JP4848337B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、点火時期がアイドル運転中に点検者によって点検される内燃機関において、点検中のアイドル回転数を制御する内燃機関の制御装置に関する。
従来、内燃機関の制御装置として、特許文献1に記載されたものが知られており、この制御装置は、内燃機関のノッキングを検出するノッキングセンサなどを備えている。この制御装置では、以下に述べるように点火時期制御が実行される。すなわち、内燃機関の通常運転時、ノッキングセンサが正常であるときには、ノッキングセンサの検出信号に基づいて、基本点火時期を進角側または遅角側に補正することにより、点火時期が決定される。一方、通常運転時、ノッキングセンサが故障したときには、ノッキングを回避するために、基本点火時期を所定値分、遅角側に補正することにより、点火時期が決定される。
一方、点検者によって点火時期の点検が行われるときには、ノッキングセンサの故障の有無にかかわらず、上記のような基本点火時期の遅角補正を行うことなく、基本点火時期がそのまま点火時期として用いられるとともに、内燃機関がアイドル運転状態に制御される。
そして、内燃機関をアイドル運転状態に制御したままで、以下に述べるように、点火時期が点検される。まず、点検者によって点検用のタイミングライトがディストリビュータに向けられると、タイミングライトの点滅により、ディストリビュータの回転部の点検用マークがストロボ効果によって静止状態に見えるようになるので、その状態で、点検用マークとディストリビュータの回転しない部分の基準マークとの位置関係を、目視により確認する。そして、両者の位置が一致しているときには、点火時期が適切に調整されていると判断して点検を終了する。一方、両者の位置がずれているときには、両者の位置が一致するように、ディストリビュータを手動調整することによって、点火時期が適切に調整される。
特開平7−208311号公報
上記特許文献1の制御装置によれば、点検者が点火時期を点検する際、内燃機関がアイドル運転状態に制御されるものの、そのアイドル運転中、交流発電機や補機などの、内燃機関を動力源とする機器の動作状態すなわち内燃機関の負荷が変化すると、それに起因して、アイドル回転数が不安定になるおそれがあり、最悪の場合には、エンジンストールが発生するおそれがある。このように、アイドル回転数が不安定になった場合、点検用マークが見づらくなることで、点火時期を点検しにくくなってしまう。また、エンジンストールが発生した場合には、点火時期を点検できなくなってしまう。特に、小排気量の内燃機関のようにフライホイールが比較的小さい場合や、交流発電機の発電容量が大きい場合には、以上のような問題が顕著になりやすい。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、点検者が点火時期を点検する際に、アイドル回転数を安定した状態に保持することができ、それにより、点火時期を容易かつ適切に点検できる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、内燃機関3の点検時にアイドル運転状態で点火時期が点検される内燃機関3において、内燃機関3の実際のアイドル回転数NEを目標アイドル回転数NOBJになるように制御する内燃機関3の制御装置1であって、内燃機関3の運転状態を表す運転状態パラメータ(エンジン水温TW、エンジン回転数NE)を検出する運転状態パラメータ検出手段(水温センサ21、クランク角センサ23)と、基本点火時期(基本アイドル用値IG_IDLMAP)を算出する基本点火時期算出手段(ECU2、ステップ41)と、内燃機関3の点検中であるか否かを判定する点検判定手段(ECU2、ステップ2,6,7,42〜44)と、点検判定手段による判定の結果、内燃機関3の点検中でないとき(ステップ42〜44のいずれかの判別結果がNOのとき)に、算出された基本点火時期を検出された運転状態パラメータに応じて補正することにより、点火時期IG_LOGを算出する非点検時点火時期算出手段(ECU2、ステップ47)と、内燃機関3の点検中であるとき(ステップ42〜44の判別結果がYESのとき)に、点火時期IG_LOGを基本点火時期(基本アイドル用値IG_IDLMAP)よりも遅角側の点検用値IG_SCSに設定する点検時点火時期設定手段(ECU2、ステップ46)と、内燃機関3の点検中であるとき(ステップ2,6,7の判別結果がYESのとき)に、目標アイドル回転数NOBJを点検中でないときよりも高い第1回転数(点検用回転数NNEU_SCS)に設定する目標アイドル回転数設定手段(ECU2、ステップ8)と、内燃機関3の暖機が完了しているか否かを判定する暖機判定手段(ECU2、ステップ45)と、を備え、点検時点火時期設定手段は、内燃機関3の点検中である場合において、暖機判定手段によって内燃機関3の暖機が完了していると判定されたときに、点火時期IG_LOGを点検用値IG_SCSに設定する(ステップ42〜46)ことを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、基本点火時期算出手段によって基本点火時期が算出され、点検判定手段による判定の結果、内燃機関の点検中でないときには、算出された基本点火時期を検出された運転状態パラメータに応じて補正することにより、点火時期が算出される。さらに、内燃機関の点検中であるときには、点火時期が基本点火時期よりも遅角側の点検用値に設定されるとともに、目標アイドル回転数が点検中でないときよりも高い第1回転数に設定される。この場合、点火時期を遅角側の値に設定することによって、ノッキングの発生を回避でき、混合気を安定した状態で燃焼させることができる。