JP4848174B2 - 微粒燃料機の制御方法および微粒燃料機 - Google Patents
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Description
そこで、この問題を解決するため、所定のパラメータに基づいて微粉炭機を制御することにより、供給する微粉炭量の制御する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、上述の微粉炭機の制御方法は模擬出炭量に基づいているため、微粉炭機内に滞留している微粉炭量については制御されていない。そのため、微粉炭機にかかる負荷が極度に増減した場合、微粉炭機内に滞留する微粉炭量が極端に増減することとなり、どちらの場合にしても微粉炭機が振動を起こす原因となる恐れがあった。
本発明の微粒燃料機の制御方法は、供給された固形燃料を粉砕して微粒燃料にする粉砕部と、前記微粒燃料の粒度を分級して所定の粒度よりも小さい微粒燃料を外部に供給し、所定の粒度よりも大きい微粒燃料を前記粉砕部に戻す分級部と、前記粉砕部に滞留する前記固形燃料の量により変化する前記粉砕部の消費電力を検出する消費電力検出手段と、を有する微粒燃料機の制御方法であって、前記分級部を、前記消費電力検出手段33により検出される前記粉砕部の消費電力に基づいて制御し、前記消費電力が所定の範囲を超えて増加した場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくして外部に供給される前記微粒燃料の量を増加させ、前記消費電力が所定の範囲を超えて減少した場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくして外部に供給される前記微粒燃料の量を減少させるように制御することを特徴とする。
本発明によれば、微粒燃料機の粉砕部に滞留する固形燃料の量により変化する前記固形燃料の厚さを検出することによっても、滞留する固形燃料量を制御することができる。このため、固形燃料の種類が変わるなどして微粒燃料機にかかる負荷が急に増減しても、滞留する固形燃料量の増減を防止し、微粒燃料機の振動発生をより効果的に防止することができる。
上記発明においては、前記粉砕部に滞留する前記固形燃料の厚さを検出する固形燃料厚検出手段をさらに有し、前記分級部を、前記消費電力検出手段により検出される前記粉砕部の消費電力に基づいて制御すると同時に、前記固形燃料厚検出手段により検出される前記固形燃料の厚さにも基づいて制御し、前記固形燃料の厚さが所定の範囲よりも厚くなった場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくして外部に供給される前記微粒燃料の量を増加させて前記固形燃料の厚さを薄くし、前記固形燃料の厚さが所定の範囲よりも薄くなった場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくして外部に供給される前記微粒燃料の量を減少させて前記固形燃料の厚さを厚くするように制御する構成としてもよい。
本発明によれば、微粒燃料機の粉砕部に滞留する固形燃料の量により変化する前記固形燃料の厚さを検出することによっても、滞留する固形燃料量を制御することができる。このため、固形燃料の種類が変わるなどして微粒燃料機にかかる負荷が急に増減しても、滞留する固形燃料量の増減を防止し、微粒燃料機の振動発生をより効果的に防止することができる。
上記発明においては、前記粉砕部が、前記固形燃料をその上に保持する保持部と、前記固形燃料を前記保持部との間に挟み、押し潰して砕く押圧部と、を有し、前記押圧部を、前記固形燃料厚検出手段が検出する前記固形燃料の厚さに基づいて制御することにより、所定粒径の微粒燃料生成速度を調節し、前記固形燃料の厚さを制御する構成としてもよい。
本発明によれば、保持部と押圧部との間に挟まれた固形燃料の厚さを固形燃料厚検出手段により検出することで、微粒燃料機にかかる負荷を推定し、固形燃料の厚さに基づいて押圧部を制御しているため、上記固形燃料の厚さを制御でき、微粒燃料機にかかる負荷を制御できる。例えば上記固形燃料の厚さが厚くなった場合には、押圧部の固形燃料を押し潰す力を強くして微粒燃料の生成速度を速めることにより上記固形燃料の厚さを薄くすることができる。
上記発明においては、前記分級部は、前記粉砕部において粉砕された前記微粒燃料のうち、所定の粒径以下の微粒燃料は回転羽根の回転面を通過させて外部へ気流搬送し、所定の粒径以上の微粒燃料は前記回転羽根で叩き落として前記粉砕部に戻す構成であり、
