1との相違は、実施例3においては直径選別手段106(第3直径選別手段252)が水平通路254に配置されている構成である。
まず、水平通路254を説明する。
水平通路254は、放出手段104によって放出された円盤体Dが移動する通路であり、真正円盤体TDの直径よりも僅かに大きい間隔で水平に設置された下側案内レール238と上側案内レール240によって構成され、挿入口122から水平方向に直状に延在する通路である。
次に実施例3における放出手段104を説明する。
放出手段104を構成する弾出体196と固定体198は、垂直方向において上下に配置されている。詳述すれば、円盤体Dが放出手段104によって放出される直前において、円盤体Dと固定体198との接点P1と円盤体Dと弾出体106との接点P2とを結んだ直線Lが垂立するように配置されている。この配置によって、円盤体Dは放出手段104によって、水平通路254の奥に向かって水平方向に放出される。放出された円盤体Dは、勢いが付けられているとはいえ重力によって落下し、下側案内レール238上を転動する。
次に第3直径選別手段252を説明する。
第3直径選別手段252は、水平通路254を構成する垂立する一方の側壁に形成された矩形の落下開口158と押動体184によって構成されている。落下開口158の直状の下端縁252lは下側案内レール238上に位置し、同様に直状の上端縁252uは下側案内レール238に対し平行であって、当該下側案内レール238から所定距離離れて配置されている。下端縁252lと上端縁252uとの間隔は、真正円盤体TDよりも僅かに小さく、真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDは上端縁252uに案内されないので押動体184の押動力によって落下開口158から返却通路136へ落下される。真正円盤体TDは、その上端部側面が上端縁252uに案内されるので落下開口158に落下されない。
次に、実施例3の作用を説明する。
挿入口122に挿入された円盤体Dは、放出手段104によって水平方向へ放出され、下側案内レール238上を転動して第3直径選別手段252に達する。真正円盤体TDは、上端部側面が上端縁252uによって案内されるので、押動体184によって押されても落下開口158に落下されないが真正円盤体TDよりも小径の偽円盤体FDは落下開口158から落下される。
本実施例3においては、円盤体通路108としての水平通路254に第3直径選別手段252を配置したので、当該第3直径選別手段252は、挿入口122の下縁122lの大凡延長上にその下端が位置することから、全体が全て前下がりの傾斜通路に直径選抜手段を配置する構成に比し、上下方向の寸法を小型化できる利点がある。
CD 中心
D 円盤体
FD 偽円盤体
P1 第1接点
P2 第2接点
L 直線
TD 真正円盤体
104 放出手段
106、242、252 直径選別手段
108 円盤体通路
114 本体
116 ドア
118 前面体
122 挿入口
124 返却口
128 押込溝
146 偽円盤体吸着磁石
152 上側案内体
152s 上側案内面
154 下側案内体
172 上向き通路
174、236 下向き通路
175 材質選別永久磁石
178 振分体
184 押動体
194 バネ
196 弾出体
198 固定体
204 ローラー
216 支軸
218 放出レバー
222 弾性体
226 移動制限体
254 水平通路

Claims (15)

  1. 縦長に形成された挿入口(122)に投入された円盤体(D)が円盤体通路(108)に沿って案内され、少なくとも前記円盤体通路(108)に配置された円盤体選別手段(102)によって真正円盤体(TD)と偽円盤体(FD)とに選別されるようにした円盤体選別装置であって、前記円盤体通路(108)が前記挿入口(122)に続いて前記挿入口(122)から離れると共に、水平方向に向かう水平通路(254)、又は、上方に向かうよう構成された上向き通路(172、234)を含み、前記挿入口(122)の下流に配置され、前記挿入口(122)に投入された円盤体(D)を前記水平通路(254)、又は、上向き通路(172、234)へ向かって放出する放出手段(104)と、前記上向き通路(172、234)、又は、前記水平通路(254)に配置された前記円盤体選別手段(102)と、を含むことを特徴とする円盤体選別装置。
  2. 縦長に形成された挿入口(122)に投入された円盤体(D)が円盤体通路(108)に沿って案内され、少なくとも前記円盤体通路(108)に配置された円盤体選別手段(102)によって真正円盤体(TD)と偽円盤体(FD)とに選別されるようにした円盤体選別装置であって、前記円盤体通路(108)が前記挿入口(122)に続いて前記挿入口(122)から離れると共に上方に向かうよう構成された上向き通路(172、234)を含み、前記挿入口(122)の下流に配置され、前記挿入口(122)に投入された円盤体(D)を前記上向き通路(172、234)へ向かって放出する放出手段(104)と、前記上向き通路(172、234)、又は、前記上向き通路(172、234)に続く下向き通路(174、236)に配置された前記円盤体選別手段(102)と、を含むことを特徴とする円盤体選別装置。