また、点火時期を遅角側の値に設定することで、実際のアイドル回転数が目標アイドル回転数から低下した場合でも、アイドル回転数が目標アイドル回転数になるように、例えば吸入空気量を制御することによって、アイドル回転数を目標アイドル回転数に維持すべく、吸入空気量が増大し、空気流速が増大することになる。その結果、良好な燃焼状態が得られ、アイドル回転数が安定した状態になる。また、目標アイドル回転数自体を増大側の値に設定した場合、実際のアイドル回転数が目標アイドル回転数になるように制御されることで、実際のアイドル回転数が上昇することになり、それにより、上記のような吸入空気量制御を実行した場合、吸入空気量が増大し、空気流速が増大することになる。その結果、良好な燃焼状態が得られ、アイドル回転数が安定した状態になる。以上のように、点火時期の遅角側への設定と、目標アイドル回転数の増大側への設定とを双方とも実行することによって、点火時期の過大な遅角(ひいては燃焼温度の大幅な上昇)やアイドル回転数の過剰な増大を回避しながら、アイドル回転数を安定した状態に保持でき、エンジンストールを回避できる。特に、小排気量の内燃機関のようにフライホイールが比較的小さい場合や、交流発電機の発電容量が大きい場合でも、以上のような作用効果を確実に得ることができる。さらに、内燃機関の点検中、内燃機関の暖機が完了していると判定されたとき、すなわち混合気の良好な燃焼状態が得られているときに、点火時期が点検用値に設定されるので、点火時期を暖機の完了前に点検用値に設定したときのような内燃機関の出力低下や出力変動を、回避することができる。その結果、第1回転数をより低い値に設定した場合でも、アイドル回転数を安定した状態に保持することができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の内燃機関3の制御装置1において、点火時期の点検は、アイドル運転中のクランクシャフト3aの回転に伴って回転する回転部(クランクプーリ8)に設けられた被点検体(点検用マーク8b)の、不動の基準部位(基準マーク11)に対する位置関係を視認することによって行われることを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、前述したように、内燃機関の点火時期を点検する場合において、内燃機関の負荷が変化したときでも、アイドル回転数が安定した状態に保持され、エンジンストールが回避されるので、例えば点検用のタイミングライトなどを用いて、不動の基準部位に対する被点検体の位置関係を容易かつ適切に目で確認でき、点火時期を容易かつ適切に点検することができる。
請求項に係る発明は、請求項1または2に記載の内燃機関3の制御装置1において、内燃機関3の温度を機関温度(エンジン水温TW)として検出する機関温度検出手段(水温センサ21)をさらに備え、暖機判定手段は、検出された機関温度が所定温度TW_SCS以上のとき(ステップ45の判別結果がYESのとき)に、内燃機関3の暖機が完了したと判定することを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、機関温度が所定温度以上のときに、内燃機関の暖機が完了したと判定されるので、この所定温度を適切に設定することによって、暖機の完了判定を的確に行うことができる。
請求項に係る発明は、内燃機関3の点検時にアイドル運転状態で点火時期が点検される内燃機関3において、内燃機関3の実際のアイドル回転数NEを目標アイドル回転数NOBJになるように制御する内燃機関3の制御装置1であって、内燃機関3の運転状態を表す運転状態パラメータ(エンジン水温TW、エンジン回転数NE)を検出する運転状態パラメータ検出手段(水温センサ21、クランク角センサ23)と、基本点火時期(基本アイドル用値IG_IDLMAP)を算出する基本点火時期算出手段(ECU2、ステップ41)と、内燃機関3の点検中であるか否かを判定する点検判定手段(ECU2、ステップ2,6,7,42〜44)と、点検判定手段による判定の結果、内燃機関3の点検中でないとき(ステップ42〜44のいずれかの判別結果がNOのとき)に、算出された基本点火時期を検出された運転状態パラメータに応じて補正することにより、点火時期IG_LOGを算出する非点検時点火時期算出手段(ECU2、ステップ47)と、内燃機関3の点検中であるとき(ステップ42〜44の判別結果がYESのとき)に、点火時期IG_LOGを基本点火時期(基本アイドル用値IG_IDLMAP)よりも遅角側の点検用値IG_SCSに設定する点検時点火時期設定手段(ECU2、ステップ46)と、内燃機関3の点検中であるとき(ステップ2,6,7の判別結果がYESのとき)に、目標アイドル回転数NOBJを点検中でないときよりも高い第1回転数(点検用回転数NNEU_SCS)に設定する目標アイドル回転数設定手段(ECU2、ステップ8)と、内燃機関3の温度を機関温度(エンジン水温TW)として検出する機関温度検出手段(水温センサ21)と、検出された機関温度に応じて、目標アイドル回転数として第2回転数(通常用値NOBJ2)を算出する第2回転数算出手段(ECU2、ステップ5)と、を備え、目標アイドル回転数設定手段は、内燃機関3の点検中である場合において、算出された第2回転数が第1回転数(点検用回転数NNEU_SCS)よりも大きいときに、目標アイドル回転数NOBJを第2回転数に設定する(ステップ8,10,12)ことを特徴とする。
