JP4848341B2 - スケジューリング装置 - Google Patents
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Description
ところで,生産現場では,作業者の技能レベルを向上させるべく,熟練者による非熟練者への教育が行われる。このとき,ある作業工程についての教育を効果的に行うためには,その作業工程についてある程度の時間連続した教育の機会を設けることが望ましい。
もちろんスケジュールを無視して,ある作業工程を作業者の教育のために連続して実行することは可能であるが,この場合には製品納期を遵守することができないという問題が生じる。なお,製品納期を遵守するために,スケジュールの時間外で教育を行うことも考えられるが,この場合には,熟練者や非熟練者に勤務時間外の勤務が強いられることになってしまうという問題点がある。
従って,本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,作業者の教育機会を考慮して複数種別の作業工程のスケジューリングを行うことのできるスケジューリング装置を提供することにある。
本発明によれば,前記作業条件に余裕があるときには,その余裕の範囲内で前記連続作業時間を意図的に教育機会として設けることで作業者の教育の効率化を図ることができる。即ち,本発明は,複数種別の作業工程の平準化を図ることに主眼を置くのではなく,前記作業条件が充足可能な範囲で教育機会を設けることに主眼を置いている。
さらに,前記教育実行項目に,前記作業工程各々の教育の優先度を含めておけば,例えば前記優先度の高い作業工程の教育機会を優先的に設けることが可能となる。
このような構成によれば,少なくとも前記作業条件を充足しつつ,前記教育実行項目を考慮して前記作業工程各々のスケジューリングを行うことが可能となる。
また,前記スケジューリング手段が,前記作業工程各々について予め設定された順で段階的に前記連続作業時間を設けるようにスケジューリングを行うものであることも考えられる。これにより,例えば技能レベルの低い作業者に対して,難易度や危険度の高い作業工程についての教育を行わないようにスケジューリングを行うことができる。
また,前記教育実行項目に,前記作業工程各々の教育の優先度を含めておけば,例えば前記優先度の高い作業工程の教育機会を優先的に設けることが可能となる。
さらに,前記作業工程各々について予め設定された順で段階的に前記連続作業時間を設けるようにスケジューリングを行えば,例えば技能レベルの低い作業者に対して,難易度や危険度の高い作業工程についての教育を行わないようにスケジューリングを行うことができる。
ここに,図1は本発明の実施の形態に係るスケジューリング装置Xが適用される作業現場の一例を示すブロック図,図2は前記スケジューリング装置Xの概略構成を示すブロック図,図3は生産スケジュールの一例を示す図,図4は前記スケジューリング装置Xにおいて実行されるスケジューリング処理の手順の一例を説明するためのフローチャート,図5は教育実行項目設定処理を説明するための図,図6は仮スケジュール作成処理を説明するための図,図7は作業開始時刻算出処理を説明するための図,図8は作業終了時刻算出処理を説明するための図,図9は作業条件充足判定処理処理を説明するための図,図10及び図11はスケジュール更新処理を説明するための図である。
図1に示すように,本実施の形態で例示する作業現場では,コイル入荷上に入荷されたコイルが,クレーンでベルトコンベアに移動され,該ベルトコンベアによって作業場まで搬送される。そして,作業場では作業者によってコイルの梱包が行われ,その梱包後のコイルは,ベルトコンベアで搬送される。ベルトコンベアで搬送されたコイルはクレーンによってコイル出荷場に移動される。
ここで,作業者が作業場で行うコイルの梱包方法には複数種別の梱包方法P1〜P3(複数種別の作業工程の一例)が存在するものとする。そして,作業者は,前記梱包方法P1〜P3のうち予め定められたスケジュールで設定された梱包方法でコイルを梱包する。また,前記梱包方法P1〜P3は,その梱包方法の違いから作業に要する時間が異なる。以下では,前記梱包方法P1〜P3各々に対応する作業時間がK1〜K3であるとする。