  3. 前記円盤体選別手段(102)は、直径選別手段(106、242、252)であることを特徴とする請求項1又は2に記載した円盤体選別装置。
  4. 前記放出手段(104)は、前記挿入口(122)に対し下側に配置された弾出体(196)と、前記弾出体(196)に対して上側に配置された固定体(198)を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の円盤体選別装置。
  5. 前記弾出体(196)は、ローラー(204)であって、支軸(216)に回動自在に支持されると共に、弾性体(222)によって一方向に回動力を付勢された放出レバー(218)の、前記支軸(216)よりも前記挿入口(122)の近くに位置する一端に回転自在に取付けられていることを特徴とする請求項4に記載の円盤体選別装置。
  6. 前記放出レバー(218)が受け入れるべき円盤体(D)の直径に対応する位置よりも僅かに回動した位置において移動を制限される移動制限体(226)を含むことを特徴とする請求項5に記載の円盤体選別装置。
  7. 前記上向き通路(172、234)は、少なくとも上側案内体(152)と下側案内体(154)によって構成され、前記上側案内体(152)の上側案内面(152s)はサイコロイド曲線に形成されていることを特徴とする請求項6に記載の円盤体選別装置。
  8. 前記上向き通路(172、234)に相対して偽円盤体吸着磁石(146)が配置されている ことを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の円盤体選別装置。
  9. 前記上側案内体(152)は、略垂立する平板状の本体に対し上端部が軸支されると共に、下端部が前記本体(114)に対し離れる方向に回動自在に取り付けられたドア(116)に固定されていることを特徴とする請求項7に記載の円盤体選別装置。
  10. 前記上向き通路(172、234)に続いて下向き通路(174、236)が設けられ、前記下向き通路
    (174、236)に相対して材質選別永久磁石(175)が配置されていることを特徴とする請求項8又は9の何れかに記載の円盤体選別装置。
  11. 前記下向き通路(174、236)に突出すると共に、前記挿入口(122)に対する距離が調整可能に設けられた振分体(178)を含むことを特徴とする請求項に記載の円盤体選別装置。
  12. 前記円盤体選別手段(102)は、直径選別手段(106、242、252)であり、所定の付勢力によって前記上向き通路(172、234)、又は、前記水平通路(254)に突出する押動体(184)を含むことを特徴とする請求項1に記載の円盤体選別装置。
  13. 前記押動体(184)は、バネ(194)によって所定の付勢力が付与されることを特徴とする請求項12に記載の円盤体選別装置。
  14. 縦長に形成された挿入口(122)に投入された円盤体(D)が円盤体通路(108)に沿って案内され、少なくとも前記円盤体通路(108)に配置された直径選別手段(106)によって真正円盤体(TD)と偽円盤体(FD)とに選別されるようにした円盤体選別装置であって、少なくとも、前記挿入口(122)、及び、当該挿入口(122)の下方に円盤体(D)の返却口(124)が形成された板状の前面体(118)と、前記前面体(118)に対し平面視略直角に取り付けられた板状の本体(114)と、前記本体(114)の上端部に対し、上端部を回動自在に取り付けられ、通常は前記本体(114)に対し略平行に配置されるドア(116)と、を含み、前記円盤体通路(108)は、前記本体(114)、前記ドア(116)、前記ドア(116)に取り付けた上側案内体(152)、及び、前記ドア(116)又は前記本体(114)に取り付けた下側案内体(154)により、前記本体(114)と前記ドア(116)との間に設けられた上向き通路(172)を含んで構成され、前記挿入口(122)の下流に配置され、前記挿入口(122)に投入された円盤体(D)を前記上向き通路(172)へ向かって放出する放出手段(104)と、前記円盤体通路(108)における前記上向き通路(172)に配置された前記直径選別手段(106)と、を含むことを特徴とする円盤体選別装置。
  15. 前記放出手段(104)は、固定体(198)と弾出体(196)によって構成され、
    前記前面体(118)の前面には、前記挿入口(122)の上下方向の中間において、前記挿入口(122)の長手方向に対し直交方向に延在する押込溝(128)が形成され、当該押込溝(128)の押込溝底部(128B)は、前記円盤体(D)の中心(CD)を通り、前記固定体(198)と円盤体(D)との第1接点(P1)、及び、前記弾出体(196)と前記円盤体(D)との第2接点(P2)とを結んだ直線(L)に対し、前記円盤体(D)の中心(CD)が前記挿入口(122)から前記直径選別手段(106)側に超えた位置において形成されてなることを特徴とする請求項14に記載の円盤体選別装置。
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