この内燃機関の制御装置によれば、第2回転数算出手段によって、第2回転数が機関温度に応じて算出されるとともに、目標アイドル回転数設定手段によって、内燃機関の点検中である場合において、第2回転数が第1回転数よりも大きいときに、目標アイドル回転数が第2回転数に設定される。言い換えれば、第2回転数が第1回転数以下のときには、目標アイドル回転数が第1回転数に設定される。それにより、内燃機関の機関温度の高低(すなわち暖機の完了の有無)にかかわらず、内燃機関の実際のアイドル回転数が、第1回転数および第2回転数のうちのより大きい方の値になるように制御されることになるので、内燃機関の点検中、アイドル回転数を確実に安定した状態に保持できる。その結果、請求項1に係る発明の作用効果をさらに確実に得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る内燃機関の制御装置について説明する。図1は、本実施形態の制御装置1およびこれを適用した内燃機関(以下「エンジン」という)3の概略構成を示している。同図に示すように、制御装置1は、ECU2を備えており、このECU2によって、後述するように各種の制御処理が実行される。
エンジン3は、多気筒ガソリンエンジンタイプのものであり、図示しない自動変速機付きの車両に搭載されている。このエンジン3は、燃料噴射弁4および点火プラグ5を気筒毎に備えており(いずれも1つのみ図示)、これらの燃料噴射弁4および点火プラグ5はいずれも、図示しないシリンダヘッドに取り付けられている。
また、燃料噴射弁4は、ECU2に電気的に接続されており、ECU2により、開弁時間および開弁タイミングが制御され、それにより、燃料噴射量が制御される。
さらに、点火プラグ5も、ECU2に電気的に接続されており、ECU2により、後述する点火時期IG_LOGに応じたタイミングで燃焼室内の混合気を燃焼させるように、放電状態が制御される。
一方、エンジン3の吸気通路6の途中には、スロットル弁機構7が配置されており、このスロットル弁機構7は、スロットル弁7aおよびこれを開閉駆動するアクチュエータ7bなどを備えている。アクチュエータ7bは、ECU2に電気的に接続されたステッピングモータなどで構成されており、ECU2からの後述する制御入力信号がアクチュエータ7bに入力されると、それに応じてスロットル弁7aの開度(以下「スロットル弁開度」という)THを変更する。それにより、吸入空気量が制御される。
また、吸気通路6には、スロットル弁開度センサ20が設けられている。このスロットル弁開度センサ20は、例えばポテンショメータで構成され、スロットル弁開度THを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
さらに、エンジン3のクランクシャフト3aの先端部には、クランクプーリ8(回転部)が取り付けられている。このクランクプーリ8は、ベルト9を介して、交流発電機(ACG)10のプーリ10aに連結されており、それにより、交流発電機10は、エンジン3の運転中、エンジン3を動力源として発電動作を実行する。この交流発電機10は、ECU2に電気的に接続されており、後述するように、その発電動作がECU2によって制御される。
また、図2に示すように、クランクプーリ8のつば部には、溝状の3つの点検用マーク8a〜8cが形成されており、エンジン3のシリンダブロック3bには、先細の基準マーク11が設けられている。
エンジン3の点検中、点検者によって点火時期の点検作業は以下のように実行される。まず、点検者が点検用のタイミングライト(図示せず)を点火プラグ5への電力供給線に電気的に接続すると、タイミングライトは、点火プラグ5への通電タイミングに同期して点灯するとともに、他のタイミングで消灯した状態になる。すなわち、タイミングライトが、点火プラグ5への通電・非通電に同期して点滅するようになる。そして、後述するようにエンジン3がアイドル運転状態に制御されている状態で、点検者が上記のように点滅するタイミングライトを手に持ちながらクランクプーリ8に向けると、タイミングライトの点滅に起因するストロボ効果によって、クランクプーリ8の3つの点検用マーク8a〜8cが静止状態に見えるようになる。そして、基準マーク11(基準位置)に対する中央の点検用マーク8b(被点検体)の位置関係を目で確認し、両者の位置が一致しているときには、点火時期が後述する所定の点検用値IG_SCSに適切に調整されていると判断して、点火時期の点検を終了する。
一方、両者の位置がずれているときには、点火時期制御用プログラムの更新を行った後、上記のような点検動作を再度、実行する。そして、中央の点検用マーク8bと基準マーク11の位置が一致しているときには、点火時期の点検を終了し、両者の位置がずれているときには、両者の位置が一致するように、クランク角センサ23のマグネットロータとMREピックアップとの位置関係を手動調整することによって、点火時期が適切に調整される。
さらに、エンジン3のシリンダブロック3bには、サーミスタなどで構成された水温センサ21が取り付けられている。水温センサ21は、エンジン3のシリンダブロック3b内を循環する冷却水の温度であるエンジン水温TWを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。なお、本実施形態では、水温センサ21が機関温度検出手段に相当し、エンジン水温TWが機関温度に相当する。
一方、ECU2には、シフト位置センサ22、クランク角センサ23、アクセル開度センサ24および車速センサ25が接続されている。このシフト位置センサ22は、自動変速機のシフトレバー13が複数のシフト位置(例えば1,2,D,N,R,Pレンジなど)のいずれにあるかを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