前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくする時には、前記回転羽根の回転数をステップ状に下げ、一定の回転数を維持してからランプ状に上げ、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくする時には、前記回転羽根の回転数をステップ状に上げ、一定の回転数を維持してからランプ状に下げるように制御する構成としてもよい。
本発明によれば、回転羽根の回転数を切り換える時にステップ状に下げる、または上げることにより、粉砕部に滞留する固形燃料の厚さをより早いタイミングで制御でき、その際に固形燃料の厚さがオーバーシュートすることを防止できる。また、上記のように回転羽根の回転数を切り換えた後、一定の回転数を維持してからランプ状に上げる、または下げることにより、固形燃料の厚さがアンダーシュートすることを防止できる。このため、より安定した固形燃料の厚さの制御ができる。
図1は、本実施形態に係る微粉炭機の全体構成を説明する図である。
微粉炭機(微粒燃料機)1には、図1に示すように、貯炭場から送られてきた石炭(固形燃料)を一時的に貯留する石炭バンカ3と、石炭を石炭バンカ3から微粉炭機1に供給する給炭部5とが備えられている。また、微粉炭機1は、筐体11と、筐体11内に配置された石炭を粉砕して微粉炭(微粒燃料)にする粉砕部13と、微粉炭の粒径を分級する分級部15と、微粉炭を外部に供給する複数の微粉炭管17とから概略構成されている。
筐体11には、その下部からシールエアが導入され、上部には形成された微粉炭およびシールエアが流出する複数の微粉炭管17が配置されている。
テーブル駆動部23は、回転トルクを発生させる駆動モータ29と、回転トルクをテーブル21に伝達するシャフトおよび伝達方向を変えるギヤからなるトルク伝達部31とから構成されている。また、駆動モータ29には、駆動モータ29が消費する電力を検出する電流計(消費電力検出手段)33が配置されている。
まず、屋外または屋内の貯炭場から送られてきた石炭(受け入れ炭)は、石炭バンカ3にいったん貯留される。このときの受け入れ炭の大きさは数mmから数cm程度の大きさである。受け入れ炭は給炭部5のベルトコンベヤ部7により石炭バンカ3から給炭管9に搬送される。
ローラ25により形成された微粉炭は、筐体11の下部から導入された燃料搬送エアによりテーブル21から上方に搬送される。
回転羽根49は所定回転数で回転しているため、その回転面を通過する粒径の大きな微粉炭を叩き落し、粉砕部13に戻している。粒径の大きな微粉炭は移動速度が遅くなるため回転羽根49の回転面を通過するのに時間を要し、そのため回転羽根49に叩き落されやすくなる。回転羽根49の回転面を通過できる微粉炭の粒径は、回転羽根49の回転速度により調節することができ、その平均粒径としては約数十μmを例に挙げることができる。
ここで、微粉炭機1にかかる負荷とは、微粉炭機1内に滞留している石炭量であって、より具体的にはテーブル21とローラ25との間に挟まれている石炭の厚さtのことをいう。
本実施形態の微粉炭機1は、石炭の厚さtに基づく制御と、テーブル21を回転させる駆動モータ29の消費電力に基づく制御と、を同時に行っている。
石炭の厚さtは、ピストンシリンダ41に備えられたロールリフト計45により計測される。具体的には、石炭の厚さtが薄くなると、ローラ25が下方に移動し、ローラ25の移動が押圧力伝達部43を介してピストンシリンダ41のピストンに伝えられ、ピストンが図中左方向に移動し、ロールリフト計45がこのピストンの移動を検出する。
逆に石炭の厚さtが厚くなると、ローラ25が上方に移動してピストンが図中右方向に移動し、ロールリフト計45がこのピストンの移動を検出する。
なお、ローラ25の押圧力を制御しない場合には、ソレノイドバルブ39を閉じてタンク35とピストンシリンダ41との間のオイル循環を止めている。さらに、ピストンシリンダ41内のオイルの圧力は圧力計47により測定されていて、測定値に基づいてオイルの圧力が一定になるようにソレノイドバルブ39を制御している。
駆動モータ29の消費電力は駆動モータ29に備えられた電流計33により計測され、計測された消費電力に基づいて分級部15の回転羽根49の回転速度が制御されている。