図2に示すように,前記スケジューリング装置Xは,各種の演算処理を実行するCPU,RAM,ROMなどの制御機器を有する制御部1と,後述する教育実行項目などの各種の情報が記憶される記憶部2と,後述の教育実行項目を設定するための操作が行われるキーボードなどを含む操作部3と,各種の情報を表示出力する液晶ディスプレイや各種の情報を印字出力するプリンタ装置などを含む出力部4とを備えて概略構成されている。なお,前記スケジューリング装置Xは,例えばパーソナルコンピュータなどの情報処理装置である。また,前記記憶部2や前記操作部3,前記出力部4などは,前記制御部1との間で通信が可能であれば,前記スケジューリング装置Xとは異なる外部装置に設けられたものであってもよい。
前記制御部1は,教育実行項目設定機能10(教育実行項目設定手段の一例),仮スケジュール作成機能11(仮スケジュール作成手段の一例),作業開始時刻算出機能12,作業終了時刻算出機能13,作業条件充足判定機能14(作業条件充足判定手段の一例),スケジュール更新機能15(スケジュール更新手段の一例),教育実行項目充足判定機能16(教育実行項目充足判定手段の一例)などの各種の機能を有している。
これらの機能は,前記制御部1においてCPUがROMに記憶された所定の制御プログラムに従って後述のスケジューリング処理(図4のフローチャート参照)が実行されることにより具現されるものであって,該機能各々については後段で詳述する。また,前記各機能は電気回路などのハードウェアで構成されてもよい。
ここで,図3を用いて,前記ホストコンピュータYに記憶された生産スケジュールの一例について説明する。
図3に示すように,前記生産スケジュールでは,コイル番号A1〜A10各々について,入荷時刻B1〜B10や出荷時刻C1〜C10(納期の一例),前記梱包方法P1〜P3のいずれの方法で梱包を行うかなどの作業条件が設定されている。ここに,前記コイル番号A1〜A10は,複数のコイルごとに付されたロット番号を示すものである。
前記入荷時刻B1〜B10は,前記コイル番号A1〜A10のコイルが図1に示すコイル入荷場に搬入される時刻を示しており,前記入荷時刻B1〜B10がその順に時刻が早いものとする。また,前記出荷時刻C1〜C10は,前記コイル番号A1〜A10のコイルを出荷する時刻,即ち図1に示すコイル出荷場にコイルが納入されているべき時刻(納期)を示しており,前記出荷時刻C1〜C10がその順に時刻が早いものとする。
以下では,図3に示した前記生産スケジュールが設定されている場合を例に挙げて,前記スケジューリング装置Xにおいて実行されるスケジューリング処理について説明する。
図4に示すように,前記制御部1は,教育実行項目を設定するための教育実行項目設定処理(ステップS1),仮スケジュールを作成するための仮スケジュール作成処理(ステップS2),各作業工程の作業を開始するべき時刻を算出するための開始時刻算出処理(ステップS3),各作業工程の作業の終了時刻を算出するための作業終了時刻算出処理(ステップS4),仮スケジュールが作業条件を充足しているか否かを判定するための作業条件充足判定処理(ステップS5),作業者の教育機会を考慮して仮スケジュールを更新するためのスケジュール更新処理(ステップS6),更新された後のスケジュールを前記出力部4に出力するスケジュール出力処理(ステップS7)を実行する。前記スケジュール出力処理(ステップS7)は,前記ステップS6で更新された後のスケジュールを前記出力部4に出力することにより,該出力部4において表示出力や印字出力を実行するものである。
以下,図5〜図11を用いて,前記ステップS1〜S6の各処理について詳述する。
まず,前記ステップS1の教育実行項目設定処理では,前記制御部1は,前記操作部3に対するユーザ操作に応じて,前記梱包方法P1〜P3について教育実行項目を設定する。ここに,係る教育実行項目設定処理は,前記制御部1の前記教育実行項目設定機能10によって実行される。なお,前記梱包方法P1〜P3のうち教育の機会を設ける必要のある一つ又は複数の梱包方法についてのみ前記教育実行項目の設定を行ってもよい。
ここで,前記教育実行項目には,前記梱包方法P1〜P3各々について作業者への教育を効果的に行うために必要な連続した作業工程数(以下,「連続作業回数」という)や,前記梱包方法P1〜P3各々の教育機会を設ける優先順位を定める優先度が含まれる(図5(b)参照)。なお,前記連続作業回数は,前記梱包方法P1〜P3各々について作業者への教育を効果的に行うために必要な連続した連続作業時間を,コイルの1ロット分の作業回数で示すものである。なお,連続作業回数に換えて時間やコイルの個数などを用いてもよい。