また、クランク角センサ23は、マグネットロータおよびMREピックアップで構成されており、クランクシャフト3aの回転に伴い、いずれもパルス信号であるCRK信号およびTDC信号をECU2に出力する。このCRK信号は、所定クランク角(例えば1゜)毎に1パルスが出力され、ECU2は、このCRK信号に基づき、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、各気筒のピストンが吸気行程のTDC位置よりも若干、手前の所定のクランク角位置にあることを表す信号であり、所定クランク角毎に1パルスが出力される。なお、本実施形態では、クランク角センサ23が運転状態パラメータ検出手段に相当し、エンジン回転数NEが運転状態パラメータに相当する。
さらに、アクセル開度センサ24は、車両の図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下「アクセル開度」という)APを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。また、車速センサ25は、車両の図示しない車軸に取り付けられており、車両の走行速度(以下「車速」という)VPを検出して、それを表す検出信号をECU2に出力する。
一方、ECU2は、CPU、RAM、ROMおよびI/Oインターフェース(いずれも図示せず)などからなるマイクロコンピュータで構成されており、前述した各種のセンサ20〜25の検出信号などに応じて、エンジン3の運転状態を判別するとともに、各種の制御処理を実行する。具体的には、以下に述べるように、目標アイドル回転数NOBJの算出処理、吸入空気量制御処理、交流発電機制御処理および点火時期制御処理などを実行する。
なお、本実施形態では、ECU2が、基本点火時期算出手段、点検判定手段、非点検時点火時期算出手段、点検時点火時期設定手段、目標アイドル回転数設定手段、暖機判定手段および第2回転数算出手段に相当する。
次に、図3を参照しながら、ECU2によって実行される目標アイドル回転数NOBJの算出処理について説明する。本処理は、アイドル運転中のエンジン回転数NEすなわちアイドル回転数NEの目標となる目標アイドル回転数NOBJを算出するものであり、所定の制御周期(例えば10msec)で実行される。なお、以下の説明において算出される各種の値は、ECU2のRAM内に記憶されるものとする。
この処理では、まず、ステップ1(図では「S1」と略す。以下同じ)で、アイドル運転フラグF_IDLEが「1」であるか否かを判別する。このアイドル運転フラグF_IDLEは、アイドル運転条件が成立しているとき、すなわち、以下の3つの条件(f1)〜(f3)がいずれも成立しているときに「1」に設定され、それ以外のときに「0」に設定される。
(f1)アクセル開度APが全閉状態を示す値であること。
(f2)車速VPが所定値(例えば3km)以下であること。
(f3)エンジン回転数NEが所定値(例えば200rpm)以上であること。
ステップ1の判別結果がNOのときには、そのまま本処理を終了する。一方、ステップ1の判別結果がYESで、アイドル運転条件が成立しているときには、ステップ2に進み、始動後フラグF_ASTNが「1」であるか否かを判別する。この始動後フラグF_ASTNは、エンジン3の始動後、所定時間(例えば45sec)が経過したときに「1」に設定され、所定時間が経過していないときに「0」に設定される。
ステップ2の判別結果がNOのとき、すなわちエンジン3の始動後、所定時間が経過してないときには、ステップ3に進み、エンジン水温TWに応じて、図4に示すテーブルを検索することにより、目標アイドル回転数の暖機用値NOBJ1を算出する。同図に示すように、このテーブルでは、暖機用値NOBJ1は、エンジン3のフリクションを考慮して、エンジン水温TWが低いほど、より大きな値に設定されている。
次いで、ステップ4に進み、目標アイドル回転数NOBJを暖機用値NOBJ1に設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ2の判別結果がYESのとき、すなわちエンジン3の始動後、所定時間が経過したときには、ステップ5に進み、エンジン水温TWに応じて、図4に示すテーブルを検索することにより、目標アイドル回転数の通常用値NOBJ2(第2回転数)を算出する。同図に示すように、このテーブルでは、通常用値NOBJ2は、エンジン水温TWに対して、前述した暖機用値NOBJ1と同様の傾向に設定されているとともに、NOBJ1>NOBJ2が成立するように設定されている。このように、暖機用値NOBJ1が通常用値NOBJ2よりも大きい値に設定されているのは、エンジン始動時の大きな回転変動やエンジンストールなどを防止するためである。
次いで、ステップ6に進み、ニュートラルフラグF_ATNPが「1」であるか否かを判別する。このニュートラルフラグF_ATNPは、自動変速機のシフト位置がニュートラルレンジまたはパーキングレンジにあるときに「1」に設定され、それ以外のときに「0」に設定される。
このステップ6の判別結果がYESで、自動変速機のシフト位置がニュートラルレンジまたはパーキングレンジにあるときには、ステップ7に進み、点検中フラグF_SCSが「1」であるか否かを判別する。この点検中フラグF_SCSは、点検者がエンジン3の点検準備を実行済みであるか否かを表すものであり、点検者によって、図示しない点検装置がECU2に接続された状態で点検装置の点検準備用スイッチがオンされたときに「1」に設定され、それ以外のときに「0」に設定される。
このステップ7の判別結果がYESで、点検者がエンジン3の点検準備を実行ずみであるときには、エンジン3の点検中であると判定して、ステップ8に進み、しきい値NNEUXを所定の点検用回転数NNEU_SCS(第1回転数)に設定する。この所定の点検用回転数NNEU_SCSは、エンジン3の点検中、後述するように、点火時期IG_LOGが所定の点検用値IG_SCSに設定されかつ交流発電機10の高電圧制御処理が実行されている場合において、エンジン3の負荷が変化したときでも、エンジン3のアイドル回転数NEを安定した状態に保持できるような値(例えば900rpm)に設定されている。