つまり、微粉炭機1内に滞留する微粉炭量が多くなると、テーブル21を回転させるのに要する動力が増加し、消費される電力が増加する。消費電力が所定の範囲を超えて増加した場合には、回転羽根49の回転速度を遅くすることにより、粉砕部13に戻す微粉炭量を減らし、微粉炭機1内に滞留する微粉炭量を減らして消費電力を低下させている。
図2は、図1の微粉炭機1の制御の時間的経過を説明する図である。図2(a)は、所定の範囲上限を超えた際の制御を説明する図であり、図2(b)は、所定の範囲下限を超えた際の制御を説明する図である。
制御の時間的経過については、石炭の厚さtに基づく制御とテーブル21を回転させる駆動モータ29の消費電力に基づく制御との間に相違点が無いため、説明の簡易化のために石炭の厚さtに基づく制御についてのみ説明する。
図2(a)に示すように、石炭の厚さtが所定の範囲の上限を超えて厚くなると、それまで所定の一定回転数で回転していた分級部15の回転羽根49の回転数をステップ状に下げ、低下した回転数を維持する。
回転羽根49の回転数を下げると、粉砕部13に戻される微粉炭の量が減少して石炭の厚さtが薄くなり始める。
回転羽根49の回転数低下のタイミングと石炭の厚さtが薄くなり始めるタイミングには図に示すように若干の時間差が存在するため、上述のように回転数をステップ状に下げることにより、石炭の厚さtをより早いタイミングで薄くできる。
上述のように回転羽根49と石炭の厚さtとの間には時間差が生じるため、回転羽根49の回転数をランプ状に上げることにより、石炭の厚さtのオーバーシュートを防止でき、より安定した石炭の厚さtの制御ができる。
回転羽根49の回転数を上げると、粉砕部13に戻される微粉炭の量が増加して石炭の厚さtが厚くなり始める。
回転羽根49の回転数上昇のタイミングと石炭の厚さtが厚くなり始めるタイミングには図に示すように若干の時間差が存在するため、上述のように回転数をステップ状に上げることにより、石炭の厚さtをより早いタイミングで厚くできる。
上述のように回転羽根49と石炭の厚さtとの間には時間差が生じるため、回転羽根49の回転数をランプ状に下げることにより、石炭の厚さtのアンダーシュートを防止でき、より安定した石炭の厚さtの制御ができる。
例えば、上記の実施の形態においては、石炭の厚さtに基づく制御およびテーブル21を回転させる駆動モータ29の消費電力に基づく制御を同時に行う構成に適応して説明したが、両制御を同時に行うものに限られることなく、いずれか一方の制御のみを行う構成等、その他各種の構成に適応することができるものである。
13 粉砕部
15 分級部
21 テーブル(保持部)
25 ローラ(押圧部)
27 荷重部(押圧部)
33 電流計(消費電力検出手段)
45 ロールリフト計(固形燃料厚検出手段)
t 石炭の厚さ
Claims (8)
- 供給された固形燃料を粉砕して微粒燃料にする粉砕部と、
前記微粒燃料の粒度を分級して所定の粒度よりも小さい微粒燃料を外部に供給し、所定の粒度よりも大きい微粒燃料を前記粉砕部に戻す分級部と、
前記粉砕部に滞留する前記固形燃料の量により変化する前記粉砕部の消費電力を検出する消費電力検出手段と、を有する微粒燃料機の制御方法であって、
前記分級部を、前記消費電力検出手段により検出される前記粉砕部の消費電力に基づいて制御し、
前記消費電力が所定の範囲を超えて増加した場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくして外部に供給される前記微粒燃料の量を増加させ、
前記消費電力が所定の範囲を超えて減少した場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくして外部に供給される前記微粒燃料の量を減少させるように制御することを特徴とする微粒燃料機の制御方法。 - 前記粉砕部に滞留する前記固形燃料の厚さを検出する固形燃料厚検出手段をさらに有し、
前記分級部を、前記消費電力検出手段により検出される前記粉砕部の消費電力に基づいて制御すると同時に、前記固形燃料厚検出手段により検出される前記固形燃料の厚さにも基づいて制御し、
前記固形燃料の厚さが所定の範囲よりも厚くなった場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくして外部に供給される前記微粒燃料の量を増加させて前記固形燃料の厚さを薄くし、
前記固形燃料の厚さが所定の範囲よりも薄くなった場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくして外部に供給される前記微粒燃料の量を減少させて前記固形燃料の厚さを厚くするように制御することを特徴とする請求項1に記載の微粒燃料機の制御方法。 - 前記粉砕部が、前記固形燃料をその上に保持する保持部と、前記固形燃料を前記保持部との間に挟み、押し潰して砕く押圧部と、を有し、