続いて,前記制御部1は,前記操作部3に対するユーザ操作に応じて,前記梱包方法P1〜P3各々についての優先度を設定する(ステップS12)。ここでは,図5(b)に示すように,前記梱包方法P1〜P3各々の優先度が「1」,「2」,「3」に設定されたものとする。
その後,前記制御部1は,前記梱包方法P1〜P3各々について設定した前記連続作業回数及び優先度を教育実行項目として前記記憶部2に記憶する(ステップS13)。ここで記憶された前記教育実行項目は,後述のステップS6におけるスケジュール更新処理で用いられる。
次に,前記ステップS2の仮スケジュール作成処理では,前記制御部1は,前記ホストコンピュータYから送信された前記生産スケジュール(図3参照)に基づいて,該生産スケジュールに含まれた作業工程のスケジューリングを行うことにより仮スケジュールを作成する。ここに,係る仮スケジュール作成処理は,前記制御部1の前記仮スケジュール作成機能11によって実行される。
具体的に,前記制御部1は,図6(a)に示すように,まず,前記記憶部2に記憶された前記生産スケジュールを読み出す(ステップS21)。
続いて,前記生産スケジュールに含まれた前記コイルA1〜A10に関する作業工程を,前記入荷時刻C1〜C10の早い順に並び替えて仮スケジュールを作成する(ステップS22)。このとき,前記入荷時刻B1〜B10の早い順に作業工程を並べているため,図1に示す入荷場のコイル収容可能量の超過防止を図ることができる。なお,これに限られず,前記出荷時刻C1〜C10の早い順に作業工程を並べることも他の実施例として考えられる。
そして,前記制御部1は,前記仮スケジュールを前記記憶部2に記憶する(ステップS23)。
当該ステップS2では,図6(b)に示すように,前記コイルA1〜A10各々に関する作業工程が,その入荷時刻B1〜B10の順に並べられた仮スケジュールが作成される。また,前記仮スケジュールでは,前記コイルA1〜A10に関する作業工程に,その実行の順番に対応する作業番号1〜10が付される。
続いて,前記ステップS3の作業開始時刻算出処理では,前記制御部1は,前記仮スケジュールにおける前記コイルA1〜A10の作業工程ごとに作業開始時刻を算出する。ここに,係る作業開始時刻算出処理は,前記制御部1の前記作業開始時刻算出機能12によって実行される。
ここで,前記作業開始時刻とは,前記出荷時刻C1〜C10を遵守することが可能である最も遅い作業工程の開始時刻を示すものである。即ち,前記作業開始時刻は,前記出荷時刻C1〜C10から,前記作業時間K1〜K3と,図1におけるコイル出荷場から作業場の間及び作業場からコイル出荷場の間のクレーンやベルトコンベアによる搬送時間とを差し引いた時刻である。従って,前記作業開始時刻通りに各作業工程を開始すると,前記出荷時刻C1〜C10に間に合うように作業工程を終えることができる。
続いて,前記制御部1は,前記ステップS31で指定された作業番号の作業工程について前記作業開始時刻を算出し(ステップS32),その算出された作業開始時刻を前記仮スケジュールに追記する(ステップS33)。
そして,前記制御部1は,次のステップS34において,前記作業番号1〜10の全ての作業工程について作業開始時刻の算出が終了したか否かを判断する。具体的に,ここでは,前記制御部1は,前記作業番号Lが10に達したか否かを判断する。前記ステップS34において,前記作業番号1〜10の全ての作業工程について作業開始時刻の算出が終了したと判断されると,当該ステップS3は終了される。
これにより,前記ステップS3では,前記作業番号1〜10の全ての作業工程について作業開始時刻が算出される。ここでは,図7(b)に示すように,前記作業番号1〜10について作業開始時刻TS1〜TS10が算出されたものとする。
次に,前記ステップS4の作業終了時刻算出処理では,前記制御部1は,前記仮スケジュールにおける前記コイルA1〜A10の作業工程ごとに作業終了時刻を算出する。ここに,係る作業終了時刻算出処理は,前記制御部1の前記作業終了時刻算出機能13によって実行される。
ここで,前記作業終了時刻とは,前記コイルA1〜A10の作業工程各々が終了する時刻を示している。具体的に,前記コイルA2〜A10の作業終了時刻は,一つ前の作業工程の作業終了時刻に,自己の作業時間K1〜K3と,図1におけるコイル出荷場から作業場の間及び作業場からコイル出荷場の間のクレーンやベルトコンベアによる搬送時間とを足した時刻である。