一方、ステップ7の判別結果がNOのときには、ステップ9に進み、しきい値NNEUXを所定回転数NNEUに設定する。この所定回転数NNEUは、上記の所定の点検用回転数NNEU_SCSよりも低い値(例えば650rpm)に設定されている。
ステップ8または9に続くステップ10で、しきい値NNEUXが通常用値NOBJ2以上であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、NNEUX≧NOBJ2が成立しているときには、ステップ11に進み、目標アイドル回転数NOBJをしきい値NNEUXに設定した後、本処理を終了する。
一方、ステップ6または10の判別結果がNOのとき、すなわち自動変速機のシフト位置がニュートラルレンジおよびパーキングレンジ以外のとき、またはNNEUX<NOBJ2が成立しているときには、ステップ12に進み、目標アイドル回転数NOBJを通常用値NOBJ2に設定した後、本処理を終了する。
次に、図5を参照しながら、ECU2によって実行される吸入空気量制御処理について説明する。本処理は、吸入空気量を制御するために、スロットル弁機構7のアクチュエータ7bに供給される制御入力信号の値IFBNを算出するものであり、所定の制御周期(例えば10msec)で実行される。
この処理では、まず、ステップ20で、前述したアイドル運転フラグF_IDLEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、アイドル運転用の吸入空気量制御を実行すべきであると判定して、ステップ21に進み、RAM内に記憶されている目標アイドル回転数NOBJを読み込む。
次いで、ステップ22に進み、制御入力信号値IFBNを算出する。具体的には、所定のフィードバック制御アルゴリズム(例えばPID制御アルゴリズムやスライディングモード制御アルゴリズムなど)により、エンジン回転数NEすなわちアイドル回転数NEが目標アイドル回転数NOBJに収束するように、制御入力信号値IFBNが算出される。その後、本処理を終了する。以上のように、制御入力信号値IFBNが算出されると、これに応じた制御入力信号がスロットル弁機構7のアクチュエータ7bに供給され、それにより、アイドル回転数NEが目標アイドル回転数NOBJに収束するように、吸入空気量がフィードバック制御される。
一方、ステップ20の判別結果がNOのときには、ステップ23で通常制御処理を実行する。この通常制御処理では、その詳細な説明は省略するが、エンジン3の運転状態(アクセル開度APおよびエンジン回転数NEなど)に応じて、制御入力信号値IFBNが算出される。以上のようにステップ23を実行した後、本処理を終了する。
次に、図6を参照しながら、ECU2によって実行される交流発電機制御処理について説明する。本処理は、交流発電機10の発電動作を制御するものであり、所定の制御周期(例えば10msec)で実行される。
この処理では、まず、ステップ30で、前述した点検中フラグF_SCSが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、点検者がエンジン3の点検準備を実行済みであるときには、エンジン3の点検中、図示しないバッテリの消費電力が増大するのに対応すべく、交流発電機10の発生電力を高める必要があると判定して、ステップ33に進み、高電圧制御処理を実行する。この高電圧制御処理では、交流発電機10が、その発生電圧が所定の高電圧(例えばAC14.5V)になるように制御される。その後、本処理を終了する。
一方、ステップ30の判別結果がNOのときには、ステップ31に進み、高電圧要求フラグF_HIGHが「1」であるか否かを判別する。この高電圧要求フラグF_HIGHは、補機の動作状態などに起因して、交流発電機10の発生電圧を上記所定の高電圧に制御する必要があるときに「1」に、それ以外のときに「0」に設定される。
ステップ31の判別結果がYESのときには、交流発電機10の発生電圧を所定の高電圧に制御する必要があると判定して、ステップ33に進み、前述したように、高電圧制御処理を実行した後、本処理を終了する。
一方、ステップ31の判別結果がNOのときには、ステップ32に進み、低電圧制御処理を実行する。この低電圧制御処理では、交流発電機10が、その発生電圧が上記所定の高電圧よりも低い所定電圧(例えばAC12V)になるように制御される。その後、本処理を終了する。
次に、図7を参照しながら、ECU2によって実行される点火時期制御処理について説明する。本処理は、点火時期IG_LOGを算出するものであり、TDC信号の発生に同期するタイミングで実行される。
この処理では、まず、ステップ40で、前述したアイドル運転フラグF_IDLEが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESのときには、アイドル運転用の点火時期制御を実行すべきであると判定して、ステップ41に進み、エンジン水温TWに応じて、図8に示すテーブルを検索することにより、点火時期の基本アイドル用値IG_IDLMAPを算出する。このテーブルでは、基本アイドル用値IG_IDLMAPは、圧縮行程のTDC位置よりも進角側の値に設定されているとともに、エンジン水温TWが低いほど、より進角側の値に設定されている。これは、エンジン水温TWが低いほど、混合気の燃焼状態が不安定になりやすいので、それに対応するためである。