前記押圧部を、前記固形燃料厚検出手段が検出する前記固形燃料の厚さに基づいて制御することにより、所定粒径の微粒燃料生成速度を調節し、前記固形燃料の厚さを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の微粒燃料機の制御方法。 - 前記分級部は、前記粉砕部において粉砕された前記微粒燃料のうち、所定の粒径以下の微粒燃料は回転羽根の回転面を通過させて外部へ気流搬送し、所定の粒径以上の微粒燃料は前記回転羽根で叩き落として前記粉砕部に戻す構成であり、
前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくする時には、前記回転羽根の回転数をステップ状に下げ、一定の回転数を維持してからランプ状に上げ、
前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくする時には、前記回転羽根の回転数をステップ状に上げ、一定の回転数を維持してからランプ状に下げるように制御することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の微粒燃料機の制御方法。 - 供給された固形燃料を粉砕して微粒燃料にする粉砕部と、
前記微粒燃料の粒度を分級して所定の粒度よりも小さい微粒燃料を外部に供給し、所定の粒度よりも大きい微粒燃料を前記粉砕部に戻す分級部と、
前記粉砕部に滞留する前記固形燃料の量により変化する前記粉砕部の消費電力を検出する消費電力検出手段と、を有し、
前記分級部を、前記消費電力検出手段により検出される前記粉砕部の消費電力に基づいて制御し、
前記消費電力が所定の範囲を超えて増加した場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくして外部に供給される前記微粒燃料の量を増加させ、
前記消費電力が所定の範囲を超えて減少した場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくして外部に供給される前記微粒燃料の量を減少させるように制御することを特徴とする微粒燃料機。 - 前記粉砕部に滞留する前記固形燃料の厚さを検出する固形燃料厚検出手段をさらに有し、
前記分級部を、前記消費電力検出手段により検出される前記粉砕部の消費電力に基づいて制御すると同時に、前記固形燃料厚検出手段により検出される前記固形燃料の厚さにも基づいて制御し、
前記固形燃料の厚さが所定の範囲よりも厚くなった場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくして外部に供給される前記微粒燃料の量を増加させて前記固形燃料の厚さを薄くし、
前記固形燃料の厚さが所定の範囲よりも薄くなった場合には、前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくして外部に供給される前記微粒燃料の量を減少させて前記固形燃料の厚さを厚くするように制御することを特徴とする請求項5に記載の微粒燃料機。 - 前記粉砕部が、前記固形燃料をその上に保持する保持部と、前記固形燃料を前記保持部との間に挟み、押し潰して砕く押圧部と、を有し、
前記押圧部を、前記固形燃料厚検出手段が検出する前記固形燃料の厚さに基づいて制御することにより、所定粒径の微粒燃料生成速度を調節し、前記固形燃料の厚さを制御することを特徴とする請求項5または6に記載の微粒燃料機。 - 前記分級部は、前記粉砕部において粉砕された前記微粒燃料のうち、所定の粒径以下の微粒燃料は回転羽根の回転面を通過させて外部へ気流搬送し、所定の粒径以上の微粒燃料は前記回転羽根で叩き落として前記粉砕部に戻す構成であり、
前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を大きくする時には、前記回転羽根の回転数をステップ状に下げ、一定の回転数を維持してからランプ状に上げ、
前記分級部における前記微粒燃料の分級粒度を小さくする時には、前記回転羽根の回転数をステップ状に上げ、一定の回転数を維持してからランプ状に下げるように制御することを特徴とする請求項5から7のいずれかに記載の微粒燃料機。
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