一方,作業番号が1である前記コイルA1には,前の作業工程がないため,前記作業終了時刻は,該コイルA1の入荷時刻B1を始期として作業が行われたものとして算出するものとする。即ち,前記コイルA1の作業終了時刻は,前記入荷時刻B1に,前記作業時間K1と,図1におけるコイル出荷場から作業場の間及び作業場からコイル出荷場の間のクレーンやベルトコンベアによる搬送時間とを足した時刻である。
続いて,前記制御部1は,前記ステップS41で指定された作業番号の作業工程について前記作業終了時刻を算出し(ステップS42),その算出された作業終了時刻を前記仮スケジュールに追記する(ステップS43)。
そして,前記制御部1は,次のステップS44において,前記作業番号1〜10の全ての作業工程について作業終了時刻の算出が終了したか否かを判断する。具体的に,ここでは,前記制御部1は,前記作業番号Lが10に達したか否かを判断する。前記ステップS44において,前記作業番号1〜10の全ての作業工程について作業終了時刻の算出が終了したと判断されると,当該ステップS4は終了される。
これにより,前記ステップS4では,前記作業番号1〜10の全ての作業工程について作業終了時刻が算出される。ここでは,図8(b)に示すように,前記作業番号1〜10について作業終了時刻TE1〜TE10が算出されたものとする。
その後,前記ステップS5の作業条件充足判定処理では,前記制御部1は,前記ステップS3及び前記ステップS4で算出された前記作業開始時刻TS1〜TS10及び前記作業終了時刻TE1〜TE10に基づいて,前記作業番号1〜10の作業工程各々が,前記出荷時刻C1〜C10に間に合うようにスケジューリングされているか否かを判定する(ステップS5)。
即ち,前記ステップS5では,前記生産スケジュールで設定された作業条件である前記出荷時刻C1〜C10(納期の一例)を充足することが可能であるか否かを判定している。ここに,係る作業条件充足判定処理は,前記制御部1の前記作業条件充足判定機能14によって実行される。
続いて,前記制御部1は,前記ステップS51で指定された作業番号の作業工程について前記作業開始時刻と前記作業終了時刻との時間差を算出する(ステップS52)。
そして,前記制御部1は,前記ステップS52で算出された時間差が0以上であるか否かを判定する(ステップS53)。これにより,前記制御部1は,前記作業番号1〜10の作業工程各々が前記出荷時刻C1〜C10に間に合うか否か,即ち作業条件を充足しているか否かを判定している。
ここで,本実施の形態では,前記作業開始時刻TS1〜TS10の算出の際(図7(a)参照)と,前記作業終了時刻TE1〜TE10の算出の際(図8(a)参照)との両方で前記作業時間K1〜K3を考慮している。
これにより,当該ステップS5では,実際の作業時間として前記作業時間K1〜K3の2倍の時間が確保されていることを条件に,前記出荷時刻C1〜C10を充足するものと判定されることになる。即ち,当該スケジューリング処理では,2倍の作業時間が確保されるように処理されている。
その後,前記制御部1は,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての判定が終了したか否かを判断し(ステップS56),終了したと判断されると(ステップS56のYes側),処理はステップS57に移行する。
ステップS57では,前記制御部1は,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての判定結果が「OK」であるか否かを判断する。ここで,全ての作業工程についての判定結果が「OK」であると判断された場合には(ステップS57のYes側),当該ステップS5は終了される。一方,作業工程のいずれか一つだけでも判定結果が「NG」であると判断された場合には(ステップS57のNo側),処理はステップS58に移行して,前記制御部1によるスケジューリングエラー処理が実行される。前記スケジューリングエラー処理では,例えば,次のステップS6に移行することなく当該スケジューリング処理を終了させ,前記出力部4に対するエラー表示などが行われる。
そして,前記ステップS6のスケジュール更新処理では,前記制御部1は,前記仮スケジュールにおける作業番号1〜10の作業工程の実行順序を,前記教育実行項目に基づいて並べ替え,該仮スケジュールを更新するスケジュール更新処理が実行される。ここに,係るスケジュール更新処理は,前記制御部1の前記スケジュール更新機能15によって実行される。