次いで、ステップ42に進み、前述した始動後フラグF_ASTNが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、エンジン3の始動後、所定時間が経過したときには、ステップ43に進み、前述したニュートラルフラグF_ATNPが「1」であるか否かを判別する。
この判別結果がYESで、自動変速機のシフト位置がニュートラルレンジまたはパーキングレンジにあるときには、ステップ44に進み、前述した点検中フラグF_SCSが「1」であるか否かを判別する。この判別結果がYESで、点検者がエンジン3の点検準備を実行ずみであるときには、エンジン点検中であると判定して、ステップ45に進み、エンジン水温TWが所定温度TW_SCS以上であるか否かを判別する。この所定温度TW_SCSは、エンジン3の暖機が完了しているか否かを判別できるような値(例えば75℃)に設定される。
このステップ45の判別結果がYESで、エンジン3の暖機が完了しているときには、ステップ46に進み、点火時期IG_LOGを所定の点検用値IG_SCSに設定した後、本処理を終了する。この所定の点検用値IG_SCSは、前述した基本アイドル用値IG_IDLMAPよりも遅角側の、圧縮行程のTDC位置に相当する値に設定されている。
一方、ステップ42〜45のいずれかの判別結果がNOのとき、すなわちエンジン3の始動後、所定時間が経過していないとき、自動変速機のシフト位置がニュートラルレンジおよびパーキングレンジにないとき、点検者がエンジン3の点検準備を実行ずみでないとき、またはエンジン3の暖機が完了していないときには、ステップ47に進み、点火時期IG_LOGを算出する。具体的には、運転状態パラメータとしてのアイドル回転数NEに応じて、図示しないテーブルを検索することによって、補正値(値0を含む)を算出し、この補正値を、ステップ41で算出した基本アイドル用値IG_IDLMAPに加算することによって、点火時期IG_LOGが算出される。ステップ47で以上のように点火時期IG_LOGを算出した後、本処理を終了する。
一方、前述したステップ40の判別結果がNOのときには、ステップ48に進み、通常制御処理を実行する。この通常制御処理では、エンジン3の運転状態を表す運転状態パラメータ(例えばエンジン回転数NE、エンジン水温TWおよびアクセル開度APなど)に応じて、図示しないマップやテーブルを検索することよって、点火時期IG_LOGが算出される。ステップ48で以上のように通常制御処理を実行した後、本処理を終了する。
以上のように、本実施形態の制御装置1によれば、点火時期制御処理において、エンジン3の点検中でかつ暖機が完了していると判定されたとき(ステップ42〜45の判別結果がYESのとき)には、点火時期IG_LOGが、基本アイドル用値IG_IDLMAPよりも遅角側の所定の点検用値IG_SCSに設定される(ステップ46)。このように、点火時期IG_LOGを基本アイドル用値IG_IDLMAPよりも遅角側の所定の点検用値IG_SCSに設定することによって、ノッキングの発生を回避でき、混合気を安定した状態で燃焼させることができる。また、点火時期IG_LOGを点検用値IG_SCSに設定することで、実際のアイドル回転数NEが一時的に目標アイドル回転数NOBJから低下した場合でも、前述した吸入空気量制御処理によって、アイドル回転数NEを目標アイドル回転数NOBJに維持すべく、吸入空気量が増大側に制御され、空気流速が増大することになる。その結果、良好な燃焼状態が得られ、アイドル回転数が安定した状態になる。
また、目標アイドル回転数NOBJの算出処理において、エンジン3の点検中であると判定されたとき(ステップ2,6,7の判別結果がYESのとき)には、しきい値NNEUが所定の点検用回転数NNEU_SCSに設定され(ステップ8)、NNEUX≧NOBJ2のときには、目標アイドル回転数NOBJがしきい値NNEUXに設定される(ステップ11)。すなわち目標アイドル回転数NOBJが所定の点検用回転数NNEU_SCSに設定される。この所定の点検用回転数NNEU_SCSは、前述したように、エンジン3の点検中、点火時期IG_LOGが所定の点検用値IG_SCSに設定されかつ交流発電機10の高電圧制御処理が実行されている場合において、エンジン3の負荷が変化したときでも、エンジン3のアイドル回転数NEを安定した状態に保持できるような値に設定されているので、エンジン3の点検中、混合気を安定した状態で燃焼させることができ、それにより、アイドル回転数を安定した状態に保持でき、エンジンストールを回避できる。
以上のように、点火時期IG_LOGの遅角側への設定処理と、目標アイドル回転数NOBJの増大側への設定処理とを双方とも実行することによって、点火時期IG_LOGの過大な遅角(ひいては燃焼温度の大幅な上昇)やアイドル回転数NEの過剰な増大を回避しながら、アイドル回転数NEを安定した状態に保持でき、エンジンストールを回避できる。特に、小排気量の内燃機関のようにフライホイールが比較的小さい場合や、交流発電機の発電容量が大きい場合でも、以上のような作用効果を確実に得ることができる。その結果、点検用のタイミングライトなどを用いて、基準マーク11に対する点検用マーク8bの位置関係を容易かつ適切に目で確認でき、点検者が点火時期を容易かつ適切に点検することができる。
さらに、エンジン3の暖機が完了したときすなわち混合気の良好な燃焼状態が得られているときに、点火時期IG_LOGが所定の点検用値IG_SCSに設定されるので、点火時期IG_LOGを暖機の完了前に所定の点検用値IG_SCSに設定したときのようなエンジン3の出力低下や出力変動を、回避することができる。その結果、所定の点検用回転数NNEU_SCSをより低い値に設定した場合でも、アイドル回転数を安定した状態に保持することができる。