本発明に係る前記スケジューリング装置Xは,前記スケジュール更新処理の手法に特徴を有しており,具体的には,前記仮スケジュールにおける作業番号1〜10の作業工程を,前記出荷時刻C1〜C10を満たすことのできる範囲(作業条件が充足可能な範囲)で,前記教育実行項目に基づいて前記作業工程のいずれか一つ又は複数について作業者を教育するための前記連続作業時間を設けるようにスケジューリングを行うものである。
以下,図10及び図11を用いて前記スケジュール更新処理について説明する。
次に,ステップS62では,前記制御部1は,優先度をNとして,初期値0から一つずつ加算する(N=N+1)。これにより,優先度の高い作業工程から順に並び替えの対象となる。
前記ステップS64において,前記作業番号Lの作業工程の優先度が前記優先度Nと一致しないと判定された場合には(ステップS64のNo側),処理はステップS641に移行する。ステップS641では,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての検索が終了したか否かが前記制御部1によって判断される。具体的に,ここでは,前記制御部1は,前記作業番号Lが10に達したか否かを判断する。前記ステップS641において,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての検索が終了したと判断されると(ステップS641のYes側),処理は後述のステップS78に移行する。なお,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての検索が終了するまでの間は(ステップS641のNo側),処理は前記ステップS63に戻される。
そして,前記制御部1は,前記ステップS64で優先度が前記優先度Nであると判定された作業工程の前記作業番号Lを,作業工程を並び替える際の基準作業番号LSとして前記記憶部2に記憶する(ステップS65)。
そして,続くステップS67で,前記制御部1は,前記作業番号Lの作業工程の優先度が前記優先度Nと一致するか否かを判定する。即ち,前記基準作業番号LS以降の作業番号に係る作業工程の中から優先度が前記優先度Nである作業工程が検索される。
前記ステップS67において,前記作業番号Lの作業工程の優先度が前記優先度Nと一致しないと判定された場合には(ステップS67のNo側),処理はステップS671に移行する。ステップS671では,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての検索が終了したか否かが前記制御部1によって判断される。具体的に,ここでは,前記制御部1は,前記作業番号Lが10に達したか否かを判断する。前記ステップS671において,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての検索が終了したと判断されると(ステップS671のYes側),処理は後述のステップS78に移行する。なお,前記作業番号1〜10の全ての作業工程についての検索が終了するまでの間は(ステップS671のNo側),処理は前記ステップS66に戻される。
そして,ステップS68では,前記制御部1によって,前記作業番号Lの作業工程を,前記基準作業番号LSの作業工程の次に挿入するように,前記仮スケジュールにおける作業工程が並び替えられる。
そして,作業番号1以降で優先度が「1」である作業工程,即ち前記梱包方法P1を用いる作業工程は,作業番号4の前記コイル番号A4に係る作業工程である。
従って,前記ステップS68では,図11(a)に示すように,作業番号4の前記コイル番号A4に係る作業工程が,作業工程1の前記コイル番号A1に係る作業工程の次に挿入される。なお,元の作業番号2以降の作業工程は,その作業番号が繰り下げられる。
これにより,前記梱包方法P1の作業工程が2回連続して実行されることになり,該梱包方法P1に係る作業工程の作業者の教育を効率的に行うことが可能となる。