これに加えて、しきい値NNEUと通常用値NOBJ2のうちの大きい方が目標アイドル回転数NOBJとして設定される(ステップ10〜12)ので、エンジン水温TWの高低すなわち暖機の完了の有無にかかわらず、アイドル回転数が、しきい値NNEUと通常用値NOBJ2のうちの大きい方の値になるように制御されることによって、エンジン3の点検中、アイドル回転数を確実に安定した状態に保持できる。
なお、実施形態は、点検用マーク8a〜8cを回転部としてクランクプーリ8に設けた例であるが、本願発明の点検用マークを設ける回転部はこれに限らず、内燃機関のクランクシャフトの回転に伴って回転する部分であればよい。例えば、点検用マークをカムシャフトやディストリビュータなどに設けるように構成してもよい。
また、実施形態は、点検者が基準マーク11に対する点検用マーク8bの位置関係を目で確認することによって、点火時期を点検した例であるが、本願発明の点火時期の点検手法はこれに限らず、点火時期を点検できるものであればよい。例えば、クランク角センサ23からのTDC信号と点火プラグ5への通電信号に基づき、点火時期を電気的に点検するように構成してもよい。
さらに、実施形態は、エンジン3の点検中であるか否かの判定を、3つのフラグF_ASTN,F_ATNP,F_SCSの値に基づいて実行した例であるが、本願発明における内燃機関の点検中の判定手法はこれに限らず、内燃機関の点検中であることを適切に判定できるものであればよい。例えば、上記3つのフラグに加えて、実施形態のアイドル運転フラグF_IDLEを内燃機関の点検中であるか否かを判定する条件として付加してもよく、車速VPおよびアクセル開度APなどのパラメータを所定値と比較することを判定条件として付加してもよい。
また、実施形態は、エンジン水温TWを所定温度TW_SCSと比較することによって、エンジン3の暖機が完了しているか否かを判定した例であるが、本願発明の内燃機関の暖機完了の判定手法はこれに限らず、内燃機関の暖機完了を適切に判定できるものであればよい。例えば、エンジン3の始動後、暖機が完了したと推定される所定時間が経過したか否かを判定することで、暖機の完了判定を行うように構成してもよい。
一方、実施形態は、機関温度としてエンジン水温TWを用いた例であるが、本願発明の機関温度はこれに限らず、内燃機関の温度を表すものであればよい。例えば、内燃機関の潤滑油の温度を検出する油温センサを設け、これによって検出された潤滑油の温度を機関温度として用いてもよい。その場合には、前述した暖機完了の判定手法として、潤滑油の温度が所定温度以上であるか否かを判定するように構成すればよい。
また、前述した点火時期制御処理において、点火時期IG_LOGを所定の点検用値IG_SCSに設定した直後、アイドル回転数NEが一時的に低下する可能性があるので、点火時期IG_LOGを所定の点検用値IG_SCSに設定した時点から所定時間が経過するまで、吸入空気量制御において、吸入空気量を増大側に補正するように構成してもよい。
さらに、実施形態は、点検用値として一定の値IG_SCSを用いた例であるが、本願発明の点検用値はこれに限らず、所定条件に応じて可変設定される値を用いてもよい。例えば、点検用値を、エンジン3の運転状態を表す運転状態パラメータ(エンジン水温TWなど)に応じて、図示しないテーブルを検索することによって算出してもよい。
また、実施形態の図7のステップ46において、基本点火時期としての基本アイドル用値IG_IDLMAPから所定値を減算することによって、点検用値IG_SCSを算出するとともに、そのように算出した点検用値IG_SCSを点火時期IG_LOGとして設定するように構成してもよい。これは、前述した実施形態の場合、点検中フラグF_SCS=1で、かつエンジン水温TWが所定温度TW_SCS以上のときすなわちエンジン3の暖機が完了しているときに、アイドル運転状態での点火時期の点検が実施されていると判定して、点火時期IG_LOGが点検用値IG_SCSに設定されるものであるため、エンジン水温TWに応じて算出される基本アイドル用値IG_IDLMAPも、点検時にはある一定値に設定されているとの前提が成立するからである。
一方、実施形態は、第1回転数として一定値NNEU_SCSを用いた例であるが、本願発明の第1回転数はこれに限らず、所定条件に応じて可変設定される値を用いてもよい。例えば、第1回転数を、エンジン3の運転状態を表す運転状態パラメータ(エンジン水温TWなど)に応じて、図示しないテーブルを検索することによって算出してもよい。
また、実施形態は、基本点火時期としての基本アイドル用値IG_IDLMAPをエンジン水温TWに応じて算出した例であるが、本願発明の基本点火時期はこれに限らず、基本点火時期として、他の運転状態パラメータに応じて算出した値を用いてもよく、一定値を用いてもよい。また、基本点火時期として一定値を用いた場合において、この一定値をエンジン水温TWに応じて補正するように構成してもよい。
さらに、実施形態は、基本点火時期としての基本アイドル用値IG_IDLMAPを補正する際、その補正値をエンジン回転数NEに応じて算出した例であるが、本願発明の基本点火時期の補正手法はこれに限らず、基本点火時期の補正に用いる補正値を、他の運転状態パラメータに応じて算出してもよい。例えば、エアコンなどの補機のON/OFF状態に応じて、補正値を算出してもよい。
一方、実施形態は、スロットル弁機構7を制御することによって、吸入空気量を制御した例であるが、本願発明の吸入空気量を制御するのに用いるデバイスはこれに限らず、アイドル回転数NEが目標アイドル回転数NOBJに収束するように、吸入空気量をフィードバック制御できるものであれば構成してもよい。例えば、吸気弁の最大揚程を自在に変更可能な可変リフト機構を用い、これを制御することによって、吸入空気量を制御するように構成してもよい。また、上記可変リフト機構70に加えて、吸気カムのクランクシャフト3aに対する位相を自在に変更可能な可変カム位相機構を用い、これらの2つの機構を制御することにより、吸入空気量を制御するように構成してもよい。