そして,ステップS69〜S71では,前記制御部1によって,前記ステップS68において更新された後の前記仮スケジュールにおいて全ての作業工程が前記出荷時刻C1〜C10の作業条件を充足するか否かを判定している。係る判定は,前記制御部1の前記作業開始時刻算出機能12,前記作業終了時刻算出機能13及び前記作業条件充足判定機能14によって実行される前記ステップS3〜S5(図7〜図9参照)と同様の処理であるため,ここでは説明を省略する。なお,図11(a)〜(d)には,各々の状態に変更された仮スケジュールについて算出された作業開始時刻各々をTS11〜TS20,TS21〜TS30,TS31〜TS40,TS41〜TS50とし,作業終了時刻各々をTE11〜TE20,TE21〜TE30,TE31〜TE40,TE41〜TE50としており,そのときの判定結果(「OK」又は「NG」)を示している。
ここで,前記ステップS72において,全ての作業工程について判定結果が「OK」であると判断されると(ステップS72のYes側),処理はステップS73に移行する。
ステップS73では,前記制御部1は,前記仮スケジュールにおける作業工程の並び替えを有効にして,該仮スケジュールの更新を確定する。具体的には,前記制御部1のRAMに記憶された並び替え後の仮スケジュールが前記記憶部2に記憶された仮スケジュールに上書きされる。このように,当該スケジューリング装置Xにおけるスケジューリング処理では,全ての作業工程で作業条件を充足することを条件に前記仮スケジュールの更新が行われる。その後,処理はステップS74に移行する。
次にステップS75で,前記制御部1は,前記カウンタMが,現在選択されている作業工程で用いられる梱包方法の教育実行項目として設定された前記連続作業回数に達しているか否かを判定する。ここで,前記カウンタMが前記連続作業回数に達していないと判断されると(ステップS75のNo側),処理は前記ステップS751に移行し,前記制御部1によって前記作業番号Lが基準作業番号LSとして記憶される。その後,処理は前記ステップS66に戻される。
そして,ステップS77では,作業番号1〜10の全ての作業工程について検索処理が終了したか否かが前記制御部1によって判断される。具体的に,前記制御部1は,前記作業番号Lが10に達したか否かを判断することにより,全ての作業工程について検索処理が終了したか否かを判断する。
ここで,前記作業番号1〜10の全ての作業工程について検索処理が終了していないと判断されている間は(ステップS77のNo側),処理はステップS723を経由した後,前記ステップS63に戻され,次の作業番号以降について同様の処理が実行される。
前記ステップS723では,前記基準作業番号LSが前記作業番号Lに代入される。即ち,前記基準作業番号LSよりも後の作業工程について,前記ステップS64以降の処理が再度実行される。これにより,例えば,図11(a)の仮スケジュールでは,前記ステップS63に戻って次の作業番号以降について同様の処理が実行されることにより,図11(b)に示すように,作業番号6のコイル番号A6に係る作業工程の次に,作業番号8のコイル番号A8に係る作業工程が挿入される。
ステップS78では,前記制御部1によって,全ての優先度について検索処理が終了したか否かが判断される。ここでは,前記制御部1は,前記優先度Nが「3」であるか否かを判断することにより全ての優先度について検索処理が終了したか否かを判断する。
ここで,全ての優先度について検索処理が終了したと判断されると(ステップS78のYes側),前記仮スケジュールが正規のスケジュールとして確定されて前記記憶部2に記憶され(ステップS79),当該ステップS6の処理は終了される。なお,前述したように,続くステップS7では,前記制御部1によって前記ステップS6で更新された後のスケジュールが出力される。
ステップS781では,前記制御部1によって前記作業番号Lがリセット(作業番号L=0)され,処理は前記ステップS62に戻される。これにより,前記ステップS62で前記優先度Nが一つ加算され,前記ステップS63以降の処理が再度実行される。これにより,例えば,図11(c)に示すように,優先度が「2」である前記梱包方法P2が連続するように前記仮スケジュールが並び替えられる。
このような場合には,前記ステップS72において,全ての作業工程について判定結果が「OK」ではないと判断され(ステップS72のNo側),処理はステップS721に移行する。
ステップS721では,前記制御部1によって,前記ステップS68における作業工程の並び替えが取り消されて無効となり,該仮スケジュールが並び替えられる前に戻される。例えば,図11(c)の仮スケジュールは,図11(b)の仮スケジュールに戻されることになる。具体的には,前記制御部1のRAMに記憶された並び替え後の仮スケジュールが消去され,前記記憶部2に記憶された仮スケジュールの上書きが行われない。
ここで,全ての作業工程について検索処理が終了したと判断されると(ステップS722のYes側),処理は前記ステップS78に移行するが,終了していないと判断されると(ステップS722のNo側),処理は前記ステップS723を経由して前記ステップS66に戻って次の作業番号以降について同様の処理が実行される。例えば,図11(d)に示すように,優先度が「2」である前記梱包方法P2を用いる前記コイル番号A8に係る作業工程の次に,同じく前記梱包方法P2を用いる前記コイル番号A10に係る作業工程が挿入される。
これにより,前記ステップS2で作成された仮スケジュールに時間的な余裕がある場合には,その余裕の範囲内で作業工程各々の教育機会を設けて効率的に作業者への教育を行うことができる。
具体的に前記実施の形態で説明した構成を例に挙げて説明すると,優先度が「1」である前記梱包方法P1の教育機会として,該梱包方法P1の教育に必要な時間が確保された場合には,優先度が次に高い梱包方法P2についての教育機会を設けるようにスケジューリングを行い,該梱包方法P1の教育に必要な時間が確保されていない場合には,該梱包方法P1よりも優先度の低い梱包方法P2や梱包方法P3についての教育機会を設けないようにスケジューリングを行うことが考えられる。
さらに,前記実施の形態で説明したスケジュール更新処理(図10参照)では,優先度が高い作業工程の教育実行項目が満たされているか否かにかかわらず,その次に優先度の高い作業工程の教育機会を設けるようにスケジューリングが行われていたが,本実施例の構成によれば,優先度の高い作業工程の教育実行項目が満たされていなければ,その次に優先度の高い作業工程についての教育機会を設けるための処理がなされないため処理負担が軽減される。
10…教育実行項目設定機能(教育実行項目設定手段の一例)
11…仮スケジュール作成機能(仮スケジュール作成手段の一例)
12…作業開始時刻算出機能
13…作業終了時刻算出機能
14…作業条件充足判定機能(作業条件充足判定手段の一例)
15…スケジュール更新機能(スケジュール更新手段の一例)
16…教育実行項目充足判定機能(教育実行項目充足判定手段の一例)
2…記憶部
3…操作部
4…出力部
S1,S2,,,…処理手順(ステップ)番号
X…スケジューリング装置
Y…ホストコンピュータ
Claims (4)
- 予め設定された少なくとも納期を含む作業条件を充足するように複数種別の作業工程のスケジューリングを行うスケジューリング手段を有するスケジューリング装置であって,
前記作業工程のいずれか一つ又は複数について作業者を教育するために該作業工程を連続して実行する連続作業時間を少なくとも含む教育実行項目を設定する教育実行項目設定手段を備えてなり,
前記スケジューリング手段が,前記作業条件が充足可能な範囲で,前記教育実行項目に基づいて前記作業工程のいずれか一つ又は複数について作業者を教育するための前記連続作業時間を設けるようにスケジューリングを行うものであることを特徴とするスケジューリング装置。 - 前記教育実行項目に,前記作業工程各々の教育の優先度が含まれてなる請求項1に記載のスケジューリング装置。
- 前記スケジューリング手段が,
前記作業条件が充足するように前記作業工程各々をスケジューリングして仮スケジュールを作成する仮スケジュール作成手段と,前記仮スケジュール作成手段によって作成された前記仮スケジュールにおける前記作業工程各々の実行順序を前記教育実行項目に基づいて並べ替えるスケジュール更新手段と,前記スケジュール更新手段によって変更された後の仮スケジュールが前記作業条件を充足するか否かを判定する作業条件充足判定手段とを含んでなり,
前記作業条件充足判定手段により前記作業条件を充足することを条件に前記スケジュール更新手段による並び替えを有効にするものである請求項1又は2のいずれかに記載のスケジューリング装置。 - 前記スケジューリング手段が,前記作業工程各々について予め設定された順で段階的に前記連続作業時間を設けるようにスケジューリングを行うものである請求項1〜3のいずれかに記載のスケジューリング装置。
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