また、実施形態は、本発明の制御装置1を車両用の内燃機関3に適用した例であるが、本発明の制御装置はこれに限らず、船舶用および発電用などの様々な用途の内燃機関に適用可能である。
本発明の一実施形態に係る制御装置およびこれを適用した内燃機関の概略構成を示す図である。 クランクプーリの外観を示す図である。 目標アイドル回転数NOBJの算出処理を示すフローチャートである。 目標アイドル回転数の暖機用値NOBJ1および通常用値NOBJ2の算出に用いるテーブルの一例を示す図である。 吸入空気量制御処理を示すフローチャートである。 交流発電機制御処理を示すフローチャートである。 点火時期制御処理を示すフローチャートである。 基本アイドル用値IG_IDLMAPの算出に用いるテーブルの一例を示す図である。
符号の説明
1 制御装置
2 ECU(基本点火時期算出手段、点検判定手段、非点検時点火時期算出手段、点検
時点火時期設定手段、目標アイドル回転数設定手段、暖機判定手段、第2回転数算
出手段)
3 内燃機関
3a クランクシャフト
8 クランクプーリ(回転部)
8b 点検用マーク(被点検体)
11 基準マーク(基準部位)
21 水温センサ(機関温度検出手段、運転状態パラメータ検出手段)
23 クランク角センサ(運転状態パラメータ検出手段)
NE エンジン回転数、アイドル回転数(運転状態パラメータ)
NOBJ 目標アイドル回転数
NNEU_SCS 点検用回転数(第1回転数)
NOBJ2 通常用値(第2回転数)
IG_LOG 点火時期
IG_IDLMAP 基本アイドル用値(基本点火時期)
IG_SCS 点検用値
TW エンジン水温(機関温度、運転状態パラメータ)
TW_SCS 所定温度

Claims (4)

  1. 当該内燃機関の点検時にアイドル運転状態で点火時期が点検される内燃機関において、当該内燃機関の実際のアイドル回転数を目標アイドル回転数になるように制御する内燃機関の制御装置であって、
    当該内燃機関の運転状態を表す運転状態パラメータを検出する運転状態パラメータ検出手段と、
    基本点火時期を算出する基本点火時期算出手段と、
    前記内燃機関の点検中であるか否かを判定する点検判定手段と、
    当該点検判定手段による判定の結果、前記内燃機関の点検中でないときに、前記算出された基本点火時期を前記検出された運転状態パラメータに応じて補正することにより、前記点火時期を算出する非点検時点火時期算出手段と、
    前記内燃機関の点検中であるときに、前記点火時期を前記基本点火時期よりも遅角側の点検用値に設定する点検時点火時期設定手段と、
    前記内燃機関の点検中であるときに、前記目標アイドル回転数を点検中でないときよりも高い第1回転数に設定する目標アイドル回転数設定手段と、
    前記内燃機関の暖機が完了しているか否かを判定する暖機判定手段と、
    を備え
    前記点検時点火時期設定手段は、前記内燃機関の点検中である場合において、前記暖機判定手段によって前記内燃機関の暖機が完了していると判定されたときに、前記点火時期を前記点検用値に設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記点火時期の点検は、アイドル運転中のクランクシャフトの回転に伴って回転する回転部に設けられた被点検体の、不動の基準部位に対する位置関係を視認することによって行われることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関の温度を機関温度として検出する機関温度検出手段をさらに備え、
    前記暖機判定手段は、前記検出された機関温度が所定温度以上のときに、前記内燃機関の暖機が完了したと判定することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 当該内燃機関の点検時にアイドル運転状態で点火時期が点検される内燃機関において、当該内燃機関の実際のアイドル回転数を目標アイドル回転数になるように制御する内燃機関の制御装置であって、
    当該内燃機関の運転状態を表す運転状態パラメータを検出する運転状態パラメータ検出手段と、
    基本点火時期を算出する基本点火時期算出手段と、
    前記内燃機関の点検中であるか否かを判定する点検判定手段と、
    当該点検判定手段による判定の結果、前記内燃機関の点検中でないときに、前記算出された基本点火時期を前記検出された運転状態パラメータに応じて補正することにより、前記点火時期を算出する非点検時点火時期算出手段と、
    前記内燃機関の点検中であるときに、前記点火時期を前記基本点火時期よりも遅角側の点検用値に設定する点検時点火時期設定手段と、
    前記内燃機関の点検中であるときに、前記目標アイドル回転数を点検中でないときよりも高い第1回転数に設定する目標アイドル回転数設定手段と、
    前記内燃機関の温度を機関温度として検出する機関温度検出手段と、
    当該検出された機関温度に応じて、前記目標アイドル回転数として第2回転数を算出する第2回転数算出手段と、
    を備え、
    前記目標アイドル回転数設定手段は、前記内燃機関の点検中である場合において、前記算出された第2回転数が前記第1回転数よりも大きいときに、前記目標アイドル回転数を前記第2回転数に設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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